JP2005326152A - コンクリート構造物の鉄筋破断検知方法 - Google Patents

コンクリート構造物の鉄筋破断検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート内の鉄筋の破断部を短時間で非破壊的にかつ精度良く検知する。
【解決手段】(1)磁気センサ2と着磁コイル4とを鉄筋Rxとの破断点Xを挟んで配置し、磁気センサ2でコンクリートCの表面の磁界の大きさD1を得て記憶する。
(2)次に、着磁コイル4に一時的に通電し、着磁コイル4から発生する磁束により鉄筋Rxを着磁する。
(3)再び、磁気センサ2により鉄筋Rxの残留磁気の大きさを測定し、磁界の大きさD2を記憶する。
(4)信号の差分(D2−D1)を求め、この差分(D2−D1)が閾値よりも小さければ、鉄筋Rxに破断があると判断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート内に配設した鉄筋の破断を検知するためのコンクリート構造物の鉄筋破断検知方法に関するものである。
近年、橋梁などのコンクリート構造物においてはアルカリ骨材反応(ASR)が問題となっている。このアルカリ骨材反応とは、コンクリート中のアルカリ金属イオンと骨材中の特定の鉱物とが化学反応を生じ、その反応により生成するアルカリシリカゲルが水分の供給により膨張する現象である。
この反応に起因するコンクリート構造物の損傷は、コンクリートの膨張によるひび割れや、コンクリート内部の鉄筋が引きち切られて破断する現象となって現れる。
この鉄筋の破断をそのまま放置しておくことは構造強度上極めて危険であり、コンクリートを破壊せずに、非破壊検査によって検知することが強く望まれている。
しかし現在のところ、この鉄筋の破断を非破壊的に有効に検知する装置はなく、次のような方法で破壊検査による調査を行っている。
(1)定期点検によりコンクリートのひび割れを発見する。
(2)白色ゲル状物質の析出などといった特徴からアルカリ骨材反応が発生しているかを推定する。
(3)アルカリ骨材反応が発生していると判断された部位については、ひび割れ幅を測定するなどの詳細調査を行う。
(4)詳細調査に基づいて、構造上耐久性に影響を及ぼすと判断される部位のひび割れについて、ひび割れ幅が一定値以上の場合は全数、それ以外はサンプリングによりコンクリートを剥し、内部の鉄筋の破断状況を確認する。
本出願人は磁気センサを用いた非破壊測定方法を既に出願しているが、測定に際して磁気センサを移動させる必要があり、測定に時間がかかる、或いは高価な磁気センサを複数個使用しなければならないという問題がある。
また通常、鉄筋は格子状に配置されていることが多く、測定すべき鉄筋に沿って磁気センサを移動させて磁力を測定する際に、所々で測定すべき鉄筋と直角方向に敷設された鉄筋の上を横切ることになる。また、破断部の真下に直交する鉄筋がある可能性もあり、測定値はこれらの鉄筋から発生する磁力の影響を受けてしまい、この影響を排除することはなかなか至難である。
更に、鉄筋の残留磁気の大きさ方向は、製造時或いは施工時の要因により異なるため、殆ど磁化がなされていない個所が破断しても、その破断を検出することは難しい。
これらの磁気的測定の問題点を解決するため、周囲一帯を脱磁した後に、測定すべき鉄筋のみを着磁して測定する方法も提案されているが、測定に時間がかかる上に脱磁装置が必要になる。
本発明の目的は、少数の磁気センサを用い、磁気センサを移動することなく短時間で直交する鉄筋や、測定すべき鉄筋の製造、施工時に起因する残留磁気の影響を排除して検知を行うコンクリート構造物の鉄筋破断検知方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るコンクリート構造物の鉄筋破断検知方法は、コンクリート構造物内の鉄筋の磁束を基に鉄筋の破断部を検出する方法であって、鉄筋の残留磁気によるコンクリート表面上の磁界を検出する第1次磁界検出工程と、前記鉄筋を着磁する着磁工程と、着磁後の前記鉄筋の残留磁気によるコンクリート表面上の磁界を検出する第2次磁界検出工程と、前記第1次、第2次磁界検出工程で得られた信号の差分を所定値と比較して前記鉄筋の破断を検知する破断検知工程とから成ることを特徴とする。
また、本発明に係るコンクリート構造物の鉄筋破断検知方法は、コンクリート構造物内の鉄筋の磁束を基に鉄筋の破断部を検出する方法であって、前記鉄筋を着磁する第1次着磁工程と、該第1次着磁工程後に前記鉄筋の残留磁気によるコンクリート表面上の磁界を検出する第1次磁界検出工程と、前記鉄筋を第1次着磁工程とは逆極性で着磁する第2次着磁工程と、該第2次着磁工程後に着磁後の前記鉄筋の残留磁気によるコンクリート表面上の磁界を検出する第2次磁界検出工程と、前記第1次、第2次磁界検出工程で得られた信号の差分を所定値と比較して前記鉄筋の破断を検知する破断検知工程とから成ることを特徴とする。
本発明に係るコンクリート構造物の鉄筋破断検知方法によれば、コンクリート内の鉄筋の破断部を短時間で非破壊的にかつ精度良く検知することができる。
本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、コンクリートC内に配置され測定すべき鉄筋Rxに沿って着磁装置1と磁気センサ2を破断が予想される破断点Xを挟んで配置する。着磁装置1は着磁用電源3に接続しコンクリートCに近接する着磁コイル4を有している。なお、説明の都合上、測定すべき鉄筋Rxは磁化されていないとし、これに直交する鉄筋Ryは磁化されているものとする。
なお、鉄筋Rxの残留磁気によるコンクリート表面の磁束密度は、5〜500マイクロテスラ(μT)であり極めて微少である。このため、普及しているホール素子型の磁気センサでは精度良く検出するには十分でない。従って、磁気センサ2として高精度のフラックスゲート型磁気センサや磁気インダクタンス(MI)型磁気センサを用いることにより、より正確な検知が可能になる。
図2は本発明を実施するためのブロック回路構成図であり、磁気センサ2の出力はA/D変換器11を経て、着磁前データメモリ12と着磁後データメモリ13に択一的に接続されている。着磁前データメモリ12と着磁後データメモリ13の出力は減算回路14を経て比較回路15、表示部16に接続されている。また比較回路15には、減算回路14の出力と比較するために閾値メモリ17の出力が接続されている。
基本的な測定の手順を説明すると、(1)先ず着磁装置1を作動させずに、磁気センサ2で鉄筋Rxの残留磁気を測定する。
磁気センサ2でコンクリートCの表面の磁界の大きさを電圧信号に変え、更にA/D変換器11でデジタルデータ(D1)を得て、着磁前データメモリ12に記憶する。
(2)次に、着磁用電源3により着磁装置1の着磁コイル4に一時的に通電し、着磁コイル4から発生する磁束により鉄筋Rxを着磁する。
(3)再び、磁気センサ2により鉄筋Rxの残留磁気を測定する。
着磁後の磁界の大きさを(1)と同様に検出し、デジタルデータ(D2)を着磁後データメモリ13に記憶する。
(4)磁気センサ2による(1)、(3)で得られた信号D1、D2の差分を求めて鉄筋Rxの破断の有無を検知する。
減算回路14において差分D2−D1を計算し、この差分を比較回路15で閾値メモリ17の閾値と比較し、閾値よりも小さければ破断があると判断して表示部16に表示する。
実際にコンクリートCの表面の磁界を検出する際には、鉄筋Rxの残留磁気による磁界だけが検出されるわけでなく、地磁気又は近くを通る送電線等を流れる電流による磁界などの外部磁界の影響を受けることになる。例えば、鉄筋Rxから100mm離れた磁気センサ2の位置における鉄筋Rxの残留磁気による磁束密度は、前述したように5〜500マイクロテスラ程度であるが、地磁気による磁束密度は、日本周辺では50マイクロテスラ程度あり、無視できない値である。
着磁前後の磁界の差分D2−D1を求めると、地磁気や直交する鉄筋Ry等による磁界は着磁前後で一定であるため、このように差分を求めることによりこれらの影響は相殺され、鉄筋Rxを着磁して増加した磁界のみが得られる。
鉄筋Rxに破断部がない場合には、(1)の着磁装置1の作動前におけるコンクリートCの表面の測定すべき鉄筋Rxに沿った磁界の大きさは、例えば図3のデータAに示すようになり、一定の地磁気による磁界と所々で直交する鉄筋Ryの残留磁気による磁界との合成されたものになっている。
この状態で、(2)で着磁コイル4に一時的に直流電流を流して鉄筋Rxを磁化させると、コンクリートCの表面における磁界の大きさは、図3のデータBに示すようになる。着磁の影響は磁気センサ2により検出されるが、データAと同様に地磁気や鉄筋Ryの残留磁気はそのまま上乗せされている。なお、図3のデータDはデータAとBの差分を示している。
図4は鉄筋Rxが破断している場合に、鉄筋Rxに沿ったコンクリートCの表面の磁界の大きさについて、着磁前のデータA、着磁後のデータB及び着磁前後の差分データDを示している。
更に、図5は図3と図4の差分データD同士を比較するために、それぞれの差分データDを同一のグラフ図に表現している。この図5からも明らかなように、着磁前後の磁界の差分は、着磁装置1の中心から破断点X付近までは破断の有無に拘わらずほぼ一致している。しかし、破断点Xから先においては、破断している場合の差分は破断していない場合と比べると極めて小さく、その大きさは破断がないときの十分の1以下になる。これは破断がないときは、着磁による影響が鉄筋Rxを通じて遠くまで及ぶのに対し、破断していると破断部Xから先にはその影響が殆ど及ばないためである。
図3〜図5からも分かるように、鉄筋Rxに沿った全ての磁界を測定しなくとも、破断点Xよりも離れた1個所に磁気センサ2を配置して、着磁前後の磁界の大きさの差を測定すれば、鉄筋Rxの破断の有無を検知できる。この方法によれば、磁気センサ2を動かす必要もなく、或いは多数の磁気センサ2を配置することもなく、破断点Xの有無を検知できることになる。
しかし、コンクリート構造物に使用されている鉄筋Rxは、一般に製造時或いは施工時の要因による残留磁気により、何らかの大きさで磁化されており、その大きさ、方向或いは分布は必ずしも一定でない。
一方、着磁装置1により鉄筋Rxに着磁する際に、磁化の大きさを大きくしても、鉄筋Rxの磁気飽和特性により或る値以上に着磁されることはない。このため、測定すべき鉄筋Rxが着磁前に既に或る極性に、或る大きさに磁化されている場合には、それと同じ極性に着磁を行っても、着磁前後の残留磁気の変化は小さなものになる。
このように、実施例1のように単に着磁前後のコンクリートCの表面上の磁界を大きさの変化を測定するだけでは、測定前の鉄筋Rxの磁化状態の影響を受け、正確に破断の有無を検知ができない場合がある。
この問題を解決する方法として、着磁コイル4の極性つまり磁化の極性を、電流の方向を切換えることにより任意に切換えできるようにする。図6はこの実施例2において使用するブロック回路構成図であり、図2のブロック回路図と比較して、着磁前データメモリ12、着磁後データメモリ13が、それぞれ正着磁データメモリ21、負着磁データメモリ22に置換されている。
この場合の測定の手順は次の通りである。
(11)実施例1と同様に、鉄筋Rxの破断を測定すべき個所を挟んで、一方に着磁装置1を配置し他方に磁気センサ2を配置し、着磁装置1の極性切換回路を正にセットして、着磁コイル4により鉄筋Rxが飽和するような大きさの磁界を一時的に加えて、鉄筋Rxを着磁する。これにより、鉄筋Rxは着磁前の磁化の極性、大きさとは関係なく一定の大きさで着磁される。
(12)磁気センサ2により磁界の大きさを電圧信号に変え、更にA/D変換器11でデジタルデータ(DP)を得て、正着磁データメモリ21に記憶する。
(13)着磁装置1の極性切換回路を負にセットして、着磁コイル4に(11)と逆方向の電流を流して鉄筋Rxが飽和するような大きさの磁界を一時的に加えて着磁する。
(14)着磁後の磁界の大きさを(12)と同様に求め、得られたデジタルデータ(DM)を負着磁データメモリ22に記憶する。
(15)減算回路14で正着磁データメモリ21と負着磁データメモリ22の差分(DM−DP)を計算する。
(17)この差分データDM−DPを比較回路15で閾値メモリ17の閾値と比較し、閾値よりも小さければ破断があると判断して表示部16に表示する。
(15)で得られる1回目と2回目の極性を変えた着磁による鉄筋Rxの残留磁気による磁界の大きさの差分は、図5と比較して大きさが2倍になるだけで曲線の形状は同じである。従って、磁気センサ2で測定した正負逆極性で着磁したときの磁界の大きさの差分(DM−DP)を求めれば、測定前の鉄筋Rxの磁化状態に関係なく破断の有無を検知することができる。
一般に、コンクリートCの表面から測定すべき鉄筋Rxまでの深さは一定ではない。このため、同じ着磁装置1を使っても鉄筋Rxまでの距離が遠くなるほど、鉄筋Rxが磁化される度合いは小さくなる。また、磁化された鉄筋Rxの残留磁気による磁界の大きさも、鉄筋Rxから磁気センサ2までの距離が大きくなるほど小さくなる。
一般に、磁気発生源から離れた個所の磁界の大きさは、その距離の三乗に反比例するので、鉄筋Rxの深さが大きくなると、着磁装置1による着磁前後の鉄筋Rxの残留磁気による磁界の大きさの差は、図7に示すように急激に小さくなる。
また、鉄筋Rxの太さや材質によっても磁化による残留磁気の大きさは異なるので、鉄筋Rxの深さ、太さや材質が分かっていないと、着磁前後の磁界の大きさの差の値からだけでは、破断の有無を判断することは難しい。
しかし、図7から分かるように、深さが異なっても着磁前後の磁界の大きさの差の曲線は、破断の有無が同じであれば相似形であり、大きさが異なるだけである。
このため、本実施例3においては、図7に示すように第2の磁気センサ2’を破断を測定する個所よりも着磁装置1側、例えば着磁コイル4の中心位置に配置する。磁気センサ2’は磁気センサ2と同様に着磁前後の磁界の大きさの差分を求め、その値(D0)を基準として、磁気センサ2で得られた着磁前後の磁界の大きさの差分(D1)を除算した値(K=D1/D0)を求めれば、鉄筋Rxの深さに関係なく、破断点Xの有無に応じてほぼ一定の値になる。鉄筋Rxの直径、材質が異なる場合も同様である。
図8は本実施例3で使用するブロック回路構成図であり、磁気センサ2、2’は出力は択一的にA/D変換器11に接続されている。A/D変換器11の出力は磁気センサ2、2’の切換え、着磁コイル4の正逆切換えに応じて、センサ2正着磁データメモリ31、センサ2負着磁データメモリ32、センサ2’正着磁データメモリ33、センサ2’負着磁データメモリ34に選択的に接続されている。センサ2正着磁データメモリ31とセンサ2負着磁データメモリ32の出力はセンサ2用減算回路35に接続され、センサ2’正着磁データメモリ33とセンサ2’負着磁データメモリ34の出力はセンサ2’用減算回路36に接続されている。
そして、センサ2用減算回路35とセンサ2’用減算回路36の出力は除算回路37に接続されており、以降の構成は図2、図6のブロック回路図と同様である。
この場合の測定の手順は次の通りである。
(21)鉄筋Rxの破断を測定すべき個所を挟んで、一方に着磁装置1及び第2の磁気センサ2’を配置し、他方に磁気センサ2を配置する。着磁装置1の極性切換回路を正にセットして、大きな磁界を一時的に加えて鉄筋Rxを着磁する。
(22)磁気センサ2の出力をA/D変換器11でデジタルデータ(D1P)を得て、磁気センサ2正着磁データメモリ31に記憶する。
(23)磁気センサ2’の出力をA/D変換器11でデジタルデータ(D0P)を得て、磁気センサ2’正着磁データメモリ33に記憶する。
(24)着磁装置1の極性切換回路を負に切換え、着磁コイル4に(21)と逆方向の電流を流して、大きな磁界を一時的に加えて鉄筋Rxを着磁する。
(25)磁気センサ2の出力をA/D変換器11でデジタルデータ(D1M)を得て、磁気センサ2負着磁データメモリ32に記憶する。
(26)磁気センサ2’の出力をA/D変換器11でデジタルデータ(D0M)を得て、磁気センサ2’負着磁データメモリ34に記憶する。
(27)センサ2用減算回路35でD1=D1M−D1Pを計算する。
(28)センサ2’用減算回路36でD0=D0M−D0Pを計算する。
(29)除算回路37でK=D1/D0=(D1M−D1P)/(D0M−D0P)を計算する。
(30)得られた値Kを比較回路15で閾値メモリ17の閾値と比較し、値Kが閾値よりも小さければ、破断があると判断して表示部16に表示する。
このような手順により、図7のグラフ図の鉄筋Rxで得られたデータは次の表1の通りである。
表1
D1 D0 K=D1/D0
破断無し・深さ50mm −102μT 170μT −0.6
破断あり・深さ50mm −9μT 149μT −0.06
破断無し・深さ75mm −30μT 51μT −0.59
破断あり・深さ75mm −2.5μT 44μT −0.057
このように値Kは破断の有無でほぼ1桁異なる値であり、容易に鉄筋Rxの破断を判別することができる。
なお、値Kは磁気センサ2、2’の位置、着磁コイル4の直径などの着磁装置1の特性により異なるが、これらを常に一定にして測定すれば、鉄筋Rxの深さ、太さ、材質に関係なく同じ値になるので、破断の有無を正しく検知することができる。
また、磁気センサ2’を着磁装置1の中心位置に置いた例を示したが、破断点Xよりも着磁装置1側にあれば、必ずしも着磁装置1の中心位置である必要はない。
なお、この実施例3は極性を切り換えることなく、2つの磁気センサ2、2’を用いて、実施例1のように検出することもできる。
本発明の方法においては、着磁装置1、磁気センサ2、2’を測定すべき鉄筋Rxの真上に配置させることが好ましく、このため予め鉄筋Rxの位置を知る必要がある。実際の検査現場では、コンクリート構造物の外観から鉄筋Rxの敷設方向は容易に判断できるが、鉄筋Rxが何処に埋設されているかは分からないことが多い。
この場合に、鉄筋Rxの残留磁気による磁界を検出する磁気センサ2を、鉄筋Rxの長さ方向と直角な方向に移動させ、鉄筋Rxの残留磁気による磁界を測定する。得られる磁界の大きさは磁気センサ2と鉄筋Rxまでの距離の三乗に反比例するので、図9に示すように着磁コイル4と磁気センサ2とを一体の筐体内等に配置して動かすと、着磁コイル4と磁気センサ2を結ぶ線が鉄筋Rxの長手方向と一致したときが、磁気センサ2の出力は最も大きくなる。
従って、着磁コイル4と磁気センサ2を鉄筋Rxの長さ方向と直角な方向に移動させながら、出力が最大になる位置を求めることにより、鉄筋Rxの存在位置を知ることができ、その後に破断検知を行えばよい。
なお、着磁装置1として、コンクリートCの表面に近接した着磁コイル4に着磁用電源3から一時的に直流電流を流す方法を示したが、必ずしも着磁コイル4を使う必要はなく、強力な永久磁石を一時的に近付けた後に、遠去ける方法でもよい。また、永久磁石は例えば裏返しにすることにより、簡便に極性を切換えることができる
更に、着磁装置1、磁気センサ2を直線的に配置した例を説明したが、鉄筋Rxの折り曲げ加工部を検査する場合には、図10に示すように配置することにより、平面の場合と同様に測定することができる。
測定原理の説明図である。 実施例1のブロック回路構成図である。 鉄筋に破断がない場合のデータの説明図である。 鉄筋に破断がある場合のデータの説明図である。 差分データの比較の説明図である。 実施例2のブロック回路構成図である。 鉄筋の破断の有無と深さが異なる場合のデータの説明図である。 実施例3のブロック回路構成図である。 実施例4の鉄筋を探索する場合の説明図である。 コンクリート角部における検知の説明図である。
符号の説明
1 着磁装置
2、2’ 磁気センサ
3 着磁用電源
4 着磁コイル
11 A/D変換器
12、13、21、22、31〜34 データメモリ
14、35、36 減算回路
15 比較回路
16 表示部
17 閾値メモリ
37 除算回路

Claims (6)

  1. コンクリート構造物内の鉄筋の磁束を基に鉄筋の破断部を検出する方法であって、鉄筋の残留磁気によるコンクリート表面上の磁界を検出する第1次磁界検出工程と、前記鉄筋を着磁する着磁工程と、着磁後の前記鉄筋の残留磁気によるコンクリート表面上の磁界を検出する第2次磁界検出工程と、前記第1次、第2次磁界検出工程で得られた信号の差分を所定値と比較して前記鉄筋の破断を検知する破断検知工程とから成ることを特徴とするコンクリート構造物の鉄筋破断検知方法。
  2. コンクリート構造物内の鉄筋の磁束を基に鉄筋の破断部を検出する方法であって、前記鉄筋を着磁する第1次着磁工程と、該第1次着磁工程後に前記鉄筋の残留磁気によるコンクリート表面上の磁界を検出する第1次磁界検出工程と、前記鉄筋を第1次着磁工程とは逆極性で着磁する第2次着磁工程と、該第2次着磁工程後に着磁後の前記鉄筋の残留磁気によるコンクリート表面上の磁界を検出する第2次磁界検出工程と、前記第1次、第2次磁界検出工程で得られた信号の差分を所定値と比較して前記鉄筋の破断を検知する破断検知工程とから成ることを特徴とするコンクリート構造物の鉄筋破断検知方法。
  3. 前記第1次、第2次磁界検出工程はコンクリート表面上において第1の磁気センサにより行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の鉄筋破断検知方法。
  4. 前記着磁工程は着磁コイルに電流を流すことにより行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の鉄筋破断検知方法。
  5. 前記第1次、第2次磁界検出工程は、前記破断部よりも前記着磁工程で使用する着磁手段側に配置した第2の磁気センサを基準として前記第1の磁気センサの出力との比を求めることを特徴とする請求項3に記載のコンクリート構造物の鉄筋破断検知方法。
  6. 前記各工程に先立ち、前記第1の磁気センサを鉄筋方向と直角方向に動かして鉄筋の位置を予め検知しておくことを特徴とする請求項3に記載のコンクリート構造物の鉄筋破断検知方法。
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