JP2005325704A - 流体噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料の気化潜熱による吸入空気の充填効率の向上が可能であると共に、吸入ポート等の壁面または吸気弁への燃料の付着防止が図れることを目的とする。
【解決手段】 吸気ポート102iと、吸気ポートの壁面102isに着座および離座する吸気弁107と、吸気弁が離座することで吸気弁と壁面との隙間Lから吸気ポート内の空気を導く燃焼室106とを備える内燃機関に用いられ、吸気弁が開いた状態にあるとき燃焼室に燃料を直接噴射する内燃機関の燃料噴射装置において、燃料通路を形成する内周面13に弁座14を有する弁ボディ12と、弁座の下流側に配置され、燃料通路から供給される燃料を噴射する噴孔21と、弁座に着座することで噴孔からの燃料噴射を遮断し、弁座から離座することで噴孔からの燃料噴射を許容する弁部材30を備え、噴孔21の軸線22は、燃料の流れの下流側に向かって、隙間Lを通して燃焼室106内を見通せる位置に配置される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射装置に関する。
燃料噴射装置としては、例えば内燃機関の燃焼室に直接あるいは間接的に燃料噴射するインジェクタが知られている。インジェクタから供給された燃料は、吸気管あるいは燃焼室において空気と混合され、燃焼室内に可燃混合気を形成する。燃焼室内の可燃混合気はピストン運動により圧縮された後、点火装置により着火燃焼し、内燃機関の動力として利用されている。この種の内燃機関では燃焼室に吸入される空気密度が内燃機関の動力性能に影響する。そのため、充填効率を高めることが機関性能を左右する重要な性能改善手段となっている。
特許文献1では、エアアシスト式のインジェクタを使用して、吸気弁の開弁期間Tのうち、開弁当初の約1/3Tの期間内に噴射された燃料を、気筒内に流入する空気の流れに乗せて噴霧させる技術が開示されている。噴霧された燃料が気化するときの気化潜熱を利用して周囲空気の温度が下げられ、吸入空気の充填効率の向上が図られる。
特開平11−30142号公報
しかしながら従来技術では、例えばエンジンがアイドリング状態のような低負荷の運転状態にあるときには、流入空気の流速が低いため、燃料噴霧を流入空気に乗せることができずに燃料噴霧の狙い位置がずれる可能性がある。場合によっては噴霧の狙い位置がずれてしまうと、吸気ポートなどの壁面または吸気弁に燃料が付着し、未燃焼の燃料成分が排出されるおそれがある。また、これら壁面または吸気弁から付着燃料の気化潜熱を奪うことになるため、吸入空気の充填効率向上の効果がわずかになるおそれがある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、燃料の気化潜熱による吸入空気の充填効率の向上が可能であるとともに、吸入ポートなどの壁面または吸気弁への燃料の付着防止が図れる内燃機関の燃料噴射装置を提供することにある。
本発明の請求項1によると、吸気ポートと、吸気ポートの壁面に着座および離座する吸気弁と、吸気弁が離座することで吸気弁と壁面との隙間から吸気ポート内を流れる空気を導く燃焼室とを備える内燃機関に用いられ、吸気弁が開いた状態にあるとき燃料噴射する内燃機関の燃料噴射装置において、
燃料通路を形成する内周面に弁座を有する弁ボディ、弁座の下流側に配置され、燃料通路から供給される燃料を噴射する噴孔、および弁座に着座することで噴孔からの燃料の噴射を遮断し、弁座から離座することで噴孔からの燃料の噴射を許容する弁部材を有するインジェクタと、
吸気弁の開弁期間のうち、隙間が略最大となる全開期間内に、噴孔から噴射される燃料が前記隙間を通じて燃焼室に流入するように、インジェクタを駆動する燃料噴射制御手段とを備えていることを特徴とする。
例えば、吸気弁が開弁するとき、吸気弁と吸気ポートの壁面との離座による隙間の開口面積が吸気弁のリフト量に応じて大きくなる。しかしながら、開弁初期ではその隙間が小さいため、比較的小さな開口面積となり空気が流れ難い。
これに対して、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置では、吸気弁の開弁期間のうち、隙間が略最大となる全開期間内に噴孔から噴射される燃料が隙間を通じて燃焼室に流入するようにインジェクタを駆動する燃料噴射制御手段を備えているので、吸気弁の開口面積が略最大となる全開期間の範囲に応じた吸入空気流量に乗せて燃料を燃焼室に流入させることができる。したがって、インジェクタの噴孔から噴射された燃料は、例えばエンジンの低負荷運転状態などの吸入空気の流速が比較的低い場合であっても、その状態における最大流速にある吸入空気に乗せられるので、吸入ポートなどの壁面または吸気弁へ燃料が付着するのを防止することができる。
さらに、噴射された燃料は、吸入ポートなどの壁面または吸気弁に付着することなく、燃焼室に供給される空気から気化潜熱を奪い空気を冷却するので、吸入吸気の充填効率の向上が図れる。
本発明の請求項2によると、吸気ポートと、吸気ポートの壁面に着座および離座する吸気弁と、吸気弁が離座することで吸気弁と壁面との隙間から吸気ポート内を流れる空気を導く燃焼室とを備える内燃機関に用いられ、吸気弁が開いた状態にあるとき燃焼室に燃料を直接噴射する内燃機関の燃料噴射装置において、
燃料通路を形成する内周面に弁座を有する弁ボディと、弁座の下流側に配置され、燃料通路から供給される燃料を噴射する噴孔と、弁座に着座することで噴孔からの燃料の噴射を遮断し、弁座から離座することで噴孔からの燃料の噴射を許容する弁部材とを備え、
噴孔の軸線は、燃料の流れの下流側に向かって、隙間を通して燃焼室内を見通せる位置に配置されていることを特徴とする。
これによると、噴孔の軸線は、燃料の流れの下流側に向かって、隙間を通して燃焼室内を見通せる位置に配置されているので、吸入ポートなどの壁面または吸気弁へ噴射燃料が付着するのを防止することが可能である。その結果、噴孔から噴射される燃料を、隙間を通じて燃焼室に流入する空気の流れに乗せられる。したがって、噴射された燃料は、吸入ポートなどの壁面または吸気弁に付着することなく、燃焼室に供給される空気から気化潜熱を奪い空気を冷却するので、吸入吸気の充填効率の向上が図れる。
本発明の請求項3によると、燃焼室内の排気を排出する排気弁を備えた内燃機関に用いられ、噴孔の軸線は、燃焼室に臨む排気弁の底面部に向かうように配置されていることを特徴とする。
これによると、噴孔の軸線は、燃焼室に臨む排気弁の底面部に向かうように配置されているので、噴射された燃料を、燃焼室に臨み高温な部分である排気弁の底面部に当てることができ、従って燃料の気化を促進させることができる。したがって、排気弁の底面部に燃料を当てることで燃料の気化が促進されるので、燃焼室内に流入した吸入空気を冷却することができる。その結果、吸入空気の充填効率がさらに向上する。
本発明の請求項4によると、噴孔は、複数個設けられており、燃焼室内には排気を排出する排気弁を備え、噴孔のうち少なくとも一つの噴孔の軸線は、燃焼室に臨む排気弁の底面部に向かうように配置されていることを特徴とする。
これによると、互いに着座および離座する吸気弁と吸気ポートなどの壁面との隙間に、複数の噴孔から燃料噴射することによる充填効率の向上に加えて、これら噴孔のうち少なくとも一つの噴孔の軸線を排気弁の底面部に向かうように配置することで、燃焼室内の高温な部分に燃料を当てて燃料の気化の促進も図れる。
本発明の請求項5によると、燃焼室には、空気と混合された燃料に着火する点火装置が備えられており、噴孔の軸線は、噴孔から噴射される燃料から点火装置が回避される方向に向かって配置されていることを特徴とする。
これによると、点火装置を避けるように、噴孔から燃料を噴射することができる。したがって、噴孔から噴射される燃料が点火プラグ等の点火装置に付着するのを防止することができる。
本発明の請求項6によると、吸気弁の開弁期間のうち隙間が略最大となる全開期間と、噴孔から燃料が噴射される噴射期間との中心が略一致するように、燃料の噴射を開始することを特徴とする。
これによると、吸気弁の開弁期間のうち隙間が略最大となる全開期間と、噴孔から燃料が噴射される噴射期間との中心が略一致するように、燃料の噴射を開始することで、噴射開始から隙間に燃料が到達するまでの到達遅れを考慮して燃料を噴射させることができる。したがって、吸入空気流量が略最大となる全開期間を利用して、噴孔から噴射される燃料を、吸入空気の略最大流量の大きさに応じて吸入空気に乗せて燃焼室へ導くことができる。
本発明の請求項7によると、噴孔から噴射される燃料の圧力は、2Mpa以上であることを特徴とする。
これによると、噴孔から噴射される燃料の圧力は、2Mpa以上であることが好ましい。例えばエンジンの回転速度が6000rpm等の高回転運転状態では空気の流入速度が高いため、吸気ポートの壁面側つまり隙間よりも中央側の方に空気の主流が流れ易い。これに対して、請求項7に記載の内燃機関の燃料噴射装置では、燃料圧力が2Mpa以上に設定してあるので、燃料噴霧が隙間に到達するときの流速を空気の流入速度以上にすることができる。したがって、吸入空気の流入速度の大きさに係わらず、燃料噴霧の狙い方向が吸入空気によって左右されることはない。その結果、噴孔から噴射された燃料が、吸入ポートなどの壁面または吸気弁に付着するのを確実に防止できる。
本発明の請求項8によると、弁ボディの先端には、複数の噴孔を有する噴孔プレートが設けられていることを特徴とする。
これによると、噴射燃料を微粒化するための燃料噴霧形成手段として、弁ボディの先端には、複数の噴孔を有する噴孔プレートを設けることが好ましい。例えば噴孔プレートを薄板状部材で形成することで、噴射燃料を微粒化するための微細噴孔が形成し易い。
本発明の請求項9によると、噴孔は、所定の円内において、略等間隔に配置されていることを特徴とする。
これによると、例えば噴孔プレート上に所定の円内において噴孔を略等間隔に配置できるため、噴孔プレートなどの燃料噴霧形成部材の噴射燃料の圧力に対する強度低下を回避することができる。
以下、本発明の内燃機関の燃料噴射装置を、ガソリンエンジンに燃料を噴射供給するものに適用して、具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の内燃機関の燃料噴射装置の構成を表す部分的断面図である。図2は、本実施形態に係わる噴孔プレートおよび燃料の噴射方向を表す模式図であって、噴孔プレートおよび内燃機関の吸気弁を示す部分的断面図である。図3は、図1中の燃料噴射弁の内燃機関への取付位置および燃焼室への噴霧状態を示す模式図である。図4は、本実施形態の内燃機関の燃料噴射装置の燃料噴射に係わる噴射時期を算出する制御処理を示すフローチャートである。図5は、燃料噴射の制御処理において、吸気弁の開弁期間、燃料噴射に係わる燃料噴射時期および噴射期間の関係を示す図であって、吸気弁のバルブリフト量、燃料噴射弁を駆動制御する駆動信号、および吸入空気流量を示すタイムチャートである。図6は、燃料噴射弁の燃料噴射の圧力と内燃機関の回転速度の関係を説明するグラフである。
図1および図3に示すように、燃料噴射装置は、内燃機関100、特にガソリンエンジンに用いられ、例えば多気筒(例えば4気筒)ガソリンエンジン(以下、エンジンと呼ぶ)100の各気筒に燃料を噴射する。図3に示すように、エンジン100は、シリンダブロック101と、シリンダヘッド102と、ピストン104と、シリンダブロック(以下、シリンダと呼ぶ)101の内周壁、ピストン104、おおびシリンダヘッド102の天井内壁とで区画される燃焼室106とを備える周知の内燃機関である。なお、ピストン104のシリンダ101内周壁内における往復運動はコンロッド(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)の連続回転運動に変換される。なお、ここで、図3では、図面作図上、4気筒のうちの1気筒のみを示しており、図1では、図3に示す気筒に設けられる燃料噴射弁を示している。
シリンダヘッド102は、図3に示すように、図示しない吸気管に接続し、吸入吸気が導かれる吸気ポート102iと、図示しない排気管に接続し、排気を排出する排気ポートとを備えている。図3に示すように、吸気弁(以下、吸気バルブと呼ぶ)107は、吸気ポートの内壁に着座、および離座することで、吸気ポート102iに導かれた吸入空気または燃料と空気の混合気の燃焼室104への流れを遮断、および連通する。なお、詳しくは、図2に示すように、吸気バルブ107は、例えば図示しない吸気カムシャフトにより往復移動する軸部107bと、軸部107bに固定され、吸気ポート102iの内壁(詳しくは内壁のシート部)102isに着座および離座するフェイス部107aとを有しており、吸気バルブ107の移動するバルブリフト量に応じて、シート部102isとフェイス部107aの間に所定の隙間Lが形成される。また、排気弁(以下、排気バルブと呼ぶ)109は、同様に、図示しない排気カムシャフトにより往復移動する軸部と、軸部に固定され、排気ポート102eの内壁(詳しくは内壁のシート部)102esに着座および離座するフェイス部109aとを有しており、例えば離座することで開弁し、吸気バルブ109の移動するバルブリフト量に応じて、シート部102esとフェイス部109aの間に所定の隙間が形成される。
なお、吸気バルブ107、吸気カムシャフト、排気バルブ109、および排気カムシャフトは、周知構造の駆動弁装置であればいずれの構造であってもよい。駆動弁装置は、例えばエンジン100の吸気行程において吸気バルブ107を開弁し、排気バルブ109を閉弁する。なお、吸気バルブ107および排気バルブ109は、一気筒に各二つ配置されるものでも、各一つ配置されるものであってもよい。なお、以下、本実施形態の説明では、吸気バルブ107および排気バルブ109は、一気筒に各二つ配置されるものとする。
燃料噴射弁(以下、インジェクタと呼ぶ)10は、図3に示すように、シリンダヘッド102の吸気ポート102iに設けられている。なお詳しくは、吸気バルブ107のうち、軸部107bに近い側の吸気ポート102iに設けられている。インジェクタ10は、図示しない燃料ポンプにより加圧された燃料が、燃料分配管(図示せず)を介して供給される。インジェクタ10は略円筒形状であり、一端から燃料を受け、他端から燃料を噴射する。インジェクタ10は電磁式燃料噴射弁であり、燃料の噴射を遮断および許容する弁部Bと、弁部Bを駆動する電磁駆動部Sと、噴霧を形成する噴孔21を有する噴孔プレート20とを含んで構成されている。噴孔プレート20は燃料を微粒化し、噴霧を形成する燃料噴霧形成手段である。後述する弁部の弁ボディ12のシート部14の下流側に、燃料噴霧形成手段を備えるようにしてもよい。インジェクタ10の一端側の燃料入口部には内部に内孔が形成されており、インジェクタ10内の弁部Bへ燃料を供給する燃料通路と連通している。内孔にはフィルタ70が取付けられており、異物が除去される。なお、エンジン100が直噴用エンジンの場合には、インジェクタ10は気筒の燃焼室106に燃料を直接噴射供給する。この場合、燃焼室106へ供給する燃料の圧力を約2MPa以上とするために、燃料ポンプによって燃料タンクから吸上げられた所定の低圧(例えば0.2MPa)の燃料を、図示しない高圧ポンプでさらに加圧し、この加圧された所定の高圧の燃料(例えば、2〜13MPaの範囲内の所定圧の燃料)が、燃料分配管を介してインジェクタ10に供給される。燃料ポンプから吐出される燃料、高圧ポンプからさらに加圧されて吐出される燃料は、それぞれ図示しない燃料調圧装置としてのプレッシャレギュレータによって所定の圧力に調圧されている。
弁部は、図1に示すように、弁ボディ12と、ノズルニードル30と、ハウジング16とを含んで構成されている。弁ボディ12はハウジング(以下、弁ハウジングと呼ぶ)16の燃料噴射側端部の内壁に溶接により固定されている。弁ボディ12は燃料流れ方向の噴孔プレート20側に向けて縮径する内周面としての円錐面13を有している。円錐面13には、ノズルニードル30が離座および着座可能である。なお、ここで、円錐面13は、ノズルニードル30が離座および着座可能な弁座14を構成する。具体的には、弁座14には、ノズルニードル30の当接部31が離座および着座する。ノズルニードル30は略軸状に形成され、弁ボディ12内を軸方向に往復移動可能である。なお、ノズルニードル30の先端部は平坦である。この先端部と、噴孔プレート20の先端部に対向する部分とで区画される燃料空間は扁平である。なお、ここで、弁座14と当接部31は、弁部が燃料の噴射を遮断するための油密機能の働きをするシート部を構成している。
噴孔プレート20は、図1に示すように、有底筒状に形成されており、弁ハウジング16の底部の内壁と弁ボディ12の底部の内壁との間に挟持されている。噴孔プレート20は、例えば薄い金属板状の薄板状部材で形成され、複数(本実施例では、4個)の噴孔21が配置されている。この噴孔21は、要求される燃料の噴霧の形状、方向、数などに応じて、その大きさ、噴孔軸線の方向、噴孔配列等が決定される。また、噴孔の開口面積は、開弁時の流量を規定する。したがって、インジェクタ10の燃料噴射量は、噴孔の開口面積と、開弁期間とによって計量されている。ノズルニードル30が弁座14に着座すると噴孔21からの燃料噴射が遮断され、ノズルニードル30が弁座14から離座すると噴孔21からの燃料噴射が許容され燃料が噴射される。
なお、本実施形態では、インジェクタ10は、吸気バルブ107が開弁しているときに燃料噴射する。噴孔プレート21に配置された4個の噴孔21のうち、2個を一組とし、図3に示すように、開弁状態にある二つの吸気バルブにおける隙間Lに向けて、各組の2個の噴孔21が一組ごとに分かれて燃料噴射される(図3では、一点鎖線の矢印方向の燃料噴流24と、破線の矢印方向の燃料噴流)。なお、詳しくは、噴孔21の軸線(以下、噴孔軸と呼ぶ)22は、図2に示すように、噴射される燃料の流れ方向に向かって、隙間Lが見通せる位置に配置されている。なお、図2に示すように、噴孔21の噴孔軸22を、隙間Lを形成するフェイス部107aとシート部102isとの間に位置させている。
なお、インジェクタ10の中心軸108は、ほぼ吸気バルブに向かうように配置されていても、吸気バルブ以外の、吸気ポート102iの内壁等の他の部材に向かうように配置されていてもいずれでもよい。
電磁駆動部Sは、図1に示すように、筒部材40、可動コア(以下、アーマチャと呼ぶ)50、固定コア(以下、吸引部材と呼ぶ)54、コイル60、および圧縮スプリング58とを有する。筒部材40は、噴孔21側から第1磁性筒部42、非磁性筒部44、および第2磁性筒部46により構成されている。非磁性筒部44は第1磁性筒部42と第2磁性筒部46との磁気的短絡を防止する。この磁気的短絡防止により、コイル60の通電により発生する電磁力による磁束を、アーマチャ50と吸引部材54に効率的に流れるようにしている。アーマチャ50は磁性材料で略円筒状に形成されており、ノズルニードル30の反噴孔側の端部34と溶接により固定されている。アーマチャ50はノズルニードル30とともに往復移動する。アーマチャ50の筒壁を貫通する流出孔52は、アーマチャ50の筒内外を連通する燃料通路を形成している。吸引部材54は磁性材料で略円筒状に形成されている。吸引部材54は筒部材40内に挿入されており、筒部材40と溶接により固定されている。吸引部材54はアーマチュア50に対し反噴孔側に設置されアーマチャア50に向きあっている。アジャスティングパイプ56は吸引部材54の内周に圧入され、内部に燃料通路を形成している。スプリング58は一端部でアジャスティングパイプ56に係止され、他端部でアーマチャ50に係止されている。アジャスティングパイプ56の圧入量を調整することにより、アーマチャ50に付勢するスプリング58の荷重が変更される。スプリング58の付勢力によりアーマチャ50およびノズルニードル30は弁座14に向けて付勢されている。コイル60はスプール62に巻回されている。ターミナル65はコネクタ64にインサート成形されており、コイル60と電気的に接続している。コイル60に通電すると、アーマチャ50と吸引部材54との間に磁気吸引力が働き、スプリング58の付勢力に抗してアーマチャ50は吸引部材54側に吸引される。
なお、ここで、弁ボディ12とノズルニードル30とは燃料の噴射を遮断および許容する弁部Bを構成する。弁部Bのうち、弁座14と当接部31はシート部を構成する。噴孔プレート20(詳しくは、噴孔21)は燃料を微粒化し、噴霧を形成する燃料噴霧形成手段を構成する。コイル60とアーマチャ50と吸引部材54と筒部材40とスプリング58とは弁部Bを駆動する電磁駆動部Sを構成する。上述の構成を有するインジェクタ10は、コネクタ64からコイルに供給する電流を制御することでノズルニードル30のリフトを制御し、前記燃料通路に流入した燃料を弁部Bからエンジン100の気筒に噴射する。コイル60への電流供給が停止されると、また、インジェクタ10は、ノズルニードル30を着座方向に付勢するスプリング58を有しており、コイルへ60の電流供給の停止時には、弁部Bが閉弁して噴射を終了する。
制御手段としてのECU90は、図示しないリードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、マイクロプロセッサ(CPU)、入力ポート、出力ポートを相互に双方向性バスで接続した公知の構成のマイクロコンピュータとして構成されている。このECU90は、バッテリ等の電源を用いて、インジェクタ10のターミナル65への通電開始および通電停止を行なうことで、インジェクタ10への通電期間を制御する。エンジンの回転速度、吸気管圧力(または吸入空気量)、冷却水温等のエンジンの運転状態を検出する図示しない各種センサ91、92、93、94、95、96の信号を読み込み、エンジン用の各種プログラム(図示せず)に従って、インジェクタ10の電磁駆動部Sの動作を制御する。なお、詳しくは、クランクシャフトの回転状態に応じて720°CA毎にパルス信号を出力する基準位置センサ91と、より細かなクランク角毎(例えば、30°CA毎)にパルス信号を出力する回転角センサ92とが設けられている。シリンダ101(ウォータジャケット)などには、冷却水温を検出するための水温センサ93が配設されている。吸気管には、吸入空気流量を検出するエアフローメータ94などが配設されている。排気管には、排ガス中の酸素濃等に比例し、空燃比信号を出力する空燃比センサなどが設けられている。また、運転者の要求等を検出するためのアクセルペダルセンサ95、スロットル開度センサ96等が設けられている。
なお、本実施形態では、駆動弁装置を構成する吸気バルブ107の開閉タイミングをエンジン100の運転状態に応じて変更するバルブタイミング調整装置(以下、吸気VVT装置と呼ぶ)81を備えている。また、排気バルブ109の開閉タイミングをエンジン100の運転状態に応じて変更するバルブタイミング調整装置(以下、排気VVT装置と呼ぶ)82を備えている。なお、排気VVT装置82は備えていなくてもよい。ECU90は、各種センサから検出したエンジン100の運転状態に応じて吸気VVT装置81を駆動制御して吸気バルブの開閉タイミングを制御する。そして、吸気VVT装置81の制御量または吸気バルブ107のバルブリフト量の検出値に基いて、電磁駆動部Sを駆動制御し、インジェクタ10の噴射時期を調整する。
次に上述した構成を有する本実施形態に係わる燃料噴射制御方法について、図4に従って説明する。図4に示すように、S301(Sはステップ)では、エンジン100などに取付けられたエンジン100の運転状態を検出するための各種センサ91、92、93、94、95、96からの信号をECU90に読み込む。S302では、読み込んだ各種センサ91、92、93、94、95、96からの信号によりエンジン100の運転状態を検出し、運転状態に最適な燃料噴射量を決定する。この燃料噴射量に応じてインジェクタ10の開弁期間つまり燃料噴射期間Ti(図5参照)を算出して決定する。S303では、吸気バルブの所定の開弁状態に応じてインジェクタ10の噴射時期を補正するために、吸気VVT装置81の目標進角量に吸気バルブの開閉タイミングを制御するためのVVT進角量などの制御量を読み込む。なお、詳しくは、吸気VVT装置81は、エンジン100の吸入空気量を検出するためのエアフローメータ94などの信号がECU90に読み込まれる。この吸入空気量、エンジン回転速度、吸気カムシャフトのカム位置などの信号からエンジンの運転状態を判断し、運転状態に応じて最適な吸気バルブ107の目標進角量を算出する。算出した目標進角量に応じて吸気VVT装置81をフィードバック制御する。例えばカム位置センサにより検出された吸気カムシャフトの位相と目標進角量が一致するようにVVT進角量などの制御量が求められ、その制御量に応じて吸気VVT装置81の駆動が制御される。この制御量から吸気バルブ107の開弁状態を検出する。S304では、インジェクタ10の噴孔21から燃料噴射を開始から、噴射された燃料が吸気バルブ107の隙間Lに到達するまでの時間を、例えばエンジン回転速度よりクランク角度量(C.A)に換算する。算出したクランク角度量を、噴霧の到達遅れ時間Δτとする。S305では、S302で求めた燃料噴射期間Ti(図5の一点鎖線で示される燃料噴霧が吸気バルブ107の隙間Lに到達した状態)の中心が、S303で検出した吸気バルブ107の開弁状態における開弁期間の中心が一致するように、S304で算出した到達遅れ時間Δτを補正した噴射時期CAi(図5の実線で示されるインジェクタ10を駆動する駆動信号の波形)を決定する。
なお、吸気バルブ107の開弁期間のうち隙間Lが略最大となる所定の全開期間と、燃料噴射期間Tiとの中心が一致するように、到達遅れ時間Δτを補正した噴射時期CAiに噴射を開始することが好ましい。ECU90は、吸気バルブ107の開弁状態に応じてインジェクタ10を駆動する燃料噴射制御手段を構成する。この燃料噴射制御手段は、吸気バルブ107の開弁期間のうち、隙間Lが略最大となる全開期間内に噴孔21から噴射することが好ましい。噴射された燃料は隙間Lを通じて燃焼室102に流入される。
なお、噴孔21から噴射される燃料の圧力は、2Mpa以上であることが好ましい。図5に示すように、エンジン100の回転速度が高くなるほど流速が速くなる。また、噴射燃料の圧力に応じて吸気バルブ107の隙間Lに到達する燃料の流速も早くなる。例えばエンジン回転速度が6000rpmの高回転運転状態では吸気ポート102iを流れる空気の流入速度が高いため、吸気ポート102i内のうち、壁面側つまり隙間Lの部位よりも中央側の部位に空気の主流が流れ易い。これに対して、燃料の圧力を2Mpa以上に設定するので、エンジン100の運転状態が6000rpmなどの高回転状態である場合であっても、燃料噴霧が隙間Lに到達するときの流速を空気の流入速度以上にすることができる。したがって、吸入空気の流入速度の大きさに係わらず、燃料噴霧の狙い方向が吸入空気によって左右されることはない。
次に、上述した構成を有する本実施形態の内燃機関の燃料噴射装置の作動を説明する。車両のエンジンキーをIG位置にして、図示しないイグニッションスイッチがオン(ON)すると、燃料ポンプが駆動され、燃料タンク内に燃料が燃料ポンプにより吸い上げられる。吸い上げられた燃料は、プレッシャレギュレータにより調圧され、所定の低圧燃料が高圧ポンプへ供給される。高圧ポンプによって所定の低圧燃料は加圧され、加圧された燃料が燃料分配管へ供給される。燃料分配管へ供給された燃料は、プレッシャレギュレータにより所定の高圧燃料に調圧されて、燃料分配管内の各分配口からインジェクタ10へ供給される。インジェクタ10の開時には、インジェクタ10のコイル60に電流が供給され、ノズルニードル30のリフトを制御する。ノズルニードル30がリフトを開始すると、弁部Bは開弁され燃料の噴射を開始する。噴射した燃料は、噴孔軸22が隙間Lを通じて燃焼室106を見通せる位置に配置されているため、吸気バルブ107の隙間Lを通過し、燃焼室106へ供給される。さらに、燃料の噴射を開始する噴射時期CAiを、吸気バルブ107の開弁期間と噴射期間Tiとの中心が一致するように決定するので、吸気バルブ107の開口面積つまり隙間Lが最大となる全開期間内のうち、所定の期間内(詳しくは噴射期間Ti)に燃料が隙間Lを通して燃焼室106へ噴射供給される。噴孔21から噴射された燃料は微粒化し、燃料噴霧となる。噴霧された燃料が気化されると、燃料とともに吸気バルブ107の隙間Lを通じて燃焼室106へ吸入される周囲空気から、気化潜熱を奪い空気を冷却するので、吸入空気の充填効率の向上が図れる。
一方、インジェクタ10の閉時には、コイル60への供給が停止され、スプリング58によりノズルニードル30のリフトが減少する。そして、ノズルニードル30が着座すると、噴射が終了する。コイル60への通電期間を調節することにより、インジェクタ10から噴射される燃料(燃料噴霧)の噴射期間Tiつまり燃料噴射量が調節される。
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、(1)一般に、吸気バルブ107が開弁するとき、吸気バルブ107と吸気ポート102iの壁面のシート部との離座による隙間Lの開口面積が吸気バルブ107のリフト量に応じて大きくなる。しかしながら、開弁初期ではその隙間Lが小さいため、比較的小さな開口面積となり空気が流れ難い。これに対して、本実施形態では、吸気バルブ107の開弁期間のうち、隙間Lが略最大となる全開期間内に噴孔21から噴射される燃料が隙間Lを通じて燃焼室106に流入するようにインジェクタ10を駆動する燃料噴射制御手段90を備えているので、吸気バルブ107の開口面積が略最大となる全開期間の範囲に応じた吸入空気流量に乗せて燃料を燃焼室に流入させることができる。したがって、噴孔21から噴射された燃料は、例えばエンジン100の低負荷運転状態などの吸入空気の流速が比較的低い場合であっても、その状態における最大流速にある吸入空気に乗せられるので、吸入ポート102iなどの壁面または吸気バルブ102iへ燃料が付着するのを防止することができる。さらに、噴射された燃料は、吸入ポート102iなどの壁面または吸気バルブ107に付着することなく、燃焼室106に供給される空気から気化潜熱を奪い空気を冷却するので、吸入吸気の充填効率の向上が図れる。
(2)本実施形態では、噴孔21の噴孔軸22は、燃料の流れの下流側に向かって、隙間Lを通して燃焼室106内を見通せる位置に配置されているので、噴孔21から噴射される燃料は、噴孔軸22にほぼ沿って、隙間Lを経て、燃焼室106に噴射供給される。これにより、吸入ポート102iなどの壁面または吸気バルブ107へ噴射燃料が付着するのを防止することが可能である。その結果、噴孔21から噴射される燃料を、隙間Lを通じて燃焼室106に流入する空気の流れに乗せられる。したがって、噴射された燃料は、吸入ポート102iなどの壁面または吸気バルブ107に付着することなく、燃焼室106に供給される空気から気化潜熱を奪い空気を冷却するので、吸入吸気の充填効率の向上が図れる。
なお、本実施形態では、噴孔21の噴孔軸22を、隙間Lを形成するフェイス部107aとシート部102isとの間に位置させている。これにより、隙間Lを経て、燃焼室106に噴射供給されるので、吸入ポート102iなどの壁面または吸気バルブ107へ噴射燃料が付着するのを防止することが可能である。
(3)なお、吸気バルブ107の開弁期間のうち、隙間Lが略最大となる全開期間内に噴孔21から噴射される燃料が隙間Lを通じて燃焼室106に流入するようにインジェクタ10を駆動する燃料噴射制御手段90、および噴孔軸22は、燃料の流れの下流側に向かって、隙間Lを通して燃焼室106内を見通せる位置に配置される噴孔21を有する噴孔プレート20のうち、少なくともいずれか一方を有することで、燃料の気化潜熱による吸入空気の充填効率の向上が可能であるとともに、吸入ポート102iなどの壁面または吸気バルブ107への燃料の付着防止が図れる。
(4)なお、上記燃料噴射制御手段90は、吸気バルブ107の開弁期間のうち隙間Lが略最大となる所定の全開期間と、燃料噴射期間Tiとの中心が一致するように、噴射を開始するようにインジェクタ10を駆動制御することが好ましい。これにより、噴射開始から隙間Lに燃料が到達するまでの到達遅れ時間Δτを考慮して燃料を噴射させることができる。したがって、吸入空気流量が略最大となる全開期間を利用して、噴孔21から噴射される燃料を、吸入空気の略最大流量の大きさに応じて吸入空気に乗せて燃焼室106へ導くことができる。
(5)なお、上記燃料噴射制御手段90および上記配置の噴孔軸22を有する噴孔21のいずれの場合であっても、噴孔21から噴射される燃料の圧力は、2Mpa以上であることが好ましい。これにより、燃料噴霧が隙間Lに到達するときの流速を空気の流入速度(本実施例では、6000rpmの高回転常態における流速)以上にすることができる。したがって、吸入空気の流入速度の大きさに係わらず、燃料噴霧の狙い方向が吸入空気によって左右されることはない。その結果、噴孔21から噴射された燃料が、吸入ポート102などの壁面または吸気バルブ107に付着するのを確実に防止できる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用した他の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態においては、第1の実施形態と同じもしくは均等の構成には同一の符号を付し、説明を繰返さない。
第2実施形態では、第1の実施形態で説明した噴孔プレートに配置される複数の噴孔21の個数を、4個に代えて、図8に示すように、12個とする。図7は、本実施形態に係わる噴孔プレートおよび燃料の噴射方向を表す模式的斜視図である。図8は、図7中の噴孔プレートの平面図である。図9は、本実施形態に係わる燃料噴射弁の噴孔プレート周りを示す断面図である。図10および図11は、図8の噴孔プレートに配置されている噴孔の軸線を、それぞれX方向、XI方向からみた側面図である。
図7および図8に示すように、噴孔プレート20には、所定の円D内に噴孔21が配置されている。所定の円Dは、図8に示すように、縮径する円錐面13の噴孔プレート20側下端の内周により形成されている。インジェクタ10に供給される燃料の圧力は、噴孔プレート20のうち、円D内の部分に作用する。12個の噴孔21は、図8に示すように、二重円上に配置されている。なお、図8に示すように、12個の噴孔21は、所定の円D内において、ほぼ等間隔に配置されていることが好ましい。12個の噴孔21は、6個を一組とし、開弁状態にある二つの吸気バルブにおける隙間Lに向けて、各組の6個の噴孔21が一組ごとに分かれて燃料噴射される(図7では、二組のうちの一組分の噴孔21からの燃料噴流24を一点鎖線の矢印方向に示している)。なお、詳しくは、12個の噴孔21の噴孔軸22は、図7に示すように、軸部107を挟んで4個、2個に分技し、隙間Lが見通せる位置に配置されている。
なお、ここで、24個の噴孔21の各噴孔軸22の詳細を説明する。図8に示すように、12個の噴孔21a〜21lは、6個の噴孔21a〜21fと6個の噴孔21g〜21lを各組とする二組に分けられている。噴孔21a〜21f、および噴孔21g〜21lの各噴孔軸は、図9に示すように、噴孔プレート20の中心軸(以下、噴孔プレート軸と呼ぶ)20jつまり中心軸108に対して所定の角度θで傾斜している。なお、具体的には、図10に示すように、図8の噴孔プレート20をX方向からみた噴孔プレート軸20jに対する傾斜角θ1は以下のとおりである。噴孔21a(噴孔21g)の噴孔軸22a(噴孔21g)の傾斜角θ1a(θ1g)は17.11°、噴孔21b(噴孔21h)の噴孔軸22b(噴孔21h)の傾斜角θ1b(θ1h)は10.22°、噴孔21c(噴孔21i)の噴孔軸22c(噴孔21i)の傾斜角θ1c(θ1i)は16.35°、噴孔21d(噴孔21j)の噴孔軸22d(噴孔21j)の傾斜角θ1d(θ1j)は13.72°、噴孔21e(噴孔21k)の噴孔軸22e(噴孔21k)の傾斜角θ1e(θ1k)は11°、噴孔21f(噴孔21l)の噴孔軸22f(噴孔21l)の傾斜角θ1f(θ1l)は8.36°となる。一方、図11に示すように、図8の噴孔プレート20をXI方向からみた噴孔プレート軸20jに対する傾斜角θ2は以下のとおりである。噴孔21a(噴孔21g)の噴孔軸22a(噴孔21g)の傾斜角θ2a(θ2g)は−2.3°、噴孔21b(噴孔21h)の噴孔軸22b(噴孔21h)の傾斜角θ2b(θ2h)は−2.3°、噴孔21c(噴孔21i)の噴孔軸22c(噴孔21i)の傾斜角θ2c(θ2i)は2.2°、噴孔21d(噴孔21j)の噴孔軸22d(噴孔21j)の傾斜角θ2d(θ2j)は2.4°、噴孔21e(噴孔21k)の噴孔軸22e(噴孔21k)の傾斜角θ2e(θ2k)は1.86°、噴孔21f(噴孔21l)の噴孔軸22f(噴孔21l)の傾斜角θ2f(θ2l)は0.99°となる。
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、(1)この様な構成にしても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。なお、噴射燃料を微粒化するための燃料噴霧形成手段として、弁ボディ12の先端には、複数の噴孔21を有する噴孔プレート20を設けることが好ましい。噴孔プレート20を薄板状部材で形成するので、噴射燃料を微粒化するための微細噴孔21が形成し易い。
(2)なお、本実施形態では、12個の噴孔21a〜21lは、噴孔プレート20上の所定の円D内において、ほぼ等間隔に配置されているので、噴孔プレート20などの燃料噴霧形成部材の噴射燃料の圧力に対する強度低下を回避することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、図12および13に示すように、噴孔軸22を、吸気バルブ107の隙間Lを通過させ、燃焼室106内に配置された排気バルブ109のフェイス部109aに向かうように配置する。図12は、本実施形態に係わる燃料噴射弁の内燃機関への取付位置および燃焼室への噴霧状態を示す模式図である。図13は、図12中の燃料噴射弁の内燃機関への取付位置および燃焼室への噴霧状態を示す断面図である。
図12に示すように、噴孔軸22は、燃焼室106に臨む排気バルブ109の底面部に向かうように配置されている。なお、インジェクタ10の全ての噴孔21から噴射される燃料が吸気バルブ109の底部に当たるように噴射される。これにより、噴孔21から噴射された燃料を、燃焼室106に臨み高温な部分である排気バルブ109の底面部に当てることができるので、燃料の気化を促進させることができる。したがって、排気バルブ109の底面部に燃料を当てることで燃料の気化が促進されるので、燃焼室106内に流入した吸入空気を冷却することができる。その結果、吸入空気の充填効率がさらに向上する。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、第3の実施形態の説明する噴孔21の噴孔軸22の配置ではインジェクタ10の全ての噴孔21から噴射される燃料が吸気バルブ109の底部に当たるように噴射されるようにしたが、図14に示すように、噴孔21のうち少なくとも一つの噴孔21の噴孔軸22が、燃焼室106に臨む排気バルブ109の底面部に向かうように配置されている。これにより、吸気バルブ107の隙間Lに、複数(本実施例では6個、6個のうち、3個を一組として二組)の噴孔21から燃料噴射することによる充填効率の向上に加えて、これら噴孔21のうち少なくとも一つ(本実施例では、各組一つ)の噴孔21の噴孔軸22を排気バルブ109の底面部に向かうように配置することで、燃焼室106内の高温な部分に燃料を当てて燃料の気化の促進も図れる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、図15に示すように、燃焼室106には、空気と混合された燃料に着火する点火装置としての点火プラグ105が備えられており、各噴孔21の噴孔軸22は、噴孔21から噴射される燃料噴流24から点火プラグ105が回避される方向に向かって配置されている。
これにより、燃焼室106内に臨んで配置されている点火プラグを避けるように、噴孔21から燃料を噴射することができる。したがって、噴孔21から噴射される燃料が点火プラグ等に付着するのを防止することができる。
(他の実施形態)
なお、以上説明した本実施形態では、燃料の噴射を遮断および許容する弁部Bと、噴霧形成手段を有する噴孔プレート20とを有するインジェクタ10として説明したが、噴孔プレート20はなく、弁ボディ12の弁座14の下流側に噴孔が配置され、噴霧形成手段を有する弁部であってもよい。
さらになお、以上説明した本実施形態では、インジェクタ10は電磁駆動式のものとして説明したが、コイル60の電磁力によって弁部Bが開弁および閉弁されるものに限らず、PZT等の圧電セラミック層と電極層とが交互に積層してコンデンサ構造を有するピエゾスタックの伸縮力によってノズルニードルを駆動させて弁部Bの開弁および閉弁が行われるものであってもよい。
本発明の第1の実施形態の内燃機関の燃料噴射装置の構成を表す部分的断面図である。 第1の実施形態に係わる噴孔プレートおよび燃料の噴射方向を表す模式図であって、噴孔プレートおよび内燃機関の吸気弁を示す部分的断面図である。 図1中の燃料噴射弁の内燃機関への取付位置および燃焼室への噴霧状態を示す模式図である。 第1の実施形態の内燃機関の燃料噴射装置の燃料噴射に係わる噴射時期を算出する制御処理を示すフローチャートである。 燃料噴射の制御処理において、吸気弁の開弁期間、燃料噴射に係わる燃料噴射時期および噴射期間の関係を示す図であって、吸気弁のバルブリフト量、燃料噴射弁を駆動制御する駆動信号、および吸入空気流量を示すタイムチャートである。 燃料噴射弁の燃料噴射の圧力と内燃機関の回転速度の関係を説明するグラフである。 第2の実施形態に係わる噴孔プレートおよび燃料の噴射方向を表す模式的斜視図である。 図7中の噴孔プレートの平面図である。 第2の実施形態に係わる燃料噴射弁の噴孔プレート周りを示す断面図である。 図8の噴孔プレートに配置されている噴孔の軸線を、X方向からみた側面図である。 図8の噴孔プレートに配置されている噴孔の軸線を、XI方向からみた側面図である。 第3の実施形態に係わる燃料噴射弁の内燃機関への取付位置および燃焼室への噴霧状態を示す模式図である。 図12中の燃料噴射弁の内燃機関への取付位置および燃焼室への噴霧状態を示す断面図である。 第4の実施形態に係わる燃料噴射弁の内燃機関への取付位置および燃焼室への噴霧状態を示す模式図である。 第5の実施形態に係わる燃料噴射弁の内燃機関への取付位置および燃焼室への噴霧状態を示す模式図である。
符号の説明
10 インジェクタ(燃料噴射弁)
12 弁ボディ
13 円錐面(内周面)
14 弁座
20 噴孔プレート
20j 噴孔プレート軸(噴孔プレートの中心軸)
21 噴孔
22 噴孔軸(噴孔の軸線)
30 ノズルニードル(弁部材)
31 当接部
100 エンジン(内燃機関)
101 シリンダ(シリンダブロック)
102 シリンダヘッド
102i 吸気ポート
102ie 壁面のシート部(吸気バルブ107が着座および離座する壁面)
102e 排気ポート
105 点火プラグ(点火装置)
107 吸気バルブ(吸気弁)
108 インジェクタの中心軸
109 排気バルブ(排気弁)
B 弁部
S 電磁駆動部
L 隙間

Claims (9)

  1. 吸気ポートと、
    前記吸気ポートの壁面に着座および離座する吸気弁と、
    前記吸気弁が離座することで前記吸気弁と前記壁面との隙間から前記吸気ポート内を流れる空気を導く燃焼室とを備える内燃機関に用いられ、
    前記吸気弁が開いた状態にあるとき燃料噴射する内燃機関の燃料噴射装置において、
    燃料通路を形成する内周面に弁座を有する弁ボディ、前記弁座の下流側に配置され、前記燃料通路から供給される燃料を噴射する噴孔、および前記弁座に着座することで前記噴孔からの燃料の噴射を遮断し、前記弁座から離座することで前記噴孔からの燃料の噴射を許容する弁部材を有するインジェクタと、
    前記吸気弁の開弁期間のうち、前記隙間が略最大となる全開期間内に、前記噴孔から噴射される燃料が前記隙間を通じて前記燃焼室に流入するように、前記インジェクタを駆動する燃料噴射制御手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  2. 吸気ポートと、
    前記吸気ポートの壁面に着座および離座する吸気弁と、
    前記吸気弁が離座することで前記吸気弁と前記壁面との隙間から前記吸気ポート内を流れる空気を導く燃焼室とを備える内燃機関に用いられ、
    前記吸気弁が開いた状態にあるとき前記燃焼室に燃料を直接噴射する内燃機関の燃料噴射装置において、
    燃料通路を形成する内周面に弁座を有する弁ボディと、
    前記弁座の下流側に配置され、前記燃料通路から供給される燃料を噴射する噴孔と、
    前記弁座に着座することで前記噴孔からの燃料の噴射を遮断し、前記弁座から離座することで前記噴孔からの燃料の噴射を許容する弁部材とを備え、
    前記噴孔の軸線は、燃料の流れの下流側に向かって、前記隙間を通して前記燃焼室内を見通せる位置に配置されていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  3. 前記燃焼室内の排気を排出する排気弁を備えた内燃機関に用いられ、
    前記噴孔の軸線は、前記燃焼室に臨む前記排気弁の底面部に向かうように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  4. 前記噴孔は、複数個設けられており、
    前記燃焼室内には排気を排出する排気弁を備え、
    前記噴孔のうち少なくとも一つの噴孔の軸線は、前記燃焼室に臨む前記排気弁の底面部に向かうように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  5. 前記燃焼室には、空気と混合された燃料に着火する点火装置が備えられており、
    前記噴孔の軸線は、前記噴孔から噴射される燃料から前記点火装置が回避される方向に向かって配置されていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  6. 前記吸気弁の開弁期間のうち前記隙間が略最大となる全開期間と、前記噴孔から燃料が噴射される噴射期間との中心が略一致するように、燃料の噴射を開始することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  7. 前記噴孔から噴射される燃料の圧力は、2Mpa以上であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  8. 前記弁ボディの先端には、複数の前記噴孔を有する噴孔プレートが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  9. 前記噴孔は、所定の円内において、略等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
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