JP2005325639A - 面格子耐力壁の製造方法 - Google Patents

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Takanori Arima
孝▲禮▼ 有馬
Yoshiyasu Fujimoto
嘉安 藤元
Hideki Morita
秀樹 森田
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Abstract

【課題】 接着剤を使用せずに圧密処理により木材を接合することで、壁体のせん断性能を向上させ、さらに壁体を一体化することで施工時の取扱いを容易にすることができる面格子耐力壁の製造方法を提供する。
【解決手段】 複数の長尺木材1に複数の短尺木材2を材厚1/2未満の深さで相欠き加工して格子状に組み合わせた後、接合面3に直交する方向、すなわち上下方向から圧密加工を施して製造する。このとき、木材に熱を加えることで圧締圧力を低減させ、また、主に接合部のみが圧密されることで、木材の特徴である軽さを維持しつつ耐力壁としての機能を向上させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、木材を格子状に組み合わせて建築用耐力壁に用いられる面格子の製造方法に関し、とくに圧密処理によりせん断耐力の向上及び取扱いの容易さを図る面格子耐力壁の製造方法に関するものである。
面格子壁は平成15年に国土交通省告示(第1543号)により建築物の耐力壁として認められ、0.6〜1.0の壁倍率が与えられている。但し、告示で認められた面格子は仕様が定められ、相欠き仕口とするように仕様が規定されている。この仕様では木材のめり込み特性を生かした靭性に優れた面格子となり得るが、その性能は加工精度に大きく影響される。一方、告示以前から格子壁は存在しているが(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)、これらは接合部の回転を拘束するために釘や接着剤が使用されている。しかしながら、接着剤や金具の使用は、解体時の作業性を著しく低減させるばかりでなく、とくに接着剤の使用はVOC等による住環境の悪化を招くおそれがある。
特開2003−082791号公報(第3頁、第2図) 特開平10−072885号公報(第2頁〜第3頁、第1図)
本発明は、接着剤や金属製の接合具を用いることなく木材同士を接合する方法を提案するが、その中でもとくに、スギ材の変形性に富み、粘り強いという特徴を活かして、接着剤を使用せずに圧密処理により木材を接合することで、壁体のせん断性能を向上させ、さらに壁体を一体化することで施工時の取扱いを容易にすることができる面格子耐力壁の製造方法を提供するものである。
本発明は、材厚の1/2未満の深さで相欠き加工した木材同士を格子状に組み合わせた状態で、接合面に直交する方向から圧密することを特徴とする。このとき、木材に熱を加えることで圧締圧力を低減させ、また、主に接合部のみが圧密されることで、木材の特徴である軽さを維持しつつ、耐力壁としての機能を向上させる。
本発明では、接着剤を使用することなく面格子の木材同士の接合ができるので、製造工場における排水、排気等による地域環境の汚染、面格子の使用中におけるVOC放出による健康阻害、使用後のリサイクルあるいは最終処理(焼却)における廃棄物処理上の障害を低減することができる。また、相欠き深さが少なくて済み、切削屑が減少し、木材の有効活用を図ることができる。
本発明に係る面格子の材料として使用できる樹種としては、針葉樹、広葉樹等、特に種類を限定しないが、その中でも、とくに密度が低く材質が柔らかいスギ材が圧締時における変形性に富み、材料同士のめり込みによる高い接合性が得られるという点から好適である。
面格子は使用環境により含水率15%程度の気乾状態まで乾燥しておく必要があるため、予め気乾状態の木材を使用することが最も好ましいが、圧密処理時の木材が水分を多く含んだ状態にあれば、変形し易く圧締圧力が小さくて済むため、この場合、ヒーターを内蔵したホットプレスを使用し、圧密と同時に乾燥を行うことも十分可能である。したがって、生材を使用することにも何ら問題はない。
本発明は、接合しようとする木材の圧縮変形による相互のめり込みを利用して、接着剤等を使用せずに木材同士を接合する方法である。接合した木材同士の引き抜きには、圧縮直角方向、すなわち、材幅が広がる方向の木材の変形を主に利用する。一方、圧縮方向の木材の変形による密度上昇を利用して壁体としてのせん断力の向上を図る。
以下に、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は本発明に係る圧密を用いた面格子の製造方法の一実施例を示す斜視図、図2は試験体を示す斜視図、図3は面格子製造時における単位接合面積当たりの最大圧締圧力を示すグラフ、図4は面格子接合部の引抜試験方法を示す斜視図、図5は引抜試験結果を示すグラフ、図6は接合部せん断試験方法を示す斜視図、図7は接合部せん断試験における荷重変形曲線を示すグラフ、図8は壁せん断試験方法を示す正面図である。
図1に示すように、本発明に係る面格子は、例えば複数の長尺木材1に複数の短尺木材2を相欠き接合して格子状に組み合わせた後、接合面3に直交する方向、すなわち上下方向から圧密加工を施して製造する。ここで、図2に示すように、2本の角材1A及び2Aを用いて試験体を作成し、後述する各種強度試験を実施した。先ず、45mm角、長さ300mmの気乾状態にある芯去りスギ材の中央部に材厚の1/2未満の深さで相欠き加工を施した。次いで、これらを2本一組として繊維方向に組み合わせた後、接合面3に直交する方向、すなわち上下方向から圧密加工を施した。相欠き加工の深度については12.5mm、15mm、17.5mm、20mm及び22.5mmの5種とした。このときの圧縮量は各々20mm、15mm、10mm、5mm及び0mmである。
得られた試験体を用いて圧締圧力測定試験、引抜き試験及び接合部せん断試験を行なった。結果を図3、図5及び図7のグラフと表1に示す。
圧密には密閉枠内における圧搾空気噴射型のホットプレス(山本鉄工所製:TA−200−1W−AR)若しくはインストロン型強度試験機(島津製作所製:AG−100kNI)を用いた。また、熱処理については一定温度に設定した恒温器内で30分間の処理を行った。圧締圧力測定試験、引抜試験及び接合部せん断試験にはインストロン型強度試験機(島津製作所製:AG−100kNI)を用いた。
圧締圧力測定試験:
圧密処理時の各圧縮量における圧締圧力を測定し、その最大値を記録した。その結果、圧縮量が大きくなるほど圧締圧力の増加が著しいことが判った。但し、熱処理を施すことで圧締圧力が16〜47%低減することも判明した。
Figure 2005325639
引抜き試験:
図4に示すように、加力点及び指示点間距離L1及びL2を120mmとし、荷重速度5mm/minの条件で接合部が完全に離反するまで加力した。その結果、接着接合の引抜耐力には及ばないものの、圧縮量に伴い引抜耐力が大きく向上することが判った。
接合部せん断試験:
図6に示すように、ピン接合の治具に試験体の相対する端部を木ネジで固定し、荷重速度10mm/minで加力し、荷重及びクロスヘッド移動量(変位)を測定した。その結果、圧密処理した試験体は未処理材に比べて最大荷重、初期剛性及び仕事量において大きく向上し、とくに初期剛性及び仕事量で著しい効果が認められた。
図8に示すように、先ず、材厚の1/2未満の深さで300mm間隔の相欠き加工を施した90mm角断面の気乾状態にある芯持ちスギ材を格子状に組合せ、上下方向から圧密処理を行った。相欠き加工深さについては、30mm、35mm、37.5mm及び45mmの4種とした。このときの圧縮量は各々30mm、20mm、15mm及び0mmである。尚、格子材1及び2の柱4及び梁材5への取付け方法は短柄差しとした。
圧密にはホットプレス(山本鉄工所製:FTYBL4−150−60SP)を用いた。また、壁せん断試験には実大壁せん断試験装置(鷺宮製作所製:ACT−20S)を用いた。
得られた試験体を用いて壁せん断試験を行なった。結果を表2に示す。
壁せん断試験:
梁材端部に油圧ジャッキを取り付け、正負交番繰り返し加力した。繰り返しは、見かけのせん断変形角が1/450rad、1/300rad、1/200rad、1/150rad、1/100rad、1/75rad、1/50rad及び1/15radの正負変形時とした。その結果、圧密処理した試験体は、壁倍率を決定づける耐力の中で、壁全体の粘りを表す項目(表2の(b))及び初期剛性を表す項目(表2の(d))で、未処理材に比べて大きく向上することが判った。壁倍率は表2の(a)〜(d)の最小値を基準に設定されるため、初期剛性を向上させることが最も重要であり、壁体としての評価を約2倍に向上できることが判った。
Figure 2005325639
本発明によって得られる面格子壁は、圧密処理により格子を一体化することで施工時の作業性を向上させることが可能であり、また、耐力壁として十分な性能を有しながら美観に優れ、明るく開放的な建築空間を作成することができる。
本発明に係る圧密を用いた面格子の製造方法の一実施例を示す斜視図である。 面格子の試験体を示す斜視図である。 面格子製造時における単位接合面積当たりの最大圧締圧力を示すグラフである。 面格子接合部の引抜試験方法を示す斜視図である。 引抜試験結果を示すグラフである。 接合部せん断試験方法を示す斜視図である。 接合部せん断試験における荷重変形曲線を示すグラフである。 壁せん断試験方法を示す正面図である。
符号の説明
1 角材
2 角材
1A試験角材
2A試験角材
3 相欠き面
4 柱
5 梁材

Claims (1)

  1. 材厚の1/2未満の深さで相欠き加工した木材同士を格子状に組み合わせた状態で、接合面に直交する方向から圧密することを特徴とする面格子耐力壁の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101278138B1 (ko) 2012-12-10 2013-06-24 주식회사 쓰리디에스패밀리 외장패널 고정구조 및 그 제작방법
JP2017057577A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 富山県 木材の接合構造および面格子壁
JP2020530079A (ja) * 2017-08-03 2020-10-15 レコ ラブス エスエー 予めプレスされた板を含む建築要素

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