JP4457228B2 - 竹集成材の製造方法及び竹集成材 - Google Patents

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Description

本発明は、任意の形状に加工した複数の竹材同士を結合して竹集成材を製造する竹集成材の製造方法及び竹集成材に関する。
一般に、竹材は、檜や杉等の他の木材と比較して生育が速く、低コストで確保できるため供給が容易である。また、弾力性に富んで強靭であるため、建築物や建具等の構造材として利用価値が高い。そのため、従来から、任意の形状に加工した複数の竹材同士を結合して、棒状や板状等の建材に好適な形状の竹集成材を製造する方法として、例えば特許文献1に記載されているような竹集成材の製造方法が用いられている。
特許文献1に記載されている竹集成材の製造方法は、まず、竹集成材の原材料となる竹材を、竹材の長手方向に沿って割裂して、図8に示すような割裂片2を複数形成する。次に、図9に示すように、各割裂片2を切削加工して複数の平板片14とし、複数の平板片14を型枠内において所望の形状に積層した後、複数の平板片14同士を接合して、棒状や板状等、建材に好適な所望の形状の竹集成材を製造する方法である。
特開平10−166312号公報(図2)
しかしながら、特許文献1に記載されている竹集成材の製造方法は、割裂片2を切削加工して平板片14としているため、切削加工の際に、割裂片2の内側部16a、外側部16b及び端部16c等の各廃棄部分16が形成されることとなる。したがって、竹資源が効率的に利用されず、歩留まりが悪く、材料コストが増加してしまう。
また、割裂片2を平板片14とする際に切削加工が必要となるため、作業工程が複雑化してしまい、作業効率が低下するとともに作業コストが増加してしまう。
さらに、型枠内において、複数の割裂片2を所望の形状に積層しているため、作業工程が複雑化してしまい、作業効率が低下するとともに作業コストが増加してしまう。
本発明は、上述のような問題点に着目してなされたもので、竹集成材を製造する際に形成される廃棄部分を減少させて歩留まりを向上させることにより、竹資源の効率的な利用を可能とし、作業効率の向上及びコスト低減が可能な竹集成材の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明のうち、請求項1に記載した発明は、竹材を長手方向に沿って割裂して複数の割裂片を形成し、
前記複数の割裂片の長手方向に沿った縁部を面取りし、
前記面取りした複数の割裂片を互いに長手方向の向きを揃えて型枠内に投入し、その複数の割裂片間に接着剤を充填した状態で加圧することを特徴とする竹集成材の製造方法である。
本発明によれば、竹集成材の原材料となる任意の長手方向長さの竹材を、長手方向に沿って割裂して複数の割裂片を形成しているため、竹集成材の原材料となる竹材から形成される廃棄部分を減少させることが可能となる。
また、型枠内において、複数の割裂片を互いに長手方向の向きを揃えて型枠内に投入しているため、竹集成材の製造に伴う作業工程が簡略化される。
また、本発明によれば、割裂片の長手方向に沿った縁部を面取りすることにより、型枠内において複数の割裂片間に形成される隙間が減少するため、竹集成材の密度を向上させることが可能となる。
次に、本発明のうち、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明であって、前記面取りした複数の割裂片のうち一部の割裂片を、その他の割裂片と長手方向の向きを反転させて前記型枠内に投入することを特徴とするものである。
本発明によれば、面取りした複数の割裂片のうち一部の割裂片を、その他の割裂片と長手方向の向きを反転させて型枠内に投入しているため、竹集成材の厚さを均一化することが可能となるとともに、竹集成材の密度を均一化することが可能となる。
次に、本発明のうち、請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した発明であって、前記割裂片の幅を、前記竹材の肉厚と同一または略同一とすることを特徴とするものである。
本発明によれば、割裂片の幅を竹材の肉厚と同一または略同一とすることにより、割裂片の断面形状が略正方形となるため、竹集成材の形状を所望の形状とすることが容易となる。
次に、本発明のうち、請求項に記載した発明は、請求項1から3のうちいずれか1項に記載した発明であって、前記割裂片の長手方向に沿った縁部を面取りした際に割裂片から取り除いた切片を、前記面取りした割裂片とともに前記型枠内に投入することを特徴とするものである。
本発明によれば、割裂片の長手方向に沿った縁部を面取りした際に割裂片から取り除いた切片を、面取りした割裂片とともに型枠内に投入することにより、型枠内において複数の割裂片間に形成される隙間が更に減少するため、竹集成材の密度を更に向上させることが可能となる。
また、面取りを設けた割裂片とともに、面取りを設けた際に割裂片から取り除かれた切片も竹集成材の材料としているため、竹集成材の原材料となる竹材から形成される廃棄部分を減少させることが可能となる。
次に、本発明のうち、請求項に記載した発明は、請求項1からのうちいずれか1項に記載した発明であって、前記割裂片又は竹材の節部分のうち割裂片又は竹材の内側の部分及び外周面から突出した部分を圧壊又は取り除くことを特徴とするものである。
本発明によれば、割裂片又は竹材の厚さが均一化されるため、竹集成材の形状を所望の形状とすることが容易となるとともに、竹集成材の品質を均一化することが可能となる。
次に、本発明のうち、請求項に記載した発明は、請求項1からのうちいずれか1項に記載した発明であって、前記接着剤を熱硬化性の接着剤とし、前記型枠内に投入した前記複数の割裂片又は複数の竹材と前記接着剤とを加熱するとともに加圧することを特徴とするものである。
本発明によれば、高強度の竹集成材を形成することが可能となる。
次に、本発明のうち、請求項に記載した発明は、請求項1からのうちいずれか1項に記載した竹集成材の製造方法を用いて製造したことを特徴とする竹集成材である。
本発明によれば、竹集成材を製造する際に形成される廃棄部分を減少させて、竹集成材の原材料となる竹材の歩留まりを向上させることにより、竹資源の効率的な利用が可能となるとともに、竹集成材の製造に伴う作業効率の向上及びコスト低減が可能となる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
まず、図1から図5を参照して、本発明の第一実施形態を説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の製造方法を用いて製造される竹集成材1は、竹集成材1の原材料となる竹材を加工して形成した複数の割裂片2と、複数の割裂片2間に充填される接着剤4とから形成されている。なお、竹集成材1の原材料となる竹材は、あらかじめ、竹集成材1の形状を所望の形状とするために好適な長手方向長さに切断されている。
以下に、図3から図5を参照して、本実施形態の製造方法を用いて竹集成材1を製造する方法について説明する。
まず、複数の割裂片2を形成する際は、図3に示すような、竹集成材1の原材料となる竹材6を用いる。ここで、竹材6の両端部のうち径の大きい端部を一方の端部6aとし、一方の端部6aよりも径の小さい端部を他方の端部6bとする。
次に、図4に示すように、竹材6を、竹材6の一方の端部6a又は他方の端部6bから、竹材6の長手方向に沿って割裂し、複数の割裂片2を形成する。このとき、竹材6を長手方向に沿って割裂すると、竹資源特有の性質により、竹材6は繊維方向に沿って割裂される。また、竹材6を長手方向に沿って割裂する幅、すなわち割裂片2の幅は、竹材6の肉厚と同一とする。
次に、割裂片2の節部分8のうち、割裂片2の内側にある部分及び割裂片2の外周面から突出している部分を取り除く。ここで、節部分8のうち、割裂片2の内側にある部分及び割裂片2の外周面から突出している部分を取り除く方法としては、ノミ等を用いて切削する方法が挙げられる。なお、複数の割裂片2を形成する前に、あらかじめ、竹材6の節部分8のうち、竹材6の内側にある部分及び竹材6の外周面から突出している部分を取り除いてもよい。竹材6の節部分8のうち、竹材6の内側にある部分を取り除く方法としては、竹材6の端部に形成された開口部分から、ドリル等を用いて破砕する方法も挙げられる。また、節部分8のうち、割裂片2の内側にある部分及び割裂片2の外周面から突出している部分を、ハンマー等を用いて節部分8を打撃することにより圧壊してもよく、この圧壊した部分を、複数の割裂片2とともに、後述する型枠内に投入してもよい。
竹材6を加工して複数の割裂片2を形成した後、図5に示すように、複数の割裂片2を、互いに長手方向の向きを揃えて型枠内に投入する。このとき、複数の割裂片2のうち半数の割裂片2を、その他の割裂片2と長手方向の向きを反転させる。
複数の割裂片2を型枠内へ投入した後、型枠内において複数の割裂片2間に隙間が形成されることが無いように、複数の割裂片2間に接着剤4を充填する。ここで、接着剤4としては、例えば、熱硬化性を有する環境保全型尿素樹脂系接着剤を用いる。環境保全型尿素樹脂系接着剤としては、UP4116(DYNEA社製)等が挙げられる。また、型枠は、複数の割裂片2から製造した竹集成材1の形状が、棒状や板状等、所望の形状となるように、あらかじめ形成されている。
型枠内に複数の割裂片2を投入し、複数の割裂片2間に接着剤4を充填した状態で、複数の割裂片2及び接着剤4を、割裂片2の長手方向と直角の方向から加熱するとともに加圧して、竹集成材1の製造を終了する。
次に、本実施形態の製造方法の作用・効果について説明する。
本実施形態の製造方法によれば、竹集成材1の材料となる複数の割裂片2を、竹材6を長手方向に沿って割裂して形成しているため、従来の製造方法において形成されていた、竹集成材1の原材料となる竹材から形成される廃棄部分を減少させることが可能となる。その結果、竹集成材1の原材料となる竹材の歩留まりが向上し、竹資源を効率的に利用することが可能となるとともに、材料コストの低減が可能となる。
また、本実施形態の製造方法によれば、従来の製造方法において実施されていた、割裂片2を平板片に加工する切削加工が省略されるため、竹集成材1の製造に伴う作業工程が減少し、作業効率が向上するとともに作業コストが低減される。
さらに、本実施形態の製造方法によれば、複数の割裂片2のうち半数の割裂片2を、その他の割裂片2と長手方向の向きを反転させて型枠内に投入しているため、竹集成材1の厚さを均一化することが可能となり、竹集成材1の密度を均一化することが可能となる。
また、本実施形態の製造方法によれば、複数の割裂片2を形成する際に、竹材6を長手方向に沿って割裂する幅を、竹材6の肉厚と同一としたため、割裂片2の断面形状が略正方形となり、竹集成材1の形状を所望の形状とすることが容易となる。
また、本実施形態の製造方法によれば、割裂片2の節部分8のうち、割裂片2の内側にある部分及び割裂片2の外周面から突出している部分を圧壊又は取り除いているため、割裂片2の厚さが均一化する。このため、竹集成材1の形状を所望の形状とすることが容易となるとともに、竹集成材1の品質を均一化することが可能となる。
また、本実施形態の製造方法によれば、型枠内において複数の割裂片2間に熱硬化性の接着剤4を充填した後、複数の割裂片2及び接着剤4を加熱するとともに、複数の割裂片2及び接着剤4を、割裂片2の長手方向と直角の方向から加圧しているため、高強度の竹集成材1を製造することが可能となる。
また、本実施形態の製造方法によれば、竹集成材1の原材料となる竹材の歩留まりを向上させるとともに、竹材特有の利点、すなわち、高い弾力性、室内環境の浄化、優れた引張性状等を有した竹集成材1を製造することが可能となる。このため、建築物や建具等の構造材として利用価値の高い竹集成材1を、低コストで供給可能となり、環境保全に貢献することが可能となる。
なお、本実施形態の製造方法では、複数の割裂片2のうち半数の割裂片2を、その他の割裂片2と長手方向の向きを反転させて型枠内に投入したが、これに限定されるものではない。すなわち、竹材6の長手方向に沿った肉厚が均一であれば、竹材6を長手方向に沿って割裂して複数の割裂片2を形成した後、各割裂片2を長手方向の向きを変えずに型枠内に投入してもよい。この場合、竹集成材1の製造に伴う作業工程が減少するため、作業効率が向上するとともに作業コストが低減される。また、竹集成材1を所望の形状に製造することが可能であれば、複数の割裂片2のうち一部の割裂片2を、その他の割裂片2と長手方向の向きを反転させて型枠内に投入してもよい。
また、本実施形態の製造方法では、複数の割裂片2を形成する際に、竹材6を長手方向に沿って割裂する幅を、竹材6の肉厚と同一としたが、これに限定されるものではなく、竹材6を長手方向に沿って割裂する幅を、竹材6の肉厚と略同一としてもよい。また、竹材6を長手方向に沿って割裂する幅を、竹材6の肉厚よりも狭い幅として、割裂片2の断面形状が略長方形となるようにしてもよい。すなわち、竹材6を長手方向に沿って割裂する幅は、竹集成材1が所望の形状に形成されるものであればよい。
さらに、本実施形態の製造方法では、複数の割裂片2を形成する際に、竹材6全体を長手方向に沿って割裂したが、これに限定されるものではなく、竹材6の一部を長手方向に沿って割裂してもよい。すなわち、例えば、竹材6の半分のみを長手方向に沿って割裂して複数の割裂片2を形成し、残りの断面が半円形状の竹材6を、竹垣の材料等、竹集成材1の材料以外として用いる構成としてもよい。
また、本実施形態の製造方法では、割裂片2の節部分8のうち、割裂片2の内側にある部分及び割裂片2の外周面から突出している部分を圧壊又は取り除いたが、これに限定されるものではない。すなわち、複数の割裂片2を長手方向と直角の方向から加圧する際に、この加圧力によって、割裂片2の節部分8のうち、割裂片2の内側にある部分及び割裂片2の外周面から突出している部分を圧壊してもよい。この場合、竹集成材1の製造に伴う作業工程が減少するため、作業効率が向上するとともに作業コストが低減される。
また、本実施形態の製造方法では、複数の割裂片2を型枠内へ投入した後、型枠内において複数の割裂片2間に隙間が形成されることが無いように、複数の割裂片2間に接着剤4を充填したが、これに限定されるものではない。すなわち、竹集成材1が所望の形状に製造可能であれば、複数の割裂片2にそれぞれ接着剤4を塗布した後、複数の割裂片2を型枠内に投入してもよい。割裂片2に接着剤4を塗布する方法としては、例えば、型枠内に投入する前の割裂片2に対し、スプレー等によって接着剤4を噴き付ける方法が挙げられる。
また、本実施形態の製造方法では、型枠内に複数の割裂片2を投入し、複数の割裂片2間に接着剤4を充填した状態で、複数の割裂片2及び接着剤4を、割裂片2の長手方向と直角の方向から加熱するとともに加圧したが、これに限定されるものではない。すなわち、複数の割裂片2及び接着剤4を加圧する方向は、例えば、割裂片2の長手方向と略直角の方向等、竹集成材1が製造可能な方向であればよい。
また、本実施形態の製造方法では、型枠内において複数の割裂片2間に熱硬化性の接着剤4を充填した後、複数の割裂片2及び接着剤4を加熱するとともに、複数の割裂片2及び接着剤4を、割裂片2長手方向と直角の方向から加圧したが、これに限定されるものではない。すなわち、接着剤4が、加熱を必要とせずに複数の割裂片2同士を結合可能なものであれば、接着剤4として熱硬化性を有していないものを用い、複数の割裂片2及び接着剤4を加熱せずに、複数の割裂片2及び接着剤4を、割裂片2の長手方向と直角の方向から加圧してもよい。この場合、竹集成材1の製造に伴う作業工程が減少するため、作業効率が向上するとともに作業コストが低減される。
また、本実施形態の製造方法では、型枠内において複数の割裂片2間に熱硬化性の接着剤4を充填した後、複数の割裂片2及び接着剤4を加熱するとともに、複数の割裂片2及び接着剤4を、割裂片2長手方向と直角の方向から加圧したが、これに限定されるものではない。すなわち、型枠内において複数の割裂片2間に熱硬化性の接着剤4を充填した後、複数の割裂片2及び接着剤4を加熱し、複数の割裂片2及び接着剤4の加熱が終了した後に、複数の割裂片2及び接着剤4を、割裂片2長手方向と直角の方向から加圧してもよい。
次に、本発明の第二実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上述した第一実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態の製造方法を用いて製造される竹集成材1は、割裂片2の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成となっている。すなわち、本実施形態における割裂片2は、長手方向に沿った縁部に面取り10が設けられている。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
以下に、本実施形態の製造方法を用いて竹集成材1を製造する方法について説明する。なお、上述した第一実施形態と同様の工程については、詳細な説明は省略する。
まず、上述した第一実施形態と同様の方法を用いて、竹材6から複数の割裂片2を形成する。
竹材6から複数の割裂片2を形成した後、各割裂片2の長手方向に沿った縁部を取り除き、各割裂片2の長手方向に沿った縁部に面取り10を設ける。割裂片2に面取り10を設ける方法としては、例えば、割裂片2の長手方向に沿った縁部を、カンナ等を用いて切削する方法が挙げられる。
各割裂片2の長手方向に沿った縁部に面取り10を設けた後、各割裂片2とともに、各割裂片2に面取り10を設けた際に各割裂片2から取り除かれた複数の切片12を、型枠内に投入する。このとき、上述した第一実施形態と同様に、複数の割裂片2のうち半数の割裂片2を、その他の割裂片2と長手方向の向きを反転させて型枠内へ投入する。
型枠内に複数の割裂片2及び切片12を投入した後、型枠内において複数の割裂片2及び切片12間に隙間が形成されることが無いように、複数の割裂片2及び切片12間に接着剤4を充填する。そして、これらの割裂片2、切片12及び接着剤4を、割裂片2の長手方向と直角の方向から加熱するとともに加圧して、竹集成材1の製造を終了する。
次に、本実施形態の製造方法の作用・効果について説明する。
本実施形態の製造方法によれば、割裂片2の長手方向に沿った縁部に面取り10が設けられているため、型枠内に投入した複数の割裂片2間に形成される隙間が減少する。このため、竹集成材1の密度が向上して、竹集成材1の品質が向上する。
また、本実施形態の製造方法によれば、複数の割裂片2とともに複数の切片12を型枠内に投入しているため、複数の割裂片2のみを竹集成材1の材料に用いた場合と比較して、竹集成材1の密度が更に向上して、竹集成材1の品質が更に向上する。また、複数の割裂片2とともに、各割裂片2から取り除かれた複数の切片12も竹集成材1の材料としているため、竹集成材1の原材料となる竹材から形成される廃棄部分が減少し、竹集成材1の原材料となる竹材の歩留まりが向上して、材料コストの低減が可能となる。
なお、本実施形態の製造方法では、複数の割裂片2とともに複数の切片12を型枠内に投入したが、これに限定されるものではなく、複数の割裂片2のみを型枠内に投入してもよい。
また、本実施形態の製造方法では、複数の割裂片2とともに複数の切片12を型枠内に投入したが、これに限定されるものではなく、例えば、竹集成材1の形状を小径の棒状とする場合等は、複数の切片12のみを型枠内に投入してもよい。
その他の作用・効果は、上述した第一実施形態と同様である。
次に、本発明の第三実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上述した第一及び第二実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態の製造方法を用いて製造される竹集成材1は、竹集成材1の原材料となる複数の竹材6と、複数の竹材6間に充填される接着剤4とから形成されている。なお、複数の竹材6は、あらかじめ、竹集成材1の形状を所望の形状とするために好適な長手方向長さに切断されている。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
以下に、本実施形態の製造方法を用いて竹集成材1を製造する方法について説明する。なお、上述した第一実施形態と同様の工程については、詳細な説明は省略する。
まず、上述した第一実施形態と同様の方法を用いて、竹材6の節部分8のうち、竹材6の内側にある部分及び竹材6の外周面から突出している部分を圧壊又は取り除いた後、複数の竹材6を、長手方向の向きを揃えて型枠内に投入する。このとき、竹材6のうち半数の竹材6を、残りの半数の竹材6と長手方向の向きを反転させる。
型枠内に複数の竹材6を投入した後、型枠内において複数の竹材6間に隙間が形成されることが無いように、複数の竹材6間に接着剤4を充填する。そして、複数の竹材6及び接着剤4を、竹材6の長手方向と直角の方向から加熱するとともに加圧して、竹集成材1の製造を終了する。
次に、本実施形態の製造方法の作用・効果について説明する。
本実施形態の製造方法によれば、竹材6に対し、切断や切削等の加工を実施せずに竹集成材1を製造したため、従来の製造方法において、竹集成材1の原材料となる竹材から形成されていた廃棄部分が減少する。その結果、竹集成材1の原材料となる竹材の歩留まりが向上し、材料コストの低減が可能となる。また、竹集成材1の製造に伴う作業工程が減少し、作業効率が向上するとともに作業コストが低減される。
また、本実施形態の製造方法によれば、複数の竹材6のうち半数の竹材6を、その他の竹材6と長手方向の向きを反転させて型枠内に投入しているため、竹集成材1の厚さを均一化することが可能となり、竹集成材1の密度を均一化することが可能となる。
なお、本実施形態の製造方法では、竹集成材1の材料となる複数の竹材6を、竹の節間部分及び節部分8としたが、これに限定されるものではない。すなわち、複数の竹材6として小枝部分を用いてもよい。この場合、竹集成材1の原材料となる竹材のうち、竹集成材1の材料として使用可能な部分が増加するため、竹資源を効率的に活用することが利用となるとともに、竹集成材1の原材料となる竹材の歩留まりが向上し、材料コストが低減される。
また、本実施形態の製造方法では、複数の竹材6のみを竹集成材1の材料としたが、これに限定されるものではなく、複数の竹材6とともに小枝部分を竹集成材1の材料としてもよい。
さらに、本実施形態の製造方法では、竹材6の節部分8のうち、竹材6の内側にある部分及び竹材6の外周面から突出している部分を圧壊又は取り除いたが、これに限定されるものではない。すなわち、型枠内に投入した複数の竹材6を、竹材6の長手方向と直角の方向から加圧する際に、この加圧力によって、竹材6の節部分8のうち、竹材6の内側にある部分及び竹材6の外周面から突出している部分を圧壊してもよい。この場合、竹集成材の製造に伴う作業工程が減少するため、作業効率が向上するとともに作業コストが低減される。
その他の作用・効果は、上述した第一実施形態と同様である。
以下、表1を参照して、本発明の竹集成材の製造方法を用いて製造した竹集成材の物性試験結果を示す。竹集成材としては、割裂片の断面形状及び成形圧が異なる四種類の竹集成材を用いた。曲げ試験は、タイプ1〜3の各竹集成材から、曲げ試験体(寸法20×20×30mm)を切り出し、この曲げ試験体に対して行った。圧縮試験は、タイプ1〜3の各竹集成材から、圧縮試験体(寸法20×20×40mm)を切り出し、この圧縮試験体に対して行った。引張試験は、直径3mm〜6mmの割裂片単体に対して行った。なお、成形圧とは、加圧時に割裂片に加える圧力(kgf/cm3)である。また、接着剤としては、フェノール樹脂を用いた。
また、比較例として、二種類の天然木材(ヒノキ、スギ)の物性試験結果を示した。
Figure 0004457228
表1中に示されているように、本発明の竹集成材の製造方法を用いて製造した各竹集成材の有する物性は、曲げ強さが概ねヒノキ材の2倍程度であり、圧縮強度がヒノキ材の約1.5倍相当であることが確認された。また、曲げ試験における弾性係数は、全般としてヒノキ材よりも小さくなっていることが確認されており、竹材の特性が反映されていることが確認された。
また、割裂片単体の引張強度は、約132N/mm2の高い強度であり、竹材特有の利点である優れた引張性状を有していることが確認された。この引張強度は、アルミ金属の引張強度の約半分に相当しており、本発明の竹集成材の製造方法を用いて製造した竹集成材は、木造家屋等の木質系構造体の補強に十分利用可能であることが確認された。
以上より、本発明の竹集成材の製造方法を用いて製造した竹集成材は、建築物や建具等の構造材として好適であることが確認された。
本発明の第一実施形態の集成材を示す図である。 図1の一部拡大図である。 本発明の第一実施形態における竹材を示す図である。 本発明の第一実施形態における竹材の加工方法を示す図である。 本発明の第一実施形態における竹集成材の製造方法を示す図である。 本発明の第二実施形態における集成材の一部拡大図である。 本発明の第三実施形態の集成材を示す図である。 従来の材料となる竹材を示す図である。 従来の材料となる竹材を示す図である。
符号の説明
1 竹集成材
2 割裂片
4 接着剤
6 竹材
8 節部分
10 面取り
12 切片
14 平板片
16 廃棄部分

Claims (7)

  1. 竹材を長手方向に沿って割裂して複数の割裂片を形成し、
    前記複数の割裂片の長手方向に沿った縁部を面取りし、
    前記面取りした複数の割裂片を互いに長手方向の向きを揃えて型枠内に投入し、その複数の割裂片間に接着剤を充填した状態で加圧することを特徴とする竹集成材の製造方法。
  2. 前記面取りした複数の割裂片のうち一部の割裂片を、その他の割裂片と長手方向の向きを反転させて前記型枠内に投入することを特徴とする請求項1に記載した竹集成材の製造方法。
  3. 前記割裂片の幅を、前記竹材の肉厚と同一または略同一とすることを特徴とする請求項1または2に記載した竹集成材の製造方法。
  4. 前記割裂片の長手方向に沿った縁部を面取りした際に割裂片から取り除いた切片を、前記面取りした割裂片とともに前記型枠内に投入することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載した竹集成材の製造方法。
  5. 前記割裂片又は竹材の節部分のうち割裂片又は竹材の内側の部分及び外周面から突出した部分を圧壊又は取り除くことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載した竹集成材の製造方法。
  6. 前記接着剤を熱硬化性の接着剤とし、前記型枠内に投入した前記複数の割裂片又は複数の竹材と前記接着剤とを加熱するとともに加圧することを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載した竹集成材の製造方法。
  7. 請求項1から6のうちいずれか1項に記載した竹集成材の製造方法を用いて製造したことを特徴とする竹集成材。
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