JP4457228B2 - 竹集成材の製造方法及び竹集成材 - Google Patents
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また、割裂片2を平板片14とする際に切削加工が必要となるため、作業工程が複雑化してしまい、作業効率が低下するとともに作業コストが増加してしまう。
本発明は、上述のような問題点に着目してなされたもので、竹集成材を製造する際に形成される廃棄部分を減少させて歩留まりを向上させることにより、竹資源の効率的な利用を可能とし、作業効率の向上及びコスト低減が可能な竹集成材の製造方法を提供することを課題とする。
前記複数の割裂片の長手方向に沿った縁部を面取りし、
前記面取りした複数の割裂片を互いに長手方向の向きを揃えて型枠内に投入し、その複数の割裂片間に接着剤を充填した状態で加圧することを特徴とする竹集成材の製造方法である。
本発明によれば、竹集成材の原材料となる任意の長手方向長さの竹材を、長手方向に沿って割裂して複数の割裂片を形成しているため、竹集成材の原材料となる竹材から形成される廃棄部分を減少させることが可能となる。
また、型枠内において、複数の割裂片を互いに長手方向の向きを揃えて型枠内に投入しているため、竹集成材の製造に伴う作業工程が簡略化される。
また、本発明によれば、割裂片の長手方向に沿った縁部を面取りすることにより、型枠内において複数の割裂片間に形成される隙間が減少するため、竹集成材の密度を向上させることが可能となる。
本発明によれば、面取りした複数の割裂片のうち一部の割裂片を、その他の割裂片と長手方向の向きを反転させて型枠内に投入しているため、竹集成材の厚さを均一化することが可能となるとともに、竹集成材の密度を均一化することが可能となる。
本発明によれば、割裂片の幅を竹材の肉厚と同一または略同一とすることにより、割裂片の断面形状が略正方形となるため、竹集成材の形状を所望の形状とすることが容易となる。
本発明によれば、割裂片の長手方向に沿った縁部を面取りした際に割裂片から取り除いた切片を、面取りした割裂片とともに型枠内に投入することにより、型枠内において複数の割裂片間に形成される隙間が更に減少するため、竹集成材の密度を更に向上させることが可能となる。
また、面取りを設けた割裂片とともに、面取りを設けた際に割裂片から取り除かれた切片も竹集成材の材料としているため、竹集成材の原材料となる竹材から形成される廃棄部分を減少させることが可能となる。
本発明によれば、割裂片又は竹材の厚さが均一化されるため、竹集成材の形状を所望の形状とすることが容易となるとともに、竹集成材の品質を均一化することが可能となる。
本発明によれば、高強度の竹集成材を形成することが可能となる。
次に、本発明のうち、請求項7に記載した発明は、請求項1から6のうちいずれか1項に記載した竹集成材の製造方法を用いて製造したことを特徴とする竹集成材である。
まず、図1から図5を参照して、本発明の第一実施形態を説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の製造方法を用いて製造される竹集成材1は、竹集成材1の原材料となる竹材を加工して形成した複数の割裂片2と、複数の割裂片2間に充填される接着剤4とから形成されている。なお、竹集成材1の原材料となる竹材は、あらかじめ、竹集成材1の形状を所望の形状とするために好適な長手方向長さに切断されている。
まず、複数の割裂片2を形成する際は、図3に示すような、竹集成材1の原材料となる竹材6を用いる。ここで、竹材6の両端部のうち径の大きい端部を一方の端部6aとし、一方の端部6aよりも径の小さい端部を他方の端部6bとする。
複数の割裂片2を型枠内へ投入した後、型枠内において複数の割裂片2間に隙間が形成されることが無いように、複数の割裂片2間に接着剤4を充填する。ここで、接着剤4としては、例えば、熱硬化性を有する環境保全型尿素樹脂系接着剤を用いる。環境保全型尿素樹脂系接着剤としては、UP4116(DYNEA社製)等が挙げられる。また、型枠は、複数の割裂片2から製造した竹集成材1の形状が、棒状や板状等、所望の形状となるように、あらかじめ形成されている。
型枠内に複数の割裂片2を投入し、複数の割裂片2間に接着剤4を充填した状態で、複数の割裂片2及び接着剤4を、割裂片2の長手方向と直角の方向から加熱するとともに加圧して、竹集成材1の製造を終了する。
本実施形態の製造方法によれば、竹集成材1の材料となる複数の割裂片2を、竹材6を長手方向に沿って割裂して形成しているため、従来の製造方法において形成されていた、竹集成材1の原材料となる竹材から形成される廃棄部分を減少させることが可能となる。その結果、竹集成材1の原材料となる竹材の歩留まりが向上し、竹資源を効率的に利用することが可能となるとともに、材料コストの低減が可能となる。
さらに、本実施形態の製造方法によれば、複数の割裂片2のうち半数の割裂片2を、その他の割裂片2と長手方向の向きを反転させて型枠内に投入しているため、竹集成材1の厚さを均一化することが可能となり、竹集成材1の密度を均一化することが可能となる。
また、本実施形態の製造方法によれば、割裂片2の節部分8のうち、割裂片2の内側にある部分及び割裂片2の外周面から突出している部分を圧壊又は取り除いているため、割裂片2の厚さが均一化する。このため、竹集成材1の形状を所望の形状とすることが容易となるとともに、竹集成材1の品質を均一化することが可能となる。
また、本実施形態の製造方法によれば、竹集成材1の原材料となる竹材の歩留まりを向上させるとともに、竹材特有の利点、すなわち、高い弾力性、室内環境の浄化、優れた引張性状等を有した竹集成材1を製造することが可能となる。このため、建築物や建具等の構造材として利用価値の高い竹集成材1を、低コストで供給可能となり、環境保全に貢献することが可能となる。
図6に示すように、本実施形態の製造方法を用いて製造される竹集成材1は、割裂片2の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成となっている。すなわち、本実施形態における割裂片2は、長手方向に沿った縁部に面取り10が設けられている。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
まず、上述した第一実施形態と同様の方法を用いて、竹材6から複数の割裂片2を形成する。
竹材6から複数の割裂片2を形成した後、各割裂片2の長手方向に沿った縁部を取り除き、各割裂片2の長手方向に沿った縁部に面取り10を設ける。割裂片2に面取り10を設ける方法としては、例えば、割裂片2の長手方向に沿った縁部を、カンナ等を用いて切削する方法が挙げられる。
型枠内に複数の割裂片2及び切片12を投入した後、型枠内において複数の割裂片2及び切片12間に隙間が形成されることが無いように、複数の割裂片2及び切片12間に接着剤4を充填する。そして、これらの割裂片2、切片12及び接着剤4を、割裂片2の長手方向と直角の方向から加熱するとともに加圧して、竹集成材1の製造を終了する。
本実施形態の製造方法によれば、割裂片2の長手方向に沿った縁部に面取り10が設けられているため、型枠内に投入した複数の割裂片2間に形成される隙間が減少する。このため、竹集成材1の密度が向上して、竹集成材1の品質が向上する。
また、本実施形態の製造方法によれば、複数の割裂片2とともに複数の切片12を型枠内に投入しているため、複数の割裂片2のみを竹集成材1の材料に用いた場合と比較して、竹集成材1の密度が更に向上して、竹集成材1の品質が更に向上する。また、複数の割裂片2とともに、各割裂片2から取り除かれた複数の切片12も竹集成材1の材料としているため、竹集成材1の原材料となる竹材から形成される廃棄部分が減少し、竹集成材1の原材料となる竹材の歩留まりが向上して、材料コストの低減が可能となる。
また、本実施形態の製造方法では、複数の割裂片2とともに複数の切片12を型枠内に投入したが、これに限定されるものではなく、例えば、竹集成材1の形状を小径の棒状とする場合等は、複数の切片12のみを型枠内に投入してもよい。
その他の作用・効果は、上述した第一実施形態と同様である。
図7に示すように、本実施形態の製造方法を用いて製造される竹集成材1は、竹集成材1の原材料となる複数の竹材6と、複数の竹材6間に充填される接着剤4とから形成されている。なお、複数の竹材6は、あらかじめ、竹集成材1の形状を所望の形状とするために好適な長手方向長さに切断されている。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
まず、上述した第一実施形態と同様の方法を用いて、竹材6の節部分8のうち、竹材6の内側にある部分及び竹材6の外周面から突出している部分を圧壊又は取り除いた後、複数の竹材6を、長手方向の向きを揃えて型枠内に投入する。このとき、竹材6のうち半数の竹材6を、残りの半数の竹材6と長手方向の向きを反転させる。
型枠内に複数の竹材6を投入した後、型枠内において複数の竹材6間に隙間が形成されることが無いように、複数の竹材6間に接着剤4を充填する。そして、複数の竹材6及び接着剤4を、竹材6の長手方向と直角の方向から加熱するとともに加圧して、竹集成材1の製造を終了する。
本実施形態の製造方法によれば、竹材6に対し、切断や切削等の加工を実施せずに竹集成材1を製造したため、従来の製造方法において、竹集成材1の原材料となる竹材から形成されていた廃棄部分が減少する。その結果、竹集成材1の原材料となる竹材の歩留まりが向上し、材料コストの低減が可能となる。また、竹集成材1の製造に伴う作業工程が減少し、作業効率が向上するとともに作業コストが低減される。
なお、本実施形態の製造方法では、竹集成材1の材料となる複数の竹材6を、竹の節間部分及び節部分8としたが、これに限定されるものではない。すなわち、複数の竹材6として小枝部分を用いてもよい。この場合、竹集成材1の原材料となる竹材のうち、竹集成材1の材料として使用可能な部分が増加するため、竹資源を効率的に活用することが利用となるとともに、竹集成材1の原材料となる竹材の歩留まりが向上し、材料コストが低減される。
さらに、本実施形態の製造方法では、竹材6の節部分8のうち、竹材6の内側にある部分及び竹材6の外周面から突出している部分を圧壊又は取り除いたが、これに限定されるものではない。すなわち、型枠内に投入した複数の竹材6を、竹材6の長手方向と直角の方向から加圧する際に、この加圧力によって、竹材6の節部分8のうち、竹材6の内側にある部分及び竹材6の外周面から突出している部分を圧壊してもよい。この場合、竹集成材の製造に伴う作業工程が減少するため、作業効率が向上するとともに作業コストが低減される。
その他の作用・効果は、上述した第一実施形態と同様である。
また、比較例として、二種類の天然木材(ヒノキ、スギ)の物性試験結果を示した。
以上より、本発明の竹集成材の製造方法を用いて製造した竹集成材は、建築物や建具等の構造材として好適であることが確認された。
2 割裂片
4 接着剤
6 竹材
8 節部分
10 面取り
12 切片
14 平板片
16 廃棄部分
Claims (7)
- 竹材を長手方向に沿って割裂して複数の割裂片を形成し、
前記複数の割裂片の長手方向に沿った縁部を面取りし、
前記面取りした複数の割裂片を互いに長手方向の向きを揃えて型枠内に投入し、その複数の割裂片間に接着剤を充填した状態で加圧することを特徴とする竹集成材の製造方法。 - 前記面取りした複数の割裂片のうち一部の割裂片を、その他の割裂片と長手方向の向きを反転させて前記型枠内に投入することを特徴とする請求項1に記載した竹集成材の製造方法。
- 前記割裂片の幅を、前記竹材の肉厚と同一または略同一とすることを特徴とする請求項1または2に記載した竹集成材の製造方法。
- 前記割裂片の長手方向に沿った縁部を面取りした際に割裂片から取り除いた切片を、前記面取りした割裂片とともに前記型枠内に投入することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載した竹集成材の製造方法。
- 前記割裂片又は竹材の節部分のうち割裂片又は竹材の内側の部分及び外周面から突出した部分を圧壊又は取り除くことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載した竹集成材の製造方法。
- 前記接着剤を熱硬化性の接着剤とし、前記型枠内に投入した前記複数の割裂片又は複数の竹材と前記接着剤とを加熱するとともに加圧することを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載した竹集成材の製造方法。
- 請求項1から6のうちいずれか1項に記載した竹集成材の製造方法を用いて製造したことを特徴とする竹集成材。
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