JP2005324970A - 単結晶引上げ方法及び半導体単結晶 - Google Patents
単結晶引上げ方法及び半導体単結晶 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 製品として出荷する半導体単結晶を切断することなくその抵抗率を得ることができる単結晶引上げ方法を提供する。
【解決手段】 種結晶23を用いて抵抗率測定用のサンプル単結晶21を引き上げ、サンプル単結晶21の下端に形成されるサンプル単結晶終端部21dを種結晶としてサンプル単結晶21に連続して製品となる製品単結晶22を引き上げる。
【選択図】 図1
【解決手段】 種結晶23を用いて抵抗率測定用のサンプル単結晶21を引き上げ、サンプル単結晶21の下端に形成されるサンプル単結晶終端部21dを種結晶としてサンプル単結晶21に連続して製品となる製品単結晶22を引き上げる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、チョクラルスキー法(CZ法)によりシリコン等の半導体単結晶を引き上げ製造する単結晶引上げ方法及び半導体単結晶に関する。
シリコン等の半導体単結晶は、坩堝に収容された半導体原料をヒータで加熱して半導体融液とし、CZ法により半導体融液から半導体単結晶を引き上げながら成長させることにより製造される。この半導体単結晶を製造する際の形状制御は、引上げ装置本体に設けられたカメラポートを介して結晶成長領域を二次元カメラで撮像し、二次元カメラから得られる画像情報から半導体単結晶の直径を求めて、ヒータへの電力供給又は単結晶の引き上げ速度等をパラメータとする引上げ条件を調整することにより行われている。シリコンウェハ等の半導体基板は、上記の方法で製造された半導体単結晶をスライス(切断)することにより製造され、製造された半導体基板は検査工程で抵抗率等が検査されて出荷される。
尚、上記の形状制御を行う引上げ装置の詳細については例えば以下の特許文献1に開示されている。また、抵抗率又は直径が異なる複数種の単結晶を同一単結晶に連続的に形成する技術については例えば以下の特許文献2を参照されたい。
特開2004−035352号公報
特開平04−021585号公報
ところで、製造された半導体単結晶はスライスされた後で抵抗率が測定されて半導体基板として出荷されることが多かったが、近年においては半導体単結晶をスライスせずにそのまま(as−grown単結晶形状のまま)製品として出荷する機会が増えている。半導体単結晶の抵抗率を測定するためには、製品となる半導体単結晶をスライスして抵抗測定用サンプルを製作する必要があるが、as−grown単結晶形状のまま製品として出荷する場合には、半導体単結晶をスライスすることができないため半導体単結晶の抵抗率の測定を行うことができないという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、製品として出荷する半導体単結晶を切断することなくその抵抗率を得ることができる単結晶引上げ方法及び半導体単結晶を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の単結晶引上げ方法は、坩堝(11)に収容された半導体原料を加熱して半導体融液(M)とし、当該半導体融液から半導体単結晶(20)を引き上げながら成長させる単結晶引上げ方法において、抵抗率測定用のサンプル単結晶(21)を引き上げる第1工程と、前記サンプル単結晶に連続して製品となる製品単結晶(22)を引き上げる第2工程とを含むことを特徴としている。
また、本発明の単結晶引上げ方法は、前記第1工程が、前記サンプル単結晶の直径を徐々に増大させて第1テーパー部(21a)を形成する工程と、前記前記サンプル単結晶の直径を徐々に減少させて第2テーパー部(21c)を形成する工程とを含むことを特徴としている。
ここで、前記第1工程は、前記半導体融液と前記半導体単結晶との境界部分を撮像する撮像装置(14)からの撮像信号に基づいて前記半導体単結晶の引き上げ速度を制御するとともに、前記半導体単結晶の引き上げ長さに基づいて前記半導体原料の加熱量を制御して前記第1テーパー部及び前記第2テーパー部を形成することを特徴としている。
更に、前記第1工程の前に、前記半導体単結晶の直径を所定の径に絞ってネック部(24)を形成する工程を含み、前記第1工程は、前記ネック部形成時の最高速度の二分の一の速度で前記半導体単結晶を引き上げながら前記第1テーパー部を形成し、前記ネック部形成時の最高速度の三分の一の速度で前記半導体単結晶を引き上げながら前記第2テーパー部を形成することを特徴としている。
また、本発明の単結晶引上げ方法は、前記第2テーパー形成後に、前記製品単結晶に対する種結晶(21d)を形成する工程を含むことを特徴としている。
更に、本発明の単結晶引上げ方法は、前記第1工程が、前記サンプル単結晶の直径を15mm以上50mm以下に形成する工程であり、前記第2工程は、前記製品単結晶を300mm以上400mm以下に形成する工程であることを特徴としている。
本発明の単結晶は、上記の何れかに記載の単結晶引上げ方法により製造され、抵抗率測定用のサンプル単結晶と製品となる製品単結晶とが連続して形成されてなることを特徴としている。
また、本発明の単結晶引上げ方法は、前記第1工程が、前記サンプル単結晶の直径を徐々に増大させて第1テーパー部(21a)を形成する工程と、前記前記サンプル単結晶の直径を徐々に減少させて第2テーパー部(21c)を形成する工程とを含むことを特徴としている。
ここで、前記第1工程は、前記半導体融液と前記半導体単結晶との境界部分を撮像する撮像装置(14)からの撮像信号に基づいて前記半導体単結晶の引き上げ速度を制御するとともに、前記半導体単結晶の引き上げ長さに基づいて前記半導体原料の加熱量を制御して前記第1テーパー部及び前記第2テーパー部を形成することを特徴としている。
更に、前記第1工程の前に、前記半導体単結晶の直径を所定の径に絞ってネック部(24)を形成する工程を含み、前記第1工程は、前記ネック部形成時の最高速度の二分の一の速度で前記半導体単結晶を引き上げながら前記第1テーパー部を形成し、前記ネック部形成時の最高速度の三分の一の速度で前記半導体単結晶を引き上げながら前記第2テーパー部を形成することを特徴としている。
また、本発明の単結晶引上げ方法は、前記第2テーパー形成後に、前記製品単結晶に対する種結晶(21d)を形成する工程を含むことを特徴としている。
更に、本発明の単結晶引上げ方法は、前記第1工程が、前記サンプル単結晶の直径を15mm以上50mm以下に形成する工程であり、前記第2工程は、前記製品単結晶を300mm以上400mm以下に形成する工程であることを特徴としている。
本発明の単結晶は、上記の何れかに記載の単結晶引上げ方法により製造され、抵抗率測定用のサンプル単結晶と製品となる製品単結晶とが連続して形成されてなることを特徴としている。
本発明は、製造された半導体単結晶を切断することなくas−grown単結晶形状のまま製品として出荷する場合にも半導体単結晶内部の抵抗率を得ることを目的としてなされたものであり、この目的達成のために、本発明は、坩堝に収容された半導体原料を加熱して半導体融液とし、当該半導体融液から半導体単結晶を引き上げながら成長させる単結晶引上げ方法において、抵抗率測定用のサンプル単結晶を引き上げる第1工程と、前記サンプル単結晶に連続して製品となる製品単結晶を引き上げる第2工程とを行っている。この発明によると、製品単結晶以外に、製品単結晶に連続した抵抗率測定用のサンプル単結晶が形成されるためサンプル単結晶の抵抗率を測定すれば製品として出荷する製品単結晶を切断することなく製品単結晶の抵抗率を得ることができる。
ここで、サンプル単結晶の抵抗率の測定値を製品単結晶の抵抗率とみなすためには、サンプル単結晶はある程度の直径をもって形成する必要がある。また、サンプル結晶に連続して形成される製品単結晶は無転位である必要がある。このため、本発明は、前記第1工程が、前記サンプル単結晶の直径を徐々に増大させて第1テーパー部を形成する工程と、前記前記サンプル単結晶の直径を徐々に減少させて第2テーパー部を形成する工程とを含んでいる。この発明によると、第1テーパー部を形成してサンプル単結晶の直径を徐々に増大させることによりサンプル単結晶の直径がある程度の径となるためサンプル単結晶の抵抗率の測定値を製品単結晶の抵抗率とみなすことができ、また、第2テーパー部を形成してサンプル単結晶の直径を徐々に減少させることにより無転位の製品単結晶を形成する上で極めて好適である。
上記の第1テーパー部及び第2テーパー部並びにサンプル単結晶の直径を所望の通りに形成するためには、半導体単結晶の径を正確に制御する必要がある。このため、本発明は、前記第1工程が、前記半導体融液と前記半導体単結晶との境界部分を撮像する撮像装置からの撮像信号に基づいて前記半導体単結晶の引き上げ速度を制御するとともに、前記半導体単結晶の引き上げ長さに基づいて前記半導体原料の加熱量を制御して前記第1テーパー部及び前記第2テーパー部を形成している。この発明によると、撮像装置で半導体融液と半導体単結晶との境界部分が撮像されて、この撮像結果に基づいて半導体単結晶の引き上げ速度及び半導体原料の加熱量が制御されるため、第1テーパー部及び第2テーパー部並びにサンプル単結晶の直径を所望の通りに形成することができる。
製品単結晶以外にサンプル単結晶を形成しているため、サンプル単結晶を形成する分だけ製品単結晶の製造効率は低下するが、この製造効率の低減は極力防止する必要がある。このため、本発明は、前記第1工程の前に、前記半導体単結晶の直径を所定の径に絞ってネック部を形成する工程を含み、前記第1工程は、前記ネック部形成時の最高速度の二分の一の速度で前記半導体単結晶を引き上げながら前記第1テーパー部を形成し、前記ネック部形成時の最高速度の三分の一の速度で前記半導体単結晶を引き上げながら前記第2テーパー部を形成している。この発明によると、第1テーパー部及び第2テーパー部を形成する際の最低速度が制限されるため、半導体単結晶の製造効率の低減を極力防止することができる。ここで、第2テーパー部を形成する際の引き上げ速度を第1テーパー部を形成する際の引き上げ速度よりも低い速度に制限することで、サンプル単結晶が半導体融液から離れるのを防止することができる。
通常、製品単結晶は種結晶を半導体融液に接触させて種結晶を引き上げることにより製造される。サンプル単結晶を形成した場合であっても通常行われる方法と同じ方法により製品単結晶が形成されることが望ましい。このため、本発明は、前記第2テーパー形成後に、前記製品単結晶に対する種結晶を形成する工程を含んでいる。第2テーパー形成後に製品単結晶に対する種結晶を形成することで、特別な方法を用いることなく通常行われる方法と同じ方法で製品単結晶が形成される。
近年においては、半導体デバイスの製造効率を向上させるとともにコストを低減する観点から大口径の半導体基板が用いられる。本発明は、前記第1工程が、前記サンプル単結晶の直径を15mm以上50mm以下程度に形成する工程であり、前記第2工程は、前記製品単結晶を300mm以上400mm以下程度に形成する工程である。この発明によると、サンプル単結晶の抵抗率の測定値を製品単結晶の抵抗率とみなすことができる十分な大きさのサンプル単結晶が得られるとともに、必要とされている大口径の半導体基板を得ることができる十分な大きさの製品単結晶が得られる。
ここで、サンプル単結晶の抵抗率の測定値を製品単結晶の抵抗率とみなすためには、サンプル単結晶はある程度の直径をもって形成する必要がある。また、サンプル結晶に連続して形成される製品単結晶は無転位である必要がある。このため、本発明は、前記第1工程が、前記サンプル単結晶の直径を徐々に増大させて第1テーパー部を形成する工程と、前記前記サンプル単結晶の直径を徐々に減少させて第2テーパー部を形成する工程とを含んでいる。この発明によると、第1テーパー部を形成してサンプル単結晶の直径を徐々に増大させることによりサンプル単結晶の直径がある程度の径となるためサンプル単結晶の抵抗率の測定値を製品単結晶の抵抗率とみなすことができ、また、第2テーパー部を形成してサンプル単結晶の直径を徐々に減少させることにより無転位の製品単結晶を形成する上で極めて好適である。
上記の第1テーパー部及び第2テーパー部並びにサンプル単結晶の直径を所望の通りに形成するためには、半導体単結晶の径を正確に制御する必要がある。このため、本発明は、前記第1工程が、前記半導体融液と前記半導体単結晶との境界部分を撮像する撮像装置からの撮像信号に基づいて前記半導体単結晶の引き上げ速度を制御するとともに、前記半導体単結晶の引き上げ長さに基づいて前記半導体原料の加熱量を制御して前記第1テーパー部及び前記第2テーパー部を形成している。この発明によると、撮像装置で半導体融液と半導体単結晶との境界部分が撮像されて、この撮像結果に基づいて半導体単結晶の引き上げ速度及び半導体原料の加熱量が制御されるため、第1テーパー部及び第2テーパー部並びにサンプル単結晶の直径を所望の通りに形成することができる。
製品単結晶以外にサンプル単結晶を形成しているため、サンプル単結晶を形成する分だけ製品単結晶の製造効率は低下するが、この製造効率の低減は極力防止する必要がある。このため、本発明は、前記第1工程の前に、前記半導体単結晶の直径を所定の径に絞ってネック部を形成する工程を含み、前記第1工程は、前記ネック部形成時の最高速度の二分の一の速度で前記半導体単結晶を引き上げながら前記第1テーパー部を形成し、前記ネック部形成時の最高速度の三分の一の速度で前記半導体単結晶を引き上げながら前記第2テーパー部を形成している。この発明によると、第1テーパー部及び第2テーパー部を形成する際の最低速度が制限されるため、半導体単結晶の製造効率の低減を極力防止することができる。ここで、第2テーパー部を形成する際の引き上げ速度を第1テーパー部を形成する際の引き上げ速度よりも低い速度に制限することで、サンプル単結晶が半導体融液から離れるのを防止することができる。
通常、製品単結晶は種結晶を半導体融液に接触させて種結晶を引き上げることにより製造される。サンプル単結晶を形成した場合であっても通常行われる方法と同じ方法により製品単結晶が形成されることが望ましい。このため、本発明は、前記第2テーパー形成後に、前記製品単結晶に対する種結晶を形成する工程を含んでいる。第2テーパー形成後に製品単結晶に対する種結晶を形成することで、特別な方法を用いることなく通常行われる方法と同じ方法で製品単結晶が形成される。
近年においては、半導体デバイスの製造効率を向上させるとともにコストを低減する観点から大口径の半導体基板が用いられる。本発明は、前記第1工程が、前記サンプル単結晶の直径を15mm以上50mm以下程度に形成する工程であり、前記第2工程は、前記製品単結晶を300mm以上400mm以下程度に形成する工程である。この発明によると、サンプル単結晶の抵抗率の測定値を製品単結晶の抵抗率とみなすことができる十分な大きさのサンプル単結晶が得られるとともに、必要とされている大口径の半導体基板を得ることができる十分な大きさの製品単結晶が得られる。
本発明によれば、抵抗率測定用のサンプル単結晶を形成するともに、サンプル単結晶に連続して製品単結晶を形成しているため、サンプル単結晶の抵抗率を測定すれば製品として出荷する製品単結晶を切断することなく製品単結晶の抵抗率を得ることができるという効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による単結晶引上げ方法及び半導体単結晶について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による単結晶引上げ方法が用いられる単結晶引上げ装置の概略構成を示す図である。図1に示す通り、単結晶引上げ装置は、坩堝11、ヒータ12、引上げ装置13、カメラ14、及び制御装置15を含んで構成される。坩堝11は石英等で形成され、シリコン等の半導体原料を収容する。ヒータ12は、例えば高周波加熱装置又は抵抗加熱装置から構成され、坩堝11を加熱して半導体原料を半導体融液とする。
引上げ装置13は、先端に種結晶が取り付けられた引上げワイヤーWを引上げるものであり、融液M表面に種結晶の下端を接触させて上方へ引き上げることで半導体単結晶を成長させる。また、この引上げ装置13には引上ワイヤーWの巻き取り量から半導体単結晶の引き上げ長さを検出するセンサ(不図示)が設けられており、その検出結果が制御装置15に出力されている。カメラ14は、CCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)等の撮像素子を備えており、坩堝11内の半導体融液Mと引上げ装置13により引き上げられる半導体単結晶との境界部分を撮像し、その撮像信号を制御装置15へ出力する。
制御装置15は、引上げ装置13及びヒータ12に制御信号を出力して坩堝11内の半導体融液Mの加熱量及び半導体単結晶の引き上げ速度を制御する。例えば、引上げ装置13から出力される半導体単結晶の引上げ位置の検出結果に基づいて、ヒータ12による半導体原料の加熱量を制御するとともに、カメラ14から出力される画像信号から引き上げている半導体単結晶20の直径を求めて引上げ装置13による半導体単結晶20の引き上げ速度を制御する。
制御装置15は、以下の(1)式に基づいて半導体単結晶20の引き上げ速度V[mm/min])を制御している。
上記(1)中の各変数の意味は以下の通りである。
P :P(比例)制御定数
I :I(積分)制御定数
D :D(微分)制御定数
τ :時定数
dφ:半導体単結晶の直径偏差(実測直径−目標直径)[mm]
Δt:サンプリング時間[sec]
P :P(比例)制御定数
I :I(積分)制御定数
D :D(微分)制御定数
τ :時定数
dφ:半導体単結晶の直径偏差(実測直径−目標直径)[mm]
Δt:サンプリング時間[sec]
上記構成の引上げ装置を用いて本実施形態では、抵抗率を測定するためのサンプル単結晶21と製品となる製品単結晶22とが形成された半導体単結晶20を製造している。サンプル単結晶21は、徐々に直径が増大するテーパー部21a、テーパー部21aに連続してほぼ一定の直径に形成されるサンプル単結晶本体部21b、結晶本体部21bに連続して徐々に直径が減少するテーパー部22c、及びテーパー部22cに連続するサンプル単結晶終端部21dからなる。
製品単結晶22はサンプル単結晶21に連続して形成される。サンプル単結晶21におけるサンプル単結晶本体部21bは直径が15〜50mm程度の小口径に形成され、製品単結晶22は300〜400mm程度の大口径に形成される。製品単結晶22は、スライスされずにそのまま(as−grown単結晶形状のまま)製品として出荷される。サンプル単結晶21は、製品単結晶22の抵抗率を計測するために形成される。
次に、上記構成の半導体単結晶20を形成する方法について説明する。まず、ヒータ12で坩堝11内に収容された半導体原料を加熱して半導体融液Mとし、制御装置15の制御の下で半導体融液Mの温度を所定の温度に設定する。次に、引上ワイヤーWの先端に種結晶23を取り付け、取り付け完了後に引上ワイヤーWを下方へ引き下げ融液M表面に種結晶23の下端を接触させてメルトバックした後で上方への引き上げを開始する。ここでのメルトバック完了位置は、図1中の符号MB1で指し示した位置である。尚、種結晶23の引き上げは種結晶23を回転させながら行う。
種結晶23の引き上げを開始すると、無転位単結晶を得るために半導体単結晶の直径を数mm〜十数mm程度に絞ってネック部24を形成する。このネック24の形成は、制御装置15がカメラ14から出力される撮像信号から半導体単結晶20の直径を求め、引上げ装置13に制御信号を出力して半導体単結晶20の引き上げ速度を調整する事により行う。尚、ネック部24を形成する時の最高引き上げ速度をVmaxとする。この最高引き上げ速度Vmaxは、例えば6[mm/min]程度である。
ネック部24の形成を終えると、制御装置15が引上げ部13に制御信号を出力して半導体単結晶20の引き上げ速度を調整してテーパー部21aの形成を開始する。このときの半導体単結晶20の引き上げ速度を低速にして直径方向の成長を速める。尚、引き上げ速度を無制限に低速にするとサンプル単結晶を形成するのに長時間を要するため、ネック部24を形成する際の半導体単結晶20の最高引き上げ速度Vmaxの三分の一程度に設定することが望ましい。このときの引き上げ速度は、最高引き上げ速度Vmaxが6[mm/min]である場合には、2[mm/min]程度に設定される。
このとき、引き上げ速度の調整のみでは直径方向の成長が遅く効率が悪いため、引上げ装置15に設けられるセンサの半導体単結晶20の引き上げ位置の検出結果に基づいて、制御装置15がヒータ12の制御を行って融液Mの温度を調整する。かかる制御を行うことで直径が徐々に増大するテーパー部21aの形成が行われる。
テーパー部21aの形成が完了すると、制御装置15は、ヒータ12に制御信号を出力して半導体融液Mの温度を一定にするとともに、引上げ装置13に制御信号を出力して半導体単結晶20を回転させながら一定速度で引き上げる。これにより、テーパー部21aに連続して直径がほぼ一定(15〜50mm程度)のサンプル単結晶本体部21bを形成する。尚、サンプル単結晶本体部21bの長さは数百mm程度である。
サンプル単結晶本体部21bの形成が完了すると、制御装置15が引上げ部13に制御信号を出力して半導体単結晶20の引き上げ速度を調整してテーパー部21cの形成を開始する。このときの半導体単結晶20の引き上げ速度を低速にして直径方向の成長を遅くする。尚、このときも引き上げ速度を無制限に低速にするとサンプル単結晶を形成するのに長時間を要するため、ネック部24を形成する際の半導体単結晶20の最高引き上げ速度Vmaxの二分の一程度に設定することが望ましい。このときの引き上げ速度は、最高引き上げ速度Vmaxが6[mm/min]である場合には、3[mm/min]程度に設定される。
このテーパー部21cを形成するときは、テーパー部21aを形成するときと同様に、引上げ装置15に設けられるセンサの半導体単結晶20の引き上げ位置の検出結果に基づいて、制御装置15がヒータ12の制御を行って融液Mの温度を調整する。かかる制御を行うことで、半導体融液Mからテーパー部21cが離れることなく直径が徐々に減少するテーパー部21cの形成が行われる。
テーパー部21cの形成が完了すると、制御装置15は、ヒータ12に制御信号を出力して半導体融液Mの温度を一定にするとともに、引上げ装置13に制御信号を出力して半導体単結晶20を回転させながら一定速度で引き上げる。これにより、テーパー部21cに連続して直径がほぼ一定のサンプル単結晶終端部21dが形成される。尚、サンプル単結晶種端部21dの直径は、種結晶23の直径と同一であっても良く異なっていても良い。
サンプル終端部21dを形成すると、無転位単結晶を得るために半導体単結晶の直径を数mm〜十数mm程度に絞ってネック部25を形成する。このネック部25もネック部25と同様に、制御装置15がカメラ14から出力される撮像信号から半導体単結晶20の直径を求め、引上げ装置13に制御信号を出力して半導体単結晶20の引き上げ速度を調整する事により行う。ネック部25を形成した後で、制御装置15は引上げ部13に制御信号を出力して半導体単結晶20の引き上げ速度を調整して製品単結晶22のショルダー部を形成する。以上の工程を経てサンプル単結晶21と製品単結晶22とが形成された半導体単結晶20が製造される。
尚、上記の工程ではサンプル単結晶終端部21dを形成した後でネック部25及び製品単結晶22を連続して形成していた。しかしながら、サンプル単結晶終端部21dを形成した後で半導体単結晶20を引き上げて融液M表面からサンプル単結晶終端部21dを一度引き離すようにしても良い。製品単結晶22は、サンプル単結晶終端部21dを種結晶にしてサンプル単結晶終端部21dの下端を融液M表面に接触させてメルトバックした後で上方への引き上げを開始することで形成する。ここでのメルトバック完了位置は、図1中の符号MB2で指し示した位置である。
以上説明した単結晶引上げ方法を用いて半導体単結晶20が製造されると、サンプル単結晶21と製品単結晶22とに分離される。分離されたサンプル単結晶21はスライスされて抵抗率の測定が行われ、分離された製品単結晶22はスライスされずにそのまま(as−grown単結晶形状のまま)製品として出荷される。サンプル単結晶21の抵抗率の測定値はサンプル単結晶21に連続して形成された製品単結晶22の抵抗率として用いられる。従って、製品単結晶22をスライスすることなく、その抵抗率を測定することができる。
本出願の発明者は、上述した単結晶引上げ方法を用いてサンプル単結晶21及び製品単結晶22が形成された半導体単結晶20の製造を行った。図2は、本発明の単結晶引上げ方法を用いて製造された半導体単結晶に形成されたサンプル単結晶の形状を示す図表である。図2に示す通り、サンプル単結晶本体部21bの直径が35[mm]、テーパー部21aの長さが80[mm]、サンプル単結晶本体部21bの長さが200[mm]、テーパー部21aの長さが80[mm]となるように半導体単結晶20の製造を3回に亘って行い、製造された各々の測定結果を図中に示している。尚、テーパー部21a形成時の温度変化幅は−30ビット、テーパー部21c形成時の温度変化幅は35ビットにそれぞれ設定している。ここで、1ビットの温度変化率は、約0.1℃である。
図2を参照すると、製造されたサンプル単結晶本体部21bの直径誤差は目標とする直径35[mm]に対して±0.5[mm]の範囲であり、テーパー部21aの長さ誤差は−2〜+1[mm]の範囲であり、サンプル単結晶本体部21bの長さ誤差は0〜+2[mm]であり、テーパー部21cの長さ誤差は−6〜+2[mm]の範囲である。従って、サンプル単結晶21は、ほぼ設定値(目標値)通りに形成されていることが分かる。
半導体単結晶20の製造に要した時間は、引き上げ速度を制限しない場合には4時間30分程度であった。テーパー部21a,21cを形成するときの引き上げ速度を共に、ネック部24を形成する時の最高引き上げ速度Vmaxの二分の一に制限すると3時間程度になり、最高引き上げ速度Vmaxの三分の一に制限すると2時間30分程度に短縮される。また、テーパー部21aを形成する時の引き上げ速度を最高引き上げ速度Vmaxの二分の一に設定するとともにテーパー部21cを形成する時の引き上げ速度を最高引き上げ速度Vmaxの三分の一に設定すると、半導体単結晶20の製造に要する時間は更に2時間程度に短縮される。
図3は、本発明の単結晶引上げ方法を用いて製造された半導体単結晶に形成されたサンプル単結晶の抵抗率を示す図表である。図3に示す通り、サンプル単結晶21の抵抗率が80±2.4[Ω・cm]となるように半導体単結晶20の製造を3回に亘って行っている。図3を参照すると、製造された各サンプル単結晶21の抵抗率は79.8〜81.0[Ω・cm]となっており、その誤差は±2.4[Ω・cm]の範囲内であるため、サンプル単結晶21は、抵抗率がほぼ設定値(目標値)通りに形成されていることが分かる。
図4は、製品単結晶22の長さ方向における抵抗率の予測例を示す図である。製品単結晶22の抵抗率は、製品単結晶22を引き上げる際の不純物(ドーパント)等の投入量により変化する。従って、製品単結晶22の長さ方向における抵抗率は、ドーパント投入前の抵抗率と、引き上げ量に対するドーパントの投入量とによってある程度の確度をもって予測することができる。ドーパントの投入によって長さ方向の抵抗率を図4に示す通り変化させる場合には、ドーパント投入前の抵抗率、即ち製品単結晶22の最上部における抵抗率を得ることができれば製品単結晶22の長さ方向における抵抗率が求められる。本発明では、サンプル単結晶21を形成することで製品単結晶22の最上部の抵抗率を求めているため、サンプル単結晶21の抵抗率を測定することで、図4に示す製品単結晶22の長さ方向における抵抗率を求めることができる。
11 坩堝
14 カメラ(撮像装置)
20 半導体結晶
21 サンプル単結晶
21a テーパー部(第1テーパー部)
21c テーパー部(第2テーパー部)
21d サンプル単結晶終端部(種結晶)
22 製品単結晶
24 ネック部
M 半導体融液
14 カメラ(撮像装置)
20 半導体結晶
21 サンプル単結晶
21a テーパー部(第1テーパー部)
21c テーパー部(第2テーパー部)
21d サンプル単結晶終端部(種結晶)
22 製品単結晶
24 ネック部
M 半導体融液
Claims (7)
- 坩堝に収容された半導体原料を加熱して半導体融液とし、当該半導体融液から半導体単結晶を引き上げながら成長させる単結晶引上げ方法において、
抵抗率測定用のサンプル単結晶を引き上げる第1工程と、
前記サンプル単結晶に連続して製品となる製品単結晶を引き上げる第2工程と
を含むことを特徴とする単結晶引上げ方法。 - 前記第1工程は、前記サンプル単結晶の直径を徐々に増大させて第1テーパー部を形成する工程と、
前記前記サンプル単結晶の直径を徐々に減少させて第2テーパー部を形成する工程と
を含むことを特徴とする請求項1記載の単結晶引上げ方法。 - 前記第1工程は、前記半導体融液と前記半導体単結晶との境界部分を撮像する撮像装置からの撮像信号に基づいて前記半導体単結晶の引き上げ速度を制御するとともに、前記半導体単結晶の引き上げ長さに基づいて前記半導体原料の加熱量を制御して前記第1テーパー部及び前記第2テーパー部を形成することを特徴とする請求項2記載の単結晶引上げ方法。
- 前記第1工程の前に、前記半導体単結晶の直径を所定の径に絞ってネック部を形成する工程を含み、
前記第1工程は、前記ネック部形成時の最高速度の二分の一の速度で前記半導体単結晶を引き上げながら前記第1テーパー部を形成し、
前記ネック部形成時の最高速度の三分の一の速度で前記半導体単結晶を引き上げながら前記第2テーパー部を形成する
ことを特徴とする請求項3記載の単結晶引上げ方法。 - 前記第2テーパー形成後に、前記製品単結晶に対する種結晶を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の単結晶引上げ方法。
- 前記第1工程は、前記サンプル単結晶の直径を15mm以上50mm以下に形成する工程であり、
前記第2工程は、前記製品単結晶を300mm以上400mm以下に形成する工程である
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の単結晶引上げ方法。 - 請求項1から請求項6の何れか一項に記載の単結晶引上げ方法により製造され、
抵抗率測定用のサンプル単結晶と製品となる製品単結晶とが連続して形成されてなることを特徴とする半導体単結晶。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004142309A JP2005324970A (ja) | 2004-05-12 | 2004-05-12 | 単結晶引上げ方法及び半導体単結晶 |
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JP2005324970A true JP2005324970A (ja) | 2005-11-24 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005324970A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200086018A (ko) * | 2019-01-08 | 2020-07-16 | 에스케이실트론 주식회사 | 단결정 잉곳 성장 장치 및 단결정 잉곳 성장 방법 |
-
2004
- 2004-05-12 JP JP2004142309A patent/JP2005324970A/ja not_active Withdrawn
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KR102147459B1 (ko) | 2019-01-08 | 2020-08-24 | 에스케이실트론 주식회사 | 단결정 잉곳 성장 장치 및 단결정 잉곳 성장 방법 |
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