JP2005324479A - 熱転写受容シート - Google Patents
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Abstract
【課題】染料熱転写プリンターに適し、支持体の厚さムラに起因する印画白抜け、印画ムラがなく、高価な合成紙や発泡フィルムを使用すること無く、合成紙や発泡フィルムを用いた場合と同等の印画濃度を有した熱転写受容シートを提供する。
【解決手段】 原紙からなるシート状支持体と、前記シート状支持体の少なくとも片面上に重合体材料により形成され、中空粒子を含有する低密度層、および画像受容層が順次形成された熱転写受容シートにおいて、前記シート状支持体表面の、波長1〜12.5mmにおけるパワースペクトルの積分値(PY値)が、150mV以下であることを特徴とする熱転写受容シート。
【選択図】なし
【解決手段】 原紙からなるシート状支持体と、前記シート状支持体の少なくとも片面上に重合体材料により形成され、中空粒子を含有する低密度層、および画像受容層が順次形成された熱転写受容シートにおいて、前記シート状支持体表面の、波長1〜12.5mmにおけるパワースペクトルの積分値(PY値)が、150mV以下であることを特徴とする熱転写受容シート。
【選択図】なし
Description
本発明は、インクリボンと重ね合わせ、サーマルヘッドをデバイスとして、インクリボンの色剤を熱転写することにより画像を形成するプリンターに使用する熱転写受容シートに関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、サーマルプリンター、特に染料熱転写プリンターに適し、低コストであり、銀塩写真類似の高濃度で、均一性の優れた画像が得られる、中空粒子を含有する低密度層を有する熱転写受容シート(以下、単に受容シートとも称する)に関するものである。
近年サーマルプリンターとして、特に鮮明なフルカラー画像がプリント可能な染料熱転写プリンターが注目されている。染料熱転写プリンターは、インクリボンの染料を含む染料層と、受容シートの染料染着性樹脂を含む画像受容層(以下、単に受容層とも称する)とを重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供給される熱により、染料層の所要箇所の染料を所定濃度だけ受容層上に転写して画像を形成するものである。インクリボンは、イエロー、マゼンタおよびシアンの3色、あるいはこれにブラックを加えた4色の染料層からなる。フルカラー画像は、インクリボンの各色の染料を受容シートに順に繰り返し転写することによって得られる。このような染料熱転写方式のプリンターでは、受容シートが枚葉の状態で供給されるのが一般的である。
近年、サーマルプリンターにおいて、コンピューターによるデジタル画像処理技術の発達にともない、得られる画像は格段に向上し、熱転写方式はその市場を拡大している。サーマルヘッド技術の向上と温度制御技術の発達にともない、プリントシステムの高速、高感度化への要求が高まっている。その為サーマルヘッド等の加熱デバイスの発熱量を効率よく画像形成に利用するかが重要な技術課題となっている。またプリンターの低価格化、構造の簡略化の為、印画時のサーマルヘッドの圧力を低下させたり、更にヘッド寿命の延長化なども技術課題となっている。現在A6サイズ1枚を30秒以下で印画可能なプリンターも発売されており、今後も印画の高速化への要求が高まることが予想される。
高画質、高濃度の画像を効率良く受容シート上に形成するためには、支持体上に染料染着性樹脂を主成分とする受容層が設けられるが、受容シートの支持体基材として、フィルムを使用すると平滑性に優れるものの、サーマルヘッドからの熱が基材に散逸し、感度不足を生じ、またフィルムにクッション性のないことからインクリボンと受容シートとの密着性が十分ではなく、濃度ムラが発生する欠点がある。
この問題を解決する為に支持体として、プラスチックフィルムを紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体(例えば特許文献1参照)、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分とし、ボイド(空隙)構造を含む2軸延伸フィルム(合成紙)を、紙類等の芯材層と貼り合せた支持体が提案されている(例えば特許文献2参照)。しかしこれらの支持体を使用した受容シートは断熱性、平滑性に優れるが、紙の様な質感が無いことやコスト高になる等の欠点がある。
この問題を解決する為に支持体として、プラスチックフィルムを紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体(例えば特許文献1参照)、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分とし、ボイド(空隙)構造を含む2軸延伸フィルム(合成紙)を、紙類等の芯材層と貼り合せた支持体が提案されている(例えば特許文献2参照)。しかしこれらの支持体を使用した受容シートは断熱性、平滑性に優れるが、紙の様な質感が無いことやコスト高になる等の欠点がある。
また受容シートの支持体基材として紙類を使用すると、フィルム同様の感度不足、フィルムよりクッション性は若干よいものの、紙の繊維の疎密ムラに起因するインクリボンと受容層の密着ムラによって印画の濃淡ムラが発生する欠点がある。このような問題を解決する為に、紙類等のシート状支持体と受容層の間に中空粒子を含有する中間層を設けることにより、断熱効果が生じて転写濃度の改善に効果があることが記載されている(例えば特許文献3、4参照)。しかしながら、紙類は湿度による剛性変化があり、低湿条件の下では剛性があがるため紙の厚さムラに起因する印画時の濃淡ムラが発生しやすく、低密度層を設けたのみでは改善できていない。これは低密度層が第1色目を印画した際に印画時の熱と圧力により不可逆的に厚さが薄くなることによりさらに助長される。前記現象は、合成紙や発泡フィルムと紙類を貼りあわせた支持体においても発生する場合がある。
さらに、前記支持体基材として、サルファイトパルプを用いることにより、クッション性と断熱性を付与し、印画時の白抜け及び濃度ムラがない熱転写受容シートが提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、サルファイトパルプは、強度が低く、紙の厚さムラをより改善する効果は認められず、特に低湿条件下の厚さムラに起因する印画ムラは解消されない。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、従来の染料熱転写受容シートが有する前述の問題点を解消し、特に染料熱転写プリンターに適し、中空粒子を含有する低密度層を設けた熱転写受容シートにおいて、高価な合成紙や発泡フィルムを使用すること無く、支持体に起因する印画ムラのない、低コスト、高画質の熱転写受容シートを提供しようとするものである。
(1)原紙からなるシート状支持体と、前記シート状支持体の少なくとも片面上に、中空粒子を含有する低密度層、および画像受容層が順次形成された熱転写受容シートにおいて、前記シート状支持体表面の、波長1〜12.5mmにおけるパワースペクトルの積分値(PY値)が、150mV以下であることを特徴とする熱転写受容シート。
(2)前記低密度層と画像受容層の間に、さらにバリア層が形成された前項(1)に記載の熱転写受容シート。
(2)前記低密度層と画像受容層の間に、さらにバリア層が形成された前項(1)に記載の熱転写受容シート。
本発明に係る熱転写受容シートは、シート支持体の厚さムラに起因にする印画ムラの発生がないものであり、実用上極めて有用なものである。
本発明に係わるPY値は、フィルム厚さ計を用いて、シート状支持体の厚さムラを連続的に測定し、得られた測定信号値は、周波数解析機を用いて解析する事により得られる。この場合、PY値は電圧(Vrms)値として表され、数値の小さいほうが熱転写受容シートの厚さムラ(うねり)が小さく、均一で良好な表面平滑性を有することを意味する。
本発明において、PY値は150mV以下であることが好ましく、より好ましくは100mV以下である。PY値が、150mVを超えると厚さムラによる印画白抜け、印画ムラが生じることがある。
本発明に規定されたPY値を有するシート状支持体としての原紙を得るには、例えばパルプスラリーにカチオン性化合物、カチオン化澱粉を添加した後、弱酸性から弱アルカリ性のpH領域で効果を有するサイズ剤を添加し、最後にアニオン性化合物を添加して製造することが有効である。
また、前記カチオン化澱粉の粘度が、濃度5%及び温度30℃において1000mPa・s以下であることが好ましい。
また、前記カチオン化澱粉の粘度が、濃度5%及び温度30℃において1000mPa・s以下であることが好ましい。
本発明において使用されるパルプとしては、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプといった天然パルプと合成パルプ、および天然パルプと合成パルプとの混合パルプを用いることができる。
本発明において、使用されるカチオン性化合物としては、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン−エピクロルヒドリン縮合物、アミノポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、ポリビニルピリジン、スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、カチオン性ポリウレタン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ジメチルアミンエピクロルヒドリン樹脂等が使用される。
本発明において使用されるカチオン化澱粉としては、澱粉をエチルイミンで反応させて得られたもの、澱粉とポリアルキレンポリアミンを反応させて得られたもの、アルカリ性で澱粉と2−ジメチルアミノエチルクロライドのようなハロゲン化アミンとを反応させて得られたもの、アルカリ性で澱粉と2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドのような4級アンモニウムとを反応させて得られるものが上げられる。
本発明において、原紙中のカチオン化澱粉の含有量は、パルプ絶乾質量に対して0.1〜0.5%の範囲にあることが好ましい。
本発明において使用されるサイズ剤は、PH5〜9の弱酸性ないしは弱アルカリ性のPH領域の抄紙系で効果を有するサイズ剤である。このようなサイズ剤として、高級有機ケテン2量体、置換環状ジカルボン酸無水物、エポキシ化高級脂肪酸アミド等からなるサイズ剤、あるいはアミド基含有カチオン性サイズ剤等が上げられる。これらを単独または数種類のものを組み合わせて使用することができる。
本発明においては、原紙中のサイズ剤添加量は、パルプ絶乾重量に対して、0.1〜2.0%の範囲にあることが好ましい。
本発明において使用されるアニオン性化合物としては、アクリルアミド単独重合体またはアクリルアミドと共重合可能なビニルモノマーとアクリルアミドとの共重合体の部分加水分解物、あるいはマレイン酸、アクリル酸またはそれらの塩とアクリルアミドとの共重合体等の一般に使用されているアニオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤である。
本発明に係る原紙には、前記カチオン化澱粉、およびサイズ剤のほかに必要に応じてポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンのような湿潤紙力増強剤や、ポリアクリルアミドのような乾燥紙力増強剤や、カブリ防止剤、顔料、染料、および歩留まり向上剤等の通常抄紙で用いられる添加剤を含有させても良い。
さらに、必要に応じて澱粉、ポリビニルアルコール、ゼラチン等による表面処理、およびボウ硝、塩化ナトリウム、塩化アルミニウム等による帯電防止処理を原紙上に施すことも可能である。
本発明に係る熱転写受容シートの層構成としては、シート状支持体、低密度層、画像受容層を有し、必要に応じて低密度層と画像受容層との間にバリア層等が形成される。以下これらの層について詳細に説明する。
(低密度層)
本発明においては、支持体としてのセルロースパルプを主成分とする紙基材上の少なくとも片面に低密度層を形成する。
低密度層は主成分として、バインダー樹脂と中空粒子とからなり、この低密度層は多孔質構造を有し、クッション性が高いため、基材として紙を使用した場合にも高感度の熱転写受容シートが得られる。
低密度層における中空粒子の分散分布は、受容シートに適度の変形自由度を与え、プリンターヘッド形状及びインクリボン形状に対する受容シートの追従性及び密着性が向上するので、低エネルギー状態でも画像受容層に対するプリンターヘッドの熱効率が向上し、かつ印画される画像の印画濃度を高め、画質を改善することができる。また高速プリンターの高エネルギー印加操作において、インクリボンに発生するリボンしわに起因する印画不良も同時に防止することができる。
低密度層に中空粒子を分散分布させる事により、受容シートの断熱性が向上し、それにより受容層に対するサーマルヘッドの熱効率が向上するので印画濃度が上昇し画質も改善される。
また受容シートがプリンターのサーマルヘッド及び搬送ロールによる高い圧力を受けても、受容シート内部でこの応力を吸収することが可能となる為、受容シートの搬送ロールによる印画面のスパイク痕や凹みの形成に対する抵抗性が改善される。
本発明においては、支持体としてのセルロースパルプを主成分とする紙基材上の少なくとも片面に低密度層を形成する。
低密度層は主成分として、バインダー樹脂と中空粒子とからなり、この低密度層は多孔質構造を有し、クッション性が高いため、基材として紙を使用した場合にも高感度の熱転写受容シートが得られる。
低密度層における中空粒子の分散分布は、受容シートに適度の変形自由度を与え、プリンターヘッド形状及びインクリボン形状に対する受容シートの追従性及び密着性が向上するので、低エネルギー状態でも画像受容層に対するプリンターヘッドの熱効率が向上し、かつ印画される画像の印画濃度を高め、画質を改善することができる。また高速プリンターの高エネルギー印加操作において、インクリボンに発生するリボンしわに起因する印画不良も同時に防止することができる。
低密度層に中空粒子を分散分布させる事により、受容シートの断熱性が向上し、それにより受容層に対するサーマルヘッドの熱効率が向上するので印画濃度が上昇し画質も改善される。
また受容シートがプリンターのサーマルヘッド及び搬送ロールによる高い圧力を受けても、受容シート内部でこの応力を吸収することが可能となる為、受容シートの搬送ロールによる印画面のスパイク痕や凹みの形成に対する抵抗性が改善される。
本発明の低密度層において使用される中空粒子は、重合体材料により形成されたシェルと、それにより包囲されている1個以上の中空部とからなるものであり、その粒子の最大粒子径は25μm以下であり、より好ましくは20μm以下である。また中空粒子の平均粒子径は0.5〜10μmであり、より好ましくは0.8〜8μmである。
中空粒子の製造方法については格別の制限はないが、下記のようにして製造されたものの中から選ぶことができる。(イ)熱膨張性物質を含む熱可塑性重合体材料を加熱発泡させて製造された発泡中空粒子。(ロ)重合体形成性材料をシェル形成性用材料として用い、かつ揮発性液体を気孔形成用材料として用いて、マイクロカプセル重合方法により製造されたマイクロカプセルから、前記気孔形成用材料を揮発逃散させて得られたマイクロカプセル状中空粒子。
中空粒子の製造方法については格別の制限はないが、下記のようにして製造されたものの中から選ぶことができる。(イ)熱膨張性物質を含む熱可塑性重合体材料を加熱発泡させて製造された発泡中空粒子。(ロ)重合体形成性材料をシェル形成性用材料として用い、かつ揮発性液体を気孔形成用材料として用いて、マイクロカプセル重合方法により製造されたマイクロカプセルから、前記気孔形成用材料を揮発逃散させて得られたマイクロカプセル状中空粒子。
中空粒子として熱膨張性物質を含有する熱可塑性物質からなる粒子を未発泡状態で使用し、受容シートの製造時の加熱工程あるいは乾燥工程での熱により発泡させて、発泡中空粒子を形成することも考えられる。しかし上記のように、受容シートの製造工程中の加熱により熱膨張性物質を含有する熱可塑性物質を発泡させると、均一な粒子径に発泡させることが難しく、熱膨張後の粒子径を厳密に管理できないため、低密度層の表面は凹凸の大きい表面となり平滑性も劣る。前記のような低密度層を有する受容シートは受容層表面の凹凸も大きくなる為、熱転写された画像の均一性が低下して画質が劣る欠点が生ずる。従って本発明においては予め熱膨張性物質を含有する熱可塑性物質からなる粒子を熱膨張させて製造された既発泡状態の中空粒子が好ましく用いられる。
熱膨張性物質含有熱可塑性物質を熱膨張させて製造された既発泡状態の中空粒子は、例えば熱膨張性芯物質として、n―ブタン、i−ブタン、ペンタン、及び/又はネオペンタンのような揮発性低沸点炭化水素を熱可塑性材料中に内包し、熱可塑性材料として塩化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル等の単独重合体或いは共重合体等をカプセルシェル(壁)材として用いて得られた粒子に予め加熱等の処理を施す事により、所定の粒子径に熱膨張させ、既発泡状態の中空粒子としたものである。
また上記のような熱膨張性物質含有熱可塑性物質を熱膨張させて製造された発泡中空粒子は、一般に比重が小さい為、その取扱い作業性及び分散性を更に向上させることを目的として、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン等の無機粉体を、熱融着により発泡中空粒子表面に付着させ、表面が無機粉体により被覆されている発泡複合中空粒子も本発明に使用できる。
本発明で使用する発泡中空粒子の最大粒子径は25μm以下が好ましく、より好ましくは20μm以下である。発泡中空粒子の最大粒子径が25μmを超えると、熱転写画像において、粗大粒子に起因する印画の濃淡ムラや白抜けが発生し、画質が劣り好ましくない。またその平均粒子径は0.5〜10μmが好ましく、0.8〜8μmであることがより好ましい。熱膨張性物質含有熱可塑性物質を熱膨張させて製造された発泡中空粒子は、前記のマイクロカプセル状中空粒子に比較してクッション性が高く、柔軟性に富むため平均粒子径が10μm以下であれば、本発明に使用可能である。発泡中空粒子の平均粒子径が0.5μm未満の場合には得られる中空粒子の体積中空率が低い為、断熱性、クッション性が概して低くなり、感度及び画質向上効果が乏しく好ましくない。また平均粒子径が10μmを超えると、得られる低密度層面の平滑性が低下し、受容シート表面の凹凸が過大となるため、熱転写画像の均一性が不十分で、画質が劣り好ましくない。
本発明に使用するマイクロカプセル状の中空粒子は、重合体材料、例えばスチレン−アクリル系共重合体あるいはメラミン樹脂等の硬い樹脂をシェル(殻)として、芯部に揮発性液体、例えば水を含有するマイクロカプセルを乾燥して、水を揮発逃散させて中空芯部を形成させたものである。このマイクロカプセルは、重合体形成性材料(シェル形成材料)、及び揮発性液体(気孔形成用材料)からマイクロカプセル形成重合法により得られる。
本発明で使用する中空粒子において、最大粒子径が25μmを超える粗大粒子を含まないようにする為には、一般的に正規分布の状態を示す中空粒子製造においては平均粒子径の設定値を調節することで対応することが可能である。また粒子の分級工程を設けることによって、確実に粗大粒子を含有しない中空粒子を得ることができる。
本発明において使用する中空粒子の体積中空率は75〜95%が好ましい。体積中空率が75%未満では、画質が低下するため好ましくない。また体積中空率が95%を超えると塗工層の強度が劣り、塗工乾燥時に中空粒子が破壊され表面平滑度の低下を招くことがある。
低密度層における中空粒子の配合量は、低密度層全固形分質量に対する中空粒子質量の比率で30〜75%の範囲であることが好ましく、35〜70%の範囲内であることがより好ましい。
低密度層全固形分質量に対する中空粒子の質量比率が30%未満では、低密度層の断熱性、クッション性が不十分で感度及び画質向上効果が十分に得られないことがある。また中空粒子の質量比率が75%を超えると、得られる低密度層用塗料の塗工性が悪化し、塗膜強度が悪化傾向にあり、所望の効果が得られないことがある。
低密度層全固形分質量に対する中空粒子の質量比率が30%未満では、低密度層の断熱性、クッション性が不十分で感度及び画質向上効果が十分に得られないことがある。また中空粒子の質量比率が75%を超えると、得られる低密度層用塗料の塗工性が悪化し、塗膜強度が悪化傾向にあり、所望の効果が得られないことがある。
低密度層が所望の断熱性、クッション性等の性能を発揮する為の低密度層の膜厚は20〜90μmが好ましく、更に好ましくは25〜85μmである。低密度層の膜厚が20μm未満では、断熱性やクッション性が不足し感度及び画質向上効果が不十分である。また膜厚が90μmを超えると、断熱性やクッション性の効果が飽和し、それ以上の性能が得られないばかりか、経済的にも不利となる。
本発明の低密度層は中空粒子と接着剤樹脂を含有する。本発明の低密度層用塗料は、中空粒子の耐溶剤性を考慮すると水性系塗料であることが好ましい。従って接着剤樹脂は水性、有機溶剤性の両者が使用可能であるが、水性系樹脂であることがより好ましい。使用される接着剤樹脂としては特に限定されず、例えばポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂及びその誘導体、カゼイン、デンプン誘導体等の親水性高分子樹脂が成膜性、耐熱性、可撓性の観点から好ましく使用される。また(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等の各種樹脂のエマルジョンが低粘度高固形分の水系樹脂として使用される。なお低密度層の塗膜強度、接着性、塗工性の面から低密度層に使用される接着剤樹脂は上記の親水性高分子樹脂と各種樹脂のエマルジョンを併用することが好ましい。
低密度層は必要に応じて、各種の添加剤、例えば帯電防止剤、無機顔料、有機顔料、樹脂の架橋剤、消泡剤、分散剤、有色染料、離型剤、滑剤等の1種或いは2種以上を適宜選択して使用しても良い。
低密度層を形成する際に、予め成型面上に低密度層用塗料を塗工、乾燥しシート状支持体に転写しても良く、この成形面として、金属板、金属ドラム、プラスチックフィルム等の寸法安定性が良好でかつ高平滑な面を有するものを用いても良い。また必要に応じて、前記成型面から低密度層を剥離することを容易にする為に、成型面にステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸系離型剤、ポリエチレンエマルジョン等のポリエチレン系離型剤、ワックス、シリコーン等の離型剤が塗工されていても良い。
本発明において、低密度層、画像受容層塗工後にカレンダー処理をすることが受容シート表面の凹凸を減少させ、平滑化するのに効果があり、特に低密度層塗工後にカレンダー処理を施すことがより好ましい。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置やニップ圧、ニップ数、金属ロールの表面温度等については、特に限定されるものではないが、カレンダー処理を施す好ましい圧力条件としては、例えば、0.5〜150mPa、好ましくは1〜100mPaである。温度条件としては、室温より高い温度で中空粒子が破壊されず、低密度層用接着剤樹脂のTg以上が好ましく、例えば20〜150℃、更に好ましくは30〜120℃である。カレンダー装置としては、例えばスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー等の一般に製紙業界で使用されているカレンダー装置を適宜使用できる。
(バリア層)
本発明においては、必要に応じて低密度層上にバリア層が設けられ、このバリア層上に画像受容層が設けられる。このバリア層は、画像受容層用塗料の溶媒が概してトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤であり、有機溶剤浸透による低密度層の中空粒子の膨潤、溶解による破壊を防ぐための障壁として有効である。また低密度層表面は低密度層の中空粒子に起因する凹凸がある為、その上に設ける画像受容層も表面に凹凸を有することがあり、得られる画像はこの凹凸により、白抜けや濃淡ムラが多く、画像均一性や解像力に問題の生ずることがある。この不具合を改善する為に、柔軟性、弾力性のあるバインダー樹脂を含有するバリア層を設けることは画像品質向上に有効である。
本発明においては、必要に応じて低密度層上にバリア層が設けられ、このバリア層上に画像受容層が設けられる。このバリア層は、画像受容層用塗料の溶媒が概してトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤であり、有機溶剤浸透による低密度層の中空粒子の膨潤、溶解による破壊を防ぐための障壁として有効である。また低密度層表面は低密度層の中空粒子に起因する凹凸がある為、その上に設ける画像受容層も表面に凹凸を有することがあり、得られる画像はこの凹凸により、白抜けや濃淡ムラが多く、画像均一性や解像力に問題の生ずることがある。この不具合を改善する為に、柔軟性、弾力性のあるバインダー樹脂を含有するバリア層を設けることは画像品質向上に有効である。
このバリア層に使用されるバインダー樹脂としては、フィルム形成能に優れ、有機溶剤の浸透を防止し、弾力性、柔軟性のある樹脂が使用される。具体的には、ポリビニルアルコール、澱粉、変成澱粉、カゼイン等の親水性高分子、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びその共重合体、或いはそれらを併用した樹脂から形成される。また前記の低密度層及びバリア層中には隠蔽性や白色性の付与、熱転写受容シートの質感を改良するために、無機顔料として、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、タルク、カオリン、珪藻土、サチンホワイト等の白色無機顔料や蛍光染料等を含有させても良い。
バリア層の固形分塗工量は0.5〜10g/m2の範囲が好ましく、更に好ましくは1〜8g/m2の範囲である。因みにバリア層固形分塗工量が0.5g/m2未満ではバリア層が低密度層表面を完全に覆うことができない場合があり、有機溶剤の浸透防止効果が不十分である場合がある。一方バリア層固形分塗工量が10g/m2を超えると、塗工効果が飽和し不経済であるばかりでなく、バリア層の厚さが過大となることによって低密度層の断熱効果やクッション性が十分に発揮されず画像濃度の低下を招くことがある。
(画像受容層)
本発明の熱転写受容シートにおいて、前記低密度層または前記バリア層上に画像受容層が設けられる。画像受容層それ自体は既知の染料熱転写受容層であっても良い。画像受容層を形成する樹脂としては、インクリボンから移行する染料に対する親和性が高く、従って染料染着性の良い樹脂が使用される。このような染料染着性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は使用する架橋剤に対して反応性を有する官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基)を有していることが好ましい。
本発明の熱転写受容シートにおいて、前記低密度層または前記バリア層上に画像受容層が設けられる。画像受容層それ自体は既知の染料熱転写受容層であっても良い。画像受容層を形成する樹脂としては、インクリボンから移行する染料に対する親和性が高く、従って染料染着性の良い樹脂が使用される。このような染料染着性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は使用する架橋剤に対して反応性を有する官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基)を有していることが好ましい。
またプリントの際にサーマルヘッドでの加熱によって、画像受容層とインクリボンとが融着することを防止する為に、画像受容層中に、架橋剤、離型剤、滑剤等の1種以上が添加剤として配合されていることが好ましい。
また必要に応じて、上記の画像受容層中に蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、顔料、充填剤、紫外線吸収剤等、帯電防止剤等の1種以上を添加しても良い。これらの添加剤は塗工前に画像受容層の形成成分と混合されても良いし、また画像受容層とは別の塗被層として画像受容層の上及び/又は下に塗工されていても良い。
また必要に応じて、上記の画像受容層中に蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、顔料、充填剤、紫外線吸収剤等、帯電防止剤等の1種以上を添加しても良い。これらの添加剤は塗工前に画像受容層の形成成分と混合されても良いし、また画像受容層とは別の塗被層として画像受容層の上及び/又は下に塗工されていても良い。
画像受容層の固形分塗工量は1〜12g/m2、より好ましくは3〜10g/m2の範囲である。因みに画像受容層の固形分塗工量が1g/m2未満では、画像受容層がバリア層表面を完全に覆うことができない場合があり、画質の低下を招いたり、サーマルヘッドの加熱により、画像受容層とインクリボンとが接着してしまう融着トラブルが発生することがある。一方、固形分塗工量が12g/m2を超えると、塗工効果が飽和し不経済であるばかりでなく、画像受容層の塗膜強度が不足したり、塗膜厚さが過大になることにより、シート状支持体の断熱効果が十分に発揮されず画像濃度の低下を招くことがある。
(裏面層)
本発明の受容シートはシート状支持体の裏面(画像受容層が設けられる側とは反対側の面)に裏面層が設けても良い。裏面層は接着剤として有効な樹脂を主成分とし、架橋剤、導電剤、融着防止剤、無機及び/又は有機顔料等を含んでいても良い。
本発明の受容シートはシート状支持体の裏面(画像受容層が設けられる側とは反対側の面)に裏面層が設けても良い。裏面層は接着剤として有効な樹脂を主成分とし、架橋剤、導電剤、融着防止剤、無機及び/又は有機顔料等を含んでいても良い。
本発明の裏面層には、必要に応じて接着剤として有効な裏面層形成用樹脂が用いられる。この樹脂は裏面層と支持体との接着強度向上、受容シートのプリント搬送性、画像受容層面の傷付き防止、画像受容層面と接触する裏面層への染料の移行防止に有効なものである。このような樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等、及びこれらの樹脂の反応硬化物を用いることができる。
本発明の裏面層には、シート状支持体と裏面層との接着性を向上させるため、適宜ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物等の架橋剤を裏面層塗料中へ配合しても良い。配合比率としては一般に裏面層全固形分に対して1〜30質量%程度が好ましい。
本発明の裏面層には、プリント搬送性の向上、静電気防止の為に導電性高分子や導電性無機顔料等の導電剤が添加されていても良い。導電性高分子としてはカチオン型、アニオン型、ノニオン型の導電性高分子化合物があり、カチオン型高分子化合物としては、例えばポリエチレンイミン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチオン変性アクリルアミド重合体、及びカチオン澱粉等が挙げられる。またアニオン型高分子化合物としてはポリアクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、スチレンマレイン酸共重合体等が挙げられる。導電剤の配合比率は一般に裏面層の全固形分に対して5〜50質量%程度が好ましい。また導電性無機顔料としては、酸化物及び/又は硫化物などの化合物半導体顔料および前記化合物半導体顔料を被覆した無機顔料等が挙げられる。化合物半導体としては酸化銅(1)、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭化珪素などが例示される。また化合物半導体を被覆した無機顔料としては、半導体酸化錫を被覆した酸化チタン及びチタン酸カリウム等があり、形状として針状、球状の導電性無機顔料が市販されている。
本発明の裏面層には必要に応じて、有機または無機フィラーを摩擦係数調整剤として配合することができる。有機フィラーとしては、ナイロンフィラー、セルロースフィラー、尿素樹脂フィラー、スチレン樹脂フィラー、アクリル樹脂フィラー等を使用することができる。無機フィラーとしては、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等を用いることができる。例えばナイロンフィラーの場合、平均粒子径は1〜15μm程度が好ましく、その配合量は粒子径にもよるが裏面層全固形分に対して2〜30質量%程度が好ましい。
裏面層には必要に応じて、滑剤、離型剤等の融着防止剤含有することも可能である。例えば、融着防止剤としては、非変性及び変性シリコーンオイル、シリコーンブロック共重合体及びシリコーンゴム等のシリコーン系化合物、リン酸エステル化合物、脂肪酸エステル化合物、フッ素化合物等が挙げられる。また従来公知の消泡剤、分散剤、有色顔料、蛍光染料、蛍光顔料、紫外線吸収剤等を適宜選択して使用しても良い。
裏面層の固形分塗工量は0.3〜10g/m2の範囲内にあることが望ましい。更に好ましくは1〜8g/m2である。裏面層固形分塗工量が0.3g/m2未満であると、受容シートが擦れた時の傷付き防止性が十分に発揮されず、また塗工欠陥が発生し表面電気抵抗値が上がる場合がある。一方、固形分塗工量が10g/m2を越えると、効果が飽和し不経済である。
本発明の低密度層、受容層、裏面層、およびその他の層は、それぞれ所要成分を含む塗工液を、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、リップコータ−等の公知のコーターを使用して、前記のシート状支持体上に塗工し、乾燥後、必要に応じて加熱キュアーして形成することができる。
下記実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、特に断らない限り「%」及び「部」はすべて「質量%」及び「質量部」を示す。
実施例1
実施例1
(1)原紙の製造
水温20℃でカナディアン・スタンダード・フリーネス300CCに叩解した晒広葉樹クラフトパルプ100部に対して、0.4部のポリアクリアミド(商品名:ポリストロン117、荒川化学社製)、1.0部の重曹、1.2部のカチオン化デンプン(商品名:Cato−2、日本エヌエスシー社製)、1.0部のアルキルケテンダイマー系サイズ剤(商品名:SPK903 荒川化学社製)、および0.3部のポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(商品名:WS−525、日本PMC社製)を表1に示す順に添加し、得られたパルプスラリーから、坪量150g/m2の原紙を製造した。
水温20℃でカナディアン・スタンダード・フリーネス300CCに叩解した晒広葉樹クラフトパルプ100部に対して、0.4部のポリアクリアミド(商品名:ポリストロン117、荒川化学社製)、1.0部の重曹、1.2部のカチオン化デンプン(商品名:Cato−2、日本エヌエスシー社製)、1.0部のアルキルケテンダイマー系サイズ剤(商品名:SPK903 荒川化学社製)、および0.3部のポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(商品名:WS−525、日本PMC社製)を表1に示す順に添加し、得られたパルプスラリーから、坪量150g/m2の原紙を製造した。
(2)シート状支持体の形成
この紙をさらにサイズプレスとして、カルボキシル基変性PVAと塩化ナトリウムとを重量比2:1で水に溶解して調製された5%サイズ液を塗布量が1.5g/m2(乾燥後)になるように塗布した後、乾燥し、シート状支持体を得た。
この紙をさらにサイズプレスとして、カルボキシル基変性PVAと塩化ナトリウムとを重量比2:1で水に溶解して調製された5%サイズ液を塗布量が1.5g/m2(乾燥後)になるように塗布した後、乾燥し、シート状支持体を得た。
(3)評価
上記シート状支持体について、下記PY値の評価を行い、得られた結果を表1に示す。
上記シート状支持体について、下記PY値の評価を行い、得られた結果を表1に示す。
PY値
サンプルを30cm(MD方向)×5cm(CD方向)に採取し、フィルム厚さ計(アンリツ製)でサンプルの厚さムラを測定し、得られた測定信号を周波数解析機(小野測器製)で解析した。フィルム厚さ計と測定条件は下記の通りである。フィルム送り装置(アンリツ製):サンプル送りスピード25mm/secにセットボール直径5mmの金属ボール加圧36g/チップ、 マイクロメーターK−306C(アンリツ製):感度レンジ±50μm、レコーダーK−310B(アンリツ製):感度レンジ0.5V/cm、また、周波数解析装置と解析条件は次の通りである。周波数解析機:CF−940、入力信号 DC5、1K(1,024点)/dual
サンプルを30cm(MD方向)×5cm(CD方向)に採取し、フィルム厚さ計(アンリツ製)でサンプルの厚さムラを測定し、得られた測定信号を周波数解析機(小野測器製)で解析した。フィルム厚さ計と測定条件は下記の通りである。フィルム送り装置(アンリツ製):サンプル送りスピード25mm/secにセットボール直径5mmの金属ボール加圧36g/チップ、 マイクロメーターK−306C(アンリツ製):感度レンジ±50μm、レコーダーK−310B(アンリツ製):感度レンジ0.5V/cm、また、周波数解析装置と解析条件は次の通りである。周波数解析機:CF−940、入力信号 DC5、1K(1,024点)/dual
前記測定条件により得られる、波長1〜12.5mmにおけるパワースペクトルの積分値を測定した。
次いで、上記シート状支持体に、下記のようにして裏面層、低密度層、バリア層および受容層を順次形成して受容シートを作成した。
(4)裏面層の形成
シート状支持体の片面に、下記組成の裏面層用塗工液−1を乾燥後の膜厚が3g/m2になるように塗工乾燥して裏面層を形成した。
裏面層用塗工液−1
ポリビニルアセタール樹脂(商標:エスレックKX−1、積水化学工業製)40部
ポリアクリル酸エステル樹脂(商標:ジュリマーAT613、日本純薬製)20部
ナイロン樹脂粒子(商標:MW330、シントーファイン製) 10部
ステアリン酸亜鉛(商標:Z−7−30、中京油脂製) 10部
カチオン型導電性樹脂(商標:ケミスタット9800、三洋化成製) 20部
水/イソプロピルアルコール=2/3(質量比)混合液 400部
シート状支持体の片面に、下記組成の裏面層用塗工液−1を乾燥後の膜厚が3g/m2になるように塗工乾燥して裏面層を形成した。
裏面層用塗工液−1
ポリビニルアセタール樹脂(商標:エスレックKX−1、積水化学工業製)40部
ポリアクリル酸エステル樹脂(商標:ジュリマーAT613、日本純薬製)20部
ナイロン樹脂粒子(商標:MW330、シントーファイン製) 10部
ステアリン酸亜鉛(商標:Z−7−30、中京油脂製) 10部
カチオン型導電性樹脂(商標:ケミスタット9800、三洋化成製) 20部
水/イソプロピルアルコール=2/3(質量比)混合液 400部
(5)低密度層の形成
中空粒子分散液は下記組成にてカウレス分散機による分散を行い、中空粒子の粒度分布において10μm以上の中空粒子が5%以下である分散液を得た。
中空粒子分散液―1
ポリアクリロニトリル系発泡粒子 50部
アクリル酸ソーダ 0.1部
ポリビニルアルコール(商標:PVA205、クラレ製) 5部
水 200部
次にシート状支持体の裏面層を設けた側と反対側の面上に下記組成の低密度層用塗工液−1を乾燥後の膜厚が43μmになるように塗工乾燥して低密度層を形成した。
低密度層用塗工液−1
中空粒子分散物―1 250.1部
ポリビニルアルコール(商標:PVA205、クラレ製) 5部
スチレン−ブタジエンラテックス(商標:PT1004、旭化成製) 40部
中空粒子分散液は下記組成にてカウレス分散機による分散を行い、中空粒子の粒度分布において10μm以上の中空粒子が5%以下である分散液を得た。
中空粒子分散液―1
ポリアクリロニトリル系発泡粒子 50部
アクリル酸ソーダ 0.1部
ポリビニルアルコール(商標:PVA205、クラレ製) 5部
水 200部
次にシート状支持体の裏面層を設けた側と反対側の面上に下記組成の低密度層用塗工液−1を乾燥後の膜厚が43μmになるように塗工乾燥して低密度層を形成した。
低密度層用塗工液−1
中空粒子分散物―1 250.1部
ポリビニルアルコール(商標:PVA205、クラレ製) 5部
スチレン−ブタジエンラテックス(商標:PT1004、旭化成製) 40部
(6)熱転写受容シートの形成
更に上記低密度層上に下記組成のバリア層用塗工液−1を固形分塗工量が2g/m2になるように塗工乾燥してバリア層を形成し、更に上記バリア層上に下記組成の画像受容層用塗工液―1を固形分塗工量が5g/m2になるように塗工乾燥し、その後50℃で48時間キュアーして画像受容層を形成して熱転写受容シートを得た。
バリア層用塗工液−1
ポリビニルアルコール(商標:PVA420、クラレ製) 100部
水 1000部
画像受容層用塗工液−1
ポリエステル樹脂(商標:バイロン200、東洋紡製) 100部
シリコーンオイル(商標:KF393,信越化学工業製) 3部
ポリイソシアネート(商標:タケネートD−140N、武田薬品工業製) 5部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)混合液 400部
実施例2、3および比較例1〜4
更に上記低密度層上に下記組成のバリア層用塗工液−1を固形分塗工量が2g/m2になるように塗工乾燥してバリア層を形成し、更に上記バリア層上に下記組成の画像受容層用塗工液―1を固形分塗工量が5g/m2になるように塗工乾燥し、その後50℃で48時間キュアーして画像受容層を形成して熱転写受容シートを得た。
バリア層用塗工液−1
ポリビニルアルコール(商標:PVA420、クラレ製) 100部
水 1000部
画像受容層用塗工液−1
ポリエステル樹脂(商標:バイロン200、東洋紡製) 100部
シリコーンオイル(商標:KF393,信越化学工業製) 3部
ポリイソシアネート(商標:タケネートD−140N、武田薬品工業製) 5部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)混合液 400部
実施例2、3および比較例1〜4
原紙の製造において、表1に示す添加順以外は、実施例1と同様にして、実施例2、3および比較例1〜4の各々の受容シートを得た。
上記の各実施例及び比較例で得られた受容シートについて、それぞれ下記の方法により評価を行い、得られた結果を表1に示す。
〔印画濃度〕
上記の各実施例及び比較例で得られた受容シートについて,市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−DR100、ソニー社製)を用いて、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー、マゼンタ、シアン3色それぞれの昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクリボンを用いて、各色のインク層面を順次に、受容シート表面に接触させ、サーマルヘッドで段階的にコントロールされた加熱を施す事により、所定の画像を受容シートに熱転写させ、各色の中間調の単色及び色重ねの画像をプリントした。
上記の各実施例及び比較例で得られた受容シートについて,市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−DR100、ソニー社製)を用いて、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー、マゼンタ、シアン3色それぞれの昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクリボンを用いて、各色のインク層面を順次に、受容シート表面に接触させ、サーマルヘッドで段階的にコントロールされた加熱を施す事により、所定の画像を受容シートに熱転写させ、各色の中間調の単色及び色重ねの画像をプリントした。
得られた印画物の受容シート上に転写された印加エネルギー別の記録画像について、マクベス反射濃度計(商標;RD−914、Kollmorgen社製)を用いて、その反射濃度を測定した。印加エネルギーの低い方から16ステップ目に相当する高階調部の濃度を印画濃度として表1に表示した。
〔画像の均一性〕
上記印画物の画像の均一性として、受容シート上に転写された印加エネルギー別の記録画像について、光学濃度(黒)が0.3に相当する階調部分の印画白抜け、印画ムラの有無を目視にて評価した。
評価結果の極めて良好なものを◎、良好なものを○、実用上下限レベルを△、欠陥が著しく実用に値しないものを×と表示した。
上記印画物の画像の均一性として、受容シート上に転写された印加エネルギー別の記録画像について、光学濃度(黒)が0.3に相当する階調部分の印画白抜け、印画ムラの有無を目視にて評価した。
評価結果の極めて良好なものを◎、良好なものを○、実用上下限レベルを△、欠陥が著しく実用に値しないものを×と表示した。
本発明は染料熱転写プリンターに適し、中空粒子を含有する低密度層を有する受容シートにおいて、原紙表面の波長1〜12.5mmにおけるパワースペクトルの積分値(PY値)が、150mV以下となることで、高価な合成紙や発泡フィルムを使用すること無く、合成紙や発泡フィルムを用いた場合と同等の印画濃度を有し、印画白抜け、印画抜けがない熱転写受容シートを提供することが可能となり、実用的に優れたものである。
Claims (2)
- 原紙からなるシート状支持体と、前記シート状支持体の少なくとも片面上に、中空粒子を含有する低密度層、および画像受容層が順次形成された熱転写受容シートにおいて、前記シート状支持体表面の、波長1〜12.5mmにおけるパワースペクトルの積分値(PY値)が、150mV以下であることを特徴とする熱転写受容シート。
- 前記低密度層と画像受容層の間に、さらにバリア層が形成された請求項1に記載の熱転写受容シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004145929A JP2005324479A (ja) | 2004-05-17 | 2004-05-17 | 熱転写受容シート |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008216330A (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-18 | Lintec Corp | 防眩性ハードコートフィルム |
-
2004
- 2004-05-17 JP JP2004145929A patent/JP2005324479A/ja active Pending
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