以下、本発明に係る好適な一実施形態としてスイッチユニットを備えるスロットマシン(パチスロ機)とそのストップボタン用スイッチユニットを例に図面を参照して説明する。なお、図1はスロットマシン1の外観構造を表した斜視図、図2はスロットマシン1の外観構造を表した前面図、図3はスロットマシン1に設けられているスイッチユニット30の前側斜め方向から見た分解斜視図、図4はスイッチユニット30の後側斜め方向から見た分解斜視図、図5はスイッチユニット30の内部構造を表した分解断面図、図6はスイッチユニット30及びその周辺部を表した断面図、図7は回転操作摘み43cを操作した状態におけるスイッチユニット30及びその周辺部を表した断面図、図8は押圧部材16cを操作した状態におけるスイッチユニット30及びその周辺部を表した断面図である。
図1において、スロットマシン1は、箱状の筐体2と、当該筐体2と蝶番機構により開閉可能に取り付けられた前扉3とを備えている。
前扉3の遊技者に面する側は、視覚効果を高めてデザインされたいわゆる化粧板が形成されており、上部パネル部4と下部パネル部5に略区分けされる。上部パネル部4には、高輝度の発光ダイオード等を内部に備え光による演出を行う演出用照明部6と、スピーカを内部に備え演出効果音を発する演出用放音部7a、7bが左右にそれぞれ配設されている。また、各演出用放音部7a、7bの間には、透明な硬質プラスチック板等が嵌め込まれた略長方形の表示窓8が形成され、表示窓8を通して前扉3の裏面側に配置されている液晶表示ユニットの映像が目視される。
上部パネル部4のほぼ中央には、硬質プラスチックで形成されたパネル板が取り付けられている。パネル板の中央には略長方形の透明な表示窓9が形成されており、表示窓9を通して筐体2内に取り付けられている3個の円筒形状のリール10a、10b、10cが目視されるようになっている。
ここで、3個のリール10a、10b、10cはその回転軸方向に一列に並べて配置され、また、それぞれの外周面には複数種類の図柄が描かれている。遊技者は、表示窓9を通してそれぞれのリールに描かれた上下方向3個の図柄と、横方向に配列されたリール3列の図柄を目視することができる。そして、遊技者の操作に応じて各リール10a、10b、10cの回転及び停止の動作が行われ、これにより、表示されるリールの図柄の種類が変更されるようになっている。
また、上部パネル部4のパネル板には、ドットマトリクスLED又はランプ等で形成された遊技情報表示部11が配置されている。遊技情報表示部11は、例えば、入賞役等への内部当選の状態、スロットマシン1にクレジットされているメダル数、又は入賞によって獲得したメダル数など、現在の遊技状態に関する情報を表示する。
上部パネル部4の上側両隅部には、蛍光灯又は高輝度発光ダイオードを備える演出用照明部12a、12bが設けられている。
下部パネル部5には、遊技者側に向かいながら若干下方に傾斜した平面を有する操作卓が一体的に形成され、メダルを投入するための投入口を有するメダル投入部13と、押しボタンスイッチであるベットボタン14と、リール10a、10b、10cの回転動作を開始させるスタートレバー15と、回転しているリール10a、10b、10cをそれぞれ停止させるための押しボタンスイッチ操作部であるストップボタン用押圧部材6a、16b、16cが設けられている。
ストップボタン用押圧部材16a、16b、16c等の操作スイッチ類の操作による出力信号は、筐体2内の中継基板等を介して制御基板へ転送され、制御基板は、これらの出力信号に基づいて液晶表示ユニット、リール10a、10b、10c等の制御を行う。
すなわち、遊技者がベットボタン14を押圧操作することで当該ゲームに賭けるメダル数を提示しスタートレバー15を傾倒操作すると各リール10a、10b、10cが一斉に回転する。この時スロットマシン1は、当該ゲームの入賞に係る役(入賞役)の抽選を内部的な処理により行う。各リール10a、10b、10cが所定の回転数に達すると、ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cによるリール停止操作が準備完了の状態となる。この状態で遊技者がストップボタン用押圧部材16a、16b、16cを任意の順序で押圧操作することにより、対応するリールがそれぞれ停止制御される。そして、停止した3個のリール10a、10b、10cによって表示される図柄が上述の抽選で当選した役に対応する組み合せで有効なライン上に揃うと入賞が確定し、その入賞役の種類に応じた枚数のメダルが遊技者に配当されるようになっている。
下部パネル部5の前面右側には、前扉3を開錠するための鍵が挿入される鍵穴17が設けられている。スロットマシン1の管理者等が鍵穴17に所定の鍵を挿入して開錠操作すると、蝶番機構によって筐体2に取り付けられている前扉3を前方へ開くことができ、また前扉3を筐体2側に閉じると、自動的にこれらを施錠するようになっている。
また、下部パネル部5には、スロットマシン1の型式(モデルタイプ)等を遊技者へ認識させるため、登場キャラクターなどの絵を表示するパネル18が設けられている。
前扉3の下部には、入賞時にメダルを排出するためのメダル排出口19と、排出されたメダルを貯留する受け皿20とが設けられている。更にメダル排出口19の左右に隣接して、スピーカを内蔵する演出用放音部21a、21bが設けられている。
次に、図2を参照して、前扉3の各部について詳細に説明する。
図2において、上部パネル部4には、登場キャラクターなどの絵を表示するパネル22a、22bがそれぞれ各演出用放音部7a、7bの上側に設けられている。また、表示窓9及び遊技情報表示部11の周囲にも絵を表示するパネル23が設けられている。
上部パネル部4のパネル22a、22b、23と、下部パネル部5のパネル18とには、著名なキャラクターや人物の絵を表示することで遊技者の関心を高めることも可能である。
上部パネル部4の演出用照明部6、12a、12bは、表示窓8の上側を取り囲むように配置しており、表示窓8内に配置された液晶表示ユニットの映像やリール10a、10b、10cの動作と連動して発光や点滅を行い、演出効果を高めている。
下部パネル部5には、ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cの周りを覆う装飾部材24が設けられている。装飾部材24は、図示するように上部から下部に向かうにつれて幅が狭くなるように形成されている。装飾部材24の左隣にはスタートレバー15が配置されている。
下部パネル部5の操作卓上面は、後側から前側に向かうにつれて幅が狭くなるように形成されている。下部パネル部5の操作卓上面においては、右寄りにメダル投入部13が配置され、左寄りにベットボタン14が配置されている。鍵穴17は、装飾部材24とほぼ同じ高さに設けられている。
演出用放音部7a、7b、21a、21bは、それぞれ遊技中における遊技者の頭部の上側左右及び下側左右に配置してある。
前扉3のメダル排出口19は、受け皿20の上側中央に配置してある。
次に、図3を参照して、ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cを有し、前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cが押圧操作されることにより所定の遊技操作を行うスイッチユニット30について説明する。
図3において、スイッチユニット30は、ストップボタンに対応した遊技機用スイッチユニットであり、押圧操作を行なうことが可能なストップボタン用押圧部材16a、16b、16cと、可動板31a、31b、31cと、スイッチ本体32と、バネ33a、33b、33cとを備えている。
可動板31a、31b、31cは、円盤状に形成され、それぞれの外周に雄ねじ形状34a、34b、34cが形成されている。
スイッチ本体32は、合成樹脂によって横長のブロック状に一体的に形成されたものであり、前面(表面)から後面(裏面)に貫通する貫通孔35a、35b、35cを横一列で有している。
貫通孔35a、35b、35cの前面側開口には、それぞれ前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cが挿入される。スイッチ本体32は、挿入された前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cを所定のストロークで往復移動自在に保持する。
前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cの外周の上部には、それぞれ上側爪部36a、36b、36cが形成されている。上側爪部36a、36b、36cの左脇には、それぞれ左側スリット37a、37b、37cが形成されている。上側爪部36a、36b、36cの右脇には、それぞれ右側スリット38a、38b、38cが形成されている。
ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cの外周の下部には、それぞれ下側爪部(図5の下側爪部48c参照)が形成されている。下側爪部の左右両脇にもスリット(図5のスリット49c参照)が形成されている。
前記スイッチ本体32における貫通孔35a、35b、35cの内周上側には、それぞれ溝部39a、39b、39cが形成されている。前記貫通孔35a、35b、35cの内周下側にはそれぞれ溝部40a、40b、40cが形成されている。即ち、スイッチ本体32は、上側溝部39a、39b、39cにそれぞれ前記上側爪部36a、36b、36cが挿入され、下側溝部40a、40b、40cにそれぞれ前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cの下側爪部(図5の下側爪部48c参照)が挿入されることで、それぞれ前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cを操作方向に所定のストローク(溝幅で範囲内で)で往復移動自在に保持している。
また、スイッチ本体32は、上側溝部39a、39b、39cの前端に対する前記上側爪部36a、36b、36cの係止と、下側溝部40a、40b、40cの前端に対する下側爪部(図5の下側爪部48c参照)の係止により、前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cを押圧待機位置で係止できるようになっている。
ここで、スイッチユニット30の組み立て作業において、貫通孔35a、35b、35cに、それぞれ前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cを挿入する際には、上側爪部36a、36b、36c及び下側爪部(図5の下側爪部48c参照)が貫通孔35a、35b、35cの前側の縁に当接することになる。しかしながら、ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cにはスリット37a、37b、37c、38a、38b、38c…が形成されているので、ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cを強く押し込めば、ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cの上側爪部36a、36b、36c及び下側爪部(図5の下側爪部48c参照)が形成されている部分より前側が弾性変形し、上側爪部36a、36b、36c及び下側爪部(図5の下側爪部48c参照)が内側に引き込まれる。これにより、上側爪部36a、36b、36cがそれぞれ上側溝部39a、39b、39cに挿入し、下側爪部(図5の下側爪部48c参照)が下側溝部40a、40b、40cに挿入する位置まで、バネ33a、33b、33cを挿入したストップボタン用押圧部材16a、16b、16cを貫通孔35a、35b、35cに挿入できる。
前記貫通孔35a、35b、35cの後面側開口には、それぞれ前記可動板31a、31b、31cが螺入される。
これにより、バネ33a、33b、33cは、それぞれ前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cと前記可動板31a、31b、31cの間に介挿され、それぞれ前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cを前記スイッチ本体32から突出する方向に付勢する。
また、前記スイッチ本体32の前面側にはフランジ部41が形成されている。フランジ部41の四隅近傍には、装飾部材24(図2参照)とともに下部パネル部5(図1、図2参照)にねじ止め固定するためのねじ挿入孔42a、42b、42c、42dが形成されている。この場合、図示しないねじは、下部パネル部5(図1、図2参照)に形成されたねじ挿入孔に裏側から挿入し、続いてフランジ部41のねじ挿入孔42a、42b、42c、42dに挿入し、装飾部材24(図2参照)に形成されたねじ孔に螺入することで、下部パネル部5(図1、図2参照)にスイッチ本体32と装飾部材24(図2参照)をねじ止め固定する。
次に、図4を参照して、スイッチユニット30の後側構造を説明する。
図4において、可動板31a、31b、31cの後面には、それぞれ回転操作部としての回転操作摘み43a、43b、43cが形成されている。
回転操作摘み43a、43b、43cは、後ろ側から見て六角形に形成されており、作業者により容易に回転操作できるようになっている。
スイッチ本体32における貫通孔35a、35b、35cの後面側開口の内周には、それぞれ前記可動板31a、31b、31cの雄ねじ形状34a、34b、34cと螺合する雌ねじ形状44a、44b、44cがそれぞれ形成されている。これにより、前記貫通孔35a、35b、35cの後面側開口にそれぞれ前記可動板31a、31b、31cを螺入できるようになっている。
前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cは、それぞれ後側に開口部45a、45b、45cが形成されている。開口部45a、45b、45cの奥面には、それぞれ突起部46a、46b、46cが突設されている。
突起部46a、46b、46cは、それぞれバネ33a、33b、33cを取り付けるためのものである。
次に、図5を参照して、スイッチユニット30の内部構造をさらに詳細に説明する。
図5において、前記スイッチ本体32の前記貫通孔35cの雌ねじ形状44cより前側には、段部47cが形成されている。段部47cは、可動板31cの前方への移動を所定位置で停止するとともに、ストップボタン用押圧部材16cの後方への移動を所定位置で停止する。
ストップボタン用押圧部材16cの外周の下部には、下側爪部48cが形成されている。下側爪部48cの右脇には、スリット49cが形成されている。下側爪部48cの左脇にも同様のスリットが形成されている。ストップボタン用押圧部材16cの右下側スリット49cと左下側スリットに挟まれる部分50cは、他の部分よりも短く形成されている。部分50cの後端上側には突起部51cが形成されている。
スイッチ本体32の溝部39c、40cは、それぞれストップボタン用押圧部材16cの上側及び下側爪部36c、48cの前後幅より長く形成されており、ストップボタン用押圧部材16cが待機位置から押圧された際に、上側及び下側爪部36c、48cが貫通孔35cの内周に当たらないようにしている。
ストップボタン用押圧部材16cの前面は、滑らかな曲面形状52cで形成されている。ストップボタン用押圧部材16cの突起部46cは、バネ33cの巻軸に挿入される。
一方、貫通孔35cにおける段部47cの直前位置の下側壁面には、フォトセンサ53cが取り付けられている。フォトセンサ53cのコード54cはスイッチ本体32に形成された貫通孔55cを介して外部に延出している。
フォトセンサ53cは、コ字状に形成され、突起部51cが挿入される隙間56cを有している。フォトセンサ53cは、隙間56cの上側と下側に受光素子と受光素子を有しており、隙間56cに突起部51cが挿入されたか否かを検出できるようになっている。これにより、フォトセンサ53cは、前記ストップボタン用押圧部材16cが押圧位置に来たことを検出する検出器になっている。
また、図5には示さなかったが、図3に示したストップボタン用押圧部材16a、16b、可動板31a、31b、バネ33a、33b、貫通孔35a、35bの構造も、図5に示したストップボタン用押圧部材16c、可動板31c、バネ33c、貫通孔35cの構造と同様になっている。図3に示した貫通孔35a、35bにも、図5に示したフォトセンサ53cと同様のフォトセンサが設けられている。
次に、図6、図7、図8を参照して、スイッチユニット30の動作について説明する。
図6に示すように、下部パネル部5には、スイッチ本体32と装飾部材24がねじ止め固定されている。スロットマシン1が新品の状態では、可動板31cは、貫通孔35cの雌ねじ形状44cが形成された部分の最も後ろ寄りに位置している。
遊技者がストップボタン用押圧部材16cから指を離した状態では、ストップボタン用押圧部材16cは、突起部46cに取り付けられたバネ33cの力と、上側溝部39cに対する上側爪部36cの係止と、下側溝部40cに対する下側爪部48cの係止とにより、押圧待機位置に保持される。この状態では、ストップボタン用押圧部材16cの突起部51cはフォトセンサ53cの隙間56cに挿入されず、フォトセンサ53cの発光素子からの光はフォトセンサ53cの受光素子に受光され、フォトセンサ53cは、コード54cを介して、ストップボタン用押圧部材16cがオフ状態であることを示す出力を行う。
次に、遊技者が指でストップボタン用押圧部材16cを押した際に、バネ33cは遊技者の指に反発力を与える。そしてストップボタン用押圧部材16cが完全に押圧されると、ストップボタン用押圧部材16cは、貫通孔35cに押し込まれ段部47cに接触して停止する。この状態では、フォトセンサ53cの隙間56cにストップボタン用押圧部材16cの突起部51cが挿入され、フォトセンサ53cの発光素子からの光は突起部51cにより遮られ、フォトセンサ53cはストップボタン用押圧部材16cがオン状態であることを示す出力を行う。この後、遊技者がストップボタン用押圧部材16cから指を離した際に、バネ33cはストップボタン用押圧部材16cを押圧待機位置に復帰させる。これにより、フォトセンサ53cの隙間56cからストップボタン用押圧部材16cの突起部51cが抜き出され、フォトセンサ53cは、コード54cを介して、ストップボタン用押圧部材16cがオフ状態であることを示す出力を行う。
ここで、バネ33cは、ストップボタン用押圧部材16cが長期間に幾度も操作されることバネ定数が変化(低下)し、図6の長さでは適切な反発力を発生できなくなってしまう。また、操作フィーリングが変わる。
この場合には、図7に示すように、店員等の作業者が回転操作摘み43cを回転操作して、雄ねじ形状34cと雌ねじ形状44cが螺合した状態で、可動板31cを貫通孔35cの雌ねじ形状44cが形成された範囲で前側に移動させて、バネ33cの待機位置における圧縮長さを調整する。これにより、バネ33cのバネ定数が変化した場合にも、適切な反発力に調整し、前記ストップボタン用押圧部材16cを前記スイッチ本体32から突出する方向に付勢できる。これにより、ストップボタン用押圧部材16cは適切な押圧力を維持できる。この場合、遊技者がストップボタン用押圧部材16cから指を離した状態では、ストップボタン用押圧部材16cは、上側溝部39cに対する上側爪部36cの係止と、下側溝部40cに対する下側爪部48cの係止とにより、図6と同様の押圧待機位置に保持される。この状態では、フォトセンサ53cの隙間56cからストップボタン用押圧部材16cの突起部51cが引き出された状態となり、フォトセンサ53cはストップボタン用押圧部材16cがオフ状態であることを示す出力を行う。
次に、図8に示すように、遊技者が指でストップボタン用押圧部材16cを押圧した際には、バネ33cは遊技者の指に反発力を与えることになるが、この場合、可動板31cによってバネ33cの圧縮長さを調整しているので、遊技者の指に新品状態と同様の反発力を与えることができる。
ストップボタン用押圧部材16cが押圧されると、ストップボタン用押圧部材16cは、貫通孔35cに押し込まれ、段部47cに接触し停止する。この状態では、フォトセンサ53cの隙間56cにストップボタン用押圧部材16cの突起部51cが挿入され、フォトセンサ53cはストップボタン用押圧部材16cがオン状態であることを示す出力を行う。この後、遊技者がストップボタン用押圧部材16cから指を離した際にも、圧縮長さが調整されたバネ33cにより、ストップボタン用押圧部材16cが押圧待機位置に復帰される。これにより、フォトセンサ53cの隙間56cからストップボタン用押圧部材16cの突起部51cが抜き出され、フォトセンサ53cは、ストップボタン用押圧部材16cがオフ状態であることを示す出力を行う。
また、図6、図7、図8には示さなかったが、図3に示したストップボタン用押圧部材16a、16b、可動板31a、31b、バネ33a、33b、貫通孔35a、35bに設けられたフォトセンサの動作も、図6、図7、図8に示したストップボタン用押圧部材16c、可動板31c、バネ33c、貫通孔35cに設けられたフォトセンサ53cの動作と同様になっている。
なお、前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cが押圧位置に来たことを検出する検出器としては、フォトセンサ53cによるもの以外、例えば電気接点を用いたもの等各適用可能である。また、回転操作摘み43a、43b、43cの形状についても、六角形以外にも、円柱の外周に滑り止めのチェッカリングパターンを形成したもの等、各適用可能である。さらに、可動板31a、31b、31cはモータ等のアクチュエータによって回転させることも可能である。
また、スイッチユニット30は、ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cが配置される表面を前面とし、回転操作摘み43a、43b、43cが配置される裏面を後面とするストップボタンに適用したが、スイッチユニット30は、表面を上面とし、裏面を下面にする等、各種適用可能である。
かかる構成のスイッチユニット30によれば、バネ33a、33b、33cのバネ定数が変化した場合にも、ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cの押圧力を適切な状態に調整することができる。また、操作フィーリングを維持できる。これにより、操作フィーリングが劣化したスイッチユニットを交換することで、交換品に高いコストを要し、作業員等による交換の作業に手間がかかり面倒となり、関係機関の許可が必要となる等の問題は解消される。これに加えて、押圧部材の押圧力を調整できるので、様々な種類の遊技機や遊技者に対応した操作フィーリングを実現できる等の効果もある。
以下、本発明に係る好適な他の実施形態としてストップボタン用スイッチユニットを例に図面を参照して説明する。なお、図9はスロットマシンに設けられているスイッチユニット60の前側斜め方向から見た分解斜視図、図10はスイッチユニット60の後側斜め方向から見た分解斜視図、図11はスイッチユニット60の内部構造を表した分解断面図、図12はスイッチユニット60及びその周辺部を表した断面図、図13は蓋形可動部材61cを操作した状態におけるスイッチユニット60及びその周辺部を表した断面図、図14は押圧部材16cを操作した状態におけるスイッチユニット60及びその周辺部を表した断面図である。ここで、図9、図10、図11、図12、図13、図14を用いた他の実施形態の説明において、図3、図4、図5、図6、図7、図8に示した実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略している。
まず、図9を参照して、ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cを有し、前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cが押圧操作されることにより所定の遊技操作を行うスイッチユニット60について説明する。
図9において、スイッチユニット60は、押圧操作を行なうことが可能なストップボタン用押圧部材16a、16b、16cと、蓋形可動部材61a、61b、61cと、スイッチ本体62と、バネ33a、33b、33cとを備えている。
蓋形可動部材61a、61b、61cは、蓋状に形成されている。これにより、蓋形可動部材61a、61b、61cの一面には、凹部63a、63b、63cが形成されている。これら凹部63a、63b、63cの内周には雌ねじ形状64a、64b、64cが形成されている。
スイッチ本体62は、前面(表面)から後面(裏面)に貫通する貫通孔65a、65b、65cを横一列で有している。
貫通孔65a、65b、65cの前面側開口には、それぞれ前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cが挿入される。スイッチ本体62は、挿入された前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cを所定のストロークで往復移動自在に保持する。
前記スイッチ本体62における貫通孔65a、65b、65cの内周上側には、それぞれ溝部39a、39b、39cが形成されている。前記貫通孔65a、65b、65cの内周下側にはそれぞれ溝部40a、40b、40cが形成されている。
スイッチ本体62は、上側溝部39a、39b、39cの前端に対する前記上側爪部36a、36b、36cの係止と、下側溝部40a、40b、40cの前端に対する下側爪部の係止により、前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cを押圧待機位置で係止できるようになっている。
前記貫通孔65a、65b、65cの後面側開口には、それぞれ前記蓋形可動部材61a、61b、61cが螺着される。
バネ33a、33b、33cは、それぞれ前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cと前記蓋形可動部材61a、61b、61cの間に介挿され、それぞれ前記ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cを前記スイッチ本体62から突出する方向に付勢する。
また、前記スイッチ本体62の前面側にはフランジ部41が形成されている。
次に、図10を参照して、スイッチユニット60の後側構造を説明する。
図10において、蓋形可動部材61a、61b、61cの外周には、前後方向のストライプ溝による滑り止め形状66a、66b、66cが形成されている。これにより、蓋形可動部材61a、61b、61cの外周は回転操作部になっている。蓋形可動部材61a、61b、61cは、その外周を作業者が摘んで容易に回転操作できるようになっている。
スイッチ本体62における貫通孔65a、65b、65cの後面側開口の周りには、それぞれ円筒部67a、67b、67cが形成されている。この円筒部67a、67b、67cの外周には、それぞれ前記蓋形可動部材61a、61b、61cの雌ねじ形状64a、64b、64c(図9参照)と螺合する雄ねじ形状68a、68b、68cが形成されている。これにより、円筒部67a、67b、67cには、それぞれ前記蓋形可動部材61a、61b、61cが螺着可能となっている。
次に、図11を参照して、スイッチユニット60の内部構造をさらに詳細に説明する。
図11において、前記スイッチ本体62における前記貫通孔65cの内周の最も後側には、段部69cが形成されている。段部69cは、ストップボタン用押圧部材16cの後方への移動を所定位置で停止する。
貫通孔65cにおける段部69cの直前位置の下側壁面には、フォトセンサ53cが取り付けられている。フォトセンサ53cのコード54cはスイッチ本体62に形成された貫通孔70cを介して外部に延出している。
また、図11には示さなかったが、図9に示したストップボタン用押圧部材16a、16b、蓋形可動部材61a、61b、バネ33a、33b、貫通孔65a、65bの構造も、図11に示したストップボタン用押圧部材16c、蓋形可動部材61c、バネ33c、貫通孔65cの構造と同様になっている。貫通孔65a、65bにも、図11に示したフォトセンサ53cと同様のフォトセンサが設けられている。
次に、図12、図13、図14を参照して、スイッチユニット60の動作について説明する。
図12に示すように、スロットマシンが新品の状態では、蓋形可動部材61cは、円筒部67cの雄ねじ形状68cが形成された部分の後ろ寄りに位置している。
遊技者がストップボタン用押圧部材16cから指を離した状態では、ストップボタン用押圧部材16cは、突起部46cに取り付けられたバネ33cの力と、上側溝部39cに対する上側爪部36cの係止と、下側溝部40cに対する下側爪部48cの係止とにより、押圧待機位置に保持される。この状態では、ストップボタン用押圧部材16cの突起部51cはフォトセンサ53cの隙間56cに挿入されず、フォトセンサ53cは、ストップボタン用押圧部材16cがオフ状態であることを示す出力を行う。
次に、遊技者が指でストップボタン用押圧部材16cを押した際に、バネ33cは遊技者の指に反発力を与える。そしてストップボタン用押圧部材16cが完全に押圧されると、ストップボタン用押圧部材16cは、貫通孔65cに押し込まれ、段部69cに接触して停止する。この状態では、フォトセンサ53cの隙間56cにはストップボタン用押圧部材16cの突起部51cが挿入され、フォトセンサ53cはストップボタン用押圧部材16cがオン状態であることを示す出力を行う。この後、遊技者がストップボタン用押圧部材16cから指を離した際に、バネ33cはストップボタン用押圧部材16cを押圧待機位置に復帰させる。これにより、フォトセンサ53cの隙間56cからストップボタン用押圧部材16cの突起部51cが抜き出され、フォトセンサ53cは、ストップボタン用押圧部材16cがオフ状態であることを示す出力を行う。
ここで、バネ33cは、ストップボタン用押圧部材16cが長期間に幾度も操作されることバネ定数が変化し、図12の長さでは適切な反発力を発生できなくなってしまう。また、操作フィーリングが変わる。
この場合には、図13に示すように、店員等の作業者が蓋形可動部材61cを回転操作して、蓋形可動部材61cの雌ねじ形状64cと円筒部67cの雄ねじ形状68cが螺合した状態で、蓋形可動部材61cを円筒部67cの雄ねじ形状68cが形成された範囲で前側に移動させて、バネ33cの待機位置における圧縮長さを調整する。これにより、バネ33cのバネ定数が変化した場合にも、バネ33cを適切な反発力に調整し、前記ストップボタン用押圧部材16cを前記スイッチ本体62から突出する方向に付勢できる。これにより、ストップボタン用押圧部材16cは、適切な押圧力を維持できる。この場合、遊技者がストップボタン用押圧部材16cから指を離した状態では、ストップボタン用押圧部材16cは、上側溝部39cに対する上側爪部36cの係止と、下側溝部40cに対する下側爪部48cの係止とにより、図12と同様の押圧待機位置に保持される。この状態では、フォトセンサ53cの隙間56cからストップボタン用押圧部材16cの突起部51cが引き出された状態となり、フォトセンサ53cはストップボタン用押圧部材16cがオフ状態であることを示す出力を行う。
次に、図14に示すように、遊技者が指でストップボタン用押圧部材16cを押圧した際には、バネ33cは遊技者の指に反発力を与えることになるが、この場合、蓋形可動部材61cによってバネ33cの圧縮長さを調整しているので、遊技者の指に新品状態と同様の反発力を与えることができる。
ストップボタン用押圧部材16cが押圧されると、ストップボタン用押圧部材16cは、貫通孔65cに押し込まれ、段部69cに接触し停止する。この状態では、フォトセンサ53cの隙間56cにはストップボタン用押圧部材16cの突起部51cが挿入され、フォトセンサ53cはストップボタン用押圧部材16cがオン状態であることを示す出力を行う。この後、遊技者がストップボタン用押圧部材16cから指を離した際にも、圧縮長さが調整されたバネ33cにより、ストップボタン用押圧部材16cが押圧待機位置に復帰される。これにより、フォトセンサ53cの隙間56cからストップボタン用押圧部材16cの突起部51cが抜き出され、フォトセンサ53cは、ストップボタン用押圧部材16cがオフ状態であることを示す出力を行う。
また、図12、図13、図14には示さなかったが、図9に示したストップボタン用押圧部材16a、16b、蓋形可動部材61a、61b、バネ33a、33b、貫通孔65a、65bに設けられたフォトセンサの動作も、図12、図13、図14に示したストップボタン用押圧部材16c、蓋形可動部材61c、バネ33c、貫通孔65c、フォトセンサ53cの動作と同様になっている。
なお、滑り止め形状66a、66b、66cについては、ストライプ溝以外にも、滑り止めのチェッカリングパターンを形成したもの等、各適用可能である。また、蓋形可動部材61a、61b、61cはモータ等のアクチュエータによって回転させることも可能である。
また、スイッチユニット60は、ストップボタン用押圧部材16a、16b、16cが配置される表面を前面とし、裏面を後面とするストップボタンに適用したが、スイッチユニット60は、表面を上面とし、裏面を下面にする等、各種適用可能である。
かかる構成のスイッチユニット60によれば、バネ33a、33b、33cのバネ定数が変化した場合にも、蓋形可動部材61a、61b、61cの操作によりストップボタン用押圧部材16a、16b、16cの押圧力を適切な状態に調整することができる。また、操作フィーリングを維持できる。これにより、図3、図4、図5、図6、図7、図8に示した実施形態と同様の効果が得られる。