以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明はスロットマシンに限ることなく、その他の遊技機に適用してもよい。
なお、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
まず、発明が適用されるスロットマシンMの概略構成について説明する。
図1はスロットマシンMを示す斜視図である。このスロットマシンMは、筐体1を備えており、この筐体1は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体1の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。なお、底板の上面には、各部品に電力を供給するための電源装置を内蔵した電源ユニット4、メダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット5等が設けられている。
また、前記筐体1の左右の側板には、筐体1の高さ方向略中央で水平となるように中板(図示略)が設けられており、この中板によって筐体1内は上下に分割されている。したがって、筐体1の前記正面開口部は、その上部を開口する開口上部とその下部を開口する開口下部との2つに区画されている。
筐体1の正面には、筐体1の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉3が設けられており、この前扉3は、前記開口上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、前記開口下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。
前記筐体1内には前記中板の上面に、交換ユニット2が着脱可能に設けられている。交換ユニット2は、種々の部品を設置あるいは固定するための支持体としての枠体21と、この枠体21に固定されたリールユニット22および基板ユニット24とから構成されている。ここで、リールユニット22は、周囲に複数の図柄を表示した3個の回転リール22aと、回転リール22aを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)を有している。また、基板ユニットは、CPU、ROM、RAM、I/O等の電子部品を備えた基板を、基板ケースに収納したものである。そして、基板ユニットは、スロットマシンMの遊技を制御するための遊技制御装置として機能する。
図1に示すように、上扉30の上部の向かって右側には、小型の表示窓31が設けられ、この表示窓31の奥には、前記3個の回転リール22aが横一列に設けられている。各回転リール22aの外周面には複数種類の図柄が配列されており、回転リール22aが停止すると表示窓31を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。スロットマシンMでは、横3本と斜め2本とからなる計5本の入賞有効ラインが設定されている。
そして、3個の回転リール22aが停止したときに入賞有効ライン上に停止した図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。
また、上扉30の中央部には、大型の表示窓32が設けられている。この表示窓32は上扉30に設けられた表示ユニット200(図2参照)の表示面を見るために設けられたものであり、この表示ユニット200では、その表示面に前記回転リール22aに応じた画像による回転リールが表示されるとともに、遊技機における演出用の画像が表示されるようになっている。
また、上扉30の表示窓32の上部および左右両側部には、報知や演出などを行うためのランプ33a,33b,33cが設けられている。
また、上扉30は筐体1内に設けられた交換ユニット2にヒンジ100を介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉40は筐体にヒンジ100を介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
なお、このスロットマシンMは、分離型筐体タイプの構造を有するものであり、遊技店における機種の交換時に、上扉30が回動自在に取り付けられた交換ユニットを交換するようになっており、機種の交換時に筐体1、下扉40および筐体1内の電源ユニットやホッパ装置等は、遊技店の島設備に取り付けられたままで、交換されないようになっている。また、スロットマシンMは、分離型筐体タイプに限られるものではなく、機種交換時にスロットマシン全体を交換するものであってもよい。この場合に、前扉3を上扉30と下扉40に分けない一体の構造としてもよい。また、上扉30と下扉40とに分ける場合に、上扉30を、筐体1の側板にヒンジ100を介して回動自在に取り付けてもよい。
下扉40は筐体1の開口下部を開閉可能に閉塞するための扉である。下扉40は、外枠に中枠を嵌め込んで構成されている。
下扉40の一方の縦方向の側縁部に下扉側蝶番が設けられている。そして、この下扉側蝶番を、筐体1の一方の側板に設けられた筐体側蝶番と係合させることで、下扉40は、筐体1の一方の側板に回動自在に取り付けられている。また、上扉30の下端部には、下扉40の前面より後方側で下扉40の上端より下側に突出する係合部が設けられ、下扉40が閉じた状態で、上扉30を開放することができない構造になっている。
また、下扉40の上部には、スロットマシンMを操作するための操作部50が設けられている。操作部50には、クレジットされたメダルを払い出すための精算スイッチ52、ゲームを開始させるためのスタートレバー53、回転リールの回転を停止させるためのストップスイッチ54、メダルを投入するためのメダル投入口42、メダル投入口42の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタン55、最大数の3枚のメダルをゲームに投資するときに操作されるMAXベットスイッチボタン56等が設けられる他、遊技の演出等を選択するための操作盤57や、表示ユニット58が設けられている。操作盤57は操作部50の幅方向(左右方向)の略中央部に配置され、メダル投入口42およびリジェクトボタン55を挟んで、右側に表示ユニット58が配置されている。なお、操作盤57には、演出等の選択用の十字キー、決定ボタン、キャンセルボタン等を有している。
また、下扉40の下部には、スロットマシン内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口と、メダル払い出し口から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿43とが形成されている。また、操作部50とメダル受け皿43との間には液晶表示パネル45が取り付けられている。また、この液晶表示パネル45の左右両側にはそれぞれ報知や演出などを行うためのランプ33dが設けられている。
次に前記表示ユニット200について説明する。
表示ユニット200は、図3に示すように、全体的に略矩形板状に形成されたものであり、図4に示すように、ケーシング201と、液晶表示装置(表示装置)202と、枠体203と、保護パネル204と、保護パネル固定部材205,205とを備えて構成されている。
ケーシング201は、その前面に開口部を有する矩形の箱状に形成され、その上壁部の上面および下壁部の下面には、それぞれ上扉30にケーシング201を固定するための固定部208,208が左右に離間して設けられている。固定部208には、それぞれ2つの取付穴が形成され、2つの取付穴のうち適当なものを選択し、この選択した取付穴にネジを挿通して、上扉30に設けられたネジ孔にねじ込むことによって、ケーシング201が上扉30の所定の取付部に取り付けられるようになっている。なお、前記2つの取付穴が設けられた面のうち一方の面は鉛直面とほぼ平行な面となっており、他方の面は鉛直面に対して所定角度だけ傾斜した傾斜面となっている。したがって、ケーシング201を上扉30に取り付ける場合、前記平行な面を上扉30の所定の部分に取り付けると、ケーシング201はほぼ鉛直面と平行となり、傾斜面を上扉30の所定の部分に取り付けると、ケーシング201は傾斜した状態となる。
また、ケーシング201の上壁部の上面および下壁部の下面には、それぞれ被嵌合部209が固定部208に隣接して設けられている。被嵌合部209はケーシング201の上壁部の上面に2つ、下壁部の下面に2つ合計4つ設けられている。
また、図5に示すように、ケーシング201の上壁部の下面および下壁部の上面には、それぞれ被係止部201a,201bが左右に離間して設けられている。なお、図5ではケーシング201の下壁部の上面に設けられた被係止部201a,201bを図示している。また、上壁部の下面に設けられる被係止部201a,201bは、下壁部の上面に設けられる被係止部201a,201bと配置が左右逆転している。
被係止部201a,201bは保護パネル固定部材205が係止されるもので、ケーシング201の下壁部の長手方向に沿って延びるようにして設けられている。また、被係止部201a,201bの端部には、ストッパ部201c,201cが被係止部201a,201bに対して直角に設けられている。このストッパ部201c,201cは、被係止部201a,201bに保護パネル固定部材205の後述する係止爪205e,205fが係止した際に、係止爪205e,205fの先端部に当接して、当該係止爪205e,205fが被係止部201a,201bから外れるのを防止するためのものである。
液晶表示装置202は、図4に示すように、その前面に表示面が設けられ、この表示面に遊技機における演出用の画像が表示されるようになっている。そして、液晶表示装置202は、ケーシング201に表示面をケーシング201の開口部に向けて挿入されるようになっている。
枠体203は液晶表示装置202の表示面の外周部を囲む矩形枠状に形成され、その上辺部と下辺部とには、それぞれ嵌合部210,210が左右に離間して設けられている。この嵌合部210は、ケーシング201に液晶表示装置202を挿入して、この液晶表示装置202に枠体203を載せる際に、ケーシング201に設けられている被嵌合部209に嵌合することによって、ケーシング201に対する枠体203の位置決めを行うものである。
保護パネル204は、枠体203の開口から露出している液晶表示装置202の表示面を覆う矩形平板状に形成された透明板であり、枠体203の外周縁に設けられた環状の立上り部203aの内側に嵌め込まれるようになっている。
保護パネル固定部材205は、枠体203に設けられた保護パネル204を固定するものであり、以下のように構成されている。
すなわち、保護パネル固定部材205は、図6(a),(b)に示すように、断面略コ字形に形成された左右に長尺な部材であり、保護パネル204の前面外周部に当接する当接部205aと、この当接部205aに略直角に設けられて、ケーシング201に設けられた被係止部に係止する係止部205bとを備えている。
当接部205aはその裏面側が保護パネル204の前面外周部に当接されるようになっており、図6(b)に示すように、当接部205aの裏面には、保護パネル204に当接する断面円弧状の凸部205c,205cが左右に離間して形成されている。凸部205c,205cは、保護パネル204の製造誤差を吸収しつつ、当該保護パネル204の前面外周部に当接して当該前面外周部を2点で押圧することによって、保護パネル204の前面外周部を強固に押え付けるようになっている。
また、図6(a)に示すように、保護パネル固定部材205の当接部205aの表面には、凹部205k,205kが左右に離間して設けられている。この凹部205k,205kは、後述するように、保護パネル固定部材205を保護パネル204の表面に沿って移動操作させる際に、作業者が指を挿入して当該操作をする際に利用されるものである。
また、係止部205bは、矩形板状の係止部本体205dと、この係止部本体205dの一方の端部に設けられた係止爪205eと、他方の端部に設けられた係止爪205fとを備えている。
係止爪205eは被係止部201aに係止するものであり、係止爪205eと係止部本体205dとの間には、係止部205bを後述する隙間Sに挿入する際に、係止爪205eが被係止部201aに干渉しないようにするための開口部205gが設けられ、この開口部205gの底部から係止爪205eの側部まで延びる溝205hが設けられている。
そして、係止爪205eがケーシング201に設けられた被係止部201aに係止し、係止爪205fがケーシング201に設けられた被係止部201bに係合(当接)するようになっている。
次に前記構成の表示ユニット200の組立方法について説明する。
まず、図7(a)に示すように、ケーシング201に液晶表示装置202をその表示面を前面側に向けて挿入したうえで、ケーシング201の左右の側壁部から固定ネジ202aを挿通して液晶表示装置202の側部にねじ込むことによって固定する。
この状態において液晶表示装置202の前面は、ケーシング201の上壁部、下壁部および左右側壁部の前端よりケーシング201の底側に位置している。つまり、ケーシング201の上壁部、下壁部および左右側壁部の前端は、液晶表示装置202の前面より前方に突出している。
また、ケーシング201の上壁部の中央上壁部と液晶表示装置202の上面との間、およびケーシング201の下壁部の中央下壁部と液晶表示装置202の下面との間には所定の隙間S1が設けられている。
次に、図7(b)に示すように、ケーシング201に枠体203を挿入し、この枠体203を液晶表示装置202の外周部に設ける。この際、枠体203の嵌合部210をケーシング201の被嵌合部209に嵌合するとによって、枠体203をケーシング201に対して位置決めする。この状態において、枠体203の外周縁に設けられた環状の立上り部203aの先端は、ケーシング201の上壁部、下壁部および左右側壁部の前端とほぼ面一となる。
また、ケーシング201の上壁部の中央上壁部と枠体203の上面との間、およびケーシング201の下壁部の中央下壁部と枠体203の下面との間には所定の隙間S2が設けられている。この隙間S2および前記隙間S1の隙間長さはほぼ等しくなっている。
そして、この隙間S2と前記隙間S1とは、ケーシング201の深さ方向に連続した隙間Sとなり、この隙間Sはケーシング201の底部に設けられた被係止部201a,201bまで延びている。
次に、図7(c)に示すように、枠体203の環状の立上り部203aの内側に保護パネル204を挿入して設けることで、枠体203の開口から露出している液晶表示装置202の表示面を覆う。この状態おいて保護パネル204の前面と、枠体203の立上り部の前端とはほぼ面一となる。
次に、図7(d)に示すように、前記隙間Sに保護パネル固定部材205を挿入して、その当接部205aを保護パネル204の外周面に当接するとともに、係止部205bの係止爪205e,205fをケーシング201の被係止部201a,201bに係止(当接)することによって、図3および図8に示すように、ケーシング201、液晶表示装置202、枠体203および保護パネル204が一体化する。
係止爪205e,205fを被係止部201a,201bに係止する場合、以下のようにして行う。なお、図9では、保護パネル固定部材205を示す都合上、液晶表示装置202および枠体203は図示を省略している。
すなわち、図9(a)に示すように、保護パネル固定部材205を前記隙間Sに向けて挿入することで、図9(b)に示すように、保護パネル固定部材205の係止部205bが隙間Sに挿入されて行き、係止部205bの係止爪205e,205fがケーシング201の底部近傍まで届く。この際、保護パネル固定部材205の開口部205gによって係止爪205eは被係止部201aと干渉しない。
次に、図9(c)に示すように、保護パネル固定部材205の係止部205bが隙間S(図9(a)参照)に挿入された状態で、保護パネル固定部材205の当接部205aを保護パネル(図示略)の表面に沿って移動させることで、係止爪205e,205fが被係止部201a,201bに向けて移動して、当該被係止部201a,201bに係止する。これによって、図8に示すように、ケーシング201、液晶表示装置202、枠体203および保護パネル204が一体化される。この際、保護パネル固定部材205の溝205h(図6(b)参照)に被係止部201aが相対的に挿入されるので、係止爪205eが被係止部201aにスムーズに係止する。
このようにして組み立てられた表示ユニット200は上扉30の所定の取付部220に取り付けられる。
すなわち、図10に示すように、表示ユニット200は板状のベース部材325に保持されたうえで、このベース部材325が図2に示すように、上扉30に固定されるとともに、上述したように、ケーシング201に設けられた固定部208をネジによって上扉30に固定することによって、当該上扉30の取付部220に取り付けられる。
図11および図12に示すように、上扉30の略中央部には、表示ユニット200の取付部220が設けられており、この取付部220は略矩形枠状に形成されており、この取付部220に表示ユニット200が取り付けられるようになっている。なお、図10および図11では、保護パネル固定部材205を示す都合上、表示ユニット200は図示を省略している。
図10および図11に示すように、取付部220の上辺部および下辺部には、それぞれ規制阻害部221が設けられている。この規制阻害部221は、取付部220の上辺部および下辺部にそれぞれ立設された立壁221によって構成されている。
図10および図11において、保護パネル固定部材205は、その係止部205bの係止爪205e,205fが前記隙間Sに挿入されてケーシング201の被係止部201a,202bに係止している状態を示している。
このような状態で、表示ユニット200が、取付部220に取り付けられた際、保護パネル固定部材205が、保護パネル204の固定を解除する方向に移動しようとすると、上下の保護パネル固定部材205の当接部205aが規制阻害部221に当接して、それ以上の移動を規制する。したがって、保護パネル固定部材205が緩んで、その係止爪205e,205fがケーシング201の被係止部201a,201bから外れることがない。
一方、保護パネル固定部材205の係止部205bが前記隙間Sに挿入されているが、その係止爪205e,205fがケーシング201の被係止部に係止していない状態において、表示ユニット200を取付部220に取り付けようとすると、保護パネル固定部材205の当接部205aが、規制阻害部221と表示ユニット200の厚さ方向において重なるように配置されているので、当該規制阻害部221に当接部205aが当たって、表示ユニット200の取付部220への取付けを阻害する。
以上のように、本実施の形態によれば、保護パネル固定部材205の当接部205aが保護パネル204の外周部に当接したうえで、保護パネル固定部材205の係止部205bの係止爪205e,205fが、ケーシング201に設けられた被係止部201a,201bに係止することによって、ケーシング201、液晶表示装置202、枠体203および保護パネル204が一体化されているので、保護パネル204の取付けおよび枠体203の取付けの際にネジ止め作業が不要となる。
また、保護パネル固定部材205の係止部205bの係止爪205e,205fが、ケーシング201に設けられた被係止部201a,201bに係止するので、従来に比して、保護パネル固定部材205の押えの深度方向(外ケースの深さ方向)への長さが長くなって、保護パネル固定部材205による保護パネル204の押圧力が高まる。
したがって、保護パネル固定部材205によって保護パネル204を強固に固定できるとともに、表示ユニット200の組み立ての際にネジ止め作業が不要となる。
また、保護パネル固定部材205の係止部205bが、ケーシング201と、枠体203および液晶表示装置202との間の隙間Sに挿入された状態で、保護パネル固定部材205の当接部205aを移動させることで、係止部205bを被係止部201a,201bに向けて移動させ、係止爪205e,205fを被係止部201a,201bに係止できるので、保護パネル固定部材205による保護パネル204の固定を容易に行える。
また、保護パネル固定部材205の係止部205bが隙間Sに挿入されて係止爪205e,205fが被係止部201a,201bに係止している状態の表示ユニット200を取付部220に取り付けると、規制阻害部221によって、当接部205aの移動が規制されるので、当接部205aが移動して係止部205bの係止爪205e,205fが被係止部201a,201bから外れてしまうことがない。
また、係止部205bが隙間Sに挿入されて係止爪205e,205fが被係止部201a,201bに係止していない状態の表示ユニット200を取り付けようとすると、規制阻害部221によって、表示ユニット200の取付部220への取付けが阻害される。
したがって、遊技機の取付部220に取り付けられた表示ユニット200から保護パネル204が外れるのを防止できるとともに、保護パネル204が固定されていない表示ユニット200が取付部221に取付けられるのを未然に防止できる。
また、本実施の形態では、上述したように、正面側に開口する正面開口部を有する筐体1に前記正面開口部から挿脱可能に挿入されることで交換可能な交換ユニット2を備えている。
この筐体1の内側の側壁と交換ユニット2との間には、図13に示すように、当該交換ユニット2を挿入するための隙間Sが設けられている。
そして、筐体1の対向する側壁のうち、左側の側壁に固定部304が設けられ、この固定部304に交換ユニット2が接触状態で、固定手段によって固定されている。
すなわち、図14に示すように、筐体1は樹脂で形成された箱状の筐体本体300と、この筐体本体300の開口縁部に固定された補強枠301とを備えている。この補強枠301はアルミフレームで構成されたものであり、上下の補強フレーム302,303と、左右の補強フレーム304,305を矩形枠状に組み立てることによって形成されている。
そして、左側の補強フレーム304が交換ユニット2を固定するための固定部304とされている。補強フレーム304は、図14および図18に示すように、平行に配置された2枚の帯板状の板金304a,304aと、これら板金304a,304aを繋ぐ複数の連結部304bとによって一体的に構成されている。板金304a,304a間には、アルミ製のネジ受板304dが挿入されている。ネジ受板304dは、筐体1の内側を向く板金304aに当接するとともに、連結部304bに形成された係止部304cによって当該板金304aに当接した状態で係止されている。
このような補強フレーム(固定部)304には、図15に示すように、交換ユニット2が接触状態で、固定手段310によって固定されている。なお、固定手段310は上下に離間して2つあるが、それ以上設けてもよい。
すなわちまず、交換ユニット2は、図2、図16および図17に示すように、種々の部品を設置あるいは固定するための支持体としての枠体21と、この枠体21に固定されたリールユニット22および基板ユニット24と、枠体21に設けられたフレームベース23とから構成されている。枠体21は樹脂製であり、フレームベース23は金属製である。
また、枠体21に向かって左側の側面、つまり枠体21の補強フレーム304側に向く側面には、板金で形成された補強板25が固定されている。この補強板25の両端部には、それぞれ蝶番受26が固定されている。枠体21の左側壁には開口部が設けられ、この開口部に蝶番受26が挿入されることで、当該蝶番受26は枠体21の左側壁の内壁面から露出している。
また、補強板25の表面は、枠体21の左側面から若干突出しており、これによって、補強板25の表面が前記補強フレーム(固定部)304に確実に接触するようになっている。
このような交換ユニット2は、図15に示すように、筐体1の左右の側壁間に前記隙間Sをもって挿入され、当該交換ユニット2の補強板25を筐体1の補強フレーム(固定部)304に当接したうえで、固定手段310によって補強フレーム(固定部)304に固定されている。この状態において、補強板25と補強フレーム304は面接触している。
固定手段310は、図18に示すように、金属製のねじ310aと、前記補強フレーム304に設けられたネジ受板35に設けられたねじ孔310bとを備えている。そして、この固定手段310では、ねじ310aを交換ユニット2の枠体21および補強板25を挿通したうえで、ねじ孔310bにねじ込むことによって、交換ユニット2を補強フレーム(固定部)304に固定している。
ねじ310aは金属製のねじ本体と、このねじ本体の頭部に固定された絶縁性のつまみ部310cとからなるノブボルト310aによって構成されている。したがって、作業者は、ノブボルト(ねじ)310aのつまみ部310cを把持して、このノブボルト310aを交換ユニット2の枠体21および補強板25を挿通したうえで、ねじ孔310bにねじ込むことによって、交換ユニット2を補強フレーム(固定部)304に容易に固定することができる。
また、前記交換ユニット2には上扉30が設けられている。すなわち、前記交換ユニット2の補強板25には上述したように蝶番受26が固定されており、この蝶番受26には、図2に示すように、蝶番27を介して上扉30が筐体1の上側の開口部を開閉可能に取り付けられている。このため、上扉30の荷重は交換ユニット2の補強板25に伝達される。したがって、上扉30の荷重を蝶番27、蝶番受26を介して補強板25、つまり交換ユニット2によって支持することができる。
また、補強板25が固定手段310によって筐体1の補強フレーム(固定部)304に固定されている。したがって、固定手段310は上扉30の荷重を補強板25を介して補強フレーム(固定部)304に伝達するようになっている。これによって、上扉30の荷重を筐体1の補強された補強フレーム304によって確実に支持することができる。
なお、本実施の形態では、上扉30を交換ユニット2に設けたが、当該上扉30を筐体1の補強フレーム304に設けてもよい。この場合、補強フレーム304に蝶番受26を固定し、この蝶番受26に蝶番27を介して上扉30を取り付ければよい。
また、補強フレーム304と交換ユニット2が一体となっていることにより、固定手段310は上扉30の荷重を交換ユニット2に伝達するようになっている。これによって、上扉30の荷重を筐体1の補強された補強フレーム304だけではなく、交換ユニット2でも支持できようになるので、上扉30を確実に支持することができる。
このように本実施の形態によれば、筐体1の左側壁の内壁面にアルミで形成された補強フレーム(固定部)304が設けられ、この補強フレーム304に交換ユニット2が接触状態で、固定手段310によって固定されているので、筐体1の側壁と交換ユニット2との間に、交換ユニット2を挿入するための隙間Sを設けても、交換ユニット2を補強フレーム304に固定手段310によって強固に固定できる。
したがって、交換ユニット2のガタツキや撓みを防止できる。
また、例えば上扉30の開閉によって当該上扉30の荷重が左右方向に移動して交換ユニット2を撓ませようとする力が作用しても、上扉30の荷重を支持する補強板25が固定手段310により補強フレーム304に固定されているので、交換ユニット2の撓みが抑制される。このため、従来のように筐体1の中央部に棚板を設けて交換ユニット2を補強する必要がなくなり、この棚板がなくなることに伴い、交換ユニット2を上下に大きくすることができる。このため、交換ユニット2に設ける基板ユニット24やリールユニット22等の設置位置の自由度が高まる。
また、筐体1の側壁に設けられた補強フレーム304に交換ユニット2の補強板25が接触状態で固定さており、補強フレーム304と補強板25とは金属で構成されているので、筐体1と交換ユニット2とは金属接触することになる。したがって、交換ユニット2に生じる静電気を筐体1からアースをとって容易に除去できる。
また、交換ユニット2の補強板25と補強フレーム304とは面接触しているので、交換ユニット2を補強フレーム304に対して強固に固定できるとともに、交換ユニット2に生じる静電気を補強フレーム304を介して筐体1に容易かつ確実に逃がすことができる。
さらに、固定手段310が、交換ユニット2の金属で形成された部位(補強板25)に挿通される金属製のねじ310aと、金属製(アルミ製)の補強フレーム304のネジ受板304dに設けられて、ねじ310aがねじ込まれるねじ孔310bとを備えているので、ねじ310aをねじ孔310bにねじ込むことによって、補強フレーム304に交換ユニット2を容易に着脱可能に固定することできるとともに、ねじ310aとねじ孔310bが設けられる補強フレーム304とが金属製となっているので、交換ユニット2に生じる静電気をねじ310a、ねじ孔310b、補強フレーム304を介して筐体1からアースをとって容易に除去できる。
また、上述したように、補強板25に上扉30が蝶番受26、蝶番27を介して取付けられているので、上扉30の荷重を蝶番27、蝶番受26を介して補強板25によって支持することができる。
さらに、固定手段310は、上扉30の荷重を交換ユニット2の補強板25を介して筐体1の補強フレーム304に伝達するので、上扉30を当該補強フレーム304によって確実に支持することができる。
なお、本実施の形態では、筐体1の補強フレーム304(固定部)に交換ユニット2の補強板25を接触状態で固定手段310によって固定したが、これに代えて、筐体1の補強フレーム(固定部)304に交換ユニット2の補強板25を非接触状態で固定手段310によって固定してもよい。
この場合、補強板25と補強フレーム304とが所定の隙間だけ離間することになるが、前記固定手段310のねじ310aの長さをその分長くすることによって、当該ねじ310aをねじ孔310bにねじ込むことができるので、交換ユニット2を補強フレーム304に確実に固定することができる。また、固定手段310の数を増やすことで、固定強度を上げることもできる。
また、上扉30を交換ユニット2に設けた場合、固定手段310は上扉30の荷重を上扉30が設けられていない筐体1の補強フレーム304に伝達するようになっている。これによって、上扉30の荷重を筐体1の補強された補強フレーム304によって確実に支持することができる。また、上扉30を筐体1の補強フレーム304に設けた場合、補強フレーム304と交換ユニット2が一体となっていることにより、固定手段310は上扉30の荷重を交換ユニット2に伝達するようになっている。これによって、上扉30の荷重を筐体1の補強された補強フレーム304だけではなく、交換ユニット2でも支持できるようになるので、上扉30を確実に支持することができる。
したがって、筐体1の側壁と交換ユニット2との間に交換ユニット2を挿入するための隙間を設けても、交換ユニット2を補強フレーム304に固定手段310によって強固に固定できる。
よって、交換ユニットのガタツキや撓みを防止できる。
また、固定手段310を構成するねじ310aをねじ孔310bにねじ込むことによって、補強フレーム304に交換ユニット2を容易に着脱可能に固定することできるとともに、ねじ310aと、ねじ孔310bが設けられる補強フレーム304のネジ受板304dがとが金属製となっているので、交換ユニット2に生じる静電気をねじ310a、ねじ孔310b、補強フレーム304を介して筐体1からアースをとって容易に除去できる。
次に、演出の種類の選択や、会員登録等における文字の選択と入力等を行う入力装置401について説明する。
入力装置401は、図1に示すように、下扉40の上部にスロットマシンMを操作するための操作部50の操作盤57として設けられるものであり、操作盤57において複数のキー(スイッチ手段)によるオン・オフの入力を可能とするものである。
本実施の形態の入力装置401は、図19、図20および図21に示すように、遊技者に押される被押圧部材であるキーとして、十字キー402と、決定キー403と、キャンセルキー404とを備えるとともに、入力装置401の主に上面側を構成する上ケース405と、入力装置401の主に下面側を構成する下ケース406と、これら上ケース405および下ケース406から構成されるケース内に配置される第1基板407と、第1基板407より上側に配置される第2基板408と、さらにその上のインナーカバー409とを備える。
十字キー402は、上キー411、下キー412、左キー413および右キー414を備え、これらを囲むように設けられた外周部材410の内周側に各キー411,412.413.414が接続された状態となっている。十字キー402の各キー411,412,413,414は、外周部材410で一体になった形状であるが、各キー411,412,413,414をそれぞれ個別に押圧して変位させることができる。各キー411,412,413,414が外周部材410に接合されているため、それぞれのキー411,412,413,414を操作した場合に、他のキー411,412,413,414が多少動く可能性があるが、スイッチの操作に影響がでないようになっている。特に、各キー411,412,413,414の外側に環状の外周部材410が配置され、その内側に各キー411,412,413,414が配置されているので、例えば4つのキー411,412,413,414をそれらの内側で十字状の部材等により繋いだ場合に比較して、各キー411,412,413,414の動きが他のキー411,412,413,414に伝達されにくい構造となっている。これは、外側で各キー411,412,413,414を繋いだ方が内側で繋ぐより繋ぐ部材が長くなり、内側で繋ぐ場合と外側で繋ぐ場合とで同じ部材を使った場合に、各キー411,412,413,414を外側で繋いだ方が各キー411,412,413,414同士の動きが伝達されにくくなる。
上述の決定キー403、キャンセルキー404、上キー411、下キー412、左キー413および右キー414は、遊技者の指に押されて引き込むように変位し、この変位に基づいて、後述の決定スイッチ415、キャンセルスイッチ416、上スイッチ417、下スイッチ418、左スイッチ419および右スイッチ420をオン・オフするようになっている。これらスイッチ415,416,417,418,419,は、タクティルプッシュスイッチ、タクティールスイッチ、タクトスイッチ等と呼ばれるタクタイルスイッチであり、操作時のクリック感で、遊技者が、スイッチがオンまたはオフとなるのを体感できるようになっている。
決定キー403、キャンセルキー404、上キー411、下キー412、左キー413および右キー414は、略円柱状で、基端部に抜け止め用に径が大きくされた大径部を備えており、上ケース405に上下に貫通して設けられたキー孔421、422、423、424,425,426に、下面側から決定キー403、キャンセルキー404、上キー411、下キー412、左キー413および右キー414がそれぞれ挿入されている。上ケース405の下面には、各キー孔421、422、423、424,425,426のそれぞれの位置に、各キー孔421、422、423、424,425,426に連通する円筒状の円筒壁が設けられている。
これらキー403、404、411、412、413、は、各キー孔421、422、423、424,425,426の位置にそれぞれ設けられた円筒壁内で上下方向に案内された状態で移動可能で、かつ、上述の大径部により、各キー403、404、411、412、413、が上ケース405の上側に抜けないようになっている。また、これらキー403、404、411、412、413、の下側には、第1基板407、第2基板408、インナーカバー409等が配置され、これらキー403、404、411、412、413、が上ケース405の下側に抜けるのを防止している。
上ケース405は、入力装置401の上面を構成する略半円形状の上面板427と、その周囲の周壁428とを備え、この上面板427に、キー孔421、422、423、424,425,426が設けられている。この上面板427の下側に各キー403、404、411、412、413、414とインナーカバー409を介して第2基板408が配置されている。
略半円形の板体である第2基板408には、図20に示すように上面側に、決定キー403に押されてオンとなる決定スイッチ415と、キャンセルキー404に押されてオンとなるキャンセルスイッチ416が設けられている。これら決定スイッチ415、キャンセルスイッチ416は、上述のタクタイルスイッチであり、押圧されるとオンとなり、この状態から押圧が解除されるとオフとなる。
決定キー403と決定スイッチ415は、間にインナーカバー409を介して、上下に重なる位置に配置されている。また、キャンセルキー404とキャンセルスイッチ416は、間にインナーカバー409を介して、上下に重なる位置に配置されている。
また、決定キー403は、円筒状の本体部の軸方向に対して略直交する方向に延出する延出片429を備えており、この延出片429が間にインナーカバー409を介して決定スイッチ415と上下に重なっている。
また、第2基板408には、十字キー402の上キー411、下キー412、左キー413および右キー414にそれぞれ対応して、それぞれ貫通孔431が設けられている。また、第2基板408には、決定キー403、キャンセルキー404、上キー411、下キー412、左キー413、右キー414の位置にそれぞれ上下に略重なるようにLED432が搭載されている。
これらのLED432は、各キー403、404、411、412、413、414を下面側から照らして、これらを光らせるためのものである。各キー403、404、411、412、413、414は、それぞれ各スイッチ415,416,417,418,419,と上下に重なるように配置されることから、各キー403、404、411、412、413、414に対してLED432が少しずれて配置されている。ただし、決定キー403は、延出片29が設けられ、当該延出片29が決定スイッチ415と上下に重なって配置されているので、決定キー403用のLED432は、決定キー403の本体に対してずれることなく、上下に重なって配置されている。したがって、各LED432が互いにほぼ同様の構成で、かつ、各キー403、404、411、412、413、が互いに略同様の構成の場合に、決定キー403が最も明るく光る構造となり、決定キー403を他のキー404、411、412、413、414より目立つ構成とすることができる。さらに、第2基板408には、決定キー403と上下に重なる位置から少しずれた位置に、決定キー403を照らすもう一つのLED432が設けられており、1つのLED432を光らせた場合と、2つのLED432を光らせた場合とで、決定キー403の明るさを変形可能となっており、例えば、決定キー403の操作が有効か無効かを遊技者に報知可能となっている。
なお、十字キー402の各キー411,412,413,414に押される各スイッチ417,418,419,420は、第1基板407に設けられている。したがって、第2基板408の貫通孔431の部分で、各キー411,412,413,414に各スイッチ417,418,419,420がインナーカバー409を介して押されるようになっている。したがって、十字キー402の各キー411,412,413,414を照らすLED432は、貫通孔431の近傍(縁部分)に設けられている。
第1基板407には、上述の十字キー402の各キー411,412,413,414に押される各スイッチ417,418,419,420が、各キー411,412,413,414と上下に重なる位置に配意されている。なお、第1基板407は、半円状ではなく、第2基板408より小さい長方形状とされている。また、第1基板407および第2基板408には、それぞれ配線を接続するためのコネクタ441、442が設けられている。
第2基板408と、上ケース405、十字キー402、決定キー403およびキャンセルキー404との間には、インナーカバー409が配置されている。インナーカバー409は、第2基板408と略同じ半円状に形成された面状部材である。インナーカバー409は、シート状のラバーであり、かつ、ゴム状の合成樹脂製のものであり、可撓性を有するとともに、弾性を有するものである。また、インナーカバー409は、合成樹脂としての絶縁性を有するものであり、導体ではない。また、第1基板407と、第2基板408との間には、これらの間での漏れ電流を防止するために、間隔が設けられている。
インナーカバー409は、例えば、必ずしも透き通った透明ではなくてもよいが、光を透過する性質を有するものであり、例えば、LED等の光源の光を透過する。
インナーカバー409の十字キー402の各キー411,412,413,414と重なるとともに、第2基板408の各貫通孔431と重なり、かつ、第1基板407の十字キー402用の各スイッチ417,418,419,420と重なるそれぞれの位置には、スイッチ417,418,419,420をそれぞれ押圧するための貫通部材434が設けられている。図21に示すように、インナーカバー409の下面側には、第2基板408の各貫通孔431をそれぞれ貫通した状態に円柱状の貫通部材434が設けられている。
インナーカバー409の下面側の貫通部材434の位置を上面側から見ると、貫通部材434の直径より広い範囲に渡り上側に少しだけ膨出した膨出部435が設けられているとともに、これらの膨出部435より外側に対して、貫通部材434の部分を除いて膨出部435の厚みが薄くなっており、この膨出部435の貫通部材434より外側となる部分の弾性変形により、貫通部材434がその軸方向に上下動可能となっている。
下ケース406は、上ケース405と嵌合して入力装置401のケースを構成するもので、略半円状の底板436を備え、この底板436の周囲を囲む周壁437を有する。下ケース406の周壁437と、上ケース405の周壁428とが嵌合しているとともに、上ケース405と、下ケース406がねじで接合されている。
このような入力装置においては、第1基板407上に十字キー402用の4つのスイッチ417,418,419,420が搭載されており、第1基板407にこれらスイッチ417,418,419,420用に配線が設けられて、これらスイッチ417,418,419,420がコネクタ441に配線されている。同様に第2基板408に決定スイッチ415と、キャンセルスイッチ416が搭載されるとともに、各キー402,403,404を照らすLED432が搭載され、これらがコネクタ442に配線されている。したがって、第1基板407および第2基板408は、プリント配線基板や電子回路基板等と呼ばれる電気配線(電子回路)を有する基板である。
このような入力装置401においては、例えば、決定キー403またはキャンセルキー404を遊技者が押すと、決定キー403またはキャンセルキー404が上ケース405のキー孔421,422の円筒壁内で、下側に移動する。この際に、インナーカバー409を介して、決定スイッチ415またはキャンセルスイッチ416が押されて、コネクタ442を介して決定スイッチ415またはキャンセルスイッチ416に接続された回路がオフからオンとなる。また、遊技者が決定キー403またはキャンセルキー404から指を離すと、決定スイッチ415またはキャンセルスイッチ416が元の状態に復帰することにより、決定キー403またはキャンセルキー404が下から上に移動し、上述の回路がオンからオフに戻ることになる。
また、十字キー402のいずれかのキー411,412,413,414を遊技者が押すと、押されたキー411.412.413.414がインナーカバー409の貫通部材434を上下方向の下側に移動させ、貫通部材434が十字キー402のスイッチ417,418,419,420のいずかを押して作動させることになる。貫通部材434と、この貫通部材434を備える面状部材としてのインナーカバー409が、被押圧部材である十字キー402の変位を第1基板407のスイッチ手段としてのスイッチ417,418,419,420に第2基板408を貫通して伝達する伝達手段である。
以上のように、入力装置401の基板を2つに分けているので、例えば、第1基板407を遊技の当たりはずれを含む進行を制御する制御装置を構成するメイン基板(主制御装置)に接続し、第2基板408を遊技の演出を制御するサブ基板(副制御装置)に接続するような場合に、大本の入力用の基板の段階で、メイン基板用とサブ基板用とに分けているので、メイン基板への接続の配線と、サブ基板への接続の配線とを基板の段階で2つに分離することが可能となり、組立時やメンテナンス時等において、接続先の違いにより基板毎に分離された配線により作業性の向上を図ることができる。また、第1基板407の配線と第2基板408の配線の接続先とが同じ基板となる場合であっても、例えば、スイッチの種類、例えば、十字キー用等の方向指示用のスイッチと、決定キーやキャンセルキー等の意思等を指示するためのスイッチとで基板を分けたり、主に、照明用のLEDを搭載した基板と、主にスイッチを搭載した基板とで分けたりすることで、組み立て時の基板の管理を容易にしたり、組み立てを容易にしたりすることが可能となる。
しかし、このように基板を2つ以上に分けた場合に、入力装置等において、スペース効率が悪化し、装置の大型化を招く虞があるが、上述のように2つの基板を重ねて配置することで、スペース効率の悪化を防止し、基板が複数となっても小型化を図ることが可能となる、この際には、上述のように上側の第2基板408を貫通して第1基板407上のスイッチ417,418,419,420等を操作可能となっている必要がある。
また、遊技機では、不特定多数の人が1つの入力装置401に接触することになり、例えば、静電気を帯電した状態の複数の人が順次入力装置401を操作する可能性が有る。そのため、例えば、第1基板407および第2基板408に静電気に基づく高い電圧が印加され、これら第1基板407や、第2基板408の回路や電子部品に問題が生じたり、第1基板407や第2基板408の接続先の回路に問題が生じたりする可能性があるが、第1基板407より、遊技者が操作する各キー402,403,404側(上側)に配置される第2基板408のこれらキー402,403,404側に絶縁性のインナーカバー409が配置されている。これにより、第1基板407およびその下側の第2基板408が静電気の影響を受けるのを抑制することができる。
特に、遊技者が接触する各キー403、404、411、412、413、が直接、第1基板407および第2基板408の各スイッチ415,416,417,418,419,を押すのではなく、インナーカバー409を介して押すので、静電気による影響を抑制することができる。また、第1基板407は、直接インナーカバー409に覆われているわけではないが、インナーカバー409の貫通部材を介して、第1基板407に搭載されたスイッチ417,418,419,420が押されるので、第1基板407においても静電気が抑止される。
次に、上述の入力装置401とスイッチ415,416,417,418,419,の構造が異なる他の実施の形態の入力装置401について説明する。なお、他の実施の形態の入力装置401は、基本的にスイッチの構造が異なるとともに、インナーカバーが1枚から2枚に増えたことが異なる。なお、以下の説明では、主に上記実施の形態と異なる構成を説明し、同様の構成要素については、図22および図23に、図20および図21と同様の符号を付してその説明を省略する。
図22および図23に示すように、他の実施の形態では、スイッチとして、第1基板407および第2基板408の上面に形成された2つの電極443(導体箔パターン)と、2つのインナーカバー409a、409bに設けられた導電性樹脂部445,446を用いるようになっている。なお、2つの電極443は、離れており、2つの電極443が同時に1つの導電性樹脂部445,446に接触すると回路が閉、すなわち、オンとなり、2つの電極443から1つの導電性樹脂部445,446から離れると回路が開、すなわち、オフとなる。したがって、導電性樹脂部445,446と、第1基板407および第2基板408の導体箔パターン(電極443)とからスイッチ手段が構成されている。
第1基板407の上面を覆うように第2インナーカバー409bが第1基板407に重ねて配置され、第2基板408の上面を覆うように第1インナーカバー409aが第2基板408に重ねて配置されている。
第1インナーカバー409aは、上述のインナーカバー409と略同様の部材からなるとともに、略同様の形状を有するものである。第1インナーカバー409aは、第2基板408の上面側で各キー403、404、411、412、413、の直ぐ下に配置されている。第1インナーカバー409aの決定キー403と重なる部分と、キャンセルキー404と重なる部分には、それぞれ上面側で凸となり、下面側で凹となる導電性樹脂部445が設けられている。第1インナーカバー409aは、第2基板408の上面に略当接した状態に配置されるが、導電性樹脂部445では、第1インナーカバー409aの下面の凹部が第2基板408側に配置されるため、下面側が凹部の導電性樹脂部445と、第2基板408の上面の2つの電極443とが離れた状態でオフとなっている。この状態で決定キー403またはキャンセルキー404を押すと、これらキー403、404のいずれかが導電性樹脂部445を第2基板408の上面に押し付け、2つの電極443の間を導通させてオンとなる。
また、第1インナーカバー409aの十字キー402の各キー411,412,413,414の位置に対応する部分には、上記実施の形態のインナーカバー409と同様に、下面側に4つの貫通部材434が設けられ、上面側に4つの膨出部435が設けられており、貫通部材434が第2基板408の4つの貫通孔431をそれぞれ貫通した状態に配置されている。
第2インナーカバー409bは、上述のインナーカバー409と同様のものであるが、形状が半円状ではなく、第1基板407の形状に類似する略長方形となっている。第2インナーカバー409bには、前記十字キー402の各キー411,412,413,414の位置に対応し、第2基板408の各貫通孔431の位置に対応し、第1インナーカバー409aの膨出部435および貫通部材434の位置に対応し、さらに第1基板407の上面の一対ずつの電極443の位置に対応して上述の導電性樹脂部446が設けられている。
各キー411,412,413,414が押されて下に移動すると、第1インナーカバー409aの貫通部材434が貫通孔431内を下に移動して、第1基板407を覆い、第1基板407と重なる第2インナーカバー409bの下面側で凹部の導電性樹脂部446が下側に押されることで、下面側に凸となり、第1基板407の一対の電極443を短絡させてスイッチをオンとする。
このような他の実施の形態の入力装置401においても、上述の実施の形態と同様に、基板を複数枚に分けるとともに、重ねて配置し、かつ、上側の基板を貫通する部材で下側の基板上のスイッチを操作することにより、上述の実施の形態の入力装置401と同様の作用効果を奏する。また、スイッチとして、機械式の小型スイッチを用いるのではなく、基板に形成された導体箔からなる電極443と、対となる電極443を導通する導電性樹脂部445,446とから構成することにより、コストの低減を図ることができる。
また、第2インナーカバー409bが第1基板407の上面を覆い、第1インナーカバー409aが第2基板408の上面を覆うことにより、上述の実施の形態の場合よりも、より静電気の影響を受け辛い構造となっている。特に、第1基板407と第2基板408との間に第2インナーカバー409bがあることにより、より静電気の進入を防止し易い構造となっている。
なお、さらなる静電気防止のための構造を形成することが可能であり、第1基板407と、第2基板408の周縁部等の回路が形成されていない部分に、スルーホールを設け、このスルーホールをアースする方法や、第1基板407や第2基板408で電子部品が搭載されておらず配線パターンがない部分に導体箔の領域を設け、当該導体箔をアースに接続する構造を用いてもよい、これらの構造により、さらに静電気の影響を抑制することができる。
次に、本実施の形態の遊技機の可動演出装置501を説明する。図24および図25に示すように、この可動演出装置501は、遊技機の前扉3の上扉30の左右側部から遊技者側に突出して設けられ、遊技者が触れられる状態に設けられている。
可動演出装置501は、前扉3の上下の中央部から上側、すなわち、前扉3の上扉30の左右側部に設けられ、回転により開閉する扉状の移動体502を右上、右下、左上、左下の4か所に備えている。なお、各移動体502は、図25に示すように、発光する照明手段503を備えており、右上および左上の照明手段503が上述のランプ33bに対応し、右下および左下の照明手段503が上述のランプ33cに対応する。
右側の上下に配置される移動体502と、左側の上下に配置される移動体502とでは、構成が略同様であるが、左右の形状が逆になっており、互いに鏡像の関係になっている。なお、右側の上下の移動体502は互いに同様の構成で同様の形状とされ、左側の上下の移動体502は互いに同様の構成で同様の形状とされている。
右側の移動体502は、右側縁部に上下方向に沿って配置される後述の回転軸505を中心に左側縁部が円弧移動するように回転移動することで開閉する。同様に、左側の移動体502は、左側縁部に上下方向に沿って配置される後述の回転軸505を中心に右側縁部が円弧移動するように回転移動することで開閉する。この扉状の移動体502を備える可動演出装置501は、発光する演出装置として、扉の内側となる面に光を照射する照明手段503を備えている。
以下に、可動演出装置501の右側の半分について説明し、左側の半分の説明を省略する。なお、可動演出装置501の右側半分と左側半分とでは、左右が逆になる以外は、同様の構造を有するものとなっている。
図26に示すように、可動演出装置501の右側半分は、上下一対の移動体502と、移動体502を回転駆動する上下一対のモータユニット510を有するとともに、リフレクタやフレキシブル基板やLEDを搭載するプリント配線基板等からなる付属部材群511を有する駆動支持板512と、移動体502を回転自在とする上下一対の回転軸505を支持する軸支持板522と、閉じた扉状の移動体502より内側に配置されて例えば付属部材群511中のLEDの光が透過する内側レンズ板514と、移動体502(前側)を除く可動演出装置501を覆うカバー541とを備える。
移動体502は、閉じた状態で隠され、開いた状態で露出する上述の照明手段503を備えており、照明手段503には、LEDが搭載されたLED基板や、LEDの光を透過させて光量や光の方向や色を調整するレンズ部材等を備える。なお、LED基板のLEDは、LEDを点灯させるための駆動回路や、点灯と消灯を制御するための制御回路等に電気的に接続されるとともに、LED基板が電子回路を構成しており、静電気が入力した場合に、移動体502内にある電子回路や、この電子回路に接続された移動体502外の制御回路等の電子回路が、静電気による影響を受ける虞がある。また、可動演出装置501は、移動体502も含めて遊技者が触れられる位置にあり、遊技者から静電気が入力可能な状態となっている。
そこで、移動体を回転自在に支持する回転軸505を備えた導電性の軸支持板(導体)522に接触した状態で、アースされたアース部材515が樹脂製(絶縁性)の駆動支持板512にビス止めされている。また、メッキされて表面が導電性となった樹脂製の装飾部材543に、アースされたアース部材542がビス止めされている。なお、アース部材515、542は、例えば、最終的に島設備の電気系統のアースに接続されるようになっている。また、軸支持板522のアース部材515は、移動体502から静電気を逃がすようになっている。なお、静電電機は、後述のように移動体502のヒンジ部材506からねじりばね530を介して軸支持板522に至りアース部材515を通って外部に逃がされることになるが、絶縁性の駆動支持板512に支持される付属部材群511の中には、静電気の影響を受け易い部材もあるので、付属部材群511は、上述のような静電気を逃がす放電経路からは距離をおいて配置され、静電気を逃がす際に付属部材群511に電気が流れないようにしている。
また、図27および図28に示すように移動体502には、移動体502を扉状に開閉自在とするヒンジ部材506を備えている。ヒンジ部材506は、図29に示すように軸支持板522に支持された回転軸505回りに移動体502を回転可能とするものである。ヒンジ部材506は、各移動体502に備えられ上述のLED基板や各種レンズ部材を有する照明手段503や移動体502の照明手段503の反対側を覆うカバー等を回転自在に支持するようになっている。
ヒンジ部材506の上部および下部には、回転軸505の上部または下部が貫通した状態に配置される支持枠507を備え、各支持枠507内には、回転軸505に回転自在に支持される軸受部材が設けられ、支持枠507に固定された軸受部材により回転軸505を回転自在に受けていることから、移動体502は、回転軸505に回転移動自在に支持された状態となっている。このヒンジ部材506は、例えば、金属板等の導体から構成されている。
また、ヒンジ部材506の上部には、回転軸505に対して平行で、軸心の位置が偏心したリンクピン508が設けられている。リンクピン508は、ヒンジ部材506に固定され、かつ、モータユニット510にリンク部材516を介して接続されており、リンクピン508を回転軸505回りに所定角度範囲で回転往復移動させるようになっている。これにより、移動体502は、回転往復移動し、図25に示すように照明手段503が照明可能に開放された開状態と、図24に示すように照明手段503が隠れた閉状態とで開閉するようになっている。
図29Aに示すように、モータユニット510には、アクチュエータとしてのモータ(ステッピングモータ)551と、モータ551の回転軸に取り付けられたウォームギヤを構成するウォーム552と、ウォーム552に噛み合うウォームホイール553と、ウォームホイル553の回転を伝達するとともに伝達を解除可能なクラッチ554と、クラッチ554を介してウォームホイル553の回転が伝達されるカム555とを備えている。
ウォームギヤは、モータ551の回転の軸方向を略直角に曲げてカム555に伝達するようになっている。また、クラッチ554は、離接自在で接触した状態で回転を伝達する2つの部材からなり、これら部材が付勢部材としてのばねにより互いに押し付けられて回転を伝達する。但し、移動体502の開閉において、所定の開位置より移動体502が開方向に過剰に移動して回転角度が所定角度以上となると、2つの部材が離れて、モータ551に対して移動体502Dの回転移動が自由になる。この際に移動体502は、後述のようにねじりばね503により閉方向に付勢されており、移動体502は、閉方向に戻る。
カム555には、ウォームホイル553の回転軸に対して偏心した位置にリンク部材516の一端部が回転自在に軸支された状態となっている。リンク部材516の他端部が、上述の移動体502の回転中心に対して偏心した位置に配置されたリンクピン508に回転自在に軸支された状態となっている。これによって、モータ551の回転により、リンク部材516を介して移動体502を開閉駆動できるようになっている。
図29に示すように、回転軸505は、遊技機側に固定される軸支持板522に支持されるようになっている。軸支持板522には、上側の回転軸505と、下側の回転軸505とが上下に並んで支持されるようになっている。軸支持板522には、各回転軸505に対応して、上下一対ずつの円筒状の支持筒部524が設けられている。
回転軸505の支持筒部524に支持される部分には、図26に示すように、ブッシュ525が設けられている。すなわち、各回転軸505は、略円筒状の一対のブッシュ525に貫通した状態となっている。これらブッシュ525は、基本的に軸支持板522の支持筒部524と、当該支持筒部524に挿入された状態の回転軸505との間に配置されて、これらの隙間を埋めて支持筒部524に回転軸505を支持するようになっている。なお、ブッシュ525を軸受として作用するものとして、ブッシュ525に対して回転軸505を回転自在としてもよい。また、ブッシュ525は、軸支持板522の支持筒部524と回転軸505との間に配置されて緩衝作用を示すものであってもよい。例えば、遊技者が移動体502を掴んで無理に動かした場合に、回転軸505や軸支持板522の変形を抑制するようになっている。なお、このようなブッシュ525は、緩衝作用のための柔軟性を有する樹脂製であり、回転軸505と、軸支持板522とが導体である金属製であっても、回転軸505と軸支持板522との間に配置されブッシュ525が絶縁性の樹脂なので静電気が流れるのを抑制しており、例えば、金属製の回転軸505を介して移動体502側から回転軸505を支持する固定側に静電気を逃がすことはできない。
回転軸505の中央部には、回転軸505が貫通した状態のねじりばね530が設けられている。ねじりばね530は、コイル部分と当該コイル部分の一端側と他端側からそれぞれコイル部分の軸方向と交差する方向に延出する端部とを備えている。このねじりばね530のコイル部分を回転軸505が貫通した状態となっている。このねじりばね530は、例えば、一方の端部が軸支持板522に接触するとともに、他方の端部がヒンジ部材506に接触し、これら軸支持板522と、ヒンジ部材506との間で、ねじりばね530が圧縮された状態に配置されている。
また、ねじりばね530は、軸支持板522に対してヒンジ部材506を備える移動体502を当該移動体502を閉側に回転するように付勢している。これにより、移動体502は、ねじりばね530の付勢力により閉方向に付勢されており、モータユニット510は、このねじりばね530の付勢力に抗して移動体502を閉状態から開状態に移動し、かつ、この付勢力に支援された状態で移動体502を開状態から閉状態に移動する。また、ねじりばね530の付勢力により閉状態の移動体502を閉状態に維持するようになっている。
移動体502は、開閉する場合の開となる開位置と、閉となる閉位置が決まっており、この開位置と閉位置との間で回転往復移動するようになっている。例えば、内部に駆動支持板512や軸支持板522等を備えて前側が開放した箱状に形成されているカバー541には、移動体502の回転移動範囲を規制するストッパが設けられている。例えば、閉じた移動体502が回転移動して開位置に達する際にストッパに接触してそれ以上開方向に移動体502が回転しないように回転を阻止される。また、同様に開いた移動体502が回転移動して閉位置に達する際にストッパに接触してそれ以上閉方向に回転しないようになっている。
これにより、遊技者は、移動体502を当該移動体502の回転可能範囲を越えて回転移動させることが抑制され、移動体502が回転可能範囲を越えて回転することにより破損するのを抑制できる。また、カバー541の下端部には、装飾用にメッキされた装飾部材543が取り付けられている。
このような可動演出装置501においては、遊技機の前扉3の左右側部の遊技者が触れる位置に移動体502や、メッキされた装飾部材543が取り付けられたカバー541等があるので、これらに遊技者から静電気が入力する虞がある。この場合に、移動体502を軸支持板522に対して付勢している付勢手段としてのねじりばね530が移動体502と軸支持板522に常時接触した状態となっており、導電性のねじりばね530が移動体502とアースされた軸支持板522とを常時電気的に接続した状態となっている。
これにより、移動体502に入力した静電気をアースされた導電性の軸支持板522に逃がすことができる。すなわち、遊技者から移動体502に入力した静電気は、移動体502のヒンジ部材506からねじりばね530を通って、アース接続されて位置が固定された導体としての軸支持部材522に至り、さらにアース接続されたアース部材515を通って外部に逃がされる。また、ねじりばね530等のばねは、その付勢力により、例えば、2つの部材に常時接触させる構成とすることが容易であり、移動体502の移動により軸支持板522との電気的接合が途絶えるようなことがない。これにより、移動体502の回路や当該回路に接続されている回路が静電気により破損するのを確実に抑止できる。すなわち、電気的接触が解除されて静電気の影響を受けてしまうような事態の発生を抑制できる。
また、基本的にねじりばね530は、移動体502の往復動の戻りの移動を補助するとともに、閉状態を保持するために用いられるものであり、アースのために新たに部品を配置する必要がなく、スペース効率の悪化を防止できる。また、ねじりばね530等のばねは、基本的に動かないように配置される電線等に比較して、金属疲労を起こし難く、移動する移動体502に接続される電線よりも高い耐久性を期待できる。
上述のように移動体502は、図示しない閉位置と開位置とに配置されたストッパに規制された範囲で、原点位置となる閉位置から所定の開位置まで移動可能で、開位置から原点としての閉位置まで移動可能であり、ステッピングモータ551の回転時のステップ数を制御することにより開閉を制御可能である。さらに、図29B、図29Cおよび図29Dに示すように、本実施の形態では、移動体402が原点となる閉位置にある状態と、開位置にある状態とを検知する2つのフォトセンサ561、571とを備えている。
移動体502が閉位置にあることを検知する閉検知用フォトセンサ571は、図29Bおよび図29Cに示すように、上下一対の移動体502を支持する側の駆動支持板512に固定的に取り付けられ、移動体502の移動に対して固定された状態となっている。閉検知用フォトセンサ571には、凹部572が設けられ、この凹部572には、フォトセンサ571の発光素子から受光素子に向かう光が通った状態となっている。また、移動体502には、照明手段503のカバー565に、上述の凹部572に挿入可能な遮断突起573が設けられている。この遮断突起573は、移動体502が原点位置近傍から原点位置(閉位置)にある場合に、フォトセンサ571の凹部572に挿入された状態となり、上述の光線を遮断して、フォトセンサ571を遮光状態とし、原点位置から所定角度以上回転すると、遮断突起573がフォトセンサ571の凹部572から外れて、フォトセンサ571で発光素子から受光素子まで光を通す通光状態となる。
図29Bおよび図29Dに示すように、移動体502が開位置にあることを検知する開検知用フォトセンサ561は、モータユニット510の固定されたモータ551側に配置されて、移動体502の移動に対して位置が固定されている。開検知用フォトセンサ561には、凹部562が設けられ、この凹部562には、フォトセンサ561の発光素子から受光素子に向かう光が通った状態となっている。また、上述のカム555には、凹部562の光を遮断する遮蔽板563が設けられている。カム555は、移動体502を開閉駆動するために回転するようになっており、遮蔽板563は、カム555の回転に対応して、移動体502が所定の開位置の範囲内にある場合に遮蔽板563が開検知用フォトセンサ561の凹部562に挿入された状態となり、フォトセンサ561の上述の光を遮断するようになっている。
これら移動体502の開閉移動と、フォトセンサ561、571からの制御装置への信号との関係は、図29E(a)、(b)および図29Fに示すようになっている。すなわち、移動体502の移動は、フォトセンサ561、571の検知に対応して、原点位置(閉検知用フォトセンサ571は遮光状態)から閉検知用フォトセンサ571が光を通す通光状態となる動作番号(1)の動作と、閉検知用フォトセンサ571が通光状態となってから、通光状態の開検知用フォトセンサ561が遮光状態となる動作番号(2)の動作と、開検知用フォトセンサ561が遮光状態となってから所定の開位置までさらに開側に移動体502が移動する動作番号(3)の動作とがある。なお、移動体502を所定の開位置よりさらに開側に移動するとクラッチ555が作動し(動作番号(4))、移動体502は、ねじりばね530の付勢力により原点位置に戻るようになっている。なお、移動体502の開閉移動範囲は、上述のようにストッパで規制されており、移動体502が原点位置より閉側に移動しないようになっているとともに、上述のクラッチ555の作動位置よりさらに開側に移動しないようになっている。
また、原点位置からの移動体502の回転角度(D1〜D4)と。モータのステップ数(S1〜S4)は、動作番号(1)の動作でD1、S1となり、動作番号(2)の動作でD1+D2、S1+S2となり、動作番号(3)の動作でD1+D2+D3、S1+S2+S3となり、動作番号(4)のクラッチの作動開始となる角度およびステップ数は、D1+D2+D4と、S1+S2+S4となる。
なお、回転角度D1、D3、D4は、例えば、数度から十数度等の角度であり、回転角度D2は、例えば、回転角度D1と回転角度D3またなD4と合わせて90度程度の角度である。また、動作番号(1)から(3)の操作を閉から開への回転(正回転)の動作として説明したが、開から閉への回転(逆回転)の動作も行われる。なお、CWが時計回りまたは正回転であり、CCWが逆時計回りまたは逆回転である。
また、移動体502の開閉動作では、モータ551の回転速度の制御も行われるようになっており、図29G(a)、(b)に示すように、閉から開への動作においては、開検知用フォトセンサ561が開検知するまで増速傾向で制御し、開検知用フォトセンサ561が開検知してから減速傾向で制御する。なお、図29G(a)、(b)において、速度は、ステッピングモータ551の制御用にPPS(パルス数/秒)で示している。モータ551の正回転時の回転速度V1〜V4は、V1<V2でV3>V4である。なお、ここでさらにV1=V4で。V2=V3であってもよい。
また、図29Gに示すように、逆回転時のモータ551の開から閉への動作の速度制御では、閉検知用フォトセンサ571が閉検知するまで増速傾向で制御し、閉検知用フォトセンサ571が閉検知してから減速傾向で制御する。ここで、モータ551の逆回転時の回転速度V11〜V15は、V11<V12<V13でV14>V15である。なお、ここでさらにV11=V15で。V12=V14であってもよい。
このような可動演出装置501においては、移動体502が閉から開側に移動する際に、照明手段503が発光可能になるように制御されている。これにより、移動体502が閉じた状態では、照明手段503のLEDが消灯するように制御される。本実施の形態では、上扉30の上部の向かって右側に、小型の表示窓31が設けられ、この表示窓31の奥には、3個の回転リール22aが横一列に設けられている。これにより、向かって右側の移動体502が閉じた状態でその照明手段503が点灯した場合に、照明手段503の明かりが回転リール22aに当てられた状態となる虞がある。回転リール22aに、その照明用の明かり以外の明かりが当たり、この明かりが点灯したり、消灯したり、点滅したり、色が変わったりすると、回転リール22aの視認性に影響を与え、回転リール22aの外表面に描かれた図柄が視認しづらくなったり、誤認し易い状態となったりする虞がある。
したがって、移動体502が閉じた場合に、照明手段503が消灯することにより、回転リール22aの視認性の問題の発生を防止できる。ただし、移動体502は、遊技者が触れることが可能な位置にあり、遊技者が開となって照明手段503が点灯した状態の移動体502を無理に閉じさせてしまう虞がある。この場合に、回転リール22aに照明手段503の明かりが当たってしまうことになる。
そこで、可動演出装置501の移動体502または移動体502が支持される部分に上述のような移動体502の開閉を検知するフォトセンサ561、571を使用することが好ましい。この場合に、移動体502が閉じた状態、すなわち、閉検知用フォトセンサ571により移動体502が閉じたことを検知している場合には、照明手段503を消灯させるように照明手段503のLEDの点灯と消灯を制御する制御回路(例えば、サブ基板)を備えるものとしてもよい。この場合、回転リール22aが回転しているリール回転期間だけ、移動体502が閉じた場合に照明手段503を消灯させるように照明手段503のLEDの点灯と消灯を制御することが好ましい。このようにすれば、リール回転期間以外では、移動体502が閉じた状態でも、照明手段503のLEDの点灯や点滅等の間接照明による演出が可能である。リール回転期間には、全リール停止後の次遊技を行うための遊技メダル等の受付を一定時間行わないとする演出用待ち時間でるウェイト時間中も含まれる。この場合には、遊技者が移動体502を無理に閉じさせた場合であっても、リール回転期間中は、移動体502の照明手段503が消灯し、回転している回転リール22aの視認性が悪化するのを防止できる。
なお、センサは、フォトセンサと遮蔽部材の組み合わせに限られるものでなく、移動体502の移動や、モータユニット510の回転等を検知して移動体502の開閉を検知するものであってもよいし、移動体502の開閉による明るさの変化を検知して移動体502の開閉を検知するものであってもよい。
また、本実施の形態では、遊技機の前面下部に、当該前面下部を略覆うようにして面状部材が設けられている。
すなわち、図1に示すように、遊技機の前面下部は下扉40によって構成されており、この下扉40には、当該下扉の面積より若干小さい面積を有する面状部材としての液晶表示パネル45が設けられている。
具体的には、液晶表示パネル45は、下扉40において従来の化粧パネル等の下パネルが設けられていた部位、つまり下扉40の操作部50とメダル受け皿43との間に設けられている。
この液晶表示パネル45は、その表示画面に演出用の映像を映し出す演出用部材であるとともに、他の演出用部材による演出を行う際に押下される演出ボタンでもある。他の演出用部材用の演出ボタンとは、例えば前記表示ユニット200の表示画面に演出用の映像を映し出す場合の演出ボタンや、前記ランプ33a,33b,33c,33dの点灯、点滅等による演出を行う場合の演出ボタンのことを言う。
なお、以下の説明では液晶表示パネル45のことをヒュージボタン45と記述する場合もある。
このような液晶表示パネル(面状部材)45は可動となっている。
すなわちまず、図30〜図32に示すように、液晶表示パネル45の裏側にはベース部600が設けられており、このベース部600に、液晶表示パネル45を駆動させるための駆動機構が以下のようにして設けられている。
すなわちまず、図30および図31に示すように、ベース部600の上端部には、ブラケット600a,600aが左右に離間して設けられており、このブラケット600a,600aに回動軸600bが回転可能に支持されている。この回動軸600bに保持部600cが設けられており、この保持部600cによって液晶表示パネル45が保持されている。したがって、液晶表示パネル45はその一辺部に設けられた回動軸600bを軸として回動することによって、ベース部600に接近離間するように可動となっている。
また、図32および図35(a)に示すように、ベース部600の下部でかつ幅方向中央部に支持部601が設けられ、この支持部601にカムシャフト602aが軸回りに回転自在に支持されている。このカムシャフト602aの左右両端部には、カム602が取り付けられ、このカム602はカムシャフト602aとともに正逆方向に回転するようになっている。なお、図32において裏面から見て左側のカム602はベース部600と液晶表示パネル45との間に位置しているため、隠れている。
また、カムシャフト602aの右端部にはカム602より内側(図32および図35(a)で左側)において、カムギヤ603が取り付けられている。また、ベース部600には、モータ取付部604が設けられており、このモータ取付部604の一方の面にステッピングモータ605が取り付けられている。このステッピングモータ605の駆動軸はモータ取付部604を貫通して、その他方の面に突出しており、この突出した駆動軸にギヤ606が取り付けられている。そして、このギヤ606がカムギヤ603に噛合している。したがって、ステッピングモータ605の駆動軸が正逆方向に所定角度回転することによって、ギヤ606、カムギヤ603、カムシャフト602aを介してカム602が正逆方向に所定角度だけ回転するようになっている。
図35(a)〜(c)に示すように、左側のカム602には薄板状の遮蔽板602cが設けられている。この遮蔽板602cはカム602の周方向に所定長さを有する円弧板状のものである。
一方、左側のカム602の外周側には、検知センサ607が後述するロック受け部616に対してカム606の径方向反対側に配置され、この検知センサ607は前記ベース部600の所定の位置に取り付けられている。なお、図35(a)ではベース部600は省略してある。
検知センサ607はフォトセンサで構成されており、発光部607aと受光部607bとを有している。このような検知センサ607は、カム602が回転することによって、発光部607aと受光部607bとの間に遮蔽板602cが進入して位置し、または発光部607aと受光部607bとの間に位置している遮蔽板602cが発光部607aと受光部607bとの間から周方向に外れるように、配置されている。
そして、検知センサ607は、発光部607aと受光部607bとの間に遮蔽板602cが位置する場合、発光部607aからの光が遮蔽板602cによって遮られることで、遮蔽板602cが発光部607aと受光部607bとの間に位置していることを検出するようになっている。そして、検出センサ607が遮蔽板602cの位置を検出した場合、図35(b)に示すように、後述するロック部615の係合部615aがロック受け部616の被係合部616aに係合することでロック状態となっている。
また、液晶表示パネル(ヒュージボタン)45は、液晶パネル支持部材610に取り付けられている。この液晶パネル支持部材610は平断面視略コ字形に形成されており、その左右両側のカバー部と、これらカバー部を繋ぐ連結板とを備え、この連結板の表面に液晶表示パネル45が取り付けられている。
この液晶パネル支持部材610の連結板の左右両側の裏面の下部には、図31、図32、図33および図35(a)等に示すように、それぞれレバー部材611が当該裏面と略直角に設けられ、このレバー部材611の先端部にピン611aがレバー部材611と略直角に設けられている。このピン611aは前記カム602に係合可能となっている。
また、ベース部600と液晶パネル支持部材610との間には付勢部材612が設けられている。この付勢部材612はコイルスプリング612で構成されている。なお、コイルスプリング612は左右に離間して2つ設けられており、図32に示すように、ベース部600に設けられた保持孔612a,612aに挿入されている。なお、図32では保持孔612a,612aを裏側から見ている。
そして、図31に示す初期状態では、ピン611aはカム602に係合しておらず、付勢部材(コイルスプリング)612は伸張した状態となっている。
一方、図33に示すように、カム602が時計回りに回転して、そのカム面602bがピン611aに係合し、さらにカム602が回転することによって、レバー部材611がベース部600側に引き寄せられ、これによって、液晶表示パネル45が回動軸600bを軸として付勢部材612を弾性的に縮小させながら時計回りに回動するようになっている。
したがって、この状態でカム602を反対方向(反時計回り)に回転させると、付勢部材612の付勢力によって液晶パネル支持部材610を介して液晶表示パネル45が押圧され、これによって、液晶表示パネル45は回動軸600bを軸としてベース部600から離間する方向に回動する。
よって、カム602が正逆方向に連続して回転することによって、液晶表示パネル45は回動軸600bを軸としてベース部600に対して接離方向に回動するようになっている。このように液晶表示パネル45が回動軸600bを軸として正逆方向に回転するので、演出効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、液晶表示パネル45の回動を規制するロック機構を備えている。
すなわち、図34Aおよび図35に示すように、カム602には、ロック部615がカム602と一体的に設けられている。ロック部615はカム602の回転中心(カムシャフト602a)からカム602の外周側に向けて延び、その先端部に略円筒状の係合部615aが設けられている。
一方、液晶パネル支持部材610の裏面にはロック受け部616が当該裏面から突出するようにして設けられ、このロック受け部616の先端部に被係合部616aが設けられている。被係合部616aは円筒面状に形成されており、この被係合部616aにロック部615の係合部615aが係合可能となっている。
カム602の回転中心、ロック部615の係合部615aの中心、およびロック受け部616の被係合部616aの中心は、前記回動軸600bを中心とした円弧上に位置しており、これによって、液晶表示パネル45が遊技者によって押圧された際の負荷をこれらに均等に分散させるようになっている。
また、ロック受け部616の被係合部616aの一方の端部側にはロック部615の係合部615aが被係合部616aから図34Aにおいて上側に外れるのを防止するためのロックサポート部616bが設けられている。
つまり、ロック部615の係合部615aがロック受け部616の被係合部616aから、図36に示すように、下側(時計方向)に回転して外れることによって、液晶表示パネル45の回動を規制するロックが解除されるが、逆に液晶表示パネル45が押圧されることで、係合部615aが被係合部616aから上側に外れると、ロック部615を下側(時計方向)に回転させてロックを解除しようとする際に、ロック部615がロック受け部616に干渉して、ロックの解除ができなくなるので、このような事態を防止するために、ロックサポート部616bが設けられている。
また、液晶パネル支持部材610の裏面には図32および図35等に示すように、振動モータユニット620が取り付けられている。この振動モータユニット620は、軸に振動子を取付け、回転により振動を発生させる振動モータを有しており、この振動モータによって液晶パネル支持部材610を振動させることで、液晶表示パネル(ヒュージボタン)45が振動するようになっている。
そして、例えば、遊技の演出を行う場合に、遊技者にヒュージボタン45を押下するように促す際等に、液晶表示パネル(ヒュージボタン)45が振動するようになっている。
次に、液晶表示パネル45を演出ボタンとして使用する方法について説明する。
まず、初期状態では、図34Aに示すように、ロック部615の係合部615aがロック受け部616の被係合部616aに係合しており、この状態では、液晶表示パネル45はその回動軸600bを軸とした押圧方向の回動が阻止されたロック状態となっている。
次に、液晶表示パネル45を演出ボタンとして機能させる場合、図36に示すように、ステッピングモータ605、ギヤ606、カムギヤ603、カムシャフト602aを介してカム602を正方向(時計回り)に所定角度だけ回転させる。すると、ロック部615が回転してその係合部615aがロック受け部616の被係合部616aから外れ、液晶表示パネル45が押圧操作可能となる。つまり、液晶表示パネル45のロックが解除される。
次に、遊技者が液晶表示パネル45を押圧すると、図37に示すように、液晶表示パネル45が回動軸600bを軸として、前記付勢部材612の付勢力に抗して時計回りに回転する。遊技者が液晶表示パネル45から手を離すと、液晶表示パネル45は付勢部材612の付勢力によって反時計回りに回転して元の位置に戻る。
この際、ロック部615の係合部615aがロック受け部616の被係合部616aから外れているので、液晶表示パネル45のロックは解除された状態となっており、この状態では、液晶表示パネル45を何回でも押圧することができる。
しかし、カム602によってロック部615を反時計回りに回転させて、その係合部615aをロック受け部616の被係合部616aに係合させることで、ロックを行えるので、このロック状態では液晶表示パネル45を演出ボタンとして押圧することはできなくなる。
また、演出開始時等に遊技者に液晶表示パネル(ヒュージボタン)45を押圧するように促すために、図37A(a)に示すように、上扉30に設けられて、遊技者の正面に位置する表示ユニット200の画面に例えば「PHSU」という文字を表示させて、遊技者の注意を喚起したうえで、この文字を図37A(b)に示すように下方に移動させるとともに、当該文字を表示ユニット200の画面から液晶表示パネル45の画面に下方に向けて移動するようにスクロールし、図37A(c)に示すように、当該画面の中央部に「PHSU」という文字を表示させる。
このようにすることで、例えば液晶表示パネル(ヒュージボタン)45を振動させても遊技者がそれに気付かない場合等でも、目視によってヒュージボタン45を押圧するタイミングを知ることができ、確実にヒュージボタン45を押圧できる。
また、液晶表示パネル45を、回動軸600bを軸としてベース部600に対して接離方向に連続して回動するような演出を行う場合、図31に示す初期状態から、カム602をステッピングモータ605によってギヤ606、カムギヤ603、カムシャフト602aを介して時計方向に所定角度だけ回転させることによって、ロック部615の係合部615aがロック受け部616の被係合部616aから外れてロックが解除され(図36参照)、図33および図38に示すように、レバー部材611をベース部600側に引き寄せることで、液晶表示パネル45が回動軸600bを軸として付勢部材612を弾性的に縮小させながら時計回りに回転し、次に、カム602を反対方向(反時計回り)に所定角度だけ回転させることによって、液晶表示パネル45が付勢部材612によって押圧されて、当該液晶表示パネル45は回動軸600bを軸としてベース部600から離間する方向に回転する。
したがって、カム602が正逆方向を連続して回転させることによって、液晶表示パネル45は回動軸600bを軸としてベース部600に対して接離方向に回動するので、当該液晶表示パネル45による演出効果を高めることができる。
次に、ステッピングモータ605および検出センサ607による、カム602およびヒュージボタン45の動作について図34Bおよび図34Cを参照して説明する。
図34Bは動作を説明するための図、図34Cは当該動作の工程を示す図である。
図34Bに示す動作番号「1」,「2」,「3」,「4」は、それぞれ図34C中の工程順を示す「1」,「2」,「3」,「4」に対応している。
まず、図34Bに示す動作番号「1」は、原点位置からセンサ非検知位置までの動作である。原点位置とは、図34C(a)に示すように、ロック部615がロック受け部616に係合することにより、ヒュージボタン45が押圧方向の回動が阻止されたロック状態となっている場合のカム602の周方向の原点位置である。この原点位置では、検出センサ607が遮蔽板602cの位置を検出している。
この原点位置からステッピングモータ605を所定のステップ数S1だけ回転させることで、図34C(b)に示すように、カム602が原点位置からセンサ非検知位置まで所定角度α1だけ回転する(動作番号「1」)。このとき、遮蔽板602cが検出センサ607から外れ、当該検出センサ607によって検出されなくなり、遮蔽板602cはこれ以降も検出されない。
次に、センサ非検知位置からステッピングモータ605を所定のステップ数S2だけ回転させることで、図34C(c)に示すように、カム602がセンサ非検知位置からロック解除位置まで所定角度だけ回転する(動作番号「2」)ことによって、原点位置から所定角度α2だけ回転する。
ロック解除位置とは、図34C(c)に示すように、カム602とともにロック部615が回転してロック受け部616から外れ、ヒュージボタン45が押圧操作可能となるような位置である。なお、このロック解除位置では、遊技者がヒュージボタン45を押圧操作できる。
次に、ロック解除位置からステッピングモータ605を所定のステップ数S3だけ回転させることで、図34C(d)に示すように、カム602がロック解除位置からヒュージボタン動作開始位置まで所定角度だけ若干回転する(動作番号「3」)ことによって、原点位置から所定角度α3だけ回転する。
ヒュージボタン動作開始位置とは、図34C(d)に示すように、カム602のカム面602bがレバー611のピン611aに係合した場合の位置である。
次に、ヒュージボタン動作開始位置からステッピングモータ605を所定のステップ数S4だけ回転させることで、図34C(e)に示すように、カム602がヒュージボタン動作開始位置からヒュージボタン可動限界位置まで所定角度だけ回転する(動作番号「4」)ことによって、原点位置から所定角度α4だけ回転する。
ヒュージボタン可動限界位置とは、図34C(e)に示すように、ヒュージボタン動作開始位置からさらにカム602が回転することによって、カム面602bによってピン611aが左側に押されて、レバー部材611が左側に押され、ヒュージボタン45が前記回動軸600b(図33参照)を軸として時計回りに最も回動した場合の位置である。
なお、図34Bにおいて、原点位置からセンサ非検知位置までは、検出センサ607はセンサ遮光状態となって、検出センサ607が遮蔽板602cの位置を検出し、センサ非検知位置からヒュージボタン可動限界位置までは、検出センサ607はセンサ通光状態となって遮蔽板602cの位置を検出しない。
また、原点位置からヒュージボタン可動限界位置に向けてカム602が回転する場合はカム602の回転方向は時計回りであり、ヒュージボタン可動限界位置から原点位置に向けてカム602が回転する場合は、カム602の回転方向は反時計回りである。
なお、図34Bにおいて、「CCW」はステッピングモータ605の出力軸が反時計回りに、「CW」はステッピングモータ605の出力軸が時計回りに回転することを示しているが、カム602はギヤ606およびカムギヤ603によって、ステッピングモータ605の出力軸と反対方向に回転されるとともに減速される。
また、ステッピングモータ605によるヒュージボタン45の速度制御とステップ数について下記表のように設定するが、これは一つの制御例であり、これに限ることはない。
また、以下の各表において、ステッピングモータ605の速度およびステップ数は、以下のような大小関係となっている。
速度:V1<V2<V3
ステップ数:S5<S6<S7<S8<S9<S10
(1)ヒュージボタン45を原点位置からロック解除位置まで回転させる場合
ここで、S6+S9+S6=S1+S2 である。
(2)ヒュージボタン45をロック解除位置からヒュージボタン可動限界位置まで回転ささせる場合
ここで、S6+S8+S6=S3+S4 である。
(3)ヒュージボタン45をヒュージボタン可動限界位置からロック解除位置まで回転ささせる場合
ここで、S5+S9+S5=S3+S4 である。
(4)ヒュージボタン45をロック解除位置からロック位置(原点位置)まで回転ささせる場合
ここで、S5+S10+S6+S5=S1+S2 である。
本実施の形態によれば、遊技機の前面下部に設けられている液晶表示パネル45が可動となっているので、この液晶表示パネル45を、ステッピングモータ605、ギヤ606、カムギヤ603、カムシャフト602a、カム602、付勢部材612等によって構成された駆動機構によって動かしたり、遊技者が演出ボタンとして押圧して動かすことによって、演出効果を高めることができる。
また、液晶表示パネル45に演出用の映像を映し出すことによって、液晶表示パネル45自体で演出効果を得ることができるともに、この液晶表示パネル45が上述したように可動することで、演出効果をさらに高めることができる。
さらに、液晶表示パネル45が演出ボタンとしても機能するので、この液晶表示パネル45を遊技者が演出ボタンとして押下することによって、この液晶表示パネル45による演出の他、他の演出部材(例えば、表示ユニット200やランプ33a,33b,33c,33d等)による演出も行えるので、演出効果をさらに高めることができる。
また、液晶表示パネル45はその上辺部に設けられている回動軸600bを軸として回動するので、比較的大型の液晶表示パネル45を容易に可動なものとすることができる。つまり、大型の液晶表示パネル45を出没させたり、上下左右に移動させたりするには、比較的大きな力を必要とするが、回動軸600bを軸として回動させることによって、比較的小さな力で液晶表示パネル45を動かすことができる。
また、液晶表示パネルの回動を規制するロック部615およびロック受け部616を有するロック機構を備えているので、液晶表示パネル45を演出ボタンとして押下することを許可しない場合は、ロック機構によって液晶表示パネル45の回動を規制することによって、液晶表示パネル45の押下を阻止することができる。
なお、本実施の形態では、遊技機の前面下部に設ける面状部材として、液晶表示パネル45を使用した場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限ることなく、面状部材は従来使用していた化粧パネル等であってもよい。
また、本実施の形態では、演出ボタンとして使用される液晶表示パネル45を遊技機の前面下部を略覆うようにして設けたが、これに限ることはない。例えば、下扉45の一部に演出ボタンとしての液晶表示パネルを設けてもよいし、その他の部分に演出ボタンとしての液晶表示パネルを設けてもよい。
さらに、液晶表示パネル45はその上辺部を軸として回動するように構成したが、下辺部や左右の一方の辺部を軸として回動するように構成してもよい。また、液晶表示パネルを一辺部を軸として回動するように構成するのではなく、出没可能に構成してもよい。
次に、本実施の形態の遊技機の発光装置について説明する。
図24および図25に示す発光装置701(33a)は、演出用のものであって、例えば、上扉30(前扉3)の上部に略遊技者に向かって光を発射するように配置されたもので、例えば、モールス通信用に光の発射と一部遮断とを切り替えるシャッタを備えるサーチライトを模したものであり、図24に示す発光装置701が後述のシャッタ720を開けて光を発射する状態であり、図25に示す発光装置701がシャッタ720を閉じて光を遮断する状態である。
この発光装置は、図39および図40に示すように、前枠710と、シャッタ720と、光源740と、後ベース760とを備えるものである。前枠710は、発光装置701の前部を構成するものである。なお、発光装置701において、遊技機で遊技する遊技者を向く面が前面であり、この遊技者が発光装置を見た場合の視線の方向が前後方向となる。
前枠710は、発光装置701の最前部を構成する部材であり、円環状のリング711と、光を透過する下リングレンズ712および上リングレンズ713と、発光素子としてのLEDが搭載された下リング基板714および上リング基板715と、シャッタ720の前側を覆う透明な前レンズ716とを備える。
前枠710は、発光装置701の最前部を装飾するための部材であり、一部がLEDにより発光可能となっている。リング711は、その内側が発光装置701の光源740の光を通す円状の開口とされるとともに、前枠710の一部を装飾的に光らせるために円環状の本体部分に複数の貫通孔が形成されている。下リングレンズ712および上リングレンズ713は、透光性を有し、略半円の円弧状の部材であり、下リングレンズ712と上リングレンズ713とを組み合わせると、リング711に近い略円環状の形状となる。下リング基板714および上リング基板715は、LEDを搭載し、略半円の円弧状の部材であり、下リング基板714と上リング基板715とを組み合わせると、リング711に近い略円環状の形状となる。
下リングレンズ712および上リングレンズ713は、リング711と下リング基板714および上リング基板715との間に配置され、下リング基板714および上リング基板715に搭載されたLEDの光をリング711に形成された貫通孔に導いて、リング711に形成された複数の貫通孔部分を光らせるようになっている。なお、下リングレンズ712および上リングレンズ713には、リング11の各貫通孔内に挿入される部分があり、この部分がLEDの光により光るように見えることになる。
前レンズ716は、下リングレンズ712および上リングレンズ713、下リング基板714および上リング基板715に遮られることなく、開放した状態のリング711の内側を閉塞する略円状の透明板を備える。この透明板により、遊技者がシャッタ720および光源740に振れるのを防止するようになっている。
図42から図45に示すように、シャッタ720は、このシャッタ720の外周部を構成し、直径より軸方向長さが短い略円筒状の外ベース721aと、外ベース721aの内側に配置される内ベース721bと、内ベース721bに回転自在に支持される複数のフィン722と、フィン722を回転により開状態と閉状態との間で移動させるためのスライダ723と、スライダ723を前後動自在に保持するスライダ支持部材724と、駆動軸733を前後方向に直交する左右方向に進退自在な一対のソレノイド727と、ソレノイド727の左右方向の動作を前後方向に変換してスライダ723に伝達するクランク725と、クランク725を回転自在に保持するクランク支持部材726と、ソレノイド727を支持するソレノイド支持部材728とを備える。外ベース721aは、前枠710と、後ベース760とともに、発光装置701のケースを構成するものである。略円筒状の内ベース721bは、略円筒状の外ベース721aの内側に配置され、外ベース721aと内ベース721bとで二重の筒となっている。
内ベース721bは、複数(本実施の形態では8つ)のフィン722の回転軸731の両端部を回転自在に支持している。内ベース721bの後縁部には、左右に回転軸731を回転自在に支持する凹部が設けられ、凹部内の回転軸731は、光源740の前縁部により凹部から抜けないように抑えられている。また、内ベース721bに、スライダ支持部材724、クランク支持部材726、ソレノイド支持部材728が支持されている。
8つのフィン722は、その位置によって羽730の形状と、回転軸731の長さが異なっている。8つの羽730は、1つの円板を平行な7つの分割線で略等間隔に8つに分断した形状に近似しており、8つのフィン722が閉じた状態では、図44に示すように、全ての羽730を合わせた形状が略円板状となる。また、回転軸731は、上2つおよび下2つと、これらを除く上下の間の中央部分の4つとで長さが異なり、上下の4つより、中央部の4つの方が長くなっている。
また、図44に示すように、回転軸731の向かって右側の端部には、回転軸731に対して偏心している偏心軸732が設けられている。この偏心軸732をスライダ723により前後に回転移動させることにより、回転軸731を回転させ、各羽730が略円板状となるように上下方向を向いた閉状態(前後方向に略直交する閉状態)と、各羽730が前後方向を向いて前からシャッタ720より後を視認可能な開状態とのいずれの状態となるように開閉することができる。
スライダ723は、上述の8つのフィン722の偏心軸732が挿入される長孔738が上下に8つ並んで設けられている。長孔738は、前後より上下に長く形成され、偏心軸732の上下方向の変位を許容しながら、偏心軸732を前後に移動させることで、回転軸731を回転させて上述のようにフィン722を開閉させるようになっている。なお、スライダ723の長孔738が設けられる部分では、8つの長孔が上下に互いに間隔をあけて並んで配置されるが、フィン722の回転軸731の長さに対応して、上下2つずつの回転軸731の右端部の偏心軸732が挿入される上下2つずつの4つの長孔738が設けられた部分よりも、中央部の4つの回転軸731の右端部の偏心軸732が挿入される中央部の4つの長孔738が設けられた部分の方が羽730の中央より離れた状態となっている。また、スライダ723は、長孔738より後側に、上下方向に沿って上下に突出する一対の連結軸739を有する。
図43および図45に示すように、クランク725は、上下方向に沿うとともに、上下にそれぞれ突出する一対の回転支持軸737を備え、この回転支持軸737回りに回転自在となっている。また、クランク725は、スライダ723の連結軸739に連結する連結受部736を備える。連結受部736は、連結軸739の軸回りに回転自在に連結されている。
また、ソレノイド支持部材728に支持されたソレノイド727の駆動軸733の先端部にソレノイド727の駆動方向(左右方向)に直交する上下方向に沿った連結軸734を備えている。クランク725には、ソレノイド727の連結軸734に連結される一対の連結受部735が設けられ、これら連結受部735が、連結軸734の軸回りに回転可能にこの連結軸734に連結している。ソレノイド727の駆動軸733が左右方向に移動すると、駆動軸733の連結軸734に連結している連結受部735が左右方向に回転移動し、クランク725がその上下に沿った回転支持軸737回りに回転し、当該クランク725の連結受部736が前後方向に略沿うように回転移動し、当該連結受部736に連結されたスライダ723の連結軸739を前後方向に移動させる。これによりスライダ723が前後に移動し、フィン722の偏心軸732を前後に回転移動させ、これによりフィン722が回縁軸731回りに回転し、羽730を開閉する。
また、フィン722の羽730は、その後側にある後述のLED基板745に搭載された縦横に並ぶLED746の光の一部を遮光する半遮光手段となっている。この羽730は、透過率が必ずしも高くないが、光の透過性を有し、LED746の光の一部を透過するが、一部を遮断するようになっている。ここでは、羽730は、透明な樹脂を、例えば、サングラスのレンズの一種のように着色して板状に形成したものであり、所謂スモークレンズとなっている。また、フィン722の羽730は、上述のように開閉するので、閉じた状態では、LED746の光の一部を遮断し、開いた状態では、LED746が開放され、羽730に光の一部を遮断されることなく、遊技者に向けて比較的強い光を照射可能となる。
図46に示すように、光源740は、後ベース760に支持されるとともに、発光素子としてのLED746が縦横に間隔をあけて並んで配置されたLED基板(発光素子基板)745と、後ベース760に支持されるとともに、LED基板745上の各LED746が配置された領域を縦横に並ぶ各区画742に区切る区画板(区分手段)741と、各区画742毎に配置される拡散レンズ744を有するレンズ群743とを備える。拡散レンズ744は、区画板741に支持される。また、LED基板745の前面に区画板741が配置され、当該区画板741の各区画742を構成する開口部内に拡散レンズ744が配置されている。
LED基板745に搭載される各LED746は、比較的高輝度のLED746であるが、遊技者が直接見ても問題が無い輝度に設定されている。ただし、複数の点灯しているLED746を同時に注視した場合に、遊技者によっては、眩しいと思う可能性がある。LED基板745上で、複数のLED746が縦横に略等間隔に並んで配置されている。すなわち、LED746は、縦横にマトリックス状に配置されており、各LED746の点灯と消灯により、ドットマトリクス表示が可能となっている。例えば、数字等のテキストやマークや、それ以外に簡単な画像の表示が可能となっている。
区画板741は、各区画742を仕切る上下方向(縦方向)に沿って延在するとともに左右方向に等間隔に配置された複数の壁体と、左右方向(横方向)に延在するとともに上下方向に等間隔に配置された複数の壁体とを有し、これら壁体が交差して井桁格子状に配置されている。これにより区画板741は壁体に仕切られた区画742としての複数の開口を備えている。各区画742は、LED基板745の各LED746の位置に対応して設けられている。各LED746は、縦横に等間隔で配置されているのに対して、各区画742は、当該区画の上下左右の略中央にLED746が配置されるように形成されている。これにより、各LED746は、区画742を形成する上述の格子状の区画壁に囲まれた状態となっている。なお、区画壁は、LED746より前に延出して設けられており、各LED746から上下左右に拡散する光は、区画742を構成する区画壁の内面に当たり、左右上下方向への出射が阻害される。これにより、点灯しているLED746の光が、前後方向に加えて上下左右に出射されて、点灯しているLED746の近傍の消灯している他のLED746に当たって消灯しているLED746から反射光が生じ、消灯しているLED746が光っているように見えるのを防止できる。
すなわち、区画板741の厚み内(区画壁の高さ内)では、点灯している各LED746の光が区画742の外に漏れるのを防止し、各ドットが光っているか消えているかを明確にするようになっている。
また、区画板741の四角状の各区画742内には、各区画を略埋めてしまう大きさの拡散レンズ744が配置されており、各区画742内でLED746の光を区画742内に拡散させ、区画742内のLED746が点状に光るのではなく、各区画742全体が面状に光るように見せている。これによりドットマトリクス表示を見易いものとしている。
このような発光装置701においては、シャッタ720を開放した状態では、半遮光手段としての羽730を介さずに各拡散レンズ744を透過した光が略遊技者に向かって照射されることになる。この場合に、拡散レンズ744により、LED746の光が多少減衰するが比較的強い光が遊技者を照らすことになり、遊技者にサーチライトの光のように強い光が当てられたと思わせ、インパクトのある演出を行うことができる。
また、LED746が縦横にマトリックス状に配置されていることから、これらLED746を用いてドットマトリクス表示等のディスプレイとしての表示を行った場合に、比較的高輝度のLED746を注視することになり、眩しくて表示を読み取れなかったり、外部からの光に対するLED746の反射光により消灯しているLED746と、点灯しているLED746の判別が難しくなったりすることで、ディスプレイとしての表示が見づらくなる。
それに対して、発光装置701をディスプレイとして使用する場合には、シャッタ720を閉じた状態とし、各LED746の光を上述のスモークレンズ状の羽730を介して遊技者が見るようにすることで、点灯している高輝度LED746を直接見る場合の眩しさを和らげ、表示を見易いものとすることができる。すなわち、サーチライトを模した発光装置701のLED746として、高輝度LED746を用いることにより、全体的にディスプレイとして明るすぎる状態からスモークレンズ状の羽730を閉状態とすることによりディスプレイとして適切な輝度にして、ディスプレイ表示を見易くすることができる。
また、上述のように区画板741により、各LED746を区画742に分けて、各区画742毎に光るようにするとともに、各区画742に拡散レンズ744を配置して、各区画742の全体が光るようにすることで、ドットマトリクス表示を見易くすることができる。
また、本実施の形態では、下扉40の側面に露出する証紙カバー800を備えている。
すなわち、図1および図2に示すように、下扉40の向って右側の側面には証紙カバー800が設けられている。
この証紙カバー800は、図47に示すように、証紙カバー本体801と、係止部802と、操作部803とを備えている。
証紙カバー本体801は、ベース板804と、このベース板804の表面側を覆うようにして取り付けられた透明なカバー805とによって構成されており、ベース板804の表面に図示しない証紙が設けられ、当該証紙はカバー805によって覆われている。
また、ベース板804の裏面側に、2本の係止部802,802が上下に離間してベース板804と一体的に設けられている。
係止部802はベース板804の裏面から湾曲して延出するように設けられた板状部材で形成されており、その先端部に係止爪802aが形成されている。この係止爪802aは後述する被係止部811に係止するものである。
操作部803は係止部802の先端部に、係止爪802aとはほぼ逆方向に延出するようにして設けられた板状部材で形成されており、その表面には作業者の指等を引っ掛け易くする突条803a,803aが形成されている。
また、カバー805の上端面には係止孔805a,805aが左右に離間して設けられており、ベース板804の一方の側端面には4つの係止爪805bが上下に離間して設けられている。
また、図48に示すように、下扉40の内部には証紙カバー800が取り付けられる被取付部810が設けられている。この被取付部810は、下扉40の内部に設けられた内壁810によって構成されている。この内壁810は、下扉40の右側の側面に設けられた開口部40aの左右縁部から下扉40の内側に延びる左右の壁部810a,810bと、壁部810a,810bの奥側の端部を繋ぐ壁部810cと、前側の端部を繋ぐ壁部810dとで平面視略ロ字形に形成されている。
壁部810cには、被係止部811が形成されており、この被係止部811に証紙カバー800の係止部802の係止爪802aが係止している。被係止部811の先端部には、証紙カバー本体801と直交する方向に対して傾斜する傾斜面が形成されており、この傾斜面に係止爪802aに形成された傾斜面が係止することによって、証紙カバー800の取り外し方向(証紙カバー本体801と直交する方向で外側向きの方向)への移動が規制されている。
また、被取付部810の壁部810bには、図48および図49に示すように、内部開口部810eが設けられており、この内部開口部810eは内部カバー815によって閉塞されている。
内部開口部810eは矩形状に形成され、上下に離間して2つ設けられている。
内部カバー815は、図50に示すように、略矩形板状の内部カバー本体815aと、この内部カバー本体815aの裏面側から突出する取外し阻止部815b,815bと、内部カバー本体815aの表面側に設けられた把持部815cと、この把持部815cを挟む位置でかつ内部カバー本体815aの表面側に設けられたストッパ815d,815dとから構成されている。
取外し阻止部815bは、前記内部開口部810eに挿通されて、証紙カバー800が下扉40から外側に外れるのを阻止するものであり、取外し阻止部815bには、証紙カバー800の操作部803に係合する係合部815fが設けられている。係合部815fは、図48に示すように、操作部803の裏面に係合することによって、操作部803が
証紙カバー800の取り外し方向に移動するのを阻止するようになっている。
このように取外し阻止部815bの係合部815fが、証紙カバー800の操作部803に係合することによって、操作部803が係合部815fおよび前記被係止部811によって取外し方向への移動が阻止されることによって、証紙カバー800が下扉40から外側に外れるのを阻止されるようになっている。
前記把持部815cは、内部カバー815を内部開口部810eに取り付け、取外しする際に作業者によって把持される部分であり、図50に示すように、略U字形に形成され、一方の片が内部カバー本体815aから立ち上がり、折り曲げられたうえで、他方の片が内部カバー本体815a側に向けて延びている。この他方の片の端部に爪815e,815eが形成されている。
一方、下扉40の内部にある壁部816には、図49に示すように、立壁816a,816bが平行離間して設けられており、立壁816bには係止孔816c,816cが形成されている。なお、壁部816は前記壁部810bと一体的に形成されたもので、下扉40のベース板を構成している。
そして、把持部815cは、その他方の片の先端部を立壁816a,816bの間に挿入するとともに、当該他方の片に形成された爪815e,815eを係止孔816c,816cに挿入して係止することによって、壁部816に固定されている。
前記ストッパ815dは、内部カバー本体815aによって内部開口部810eが閉塞された際に、内部カバー815の緩みを止めるものであり、把持部815cを挟んで2つ設けられている。また、ストッパ815dは内部カバー本体815aから突出しており、このストッパ815dは壁部816に当接する当接部815gを有している。
そして、内部カバー815が内部開口部810eに取り付けられた際に、当接部815gが壁部816に当接することによって、内部カバー815が壁部816の表面に交差する方向へガタついて緩むのを防止している。
また、図51に示すように、下扉40の側面には、開口部40aが設けられおり、この開口部40aに前記被取付部810の壁部810dが面している。この壁部810dには、立壁810fが開口部40aの開口縁に沿って矩形枠状に設けられている。立壁810fは証紙カバー本体801が開口部40aに挿入されて壁部810dに設けられた際に、証紙カバー本体801の裏面に当接するようになっている。
また、壁部810dの縦方向に沿う一方の縁部には、4つの係止孔810gが上下に所定間隔で設けられており、この係止孔810gにはベース板804の係止爪805bが係止するようになっている。また、壁部810dの上縁部には、図示しない2つの係止爪が左右に離間して設けられており、当該係止爪には証紙カバー800の係止孔805aが係止するようになっている。
さらに、壁部810dには、2つの挿通孔810hが上下に離間して設けられており、当該挿通孔810hには証紙カバー800の係止部802が挿通されるようになっている。
次に、証紙カバー800を下扉40の側面に取り付ける方法について説明する。
まず、図52(a)に示すように、下扉40によって筐体の開口下部を開き、かつ、内部カバー815を内部開口部810eから取り外した状態で、証紙カバー本体801の裏面側が下扉40の側面に設けられた開口部40aに向かうようにして、証紙カバー800を取付けていく。
また、証紙カバー800の係止部802および操作部803を壁部810dに設けられた挿通孔810h(図51参照)に挿通していく。
次に、図52(b)に示すように、証紙カバー本体801を開口部40aに装着するとともに、証紙カバー本体801の係止爪805bを開口部40aに設けられた係止孔810gに係止するとともに証紙カバー800の係止爪802aを、壁部810cに形成されている被係止部811に係止することによって、証紙カバー本体801を開口部40aに固定する。
次に、図51(c)に示すように、内部カバー815を内部開口部810eに取り付ける。この場合、内部カバー815の把持部815c(図50参照)を把持して、取外し阻止部815bを内部開口部810eに挿通し、この取外し阻止部815bの係合部815fを証紙カバー800の操作部803に裏面に係合する。
これによって、操作部803は、係合部815fおよび被係止部811によって取外し方向への移動が阻止されるので、証紙カバー800が下扉40から外側に外れるのを阻止される。
また、内部カバー815を内部開口部810eに取り付ける場合、把持部815cの他方の片の先端部を立壁816a,816b(図49参照)の間に挿入するとともに、当該他方の片に形成された爪815e,815eを立壁816bの係止孔816c,816cに挿入して係止することによって、内部カバー815を壁部816に固定する。
さらに、内部カバー815が内部開口部810eに取り付けられると、ストッパ815dの当接部815gが壁部816に当接することによって、内部カバー815が壁部816の表面に交差する方向へガタついて緩むのを防止される。
最後に下扉40によって筐体1の開口下部を閉じることで、証紙カバー800の取付けを終了する。
一方、証紙カバー800を取り外す場合、下扉40によって筐体1の開口下部を開いたうえで、内部カバー815の把持部815cを摘んで爪815e,815eを係止孔816c,816cから外したうえで、内部開口部810eから抜き出す。
これによって、内部開口部810eが開口するので、当該内部開口部810eに作業者の指や工具等を挿入して、当該指や工具等によって証紙カバー800の操作部803を下扉40の開口部40a側に向けて押圧すると、証紙カバー800の係止爪802aが壁部810cの被係止部811から外れる。係止爪802aが被係止部811から外れると、証紙カバー本体801が開口部40aから突出するので、この証紙カバー本体801を把持して開口部40aから取り出すことによって、証紙カバー800を下扉40の側面から取り外す。
以上の本実施の形態によれば、証紙カバー本体801と開口部40aとの間の隙間から不正器具を挿入されても、証紙カバー800の係止部802の係止爪802aが被取付部810の被係止部811に係止され、被取付部810の内部開口部810eが内部カバー815の内部カバー本体815aによって閉塞され、証紙カバー800の操作部803に、内部カバー815の取外し阻止部815bが、証紙カバー800が下扉40から外側に外れるのを阻止するように係合されているので、証紙カバー800が取り外されることがない。
また、筐体の内側、つまり下扉40の裏側から内部カバー815を取り外し、証紙カバー800の操作部803を作業者の指等で操作して、係止部802の係止爪802aを被係止部811から外すことによって、証紙カバー800を被取付部810から容易に取り外すことができる。
また、被取付部810の証紙カバー本体801が取り付けられる面に、証紙カバー本体801に裏面に当接する立壁810fが設けられ、証紙カバー800が被取付部810に取り付けられている状態において、立壁810fが証紙カバー本体801の裏面に当接しているので、証紙カバー本体801と被取付部810との間の隙間から不正器具を挿入しても、当該不正器具は立壁810fと証紙カバー本体801との間から挿入し難くなり、より確実に不正器具の遊技機内部への挿入を防止できる。
また、内部カバー本体815aに、当該内部カバー本体815aによって内部開口部810eが閉塞された際に、内部カバー815の緩みを止めるストッパ815dが設けられているので、内部カバー815が緩んでガタツクことがない。したがって、内部カバー815の取外し阻止部815bが確実に証紙カバー800の操作部803に係合されるので、証紙カバー800が下扉から外側に外れるのを確実に阻止できる。
なお、本実施の形態では、証紙カバー800を下扉40の側面に取り付ける場合を例にとって説明したが、本発明にこれに限ることなく、例えば、証紙カバー800を下扉40の前面に取り付ける場合や、筐体1の側面に取り付ける場合にも適用できる。