JP2005322698A - 半導体レーザ素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ出射側の素子端面を保護するコーティング膜を有し、同端面の反射率を容易に適宜の値に設計し得る構造でありながら、同端面の放熱性を高めて、素子温度の上昇に起因する素子劣化を好適に抑制することのできる半導体レーザ素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体レーザ素子10は、レーザ出射側の素子端面にコーティング膜を備える。このコーティング膜は、レーザ出射側素子端面のレーザ出射部(発光スポット)の近傍を局所的に覆ってAl23(アルミナ)からなる透光性の膜材CL12と、同レーザ出射側端面の他の部分を覆って該膜材CL12よりも高い熱伝導率をもつAlからなる膜材CL11とにより構成される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、レーザ出射側の素子端面を保護するとともに、反射率を所定の値とするためのコーティング膜を備える半導体レーザ素子およびその製造方法に関する。
従来、この種の半導体レーザ素子およびその製造方法としては、例えば特許文献1に記載されるものがある。図19および図20を参照して、従来の半導体レーザ素子の一例について説明する。なお、これら図19および図20は、レーザ出射側の素子端面の正面構造を主に示す斜視図であり、図19はこの半導体レーザ素子の概略構造を、図20(a)および(b)はこの半導体レーザ素子の製造プロセスをそれぞれ模式的に示している。
図19に示すように、この半導体レーザ素子30は、半導体基板33上にレーザ光を生み出すpn接合部としての活性層(発光層)31を有している。そして、図示は割愛しているが、該活性層31と半導体基板33および半導体層32との間には、同活性層31を挟み込んで光やキャリアを閉じ込めるクラッド層(N型層およびP型層)がそれぞれ形成されている。さらに、各クラッド層には、それぞれストライプ形状の上部電極35および下部電極36が設けられている。また、上部電極35からの電流(キャリア)通路は、絶縁層34によってストライプ形状に制限されている。これにより、上記活性層31内部のゲイン(反転分布)領域も同等なストライプ形状とされ、いわゆるゲイン・ガイド構造を実現している。なお、上記活性層31、並びにクラッド層の材料には、例えばAlGaAs系の化合物半導体材料等が用いられる。
また、上記半導体レーザ素子においてレーザ出射側の素子端面は、例えばAl23等の透明な金属酸化膜からなるコーティング膜CL3によってほぼ全面覆われている。これにより、素子端面に汚れが付いたり、あるいは同端面が酸化したりすることによって懸念されるレーザ特性の劣化等が抑制される。また、コーティング膜CL3が透光性を有することから、同コーティング膜の膜厚をレーザ光の波長や屈折率等に対応する値に設定することによって、容易にレーザ出射側の素子端面の反射率を適宜の値に設計することもできるようになっている。
そして、上記半導体レーザ素子の製造にあたっては、まず、図20(a)に示すように、半導体基板33の上に同基板33と同じ導電型を有するクラッド層、活性層31、半導体基板33と反対の導電型を有するクラッド層、および半導体層32を順に積層形成した後、上記絶縁層34および上部電極35、並びに下部電極36をそれぞれ形成する。そして、周知の劈開法により劈開して、レーザ出射側およびレーザ反射側の素子端面をそれぞれ得る。
次に、図20(b)に示すように、例えば電子ビーム蒸着法やスパッタリング法により、上記レーザ出射側素子端面の略全面を覆う態様で上記コーティング膜CL3を形成することによって、先の図19に示した半導体レーザ素子が完成する。
特開平3−224284号公報
このように、図19に例示したような半導体レーザ素子では、レーザ出射側の素子端面が上記Al23等の透明な金属酸化膜からなるコーティング膜CL3によってほぼ全面覆われている。そのため、素子端面に汚れが付いたり、あるいは同端面が酸化したりすることによって懸念されるレーザ特性の劣化等が抑制されるとともに、上記コーティング膜CL3の膜厚をレーザ光の波長や屈折率等に対応する値に設定することによって、容易にレーザ出射側の素子端面の反射率を適宜の値に設計することも確かに可能である。ところが通常、上記コーティング膜CL3の材料として用いられる金属酸化膜は伝熱性の悪い(熱伝導率の低い)材料であるため、こうした金属酸化膜がレーザ出射側の素子端面に設けられることによって、レーザ出射(発光)によって発生する熱を逃がし難い構造となり、ひいては素子温度の上昇に起因する素子劣化等が促進されるようにもなる。なお一般に、半導体レーザ素子においては、素子温度が上昇するにつれて、駆動電圧、発振波長、しきい値、変調特性、ノイズ特性、寿命等の素子特性が悪化の方向に進む傾向にある。
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、レーザ出射側の素子端面を保護するコーティング膜を有し、同端面の反射率を容易に適宜の値に設計し得る構造でありながら、同端面の放熱性を高めて、素子温度の上昇に起因する素子劣化等を好適に抑制することのできる半導体レーザ素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
こうした目的を達成すべく、請求項1に記載の発明では、レーザ出射側の素子端面にコーティング膜を備える半導体レーザ素子として、前記コーティング膜は、レーザ出射部の近傍が局所的に透光性の膜からなって、他の部分がその透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜からなる構造とする。
このような構造では、レーザ出射側の素子端面に設けられたコーティング膜がレーザ出射部(発光スポット)の近傍において透光性を有することから、同コーティング膜の膜厚をレーザ光の波長や屈折率等に対応する値に設定することによって、容易にレーザ出射側の素子端面の反射率を適宜の値に設計することができるようになる。しかも、同コーティング膜は、レーザ出射側の素子端面において上記レーザ出射部の近傍以外の部分に高い伝熱性(高い熱伝導率)をもつことから、同レーザ出射側の素子端面の放熱性は高められて、前述した素子温度の上昇に起因する素子劣化等の好適な抑制も図られることとなる。
またこの場合、請求項2に記載のように、前記コーティング膜としての透光性の膜を絶縁性を有するものにすることで、同透光性の膜を通じてのリーク電流の発生(ショート)も好適に抑制されるようになる。すなわち、駆動電流が活性層を通らずに流れるようなことも的確に防止もしくは抑制されるようになる。
また、請求項1または2に記載の半導体レーザ素子において、前記透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜が金属からなる場合には、請求項3に記載の発明によるように、前記透光性の膜がその金属の酸化物からなる構造とすることが有効である。
一般に、金属は高い熱伝導率をもっており、また金属の酸化物には、透光性を有するものが多く知られている。このため、こうした構造とすることにより、例えばレーザ出射側の素子端面に設けられた金属膜を選択的に酸化させることによって、請求項1または2に記載の半導体レーザ素子を容易に実現することもできるようになる。
またこの場合、前記金属としては、請求項4に記載の発明によるように、AlおよびTiのいずれかを用いることが有効である。
これらの金属材料、すなわちAl(アルミニウム)やTi(チタン)は、特に優れた伝熱性を有して且つ、酸化物として透光性(透明度)の高いものをもつ。このため、請求項3に記載の半導体レーザ素子を実現する上では、こうした構造とすることが特に有効である。
また、請求項3に記載の半導体レーザ素子において前記金属としてAlを用いる場合には、請求項5に記載の発明によるように、前記透光性の膜がAl23からなる構造とすることが有効である。
アルミニウム酸化物の中には、不安定な酸化物や透光性(透明度)の低いものもあるが、その中にあって上記Al23(アルミナ)は、より安定して存在する酸化物であり、また透光性(透明度)も高い。すなわち、請求項3に記載の半導体レーザ素子を実現する上では、こうした構造とすることが特に有効である。
一方、請求項3に記載の半導体レーザ素子において前記金属としてTiを用いる場合には、請求項6に記載の発明によるように、前記透光性の膜がTiO2からなる構造とすることが有効である。
チタン酸化物の中にも、不安定な酸化物や透光性(透明度)の低いものもあるが、その中にあって上記TiO2(チタニア)は、より安定して存在する酸化物であり、また透光性(透明度)も高い。すなわち、請求項3に記載の半導体レーザ素子を実現する上では、こうした構造とすることが特に有効である。
また、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子において、前記コーティング膜についてはこれを、請求項7に記載の発明によるように、透光性の絶縁膜を介して前記レーザ出射側の素子端面に形成されたものとすることで、当該コーティング膜(より正確にはコーティング膜としての前記透光性の膜)を通じてのリーク電流の発生(ショート)はより確実に抑制されるようになる。すなわち、こうした構造によっても、駆動電流が活性層を通らずに流れるようなことが的確に防止もしくは抑制されるようになる。
またこの場合、請求項8に記載の発明によるように、前記コーティング膜としての透光性の膜と前記透光性の絶縁膜との材料を同一にすることで、これら膜材の間でのヤング率や熱膨張係数等の差異は最小限に抑えられることとなり、ひいてはこれら膜材に印加される応力も緩和されるようになる。すなわち、それら膜材についての応力印加に伴う歪み等も好適に抑制されることとなる。
一方、請求項9に記載の発明では、半導体レーザ素子のレーザ出射側端面を保護するコーティング膜を形成する方法として、前記レーザ出射側端面に前記コーティング膜として設けられた金属膜を酸化雰囲気中で局所的に加熱することによって、同金属膜のレーザ出射部近傍にあたる部分を局所的に酸化させて透光性の膜にするようにする。
一般に、金属は高い熱伝導率をもっており、また金属の酸化物には、透光性を有するものが多く知られていることは前述した。そこで、上記製造方法では、レーザ出射側端面にコーティング膜として設けられた金属膜のレーザ出射部近傍にあたる部分を局所的に加熱することで、同部分を酸化させて透光性の膜(金属酸化膜)にするようにしている。すなわち、こうした製造方法によれば、上記請求項1に記載の構造などもより容易に実現することができるようになる。
また、この請求項9に記載の半導体レーザ素子の製造方法においては、例えば請求項10に記載の発明によるように、
・当該半導体レーザ素子によるレーザ出射を酸化雰囲気中で行うことによって、前記金属膜のレーザ出射部近傍にあたる部分を局所的に加熱して酸化させる方法。
あるいは請求項11に記載の発明によるように、
・外部エネルギー源からの電磁波や電子線、音波、超音波、熱等のエネルギーを、酸化雰囲気中で前記金属膜に対して照射することによって、同金属膜のレーザ出射部近傍にあたる部分を局所的に加熱して酸化させる方法。
等々を採用することが特に有効である。
また、例えば当該半導体レーザ素子を量産する場合等には、請求項12に記載の発明によるように、上記請求項10に記載の半導体レーザ素子の製造方法において、複数の半導体レーザ素子を、それら半導体レーザ素子の電極を介して積み重ねることによって電気的に直列に接続するとともに、それら直列に接続された半導体レーザ素子に通電することによって、前記酸化雰囲気中でのレーザ出射および該レーザ出射による前記金属膜の局所的な酸化処理をそれら半導体レーザ素子について同時に行うような方法を採用することが特に有効である。具体的には、こうした方法によれば、複数の半導体レーザ素子について同時に前記透光性の膜の形成を行うことができるようになり、ひいては半導体レーザ素子自体の製造時間の短縮等が図られるようにもなる。
さらに、請求項13に記載の発明によるように、上記請求項10に記載の半導体レーザ素子の製造方法において、複数の半導体レーザ素子が、それら半導体レーザ素子の電極と該電極間に設けられた導電性スペーサとを介して積み重ねられることによって電気的に直列に接続された状態で、それら直列に接続された半導体レーザ素子の各々のレーザ出射側端面に対して前記金属膜を成膜するとともに、それら直列に接続された半導体レーザ素子に通電することによって、前記酸化雰囲気中でのレーザ出射および該レーザ出射による前記金属膜の局所的な酸化処理をそれら半導体レーザ素子について同時に行うこととすれば、前記金属膜(コーティング膜)の成膜も複数の半導体レーザ素子について同時に行うことができるようになり、さらなる製造時間の短縮等が期待できるようになる。しかもここでは、上記積み重ねられた半導体レーザ素子の各素子間に導電性スペーサを設けるようにしているため、それら積み重ねられた半導体レーザ素子をリリースする時に懸念される上記金属膜(コーティング膜)の膜剥がれ等も好適に抑制されるようになる。
なお、請求項9〜13のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子の製造方法において、前記コーティング膜として設けられた金属膜の材料としては、請求項14に記載の発明によるように、AlおよびTiのいずれかを用いることが有効である。
前述したように、これらの金属材料、すなわちAl(アルミニウム)やTi(チタン)は、特に優れた伝熱性を有して且つ、酸化物として透光性(透明度)の高いものをもつ。このため、上記請求項1に記載の半導体レーザ素子などを実現する上では、こうした製造方法を採用することが特に有効である。
また、請求項9〜13のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子の製造方法において、前記コーティング膜として設けられた金属膜の材料としてAlを用いる場合には、請求項15に記載の発明によるように、前記透光性の膜をAl23からなるものとすることが有効である。
アルミニウム酸化物の中にあって上記Al23(アルミナ)が、安定して存在する酸化物であって且つ、透光性(透明度)も高いことは前述した通りである。すなわち、上記請求項1に記載の半導体レーザ素子などを実現する上では、こうした製造方法を採用することが特に有効である。
また一方、請求項9〜13のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子の製造方法において、前記コーティング膜として設けられた金属膜の材料としてTiを用いる場合には、請求項16に記載の発明によるように、前記透光性の膜をTiO2からなるものとすることが有効である。
チタン酸化物の中にあって上記TiO2(チタニア)が、安定して存在する酸化物であって且つ、透光性(透明度)も高いことは前述した通りである。すなわち、上記請求項1に記載の半導体レーザ素子などを実現する上では、こうした製造方法を採用することが特に有効である。
他方、請求項17に記載の発明では、半導体レーザ素子のレーザ出射側端面を保護するコーティング膜を形成する方法として、前記レーザ出射側端面のレーザ出射部近傍に前記コーティング膜として透光性の膜を選択的に成膜する工程と、前記レーザ出射側端面のレーザ出射部近傍以外の部分に、同じく前記コーティング膜として前記透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜を選択的に成膜する工程とを備えるようにする。すなわち、例えば適宜のマスクを用いて選択的な成膜を行ったり、あるいはレーザ出射側端面の全面に膜材を成膜した後、その成膜した膜材を選択的にエッチングしたりすることによって、レーザ出射側端面に上記各膜材を選択的に成膜する。このような製造方法も、上記請求項1に記載の構造などを実現する上で有効である。また、上記製造方法によれば、前記透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜や前記透光性の膜の材料が金属や該金属の酸化物に制限されるようなこともなくなり、その他の材料も適宜採用することができるようになるため、それら膜材の材料についての選択自由度(設計自由度)が増すようにもなる。なお、上記各工程は、順不同である。
また具体的には、請求項18に記載の発明によるように、前記透光性の膜を成膜する工程についてはこれを、前記レーザ出射側端面のレーザ出射部近傍を選択的に開口するようなマスクパターンのマスクを用いて行うようにするとともに、前記透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜を成膜する工程についてはこれを、前記レーザ出射側端面のレーザ出射部近傍を選択的に遮蔽するようなマスクパターンのマスクを用いて行うようにすることで、上記各膜材の成膜、すなわち前記透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜および前記透光性の膜についての成膜も適切に行われるようになる。
また、上記請求項17または18に記載の半導体レーザ素子の製造方法においては、例えば請求項19に記載の発明によるように、
・前記透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜の材料としてAlを採用するとともに、前記透光性の膜の材料としてAl23を採用する方法。
あるいは請求項20に記載の発明によるように、
・前記透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜の材料としてTiを採用するとともに、前記透光性の膜の材料としてTiO2を採用する方法。
等々を採用することが特に有効である。これは、前述したようにAl(アルミニウム)やTi(チタン)が優れた伝熱性を有し、またAl23(アルミナ)やTiO2(チタニア)が安定して存在する酸化物であって且つ透光性(透明度)も高いことによる。また、こうした方法を採用することとすれば、例えばスパッタリング法や蒸着法等によって前記透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜と前記透光性の膜との成膜をそれぞれ行う際に、例えばスパッタリング法のターゲットや蒸着法の蒸着原料等をそれら膜材の各成膜工程において互いに共用することもできるようになる。
(第1の実施の形態)
図1および図2に、この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法についてその第1の実施の形態を示す。
この実施の形態にかかる半導体レーザ素子も、先の図19に例示したレーザ素子と同様、レーザ出射側の素子端面にコーティング膜を有している。ただし、この実施の形態の半導体レーザ素子では、図1および図2に示すような構造とすることによって、レーザ出射側素子端面の反射率を容易に適宜の値に設計し得る構造を維持しながらも、素子温度の上昇に起因する素子劣化等が抑制されるようになっている。
まず、同図1および図2を参照して、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子の構造について詳述する。なお、図1はこの半導体レーザ素子のレーザ出射側端面の正面構造を主に示す斜視図、図2(a)はこの半導体レーザ素子の平面図、図2(b)は図2(a)のA−A’線に沿った断面図である。
同図1および図2に示すように、この半導体レーザ素子10も、半導体基板13上にレーザ光を生み出すpn接合部としての活性層(発光層)11を有している。そして、図示は割愛しているが、該活性層11と半導体基板13および半導体層12との間には、同活性層11を挟み込んで光やキャリアを閉じ込めるクラッド層(N型層およびP型層)がそれぞれ形成されている。さらに、上面にはストライプ状の開口を有する絶縁層14を介して上部電極15が、下面には下部電極16がそれぞれ設けられている。また、この半導体レーザ素子10においても、上部電極15からの電流(キャリア)通路は、絶縁層14によってストライプ形状に制限されている。これにより、上記活性層11内部のゲイン(反転分布)領域も同等なストライプ形状とされ、いわゆるゲイン・ガイド構造を実現している。さらに、絶縁層14や上部電極15の側端部には、上記活性層11を素子側面に露出させないようにメサ加工が施されている。
なお、上記活性層11、並びにクラッド層の材料には、例えばGaAs系、AlGaAs系、InP系、InGaAsP系、InGaAs系、AlGaInAs系の化合物半導体材料等が用いられる。また、上記絶縁層14の材料としてはSiO2を用いることが望ましいが、他に例えばSiNx、Al23、AlN等を用いても好適である。また、上記上部電極15の材料としてはCr/Pt/Auを用いることが望ましいが、他に例えばTi/Pt/Au等を用いても好適である。また一方、上記下部電極16の材料としてはAuGe/Ni/Auを用いることが望ましいが、他に例えばAuGe/Au等を用いても好適である。さらに、活性層11と同活性層11を挟み込んで形成するクラッド層との中間に、クラッド層よりも屈折率が低く活性層11よりも屈折率が高い材料からなる光ガイド層を設けることは、活性層で発生した光が素子内を伝播する際の光密度を適正にする効果があり好適である。また上部電極側のクラッド層の表面に、クラッド層より導電率が高いキャップ層を設けることも、上部電極と半導体表面の接触抵抗を低減する効果があり好適である。
また、この半導体レーザ素子10においてレーザ出射側の素子端面は、例えばAl(アルミニウム)からなる膜材CL11と例えばAl23(アルミナ)からなる透光性の膜材CL12とによってほぼ全面覆われており、これら各膜材が、同端面を保護するコーティング膜として機能するようになっている。すなわち、これら膜材CL11およびCL12により、素子端面に汚れが付いたり、あるいは同端面が酸化したりすることによって懸念されるレーザ特性の劣化等が抑制されるとともに、反射率を所定の値とする機能がある。またここで、上記膜材CL12は、レーザ出射側素子端面のレーザ出射部(発光スポット)近傍を局所的に覆う態様で形成されており、一方、上記膜材CL11は、レーザ出射側素子端面のレーザ出射部近傍以外の部分を覆う態様で形成されている。なお、上記膜材CL11の材料であるAlは、膜材CL12の材料であるAl23よりも高い熱伝導率をもつ。またAl23は、透光性を有するとともに絶縁性も有している。
また一方、この半導体レーザ素子10においてレーザ反射側の素子端面は、図2(a)および(b)に示すように、例えばAl23からなる誘電体膜17aと例えばa−Si(非晶質シリコン)からなる誘電体膜17bとが交互に積層された、いわば誘電体多層膜によってほぼ全面覆われている。これにより、同端面の反射率は、例えば「80%」以上に設定される。
このように、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子10においてレーザ出射側の素子端面に設けられたコーティング膜は、レーザ出射部(発光スポット)の近傍にて透光性を有する。これにより、同コーティング膜の膜厚をレーザ光の波長や屈折率等に対応する値に設定することによって、容易にレーザ出射側の素子端面の反射率を適宜の値に設計することができるようになる。しかも、同コーティング膜は、レーザ出射部近傍以外の部分が上記膜材CL11からなる。この膜材CL11が高い伝熱性(高い熱伝導率)をもっていることは上述した。このため、こうした構造とすることにより、同レーザ出射側の素子端面の放熱性は高められて、前述した素子温度の上昇に起因する素子劣化等も抑制されるようになる。
また、膜材CL11は数十乃至数百ナノメートルの膜厚であるため、導電性がある金属を材料として用いた場合にもシート抵抗が非常に高い。従って、電流が上部電極から下部電極へ活性層を経由せずに流れるいわゆるリーク電流は無視できる。さらに上記膜材CL12が絶縁性を有するAl23(アルミナ)からなることにより、同膜材CL12を通じてのリーク電流の発生(ショート)は好適に抑制されるようになる。すなわち、駆動電流が活性層11を通らずに流れるようなことも的確に防止もしくは抑制されるようになる。
次に、図3を参照して、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法について説明する。なお、図3(a)〜(d)も、先の図1と同様、このレーザ素子のレーザ出射側端面の正面構造を主に示す斜視図である。
この半導体レーザ素子の製造にあたっては、まず、図3(a)に示すように、半導体基板13の上に同基板13と同じ導電型を有するクラッド層、活性層11、半導体基板13と反対の導電型を有するクラッド層、および半導体層12を順に積層形成した後、上記絶縁層14および上部電極15、並びに下部電極16をそれぞれ形成する。そして、周知の劈開法により劈開して、レーザ出射側およびレーザ反射側の素子端面をそれぞれ得る。そしてレーザ反射側の素子端面には、例えば蒸着法やスパッタリング法等により、上記誘電体多層膜を成膜する。
次に、図3(b)に示すように、例えば蒸着法(電子ビーム蒸着法等)やスパッタリング法等により、上記レーザ出射側素子端面の略全面を覆う態様で、例えばAl(アルミニウム)からなる膜材CL11を成膜する。この際、同膜材CL11の膜厚は例えば「数十nm」とする。
そして、図3(c)に示すように、酸化雰囲気中で、電源装置BTを通じて上記上部電極15と下部電極16との間に電圧を印加することにより、当該半導体レーザ素子10に通電するとともに、同素子のレーザ出射側端面からレーザ光を出射させる。この際、膜材CL11の膜厚が例えば「数十nm」といった十分薄い値に設定されていることにより、当該膜材CL11を流れるようなリーク電流は無視できるほど小さくなり、供給された電流の大部分が素子内(活性層11)を流れることとなる。そして、当該半導体レーザ素子10のレーザ出射側端面に形成された膜材CL11は、その出射されたレーザ光を吸収して発熱し、レーザ出射部近傍にあたる部分が局所的に酸化される。これにより、図3(d)に示すように、レーザ出射側素子端面のレーザ出射部近傍のみを局所的に覆う態様で、膜材CL12が形成されることとなり、先の図1および図2に示した半導体レーザ素子10が完成する。ちなみに、上記膜材CL12が絶縁性を有するAl23(アルミナ)からなることにより、当該膜材CL12が形成された後においても、同膜材CL12を通じて流れるようなリーク電流は十分抑制されることとなる。
このように、この実施の形態にかかる製造方法では、半導体レーザ素子10によるレーザ出射を酸化雰囲気中で行うことによって、同素子のレーザ出射側端面にコーティング膜として設けられたAlからなる膜材CL11のレーザ出射部近傍にあたる部分を局所的に加熱し、同部分を酸化させてAl23からなる透光性の膜材CL12にするようにした。こうした製造方法によれば、先の図1および図2に示したような構造の半導体レーザ素子、すなわちレーザ出射部の近傍が局所的に透光性の膜からなって、他の部分がその透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜からなるコーティング膜を備える半導体レーザ素子などもより容易に実現することができるようになる。
以上説明したように、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法によれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(1)レーザ出射側の素子端面に設けられたコーティング膜を、同端面のレーザ出射部(発光スポット)の近傍を局所的に覆う例えばAl23(アルミナ)からなる透光性の膜材CL12と、同レーザ出射側端面の他の部分を覆って該膜材CL12よりも高い熱伝導率をもつ例えばAlからなる膜材CL11とにより構成されるものとした。これにより、レーザ出射側の素子端面の反射率を容易に適宜の値に設計し得る構造が維持されながらも、当該半導体レーザ素子のレーザ出射側端面の放熱性は高められることとなり、ひいては同半導体レーザ素子の温度上昇に起因する素子劣化の好適な抑制が図られるようになる。
(2)上記膜材CL11が金属からなるとともに、上記透光性の膜材CL12がその金属の酸化物からなる構造とした。これにより、レーザ出射側の素子端面に設けられた膜材CL11を局所的に酸化させることによって上記膜材CL12を容易に形成することができるようになり、ひいては上記(1)の効果が得られるような構造も容易に実現することができるようになる。
(3)上記膜材CL11の材料として、Al(アルミニウム)を用いるようにした。一般にAlは、優れた伝熱性を有して且つ、酸化物として透光性(透明度)の高いものをもつ。このため、上記膜材CL11の材料としてはAlが特に適している。
(4)上記膜材CL12を、Al23(アルミナ)からなるものとした。アルミニウム酸化物の中には、不安定な酸化物や透光性(透明度)の低いものもあるが、その中にあってAl23は、より安定して存在する酸化物であり、また透光性(透明度)も高い。このため、上記膜材CL12の材料としてはAl23が特に適している。
(5)また、Al23(アルミナ)は絶縁性も有するため、上記膜材CL12がAl23(アルミナ)からなることにより、同膜材CL12を通じてのリーク電流の発生(ショート)も好適に抑制されるようになる。すなわち、駆動電流が活性層11を通らずに流れるようなことも的確に防止もしくは抑制されるようになる。
(6)一方、レーザ出射側端面を保護するコーティング膜を形成する方法として、当該半導体レーザ素子によるレーザ出射を酸化雰囲気中で行うことによって、同半導体レーザ素子のレーザ出射側端面に設けられた膜材CL11のレーザ出射部近傍にあたる部分を局所的に加熱して酸化させ、この部分を透光性の膜材CL12にするようにした。こうした方法によってコーティング膜を形成することにより、膜材CL12(コーティング膜)の形成、ひいては当該半導体レーザ素子自体の製造を容易に行うことができるようになる。
(第2の実施の形態)
図4に、この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法についてその第2の実施の形態を示す。なお、この実施の形態の製造方法において製造の対象とする半導体レーザ素子も、基本的には先の図1および図2に示したような構造を有している。すなわち、ここで製造の対象とする半導体レーザ素子においても、レーザ出射側素子端面のレーザ出射部近傍は上記膜材CL12によって局所的に覆われており、また、同端面のレーザ出射部近傍以外の部分は上記膜材CL11によって覆われている。そして、これら各膜材が、同端面を保護するとともに、反射率を所定の値とするためのコーティング膜として機能するようになっている。
以下、図4を参照して、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法について詳述する。なお、同図4において、先の図1および図2に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
この製造に際しても、まずは、図4(a)に示すように、半導体基板13の上に同基板13と同じ導電型を有するクラッド層、活性層11、半導体基板13と反対の導電型を有するクラッド層、および半導体層12を順に積層形成した後、上記絶縁層14および上部電極15、並びに下部電極16をそれぞれ形成する。そして、周知の劈開法により劈開して、レーザ出射側およびレーザ反射側の素子端面をそれぞれ得る。そしてレーザ反射側の素子端面には、例えば蒸着法やスパッタリング法等により、上記誘電体多層膜を成膜する。
次に、図4(b)に示すように、例えば蒸着法やスパッタリング法等により、上記レーザ出射側素子端面の略全面を覆う態様で、例えばAl(アルミニウム)からなる膜材CL11を成膜する。
そして、図4(c)に示すように、酸化雰囲気中で、上記膜材CL11のレーザ出射部近傍にあたる部分に対して外部エネルギー源LDからのレーザ光を照射する。この際、レーザ照射を受けた部分はレーザ光を吸収することによって発熱するため、上記膜材CL11のレーザ出射部近傍にあたる部分が局所的に酸化される。これにより、レーザ出射側素子端面のレーザ出射部近傍を局所的に覆う態様で、例えばAl23(アルミナ)からなる膜材CL12が形成されることとなり、先の図1および図2に示したような半導体レーザ素子10が完成する。なお、上記外部エネルギー源LDとしては半導体レーザ、ガスレーザ、固体レーザ等のレーザ素子を用いることが望ましいが、他に例えば白色LED等の発光ダイオード(LED)や白熱ランプ等の白色光、各種ランプ等、他の光源、あるいは電子線、X線、マイクロ波等の電磁波、音波、超音波、熱等、様々な態様のエネルギーを用いても好適である。さらに、必要に応じて前述した光ガイド層、キャップ層を設けることは、より好ましい。
以上説明したように、この第2の実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法によっても、先の第1の実施の形態による前記(6)の効果と同様もしくはそれに準じた効果を得ることができる。
(第3の実施の形態)
図5に、この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法についてその第3の実施の形態を示す。なお、この実施の形態の製造方法において製造の対象とする半導体レーザ素子も、基本的には先の図1および図2に示したような構造を有している。
以下、図5を参照して、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法について詳述する。なお、図5(a)〜(c)は、先の図2(b)に対応する断面図である。また、図5(a’)〜(c’)は、これら図5(a)〜(c)のそれぞれに対応する正面図である。また、同図5において、先の図1および図2に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
この半導体レーザ素子の製造にあたっても、まずは、先の図3(a)に示したような工程を経て、レーザ出射側素子端面およびレーザ反射側素子端面をそれぞれ劈開面として得るとともに、例えば蒸着法やスパッタリング法等により、レーザ反射側素子端面に上記誘電体多層膜を成膜する。
次いで、図5(a)および(a’)に示すように、レーザ出射側端面のレーザ出射部(発光スポット)近傍を選択的に開口するようなマスクパターンのマスクMK1を用いて、例えば蒸着法やスパッタリング法等により、レーザ出射側素子端面のレーザ出射部近傍を局所的に覆う態様で、例えばAl23からなる膜材CL12を成膜する。なお、上記マスクMK1としてはメタルマスクを用いることが望ましいが、他に例えば樹脂マスクやフォトレジスト等を用いても好適である。
さらに図5(b)および(b’)に示すように、次は、逆にレーザ出射側端面のレーザ出射部近傍を選択的に遮蔽するようなマスクパターンのマスクMK2を用いて、例えば蒸着法やスパッタリング法等により、レーザ出射側素子端面のレーザ出射部近傍以外の部分を選択的に覆う態様で、例えばAlからなる膜材CL11を成膜する。なおこの際、上記膜材CL12の成膜工程において用いたターゲット(スパッタリング原料)や蒸着原料等を共用することもできる。こうして、図5(c)および(c’)に示すように、先の図1および図2に示したような半導体レーザ素子10が完成する。なお、上記マスクMK2としてはメタルマスクを用いることが望ましいが、他に例えば樹脂マスクやフォトレジスト等を用いても好適である。
以上説明したように、この第3の実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法によれば、先の第1の実施の形態による前記(6)の効果と同様もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(7)半導体レーザ素子のレーザ出射側端面を保護するコーティング膜を形成する方法として、レーザ出射側端面のレーザ出射部近傍を選択的に開口するようなマスクパターンのマスクMK1を用いて、同レーザ出射部近傍に上記膜材CL12を選択的に成膜する。次いで、同レーザ出射部近傍を選択的に遮蔽するようなマスクパターンのマスクMK2を用いて、レーザ出射側端面のレーザ出射部近傍以外の部分に上記膜材CL11を選択的に成膜するようにした。こうした製造方法によっても、先の図1および図2に示したような構造の半導体レーザ素子などをより容易に実現することができるようになる。しかも、上記製造方法によれば、上記膜材CL11やCL12の材料が金属や該金属の酸化物に制限されるようなこともなくなり、その他の材料も適宜採用することができるようになるため、それら膜材CL11およびCL12の材料についての選択自由度(設計自由度)が増すようになる。
(8)上記膜材CL11の材料としてAlを採用するとともに、上記膜材CL12の材料としてAl23を採用するようにした。これにより、例えばスパッタリング法や蒸着法等によって上記膜材CL11およびCL12の成膜をそれぞれ行う際に、例えばスパッタリング法のターゲットや蒸着法の蒸着原料等をそれら膜材の各成膜工程において互いに共用することもできるようになる。
(第4の実施の形態)
図6に、この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法についてその第4の実施の形態を示す。
以下、図6(a)を参照して、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子の構造について詳述する。なお、この図6(a)も、この半導体レーザ素子のレーザ出射側端面の正面構造を主に示す斜視図である。また、同図6(a)において、先の図1および図2に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
同図6(a)に示すように、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子は、先の図1および図2に示したような構造をもつ半導体レーザ素子10が、例えばCu(銅)等の高熱伝導率材料からなる台座(ヒートシンク・ステム)MT1にハンダHD1を介して接合(ダイ・ボンディング)された構造をとる。また、上記上部電極15には、例えばAu(金)等からなるワイヤWEが打たれ(ワイヤ・ボンディング)、一方、上記台座MT1は接地される。なお、ここに示す半導体レーザ素子は、活性層(発光層)11を台座MT1と離間する側(図6の上方)にもって上記台座MT1に接合される、いわゆる「Junction Up Mount」型のレーザ素子である。
また、上記台座MT1の材料としてはCuを用いることが望ましいが、他に例えばFe(鉄)やCuW等を用いても好適であるし、必要に応じて金メッキ等の表面処理を施すことも好適である。また一方、上記ハンダHD1の材料としてはAuSnを用いることが望ましいが、他に例えばAuSi、SnPb、In等を用いても好適である。
そして、半導体レーザ素子としての上記構造によれば、上記台座MT1の熱放散作用によって当該半導体レーザ素子の放熱性がいっそう高められることとなる。このため、前述した素子温度の上昇に起因する素子劣化等もいっそう抑制されるようになる。
また、上記半導体レーザ素子は、図6(b)に示されるような構造にすることもできる。ここに示す半導体レーザ素子は、活性層(発光層)11を台座MT1と接する側(図6の下方)にもって上記台座MT1に接合される、いわゆる「Junction Down Mount」型の半導体レーザ素子である。そして同図6(b)に示されるように、この半導体レーザ素子では下部電極16に上記ワイヤWEが打たれることとなる。こうした構造にすることで、上記活性層11と台座MT1との距離は近くなり、上記台座MT1の熱放散効果がさらに高められることとなる。このため、同構造によれば、当該半導体レーザ素子の放熱性のさらなる向上が期待できるようになる。
次に、図7(a)を参照して、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法について説明する。なお、この図7(a)は、先の図3(c)に対応する斜視図である。
すなわち、この半導体レーザ素子の製造においても、先の図3(a)および(b)に示したような工程を経る。そして、図7(a)に示すように、上記ワイヤWEと電気的に接続された電源装置BTを通じて上記上部電極15と台座MT1との間に電圧を印加することにより、酸化雰囲気中におかれた半導体レーザ素子10に通電してレーザ光を出射させる。そしてこの際、当該半導体レーザ素子10のレーザ出射側端面に形成された例えばAlからなる膜材CL11は、その出射されたレーザ光を吸収して発熱し、レーザ出射部近傍にあたる部分が局所的に酸化される。これにより、レーザ出射側素子端面のレーザ出射部近傍のみを局所的に覆う態様で例えばAl23からなる膜材CL12が形成されるとともに、先の図6(a)に示した半導体レーザ素子が完成する。
また、図6(b)に示した半導体レーザ素子も、これと同様の製造方法によって製造することができる。すなわち、先の図3(a)および(b)に示したような工程を経た後、図7(b)に示すように、上記ワイヤWEと電気的に接続された電源装置BTを通じて上記上部電極15と台座MT1との間に電圧を印加することにより、酸化雰囲気中におかれた半導体レーザ素子10に通電してレーザ光を出射させる。これにより、レーザ出射側素子端面のレーザ出射部近傍のみを局所的に覆う態様で膜材CL12が形成されるとともに、先の図6(b)に示した半導体レーザ素子が完成する。
以上説明したように、この第4の実施の形態にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法によれば、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(6)の効果と同様もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(9)半導体レーザ素子10が台座(ヒートシンク・ステム)MT1にハンダ接合(ダイ・ボンディング)された構造とした。こうした構造によれば、上記台座MT1の熱放散作用によって当該半導体レーザ素子の放熱性がいっそう高められることとなる。このため、前述した素子温度の上昇に起因する素子劣化等もいっそう抑制されるようになる。
(第5の実施の形態)
図8に、この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法についてその第5の実施の形態を示す。
以下、図8(a)を参照して、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子の構造について詳述する。なお、この図8(a)において符号21〜26、CL21、CL22にて示される各要素は、先の図1において符号11〜16、CL11、CL12にて示した各要素に対応するものである。ここでは、これら各要素の重複する説明は割愛する。
同図8(a)に示すように、この半導体レーザ素子20は、基本的には、先の図1に示した半導体レーザ素子10と同様の構造をもつ半導体レーザ素子がアレイ化された構造をとる。そして、この半導体レーザ素子20において活性層21は、絶縁層24や上部電極25がメサ加工されることより、発光点(レーザ出射部)毎に分割されている。また、レーザ出射側の素子端面は、例えばAl(アルミニウム)からなる膜材CL21と例えばAl23(アルミナ)からなる透光性の膜材CL22とによってほぼ全面覆われており、これら各膜材が、同端面を保護するとともに、反射率を所定の値とするためのコーティング膜として機能するようになっている。またここでも、上記膜材CL22は、レーザ出射側素子端面の各レーザ出射部の近傍を局所的に覆う態様で形成されており、一方、上記膜材CL21は、それらレーザ出射部の近傍以外の部分を覆う態様で形成されている。
このような半導体レーザ素子20では、アレイ化されることによって発光点(発光スポット)の数が増すため、大出力の発光(レーザ出射)が可能になる。またこの半導体レーザ素子20においても、レーザ出射側の素子端面に設けられたコーティング膜は、各レーザ出射部の近傍にて透光性を有する。これにより、同コーティング膜の膜厚をレーザ光の波長や屈折率等に対応する値に設定することによって、容易にレーザ出射側の素子端面の反射率を適宜の値に設計することができるようになる。しかも、同コーティング膜は、それらレーザ出射部の近傍以外の部分が上記膜材CL21からなる。この膜材CL21が高い伝熱性(高い熱伝導率)をもっていることは上述した。このため、こうした構造とすることにより、同レーザ出射側の素子端面の放熱性が高められて、前述した素子温度の上昇に起因する素子劣化等も抑制されるようになる。
次に、図8(b)を参照して、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法について説明する。なお、この図8(b)も、先の図3(c)に対応する斜視図である。
すなわち、この半導体レーザ素子の製造においても、先の図3(a)および(b)に示したような工程を経る。そして、図8(b)に示すように、電源装置BTを通じて上記上部電極15と台座MT1との間に電圧を印加することにより、酸化雰囲気中におかれた半導体レーザ素子20に通電してレーザ光を出射させる。そしてこの際、当該半導体レーザ素子20のレーザ出射側端面に形成された例えばAlからなる膜材CL21は、その出射されたレーザ光を吸収して発熱し、各レーザ出射部の近傍にあたる部分がそれぞれ局所的に酸化される。これにより、レーザ出射側素子端面の各レーザ出射部近傍のみを局所的に覆う態様で例えばAl23からなる膜材CL22が形成されるとともに、先の図8(a)に示した半導体レーザ素子が完成する。
以上説明したように、この第5の実施の形態にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法によれば、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(6)の効果と同様もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(10)先の図1に示した半導体レーザ素子10と同様の構造をもつ半導体レーザ素子がアレイ化された構造とした。これにより、大出力の発光(レーザ出射)が可能になる。
(第6の実施の形態)
図9に、この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法についてその第6の実施の形態を示す。
以下、図9(a)を参照して、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子の構造について詳述する。なお、この図9(a)も、この半導体レーザ素子のレーザ出射側端面の正面構造を主に示す斜視図である。また、同図9(a)において、先の図8(a)に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
同図9(a)に示すように、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子は、先の図8(a)に示したような構造をもつ半導体レーザ素子20が、例えばCu(銅)等の高い熱伝導率を有する材料からなる台座(ヒートシンク・ステム)MT2にハンダHD2を介して接合(ダイ・ボンディング)された構造をとる。また、上部電極25には、例えばCu(銅)箔等からなる取出し電極ETが設けられ、一方、台座MT2は接地される。なお、ここに示す半導体レーザ素子は、活性層(発光層)21を台座MT2と離間する側(図9の左方)にもって上記台座MT2に接合される、いわゆる「Junction Up Mount」型の半導体レーザ素子である。
また、上記台座MT2の材料としてはCuを用いることが望ましいが、他に例えばFe(鉄)やCuW等を用いても好適であるし、必要に応じて金メッキ等の表面処理を施すことも好適である。また、上記ハンダHD2の材料としてはAuSnを用いることが望ましいが、他に例えばAuSi、SnPb、In等を用いても好適である。また一方、上記取出し電極ETの材料としてはCu箔を用いることが望ましいが、他に例えばCuW等の金属箔やフレキシブル電極等を用いても好適である。
そして、半導体レーザ素子としての上記構造によれば、上記台座MT2の熱放散作用によって当該半導体レーザ素子の放熱性がいっそう高められることとなる。このため、前述した素子温度の上昇に起因する素子劣化等もいっそう抑制されるようになる。
また、上記半導体レーザ素子は、図9(b)に示されるような構造にすることもできる。ここに示す半導体レーザ素子は、活性層(発光層)21を台座MT2と接する側(図9の右方)にもって上記台座MT2に接合される、いわゆる「Junction Down Mount」型の半導体レーザ素子である。そして同図9(b)に示されるように、この半導体レーザ素子では下部電極26に上記取出し電極ETが設けられることとなる。こうした構造にすることで、上記活性層21と台座MT2との距離は近くなり、上記台座MT2の熱放散効果がさらに高められることとなる。このため、同構造によれば、当該半導体レーザ素子の放熱性のさらなる向上が期待できるようになる。
次に、図10(a)を参照して、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法について説明する。なお、この図10(a)も、先の図3(c)に対応する斜視図である。
すなわち、この半導体レーザ素子の製造においても、先の図3(a)および(b)に示したような工程を経る。そして、図10(a)に示すように、上記取出し電極ETと電気的に接続された電源装置BTを通じて上記上部電極25と台座MT2との間に電圧を印加することにより、酸化雰囲気中におかれた半導体レーザ素子20に通電してレーザ光を出射させる。そしてこの際、当該半導体レーザ素子20のレーザ出射側端面に形成された例えばAlからなる膜材CL21は、その出射されたレーザ光を吸収して発熱し、各レーザ出射部の近傍にあたる部分がそれぞれ局所的に酸化される。これにより、それらレーザ出射部の近傍のみを局所的に覆う態様で例えばAl23からなる膜材CL22が形成されるとともに、先の図9(a)に示した半導体レーザ素子が完成する。
また、図9(b)に示した半導体レーザ素子も、これと同様の製造方法によって製造することができる。すなわち、先の図3(a)および(b)に示したような工程を経た後、図9(b)に示すように、上記取出し電極ETと電気的に接続された電源装置BTを通じて上記上部電極25と台座MT2との間に電圧を印加することにより、酸化雰囲気中におかれた半導体レーザ素子20に通電してレーザ光を出射させる。これにより、レーザ出射側素子端面の各レーザ出射部の近傍のみを局所的に覆う態様で膜材CL22が形成されるとともに、先の図9(b)に示した半導体レーザ素子が完成する。
以上説明したように、この第6の実施の形態にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法によっても、先の第1もしくは第4もしくは第5の実施の形態による前記(1)〜(6)および(9)および(10)の効果と同様もしくはそれに準じた効果を得ることができる。
(第7の実施の形態)
図11に、この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法についてその第7の実施の形態を示す。なお、この実施の形態の製造方法において製造の対象とする半導体レーザ素子も、基本的には先の図8(a)に示したような構造を有している。すなわち、ここで製造の対象とする半導体レーザ素子も、基本的には、先の図1に示した半導体レーザ素子10と同様の構造をもつ半導体レーザ素子がアレイ化された構造をとる。
以下、図11を参照して、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法について詳述する。なお、この図11において、先の図8(a)に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。またこの図11も、先の図3(c)に対応する斜視図である。
すなわち、この半導体レーザ素子の製造においても、先の図3(a)および(b)に示したような工程を経る。そして、図11に示すように、先の図8(a)に示した半導体レーザ素子20と同様の構造をもつ半導体レーザ素子20a〜20dを、それら半導体レーザ素子の電極を介して積み重ねることによって電気的に直列に接続する。次いで、電源装置BTを通じて半導体レーザ素子20dの上部電極と半導体レーザ素子20aの下部電極との間に電圧を印加することにより、それら直列に接続された半導体レーザ素子20a〜20dに通電する。これにより、前述した酸化雰囲気中でのレーザ出射や該レーザ出射による膜材CL21の局所的な酸化が、それら半導体レーザ素子20a〜20dについて同時に行われるようになる。すなわちこうした製造方法によれば、複数の半導体レーザ素子について同時に膜材CL22の形成が行われるようになり、半導体レーザ素子を量産する場合であれ、製造時間の短縮等が図られるようになる。
なお、ここでは膜材CL22の形成後に上記アレイ構造をとる複数の半導体レーザ素子20a〜20dをリリースして、それぞれをアレイ型の半導体レーザ素子として用いることを想定しているが、それら半導体レーザ素子20a〜20dをリリースせずに、そのままスタック型の半導体レーザ素子として用いることも可能である。
以上説明したように、この第7の実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法によれば、先の第1の実施の形態による前記(6)の効果と同様もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(11)半導体レーザ素子のレーザ出射側端面を保護するコーティング膜を形成する方法として、複数の半導体レーザ素子20a〜20dを、それら半導体レーザ素子の電極を介して積み重ねることによって電気的に直列に接続する。そして、それら半導体レーザ素子20a〜20dに通電することによって、前述した酸化雰囲気中でのレーザ出射および該レーザ出射による膜材CL21の局所的な酸化をそれら半導体レーザ素子について同時に行うようにした。こうした製造方法によれば、複数の半導体レーザ素子について同時に膜材CL22の形成が行われるようになり、半導体レーザ素子を量産する場合であれ、製造時間の短縮等が図られるようになる。
(第8の実施の形態)
図12に、この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法についてその第8の実施の形態を示す。なお、この実施の形態の製造方法において製造の対象とする半導体レーザ素子も、基本的には先の図8(a)に示したような構造を有している。すなわち、ここで製造の対象とする半導体レーザ素子も、基本的には、先の図1に示した半導体レーザ素子10と同様の構造をもつ半導体レーザ素子がアレイ化された構造をとる。
以下、図12を参照して、この実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法について詳述する。なお、この図12において、先の図8(a)に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。またこの図12も、先の図3(c)に対応する斜視図である。
すなわち、この半導体レーザ素子の製造においても、先の図3(a)および(b)に示したような工程を経る。ただし、この実施の形態において膜材CL21の形成は、先の図8(a)に示した半導体レーザ素子20と同様の構造をもつ半導体レーザ素子20a〜20cが、それら半導体レーザ素子の電極と該電極間に設けられた適宜の導体からなる導電性スペーサSPとを介して積み重ねられることによって電気的に直列に接続された状態で行われる。
こうして半導体レーザ素子20a〜20cの各々のレーザ出射側端面に上記膜材CL21が成膜されると、次に、図12に示すように、電源装置BTを通じて半導体レーザ素子20dの上部電極と半導体レーザ素子20aの下部電極との間に電圧を印加することにより、それら直列に接続された半導体レーザ素子20a〜20cに通電する。これにより、前述した酸化雰囲気中でのレーザ出射や該レーザ出射による膜材CL21の局所的な酸化が、それら半導体レーザ素子20a〜20cについて同時に行われるようになる。すなわち、こうした製造方法によっても、複数の半導体レーザ素子について同時に膜材CL22の形成が行われるようになり、半導体レーザ素子を量産する場合であれ、製造時間の短縮等が図られるようになる。またさらに、この実施の形態にかかる製造方法によれば、膜材CL21(コーティング膜)の成膜も複数の半導体レーザ素子について同時に行うことができるようになり、さらなる製造時間の短縮等も期待できるようになる。しかもここでは、上記積み重ねられた半導体レーザ素子20a〜20cの各素子間に導電性スペーサSPを設けるようにしているため、それら半導体レーザ素子20a〜20cのリリース時に、上記導電性スペーサSPによって膜材CL21が段切れされるようになり、上記膜材CL21の膜剥がれ等も好適に抑制されるようになる。ちなみに、上記導電性スペーサSPによる膜材CL21の段切りは、導電性スペーサSPの幅を半導体レーザ素子よりも十分狭く設定することで、よりスムーズに行われるようになる。
以上説明したように、この第8の実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法によれば、先の第1の実施の形態による前記(6)の効果と同様もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(12)複数の半導体レーザ素子20a〜20cが、それら半導体レーザ素子の電極と該電極間に設けられた導電性スペーサSPとを介して積み重ねられることによって電気的に直列に接続された状態で、それら半導体レーザ素子20a〜20cの各々のレーザ出射側端面に対して上記膜材CL21を成膜する。次いで、それら直列に接続された半導体レーザ素子20a〜20cに通電することによって、前述した酸化雰囲気中でのレーザ出射および該レーザ出射による膜材CL21の局所的な酸化をそれら半導体レーザ素子について同時に行ってコーティング膜を形成するようにした。こうした製造方法によれば、上記膜材CL21(コーティング膜)の成膜も複数の半導体レーザ素子について同時に行うことができるようになり、さらなる製造時間の短縮等も期待できるようになる。しかもここでは、上記積み重ねられた半導体レーザ素子20a〜20cの各素子間に導電性スペーサSPを設けるようにしているため、それら半導体レーザ素子20a〜20cをリリースする時に懸念される上記膜材CL21の膜剥がれ等も好適に抑制されるようになる。
(他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下の態様をもって実施することもできる。
・上記第1の実施の形態にかかる半導体レーザ素子において、上記コーティング膜としての膜材CL11およびCL12についてはこれを、例えば図13に示すように、例えばAl23(アルミナ)からなる透光性の絶縁膜ILを介してレーザ出射側の素子端面に形成されたものとしてもよい。なお、この図13において、図13(a)は先の図2(a)に対応する平面図、図13(b)は図13(a)のA−A’線に沿った断面図である。そして、こうした構造によれば、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(5)の効果と同様もしくはそれに準じた効果が得られるとともにさらに、当該コーティング膜(より正確には膜材CL12)を通じてのリーク電流の発生(ショート)がより確実に抑制されるようになる。すなわち、駆動電流が活性層を通らずに流れるようなことも的確に防止もしくは抑制されるようになる。またここでは、上記絶縁膜ILと上記膜材CL12とのいずれの材料としてもAl23(アルミナ)を用いるようにしている。このように、これら膜材の材料として同一材料を用いるようにすることで、これら膜材の間でのヤング率や熱膨張係数等の差異は最小限に抑えられることとなり、ひいてはこれら膜材に印加される応力も緩和されるようになる。すなわち、それら膜材についての応力印加に伴う歪み等も好適に抑制されることとなる。なお、このような半導体レーザ素子においては、上記絶縁膜ILと上記膜材CL12との双方の膜厚がレーザ出射側素子端面の反射率の値に寄与するようになる。
・上記第1の実施の形態においては、絶縁層14や上部電極15にメサ加工が施された半導体レーザ素子について言及したが、こうした半導体レーザ素子に限られることなく、例えば図14に示すようなメサ加工の施されていない半導体レーザ素子に対しても、この発明は同様に適用することができる。
・上記第4の実施の形態においては、半導体レーザ素子10が台座(ヒートシンク・ステム)MT1にハンダ接合(ダイ・ボンディング)された構造(図6(a)あるいは(b))とすることにより、半導体レーザ素子の放熱性を高めるようにした。しかし、こうした構造に限られることなく、例えば図15(a)あるいは(b)に示すような構造にしてもよい。
すなわち、例えば図15(a)に示すように、この半導体レーザ素子は、半導体レーザ素子10(図1および図2参照)と台座(ヒートシンク・ステム)MT1との間にサブマウントSMTが挿入された構造をとる。具体的には、このサブマウントSMTは上部電極15aおよび下部電極16aを有し、これら上部電極15aおよび下部電極16aが、それぞれハンダHD1およびHD1aを介して上記半導体レーザ素子10および台座MT1と接合される。なお、上記サブマウントSMTは、半導体レーザ素子の放熱性を高めたり、抵抗を調節したりするために用いられる。このため、用途によって使用される材料も異なる。例えば、放熱性を高めるために用いる場合には、Cuを用いることが望ましく、他に、例えばFe(鉄)やCuW等の金属材料、あるいはダイヤモンド、AlN、Al23等の絶縁材料の表面にメタライズ処理を施したもの等を用いても好適である。一方、抵抗を調節するために用いる場合には、GaAsを用いることが望ましく、他に例えばSiCやSi等の半導体材料を用いても好適である。また、上記サブマウントSMTの上部電極15aの材料としてはCr/Pt/Auを用いることが望ましいが、他に例えばTi/Pt/AuやAu等を用いても好適である。また一方、上記サブマウントSMTの下部電極16aの材料としてはAuGe/Ni/Auを用いることが望ましいが、他に例えばAuGe/AuやAu等を用いても好適である。そして、上記ハンダHD1aの材料としてはAuSnを用いることが望ましいが、他に例えばAuSi、SnPb、In等を用いても好適である。
こうしたサブマウントSMTが付加された構造によれば、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(5)の効果と同様もしくはそれに準じた効果が得られるとともにさらに、該サブマウントSMTを通じて、半導体レーザ素子の放熱性がさらに高められたり、抵抗調節機能が付加されたりするようになる。具体的には、当該サブマウントSMTの材料として例えばSiC等の伝熱性に優れる材料を用いることとすれば、半導体レーザ素子の放熱性は高められるようになる。また一方、同サブマウントSMTの材料として例えばGaAs等の半導体材料を用いることとすれば、半導体レーザ素子の直列抵抗の調節が可能になり、ひいてはビーム整形等を行うことも可能になる。また、ここでは「Junction Up Mount」型の半導体レーザ素子について言及したが、例えば図15(b)に示すように、「Junction Down Mount」型の半導体レーザ素子に対して上記サブマウントSMTが付加された構造としてもよい。
・上記第5もしくは第6の実施の形態においては、絶縁層24や上部電極25にメサ加工が施されることにより、活性層21が発光点(レーザ出射部)毎に分割された構造(図8(a)もしくは図9(a)もしくは図9(b))とした。しかし、こうした構造に限られることなく、例えば図16もしくは図17(a)もしくは図17(b)に示すような構造にしてもよい。すなわち、活性層21が発光点(レーザ出射部)毎に分割されない程度のメサ加工が施された半導体レーザ素子についても、この発明は同様に適用することができる。また、こうした構造によれば、導波モードを利得導波型に固定することができるようになる。
・上記第1もしくは第4〜第6の実施の形態においては、上記膜材CL11の材料としてAl(アルミニウム)を用いるようにしたが、これに限られることなく、例えばTi(チタン)を用いるようにしてもよい。こうした場合も、例えば先の第1の実施の形態による前記(3)の効果と同様もしくはそれに準じた効果などは得ることができる。また、この膜材CL11の材料としては、AlやTi以外の金属なども適宜採用することができる。要するにこの膜材CL11の材料は、上記膜材CL12よりも熱伝導率の高いものであれば足り、その範囲で任意に選択することができる。
・上記第1もしくは第4〜第6の実施の形態に例示した半導体レーザ素子では、上記膜材CL12がAl23(アルミナ)からなる構造としたが、こうした構造には限られない。例えば、同膜材CL12がTiO2(チタニア)からなる構造としてもよい。こうした構造によっても、例えば先の第1の実施の形態による前記(4)および(5)の効果と同様もしくはそれに準じた効果などは得ることができる。ちなみにこのTiO2は、熱伝導率ではAl23に劣る(低い)ものの、屈折率がAl23よりも高いため、同等の反射率を得るために必要な膜厚がAl23よりも薄くて済むといった特長をもつ。また、上記膜材CL11が金属からなる場合は、膜材CL12がその金属の酸化物からなる構造であれば、少なくとも例えば先の第1の実施の形態による前記(2)の効果と同様もしくはそれに準じた効果などは得られる。さらに、この膜材CL12がAl23やTiO2以外の金属酸化物からなる構造なども適宜採用することができ、例えば同膜材CL12が絶縁性を有する場合には、先の第1の実施の形態による前記(5)の効果と同様もしくはそれに準じた効果は得られるようになる。要するにこの膜材CL12の材質は、当該膜材CL12に透光性をもたせるものであれば足り、その範囲で任意に選択することができる。
・上記第1もしくは第4〜第6の実施の形態にかかる半導体レーザ素子は、同素子のレーザ出射側端面に設けられたコーティング膜が、レーザ出射部の近傍に局所的に透光性の膜をもって、他の部分にその透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜をもつものである範囲で、任意に構造を変更することができる。
・上記第1もしく第2もしくは第4〜第8の実施の形態に例示した製造方法においては、上記膜材CL11の材料としてAl(アルミニウム)を用いるようにしたが、これに限られることなく、例えばTi(チタン)を用いるようにしてもよい。こうした製造方法によっても、例えば先の第1の実施の形態による前記(3)の効果と同様もしくはそれに準じた効果などは得ることができる。またAlやTi以外の金属を、この膜材CL11の材料として用いるようにしてもよい。
・上記第1もしく第2もしくは第4〜第8の実施の形態に例示した製造方法においては、上記膜材CL12をAl23(アルミナ)からなるものとしたが、こうした製造方法には限られない。例えば、同膜材CL12をTiO2(チタニア)からなるものとするようにしてもよい。こうした製造方法によっても、例えば先の第1の実施の形態による前記(4)の効果と同様もしくはそれに準じた効果などは得ることができる。またこの膜材CL11を、Al23やTiO2以外の金属酸化物からなるものとしてもよい。
・上記第1もしくは第2もしくは第4〜第8の実施の形態に例示した製造方法は、レーザ出射側端面にコーティング膜として設けられた金属膜を酸化雰囲気中で局所的に加熱することによって、同金属膜のレーザ出射部近傍にあたる部分を局所的に酸化させて透光性の膜にする方法である範囲で任意に変更することができる。例えば金属膜の加熱方法も、外部エネルギー源からの電磁波や電子線等を用いる方法に限られることなく任意である。
・上記第3の実施の形態に例示した製造方法においては、上記膜材CL11よりも先に上記膜材CL12を成膜するようにしたが、この成膜順序は任意であり、上記膜材CL11を成膜した後に上記膜材CL12を成膜するようにしてもよい。
・上記第3の実施の形態に例示した製造方法では、上記膜材CL11の材料としてAl(アルミニウム)を採用するとともに、上記膜材CL12の材料としてAl23(アルミナ)を採用するようにした。しかしこれに限られることなく、例えば、上記膜材CL11の材料としてTi(チタン)を採用するとともに、上記膜材CL12の材料としてTiO2(チタニア)を採用するようにしてもよい。こうした製造方法によっても、先の第3の実施の形態による前記(8)の効果と同様もしくはそれに準じた効果は得られるようになる。また、金属以外の材料を上記膜材CL11の材料として用いたり、金属酸化物以外の材料を上記膜材CL12の材料として用いたりすることもできることは前述した通りである。
・上記第3の実施の形態に例示した半導体レーザ素子の製造方法は、
(イ)半導体レーザ素子のレーザ出射側端面のレーザ出射部近傍にコーティング膜として透光性の膜を選択的に成膜する工程。
(ロ)同レーザ出射側端面のレーザ出射部近傍以外の部分に、同じくコーティング膜として上記透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜を選択的に成膜する工程。
といった2つの工程を備える方法であれば、その範囲で任意に変更することができる。例えば、レーザ出射側端面の全面に膜材を成膜した後、その成膜した膜材を選択的にエッチングしたりすることによって、レーザ出射側端面に上記各膜材を選択的に成膜するようにしてもよい。
・上記第2もしくは第3の実施の形態においては、図1および図2に示したような半導体レーザ素子を製造の対象としたが、第2もしくは第3の実施の形態にかかる製造方法についてはこれを、例えば図8(a)に示したようなアレイ構造の半導体レーザ素子に対しても適用することができる。図18に、先の図8(a)に示した半導体レーザ素子20に対して上記第2の実施の形態にかかる製造方法を適用した一例を示す。ここでは、活性層21の発光点(レーザ出射部)毎に外部エネルギー源LDを設けて、これら外部エネルギー源LDからのレーザ光等の電磁波、電子線、超音波、もしくは熱等のエネルギーを酸化雰囲気中で膜材CL11に対して照射することによって、同膜材CL11の各レーザ出射部の近傍にあたる部分を局所的に加熱して酸化させるようにしている。
・一方、上記第7もしくは第8の実施の形態においては、図8(a)に示したようなアレイ構造の半導体レーザ素子を製造の対象としたが、第7もしくは第8の実施の形態にかかる製造方法についてはこれを、例えば図1および図2に示したようなアレイ構造をとらない半導体レーザ素子に対しても適用することができる。
・上記各実施の形態においては、ゲイン・ガイド構造をとる半導体レーザ素子について言及したが、こうした構造に限られることなく、この発明が適用される半導体レーザ素子自体の構造は任意である。すなわち、例えばインデックス・ガイド構造をとる半導体レーザ素子などに対してもこの発明は同様に適用することができる。
この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法の第1の実施の形態についてその半導体レーザ素子の概略構造を模式的に示す斜視図。 同第1の実施の形態にかかる半導体レーザ素子について、(a)はその半導体レーザ素子の平面構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のA−A’線に沿った断面図。 同第1の実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法について、(a)〜(d)はその製造プロセスを示す斜視図。 この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法の第2の実施の形態について、(a)〜(c)はその半導体レーザ素子の製造プロセスを示す斜視図。 この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法の第3の実施の形態について、(a)〜(c)はその半導体レーザ素子の製造プロセスを示す断面図、(a’)〜(c’)は(a)〜(c)に対応する正面図。 この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法の第4の実施の形態について、(a)および(b)はその半導体レーザ素子の概略構造を模式的に示す斜視図。 同第4の実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法について、(a)および(b)はその製造プロセスを示す斜視図。 この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法の第5の実施の形態について、(a)はその半導体レーザ素子の概略構造を模式的に示す斜視図、(b)はその製造プロセスを示す斜視図。 この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法の第6の実施の形態について、(a)および(b)はその半導体レーザ素子の概略構造を模式的に示す斜視図。 同第6の実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法について、(a)および(b)はその製造プロセスを示す斜視図。 この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法の第7の実施の形態についてその半導体レーザ素子の製造プロセスを示す斜視図。 この発明にかかる半導体レーザ素子およびその製造方法の第8の実施の形態についてその半導体レーザ素子の製造プロセスを示す斜視図。 上記第1の実施の形態にかかる半導体レーザ素子の変形例について、(a)はその半導体レーザ素子の平面構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のA−A’線に沿った断面図。 上記第1の実施の形態にかかる半導体レーザ素子の変形例について、その半導体レーザ素子の概略構造を模式的に示す斜視図。 上記第4の実施の形態にかかる半導体レーザ素子の変形例について、(a)および(b)はその半導体レーザ素子の概略構造を模式的に示す斜視図。 上記第5の実施の形態にかかる半導体レーザ素子の変形例について、その半導体レーザ素子の概略構造を模式的に示す斜視図。 上記第6の実施の形態にかかる半導体レーザ素子の変形例について、(a)および(b)はその半導体レーザ素子の概略構造を模式的に示す斜視図。 上記第2の実施の形態にかかる半導体レーザ素子の製造方法の変形例について、その製造プロセスを示す斜視図。 従来の半導体レーザ素子の一例について、その半導体レーザ素子の概略構造を模式的に示す斜視図。 従来の半導体レーザ素子の製造方法について、(a)および(b)はその製造プロセス例を示す斜視図。
符号の説明
10、20、20a〜20d…半導体レーザ素子、11、21…活性層、12、22…半導体層、13、23…半導体基板、14、24…絶縁層、15、25…上部電極、16、26…下部電極、17a、17b…誘電体膜、CL11、CL12、CL21、CL22…膜材(コーティング膜)、IL…絶縁膜、LD…外部エネルギー源、MK1、MK2…マスク、SP…導電性スペーサ。

Claims (20)

  1. レーザ出射側の素子端面にコーティング膜を備える半導体レーザ素子において、前記コーティング膜は、レーザ出射部の近傍が局所的に透光性の膜からなって、他の部分がその透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜からなる
    ことを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 前記コーティング膜としての透光性の膜は、絶縁性を有する
    請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  3. 前記透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜は金属からなり、前記透光性の膜はその金属の酸化物からなる
    請求項1または2に記載の半導体レーザ素子。
  4. 前記金属は、AlおよびTiのいずれかである
    請求項3に記載の半導体レーザ素子。
  5. 前記金属はAlであり、前記透光性の膜はAl23からなる
    請求項3に記載の半導体レーザ素子。
  6. 前記金属はTiであり、前記透光性の膜はTiO2からなる
    請求項3に記載の半導体レーザ素子。
  7. 前記コーティング膜は、透光性の絶縁膜を介して前記レーザ出射側の素子端面に形成されてなる
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子。
  8. 前記コーティング膜としての透光性の膜と前記透光性の絶縁膜とは、同一の材料からなる
    請求項7に記載の半導体レーザ素子。
  9. 半導体レーザ素子のレーザ出射側端面を保護するコーティング膜を形成する方法であって、
    前記レーザ出射側端面に前記コーティング膜として設けられた金属膜を酸化雰囲気中で局所的に加熱することによって、同金属膜のレーザ出射部近傍にあたる部分を局所的に酸化させて透光性の膜にする
    ことを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
  10. 当該半導体レーザ素子によるレーザ出射を酸化雰囲気中で行うことによって、前記金属膜のレーザ出射部近傍にあたる部分を局所的に加熱して酸化させる
    請求項9に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  11. 外部エネルギー源からのエネルギーを酸化雰囲気中で前記金属膜に対して照射することによって、同金属膜のレーザ出射部近傍にあたる部分を局所的に加熱して酸化させる
    請求項9に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  12. 複数の半導体レーザ素子を、それら半導体レーザ素子の電極を介して積み重ねることによって電気的に直列に接続するとともに、それら直列に接続された半導体レーザ素子に通電することによって、前記酸化雰囲気中でのレーザ出射および該レーザ出射による前記金属膜の局所的な酸化処理をそれら半導体レーザ素子について同時に行う
    請求項10に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  13. 複数の半導体レーザ素子が、それら半導体レーザ素子の電極と該電極間に設けられた導電性スペーサとを介して積み重ねられることによって電気的に直列に接続された状態で、それら直列に接続された半導体レーザ素子の各々のレーザ出射側端面に対して前記金属膜を成膜するとともに、それら直列に接続された半導体レーザ素子に通電することによって、前記酸化雰囲気中でのレーザ出射および該レーザ出射による前記金属膜の局所的な酸化処理をそれら半導体レーザ素子について同時に行う
    請求項10に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  14. 前記コーティング膜として設けられた金属膜は、AlおよびTiのいずれかからなる
    請求項9〜13のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  15. 前記コーティング膜として設けられた金属膜はAlからなり、前記透光性の膜はAl23からなる
    請求項9〜13のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  16. 前記コーティング膜として設けられた金属膜はTiからなり、前記透光性の膜はTiO2からなる
    請求項9〜13のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  17. 半導体レーザ素子のレーザ出射側端面を保護するコーティング膜を形成する方法であって、
    前記レーザ出射側端面のレーザ出射部近傍に前記コーティング膜として透光性の膜を選択的に成膜する工程と、
    前記レーザ出射側端面のレーザ出射部近傍以外の部分に、同じく前記コーティング膜として前記透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜を選択的に成膜する工程とを備える
    ことを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
  18. 前記透光性の膜を成膜する工程を、前記レーザ出射側端面のレーザ出射部近傍を選択的に開口するようなマスクパターンのマスクを用いて行うとともに、前記透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜を成膜する工程を、前記レーザ出射側端面のレーザ出射部近傍を選択的に遮蔽するようなマスクパターンのマスクを用いて行う
    請求項17に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  19. 前記透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜はAlからなり、前記透光性の膜はAl23からなる
    請求項17または18に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  20. 前記透光性の膜よりも熱伝導率の高い膜はTiからなり、前記透光性の膜はTiO2からなる
    請求項17または18に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
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