現在、直径を略64mmとなし、例えば楽音信号で74分以上の記録を可能となす記憶容量を備えている、小径の光ディスクが広く知られるようになった。この小径の光ディスクは、ミニディスクMD(登録商標)と呼ばれ、ピットによりデータが記録されている再生専用型と、光磁気記録(MO)方式によりデータが記録されており再生も可能な記録再生型の2種類がある。以下の説明は、記録再生型の小径光ディスク(以下、光磁気ディスクという)に関する。上記光磁気ディスクは記録容量を上げるため、トラックピッチや、記録レーザ光の記録波長或いは対物レンズのNA等が改善されてきている。
トラックピッチ1.6μmでグルーブ記録、また変調方式がEFMである、初期の光磁気ディスクを第1世代MDと記す。この第1世代MDの物理フォーマットは、以下のように定められている。トラックピッチは、1.6μm、ビット長は、0.59μm/bitとなる。また、レーザ波長λは、λ=780nmであり、光学ヘッドの開口率は、NA=0.45としている。記録方式としては、グルーブ(ディスク盤面上の溝)をトラックとして記録再生に用いるグルーブ記録方式を採用している。また、アドレス方式は、ディスク盤面上にシングルスパイラルのグルーブを形成し、このグルーブの両側に対してアドレス情報としてのウォブル(Wobble)を形成したウォブルドグルーブを利用する方式を採っている。なお、本明細書では、ウォブリングにより記録される絶対アドレスをADIP(Address in Pregroove)ともいう。この第1世代MDは、記録データの変調方式として、EFM(8−14変換)変調方式が採用されている。また、誤り訂正方式としては、ACIRC(Advanced Cross Interleave Reed-Solomon Code)を用いている。また、データインターリーブには、畳み込み型を採用している。これにより、データの冗長度は、46.3%となっている。また、第1世代MDにおけるデータの検出方式は、ビットバイビット方式であって、ディスク駆動方式としては、CLV(Constant Linear Verocity)が採用されている。CLVの線速度は、1.2m/sである。記録再生時の標準のデータレートは133kB/s、記録容量は164MB(MD−DATAでは、140MB)である。また、データの最小書換単位(クラスタ)は、32個のメインセクタと4個のリンクセクタによる36セクタで構成されている。
さらに、近年では、第1世代MDよりもさらに記録容量を上げた高密度MDが開発された。先ず、従来の媒体(ディスクやカートリッジ)はそのままに、変調方式や、論理構造などを変更してユーザエリア等を倍密度にし、記録容量を例えば300MBに増加したMD(以下、高密度MD1という)が開発された。記録媒体の物理的仕様は、同一であり、トラックピッチは、1.6μm、レーザ波長λは、λ=780nmであり、光学ヘッドの開口率は、NA=0.45である。記録方式としては、グルーブ記録方式を採用している。また、アドレス方式は、ADIPを利用する。このように、ディスクドライブ装置における光学系の構成やADIPアドレス読出方式、サーボ処理は、第1世代MDと同様である。この高密度MD1は、記録データの変調方式として、高密度記録に適合したRLL(1−7)PP変調方式(RLL;Run Length Limited、PP:Parity preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))を採用している。また、誤り訂正方式としては、より訂正能力の高いBIS(Burst Indicator Subcode)付きのRS−LDC(Reed Solomon−Long Distance Code)方式を用いている。
さらに、高密度MDとしては、高密度MD1より記録容量を増加した高密度MD3が、外形、光学系は互換性を保ちながらも、トラックピッチを1.25μmに狭め、かつ例えば前記グルーブから磁壁移動検出(Domain Wall Displacement Detection:DWDD)によって記録マークを検出する方式で開発された。この高密度MD3は、記録データの変調方式として、高密度記録に適合したRLL(1−7)PP変調方式(RLL;Run Length Limited、PP:Parity preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))を採用している。また、誤り訂正方式としては、より訂正能力の高いBIS(Burst Indicator Subcode)付きのRS−LDC(Reed Solomon−Long Distance Code)方式を用いている。データインターリーブは、ブロック完結型とする。これによりデータの冗長度は、20.50%になる。またデータの検出方式は、PR(1,−1)MLによるビタビ復号方式を用いる。また、データの最小書換単位であるクラスタは、16セクタ、64kBで構成されている。ディスク駆動方式にはZCAV方式を用い、その線速度は2.0m/sとする。記録再生時の標準データレートは、9.8MB/sである。したがって、高密度MD3では、DWDD方式及びこの駆動方式を採用することにより、総記録容量を1GBにできた。
上述したように、第1世代MD、高密度MDでは、誤り訂正符号の代表であるリードソロモン符号を用いている。リードソロモン符号には、下記の性質があることが知られている。
1.誤り位置が不明とき、1シンボルの訂正に対し、2自由度を消費する(通常訂正)。2.誤り位置が判明しているとき、1シンボルの訂正に対し、1自由度を消費する(消失訂正)。
通常使用されるリードソロモン符号では、1シンボルは1バイトであり、自由度の数は、訂正処理に使用するパリティのバイト数である。また、パリティ数が大きい符号ほど、訂正に必要な回路規模は大きい。
また、誤り位置を高い確率で予測することにより、訂正能力を向上させることができる。すなわち、予測した位置に誤りがある確率が50%を越えていれば、訂正能力は向上し、50%未満であれば、訂正能力は低下する。
従来よりCDやDVD等に使用されてきた誤り訂正符号は、2次元配置されたバイトデータの各次元について、符号間距離の比較的短いリードソロモン符号に符号化することにより、限られた回路規模下で訂正能力を向上させる工夫が施されていた。
図11に、2次元符号の代表として、簡略化した積符号のモデルを例示する。この例では、M行N列に配置されている各バイトデータのうち、第0〜第15行の各行について、第0〜第15列に属する領域に、256バイトのユーザーデータが配置されている。このユーザーデータに対し、下記の手順でECCブロックを構成する。
1.第0〜第15列について、各列が符号長20、パリティ数4のリードソロモン符号(以下、C2符号)を構成するように各列について4バイトのパリティ(以下、C2パリティ)を生成し、第16行〜第19行に配置する。
2.第0〜第15行について、各行が符号長20、パリティ数4のリードソロモン符号(以下、C1符号)を構成するように各行について4バイトのパリティ(以下、C1パリティ)を生成し、第16〜第19列に配置する。
3.1.で生成された第16〜第19行のC2パリティについて、2.と同様に各行について4バイトのパリティ(以下、C1・C2パリティ)を生成し、第16〜第19列に配置する。
以上のように構成されたECCブロックは、各行について第0列から第19列の順に読出され、第0行から第19行の順に、ディスクに記録される。
次に、ディスクから読み出されたECCブロックからユーザーデータを再生する手続きについて説明する。ディスクから読み出されたECCブロックには、ディスクに付着したゴミや傷などの影響により、データに誤りが含まれることがある。図11の例において、×及び△の印を付けた箇所が誤っているとする。これらの誤りを訂正する方法は下記のとおりである。
1.第0〜第19行の各行について、C1符号訂正を行なうとともに、検出された誤り数を記憶しておく(図の右端)。例ではパリティ数が4バイトであるため、2バイトまでの誤り(図の△)を検出・訂正できる。3バイト以上の誤り(図の×)があるC1符号は訂正不能であり、誤り数は確定できない(図の右端の×)。
2.第0〜第15列の各列について、C2符号訂正を行なう。ここで、C1符号訂正時に訂正不能となった位置のバイトに対し、消失訂正を行なうことにより、4バイトまでの誤りを訂正できる。図の例では、第5行、第11行、第13行の3箇所がC1符号訂正不能であったため、C2符号訂正に成功する。
但し、上記リードソロモン符号の訂正においては、誤訂正という現象が知られている。例えば図11において第11行に多数の誤りが発生した結果、偶然別のパターンのリードソロモン符号に、2バイト以内の違いで一致した場合、別の符号と見なされて訂正され、得られる誤り数も、偽の値となる。このときC2符号訂正においては第5行と第13行のみが消失訂正され、第11行は通常訂正となるが、4バイトのパリティによる訂正能力以内であるため、C2符号訂正に成功する。
以上のようにして得られた誤り数の情報を利用して、ディスクに記録されている信号の品質を表すいくつかの指標が得られる。代表的な指標としては、1.総誤り率、2.バースト誤り率、3.ブロック誤り率がある。
1.総誤り率を以下に説明する。C1符号訂正及びC2符号訂正により訂正された誤りの総数を、符号全体のバイト数で除算した値である。図では30/400=0.075である。但し、誤訂正が発生した場合、正しい値は求められない。例えば、第11行に誤訂正が発生した場合、新たに2バイトの誤りが生成されてC2訂正されると、誤り数が4バイト増加する。また、例の第11行、第13行のようにバースト誤りが発生している場合、誤り数が非常に多くなり、バースト誤りのないECCブロックとの信号品質の比較が困難である。
2.バースト誤り率を以下に説明する。C1符号訂正時に訂正不能となった符号の総数を、C1符号の総符号数で除算した値である。図では3/20=0.15である。但し、信号品質が良好な場合に支配的であるランダム誤りの寄与がないため、信号品質の指標としては使いにくい。また、第5行のように、ランダム誤りが同一のC1符号上に偶然重なった場合は多くカウントされ、誤訂正が発生した場合は少なくカウントされるなど、正しい値が得られないことがある。
3.ブロック誤り率を以下に説明する。C1符号訂正時に誤りが検出された符号の総数を、C1符号の総数で除算した値である。図では5/20=0.25である。1.の総誤り率に比べ、バースト誤りの影響が抑えられる上、2.のバースト誤り率に比べ、ランダム誤りの寡多も反映されている。また、C1符号訂正時に誤訂正が発生したとしても、符号パターンが別の符号と完全一致しない限りカウントされるため、正しくない値になる可能性が小さいという特徴を持つ。このブロック誤り率は、信号品質が良好な場合のランダム誤りに対し、1バイトの誤りを1符号の誤りに増幅してカウントし、信号品質が悪い場合のバースト誤りに対し、訂正不能な符号数をそのままカウントすることにより、広い範囲の信号品質を評価できる指標として利用されている。
また、近年、半導体の微細化技術及び誤り訂正回路技術の進歩により、パリティ数の大きい符号に対する訂正回路が負担なく実現できるようになった。一方で、応用商品の低消費電力化に対する要求が大きくなり、クロック周波数を低くすることが求められるようになった。このため、上記積符号に代えて、1次元のみの符号化ではあるがパリティ数を多くとることにより訂正能力を向上させた、ロングディスタンス符号(LDC)が使用されるようになってきている。
図12に、簡略化したLDCのモデルを例示する。この例では、M行N列に配置されている各バイトデータのうち、第0〜第15行の各行について、第0〜第15列に256バイトのユーザーデータが配置されている。このユーザーデータの各列に対し、符号長24、パリティ数8のリードソロモン符号(以下、LDC符号)を構成するように8バイトのパリティを生成し、第16行〜第23行に配置する。以上のように構成されたECCブロックは、各行について第0列から第15列の順に読み出され、第0行から第23行の順に、ディスクに記録される。
次に、ディスクから読み出されたECCブロックからユーザーデータを再生する手続きについて説明する。ディスクから読み出されたECCブロックには、ディスクに付着したゴミや傷などの影響により、データに誤りが含まれることがある。図の例において、×の印を付けた箇所が誤っているとする。
これらの誤りを訂正するには、各列のデータを縦方向に読み出してLDC符号訂正すればよい。図の例ではパリティ数が8バイトであるため、各列について4バイトまでの誤りを検出・訂正できる。この例では、各列に含まれる誤りの数は4バイト以下であるため、訂正に成功し、誤り数を得ることができる。ここで得られた誤り数を総和すれば、上記積符号の例で述べた、総誤り率が得られる。図では、30/384=0.078である。
ところが、上記積符号の場合にあった行方向の符号に対する誤り情報がないため、バースト誤り率とブロック誤り率は、このままでは求めることができないという問題点があった。
特開平8−339636号公報には、LDC符号を用い、フレームに同期してデータを変調/復調する場合にも、データの信頼性を低下させないようにするデータ記録方法及び再生方法が開示されている。エラー訂正符号として、データの読み出し/書き込み方向とエラー訂正符号化方向とが異なる方向とされたLDC符号を用い、フレーム毎のエラーを検出するパリティを付加する。このパリティにより、フレーム毎にエラーの検出を行う。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明のエラーレート測定装置及びエラーレート測定方法、並びにディスク状記録媒体再生装置が適用できる光ディスク記録再生装置の一実施例を示す図である。
光ディスク記録再生装置は、エラーレート測定装置を内蔵し、そこで測定して得られたエラーレート、例えばバーストエラーレートを光ディスクの品質及び再生信号品質の把握、管理の指標としている。
エラーレート測定装置は、1次元のみに配置されたバイトデータを用いた誤り訂正符号化によるECCブロックにおいても、エラーレートを得ることを可能にするものである。つまり、列方向の誤り符号化データをバイト毎に、行の順序をフレームの順序として構成されるエラー訂正符号ブロックECC中のエラーレートを測定する装置である。このエラーレート測定装置は、各列の符号をなすバイト数と同数以上であり、上記符号内のバイトにエラーが検出されたときにエラー位置に対応してフレーム方向のエラーをカウントアップ又はカウントダウンする複数のカウンタと、上記複数のカウンタによるカウント値を集計する集計回路とを備える。詳細な構成、動作については後述する。
図1において、1は光ディスクである。光ディスク1には、データがクラスタ毎に記録されている。クラスタは、例えば16セクタ、64kBで構成されている。光ディスク1は、スピンドルモータ2により回転される。この例では、光ディスク1は、光磁気ディスクであり、特に高密度MD3である。光ディスク1に対して、光学ピックアップ3及び磁気ヘッド4が設けられる。この光学ピックアップ3及び磁気ヘッド4は、図示せずも、スレッド送り機構により、ディスクの半径方向に一体的に移動可能とされている。
5はインターフェースである。インターフェース5としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)が用いられる。このインターフェース5を介して、ホストコンピュータ6と、データやコマンドのやり取りがなされる。光ディスク1にデータを記録する場合には、インターフェース5から、高密度データが入力される。このデータは、ブロック化回路7に供給される。ブロック化回路7は、後段でブロック完結のエラー訂正符号化を行うために、記録データをブロック化する。
エラー訂正符号化処理は、BIS(Burst Indicator Subcode)付きのRS−LDC(Reed Solomon−Long Distance Code)方式のRS−LDCエンコーダ8によって行われる。RS−LDCエンコーダ8は、上記高密度データにインターリーブ及びBIS付きのRS−LDC方式のエラー訂正処理を施す。
RS−LDCエンコーダ8の出力は変調回路9に供給される。変調回路9は、例えば高密度記録に適合したRLL(1−7)PP変調方式(RLL;Run Length Limited、PP:Parity preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))を採用しえいる。変調回路9にて、RLL(1−7)PP変調されたデータは、磁気ヘッドドライバ10に供給され、磁気ヘッドドライブ出力が磁気ヘッド4に供給される。光ディスク1には、磁気ヘッド4からデータで変調された磁界が印加されると共に光学ピックアップ3からレーザービームが照射される。これにより、光ディスク1にデータが記録される。
このように、この例では、データの記録は、データ書き込み時に、磁気ヘッド4にデータで変調された磁界が印加されると共に光学ピックアップ3からレーザービームが照射するような磁界変調方式とされているが、磁界変調方式に特定されるものではない。
再生時には、光学ピックアップ3から、光ディスク1の再生信号が得られる。この再生信号は、RFアンプ11に供給される。RFアンプ11からの再生信号が復調回路12に供給される。復調回路12は、PR(1,−1)ML及びビタビ復号を用いたデータ検出によりRLL(1−7)符号列としての復調データを得る。この復調データは、メモリー回路13の所定のアドレスに保存される。そして、ECCブロックの配列が、メモリー回路13上に再現される。但し、再現されたECCブロックには、ディスク上のゴミ等に起因するデータ誤りが点在し、図2では×印で表現されている。図2を参照してのECCブロックについては後述する。
このように再現されたECCブロックに対し、RS−LDCデコーダ14は、誤り訂正処理を施し、訂正データはブロック分解回路15に供給される。ブロック分解回路15は、上述のブロック化回路7に対応した処理を行う。ブロック分解回路15の出力がインターフェース5に送られ、インターフェース5を介して、外部にデータが出力される。
また、RFアンプ11からは、トラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号が出力される。これらのトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号は、サーボ回路16に供給される。サーボ回路16は、システムコントローラ17の管理の基に、トラッキング制御信号やフォーカス制御信号、スレッドモータの制御信号、レーザーパワーの制御信号、スピンドルモータの制御信号等を発生する。トラッキング制御信号やフォーカス制御信号、スレッドモータの制御信号は、光学ピックアップ3に供給され、これにより、トラッキングサーボ制御やフォーカスサーボ制御が行われる。また、レーザーパワーの制御信号が光学ピックアップ3に供給され、記録時/再生時に応じて、最適なレーザーパワーが設定される。また、スピンドルモータの制御信号がドライバー61を介してスピンドルモータ2に供給され、光ディスクの回転が制御される。
次に、図2を参照して光ディスク1に記録されているECCブロックのフォーマットを簡略化して示す。M行×N列に配置されている各バイトデータのうち、第0〜第15行の各行について、第0〜第15列に256バイトのユーザーデータが配置されている。図2に示したユーザーデータの各列に対し、RS−LDCエンコーダ8では、符号長24、パリティ数8のリードソロモン符号(以下、LDC符号)を構成するように8バイトのパリティを生成し、第16行〜第23行に配置している。なお、ここでは、説明の簡略化のためにECCブロックを24行×16列に配置された各バイトデータで構成しているが、あくまでも一例であり、248行×152列、248行×304列でも、あるいは492行×304列でも、さらには、248行×152列を、ダブル構成としたブロックでもよい。
以上のように構成されたECCブロックは、各行について、第0列位置から第15列位置の順(主走査)に読み出され、各行は、第0行から第23行の順(副走査)に読み出される。各行は、先頭に同期信号が付加されて同期フレームを構成し、同期フレームは所定の変調処理を施されてディスクに記録されている。すなわち、本例では、ECCブロックの行番号はフレーム番号と等しい。
光ディスク記録再生装置は、各フレームについて各1個の誤りカウンタ18と、1個の誤り集計カウンタ19を付加して構成される。カウンタ18は、各列の符号をなすバイト数と同数以上であり、上記符号内のバイトにエラーが検出されたときにエラー位置に対応してフレーム方向のエラーをカウントアップ又はカウントダウンする。また、1個の誤り集計カウンタ19は、複数のカウンタによるカウント値を集計する。
図2に示した、各1個の誤りカウンタ18と、1個の誤り集計カウンタ19は、図1の光ディスク記録再生装置の構成の中には、直接記載がないが、例えばRS−LDCデコーダ14とシステムコントローラ17との間で機能するブロックである。
図3には、光ディスク記録再生装置におけるエラー訂正の要部の構成を示す。復調回路12とメモリー回路13と誤り訂正回路(RS−LDCデコーダ)14と、誤りカウンタ18と、誤り集計回路19とからなる。エラーレート測定装置としての誤りカウンタ18と、誤り集計回路19とを含んだ構成である。
光ディスク1から読み出された再生信号は、復調回路12によって復調データに変換され、メモリー回路13の所定のアドレスに保存される。このアドレスは、行(横)方向を主走査、列(縦)方向を副走査とするように生成され、図2に示したECCブロックの配列が、メモリー回路12上に再現される。但し、再現されたECCブロックには、ディスク上のゴミ等に起因するデータ誤りが点在し、図2では×印で表現されている。
以上のように再現されたECCブロックに対し、RS−LDCデコーダ14は、メモリー回路13の所定のアドレスから、LDC符号データを読み込む。このアドレスは、列(縦)方向を主走査、行(横)方向を副走査とするように生成され、各列について、データ、LDCパリティの順に読み出される。
RS−LDCデコーダ14は、読込んだLDC符号データについて誤り検出処理、及び誤り訂正処理を実行し、訂正データ、訂正信号(誤り検出フラグ)、フレーム番号を出力する。フレーム番号は、順次出力されている訂正データの個々のバイトが、どのフレームに属するかを示す番号であり、本実施例では行番号に等しい。訂正信号は、現在出力されている訂正データは、そのバイトに誤りが検出され、訂正されたものであることを示す。
RS−LDCデコーダ14から出力された訂正データは、データ出力回路20に送られ、以後のアプリケーションで利用される。一方、フレーム番号と訂正信号は、誤りカウンタ18によりフレーム別に集計され、誤り集計回路19により、ブロックエラーレート及びバーストエラー率が集計される。
図4は、誤りをカウントし、誤りを集計するという処理を順次行う順次処理によりバーストエラーレートを算出するための構成を示す。RS−LDCデコーダ14は、誤り検出回路21と、FIFOデータメモリ22と、制御回路23と、入力フレームカウンタ24と、入力コードカウンタ25と、出力フレームカウンタと、出力コードフレームカウンタ26と、出力コードカウンタ27と、訂正回路28からなる。
制御回路23は、メモリー回路の所定のアドレスから、LDC符号データを誤り検出回路21及びFIFOデータメモリ22に読み込むために、列(縦)方向を主走査、行(横)方向を副走査とするように、入力フレームカウンタ24と入力コードカウンタ25とにメモリアドレスを生成させる。そして、各列について、データ、LDCパリティの順に読み出す。
具体的には、入力コードカウンタ25によりコードを第0番目から第15番目までカウントし、各コードについて入力フレームカウンタ24を用いてフレーム番号0〜23をカウントするようなアドレスを生成させる。例えば、入力コードカウンタ25により、第0番目から8カウントすると第7番目(列)になるが、この第7番目について入力フレームカウンタ24を用いてフレーム番号0〜23をカウントするようなアドレスを生成させる。これにより、第7列についてデータ、LDCパリティの順に読み出すことができる。全ての列についてデータ、LDCパリティを読み出し、誤り検出回路21及びFIFOデータメモリ22に格納する。
誤り検出回路21は、制御回路23から処理スタートが出されると、LDCパリティを用いてデータから誤りを検出する。図の例ではパリティ数が8バイトであるため、各列について4バイトまでの誤りを検出できる。この例では、各列に含まれる誤りの数は4バイト以下であるので、誤り数を得ることができる。そして、誤り検出回路21は、誤りパターンを訂正回路28に供給する。また、誤り検出回路21は、誤り検出フラグを訂正回路28及び誤りカウンタ18に供給する。また、誤り検出回路21は、コード毎に誤りを検出すると、該当する番号のフレームカウンタに誤りをカウントさせるために出力スタートを出す。
訂正回路28は、誤り検出回路21から供給された誤りパターンと、誤り検出フラグを用いて、FIFOデータメモリ22に格納されたデータに対して訂正処理を施す。上述したようにパリティ数が8バイトであるため、各列について4バイトまでの誤りを訂正できる。各列に含まれる誤りの数は4バイト以下であるので、訂正に成功する。訂正回路28は、訂正データをデータ出力回路20等を介してアプリケーションシステム等に供給する。図1の光ディスク記録再生装置では、ブロック分解部15でブロックを分解した後、USBI/F5を介してホストコンピュータ6に出力している。ホストコンピュータ6にて実行されるアプリケーションシステムに供給される。
このように誤り訂正回路であるRS−LDCデコーダ14は、読み込んだLDC符号データについて誤り訂正処理を実行し、訂正データ、訂正信号(誤り検出フラグ)、フレーム番号を出力する。フレーム番号は、順次出力されている訂正データの個々のバイトが、どのフレームに属するかを示す番号であり、本実施例では行番号に等しい。訂正信号(誤り検出フラグ)は、現在出力されている訂正データは、そのバイトに誤りが検出され、訂正されたものであることを示す。
図5には、誤り訂正回路14から出力される信号の波形例を示す。ここに示されているのは、図2及び図4における第9のLDC符号(第9列)を処理した出力波形の一部である。第5フレームに誤りが検出され、データが33Hに訂正されている。また、第11フレームにも誤りが検出され、データが42Hに訂正されている。
誤り訂正回路であるRS−LDCデコーダ14は、誤り検出回路21が出した供給された出力スタートにしたがって出力フレームカウンタ26に出力フレームカウントを誤りカウンタ18に出させる。これにより誤りカウンタ18は、フレーム番号毎に誤り検出フラグをカウントすることができる。また、RS−LDCデコーダ14は、出力フレームカウンタ26からフレーム終了が供給されると、エラーフレーム集計回路19aに集計スタートを出す。
エラーフレーム集計回路19aは、フレーム選択カウンタ31と、コンパレータ33と、エラーフレームカウンタ34とを備えている。フレーム選択カウンタ31は、出力コードカウンタ27から集計スタートが入力されると、クロックに同期してセレクタ20のセレクト信号を生成し、セレクタ20に供給する。セレクタ20は、セレクト信号に従って誤りカウンタ18のフレーム番号に応じたカウント値を選択して、コンパレータ33に供給する。コンパレータ33は、バーストエラーを判定する基準値を記憶している記憶部32からの判定基準値とフレーム毎のカウント値を比較し、比較結果をエラーフレームカウンタ34に供給する。エラーフレームカウンタ34は、コンパレータの比較結果から上記バーストエラーの判定基準値を上回ったカウント値を持つフレーム数をカウントする。そして、エラーフレーム数を出力する。
以下、訂正処理回路(RS−LDCデコーダ)14及びエラーフレーム集計回路19aの動作の詳細についてフローチャートを用いて説明する。図6は、訂正処理回路14のデータ入力処理の手順を示すフローチャートである。図7は、訂正処理回路14のデータ出力処理の手順を示すフローチャートである。図8は、エラーフレーム集計回路19aの集計処理の手順を示すフローチャートである。
先ず、訂正処理回路14のデータ入力処理について説明する。制御回路23が入力スタートを出すと、訂正処理回路14のデータ入力処理が始まる。図6のステップS1では、入力コードカウンタ(ICC)25が0をカウントする。ステップS2では、入力フレームカウンタ(IFC)24が0をカウントする。ステップS3では、メモリアドレスICC=0、IFC=0から誤り検出回路21及びFIFO22へデータを入力する。
ステップS4では、IFCを+1インクリメントし、メモリアドレスICC=0、IFC=1から誤り検出回路21及びFIFO22へデータを入力する。これを、ステップS5にてIFC=24になるまで繰り返すことにより、ICC=0、つま第0列についてのデータ、LDCパリティが誤り検出回路21及びFIFO22へ入力できる。
ステップS6では、ICCを+1インクリメントし、第1列に移動する。そして、ステップS2からステップS5までを繰り返すことにより、ICC=1、つま第1列についてのデータ、LDCパリティが誤り検出回路21及びFIFO22へ入力できる。同様の処理をステップS7にてICC=16となるまでカウントしたと判定するまで繰り返すことにより、全ての列についてデータ、LDCパリティを読み出し、誤り検出回路21及びFIFOデータメモリ22に格納することができる。
次に、訂正処理回路14のデータ出力処理について説明する。誤り検出回路21が出力スタートを出すと、訂正処理回路14のデータ出力処理が始まる。図7のステップS11では、出力コードカウンタ(OCC)27が0をカウントする。ステップS12では、出力フレームカウンタ(OFC)26が0をカウントする。ステップS13では、上記出力コードカウンタのカウント値に相当するコード毎に誤り検出回路21で誤りが検出されたら、第OFC番目の誤りカウンタ18をカウントアップする。
ステップS14では、OFCを+1インクリメントし、メモリアドレスOCC=0、OFC=1について、誤りが検出されたら、第OFC番目の誤りカウンタ18をカウントアップする。ステップS13及びステップS14の処理は、ステップS15にてOFCが24になるまで繰り返す。
ステップS15にてOFCが24になったと判定すると、ステップS16にてOCCを+1インクリメントし、1列に移動する。そして、ステップS12からステップS15までを繰り返すことにより、OCC=1、つまり第1列についての各OFC番目の誤りカウンタ18をカウントアップする。同様の処理をステップS17にて、OCC=16となるまでカウントしたと判定するまで繰り返すことにより、各列についての各OFC番目の誤りカウンタ18をカウントアップする。以上の処理手順により、誤りカウンタ18には、各OFC番目の誤りがセットされる。
次に、エラーフレーム集計回路19aの集計処理について説明する。出力コードカウンタ27が集計スタートを出すと、エラーフレーム集計回路19aの集計処理が始まる。図8のステップS21では、フレーム選択カウンタ(FSC)31が0をカウントする。また、エラーフレームカウンタ(EFC)34が0をカウントする。
ステップS22では、第FSC(0)番目の誤りカウンタを選択するためのセレクト信号をセレクタ20に送り、そのカウント値をコンパレータ33に引き込む。コンパレータ33では、バーストエラー判定のための判定基準値と、引き込まれた第FSC(0)番目の誤りカウンタのカウント値とを比較する。コンパレータ33は、バーストエラー判定のための判定基準値よりも上記カウント値が大きいと、例えば”1”をエラーフレームカウンタ34に渡す。
ステップS23では、FSCを+1インクリメントする。ステップS24では、FSCが24をカウントしたか否かをチェックする。ステップS24にてFSC=24となっていないのであれば、ステップS22〜ステップS23を繰り返す。つまり、FSC=24まで、各FSC番目の誤りカウンタをセレクタにより選択し、各FSC番目のカウンタからカウント値をコンパレータ33に引き込む。コンパレータ33は、バーストエラー判定のための判定基準値よりも上記各カウント値が大きいと、例えば”1”をエラーフレームカウンタ34に渡すので、エラーフレームカウンタ34はエラーフレーム数を集計できる。
このエラーフレーム数は、バーストエラーレートの集計に用いられる。例えば、図1の光ディスク記録再生装置のシステムコントローラ17によってバーストエラーレートが集計される。バーストエラーレートは、ディスクの品質及び記録再生装置の品質の把握・管理に有用な指標となる。例えば、記録/再生時のレーザパワーの調整の指標となる。光ディスクには、内周又は外周にレーザパワーを調整するためのエリアが設けられており、例えばディスクを装着したときに、上記エリアに、記録/再生用のレーザ光を照射して、レーザパワーの調整が行われる。レーザパワーが最適でなければ、バーストエラーレートが高くなる。したがって、パーストエラーレートを、レーザパワー調整の指標とすることにより、最適なレーザパワーを得ることができる。また、リムーバブルディスクで重要となる互換性について、ビットスリップに発展する可能性のあるバースト誤りを事前に検出することにより、相互信頼性の高いディスクの交換が可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではない。図3に示した誤りカウンタ18及び誤り集計回路19は、上記順次処理を行う構成に限定されるものではない。誤りカウントと、誤り集計を並行して実行する構成としてもよい。図9及び図10には、誤りカウントと、誤り集計を並行して実行する場合の回路構成を示す。
図9は、第iフレームに対する誤りカウンタ18の他の構成例である。iとフレーム番号との一致を検出する一致検出器41と、一致検出器41と訂正信号(訂正フラグ)との論理積を演算するANDゲート42と、ANDゲート42の出力をイネーブル入力とするカウンタ43とから構成されている。カウンタ43には、クロックとリセット入力が供給される。カウンタは5ビット構成であり、フレーム内に検出される可能性のある誤り数0〜16をカウントできるようになっている。このカウンタの値は、リセット入力がLowのときリセットされ、出力Ciは0になる。リセット入力がHighのとき、EN入力がHighならばCiはクロックによってカウントアップし、EN入力がLowならば変化しない。
EN入力への信号ENiは、訂正信号がHighになった時のフレーム番号が、iに一致した時にHighとなり、Ciをカウントアップさせる。すなわち、このカウンタでは、LDC符号の訂正処理において、第iバイトに誤りが検出された時、第iの誤りカウンタがカウントアップする。
以上のM個の誤りカウンタを最初にリセットしておき、第0〜第15列すべてのLDC符号に対し誤り訂正を実行し終えた時、各誤りカウンタの値は、各行に検出された誤りの合計数を示す。
図10は誤り集計回路19の他の構成例である。更新前の値Ci(C0〜C23)と基準レジスタ51が出力する値との一致を検出する一致検出器520〜5223と、一致検出器520〜5223とセレクタイネーブルとの論理積を演算するANDゲート530〜5323と、ANDゲート530〜5323の出力を論理和演算するORゲート54と、ORゲート54の出力をイネーブル入力とするカウンタ55とを備えている。
カウンタ55は5ビット構成であり、ECCブロック内に検出される可能性のあるフレーム数0〜24をカウントできるようになっている。このカウンタ55の値は、リセット入力がLowのときリセットされ、出力Gは0になる。リセット入力がHighのとき、EN入力がHighならばGはクロックによってカウントアップし、EN入力がLowならば変化しない。
EN入力への信号ENFは、各誤りカウンタがENi信号によってカウントアップされる時、更新前の値Ciが基準レジスタの値に一致していればHighとなり、Gをカウントアップさせる。
例えば、基準レジスタ51に0を設定した場合、各フレームの誤りカウンタが0でなくなる時、Gがカウントアップされ、Gの最終値は誤りが1個以上発生したフレーム数を示す。すなわち、ECCブロックの全フレーム数24を母数とする、ブロックエラーレートが求められたことになる。図2及び図4に示した誤りパターン例によれば、第2、第5、第11、第13、第17、第20の6個のフレームがカウントされる。
さらに、他の例として、基準レジスタに3を設定した場合、各フレームの誤りカウンタが3から4にカウントアップする時、Gがカウントアップされ、Gの最終値は誤りが4個以上発生したフレーム数を示す。すなわち、バースト誤りと判断する基準をフレームあたり4誤り以上と定義した場合の、ECCブロックの全フレーム数24を母数とする、バーストエラーレートが求められたことになる。
以上により、従来技術ではブロックエラーレート及びバーストエラーレートを求めることが困難であったLDC符号においても、図9及び図10の構成の誤りカウンタ18と、誤り集計回路19とを用いることにより、ブロックエラーレート及びバーストエラーレートを求めることが可能となった。
なお、上記説明において、基準レジスタの値を切り替えることにより、ブロックエラーレートとバーストエラーレートを測定するとしたが、基準値の異なる誤り集計回路を複数設け、これらを同時に測定することも可能である。
また、上記説明において、各誤りカウンタの構成を5ビットとしたが、誤り集計回路で用いる基準値+1を表現できるビット数あればよく、上記基準値3を用いるとすれば、4を表現できる3ビットのカウンタであれば充分であり、ブロックエラーレートのみを測定するのであれば、1ビットのレジスタで充分である。
1 光ディスク、8 RS−LDCエンコーダ、9 変調回路、11 RFアンプ、12 復調回路、13 メモリー回路、14 RS−LDCデコーダ、18 誤りカウンタ、19 誤り集計回路