JP2001067818A - ディジタル信号記録方法、及びその装置、記録媒体 - Google Patents

ディジタル信号記録方法、及びその装置、記録媒体

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JP2001067818A
JP2001067818A JP24693199A JP24693199A JP2001067818A JP 2001067818 A JP2001067818 A JP 2001067818A JP 24693199 A JP24693199 A JP 24693199A JP 24693199 A JP24693199 A JP 24693199A JP 2001067818 A JP2001067818 A JP 2001067818A
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Hiroshi Hirayama
洋志 平山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】誤り訂正能力を向上させたディジタル信号を高
密度に記録媒体に記録し、再生時のディジタル信号処理
の高い互換性をもたらす記録方法を提供すること。 【解決手段】第1の配列iバイト×j行をk×n2 (n2は整数
で2i i=0、1、2、3…)個集め、符号長j×k×n2バイト
の系列に対し第1の訂正符号k×n2バイトを生成、iバイ
ト×(j×k×n2+k×n2)行の第2の配列を形成し、第2の
配列中符号長iバイトの系列に対して第2の訂正符号qバ
イトを生成、(i+q)バイト×(j×k×n2+k×n2)行の第3
の配列を少なくとも形成し、配列の先頭行から順に変調
処理、同期信号の付加を行うことで生成したディジタル
信号を記録媒体中のトラック上に記録マークとして1/n
1に縮小して記録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル信号記
録方法、及びその装置、記録媒体に関し、特に記録する
情報をディスク記録媒体に適したディジタル信号に変
換、それをディスク記録媒体中に設けられた記録トラッ
ク上に記録マークあるいは記録ピットとして記録し、そ
の読み取り信号に対するディジタル信号処理で記録前の
情報を得るディジタル信号記録方法、及びその装置、記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】記録する情報を記録媒体に適したディジ
タル信号に変換し、ディスク記録媒体上の記録マークあ
るいは記録ピットとして記録するディスク記録媒体の一
例としてDVD(Digital Versatile Disc)が挙げられる。
このDVDへのディジタル情報記録に適したディジタル信
号の生成方法は、「映像情報メディア学会誌 Vol.51,N
o.7,pp.942〜944、pp.957〜960 (1997) 小特集 これが
今のDVD」に記載されている技術のように、スクランブ
ル処理を行った記録情報に対し、ディスク上の物理的な
記録単位であるセクタに格納する2キロ(2048)バイトの
記録情報にセクタID番号をはじめとするセクタ固有の情
報と、セクタデータの誤りの有無を検出するEDC(Error
Detecting Code)を付加した配列、172バイト×12行の20
64バイトでセクタデータを構成する。次にセクタデータ
16個を集めた172バイト×(12行×16セクタ)= 32キロバ
イトの配列に対して、内符号、外符号の各誤り訂正符号
を付加する。具体的には内符号としてデータ配列の横方
向にPI訂正符号10バイトを、外符号として縦方向にPO訂
正符号16バイトを付加し、PO訂正符号については12行の
1セクタデータ毎に1行をインターリーブさせた形で配
置し、訂正ブロックを構成する。ディスクへ記録する際
にはPI、PO訂正符号を含むセクタデータに対して変調処
理を行いディスクへの記録に適したディジタル信号に変
換、フレーム単位で同期信号の付加を行いディスク上の
記録マーク或いは記録ピットとして記録される。再生時
には記録マーク、ピットに対し光学ヘッドを用いて再生
し、その再生信号に対して同期信号の検出、復調処理を
行い、復調データに含まれるエラーデータに対する訂正
をPI、PO誤り訂正符号の復号で行い、スクランブル解除
を行うことで元の記録情報を再生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、磁気ディスク、
DVD等の光ディスクなどのディスク記録媒体には、長時
間の映像、音声情報や単位あたりの情報量が多い高品位
映像情報の記録を目的として、記憶容量の向上、高転送
レート化が要求されている。読取り専用ディスクである
DVD-ROM(DVD -Read Only Memory)について上記要求
は、例えば図2(a)、(b)に示すようにディスク記録媒体
上のトラックピッチを従来ディスクの1/m(mは小数でm
>1)に、トラック上に記録する記録マーク(ピット)長を
1/n1(n1はマーク長縮小率、小数でn1>1)にそれぞれ縮
小し、ディスクの単位面積当たりの記録密度を向上させ
ることで実現できる。しかしながら高密度記録を行った
ディスク上に発生したスクラッチ傷や付着したゴミが原
因で再生信号中に発生するバーストエラーは、記録ピッ
ト長縮小のため、標準密度で記録されたディスクに比べ
エラーデータ量が増加する。図2(c)はマーク(ピット)
長の縮小で高密度記録を行い、ディスク上には同じ傷
長、或いはごみが付着した場合に発生するバーストエラ
ー量の増加傾向を示したものである。マーク(ピット)
長の縮小率n1が増加するに従い、同一長の傷、ゴミで発
生するバーストエラーデータ量はn1に比例して増加す
る。例えば標準密度(n1=1)のマーク(ピット)長で記
録されたディスク再生におけるバースト訂正能力(デー
タ配列の縦方向に対するPO訂正符号の訂正可能なエラー
バイト数)が16バイトであり、10バイトのバーストエラ
ー発生で訂正可能であったとしても、例えばn1=2で記録
された高密度ディスクの場合ではエラーバイト数が20バ
イトとなり訂正不能となり、再生が不可能となってしま
う。つまりディスクのリーダビリティが低下するという
問題がある。しかしながら高密度記録ディスクであって
も、標準記録密度で記録ディスクと同等の傷、ゴミに対
するリーダビリティを確保する必要が有り、記録密度に
応じたエラー訂正能力の向上が必要となる。
【0004】バーストエラー訂正能力の向上を達成する
ためには、例えば、訂正の対象となるPO系列に対する符
号長を延長し、その符号長の範囲内で必要な訂正エラー
数に見合った訂正能力を持つ訂正符号を付加することが
考えられる。しかしながらバーストエラーに対する訂正
能力を向上させるため、単に訂正の対象となる符号長に
対する訂正符号数を増やした場合は、記録情報とは関係
の無い冗長なデータの増加を招き、記録マーク(ピッ
ト)長、トラックピッチの縮小によるディスク記憶容量
向上の妨げとなる。更にエラー訂正能力の向上を実現し
ながら、ディスク再生信号に対する、復調処理、誤り訂
正処理などディジタル信号処理の高い互換性を維持しな
ければ、記録装置、再生装置に大きな変更を要するとい
う課題がある。
【0005】一方一度だけ書き込みか可能な追記型ディ
スク(DVD -R)、書き換えが可能なディスク(DVD−RW、+
RW、DVD-RAM)については、「日経産業新聞 1999年
5月7日 第6面 ディジタル家電 ポストVTR」の記事
に記載されている技術のように、記録マークの記録はデ
ィスク上に形成されたランド(山)、グルーブ(溝)の内、
例えば一方のグルーブを記録トラックとし、そこにレー
ザーパルスを照射し、記録するディジタル信号に対する
記録マークを形成する。これらのディスク再生信号に対
するディジタル信号処理の再生互換を確保するため、前
述した読み取り専用のDVD-ROMディスクと同様の誤り訂
正符号の付加、変調方式が用いられる。また、記録トラ
ックの側面をを一定周期でうねらせたウォブリングが形
成されており、その検出信号よりディスク回転数の制御
に用いたり、記録時に必要となる記録クロック生成を行
う。上記した追記、書き換えディスクに対し記録マーク
の縮小で高密度記録を行った場合でも、バーストエラー
発生時には前述した課題が発生する。
【0006】本発明の目的は、以上の課題を解消し、マ
ーク長の縮小で高密度記録を行うディスク記録媒体を再
生する際のバーストエラー訂正能力を向上させ、かつ標
準記録密度で記録されたディスク記録媒体とのディジタ
ル信号処理の互換性を高いレベルで維持したディジタル
信号記録方法を提供し、更にそのディスクに対するディ
ジタル情報の記録、再生を行う装置、その記録方法でデ
ィジタル信号の記録を行った記録媒体を提供するもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明において、上記問
題点を解決するための記録方法は、ディジタル信号の構
成単位iバイト×j行(i、jは正の整数)の第1の配列にお
いて符号長jバイトの系列に対する第1の訂正符号kバイ
トを生成、iバイト×(j+k)行の第2の配列を形成し、第
2の配列において符号長iバイトの系列に対する第2の訂
正符号pバイト(pは正の整数)を生成、(i+p)バイト×(j
+k)行の第3の配列を少なくとも形成し、配列に含まれ
るデータに対し変調処理、同期信号付加を少なくとも行
うことでディジタル信号を生成する場合に対して、上記
第1の配列をn2 (n2は整数でn2=2i 、i=0、1、2、3、
4、…)個集めて構成した iバイト×(j×n2)行の配列に
対し、符号長(j×n2)バイトの系列に対する第1の訂正符
号sバイトを生成(sは正の整数でs>k) 、iバイト×(j×
n2+s)行の第2の配列を形成し、第2の配列において符号
長iバイトの系列に対する第2の訂正符号qバイト(qは正
の整数でq≧p或いはq≦p)を生成、(i+q)バイト×(j×n
2+s)行の第3の配列を少なくとも形成し、配列に含まれ
るデータに対し変調処理、同期信号付加を少なくとも行
うことで生成したディジタル信号を、記録媒体中のトラ
ック上に記録マーク或いは記録ピットとして記録する際
には、その記録マーク或いは記録ピットを1/n1(n1は小
数でn1≧1)に縮小してディジタル信号の記録を行う。
更に記録媒体に対して求められる訂正能力に従いn2に対
するn1は、 n2=2i (i=0、1、2、3、4、…)に対してn1
≦(n2×r) (rは正の整数でr=1、2、3、4、…)の範囲で
ディジタル信号の生成を選択的に行う。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、発明を光ディスクに適用し
た実施例を図面を用いて説明する。
【0009】図1は、本発明のディジタル信号記録方法
についての一実施例を示す図であって、最小マーク長を
1/n1倍(n1はマーク長縮小率、小数でn1≧1)に縮小し
てディスク上の記録マーク(ピット)として高密度にディ
ジタル情報を記録する際に適したディジタル信号の生成
過程の一例について示してある。図1(1)はディスクへ
のディジタル情報の記録単位の一つであるセクタデータ
を複数集めて構成した配列に対して、ディスク再生時の
バーストエラーに対する訂正能力を向上させる目的で訂
正符号を付加した後の訂正ブロックの構成、図1(2)は
バーストエラー発生時にPO訂正符号の大部分がエラーと
なることを避けるため、訂正ブロック配列中のPO訂正符
号を含む行に対して行インターリーブを行う様子を、図
1(3)は訂正ブロックを構成する際の符号化率n2(n2は正
の整数で2i i=0,1,2,3,…)に対して、許容でき
るマーク長縮小率n1の範囲をエラーに対する訂正能力、
つまりリーダビリティを目安に示してある。
【0010】ここで記録マーク長の縮小を行わない標準
記録密度ディスクに適したディジタル信号の生成過程の
一例を図3を用いて説明する。図3において(a)はディ
スクに記録するディジタル信号の構成単位の一つである
セクタデータの構成を示してあり、ディスク上の物理的
な記録位置を示すセクタID、再生時にセクタIDに発生し
たエラーの検出、訂正を行うIED訂正符号、6バイトの付
加情報、それ以降にスクランブル処理後の記録ディジタ
ル情報を格納するメインデータ、セクタデータに対する
エラー有無のチェックを行うEDC(Error detecting cod
e)の172バイト×12行の配列で構成される。このセクタ
データ16個の単位で誤り訂正符号を付加し、構成した配
列が(b)である。(b)において、ディスク上に発生した傷
やごみが原因で再生信号中に発生するバーストエラーに
対応するため、セクタデータの列方向(PO系列)で符号長
12×16バイトのデータに対しPO訂正符号16バイトを生
成、付加し、更に行方向(PI系列)で符号長172バイトの
セクタデータ、PO訂正符号中に発生するランダムエラー
を訂正する目的で、PI訂正符号10バイトを生成、行の終
端に付加することで訂正ブロックの配列を構成する。特
にPO訂正符号については、バーストエラー発生時にディ
スクのリーダビリティが十分確保できるように、つまり
訂正可能となるように、符号化の対象となるPO系列の符
号長とPO訂正符号の付加バイト数が決定される。更に訂
正ブロック配列に対し、バーストエラー発生時にPO訂正
符号の大部分がエラーとなることを避けるため、配列中
12行毎に16行のPO訂正符号を1行ごとインターリーブさ
せ、配列(c)を再構成する。また各セクタデータに含ま
れるセクタID番号について、例えば訂正ブロック先頭の
セクタ0については4バイトセクタIDの下位4ビットに0を
格納し、セクタ15にはF(16進数)を格納する。ディスク
再生時にこのセクタIDの検出、下位4ビットのデコード
で訂正ブロックの先頭、或は終了を判断する。最後にデ
ィスク上の記録ピット(マーク)として記録する前に、変
調処理、フレーム単位での同期信号の付加を行う。その
様子を(d)に示す。(d)において、行インターリーブ後の
配列(c)に含まれるセクタデータ及びPI、PO訂正符号に
対し変調処理を行い、変調データ1456ビット毎に32ビッ
トの同期信号(SY0〜7)を付加、配列(c)の13行毎に対し
て26フレームの変調データと同期信号で構成する。特に
セクタIDを含むフレーム先頭に付加する同期信号は、特
別な同期信号SY0が付加され、再生時のセクタ先頭検出
に用いられる。フレームを生成後のディスクへの記録
は、SY0を含むフレームを先頭に順にSY5、SY1、SY5、・・
・、SY4、SY7を含むフレーム順に、読み取り専用のディ
スクの場合はディスク上に記録ピットとして形成され、
ディスク内周から外周方向に向かい螺旋状のトラックと
なるように記録ピットが形成される。追記、或は書き換
え可能なディスクの場合は、ディスクの記録トラック
(ランド、或はグルーブ)に沿って記録マークとして記録
される。
【0011】図1の(1)において、前述したセクタデー
タの構成、行方向(PI系列)に10バイトのPI訂正符号を生
成、付加することは同様だが、ディスク上に記録する記
録マーク(ピット)長を1/n1倍(n1はマーク長縮小率、小
数でn1≧1)に縮小して高密度記録を行うため、PO訂正
符号を生成する対象となるセクタデータを12×16×n2バ
イト(n2は符号化率、正の整数で2i i=0,1 ,2、3、
・・・)の符号長に延長した列方向(PO系列)に対してPO訂正
符号16×n2バイトを生成する。更にPO系列の符号長、訂
正符号をn2倍に延長した訂正ブロック配列に対し、12行
のセクタデータ、PI訂正符号毎に、16×n2行のPO訂正符
号を1行ごとにインターリーブさせた配列が図1(2)で
ある。この場合の各セクタデータに含まれるセクタID番
号については、例えばn2=2の場合、訂正ブロック先頭
のセクタ0についてはセクタID下位5ビットに0を割り当
て、訂正ブロックの最終セクタ(16×n2−1)については1
F(16進数)を割り当てるようにする。n2=4の場合は同様
に、先頭セクタ0についてはセクタID下位6ビットが0で
あり、最終セクタ(16×n2−1)については3F(16進数)と
なる。以上説明した訂正ブロック構成のディジタル信号
が記録された高密度ディスク再生時にもこのセクタIDの
検出、デコードで、訂正ブロック先頭、或は終了を判断
する。この後ディスク上の記録マーク(ピット)として記
録する前に、変調処理、フレーム単位での同期信号(SY0
〜SY7)の付加が図3と同様の要領で行われ、生成された
フレームに対するディジタル信号を1/n1のマーク長縮
小率に従いディスク上に記録マーク(ピット)として縮小
記録される。
【0012】図1の(3)は符号化率n2の値とマーク長縮小
率n1の組み合せで決定される訂正能力、つまりリーダビ
リティの目安を示してある。図1の(3)においては、マ
ーク長縮小率n1=1、符号化率n2=1、つまり符号長の延
長を行わず、標準記録密度で記録された場合(図3の訂正
ブロック構成)のエラー訂正能力を1と正規化し、それを
基準にマーク長縮小率n1、符号化率n2の組み合せで決ま
るエラー訂正能力の比率を比較してある。例えば符号化
率n2=2でマーク長縮小率n1=2の場合もリーダビリティ
は1である。つまりn1=2のマーク長縮小率で高密度記録
を行った場合でも、n2=1、n1=1のディスクと同等のリ
ーダビリティを確保していることを示している。以上か
ら(リーダビリティ)=n2/n1として与えられる。
【0013】図1(3)において、例えば符号化率n2=2の
場合、リーダビリティをn2=1の場合と同等、或いはそ
れ以上に確保できるマーク長縮小率n1の範囲は、n1≦2
の関係であり、同様にn2=4、n2=8の場合はそれぞれn1
≦4、n1≦8の関係である。つまりマーク長縮小率と符号
化率の関係を、n1≦n2(2i i=0,1,2、3、・・・)とし、
その条件を満たすn1とn2に従ったディジタル信号の生
成、ディスクへの記録マーク長の縮小による記録を行え
ば、 再生時にn2=1、n1=1の条件で記録されたディス
クと同等、またはそれ以上のリーダビリティを確保する
ことができる。しかしながら、n2=1、n1=1の条件で記
録されたディスクのリーダビリティ以下でもよい場合、
例えば符号化率n2=2でディジタル信号の生成を行い、
リーダビリティが0.5程度でよい場合は、n1≦(n2×2)の
範囲のマーク長縮小率で記録する。同様にn2=4、n2=8
の場合もn1≦(n2×2)の範囲となる。またディスクに記
録する際のマーク長がディスク規格により定められてお
り、縮小率n1がそれにより決まる場合、例えばn1=1.5
の場合、リーダビリティの向上の必要性が有れば符号化
率n2=2で生成したディジタル信号の記録を行い、リー
ダビリティが低下してもよいとされた場合符号化率n2=
1のままで生成したディジタル信号がディスクに記録さ
れる。n1とn2の組合せについてはいずれにせよ図1(3)
に示すように、高密度ディスクに記録する記録マーク
(ピット)長の縮小率n1の値と、ディスクに要求されるリ
ーダビリティによって符号化率n2の選択がディスクへの
ディジタル信号記録前に行われる。
【0014】以上説明した実施例によると、最小マーク
(ピット)長を1/n1に縮小して高密度記録を行う際に、
ディジタル情報の構成単位の一つである訂正ブロックの
生成を、符号長をn2倍にして縦方向(PO系列)の誤り訂正
符号の生成を行い、生成する訂正符号バイト数をn2倍に
して付加しディジタル信号の記録を行うことで、バース
トエラー発生時にも標準密度ディスクと同等のリーダビ
リティを確保することが可能となる。またPO系列に対す
る符号長、訂正符号数がn2倍になるのみで、標準密度デ
ィスクに対する訂正ブロック構成との高い互換性を維持
することが可能となる。また1訂正ブロック当りに含ま
れる行数、PO訂正符号のバイト数は増加しても、標準密
度ディスクと比べ冗長なデータの増加はなく記録効率を
維持したまま、訂正能力向上が可能となる。
【0015】なおた1訂正ブロックの先頭セクタ0に含
まれうセクタIDの下位ビットは全て0でありことに限定
されず、例えばn2=2の場合4ビット目が1で、0から3ビ
ット目がすべて0であっても構わない。この場合ブロッ
ク先頭のセクタ0に対する下位5ビットは10(16進数)で最
終セクタ(16×n2−1)については0F(16進数)となる。ま
た訂正ブロックの構成はPI系列の符号長に対する訂正符
号バイト数は10バイトのままであったが、ランダムエラ
ーに対する訂正能力向上の必要性がある場合には、訂正
ブロック中のPI系列の符号長は変更せずに、生成するPI
訂正符号数を増やすことも可能である。この場合図1で
説明した符号化率n2に従った訂正ブロックの構成方法と
組み合せることにより、更にエラーに対するリーダビリ
ティが向上することになる。
【0016】図4は図1で説明した符号化率n2とマーク
長縮小率n1の組み合せで訂正ブロックを構成し、そのデ
ィジタル信号を記録マーク(ピット)として記録したディ
スクに対する再生が可能な装置の一例を示してある。図
4において1はマーク長縮小率n1と符号化率n2の組み合
せで記録された光ディスク、2は高密度で記録された記
録マーク(ピット)の読み取りも可能な高密度対応ヘッ
ド、3はプリアンプ、4はフレーム同期信号の検出、フレ
ームデータの抽出を行う同期検出回路、5は変調されて
いるフレームデータに対する復調処理を行う復調回路、
6はセクタデータの先頭検出に従いセクタIDを検出する
セクタID検出回路、7はフレーム同期信号の検出とセク
タIDから1訂正ブロックの配列に対するメモリへの書き
込みアドレスを生成するアドレス生成回路、8はセクタI
Dの検出結果から訂正ブロック配列の先頭を判定するブ
ロック先頭判定回路、9はメモリへの復調データ転送を
制御し、訂正ブロック単位の復調データ量の転送終了を
検出するデータ転送制御回路、10はメモリ11への復調デ
ータ書き込み、読み出しを制御し、訂正ブロック単位の
データ量でメモリ11に対するメモリマップ上の領域を管
理するメモリコントローラー、11は復調データを一時的
に蓄積するメモリ、12、16はメモリに蓄えられた復調デ
ータで構成される訂正ブロックに対して、PI系列、PO系
列それぞれに対する訂正符号の復号で、復調データに含
まれるエラーの訂正を行うPI訂正回路、PO訂正回路、13
は訂正処理が終了した復調データに対しスクランブル解
除を行うデスクランブル回路、14は再生装置を構成する
各回路とシステムコントローラー15とのインターフェイ
スを掌るインターフェイス回路、15は装置全体の制御を
行うシステムコントローラである。なおアドレス生成回
路7、ブロック先頭判定回路8、メモリコントローラ10、
PO訂正回路12は信号処理モード切替信号に従い、符号化
率n2の値に従った訂正ブロック配列に対する各処理動作
の切替が可能となっている。
【0017】図4において、ディスク再生を行う前に行
われる光ディスク1の判別動作について図5を用いて共
に説明する。光ディスク1が装置に挿入(セット)される
と、システムコントローラ15はヘッド2をディスクの最
内周に移動アクセスを制御を行い、最内周のリードイン
エリアに対する再生を行う(ステップ501、502)。プリア
ンプ回路3より得られる再生信号に対して復調処理、誤
り訂正処理を実行、リードインエリアに格納されている
情報の再生を試みる(ステップ503)。例えばリードイン
エリアの再生に対する信号処理で、PO訂正回路12で訂正
不能となった場合には(ステップ504)、ディスクに記録
されたディジタル信号で構成される訂正ブロック構成の
符号化率n2が、信号処理モード切替信号でPO訂正回路12
をはじめとする各回路に設定された符号化率n2に対応し
た動作モードと異なる場合が考えられる。またヘッド2
がマーク長縮小率n1の再生に適したレーザー発振を行っ
ていない場合も考えられる。そこでシステムコントロー
ラ15はヘッド2に対してヘッド切替信号を生成(ステップ
505)、それに従いヘッド2はレーザー発振波長を切り替
えディスク上のリードインエリアを再度読み取り、ステ
ップ502からの処理を再度行う。またPO訂正回路12で訂
正不能となる場合に、システムコントローラ15はインタ
ーフェイス回路14を介して信号処理モード切替信号を生
成し、PO訂正回路12をはじめとする各回路に対して、符
号化率n2(n2=2i i=0、1、2、3、…)に対応した回路
動作を切り替えるための動作モード切替信号を生成する
(ステップ505)。動作モード切替信号に従いステップ502
からのリードインエリア再生に対する信号処理を行いPO
訂正回路12で訂正不能が検出されなくなるまで符号化率
n2にしたがった各回路の動作モード切替、ヘッド2の動
作モードを組み合せて順次行っていく。ステップ504の
判定でPO訂正回路12で訂正不能が検出されない場合に
は、デスクランブル回路13による出力処理を行い(ステ
ップ506)、その再生情報からリードインエリアに含まれ
る記録密度、転送レート、または高密度ディスクと標準
密度との識別情報、マーク長縮小率n1、符号化率n2を
示す情報などの情報をシステムコントローラ15に取り込
み、再生している光ディスク1に記録されているディジ
タル信号に対する訂正ブロック配列の符号化率n2(n2=2
i i=0、1、2、3、…)の値を最終的に判断し(ステップ
507)、動作モード切替信号に従った各回路、ヘッド2そ
れぞれの動作モードを決定する(ステップ508)。もしリ
ードインエリアの再生処理の結果得られたn2に対する動
作モードの設定と、リードインエリアからの再生情報よ
り明らかになるn2が異なる場合は、再度ステップ502か
らのディスク判別動作を繰り返したり、再生不能ディス
クとしてこれ以上の再生を中止する処理などが行われ
る。
【0018】図4の再生装置における符号化率n2に従っ
た訂正ブロック配列のディジタル信号が記録された光デ
ィスク1の信号処理動作を図6と共に説明する。図4に
おいて前述したディスク判別処理により、例えば符号化
率n2=1のディジタル信号を記録したディスクとして判
定され、信号処理モード切替信号により、装置に含まれ
る回路が符号化率n2=1の訂正ブロック配列の再生ディ
ジタル信号に対する信号処理動作を図6(a)に示す。ま
ず光ディスク1からヘッド2を介して読み取られた再生信
号をプリアンプ回路3で増幅し、同期検出回路4において
再生データに含まれる同期信号の検出でそれ以降に続く
フレームデータに対する同期化を行い、復調処理回路5
から復調データを出力、同時に同期パターンコード(SY0
〜SY7)の検出が行われる。セクタID検出回路6では検出
された同期パターンコードの中でセクタ先頭を示すSY0
検出に呼応してSY0フレームに対する復調データからセ
クタIDの検出を行う。アドレス生成回路7は検出されたS
Y0〜7コードの検出順より1セクタデータ内のフレーム位
置を判定し、その判定結果と検出したセクタID下位4ビ
ットより、訂正ブロック配列のの行に同期したブロック
内アドレス0〜(12+1)×16−1(=207:10進数表示)を
生成する。ブロック先頭判定回路8においては検出され
たセクタIDの下位4ビット全てが0となる場合をデコード
することでブロック先頭を検出する。データ転送制御回
路9ではそのブロック先頭検出結果とシステムコントロ
ーラ15により制御される転送制御信号から、メモリコン
トローラ10に対して訂正ブロック単位で復調データのメ
モリ11への書込みを制御するメモリ転送イネーブル信号
と、1訂正ブロック、(182×(12+1)×16)バイト単位の
データ量の転送終了に同期したブロック終了検出信号を
生成する。メモリコントローラー10はブロック内アドレ
ス、メモリ転送イネーブル信号に従い、メモリ11に1訂
正ブロック分の(182×(12+1)×16)バイト単位の復調デ
ータを格納する。更に、ブロック終了検出に従い1訂正
ブロック分の復調データの格納領域を順次更新し、メモ
リ上で1訂正ブロック(182×(12+1)×16)バイト単位の
リングバッファとなるように制御する。またメモリコン
トローラ10はブロック終了検出に従い、PO訂正回路12に
対して1訂正ブロック分の復調データの格納が終了した
メモリ上の領域に対し、復調データの読み出し書込みを
許可し、PO訂正回路12はメモリ11から(12+1)×16バイ
トのPO系列に対する復調データの読み出しをPO訂正符号
の行インターリーブを解きながら行い、訂正符号の復
号、エラーの検出、訂正データをメモリコントローラ10
を介して、メモリ11へ書込み、例えば、PI訂正符号との
繰り返し訂正処理を行わない場合は、(12+1)×16バイ
ト単位の訂正をPI訂正符号の部分を除いた172列に対し
て行う。1訂正ブロックに含まれるPO系列に対する訂正
処理終了に呼応して訂正終了検出を出力する。メモリコ
ントローラ10は訂正終了検出に従い次に訂正処理を行う
訂正ブロックの格納領域に対する復調データの読み出
し、書込みを許可し、PO訂正回路12は更新された領域に
対する訂正ブロック配列に含まれる復調データに対し誤
り訂正処理を行う。メモリコントローラ10は訂正終了検
出に呼応してデスクランブル回路13に対して訂正処理の
終了した訂正ブロック配列に含まれる復調データの読み
出しを許可し、デスクランブル回路13は読み出されたデ
ータに対してEDCのデコード、スクランブル解除の処理
を行った後、もとのディジタル情報を出力する。出力さ
れたディジタル情報はホストコンピュータへ転送された
り、映像、音声処理回路に出力され、映像、音声信号に
復号される。
【0019】次に図5のディスク判別処理で例えば符号
化率n2=2のディスクとして判定され、信号処理モード
切替信号により、装置に含まれる回路が符号化率n2=2
の訂正ブロック配列の再生ディジタル信号に対する信号
処理動作を図6(b)に示す。アドレス生成回路7は検出さ
れたSY0〜7のコードの検出順より判定された1セクタデ
ータ内のフレーム位置と、検出されたセクタID下位5ビ
ットより符号化率n2=2の訂正ブロック配列の行に同期
したアドレス0〜(12+1)×16×n2(=2)−1(=415:10進
数表示)を生成する。ブロック先頭判定回路8における訂
正ブロックの先頭検出についても検出セクタID下位5ビ
ット全てが例えば0をデコードすることで行われる。デ
ータ転送制御回路9ではブロック先頭検出結果と転送制
御信号から、メモリコントローラ10に対して訂正ブロッ
ク単位で復調データのメモリ11への書込みを制御するメ
モリ転送イネーブル信号と、1訂正ブロック、(182×(12
+1)×16×n2(=2))バイト単位のデータ量の転送終了に
同期したブロック終了検出信号を生成する。メモリコメ
モリコントローラー10はブロック内アドレス、メモリ転
送イネーブル信号に従い、メモリ11に1訂正ブロック分
の(182×(12+1)×16×n2(=2))バイト単位の復調データ
を格納する。更に、ブロック終了検出に従い1訂正ブロ
ック分の復調データの格納領域を順次更新し、メモリ上
で1訂正ブロック(182×(12+1)×16×n2(=2))バイト単
位のリングバッファとなるように制御する。PO訂正回路
12はメモリ11からメモリコントローラ10を介してPO系列
に対する復調データの読み出しをPO訂正符号の行インタ
ーリーブを解きながら行い、(12+1)×16×n2(=2)バイ
トのPO系列に対する訂正処理を172列に対して行う。そ
れ以降の動作は前述した符号化率n2=1での動作と同様
である。なおn2=4、8、…の場合のブロック先頭判定条
件はそれぞれセクタID下位6ビット全てが0、下位7ビッ
ト全てが0をデコードするという具合になり、アドレス
生成回路7で生成する訂正ブロック内の行アドレスは0〜
(12+1)×16×n2(=4、8、…)−1となる。メモリコント
ローラ10で管理される1訂正ブロックあたりのデータ量
は182×(12+1)×16×n2(=4、8、…)バイト、PO訂正回
路12における誤り訂正の対象となるPO系列は(12+1)×1
6×n2(=4,8、…)バイトとなる。各回路における動作切
替は符号化率n2の判別結果に従い生成される信号処理モ
ード切替信号によって行われる。
【0020】以上説明した実施例では、ディスク再生前
に行われる判別処理により符号化率n2の判別を行い、そ
の判別結果に応じた信号処理モード切替信号を、アドレ
ス生成回路、ブロック先頭判定回路、メモリコントロー
ラ、PO訂正回路に設定、各回路は切替信号に従いそれぞ
れの動作を切り替えることで、符号化率n2の値に応じた
訂正ブロック配列でディジタル信号の記録が行われたデ
ィスクの再生が可能となり、その装置が実現可能であ
る。またn2=1の訂正ブロック配列の場合のディスク再
生に必要な回路に対し、n2≧2の訂正ブロック配列に対
応する回路動作を最小限追加することで高密度ディスク
に対するディジタル信号処理が可能であり、再生装置の
変更が最小となる。なお図4の装置における符号化率n2
の判別は、図5のフローチャートで説明した判別方法に
限定されるものに限らず、例えばマーク長縮小率が1/n
1の高密度ディスクにおいて、記録マークに対する復調
前の再生ディジタル信号に含まれるパルス間隔を、高速
クロックなどを用いて計測し、例えばその計測結果から
得られる最大或いは最小パルス幅間隔の分布と標準記録
密度に対する分布とを比較することで符号化率n2を判別
したり、マーク長縮小率n1を推測し、そこから符号化率
n2の判別を行うことも考えられる。
【0021】図6は図1で説明した符号化率n2(n2≧2)
の訂正ブロック配列のディジタル信号を生成しマーク長
縮小率n1(n1≧1)の記録マークとしてディスクのトラッ
ク上に記録することが可能な装置の一例を示してある。
17は光ディスク1上に記録マークを生成する際に必要と
なるライトパルスの生成を行うライトパルス生成回路、
18は光ディスク1中の記録トラック側面をうねらせ、そ
のうねり(ウォブリング)をヘッド2で検出することでウ
ォブリングに同期した記録クロックの生成を行うウォブ
ル検出回路、19は変調回路、20はセクタデータに格納す
るディジタル情報に対しセクタIDなどを付加するセクタ
データ生成回路、21は1訂正ブロック配列に対しPO系列
に対する訂正符号の生成を行うPO符号生成回路、22は同
配列のPI系列に対する誤り訂正符号の生成を行うPI符号
生成回路、23は変調後のフレームデータに対してその先
頭を示す同期信号(SY0〜SY7)を付加する同期信号付加回
路、24は記録マークとして記録されるフレーム単位のデ
ィジタル信号と記録トラック上の記録位置との同期を取
るために、あらかじめ記録トラック上に刻まれているプ
リピットに対する検出を行うプリピット検出回路であ
り、図4と重複する符号については説明を省略する。な
おこの実施例の場合もセクタデータ生成回路20、メモリ
コントローラ10、PO符号生成回路21については信号処理
モード切替信号に従い、符号化率n2の判別結果に応じて
訂正ブロック配列の生成に必要なデータ量の転送制御、
訂正ブロック配列のメモリ11への書込み制御、PO系列の
符号長とそれに付加するPO訂正符号数の切替が可能とな
っている。また図6はディスクへの記録動作に必要な回
路のみを記載しており、ディスクへの記録が可能な装置
には図4の再生装置を構成する回路も含まれ、システム
コントローラ15によってディスクへの記録動作、再生動
作の切替を制御する。
【0022】図6において、ディスク記録の前に行われ
る光ディスク1に対する符号化率n2の判別については、
例えば図5のフローチャートにより説明した判別処理に
従って行われ、システムコントローラ15はインターフェ
イス回路14を介してセクタデータ生成回路20、メモリコ
ントローラ10、PO符号生成回路21に対して、符号化率n2
の判別結果に従った信号処理モードの設定を行う。例え
ば符号化率n2=2の訂正ブロック配列のディジタル信号
を記録するディスクとして判別された場合は、ホストコ
ンピュータからの転送データや映像、音声符号化回路か
らの転送ストリームデータに対してスクランブル処理の
行われたディジタル情報がセクタデータ生成回路20に入
力され、172バイト×12行のセクタデータ配列中に含ま
れるセクタID、EDC符号の付加を行いながら、メモリコ
ントローラ10を介してメモリ11に対する訂正ブロックデ
ータの記憶領域に書き込む。更にセクタデータ172バイ
ト×12×16×n2(=2)のデータ量、つまり訂正符号の符号
化の対象となるデータ量の転送終了に同期してブロック
データ転送終了信号を生成する。メモリコントローラ10
は符号化率n2=2に対する符号化前の訂正ブロックデー
タ量でメモリ11へのセクタデータの書込みを制御するよ
うに設定されており、ブロックデータ転送終了信号に呼
応してメモリ11上の符号化前の訂正ブロックデータの書
き込み領域を順次更新し172バイト×12×16×n2(=2)単
位のリングバッファとなるように制御する。メモリコン
トローラ10はブロックデータ転送終了検出に呼応して、
PO符号生成回路21に対して書込みの終了した訂正ブロ
ックデータのメモリアクセスを許可、メモリ11からPO系
列12×16×n2(=2)バイト単位でデータを読み出し、16×
n2(=2)バイトのPO訂正符号を生成、メモリ11上のブロッ
クデータ配列の12×16×n2(=2)行目以降に生成した符号
の書込みを行う。訂正ブロックデータを構成する172列
分のPO系列に対する訂正符号の生成、メモリ11への書込
みが終了すると、データレディ信号と訂正符号の生成終
了を示す符号生成終了信号を生成する。メモリコントロ
ーラはこの符号生成終了信号に従い、PO訂正符号生成の
対象となるブロックデータのメモリへの格納が終了した
記憶領域に対するアクセスを許可しPO訂正符号の生成処
理を行う。またシステムコントローラ15はディスク上の
書込み開始位置付近にヘッド2を移動し、ヘッド2の移動
終了とデータレディ信号の検出の条件成立で転送イネー
ブル信号を生成、PO訂正符号付加が終了したブロックデ
ータ格納領域に含まれるデータのPI符号生成回路22への
出力を許可する。PI符号生成回路22ではPI系列の172バ
イト単位で10バイトのPI符号を生成、変調回路19への17
2バイトデータ転送の後に10バイトのPI訂正符号を転送
し、同時にメモリコントローラ10はブロックデータ12行
の読み出しが終了する毎にPO訂正符号に対する1行を順
次読み出しPO訂正符号の行インターリーブを実行、PI訂
正符号の付加を行い変調回路19において変調処理、同期
信号付加回路23においてフレームデータに変換され
る。一方でシステムコントローラ15はデータレディ信号
に従い、ライトパルス生成回路17に対して記録マークを
トラック上に生成する際に必要なライトパルスの発生を
許可、ライトパルス発生回路17はウォブル検出回路18で
検出、生成した記録クロックを用いてフレームデータに
応じて書込みパルスを生成、更にプリピット検出回路24
で検出されたプリピットタイミングを用いてフレームデ
ータ単位で、フレームデータに対する記録マークの生成
開始位置と記録トラック位置との同期化を行い、ヘッド
2を会すことで縮小率1/n1の記録マークとして記録を行
う。
【0023】以上のようにこの実施例では、記録前にデ
ィスク判別を行うことで、符号化率n2の判定を行い、そ
れに呼応した信号処理モード切替信号を生成、セクタデ
ータ生成回路、メモリコントローラ、PO符号生成回路に
おいて符号化率n2に応じた動作の切替を行うことによ
り、ディスクへ記録する記録マーク長の縮小率1/n1に
応じた符号化率n2の訂正ブロック配列に対するディジタ
ル信号の生成、ディスク記録が可能な記録装置を容易に
実現できる。また標準密度のディスク記録に対応する回
路に対し、高密度ディスクに対する記録動作を最小限追
加することで高密度ディスクへの記録が可能であるた
め、記録装置の変更が最小となる。
【0024】なお図7で説明した装置における符号化率
n2の判別動作については、図5のフローチャートで説明
した判別動作に限定されるものではなく、例えば、マー
ク長縮小率が1/n1の高密度ディスクにおいて、トラッ
ク側面に形成されるウォブリングの周期、プリピットの
刻まれる間隔が標準記録密度ディスクに対して変更され
た場合には、ウォブル検出回路18やプリピット検出回路
24において、ウォブリングの検出信号の周期やプリピッ
ト検出間隔を高速クロックなどを用いて計測し、標準記
録密度に対する周期と比較することで、符号化率n2を判
別したり、マーク長縮小率n1を推測し、そこから符号化
率n2の判別を行うことも考えられる。
【0025】なお本発明において対象となる光ディスク
は変調後のデータを連続してトラック上に書き込むもの
に限定されず、書換え可能なディスク上のプリピットと
してディスク中の物理アドレスが刻まれ、そのプリピッ
トの間にセクタ単位で非連続的にセクタデータの記録を
行い、再生時に複数のセクタデータを集めることで訂正
ブロックを構成する場合の光ディスクにも適応できる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、マ
ーク長を1/n1に縮小してディスクへの高密度記録を行
う際に、記録するディジタル信号の構成単位の一つであ
る訂正ブロックおいて、誤り訂正符号の付加を行う系列
の符号長をn2倍にして縦方向(PO系列)の訂正符号の生成
を行い、訂正符号のバイト数をn2倍にして生成したディ
ジタル信号を、1/n1に縮小した記録マークとしてディ
スクに記録することで、バーストエラー発生時に標準密
度ディスクと同等のリーダビリティを確保することが可
能となる。更に訂正ブロック構成の高い互換性を維持す
ることが可能である。また符号化率n2の値により1訂正
ブロックに含まれるデータ量、PO訂正符号のバイト数は
増加するが冗長なデータの増加はなく、記録効率を維持
したまま訂正能力向上が可能となる。
【0027】再生装置については、再生前に行われるデ
ィスク判別処理で符号化率n2の判定を行い、それに対応
した各回路動作に切り替えることで、符号化率n2の値に
対応した訂正ブロック構成のディジタル信号が記録され
たディスクの再生が可能な装置が容易に実現できる。ま
たn2の値に応じた回路動作を最小限追加することで高密
度ディスクの再生が可能であるため装置の変更が最小と
なる。
【0028】記録装置についても、記録前に行われるデ
ィスク判別処理で符号化率n2の判定を行い、それに対応
した各回路動作に切り替えることで、符号化率n2の値に
対応した訂正ブロック構成のディジタル信号を生成し、
ディスクへの記録が可能な装置を容易に実現できる。こ
の場合もn2の値に応じた回路動作を最小限追加すること
で高密度ディスクへの記録が可能であるため装置の変更
が最小となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるディジタル信号記録方法の一実施
例を示す図。
【図2】ディスクの高密度化方法の一例とバーストエラ
ー増加の様子を示した図。
【図3】ディスクに記録する情報のディジタル信号処理
方法の一例を示した図。
【図4】高密度ディスク再生にも対応した装置の一例を
示すフブロック図。
【図5】ディスク判別処理を示したフローチャート。
【図6】再生装置の動作を示したタイミングチャート。
【図7】高密度ディスク記録にも対応した装置の一例を
示すブロック図。
【符号の説明】
1…光ディスク、2…高密度対応ヘッド、3…プリアン
プ回路、4…同期検出回路、5…復調回路、6…セクタ
ID検出回路、7…アドレス生成回路、8…ブロック先頭
判定回路、9…データ転送制御回路、10…メモリコン
トローラ、11…メモリ、12…PO訂正回路、14…イ
ンターフェイス回路、15…システムコントローラ、1
6…PI訂正回路、17…ライトパルス生成回路、18…
ウォブル検出回路、19…変調回路、20…セクタデー
タ生成回路、21…PO符号生成回路、22…PI符号生成
回路、23…同期信号付加回路、24…プリピット検出
回路。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディジタル信号を記録媒体上に記録マーク
    或いは記録ピットとして記録する際に必要なディジタル
    信号記録方法であって、ディジタル信号の構成単位iバ
    イト×j行(i、jは正の整数)の第1の配列において符号長
    jバイトの系列に対する第1の訂正符号kバイトを生成、i
    バイト×(j+k)行の第2の配列を形成し、第2の配列にお
    いて符号長iバイトの系列に対する第2の訂正符号pバイ
    ト(pは正の整数)を生成、(i+p)バイト×(j+k)行の第3
    の配列を少なくとも形成し、配列に含まれるデータに対
    し変調処理、同期信号付加を少なくとも行うことでディ
    ジタル信号を生成する場合に対して、 上記第1の配列をn2 (n2は整数でn2=2i 、i=0、1、2、
    3、4、…)個集めて構成した iバイト×(j×n2)行の配列
    に対し、符号長(j×n2)バイトの系列に対する第1の訂正
    符号sバイトを生成(sは正の整数でs>k)、iバイト×(j
    ×n2+s)行の第2の配列を形成し、第2の配列において符
    号長iバイトの系列に対する第2の訂正符号qバイト(qは
    正の整数でq≧p或いはq≦p)を生成、(i+q)バイト×(j
    ×n2+s)行の第3の配列を少なくとも形成し、配列に含
    まれるデータに対し変調処理、同期信号付加を少なくと
    も行うことでディジタル信号を生成し、記録媒体中のト
    ラック上に記録する際には、記録媒体中のトラック上に
    記録マーク或いは記録ピットとして記録する際には、そ
    の記録マーク或いは記録ピットを1/n1(n1は小数でn1≧
    1)に縮小し、ディジタル信号を連続的に、或いは一定
    のデータ量毎に非連続的に記録を行うことを特徴とする
    ディジタル信号記録方法。
  2. 【請求項2】ディジタル信号を記録媒体上に記録マーク
    或いは記録ピットとして記録する際に必要なディジタル
    信号記録方法であって、ディジタル信号の構成単位の一
    つであるiバイト×j行(i、jは正の整数)の第1の配列k(k
    は正の整数)個でiバイト×(j×k)行の第2の配列を形成
    し、第2の配列において符号長(j×k)バイトの系列に対
    する第1の訂正符号kバイトを生成、iバイト×(j×k+k)
    行の第3の配列を形成し、第3の配列において符号長iバ
    イトの系列に対する第2の訂正符号pバイト(pは正の整
    数)を生成、(i+p)バイト×(j×k+k)行の第4の配列を
    形成し、更に第4の配列に対して、第1の訂正符号が含ま
    れるk行をj行ごとに1行分散させて形成した第5の配列
    に対し、配列に含まれるデータに対し変調処理、同期信
    号付加を行うことでディジタル信号を生成する場合に対
    して、 上記第1の配列をk×n2 (n2は整数でn2=2i 、i=0、1、
    2、3、4、…)個集めて構成した iバイト×(j×k×n2)行
    の配列に対し、符号長(j×k×n2)バイトの系列に対する
    第1の訂正符号(k×n2)バイトを生成、iバイト×(j×k×
    n2+k×n2)行の第3の配列を形成し、第3の配列において
    符号長iバイトの系列に対する第2の訂正符号qバイト(q
    は正の整数でq≧p或いはq≦p)を生成、(i+q)バイト×
    (j×k×n2+k×n2)行の第4の配列を形成し、更に第4の
    配列に対して、第1の訂正符号を含む(k×n2)行をj行ご
    とに1行分散させた後の第5の配列を少なくとも形成
    し、配列に含まれるデータに対し変調処理、同期信号付
    加を行うことで生成したディジタル信号を、記録媒体中
    のトラック上に記録マーク或いは記録ピットとして記録
    する際には、その記録マーク或いは記録ピットを1/n1
    (n1は小数でn1≧1)に縮小し、ディジタル信号を連続的
    に、或いはデータ量(i+q)バイト×(j+1)行に対する変
    調後のデータ量毎に非連続的に記録を行うことを特徴と
    するディジタル信号記録方法。
  3. 【請求項3】請求項1或いは2におけるディジタル信号
    記録方法で生成したディジタル信号を記録したディスク
    状の記録媒体であって、少なくとも生成したディジタル
    信号に対する記録マーク或いは記録ピットを1/n1(n1は
    小数でn1≧1)に縮小し、ディスク状の記録媒体上に存
    在する記録トラックに沿って連続的に、或いは一定のデ
    ータ量毎に非連続的に形成することを特徴とするディス
    ク状の記録媒体。
  4. 【請求項4】請求項1、2、3における記録マーク或い
    は記録ピットの縮小率n1は、 n2=2i (i=0、1、2、3、
    4、…)に対してn1≦n2、或いは(1/n2)≦n1≦n2の条件を
    満たす小数であることを特徴とする。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3における記録マーク或い
    は記録ピットの縮小率n1は、 n2=2i (i=0、1、2、3、
    4、…)に対してn2≦n1、或いはn2≦n1≦(n2×2)の条
    件を満たす小数であることを特徴とする。
  6. 【請求項6】請求項1、2において生成するディジタル
    信号、或いは請求項3においてディスク状の記録媒体に
    記録するディジタル信号は、n1、n2両方についての識別
    情報、またはそれらのうち一方が明らかとなる識別情報
    を、ディジタル信号中に含めることを特徴とする。
  7. 【請求項7】請求項3のディスク状の記録媒体は、記録
    媒体中のリードイン領域にn1、n2両方についての識別情
    報、またはそれらのうち一方が明らかとなる識別情報を
    含めることを特徴とする。
  8. 【請求項8】請求項1、請求項2の記録方法でディジタ
    ル信号を記録した記録媒体、或いは請求項3のディスク
    状の記録媒体に記録されたディジタル信号の再生を行う
    装置であって、1/n1に縮小して記録媒体にディジタル
    信号を記録した記録マーク或いは記録ピットの読取りも
    可能な読取り手段と、記録媒体に記録されているディジ
    タル信号のn2の値を判別する判別手段と、再生されたデ
    ィジタル信号を一時的に記憶するメモリ手段と、メモリ
    手段へのディジタル信号の記憶を制御する制御手段と、
    メモリ手段に記憶されたディジタル信号に対し第1、第2
    の訂正符号の復号を行い、第1、第2の訂正符号を付加し
    た系列中に発生した誤りの訂正を行う訂正手段とを少な
    くとも有し、上記n2の値の判別手段における判別結果に
    従って、少なくとも上記制御手段はメモリ手段に記憶す
    るディジタル信号のデータ量を切り替えるように制御
    し、上記訂正手段は第1の訂正符号の復号動作を切り替
    えて動作することを特徴とする装置。
  9. 【請求項9】請求項1、請求項2の記録方法でディジタ
    ル信号を生成し記録媒体に記録、あるいは再生する装置
    であって、記録媒体へのディジタル信号の記録を1/n1
    に縮小した記録した記録マーク或いは記録ピットとして
    も書込みが可能で、更に読取りも可能な書込み、読取り
    手段と、記録媒体に記録されているディジタル信号のn2
    の値を判別する判別手段、再生されたディジタル信号、
    あるいは記録するディジタル信号を一時的に記憶するメ
    モリ手段、メモリ手段へのディジタル信号の記憶を制御
    する制御手段、メモリ手段に記憶されたディジタル信号
    に対し第1、第2の訂正符号の復号を行い、第1、第2の訂
    正符号を付加した系列中に発生した誤りの訂正を行う訂
    正手段、メモリ手段に記憶されたディジタル信号に対し
    第1、第2の訂正符号を付加する系列に対する、第1、第2
    の訂正符号を生成する符号生成手段とを少なくとも有
    し、上記n2の値の判別手段における判別結果に従って、
    少なくとも上記制御手段はメモリ手段に記憶するディジ
    タル信号のデータ量を切り替えるように制御し、再生時
    に上記訂正手段は第1の訂正符号の復号動作を切り替え
    て動作し、記録時に上記第1の符号生成手段は訂正符号
    の生成符号数を切り替えて動作することを特徴とする装
    置。
  10. 【請求項10】請求項8、請求項9の装置の判別手段に
    おいて行われるn2の判別方法であって、前述した制御手
    段における再生されたディジタル信号のメモリ手段への
    記憶動作、前述した訂正手段において少なくとも第1の
    訂正符号の復号、第1の訂正符号を付加した系列に対す
    る誤り訂正動作それぞれを、n2の値を順次更新(n2=2i
    i=0、1、2、3、…)して行い、訂正手段における誤り
    訂正処理の結果が訂正不能とならない場合のn2の値を判
    別結果として採用することを特徴とする装置。
  11. 【請求項11】請求項8、請求項9の装置の判別手段に
    おいて行われるn2の判別方法であって、ディジタル信号
    中に記録された、或いはディスク状の記録媒体中のリー
    ドイン領域に含まれるn1、n2についての識別情報、また
    はそれらのうち一方が明らかとなる識別情報の検出結果
    をもとにn2の値を判別することを特徴とする装置。
  12. 【請求項12】請求項8、請求項9の装置の判別手段に
    おいて行われるn2の判別方法であって、請求項10の判
    別処理を行った後,請求項11の判別処理を組み合せて
    行うことで、最終的にn2の値を判定結果として採用する
    ことを特徴とする装置。
  13. 【請求項13】請求項8、請求項9の装置の判別手段に
    おいて行われるn2の判別方法であって、少なくとも記録
    ピット或いは記録マークの長さに対応した再生パルスの
    幅計測を行い、その結果に基づき記録媒体に形成された
    記録マーク或いは記録ピットの縮小率n1の値を判定し、
    更に判定したn1の値を基にn2の値を判別することを特徴
    とする装置。
  14. 【請求項14】請求項8、請求項9の装置の判別手段に
    おいて行われるn2の判別方法であって、少なくともディ
    スク状の記録媒体中のトラック側面をうねらせて形成さ
    れたウォブル信号を再生し、再生ウォブル信号の周期計
    測結果によりn1を判定、その判定結果からn2の値を判別
    する、或いは周期計測結果から直接n2の値を判別するこ
    とを特徴とする装置。
  15. 【請求項15】請求項8、請求項9の装置の判別手段に
    おいて行われるn2の判別方法であって、少なくともディ
    スク状の記録媒体中のトラック上にあらかじめ刻まれた
    プリピットを検出し、そのプリピットの検出周期を計測
    することでn1を判定、その判定結果からn2の値を判別す
    る、或いは周期計測結果から直接n2の値を判別すること
    を特徴とする装置。
  16. 【請求項16】請求項8、請求項9の装置の判別手段に
    おいて行われるn2の判別方法であって、少なくともディ
    スク状の記録媒体中のトラック側面をうねらせて形成さ
    れたウォブル信号を再生すると同時に、ディスク状の記
    録媒体中のトラック上にあらかじめ刻まれたプリピット
    を検出し、そのプリピットの検出期間中に再生されるウ
    ォブル信号の繰り返し周期回数を計測した結果より、n1
    を判定、その判定結果からn2の値を判別する、或いは周
    期計測結果から直接n2の値を判別することを特徴とする
    装置。
  17. 【請求項17】請求項1において符号長(j×n2)バイト
    の系列に対するsバイトの第1の訂正符号は、符号長jバ
    イトの系列に対するkバイトの第1の訂正符号が持ち合
    わせる訂正能力に対して、n2倍の訂正能力を持つ訂正符
    号が付加されることを特徴とする。
  18. 【請求項18】請求項2において符号長(j×k×n2)バイ
    トの系列に対する(k×n2)バイトの第1の訂正符号は、符
    号長(j×k)バイトの系列に対するkバイトの第1の訂正
    符号が持ち合わせる訂正能力に対して、n2倍の訂正能力
    を持つ訂正符号が付加されることを特徴とする。
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