JP2005116083A - 情報再生装置および情報記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】符号間干渉がさらに進んでも比較的精度よくデータを再生し得る情報記録再生装置および情報再生方法を提供する。
【解決手段】ROM信号発生回路20には、当該再生装置にて予測データを再生したときに得られると予測される予測信号波形が予測データに対応付けて格納されている。予測データ発生回路11は、再生信号から予測される予測データ群を生成する。ROM信号発生回路11は、生成された予測データ群に対応付けられた予測信号波形を読み出し比較回路10に送る。比較回路10は、予測信号波形と再生信号波形の二乗誤差Veを算出し再生データ判定回路13に送る。再生データ判定回路13は、二乗誤差Veが最も小さい予測信号波形を特定し、この予測信号波形に対応する予測データを再生データとして出力する。
【選択図】図9
【解決手段】ROM信号発生回路20には、当該再生装置にて予測データを再生したときに得られると予測される予測信号波形が予測データに対応付けて格納されている。予測データ発生回路11は、再生信号から予測される予測データ群を生成する。ROM信号発生回路11は、生成された予測データ群に対応付けられた予測信号波形を読み出し比較回路10に送る。比較回路10は、予測信号波形と再生信号波形の二乗誤差Veを算出し再生データ判定回路13に送る。再生データ判定回路13は、二乗誤差Veが最も小さい予測信号波形を特定し、この予測信号波形に対応する予測データを再生データとして出力する。
【選択図】図9
Description
本発明は、情報再生装置および情報記録再生装置に関し、特に、記録媒体に対し高密度にて情報を記録・再生する場合に用いて好適なものである。
ITインフラの整備・進展に伴い、光ディスクのさらなる大容量化が要求されている。かかる要求に応えるために、光ディスクの記録密度を高めようとすると、ピット長およびピット間隔をさらに短縮する必要がある。しかし、かかる場合には、符号間干渉による再生特性の劣化といった新たな問題が生じる。
かかる符号間干渉の問題は、イコライザフィルタ等を用いた波形等化処理を再生信号に施すことにより抑制できる。しかしながら、記録密度の向上のためにピット長およびピット間隔をさらに短縮すると、等化誤差が生じ、隣接波形に影響を及ぼしたり、ノイズが強調されたりして、十分な再生特性を得ることができない。
そこで、波形等化処理によってもなお符号間干渉の影響を除去できないような高密度記録に対しては、ビタビ復号化処理を適用したデータ再生方法が採用されている。かかるビタビ復号化処理は、符号間干渉を逆に積極的に利用し、最も尤度の高い復号パスを選択して信号検出を行うというものである。なお、ビタビ復号化処理を利用した高密度記録については、たとえば、「ビタビ復号による高密度記録」、テレビ学会技報、Vol.14、No.64、pp13〜17、Vir’90-63、(Sep.1990)に記載されている。
しかしながら、かかるビタビ復号化処理を採用した場合においても、ディスク側の特性や記録レーザパワーの変動等、記録再生時の条件・環境が変化すると、上記尤度比較のために設定された閾値がそのままではその条件・環境に整合したものとはならず、そのため、設定された閾値によってビタビ復号化処理を実行すると、データ再生の誤りが増長される結果となってしまう。
そこで、上記記録再生時の条件・環境を事前に検出し、その検出結果に応じて、尤度比較のための閾値を適宜調整するものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平6−37650号公報
しかしながら、記録媒体の高密度化がさらに進み符号間干渉による再生波形のS/Nの劣化が顕著となると、ビタビ復号化処理における復号パスの適正な選択が困難となる。したがって、上記のように閾値を調整したとしても、再生波形のS/N劣化に起因した復号パスの選択誤りが増大し、このため、適正なデータを再生することができなくなるとの問題が生じる。
そこで、本発明は、かかるビタビ復号化処理における問題を回避し、符号間干渉がさらに進んでも比較的精度よくデータを再生し得る情報再生装置および情報記録再生装置を提供する。
上記課題に鑑み、本発明は、以下の特徴を有する。
請求項1の発明は、記録媒体から情報を再生する情報再生装置において、再生信号から予測データ群を生成する予測データ生成手段と、前記予測データを記録媒体から再生したときに予測される予測再生信号波形を前記予測データ毎に対応付けて格納した予測波形記憶手段と、前記予測データ生成手段によって生成された予測データ群の予測信号波形を前記予測波形記憶手段から読み出すと共に、読み出した予測信号波形群を、記録媒体から再生した再生信号波形と比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づき、前記予測信号波形群の中から、前記記録媒体から再生した再生信号波形に整合する予測信号波形を判定する判定手段と、前記再生信号波形に整合すると判定された予測信号波形に対応する前記予測データを再生データとして出力する再生データ出力手段とを有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の情報再生装置において、前記記録媒体からの再生信号から当該再生時の再生特性に関する情報を算出する再生特性算出手段と、前記再生特性算出手段からの再生特性情報に基づいて、前記予測波形記憶手段から読み出された予測信号波形を修正する予測波形修正手段とを備え、前記比較手段は、前記予測波形修正手段によって修正された予測信号波形と記録媒体から再生した再生信号波形と比較することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の情報再生装置において、前記再生特性算出手段は、前記記録媒体に記録されている固有パターンを再生した際の再生信号から振幅値情報および/若しくはパルス幅情報を算出し、前記予測波形修正手段は、前記予測信号波形を前記振幅値情報および/若しくはパルス幅情報に応じたものに修正する演算処理を実行することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の情報再生装置において、前記記録媒体から再生した再生信号を所定周期でサンプリングして標本値を導出するサンプリング手段をさらに備え、前記予測データ生成手段は、前記標本値から、データ構成中の各ビット位置が有意であるか否かを判定すると共に、有意とされるビット位置が1となる予測データを生成することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載の情報再生装置において、符号化後のNビットの符号列中にK個の1が存在する符号化処理によって記録データが符号化されて記録されている場合、前記予測データ生成手段は、各ビット位置の標本値のうち大きいものからJ番目(J>K)までのビット位置が1となる予測データを生成することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4に記載の情報再生装置において、符号化後のNビットの符号列中にK個の1が存在する符号化処理によって記録データが符号化されている場合、前記予測データ生成手段は、各ビット位置の標本値のうち大きいものからJ番目(J>K)までのビット位置とそれに隣接するビット位置が1となる予測データを生成することを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1ないし6の何れかに記載の情報再生装置において、前記予測波形記憶手段には、前記予測信号波形を前記サンプリング周期でサンプリングしたときの標本値が予測信号波形として格納されており、前記比較手段は、前記再生信号を前記サンプリング手段によってサンプリングすることによって導出された標本値と、記憶手段から読み出された予測信号波形の標本値の二乗誤差の総和を算出し、前記判定手段は、当該二乗誤差の総和が最も小さい予測信号波形を再生信号波形に整合する予測信号波形とすることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載の情報再生装置において、データ再生処理を行うに際し、ビット数L1単位で、上記予測信号波形の判定処理を実行し、当該判定により前記再生信号波形に整合すると判定された予測信号波形に対応する前記予測データのうち、前方および/若しくは後方の数ビットを除くビット数L2(L2<L1)のデータを再生データとして出力することを特徴とする。
請求項9の発明は、記録媒体に対し情報を記録・再生する情報記録再生装置において、固定パターンを記録媒体に記録する固定パターン記録手段と、再生信号から予測データ群を生成する予測データ生成手段と、前記予測データを記録媒体から再生したときに予測される予測再生信号波形を前記予測データ毎に対応付けて格納した予測波形記憶手段と、前記予測データ生成手段によって生成された予測データ群の予測信号波形を前記予測波形記憶手段から読み出す予測信号波形読出手段と、前記固定パターンを再生した再生信号から当該再生時の再生特性に関する情報を算出する再生特性算出手段と、前記再生特性算出手段からの再生特性情報に基づいて、前記予測波形記憶手段から読み出された予測信号波形を修正する予測波形修正手段と、前記修正された予測信号波形群を、記録媒体から再生した再生信号波形と比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づき、前記予測信号波形群の中から、前記記録媒体から再生した再生信号波形に整合する予測信号波形を判定する判定手段と、前記再生信号波形に整合すると判定された予測信号波形に対応する前記予測データを再生データとして出力する再生データ出力手段とを有することを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項9に記載の情報記録再生装置において、前記再生特性算出手段は、前記固有パターンを再生した際の再生信号から振幅値情報および/若しくはパルス幅情報を算出し、前記予測波形修正手段は、前記予測信号波形を前記振幅値情報および/若しくはパルス幅情報に応じたものに修正する演算処理を実行することを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項9または10に記載の情報記録再生装置において、前記固定パターン記録手段は、前記記録媒体の記録領域が物理的または論理的に複数の領域に区分されている場合に、各区分のデータ記録に先立った位置に前記固定パターンを記録し、前記再生特性算出手段は、前記固定パターンを再生することによって当該区分の前記再生特性を導出し、前記予測波形修正手段は、前記導出された再生特性に基づいて、当該区分における予測信号波形の修正を行うことを特徴とする。
本発明の特徴は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
請求項1の発明によれば、再生信号から予測データ群を発生し、この予測データ群から当該再生装置の伝送特性、または、当該再生装置と再生対象のディスクを含めた伝送特性に応じた予測信号波形を生成し、この予測信号波形のうち再生信号波形に整合するものに対応する予測データを再生データとして出力するものであるから、ディスクの記録密度が向上し、符号間干渉が一層進んだとしても、比較的精度よく、再生データを生成・出力することができる。
また、請求項2の発明によれば、前記予測信号波形をその時々の伝送特性の変化に応じて修正するものであるから、再生データの精度をさらに高めることができる。
ここで、予測信号波形の修正は、請求項3に記載のように、記録媒体に記録されている固有パターンを再生した際の再生信号から振幅値情報および/若しくはパルス幅情報を算出し、この振幅値情報および/若しくはパルス幅情報に応じたものとなるように前記予測信号波形を修正する方法をとることができる。これら振幅値情報およびパルス幅情報は、伝送特性を規定する要素であるため、これらの情報をもとに予測信号波形を修正することにより、現時点の伝送特性を反映した予測信号波形とすることができる。
また、予測データの生成は、請求項4に記載のように、前記記録媒体から再生した再生信号を所定周期でサンプリングして標本値を導出し、この標本値から、データ構成中の各ビット位置が有意であるか否かを判定すると共に、有意とされるビット位置が1となる予測データを生成する方法を採用できる。これによれば、予測データを効率的に生成することができる。
ここで、符号化後のNビットの符号列中にK個の1が存在する符号化処理によって記録データが符号化されて記録されている場合には、請求項5に記載のように、各ビット位置の標本値のうち大きいものからJ番目(J>K)までのビット位置が1となる予測データを生成するようにすることもできる。これにより、比較候補とされる予測データを効率的に絞り込むことができ、再生データの選択誤りを抑制しながら演算処理の軽減を図ることができる。
また、符号化後のNビットの符号列中にK個の1が存在する符号化処理によって記録データが符号化されて記録されている場合には、請求項6に記載のように、各ビット位置の標本値のうち大きいものからJ番目(J>K)までのビット位置とそれに隣接するビット位置が1となる予測データを生成することもできる。これにより、比較対象とすべき予測データの個数は、上記請求項5の場合に比べ増加するが、反面、誤った予測データを再生データとして出力する確率を低減させることができる。
また、請求項7に記載のように、再生信号の標本値と記憶手段から読み出された予測信号波形の標本値の二乗誤差の総和を算出し、当該二乗誤差の総和が最も小さい予測信号波形を再生信号波形に整合する予測信号波形とするようにすれば、再生信号波形と予測信号波形の比較精度を高めることができる。
また、請求項8の発明によれば、L1ビット単位で判定処理を行う場合に、一つ前のビット単位と一つ後ろのビット単位の間の接合部分近傍のビット誤りを回避することができ、精度の良い再生データを出力することができる。
請求項9の発明によれば、請求項1および2と同様の効果を奏することができる。
請求項10の発明によれば、請求項3と同様の効果を奏することができる。
請求項11の発明によれば、セクタ等のデータ区分が切り替わる毎に当該区分に応じた再生特性に変更・更新されるため、再生途中における伝送特性の変化にも細かく対応することができるようになり、もって、再生データの精度をより向上させることができる。
本発明の効果は、以下に示す実施の形態の説明によって、より明瞭になるものと意図される。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
まず、図1に、既存の光ディスクにおいて広く採用されているトラック・セクタフォーマットを示す。なお、既存の光ディスクとしては、CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory)の他、DVD(Digital Versatile Disc)や、MO(Magneto-Optical)ディスク等が商品化されている。このうち、CD-ROMについては、ISO9660規格(Information Processing-Volume and File Structure of CD-ROM for Information Interchange)にその詳細が記載されている。また、DVDについては、ECMA規格にその詳細が記載されている。さらに、90mmISO規格に従うMOディスクについてはISO/IEC 15041にその詳細が記載されている。
これらの光ディスクには、共通して、一連のトラックが螺旋状にあるいは多数のトラックが同心円状に配されており、また、各トラックには、一連のセクタが割り当てられている。図1に示すように、セクタには、その先頭位置に同期領域が設けられており、この同期領域には、当該セクタのトラック番号やセクタ番号等の情報が記録される。そして、この同期領域に続いて、ヘッダ領域やプリアンブルデータ領域が配され、その後に、所定バイト数のデータ領域が割り当てられている。さらに、データ領域に続いて、当該データ領域内のデータ、あるいは当該データ領域内のデータと別の場所にあるデータ領域内のデータの誤りを検出・訂正する誤り訂正符号領域が配されている。これらの領域には、同一の記録符号にて、その記録符号のルールに従って、対応するデータが記録されている。
ところで、再生信号からデータを再生し復号するには、データの記録タイミングに同期したクロックが必要となる。このクロックをデータ再生信号から得る方式をセルフクロッキング方式といい、上記各ディスクおよびその記録再生装置は、この方式に従ってクロックを生成する。しかし、セルフクロッキング方式は、記録された符号列からクロックデータを得る必要があるため、記録符号に制約が大きくなり、高密度記録特性の上で不利になることがある。
これに対し、クロックを再生信号以外から作成する方法として、サンプルサーボ方式の光ディスクが提案されている。
図2に、サンプルサーボ方式の光ディスクのトラック・セクタフォーマットを示す。
同図に示す如く、サンプルサーボ方式の光ディスクにおいては、1トラック(ディスク一周分)に、32個のセクタ(セクタ0〜セクタ31)が割り当てられている。また、1セクタは、1つのセクタヘッダと、43のブロック(ブロック1〜ブロック43)から構成されている。さらに、1ブロックは、2バイトのサーボフィールドと、16バイトのデータフィールドから構成されている。
ディスク上、セクタヘッダに対応する領域には、ヘッダ情報がピットとして予め記録されている。また、サーボフィールドに対応する領域には、トラッキングサーボ用のピットと、クロック生成用のピットが予め記録されている。
図3に、サーボフィールドのピットパターンを示す。同図に示す如く、サーボフィールドのピットパターンは、AパターンとBパターンの何れかとなっている。すなわち、ディスク上には、16トラック毎にAパターンとBパターンが交互に配置されるようにピットが形成されている。図において、P11、P12とP21、P22は、トラッキングサーボ用のピットであり、P13、P23は、クロック再生用のピットである。
ここで、P11とP21はトラックセンター軸に対してディスク径方向に僅かに変位している。また、P12とP22は、P11とP21の変位方向とは逆の方向に僅かに変位している。よって、P11、P12の組およびP21、P22の組を走査した際の検出信号によってトラッキングエラー信号を得ることができる。このように、当該ディスクにおいては、サンプルサーボフィールドに形成されたピットの組によってトラッキングエラー信号を得ることができるので、トラッキング制御のための案内溝が不要となる。
また、クロックピットP13、P23は、サーボフィールド中の一定の位置に形成されている。よって、かかるクロックピットを走査した際の検出信号は、一定周期で発生することとなる。かかる検出信号を比較信号としてPLL(Phase-Locked-Loop)を掛けることにより、データフィールドの各ビットに同期した再生クロックや、後述するサンプリングクロック(標本値データ生成用)を生成することができる。
なお、かかるサンプルサーボ方式の光ディスクの詳細については、たとえば、SPIE、Vol.695、Optical Mass Data Storage 2(1986)に記載されている。また、サーボフィールドに形成されたプリピットを利用したトラッキングサーボ(サンプルサーボ)の詳細については、たとえば、SPIE、Vol.529、Third International Conference on Optical Mass Data Storage (1985)に記載されている。
上記図1および図2、図3に示した光ディスクは、再生専用光ディスクと書き込み可能な光ディスクに分類される。また、これら光ディスクの他、磁気ディスクや磁気テープ等の記録媒体も商品化ないし提案されている。これらの記録媒体は、データの記録密度を高めることにより、記録媒体当たりのデータ量が増加するため、年々データ容量が大きくなっている。ここで、データ容量を高めるには、記録データの密度(単位距離当たりの記録ビット数)を高めなければならない。しかし、データの記録密度を高めていくと、書き込みデータを再生したときに前後のデータ間で符号間干渉がおこり、さらに再生信号に各種のノイズが付加されるため、再生されたアナログの信号をディジタルデータに変換するときに検出誤りを生ずる。従来の検出方法では、この検出誤り率が一定以上、例えば1×10-4程度を超えると復号データを訂正処理できなくなり、これがその記録媒体における記録密度の限界であった。
しかし、これらの記録媒体およびこれを扱う装置は、すべて固有の伝送系(伝送特性)を持つことがわかっており、よって、再生装置においては既知の再生伝送系を考慮しつつ、また、記録再生装置であれば既知の記録再生伝送系を考慮しつつ、再生信号を処理すれば、符号間干渉がある場合でも誤りなく検出信号を得ることができる。以下、その具体的実施例について説明する。
図4に、ディスクに記録された情報を再生する再生装置の構成例を示す。
なお、本実施例では、サンプルサーボ方式の光ディスクが用いられているものとする。ただし、本発明は、サンプルサーボ方式の光ディスクに限らず、他の光記録媒体にも適用可能である。また、光ディスクには、上記図1および図2に示すセクターフォーマットにしたがってデータや誤り訂正符号が媒体固有の記録符号にて記録されている。本実施例では、記録符号として、4/11符号化が採用されているものとする。4/11符号とは、8ビットを11ビットに変換すると共に、符号化後の11ビット中に1が4つ存在し、且つ、連続する1の個数が3つ以下となる符号化方式である。なお、4/11符号の詳細については、たとえば、特許第2606265号に記載されている。ただし、本発明は、4/11符号化に限らず、他の符号化方法も適用可能である。
図において、1は各部を制御する制御回路、2は制御回路1からの指令に応じて半導体レーザを駆動するレーザ駆動回路、3は記録再生用のレーザ光を出射する半導体レーザ3aおよびディスクからの反射光を受光する光検出器3bを有する光ピックアップである。
4は光検出器3bからの検出信号を増幅する再生信号増幅回路、5は光検出器3bからの検出信号のうちフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびクロックピット検出信号に基づいてサーボ信号を生成するサーボ回路、6はサーボ回路5からのフォーカスサーボ信号およびトラッキングサーボ信号に応じて光ピックアップ3から出射されるレーザ光の収束位置を制御するサーボ機構、7はサーボ回路5からの回転サーボ信号に応じてディスクを所定の回転速度で駆動するスピンドルモータである。
8は再生信号増幅回路4からの再生RF信号を所定周期でサンプリングし、各サンプリングタイミングにおける標本値をデジタルデータに変換するA/Dコンバータ、9はA/Dコンバータ8からの標本値データを順次記憶するメモリ、10はROM信号発生回路12(後述)から入力される標本値データ(予測標本値データ)とメモリ9に記憶された標本値データとの間の二乗誤差の総和Veを算出する比較回路である。
11は再生信号増幅回路4からの再生信号データタイミングに応じて、この再生データに相応すると予測される予測データ群(11ビット区間)を発生する予測データ発生回路である。かかる予測データ発生回路11における予測データ群の発生処理については、追って詳述する。
12は、上記予測データが入力されると共に、この予測データをディスクに記録しこれを再生したと仮定したときに得られる予測再生波形を上記A/Dコンバータ8と同様のサンプリングタイミングでサンプリングしたときの標本値データ(予測標本値データ)を発生するROM信号発生回路である。ここで、予測再生波形は、当該再生装置および再生対象のディスクに固有の伝送系(伝送特性)が既知であるものとして設定されている。かかるROM信号発生回路12の構成およびサンプル標本値データの発生処理については、追って詳述する。
13は、予測データ発生回路11から出力される予測データ群のうち、比較回路10において算出された二乗誤差の総和Veが最も小さいものを判定し、当該予測データを再生データとして出力する再生データ判定回路、14は、再生データ判定回路13における判定の際に、予測データとその二乗誤差の総和Veが一時記憶される予測データメモリ、15はPLLを内蔵すると共に再生信号増幅回路4からのクロックピット検出信号を比較信号として再生クロックおよびサンプリングクロックを生成するクロック生成回路である。
次に、図5を参照して、再生信号増幅回路4からメモリ9までの処理の流れ、および、上記予測データ発生回路11における予測データ群の発生処理手順について説明する。
同図(a)に示すような記録ピットをレーザ光が走査すると、再生信号増幅回路4から同図(b)〜(d)に示すような再生RF信号が出力される。ここで、同図(b)〜(d)は、それぞれ記録密度が相違する場合の再生RF信号を示しており、同図(c)は同図(b)よりも記録密度が高い場合、同図(d)は同図(c)よりも記録密度が高い場合の再生RF信号を示している。
例えば、当該再生時において、再生信号増幅回路4から、同図(c)に示す再生RF信号が出力されたとすると、かかる再生RF信号を受けてA/Dコンバータ8は、当該再生RF信号を同図(e)のサンプリングクロックにてサンプリングした標本値データをメモリ9に送る。
予測データ発生回路11は、メモリ9に格納された標本値データを参照し、再生RF信号中の各ビット位置のうち、標本値データの大きいものからJ番目(たとえばJ=5)までのビット位置(同図(c)の矢印位置)を決定する。そして、4/11符号化規則に則り、4つの1が全てこのビット位置の何れかに対応している全ての符号化データを生成し、生成した符号化データ群を予測データ群としてROM信号発生回路12に出力する。
なお、上記において、1(有意)とされるべきビット位置の個数Jは、符号化単位に含まれる1の個数Kが予め決まっている(4/11符号化の場合はK=4)場合、この個数Kよりも数個だけ大きい個数に設定すると良い。これにより、比較候補とされるサンプルデータを効率的に絞り込むことができ、再生データの選択誤りを抑制しながら演算処理の軽減を図ることができる。
また、上記予測データ群の生成は、4/11符号化規則に則った全ての符号化データをメモリに格納しておき、この中から、有意とされるビット位置が1である符号化データを抽出するようにする方法の他、有意とされるビット位置が1である符号化データを4/11符号化規則に則った演算処理によって算出する方法を採用することもできる。
次に、図6を参照して、ROM信号発生回路12の構成について説明する。
図示の如く、ROM信号発生回路12は、入力アドレスに応じて所定の値を出力する個別のROM(1)〜ROM(N)を備えている。ここで、入力アドレスは、予測データ発生回路11から発生され得る全ての予測データに相当している。この予測データは、例えば4/11符号では11ビットで構成されている。この場合、図6のNは、N=11である。
ここで、ROM(1)〜ROM(N)には、予測データ群をディスクに記録しこれを当該再生装置にて再生したときに予測される予測再生波形の信号振幅値(予測標本値データ)が設定されている。たとえば、ROM(1)には、予測データの先頭ビット区間に応じた信号振幅値(予測標本値データ)が設定されている。同様に、ROM(2)、ROM(3)、…には、第2ビット区間、第3ビット区間、…に応じた信号振幅値(予測標本値データ)が設定され、ROM(N)には最終ビット区間に応じた信号振幅値(予測標本値データ)が設定されている。
具体的には、予測データが例えば、1001…01の4/11符号である場合、ROM(1)には、かかる1001…01をアドレスとして先頭の“1”のビット区間に応じた信号振幅値(予測標本値データ)が設定されおり、ROM(2)には、かかる1001…01をアドレスとして先頭から2番目の“0”のビット区間に応じた信号振幅値(予測標本値データ)が設定され、以下同様に、ROM(3)、ROM(4)、…には、かかる1001…01をアドレスとして先頭から3番目の“0”、4番目の“1”、…のビット区間に応じた信号振幅値(予測標本値データ)が設定され、ROM(N)(N=11)には、最終の“1”のビット区間に応じた信号振幅値(予測標本値データ)が設定されている。
かかる設定は、予測データ群がディスクに記録されたとして、当該再生装置および記録媒体の再生伝送系のレスポンスを計算して求めるか、あるいは、同等の再生装置にて予測データ群の再生信号振幅値を実測し、その値をROM(1)〜ROM(N)の値として設定する方法が考えられる。それぞれのROM出力は、mビットの2進データとして上記比較回路10へ出力される。ここで、m=8の場合、この信号振幅値の分解能は1/256である。
次に、上記比較回路10における二乗誤差Veの算出処理について説明する。
上記の如く、比較回路10は、ROM信号発生回路12からの予測標本値データと、メモリ9に記憶された標本値データとの間の二乗誤差の総和Veを、4/11符号化区間である11ビット区間毎に算出する。
いま、メモリ9に記憶された11ビット相当分の再生RF信号の標本値データをVs1(i)(i=1〜n)、ROM信号発生回路12により出力される予測データの標本値データをVs2(i)(i=1〜n)とすると、上記Veは、次式によって与えられる。
Ve=Σ(Vs1(i)−Vs2(i))2 ・・・(1)
Ve=Σ(Vs1(i)−Vs2(i))2 ・・・(1)
比較回路10は、式(1)をもとに各予測データについてVeを算出し、算出したVeを再生データ判定回路13に供給する。再生データ判定回路13は、供給されたVeの大小比較を行い、Veが最も小さい予測データを、当該11ビット区間の再生データとして出力する。
次に、図7を参照して、再生時の動作について説明する。
再生指令に従って光ピックアップ3が再生開始セクタにアクセスされ、記録データの読み出しが開始されると、その再生RF信号がA/Dコンバータ8にてA/D変換され、その標本値データが順次メモリ9に記憶される(S101)。
予測データ発生回路11は、メモリ9に記憶された標本値データのうち、最初の11ビット相当区間の標本値データを参照し(S102)、当該11ビット相当区間の各ビット位置のうち、標本値データの大きいものからJ番目(たとえばJ=5)までのビット位置を決定する(S103)。そして、4/11符号化規則に則り、4つの1が全てこのビット位置の何れかに対応している全ての予測データをROM信号発生回路12に出力する(S104)。これを受けて、ROM信号発生回路12は、それぞれの予測データに応じた予測標本値データをROM(1)〜ROM(N)から読み出し、これを比較回路10に出力する(S105)。
比較回路10は、ROM信号発生回路12から供給されるそれぞれの予測標本値データとメモリ9内の標本値データとの間の二乗誤差の総和Veを算出し、再生データ判定回路13に送る(S106)。再生データ判定回路13は、供給されたVeを大小比較し、予測データ発生回路11から出力される予測データ群のうちVeが最も小さい予測データを再生データとして出力する(S107)。
しかして、最初の11ビット相当区間に対する再生データの出力がなされると、S102に戻り、次の11ビット相当区間の標本値データがメモリ9から参照される。そして、上記と同様にして、当該11ビット相当区間に適応する予測データが再生データ判定回路13によって特定され、当該予測データが再生データとして順次出力される(S103〜S107)。
かかる再生データの出力処理は、再生対象データが終了するまで継続される(S108)。そして、再生対象データが終了すると、当該再生処理が終了される。
以上、本実施例によれば、再生信号から予測データ群を発生し、この予測データ群から当該再生装置および再生対象のディスクに固有の伝送系(伝送特性)を既知として予測再生信号波形を生成し、この予測再生信号波形のうち再生信号波形に最も整合するものに対応する予測データを再生データとして出力するものであるから、ディスクの記録密度が向上し、例えば図4(d)に示す如く符号間干渉が一層進んだとしても、比較的精度よく、再生データを生成・出力することができる。
なお、上記実施の形態では、標本値データが大きいものからJ番目までのビット位置が1(有意)である予測データ群を予測データ発生回路11にて発生せしめるようにしたが、たとえば図8に示す如く、当該J番目までのビット位置とこれに隣接するビット位置が1(有意)である予測データ群を予測データ発生回路11にて発生せしめる(図8のS110)ようにしても良い。これにより、比較対象とすべき予測データの個数は、上記の場合に比べ増加するが、反面、誤った予測データを再生データとして出力する確率は低減する。よって、上記の場合に比べ再生データ出力のための演算処理量は増大するが、再生データの誤り率は低減できる。
上記実施例では、当該再生装置および再生対象のディスクに固有の伝送系(伝送特性)に応じた予測標本値データをROM信号発生回路12内のROM(1)〜ROM(n)に予め格納しておき、予測データ発生回路11から入力された予測データをアドレスとして、ROM(1)〜ROM(n)から予測標本値データを読み出して出力するものであった。
しかし、再生装置およびディスクの伝送特性は、個々の装置の再生条件、たとえば、光ピックアップの光学特性やレーザ波長、レーザ出力、ディスク感度のばらつき、あるいは、使用温度等の環境変化などにより、多少変化すること予測される。このため、上記実施例1のようにROM(1)〜ROM(N)の予測標本値データを固定とすると、かかる変化に対応できず、誤った予測データを再生データとして出力する場合が起こり得る。
そこで、本実施例では、かかる変化を検出する手段を配し、その検出結果に応じてROM(1)〜ROM(n)の予測標本値データを適宜修正するものである。すなわち、かかる伝送特性の変化は、再生ピットの出力値の変化として捕らえることができるため、本実施例では、例えば、図3のP13、P23のよる固定ピットの再生出力を測定し、その特性値から、上記実施例1のROM信号発生回路12の出力を現実の伝送特性に合うように修正する。これにより、実際の再生信号波形と予測データに基づく予測再生波形の誤差を計算する比較回路10の計算結果をより正確にすることができる。
なお、固定パターンとしては、上記P13、P23のクロックピットに限らず、固定ピットとして特定できるものであれば、如何なるものであっても良い。
図9に、本実施例に係る再生装置の構成を示す。なお、上記実施例1における図4の再生装置と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施例では、上記実施例1の再生装置に比べ、ROM信号発生回路20の構成が変更されており、また、伝送特性の変化を検出する手段として新たに固定パターン抽出回路21と伝送路計数計測回路22が配設されている。
固定パターン抽出回路21は、図3におけるP13、P23のクロックピット区間を特定し、当該クロックピット区間の再生出力信号のサンプリングクロックによる標本値データをメモリ9から取り込む。そして、取り込んだ標本値データを伝送路計数測定回路22に出力する。
伝送路係数計測回路22は、固定パターン抽出回路21からの標本値データから、当該クロックピット区間の再生信号の最大振幅値(g-max)と、その半幅値レベル以上の振幅値を有する再生信号期間(再生パルス半値幅)(τ50)を算出する。
ここで、この最大振幅値g-maxと再生パルス半値幅τ50は、再生装置およびディスクの伝送特性を規定する要素であり、上記実施例1ではこれらの値は固有値であるとして再生波形を予測し、これをもとに予測標本値データを上記ROM(1)〜ROM(N)に設定するようにしている。したがって、現時点の最大振幅値g-max値と再生パルス半値幅τ50が設定時における固有値と異なれば、上記ROM(1)〜ROM(N)から出力される予測標本値データは、現実の伝送特性に整合しないものとなる。
ROM信号発生回路20は、上記伝送路計数計測回路22からの最大振幅値g-maxおよび再生パルス半値幅τ50をもとに、上記ROM(1)〜ROM(N)の出力を現実の伝送特性に合致するように修正し、修正後の出力値を予測標本値データとして比較回路10に出力する。
図10に、ROM信号発生回路20の構成を示す。図示の如く、ROM信号発生回路20には、上記ROM(1)〜ROM(N)の後段に演算回路201〜204が配されている。演算回路201〜204には、演算処理に先立ち、伝送路計数計測回路22からの最大振幅値g-maxおよび再生パルス半値幅τ50が設定される。演算回路201〜204は、設定された最大振幅値g-maxおよび再生パルス半値幅τ50をもとに、上記ROM(1)〜ROM(N)の出力を演算により修正し、修正後の出力値を予測標本値データとして比較回路10に出力する。
ここで、演算回路201〜204における演算処理は、たとえば、最大振幅値g-maxについては、現時点の最大振幅値g-maxと、クロックピットP13、P23を再生したと仮定したときにROM(1)〜ROM(N)から出力される最大振幅値との比率αを計算し、この比率αをROM(1)〜ROM(N)からの出力値に乗算処理する方法を採用できる。また、再生パルス半値幅τ50については、伝送特性に与える再生パルス半値幅τ50の影響値を予め求めておき、この影響値をもとに、ROM(1)〜ROM(N)からの出力値を修正する方法を採用できる。
なお、再生信号増幅回路4からの再生信号波形をサンプリングクロックレートでサンプリングしたときの各サンプル値から当該再生系(伝送路)のインパルス応答h(t)(伝達関数)を算出する方法として、例えば、文献(田崎、野口、山田、都築、「4/15及び4/11符号に対するPRML方式について」信学技報、MR92-52,1992)に紹介されている。
このインパルス応答h(t)をもとに、任意のデータパターン波形s(t)に対する期待再生波形g(t)を求める場合、期待再生波形g(t)は、データパターン波形s(t)とインパルス応答h(t)のコンポリューション値によって与えられる。すなわち、期待再生波形g(t)は、
g(t)=S(t)*h(t)・・・(2)
によって算出できる。
g(t)=S(t)*h(t)・・・(2)
によって算出できる。
上記予測標本値データは、かかる期待再生波形g(t)によって表現される期待再生波形のサンプリングタイミングにおける波高値によって与えられる。すなわち、サンプリングタイミングをtl、t2、・・・、t nとしたとき、予測標本値データは、g(tl)、g(t2)、…、g(t n)によって与えられる。
上記ROM(1)〜ROM(N)には、予測データ発生回路11から出力される予測データについて(2)式をもとに計算した g(tl)、g(t2)、・・・、g(t n)が予め格納されている。よって、ROM信号発生回路20の演算回路201〜204は、再生パルス半値幅τ50がインパルス応答h(t)に与える影響を考慮して、g(tl)、g(t2)、・・・、g(t n)すなわちROM(1)〜ROM(N)からの出力を、適宜、適正値に修正する。
なお、演算回路201〜204における修正は、最大振幅値g-maxと再生パルス半値幅τ50の両方に基づいて行うことにより効果的な修正を行うことができるが、最大振幅値g-maxと再生パルス半値幅τ50の何れか一方のみに基づいて修正を行うようにしても、ある程度の効果を奏することができる。また、修正方法は上記のものに限らず、他の修正方法を用いることもできる。たとえば、最大振幅値g-maxと再生パルス半値幅τ50の他、振幅とパルス幅を与える他の情報を用いて修正するようにしても良い。
次に、図11を参照して、再生時の動作について説明する。なお、上記実施例1において示した図7のフローチャートと同一ステップには同一符号を付し、説明を省略する。
再生指令に従って光ピックアップ3が再生開始セクタにアクセスされると、まず、当該先頭セクタのクロックピット区間(P13、P23)が固定パターン抽出回路21によって特定される。固定パターン抽出回路21は、特定したクロックピット区間の標本値データをメモリ9から取り込み、これを伝送路計数測定回路22に出力する(S201)。
伝送路係数計測回路22は、固定パターン抽出回路21からの標本値データから、当該クロックピット区間の再生信号の最大振幅値g-maxと再生パルス半値幅τ50を算出し、これをROM信号発生回路20の演算回路201〜204に設定する(S202)。
しかる後、記録データの読み出しが開始されると、その再生RF信号がA/Dコンバータ8にてA/D変換され、その標本値データが順次メモリ9に記憶される(S101)。そして、上記実施例1と同様、11ビット相当区間の標本値データがメモリ9から参照され、当該標本値データから予測される予測データ群が予測データ発生回路11から出力され、さらに、予測データ群を構成する各予測データの予測標本値データ群がROM(1)〜ROM(N)から出力される(S102〜S105)。
本実施例では、ROM(1)〜ROM(N)から出力された予測標本値データが、演算回路201〜204によって修正され、修正後の予測標本値データが比較回路10に出力される(S203)。そして、修正後の予測標本値データとメモリ9内の標本値データとの間の二乗誤差の総和Veが比較回路10により算出され(S106)、上記予測データ群のうちVeが最も小さい予測データが再生データとして後段回路に出力される(S107)。
しかして、最初の11ビット相当区間に対する再生データの出力がなされると、S102に戻り、次の11ビット相当区間の標本値データがメモリ9から参照される。このとき、演算回路201〜204には、先に設定された最大振幅値g-maxと再生パルス半値幅τ50が更新されずにそのまま維持される。そして、上記と同様にして、当該11ビット相当区間に適応する予測データが再生データ判定回路13によって特定され、当該予測データが再生データとして順次出力される(S103〜S107)。
かかる再生データの出力処理は、再生対象データが終了するまで継続される(S108)。そして、再生対象データが終了すると、当該再生処理が終了される。
本実施例によれば、ROM(1)〜ROM(N)から出力される予測標本値データが、現時点の伝送特性に整合するように修正されるため、上記実施例1に比べ、再生データの精度を高めることができる。
なお、本実施例では、先頭セクタのクロックピット区間(P13、P23)から算出した最大振幅値g-maxと再生パルス半値幅τ50を、当該先頭セクタのデータ再生時のみならず、それ以降のセクタのデータ再生時にもそのまま用いるようにしたが、たとえば図12に示すように、次のセクタに移行するたびにクロックピット区間(P13、P23)から最大振幅値g-maxと再生パルス半値幅τ50を算出し、これを演算回路201〜204に更新設定するようにしても良い。
すなわち、図12のフローチャートでは、同一セクタ内のデータを再生する際には当該セクタのクロックピット区間(P13、P23)から算出した最大振幅値g-maxと再生パルス半値幅τ50を用いて演算回路201〜204による演算処理を行い(S203→S102の処理サイクル)、次のセクタへの移行に応じて、当該移行後のセクタのクロックピット区間(P13、P23)から最大振幅値g-maxと再生パルス半値幅τ50を算出し(S204→S108→S201の処理サイクル)、これを当該移行後のセクタの再生の際に用いる。
これにより、再生途中における伝送特性の変化にも細かく対応することができるようになり、もって、上記に比べ処理がやや煩雑にはなるが、再生データの精度をより向上させることができる。
上記実施例2では、ディスク上の固定ピットから最大振幅値g-maxと再生パルス半値幅τ50を算出するようにしたが、ディスクが記録可能媒体の場合には、記録時にテストパターンを記録し、このテストパターンを再生したときの標本値データから最大振幅値g-maxと再生パルス半値幅τ50を算出するようにしても良い。
図13に、かかる場合の記録再生装置の構成例を示す。なお、上記実施例2における図9の装置と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施例では、上記実施例2の装置に比べ、記録に必要な手段として、新たにECCエンコーダ30と、記録符号化回路31と、駆動信号生成回路32と、テストパターン生成回路33と、テストパターン抽出回路34が配設されている。また、伝送路係数計測回路35の構成が上記実施例2に比べ相違している。
ECCエンコーダ30は、記録データに誤り訂正符号を付加する。記録符号化回路31は、誤り訂正処理がなされた記録データに対して、たとえば4/11符号化のような符号化処理を施す。テストパターン生成回路33は、11ビットのテストデータを所定回数だけ繰り返して出力する。駆動信号生成回路32は、記録符号化回路31またはテストパターン生成回路33からのデータを記録波形信号に変換し、これをレーザ駆動回路2に送る。
なお、レーザ駆動回路2は、記録レーザパワーのレーザ光を半導体レーザ3aから出射させるに際し、駆動信号生成回路32からの記録波形信号に応じてレーザ光を変調せしめる。再生時には、上記実施例1、2と同様、再生レーザパワーのレーザ光を出射せしめる。
テストパターン抽出回路34は、再生信号増幅回路4からの再生RF信号からテストパターン区間を特定し、当該テストパターン区間の再生出力信号のサンプリングクロックによる標本値データをメモリ9から取り込む。そして、取り込んだ標本値データを伝送路計数測定回路35に出力する。
伝送路係数計測回路35は、テストパターン抽出回路34からの標本値データから、当該テストパターン区間の再生信号の最大振幅値(g-max)と、その半幅値レベル以上の振幅値を有する再生信号期間(再生パルス半値幅)(τ50)を算出する。
次に、上記記録再生装置における記録時の動作について説明する。
記録指令に従って光ピックアップ3がアクセスされ、記録開始セクタのセクタヘッダが検出されると、テストパターン生成回路33からテストデータが駆動信号生成回路32に所定回数だけ繰り返し供給される。かかるテストデータは、当該セクタの先頭ブロック(ブロック1)のデータフィールド開始位置に書き込まれる。これにより、当該データフィールドの開始位置にテストデータに応じたピットが形成される。
テストデータの書き込みが終わると、記録符号化回路31から記録データが駆動信号生成回路32に順次供給される。かかる記録データは、前記テストデータの記録終了位置に引き続いてブロック1のデータフィールドに順次書き込まれる。これにより、上記テストデータピットに引き続いて記録データに応じたピットが形成される。
かかる記録データの書き込みは、当該セクタの終了位置、すなわちブロック43のデータフィールド終了位置まで継続される。そして、レーザ光の走査位置が次のセクタに移行し、当該セクタのセクタヘッダが検出されると、再度、テストパターン生成回路33からのテストデータが駆動信号生成回路32に所定回数だけ繰り返し供給される。しかして、当該セクタのブロック1のデータフィールド開始位置にテストデータが書き込まれる。しかる後、記録符号化回路31から記録データが駆動信号生成回路32に供給され、上記と同様、記録データの書き込みが行われる。
以下同様にして、セクタ移行が生じるたびに、各セクタの先頭ブロックのデータフィールド開始位置にテストデータが書き込まれる。記録データは、各セクタのデータフィールドのうち、テストデータの記録領域を除いた残りの領域に順次書き込まれて行く。
次に、図14を参照して、再生時の動作について説明する。なお、上記実施例2において示した図12のフローチャートと同一ステップには同一符号を付し、説明を省略する。
再生指令に従って光ピックアップ3が再生開始セクタにアクセスされると、まず、当該先頭セクタのブロック1に記録されたテストパターン区間がテストパターン抽出回路34によって特定される。テストパターン抽出回路34は、特定したテストパターン区間の標本値データをメモリ9から取り込み、これを伝送路計数測定回路35に出力する(S301)。
伝送路係数計測回路35は、テストパターン抽出回路34からの標本値データから、当該テストパターン区間の再生信号の最大振幅値g-maxと再生パルス半値幅τ50を算出し、これをROM信号発生回路20の演算回路201〜204に設定する(S302)。
しかる後、記録データの読み出しが開始されると、その再生RF信号がA/Dコンバータ8にてA/D変換され、その標本値データが順次メモリ9に記憶される(S101)。そして、上記実施例2と同様、11ビット相当区間の標本値データがメモリ9から参照され、当該標本値データから予測される予測データ群が予測データ発生回路11から出力され、さらに、予測データ群を構成する各予測データの予測標本値データ群がROM(1)〜ROM(N)から出力される(S102〜S105)。
そして、ROM(1)〜ROM(N)から出力された予測標本値データが、演算回路201〜204によって修正され、修正後の予測標本値データが比較回路10に出力され(S203)、修正後の予測標本値データとメモリ9内の標本値データとの間の二乗誤差の総和Veが比較回路10により算出され(S106)、上記予測データ群のうちVeが最も小さい予測データが再生データとして後段回路に出力される(S107)。
以上の処理は、次のセクタのセクタヘッドが検出されるまで繰り返される(S204)。次のセクタのセクタヘッドが検出されると、再生データが終了していなければ(S108)、S301に戻り、当該セクタヘッダに記録されたテストデータをもとに最大振幅値g-maxと再生パルス半値幅τ50を算出する。そして、これをROM信号発生回路20の演算回路201〜204に設定し(S301、302)、上記と同様にして、当該セクタのデータ再生処理を実行する(S101〜S107)。
以上のS301〜S204の処理サイクルは、再生データが終了する(S108)まで繰り返される。そして、再生データが終了すると当該再生処理が終了される。
本実施例によれば、ROM(1)〜ROM(N)から出力される予測標本値データが、現時点の伝送特性に整合するように修正されるため、上記実施例2と同様、再生データの精度を高めることができる。
上記ROM信号発生回路20の変更例につき、図15を参照して説明する。
図において、#1ROM信号発生回路211〜#kROM信号発生回路213は、それぞれ異なる再生パルス半値幅τ50に対応した上記図6のROM信号発生回路である。その出力は、演算回路221に出力され下記の修正演算がなされる。演算回路221からは、修正されたビット1からビットN(N=11)の予測標本値データが出力される。#1ROM信号発生回路211〜#kROM信号発生回路213には、たとえば、上記実施例3におけるテストパターンに応じた予測標本値データが、4/11符号化データに応じた予測標本値データと共に格納されている。
演算回路221には、上記実施例3と同様、テストパターンを再生したときに算出される最大振幅値g-maxと再生パルス半値幅τ50が設定される。ここで、最大振幅値g-maxによる修正演算は、上記実施例と同様、#1ROM信号発生回路211〜#kROM信号発生回路213から出力される予測標本値データを、最大振幅値g-maxで比例増減(比率αを乗算)して行う。
また、再生パルス半値幅τ50による修正は、それぞれ異なる再生パルス半値幅τ50にて設定された、#1ROM信号発生回路211〜#kROM信号発生回路213からの出力を、現実に測定された再生パルス半値幅τ50係数の値に線形近似することにより行う。
すなわち、かかる線形近似による修正は、テストデータから得られた再生パルス半値幅τ50を、#1ROM信号発生回路211〜#kROM信号発生回路213に格納されているテストデータの予測標本値データ(予測再生波形)から線形近似し、この線形近似の際にそれぞれの予測標本値データ(予測再生波形)に対して割り当てた比例配分値を、テストデータの再生に続く通常のデータ再生時にもそのまま適用して、#1ROM信号発生回路211〜#kROM信号発生回路213からの出力を線形近似することによって行う。
なお、ここでは、伝送路係数を最大振幅値g_maxと最大振幅の半値幅τ50を使用したが、再生信号の振幅とパルス幅の情報であれば、この二つの値に限定するものでないことは言うまでもない。
最後に、上記実施例において、内部ROM(1)〜ROM(N)から発生される予測標本化データと再生RF信号の標本値データとを比較して予測データを選択出力する場合の問題点と改善方法について説明する。
図16に符号化された記録パターン(1)と再生信号波形を示す。図中(2)は低密度記録の再生波形であり、(3)は高密度再生波形である。なお、ケースAは、記録データが01110011の場合であり、ケースBは01110000の場合である。
ここで、低密度記録とは、記録データのレートに対して、再生信号の分解能が十分に大きい、すなわち、記録ピットの幅に対して、再生信号の時間幅レスポンスが急峻である場合を意味する。これに対し、高密度記録とは、記録データのレートに対して再生信号の分解能が低下する場合であり、記録ピットの幅に対して、再生信号の時間幅レスポンスが緩やかである場合を意味する。
図16から分かるように、低密度記録の場合の再生信号波形(2)は記録パターンに対して、1と0の再生振幅が明確に分離されている。ケースAのパターン011100部分の波形とケースBのパターン011100がほぼ同じ波形となっている。
しかし、高密度記録の場合の再生信号波形(3)では、前後の記録パターンの影響で1と0のパターンが明確に分離されなくなる。ケースAのパターン011100部分の波形とケースBのパターン011100の波形では、後続する記録パターン(ケースAでは11、ケースBでは00)により、再生信号の標本値5,6部分の波形が後続の記録パターンの影響で異なっている。
上記実施例では、所定の標本化レートでサンプリングされた再生データを所要数のビット単位で、期待(予測)再生波形と実際の再生信号波形を比較し、各ビット単位での二乗誤差の和の値の最も小さいパターンを再生検出データとする方法を基本としている。
したがって、同図において、たとえば、判定する固定長ビットを6ビット(図中丸囲み番号の1〜6)と設定したときには、再生信号が低密度記録(2)の場合は問題ないが、高密度記録(3)の場合には、再生信号のビット5、6(図中、丸囲み番号の5、6)の標本値が異なることにより、ケースAとケースBでは、判定対象の6ビットが同じ記録データパターンであるにも関わらず、その二乗誤差が異なることが予想される。
この後続記録ピットの影響による誤差の発生は、高記録密度になるに従って大きくなるが、判定ビット数(図16では、図中丸囲み番号の1〜6のビット)を大きくすることにより、全体の二乗誤差における、データ接続部分の誤差による影響を小さくできる。しかし、その分、ハードウエア量が大きくなることが予想される。
これに対し、以下の方法を用いれば、ハードウエア量をそれ程大きくすることなく、上記問題を改善することができる。なお、上記実施例では、11ビット単位で予測データの抽出判定を行うようにしたが、以下では便宜上、6ビット単位で予測データの抽出判定を行うものとする。
まず、第1の改善方法としては、前記二乗誤差を計算するにおいて、比較すべき符号の位置において、該誤差値の加重を変化して加算する方法が考えられる。この場合、計算すべき標本化データは、ビット1〜ビット6であるが、ビット1からビット4までは、誤差の加重値は1.0とし、後続ビットの影響を受け易いビット5は誤差の加重値を0.7、最も影響をうけるビット6は誤差の加重値を0.5に設定する。これにより、データ接続部分の誤差による影響を小さくできる。
また、第2の改善方法は、第一の改善方法に付加して、あるいは、独立しても実行されても良いが、6ビット単位で上記二乗誤差判定を行うことにより再生信号波形に最も整合する予測データを求めた後、この予測データの後端側の2ビットを再生データから外し、先頭から4ビットのみを再生データとして採用するものである。すなわち、図16において、ビット1〜ビット6について上記誤差計算から予測データを求めた後、ビット1〜ビット4の予測データを再生データとして出力する。そして、次の6ビットの予測データの抽出判定は、先の6ビットの判定時に再生データから外されたビット5以降の6ビット単位で行う。
このように判定計算ビット数L1に対して、決定ビット数L2を小さくすることにより、データの接続部分の影響による、誤判定の誤り率を小さくすることができる。
これは、計算時に後続ビットの影響で誤差が発生する恐れのある、ビットに対しては、判定に使用する誤差の計算パターンを複数回にしてその誤判定を減少させることができるためである。
これは、計算時に後続ビットの影響で誤差が発生する恐れのある、ビットに対しては、判定に使用する誤差の計算パターンを複数回にしてその誤判定を減少させることができるためである。
次に、図17を参照して、標本化ビット群の最初付近のビットが受ける、前段の記録パターンからの影響とその改善方法について説明する。図17のケースAは記録パターン011100に接続する前段の記録パターンが11の場合であり、ケースBは同様、00の場合である。
この場合においては、図16で説明した、後段の記録パターンが判定ビットの最後付近のビット再生信号に及ぼす影響と同様に、前段の記録パターンの影響により判定ビットの最初付近のビット再生信号に影響を及ぼす。これが図17における「前接続の誤差発生部分」である。
これに対しては、6ビット単位で上記二乗誤差判定を行うことにより再生信号波形に最も整合する予測データを求め、これを再生データとして出力した後、次の6ビットの予測データ判定を、先の予測データ判定の際に設定した6ビットの後端側6ビット位置から遡って行うようにすることにより改善できる。すなわち、図17において、今回の予測データ判定をビット3〜ビット8について行う場合、次の予測データ判定は、ビット7以降の6ビット単位で行う。このとき、次の予測データ判定の際にはビット7とビット8の再生信号波形は利用するが、ビット7とビット8のデータ出力は、既に、先の予測データ判定時に行われているため、当該予測データ判定時には、ビット7とビット8のデータ出力は行わない。これにより、前段ビットからの影響は除去できる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
たとえば、上記実施例3では、セクタ毎にテストデータを書き込み、再生時に用いる最大振幅値g_maxと最大振幅の半値幅τ50をセクタ毎に切り替えるようにしたが、数個あるいは数十個のセクタ毎にテストデータを書き込み、当該セクタ単位で最大振幅値g_maxと最大振幅の半値幅τ50を切り替えるようにしても良い。
また、テストデータは、開始ブロック(ブロック1)のデータフィールド開始位置に繰り返し記録する他、当該位置に1回のみ記録するようにしても良く、当該領域に数種のテストデータを記録し、各テストデータの再生結果に応じて最大振幅値g_maxと最大振幅の半値幅τ50を算出するようにしても良い。さらに、レーザパワーを切り替えてテストデータを複数回記録し、その再生結果に応じて最大振幅値g_maxと最大振幅の半値幅τ50算出するようにしても良い。
また、上記実施例4では、#1ROM信号発生回路211〜#kROM信号発生回路213の出力を、再生パルス半値幅τに線形近似するようにしたが、#1ROM信号発生回路211〜#kROM信号発生回路213の出力のうち、再生パルス半値幅τに適合するものを選択し、当該再生時には、選択したROM信号発生回路からの出力を二乗誤差Veの算出に用いるようにしても良い。
また、上記実施例4では、異なる再生パルス半値幅τに応じた出力を#1ROM信号発生回路211〜#kROM信号発生回路213に保持させるようにしたが、ディスクの種類や再生速度の相違に応じた出力を、個別にROM信号発生回路に保持させておき、ディスク再生時には、再生対象のディスクまたは再生速度に応じたROM信号発生回路を選択し、その出力を二乗誤差Veの算出に用いるようにしても良い。
また、上記実施例では、標本値データの二乗誤差の総和Veを求めることにより、再生信号波形に最も整合する予測データを選択するようにしたが、これ以外の方法にて再生信号波形に対する整合性を判別し、それに応じて予測データを選択出力するようにして良い。
また、上記実施例では、クロックピット検出信号を比較信号とするPLL(クロック生成回路15)によりサンプリングクロックを生成したが、水晶クロックなどの固定クロックで発信する発振器を用いてサンプリングクロックを生成するようにしてもよい。
さらに、上記実施例では、符号化方式として4/11符号化方式を採用したが、これ以外の符号化方式、たとえば、可変長記録符号化方式(参考文献:“ディジタル変調方式”日経エレクトロニクスブック、日経BP社、ISBN4-8222-0225-9)を採用することもできる。
さらに、上記実施例において、記録符号化回路31からの符号化データはNRZL(Non Return to Zero Level)方式に従って記録する他、NRZI(Non Return to Zero Inverse)方式に従って記録するようにしても良い。
さらに、上記実施例では、記録符号として2進符号を用いた場合を説明したが、より記録密度を向上させ得る多値記録符号においても本発明を適用できることは言うまでもない。
その他、記録再生系および光ディスクのタイプは、上記実施の形態のものに限られず、これ以外の書き換え型の光ディスク、追記型光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスク、磁気テープ等とすることもできる。さらに、本発明の効果は、あらかじめ伝送路の伝達特性が既知である伝送系であれば、どのような伝送系にも適用可能である。
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
8 A/Dコンバータ
9 メモリ
10 比較回路
11 予測データ発生回路
12 ROM信号発生回路
13 再生データ判定回路
14 予測データメモリ
20 ROM信号発生回路
21 固定パターン抽出回路
22 伝送路係数計測回路
33 テストパターン生成回路
34 テストパターン抽出回路
35 伝送路係数計測回路
201〜204 演算回路
9 メモリ
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11 予測データ発生回路
12 ROM信号発生回路
13 再生データ判定回路
14 予測データメモリ
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22 伝送路係数計測回路
33 テストパターン生成回路
34 テストパターン抽出回路
35 伝送路係数計測回路
201〜204 演算回路
Claims (11)
- 再生信号から予測データ群を生成する予測データ生成手段と、
前記予測データを記録媒体から再生したときに予測される予測再生信号波形を前記予測データ毎に対応付けて格納した予測波形記憶手段と、
前記予測データ生成手段によって生成された予測データ群の予測信号波形を前記予測波形記憶手段から読み出すと共に、読み出した予測信号波形群を、記録媒体から再生した再生信号波形と比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づき、前記予測信号波形群の中から、前記記録媒体から再生した再生信号波形に整合する予測信号波形を判定する判定手段と、
前記再生信号波形に整合すると判定された予測信号波形に対応する前記予測データを再生データとして出力する再生データ出力手段と、
を有することを特徴とする情報再生装置。 - 請求項1において、
前記記録媒体からの再生信号から当該再生時の再生特性に関する情報を算出する再生特性算出手段と、
前記再生特性算出手段からの再生特性情報に基づいて、前記予測波形記憶手段から読み出された予測信号波形を修正する予測波形修正手段とを備え、
前記比較手段は、前記予測波形修正手段によって修正された予測信号波形と記録媒体から再生した再生信号波形と比較する、
ことを特徴とする情報再生装置。 - 請求項2において、
前記再生特性算出手段は、前記記録媒体に記録されている固有パターンを再生した際の再生信号から振幅値情報および/若しくはパルス幅情報を算出し、
前記予測波形修正手段は、前記予測信号波形を前記振幅値情報および/若しくはパルス幅情報に応じたものに修正する演算処理を実行する、
ことを特徴とする情報再生装置。 - 請求項1乃至3の何れかにおいて、
前記記録媒体から再生した再生信号を所定周期でサンプリングして標本値を導出するサンプリング手段をさらに備え、
前記予測データ生成手段は、前記標本値から、データ構成中の各ビット位置が有意であるか否かを判定すると共に、有意とされるビット位置が1となる予測データを生成する、
ことを特徴とする情報再生装置。 - 請求項4において、
符号化後のNビットの符号列中にK個の1が存在する符号化処理によって記録データが符号化されている場合、前記予測データ生成手段は、各ビット位置の標本値のうち大きいものからJ番目(J>K)までのビット位置が1となる予測データを生成する、
ことを特徴とする情報再生装置。 - 請求項4において、
符号化後のNビットの符号列中にK個の1が存在する符号化処理によって記録データが符号化されている場合、前記予測データ生成手段は、各ビット位置の標本値のうち大きいものからJ番目(J>K)までのビット位置とそれに隣接するビット位置が1となる予測データを生成する、
ことを特徴とする情報再生装置。 - 請求項1ないし6の何れかにおいて、
前記予測波形記憶手段には、前記予測信号波形を前記サンプリング周期でサンプリングしたときの標本値が予測信号波形として格納されており、
前記比較手段は、前記再生信号を前記サンプリング手段によってサンプリングすることによって導出された標本値と、記憶手段から読み出された予測信号波形の標本値の二乗誤差の総和を算出し、
前記判定手段は、当該二乗誤差の総和が最も小さい予測信号波形を再生信号波形に整合する予測信号波形とする、
ことを特徴とする情報再生装置。 - 請求項1乃至7の何れかにおいて、
データ再生処理を行うに際し、ビット数L1単位で、上記予測信号波形の判定処理を実行し、当該判定により前記再生信号波形に整合すると判定された予測信号波形に対応する前記予測データのうち、前方および/若しくは後方の数ビットを除くビット数L2(L2<L1)のデータを再生データとして出力する、
ことを特徴とする情報再生装置。 - 固定パターンを記録媒体に記録する固定パターン記録手段と、
再生信号から予測データ群を生成する予測データ生成手段と、
前記予測データを記録媒体から再生したときに予測される予測再生信号波形を前記予測データ毎に対応付けて格納した予測波形記憶手段と、
前記予測データ生成手段によって生成された予測データ群の予測信号波形を前記予測波形記憶手段から読み出す予測信号波形読出手段と、
前記固定パターンを再生した再生信号から当該再生時の再生特性に関する情報を算出する再生特性算出手段と、
前記再生特性算出手段からの再生特性情報に基づいて、前記予測波形記憶手段から読み出された予測信号波形を修正する予測波形修正手段と、
前記修正された予測信号波形群を、記録媒体から再生した再生信号波形と比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づき、前記予測信号波形群の中から、前記記録媒体から再生した再生信号波形に整合する予測信号波形を判定する判定手段と、
前記再生信号波形に整合すると判定された予測信号波形に対応する前記予測データを再生データとして出力する再生データ出力手段と、
を有することを特徴とする情報記録再生装置。 - 請求項9において、
前記再生特性算出手段は、前記固有パターンを再生した際の再生信号から振幅値情報および/若しくはパルス幅情報を算出し、
前記予測波形修正手段は、前記予測信号波形を前記振幅値情報および/若しくはパルス幅情報に応じたものに修正する演算処理を実行する、
ことを特徴とする情報記録再生装置。 - 請求項9または10において、
前記固定パターン記録手段は、前記記録媒体の記録領域が物理的または論理的に複数の領域に区分されている場合に、各区分のデータ記録に先立った位置に前記固定パターンを記録し、
前記再生特性算出手段は、前記固定パターンを再生することによって当該区分の前記再生特性を導出し、
前記予測波形修正手段は、前記導出された再生特性に基づいて、当該区分における予測信号波形の修正を行う、
ことを特徴とする情報記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003350156A JP2005116083A (ja) | 2003-10-08 | 2003-10-08 | 情報再生装置および情報記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003350156A JP2005116083A (ja) | 2003-10-08 | 2003-10-08 | 情報再生装置および情報記録再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005116083A true JP2005116083A (ja) | 2005-04-28 |
Family
ID=34541788
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003350156A Pending JP2005116083A (ja) | 2003-10-08 | 2003-10-08 | 情報再生装置および情報記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005116083A (ja) |
-
2003
- 2003-10-08 JP JP2003350156A patent/JP2005116083A/ja active Pending
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