JP2005321499A - プラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents

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武 山下
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Abstract

【課題】安定した書込み動作を保証しながら、黒輝度の上昇を抑え、かつ、書込み期間を短縮したプラズマディスプレイパネルの駆動方法を提供することを目的とする。
【解決手段】1フィールド期間は、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する複数のサブフィールドから構成され、サブフィールドのそれぞれの初期化期間には、全セル初期化動作または選択初期化動作を行わせ、選択初期化動作を行うサブフィールドの書込み放電を発生させるための時間を、その直前のサブフィールドの維持期間の輝度重みが小さいときは長く、その直前のサブフィールドの維持期間の輝度重みが大きいときは短く設定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルの駆動方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルが形成されている。前面板は、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極が前面ガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極を覆うように誘電体層および保護層が形成されている。背面板は、背面ガラス基板上に複数の平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上にデータ電極と平行に複数の隔壁がそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。そして、表示電極とデータ電極とが立体交差するように前面板と背面板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には放電ガスが封入されている。ここで表示電極とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成される。このような構成のパネルにおいて、各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線でRGB各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
パネルを駆動する方法としてはサブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般的である。また、サブフィールド法の中でも、階調表示に関係しない発光を極力減らして黒輝度の上昇を抑え、コントラスト比を向上した新規な駆動方法が特許文献1に開示されている。
以下にサブフィールド法について簡単に説明する。各サブフィールドはそれぞれ初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。また、初期化期間は、画像表示を行うすべての放電セルに対して初期化放電を行わせる全セル初期化動作、または直前のサブフィールドにおいて維持放電を行った放電セルに対して選択的に初期化放電を行わせる選択初期化動作のいずれかの動作を行う。
まず、全セル初期化期間では、すべての放電セルで一斉に初期化放電を行い、それ以前の個々の放電セルに対する壁電荷の履歴を消すとともに、つづく書込み動作のために必要な壁電荷を形成する。加えて、放電遅れを小さくし書込み放電を安定して発生させるためのプライミング(放電のための起爆剤=励起粒子)を発生させるという働きをもつ。つづく書込み期間では、走査電極に順次走査パルスを印加するとともに、データ電極には表示すべき画像信号に対応した書込みパルスを印加し、走査電極とデータ電極との間で選択的に書込み放電を起こし、選択的な壁電荷形成を行う。そして維持期間では、走査電極と維持電極との間に輝度重みに応じた所定の回数の維持パルスを印加し、書込み放電による壁電荷形成を行った放電セルを選択的に放電させ発光させる。
このように、画像を正しく表示するためには書込み期間における選択的な書込み放電を確実に行うことが重要であるが、回路構成上の制約から書込みパルスに高い電圧が使えないこと、データ電極上に形成された蛍光体層が放電を起こり難くしていること等、書込み放電に関しては放電遅れを大きくする要因が多い。したがって、書込み放電を安定して発生させるためのプライミングが非常に重要となる。
特開2000−242224号公報
近年、消費電力削減や輝度向上の要求にこたえるために、パネルの構造やパネル材料等に対する検討が活発になされている。たとえば、パネルに封入されている放電ガスのキセノン分圧を増加させることによりパネルの発光効率が向上することが一般に知られている。しかしながら上述のパネルおよびその駆動方法においては、キセノン分圧を増加させると書込み放電が不安定になり、書込み期間に書込み不良を生じるおそれがある等、書込み動作の駆動電圧マージンが狭くなるという課題があった。
本発明は、これらの課題に鑑みなされたものであり、書込み放電を安定化させることによって、良好な品質で画像表示させることができるパネルの駆動方法を提供することを目的とする。
本発明のパネルの駆動方法は、走査電極および維持電極とデータ電極との交差部に放電セルを形成してなるプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、1フィールド期間は、放電セルに初期化放電を発生させる初期化期間、放電セルに書込み放電を発生させる書込み期間および放電セルに所定の輝度重みで発光させるための維持放電を発生させる維持期間を有する複数のサブフィールドから構成され、複数のサブフィールドの初期化期間には画像表示を行うすべての放電セルに対して初期化放電を発生させる全セル初期化動作を行わせるか、または直前のサブフィールドにおいて維持放電を発生した放電セルに対して選択的に初期化放電を発生させる選択初期化動作を行わせ、選択初期化動作を行うサブフィールドの書込み放電を発生させるための時間を、その直前のサブフィールドの維持期間の輝度重みが小さいときは長く、その直前のサブフィールドの維持期間の輝度重みが大きいときは短く設定することを特徴とする。
この方法により、書込み放電を安定化させることによって、良好な品質で画像表示させることができるプラズマディスプレイパネルの駆動方法を提供することが可能となる。
また、本発明のパネルの駆動方法は、1フィールドを構成する先頭のサブフィールドは維持期間の輝度重みが最も小さいサブフィールドであり、つづくサブフィールドは、それぞれの維持期間の輝度重みが直前のサブフィールドの輝度重みより大きいかまたは等しいサブフィールドであることが望ましい。この駆動方法により、暗い画面で維持放電を行うサブフィールド、すなわち維持期間の輝度重みの小さいサブフィールドと全セル初期化期間との時間間隔が短くなり、暗い画面を表示する場合であってもプライミング不足による書込み不良を防ぐことができる。
本発明によれば、書込み放電を安定化させることによって、良好な品質で画像表示させることができるプラズマディスプレイパネルの駆動方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態におけるパネルの駆動方法について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に用いるパネルの要部を示す斜視図である。パネル1は、ガラス製の前面基板2と背面基板3とを対向配置して、その間に放電空間を形成するように構成されている。前面基板2上には表示電極を構成する走査電極4と維持電極5とが互いに平行に対をなして複数形成されている。そして、走査電極4および維持電極5を覆うように誘電体層6が形成され、誘電体層6上には保護層7が形成されている。また、背面基板3上には絶縁体層8で覆われた複数のデータ電極9が付設され、データ電極9の間の絶縁体層8上にデータ電極9と平行して隔壁10が設けられている。また、絶縁体層8の表面および隔壁10の側面に蛍光体層11が設けられている。そして、走査電極4および維持電極5とデータ電極9とが交差する方向に前面基板2と背面基板3とを対向配置しており、その間に形成される放電空間には、放電ガスとして、たとえばネオンとキセノンの混合ガスが封入されている。
図2は本発明の実施の形態1に用いるパネルの電極配列図である。行方向にn本の走査電極SCN1〜SCNn(図1の走査電極4)およびn本の維持電極SUS1〜SUSn(図1の維持電極5)が交互に配列され、列方向にm本のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極9)が配列されている。そして、1対の走査電極SCNiおよび維持電極SUSi(i=1〜n)と1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。
図3は本発明の実施の形態1におけるパネルの駆動方法を使用するプラズマディスプレイ装置の構成図である。このプラズマディスプレイ装置は、パネル1、データ電極駆動回路12、走査電極駆動回路13、維持電極駆動回路14、タイミング発生回路15、AD(アナログ・デジタル)変換器18、走査数変換部19、サブフィールド変換部20および電源回路(図示せず)を備えている。
図3において、画像信号sigはAD変換器18に入力される。また、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vはタイミング発生回路15、AD変換器18、走査数変換部19、サブフィールド変換部20に入力される。AD変換器18は、画像信号sigをデジタル信号の画像データに変換し、その画像データを走査数変換部19に出力する。走査数変換部19は、画像データをパネル1の画素数に応じた画像データに変換し、サブフィールド変換部20に出力する。サブフィールド変換部20は、各画素の画像データを複数のサブフィールドに対応する複数のビットに分割し、サブフィールド毎の画像データをデータ電極駆動回路12に出力する。データ電極駆動回路12は、サブフィールド毎の画像データを各データ電極D1〜Dmに対応する信号に変換し各データ電極D1〜Dmを駆動する。
タイミング発生回路15は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vをもとにしてタイミング信号を発生し、各々走査電極駆動回路13および維持電極駆動回路14に出力する。走査電極駆動回路13は、タイミング信号に基づいて走査電極SCN1〜SCNnに駆動波形を供給し、維持電極駆動回路14は、タイミング信号に基づいて維持電極SUS1〜SUSnに駆動波形を供給する。
つぎに、パネルの駆動方法について説明する。実施の形態1においては、1フィールドを10のサブフィールド(SF1、SF2、・・・、SF10)に分割し、各サブフィールドはそれぞれ(1、2、3、6、11、18、30、44、60、80)の輝度重みをもつものとする。このように、後ろのサブフィールドほど輝度重みが大きくなるように構成している。すなわち、1フィールドを構成する先頭のサブフィールドは、維持期間の輝度重みが最も小さいサブフィールドであり、つづくサブフィールドは、それぞれの維持期間の輝度重みが直前のサブフィールドの輝度重みより大きいサブフィールドである。このとき、直前のサブフィールドの輝度重みと等しく設定してもよい。
図4は表示階調と、その階調を表示するために発光させるサブフィールドの組み合わせを示した図である。ここで「1」で示したサブフィールドは発光させるサブフィールド、「0」で示したサブフィールドは発光させないサブフィールドである。図4(a)は階調値が「0」〜「50」まで、図4(b)は階調値が「51」〜「101」まで、図4(c)は階調値が「102」〜「152」まで、図4(d)は階調値が「153」〜「203」まで、図4(e)は階調値が「204」〜「255」の範囲を示す。
図4において特徴的な点は、発光サブフィールドの前にある非発光サブフィールド(以下、「中間非発光サブフィールド」と略記する)が3つ以上連続しないようにして階調表示を行っている点である。特に輝度重みの大きい第8SF〜第10SFに対しては中間非発光サブフィールドが2つ以上連続しないようにして階調表示を行っている。これは、プライミングが不足し書込み放電が不安定となるのを防ぐためである。
つぎに、パネルを駆動するための駆動波形とその動作について説明する。図5は本発明の実施の形態1におけるパネルの各電極に印加する駆動波形図であり、図6はサブフィールドの構成図である。ここで、第1SFの初期化動作は全セル初期化動作であり、第2SF以降の初期化動作は選択初期化動作である。
第1SFの初期化期間では、データ電極D1〜Dmおよび維持電極SUS1〜SUSnを0(V)に保持し、走査電極SCN1〜SCNnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vp(V)から、放電開始電圧を超える電圧Vr(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加する。すると、すべての放電セルにおいて1回目の微弱な初期化放電を起こし、走査電極SCN1〜SCNn上に負の壁電圧が蓄えられるとともに、維持電極SUS1〜SUSn上およびデータ電極D1〜Dm上に正の壁電圧が蓄えられる。ここで、電極上の壁電圧とは、電極を覆う誘電体層あるいは蛍光体層上に蓄積した壁電荷により生じる電圧をあらわす。
その後、維持電極SUS1〜SUSnを正の電圧Vh(V)に保ち、走査電極SCN1〜SCNnに電圧Vg(V)から電圧Va(V)に向かって緩やかに下降するランプ電圧を印加する。すると、すべての放電セルにおいて2回目の微弱な初期化放電を起こし、走査電極SCN1〜SCNn上の壁電圧および維持電極SUS1〜SUSn上の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜Dm上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。
このように、第1SFの初期化期間では、すべての放電セルにおいて初期化放電させる全セル初期化動作が行われる。
つづく書込み期間では、走査電極SCN1〜SCNnを一旦Vs(V)に保持する。つぎに、データ電極D1〜Dmのうち、1行目に表示すべき放電セルのデータ電極Dk(k=1〜m)に正の書込みパルス電圧Vw(V)を印加するとともに、1行目の走査電極SCN1に負の走査パルス電圧Vb(V)を印加する。すると走査電極SCN1とデータ電極Dkとの間には書込みパルス電圧と走査パルス電圧とが加算された電圧Vw+Vb(V)が印加され放電開始電圧を超えるので、走査電極SCN1とデータ電極Dkとの交差部で放電が発生し、対応する放電セルの走査電極SCN1と維持電極SUS1との間の放電に進展する。そしてつづく維持放電に必要な壁電荷が蓄積される。こうして1行目の書込みパルス電圧Vw(V)を印加した放電セルの書込み放電が終了する。一方、書込みパルス電圧Vw(V)を印加しなかった放電セルには書込み放電は発生せず壁電荷が蓄積されない。このとき、2行目以降の放電セルのデータ電極Dkにも正の書込みパルス電圧Vw(V)が印加されるが、対応する2行目以降の走査電極には負の走査パルス電圧Vb(V)が印加されないので、2行目以降の走査電極とデータ電極Dkとの間に印加される電圧は書込みパルス電圧Vw(V)のみであり放電開始電圧を超えないので書込み放電が発生することはない。
つづいて、2行目に表示すべき放電セルのデータ電極Dkに正の書込みパルス電圧Vw(V)を印加するとともに、2行目の走査電極SCN2に負の走査パルス電圧Vb(V)を印加する。すると走査電極SCN2とデータ電極Dkとの間には書込みパルス電圧と走査パルス電圧とが加算された電圧Vw+Vb(V)が印加され放電開始電圧を超え、2行目の書込みパルス電圧Vw(V)を印加した放電セルの書込み放電が発生する。一方、書込みパルス電圧Vw(V)を印加しなかった放電セルには書込み放電は発生せず壁電荷が蓄積されない。この場合にも、3行目以降の放電セルの走査電極とデータ電極Dkとの間に印加される電圧は書込みパルス電圧Vw(V)のみであり放電開始電圧を超えないので書込み放電が発生することはない。
以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで順次行い、書込み期間が終了する。
つづく維持期間では、まず、維持電極SUS1〜SUSnを0(V)に戻し、走査電極SCN1〜SCNnに正の維持パルス電圧Vm(V)を印加する。このとき、書込み放電を起こした放電セル内では、維持パルス電圧Vm(V)に壁電荷による電圧が加算され放電開始電圧を超え維持放電が発生する。そして極性の反転した壁電荷が放電セル内に蓄積する。つづいて、走査電極SCN1〜SCNnを0(V)に戻し、維持電極SUS1〜SUSnに正の維持パルス電圧Vm(V)を印加すると、放電セル内で維持放電が起こり、壁電荷の極性が反転する。以降同様に、走査電極SCN1〜SCNnと維持電極SUS1〜SUSnとに交互に維持パルスを印加することにより、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルでは維持放電が継続して行われる。
第2SFの初期化期間では、維持電極SUS1〜SUSnをVh(V)に保持し、データ電極D1〜Dmを0(V)に保持し、走査電極SCN1〜SCNnに電圧Va(V)に向かって下降するランプ電圧を印加する。すると前のサブフィールドの維持期間で維持放電を行った放電セルでは、微弱な初期化放電が発生し、つづく書込み動作に必要な壁電荷が形成される。一方、前のサブフィールドで書込み放電および維持放電を行わなかった放電セルについては放電することはなく、前のサブフィールドの初期化期間終了時における壁電荷状態がそのまま保たれる。このように、選択初期化サブフィールドの初期化動作は、前のサブフィールドで維持放電を行った放電セルにおいて初期化放電させる選択初期化動作である。
第2SFの書込み期間の動作は第1SFの書込み期間の動作と同様である。また、第2SFの維持期間の輝度重みは第1SFとは異なるものの、それ以外は第1SFの書込み期間の動作と同様である。第3SF以降の動作についても維持期間の輝度重みは異なるものの、それ以外は第2SFの動作と同様であるため説明を省略する。
以上の動作の書込み期間において、後で書込む放電セルは先に書込む放電セルに比べて書込み難くなる、あるいは書込みが不安定になる傾向がある。そしてこの傾向は、パネルに封入される放電ガスのキセノン分圧を増加させることにより顕著になることが明らかとなった。またこの傾向は直前のサブフィールドの維持期間の輝度重みが大きいほど大きくなることも明らかとなった。後で書込む放電セルの書込み放電が不安定になる原因については明らかではないが、以下のように考えることができる。
書込み期間において確実な書込み制御を行うためには、走査電極SCNiとデータ電極Dkとの間に、書込みパルス電圧Vwまたは走査パルス電圧Vbの一方を印加しただけでは書込み放電は発生せず、書込みパルス電圧Vwと走査パルス電圧Vbとの両方を印加して初めて書込み放電を発生させる必要がある。ここで、第1SFの初期化期間においてデータ電極D1〜Dm上に書込み動作に適した壁電圧Vwallが蓄積されている。したがって、書込みパルス電圧Vwまたは走査パルス電圧Vbの一方だけでは書込み放電が発生しないように、書込みパルス電圧Vwと壁電圧Vwallとの和は放電開始電圧より低く、また、走査パルス電圧Vbと壁電圧Vwallとの和も放電開始電圧より低く設定されている。そして、書込みパルス電圧Vwと走査パルス電圧Vbとの両方を印加したとき書込み放電を発生させるために、書込みパルス電圧Vwと走査パルス電圧Vbと壁電圧Vwallとの和が放電開始電圧より高くなるように設定されている。
ここで、データ電極Dkに書込みパルス電圧が印加され、走査電極SCNiには走査電圧が印加されていない放電セルについて考えると、走査電極SCNiとデータ電極Dkとの間には書込みパルス電圧Vwと壁電圧Vwallとの和の電圧が印加されている。書込みパルス電圧Vwと壁電圧Vwallとの和は放電開始電圧より低くされているものの、放電開始電圧に近い場合にはわずかな暗電流が流れることにより壁電圧Vwallが低下する可能性がある。そして、暗電流の流れる時間が長く、壁電圧Vwallが無視できない程度に低下すると、放電セルの書込み時に、走査電極SCNiとデータ電極Dkとの間に印加される電圧、Vw+Vb+Vwallが低下するため、書込み放電が発生し難くなる、あるいは書込み放電が不安定になると考えることができる。
n行目の放電セル等、書込み期間の後半に書込み動作を行う放電セルでは、書込み動作以前にデータ電極Dkに書込みパルス電圧を印加する時間が長く、多くの暗電流が流れる可能性が高い。特に、輝度の高い画像表示時には暗電流の流れる時間が長くなり、壁電圧Vwallが無視できない程度に低下し、書込み放電が不安定になる可能性が高い。
暗電流と放電ガスのキセノン分圧との関係、あるいは暗電流と直前のサブフィールドの維持期間の輝度重みとの関係は明らかになったわけではないが、維持期間の輝度重みとの関係については、たとえば維持放電により荷電粒子が多数発生しそれら荷電粒子が暗電流を増加させている可能性も考えられる。
上述した壁電圧Vwallの低下を防ぐためには、暗電流の流れる時間を短くすることが有効である。そのためには書込み放電を発生させるための時間(以下、「書込み時間」と略記する)を短くする、特に直前のサブフィールドの維持期間の輝度重みが大きいほど書込み放電時間を短くすることが有効である。直前のサブフィールドの維持期間の輝度重みが大きい場合には維持放電によるプライミングを期待することができるので、書込み時間を短くしても安定した書込み放電となり、しかも書込み時間を短くすることにより壁電圧Vwall不足による不安定な書込み放電も防ぐことができる。
実施の形態1においては、1フィールドを10のサブフィールド(SF1、SF2、・・・、SF10)に分割し、各サブフィールドの輝度重みはそれぞれ(1、2、3、6、11、18、30、44、60、80)であり、後ろのサブフィールドほど輝度重みが大きくなるように構成している。そして、各サブフィールドの1セルあたりの書込み時間を、それぞれ(2.4μs、2.4μs、2.1μs、2.1μs、2.1μs、1.8μs、1.8μs、1.8μs、1.7μs、1.7μs)と設定した。このように、1セルあたりの書込み時間を、その直前のサブフィールドの維持期間の輝度重みが小さいときは長く、その直前のサブフィールドの維持期間の輝度重みが大きいときは短く設定することにより、書込み放電を安定化させることができ、良好な品質で画像表示させることができる。
さらに、後ろのサブフィールドほど輝度重みが大きくなるように構成することにより、暗い画面で維持放電を行うサブフィールド、すなわち維持期間の輝度重みの小さいサブフィールドと全セル初期化期間との時間間隔が短くなり、暗い画面を表示する場合であってもプライミング不足による書込み不良を防ぐことができる。
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2におけるパネルの駆動方法を使用するプラズマディスプレイ装置の構成図である。
実施の形態2におけるプラズマディスプレイ装置は、実施の形態1と同様、パネル1、データ電極駆動回路12、走査電極駆動回路13、維持電極駆動回路14、タイミング発生回路15、AD変換器18、走査数変換部19、サブフィールド変換部20を備えている。実施の形態1と大きく異なるところは、APL(アベレージ・ピクチャ・レベル)検出部30を備えている点である。
図7において、画像信号sigはAD変換器18に入力され、APL検出部30は画像データの平均輝度レベルを検出する。タイミング発生回路15は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vをもとにしてタイミング信号を発生し、各々走査電極駆動回路13および維持電極駆動回路14に出力する。走査電極駆動回路13は、タイミング信号に基づいて走査電極SCN1〜SCNnに駆動波形を供給し、維持電極駆動回路14は、タイミング信号に基づいて維持電極SUS1〜SUSnに駆動波形を供給する。ここで、タイミング発生回路15はAPL検出部30から出力されるAPLに基づいて1フィールドを構成する各々のサブフィールドの初期化動作を全セル初期化か選択初期化のいずれかに決定して、1フィールド内の全セル初期化動作の回数を制御する。
つぎに、実施の形態2の駆動方法のサブフィールド構成について説明する。本実施の形態においても、1フィールドが10のサブフィールドで構成されているものとして説明するが、サブフィールド数や各サブフィールドの輝度重みが限定されるものではない。
図8は、本発明の実施の形態2におけるパネルの駆動方法のサブフィールドの構成図であり、表示すべき画像信号のAPLに基づいてサブフィールド構成を切替えている。図8(a)は、APLが0〜1.5%の画像信号時に使用する構成であり、第1SFの初期化期間のみ全セル初期化動作を行い、第2SF〜第10SFの初期化期間は選択初期化動作を行うサブフィールド構成である。図8(b)は、APLが1.5〜5%の画像信号時に使用する構成であり、第1SFおよび第4SFの初期化期間が全セル初期化期間、第2SF、第3SFと第5SF〜第10SFの初期化期間は選択初期化期間であるサブフィールド構成となっている。図8(c)は、APLが5〜100%の画像信号時に使用する構成であり、第1SF、第4SF、第6SFの初期化期間は全セル初期化期間、第2SF、第3SF、第5SF、第7SF〜第10SFの初期化期間は選択初期化期間であるサブフィールド構成となっている。表1に上述のサブフィールド構成とAPLとの関係を示した。表1には同時に1セルあたりの書込み時間も示した。
Figure 2005321499
このように、本発明の実施の形態2においては、APLの高い画像表示時においては黒表示領域が無いかわずかの面積であると考えられるので、全セル初期化回数を増やしプライミングを増やすことによって放電の安定化を図っている。逆に、APLの低い画像表示時においては黒の画像表示領域が広いと考えられるため全セル初期化回数を減らし、黒表示品質を向上している。したがって、輝度の高い領域があってもAPLが低ければ黒表示領域の輝度が低くコントラストの高い画像表示が可能となる。
そして、第1SFの初期化期間のみ全セル初期化動作を行う場合には、実施の形態1と同様に、第1SFから第10SFまでの1セルあたりの書込み時間をそれぞれ(2.4μs、2.4μs、2.1μs、2.1μs、2.1μs、1.8μs、1.8μs、1.8μs、1.7μs、1.7μs)と設定した。また、第1SFおよび第4SFの初期化期間で全セル初期化動作を行う場合、あるいは第1SF、第4SFおよび第6SFの初期化期間で全セル初期化動作行う場合には、第1SFから第10SFまでの1セルあたりの書込み時間をそれぞれ(1.8μs、1.8μs、1.8μs、1.8μs、1.8μs、1.8μs、1.8μs、1.8μs、1.7μs、1.7μs)と設定した。
このように実施の形態2においても直前のサブフィールドの維持期間の輝度重みが大きいほど書込み放電時間を短くすることによって、壁電圧Vwall不足による不安定な書込み放電を防ぐことができる。
そして、全セル初期化動作の回数が少なくプライミングが不足する場合には第1SFの書込み時間を比較的長めに設定しておき、後ろのサブフィールドの書込み時間を短く設定する。また、全セル初期化動作を行うサブフィールドが2つ以上存在しプライミングがある程度供給されている場合には第1SFの書込み時間を比較的短めに設定しておき、後ろのサブフィールドの書込み時間をさらに短く設定するとよい。
なお、本実施の形態においては、1フィールドを10SFで構成し、全セル初期化回数を1〜3回の範囲で制御し、先頭に近いサブフィールドの初期化を優先する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明のパネルの駆動方法によれば、安定した書込み動作を保証しながら、黒輝度の上昇を抑え、かつ、書込み期間を短縮することが可能となり、プラズマディスプレイパネルを用いた画像表示装置等として有用である。
本発明の実施の形態1に用いるパネルの要部を示す斜視図 同パネルの電極配列図 本発明の実施の形態1におけるパネルの駆動方法を使用するプラズマディスプレイ装置の構成図 表示階調とその階調を表示するために発光させるサブフィールドの組み合わせを示す図 表示階調とその階調を表示するために発光させるサブフィールドの組み合わせを示す図 表示階調とその階調を表示するために発光させるサブフィールドの組み合わせを示す図 表示階調とその階調を表示するために発光させるサブフィールドの組み合わせを示す図 表示階調とその階調を表示するために発光させるサブフィールドの組み合わせを示す図 本発明の実施の形態1におけるパネルの各電極に印加する駆動波形図 本発明の実施の形態1におけるパネルの駆動方法のサブフィールドの構成図 本発明の実施の形態2におけるパネルの駆動方法を使用するプラズマディスプレイ装置の構成図 本発明の実施の形態2におけるパネルの駆動方法のサブフィールドの構成図
符号の説明
1 パネル
2 前面基板
3 背面基板
4 走査電極
5 維持電極
9 データ電極

Claims (2)

  1. 走査電極および維持電極とデータ電極との交差部に放電セルを形成してなるプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
    1フィールド期間は、前記放電セルに初期化放電を発生させる初期化期間、前記放電セルに書込み放電を発生させる書込み期間および前記放電セルに所定の輝度重みで発光させるための維持放電を発生させる維持期間を有する複数のサブフィールドから構成され、
    前記複数のサブフィールドの初期化期間には、画像表示を行うすべての放電セルに対して初期化放電を発生させる全セル初期化動作を行わせるか、または直前のサブフィールドにおいて維持放電を発生した放電セルに対して選択的に初期化放電を発生させる選択初期化動作を行わせ、
    前記選択初期化動作を行うサブフィールドの書込み放電を発生させるための時間を、その直前のサブフィールドの維持期間の輝度重みが小さいときは長く、その直前のサブフィールドの維持期間の輝度重みが大きいときは短く設定することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  2. 1フィールドを構成する先頭のサブフィールドは、維持期間の輝度重みが最も小さいサブフィールドであり、つづくサブフィールドは、それぞれの維持期間の輝度重みが直前のサブフィールドの輝度重みより大きいかまたは等しいサブフィールドであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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