JP2005320429A - 色素及び色素増感太陽電池 - Google Patents

色素及び色素増感太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】色素増感太陽電池に使用した場合に、高い変換効率を示す新規な色素及び該色素を使用した色素増感太陽電池を提供すること。
【解決手段】色素は、下記式(1)で表される構造を含む。
【化1】
Figure 2005320429

式(1)において、Mは長周期律表上の8乃至10族の元素であり、L及びLは特定の配位子であり、Zは単座配位子又は一価の原子団であり、nは2−mであり(ただしmはLの配位数である。)、e1は式(1)で表される構造の形式電荷である。
色素増感太陽電池は、上記の色素を使用することを特徴とする。
【選択図】なし。

Description

本発明は、色素及びそれを用いた色素増感太陽電池に関する。
エネルギー問題に対する関心の高まりと共に光、特に太陽光を効率よく電気に変換できる太陽電池の研究が進められている。一般に太陽電池としては、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンを利用したシリコン系の太陽電池が普及し始めている。しかし、シリコン系太陽電池は、コストが高く、また、高純度シリコンの供給面での問題があり、一般に広く普及するには限界があるといわれている。
近年、色素増感太陽電池が関心を集めている。色素増感太陽電池は、発電効率が高いこと、製造コストが比較的低いこと、酸化チタン等の安価な酸化物半導体を高純度に精製することなく原料として使用できること、製造に際して使用する設備が安価ですむこと等でシリコン系の太陽電池と比較して多くの利点を有するものとして期待されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
色素増感太陽電池において、発電効率や耐候性、耐熱性は、色素に大きく依存することが知られている。
従来知られている色素として、例えば、下記式(6)で表される「N719」と呼ばれる色素や、下記式(7)で表される「ブラック・ダイ」と呼ばれる色素が、広く用いられている(例えば、非特許文献1及び2参照。)。
Figure 2005320429
Figure 2005320429
ただし、式(6)及び(7)中、TBAは、テトラブチルアンモニウムイオンを表す。
しかしこれらの色素は、量子収率には優れているが、太陽電池としての変換効率、耐候性、耐熱性等の面で十分ではなく、さらに優れた色素の開発が待たれている。
米国特許第4927721号明細書 国際公開第98/50393号パンフレット J.Am.Chem.Soc.,115,6382−6390(1993) J.Am.Chem.Soc.,123,1613−1624(2001)
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、色素増感太陽電池に使用した場合に、高い変換効率を示す新規な色素及び該色素を使用した色素増感太陽電池を提供することにある。
本発明によると、本発明の上記課題は、第一に、下記式(1)で表される構造を含む色素によって達成される。
Figure 2005320429
式(1)において、Mは長周期律表上の8乃至10族の元素であり、Lは下記式(2)で表される配位子であり、Lは下記式(3)、(4)又は(5)で表される配位子であり、Zは単座配位子又は一価の原子団であり、nは2−mであり、e1は式(1)で表される構造の形式電荷であり、Lが下記式(3)で表される配位子であるときにはe1=2+e2−nであり、Lが下記式(4)で表される配位子であるときにはe1=2+e3−nであり、Lが下記式(5)で表される配位子であるときにはe1=2+e3−nである。
Figure 2005320429
式(2)において、A〜Aはそれぞれ独立にカルボキシル基、スルホン基若しくは基−PO又はこれらの塩から選ばれる基であり、R〜Rはそれぞれ独立に1価の有機基であり、m1〜m3はそれぞれ独立に0〜3の整数であり(ただし、m1〜m3はすべて同時に0となることはない。)、n1〜n3はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、mは0又は1である。ただし、m1+n1≦4であり、m2+n2≦3であり、m3+n3≦4である。
Figure 2005320429
式(3)において、XはNOH、O、S又はNRであり(ただし、Rは一価の有機基である。)、Bは水酸基、アルコキシル基又はOであり、Y及びYはそれぞれ一価の有機基であり、YとYは相互に結合し、員数4〜8の環を形成していてもよい。また、e2は式(2)で表される配位子の形式電荷であり、BがOであるときは−1であり、それ以外のときは0である。
Figure 2005320429
式(4)において、Bは水酸基、アルコキシル基又はOであり、Yは一価の有機基であり、e3は式(4)で表される配位子の形式電荷であり、BがOであるときは−1であり、それ以外のときは0である。
Figure 2005320429
式(5)において、Xは水酸基、アルコキシル基、SR’又はNR’であり(ただし、R’は水素原子、水酸基又は一価の有機基である。)、Bは水酸基、アルコキシル基又はOであり、Y及びYはそれぞれ一価の有機基であり、YとYは相互に結合し、員数4〜8の環を形成していてもよい。Yは水素原子又は一価の有機基であり、また、e4は式(5)で表される配位子の形式電荷であり、BがOであるときは−1であり、それ以外のときは0である。
本発明の上記課題は、第二に、上記の色素を使用した色素増感太陽電池によって達成される。
本発明によると、色素増感太陽電池に使用した場合に、高い変換効率を示す新規な色素が提供される。また、上記色素を使用した本発明の色素増感太陽電池は、変換効率が高く、耐候性及び耐熱性に優れる。
本発明の色素は、下記式(1)で表される。
Figure 2005320429
式(1)において、Mは長周期律表上の8乃至10族の元素であり、Lは下記式(2)で表される配位子であり、Lは下記式(3)、(4)又は(5)で表される配位子であり、Zは単座配位子又は一価の原子団であり、nは2−mであり、e1は式(1)で表される構造の形式電荷であり、Lが下記式(3)で表される配位子であるときにはe1=2+e2−nであり、Lが下記式(4)で表される配位子であるときにはe1=2+e3−nであり、Lが下記式(5)で表される配位子であるときにはe1=2+e3−nである。
Figure 2005320429
式(2)において、A〜Aはそれぞれ独立にカルボキシル基、スルホン基若しくは基−PO又はこれらの塩から選ばれる基であり、R〜Rはそれぞれ独立に1価の有機基であり、m1〜m3はそれぞれ独立に0〜3の整数であり(ただし、m1〜m3はすべて同時に0となることはない。)、n1〜n3はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、mは0又は1である。ただし、m1+n1≦4であり、m2+n2≦3であり、m3+n3≦4である。
Figure 2005320429
式(3)において、XはNOH、O、S又はNRであり(ただし、Rは一価の有機基である。)、Bは水酸基、アルコキシル基又はOであり、Y及びYはそれぞれ一価の有機基であり、YとYは相互に結合し、員数4〜8の環を形成していてもよい。また、e2は式(2)で表される配位子の形式電荷であり、BがOであるときは−1であり、それ以外のときは0である。
Figure 2005320429
式(4)において、Bは水酸基、アルコキシル基又はOであり、Yは一価の有機基であり、e3は式(4)で表される配位子の形式電荷であり、BがOであるときは−1であり、それ以外のときは0である。
Figure 2005320429
式(5)において、Xは水酸基、アルコキシル基、SR’又はNR’であり(ただし、R’は水素原子、水酸基又は一価の有機基である。)、Bは水酸基、アルコキシル基又はOであり、Y及びYはそれぞれ一価の有機基であり、YとYは相互に結合し、員数4〜8の環を形成していてもよい。Yは水素原子又は一価の有機基であり、また、e4は式(5)で表される配位子の形式電荷であり、BがOであるときは−1であり、それ以外のときは0である。
上記式(1)におけるMとしては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、白金等を挙げることができる。これらのうち、ルテニウムが好ましい。
上記式(2)におけるA、A及びAは、それぞれ独立にカルボキシル基、スルホン基若しくは基−PO又はこれらの塩であるが、これらのうち、カルボキシル基又はその塩であることが好ましい。
、A又はAが塩である場合、カウンターカチオンとしては、アンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等を挙げることができる。なお、上記式(1)で表される構造の形式電荷e1の計算に際しては、A、A又はAが塩である場合であっても上記式(2)で表される配位子の形式電荷は0として計算されるべきである。
上記式(2)におけるR、R及びRは一価の有機基であるが、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシル基であることができる。
上記式(2)で表される配位子の具体例としては、例えば下記式(8)又は(9)で表される配位子等を挙げることができる。
Figure 2005320429
上記式(3)において、XはNOH、O、S又はNR(ただし、Rは一価の有機基である。)である。ここで、Rとしては、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基等を挙げることができる。Xは、NOH、O又はSであることが好ましく、NOH又はOであることがさらに好ましい。
上記式(3)において、Bは水酸基、アルコキシル基又はOである。Bがアルコキシル基である場合、その炭素数は1〜4であることが好ましい。
上記式(3)において、Y及びYはそれぞれ一価の有機基であるが、その例としては例えば炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数1〜4の炭素数1〜4のアルキル基を有するジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は同じであっても異なっていてもよい。)、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数6〜12のアリール基、シアノ基及び炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基等を挙げることができる。上記Y及びYとは、相互に結合して員数4〜8の環構造を形成していてもよい。
上記式(3)で表される配位子の好ましい例としては、例えば、下記式(10)〜(23)で表される配位子を挙げることができる。
Figure 2005320429
上記式(4)において、Bは水酸基、アルコキシル基又はOである。Bがアルコキシル基である場合、その炭素数は1〜4であることが好ましい。Bとしては、水酸基又はOであることが好ましい。
上記式(4)におけるYは、一価の有機基であるが、その例としては例えば炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数1〜4の炭素数1〜4のアルキル基を有するジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は同じであっても異なっていてもよい。)、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数6〜12のアリール基、シアノ基及び炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基等を挙げることができる。
上記式(4)で表される配位子の具体例としては、例えば、下記式(24)〜(27)で表される配位子を挙げることができる。
Figure 2005320429
上記式(5)において、Xは水酸基、アルコキシル基、SR’又はNR’である。ここで、R’は水素原子、水酸基又は一価の有機基である。上記Xがアルコキシル基である場合には、その炭素数は好ましくは1〜4である。上記R’が一価の有機基である場合の例としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基を挙げることができる。
上記式(5)において、Bは水酸基、アルコキシル基又はOである。Bがアルコキシル基である場合、その炭素数は好ましくは1〜4である。
上記式(5)において、Y及びYはそれぞれ一価の有機基であるが、その例としては例えば炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数1〜4の炭素数1〜4のアルキル基を有するジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は同じであっても異なっていてもよい。)、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数6〜12のアリール基、シアノ基及び炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基等を挙げることができる。上記Y及びYとは、相互に結合して員数4〜8の環構造を形成していてもよい。ここで、上記Y及びYとが互いに結合して、ベンゼン環を形成しているのが好ましい。
上記式(5)で表される配位子の好ましい例としては、例えば、下記式(28)〜(30)で表される配位子を挙げることができる。
Figure 2005320429
上記式(1)の構造の形式電荷であるe1は、Lが下記式(3)で表される配位子であるときにはe1=2+e2−nであり、Lが下記式(4)で表される配位子であるときにはe1=2+e3−nであり、Lが下記式(5)で表される配位子であるときにはe1=2+e4−nであるが、好ましくは、−1、0又は+1である。
e1が−1である場合に、上記式(1)で表される構造を有する色素が電気的に中性を保つためのカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等を挙げることができる。
e1が+1である場合に、上記式(1)で表される構造を有する色素が電気的に中性を保つためのカウンターアニオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、PF イオン、BF イオン、CFSO イオン、CSO イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオン等を挙げることができる。
本発明の色素の具体例として、例えば下記式(31)〜(35)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2005320429
Figure 2005320429
Figure 2005320429
このような本発明の色素は、色素増感太陽電池に好適に使用することができる。
本発明の色素を使用した本発明の色素増感太陽電池は、少なくとも、陰極及びそれと対向する陽極並びに陰極と陽極との間に保持された電解質を有するものである。陰極は、透明導電性ガラス上に、本発明の色素を化学吸着した酸化物薄膜電極を有する。ここで、透明導電性ガラスとしては、例えば酸化スズ、インジウム−スズ酸化物(ITO)等を挙げることができる。
酸化物薄膜電極を構成する材料としては、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステン、酸化インジウム等を挙げることができる。これらのうち、酸化チタン。酸化ニオブ、酸化スズが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化物薄膜電極の形成方法は問わないが、例えば、酸化物薄膜電極となるべき酸化物の微粒子を形成し、これを適当な溶媒に懸濁させて透明導電性ガラス上に塗布し、溶媒を除去した後に、加熱する方法によることができる。
酸化物薄膜電極に本発明の色素を吸着させるには、適宜の方法を採用することができるが、例えば、上記の如くして得た表面に酸化物薄膜電極を有する透明導電性ガラスを、本発明の色素を含有する溶液に浸漬して行うことができる。ここで使用できる溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、アセトニトリル、エタノール等を挙げることができる。色素溶液の濃度としては、0.1〜10mmol/Lとすることが好ましい。浸漬時間としては、0.5〜100時間が好ましく、2〜50時間が更に好ましい。浸漬の際の温度としては、0〜100℃であることが好ましく、10〜50℃であることがより好ましい。
上記陽極は、導電性を有している限り特に制限はないが、例えば、透明導電性ガラス上に微量の白金又は導電性カーボンを付着させたものを好適に用いることができる。
上記電解質としては、例えばレドックス系を含有する溶液若しくは固体又はイオン性液体を使用することができる。その具体例としては、例えば、レドックス系としてヨウ素の下記反応

+2e=3I+I

を利用する系を含有し、溶媒として例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等を含有する電解質溶液を使用することができる。
上記したような本発明の色素増感太陽電池は、高い変換効率を示すものである。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
色素の合成
0.3gの二塩化(p−シメン)ルテニウム(II)二量体をN,N−ジメチルホルムアミド150mLに溶解した溶液に、0.234gの4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジンを添加した。窒素雰囲気下、60℃で4時間撹拌した後、0.097gのブタン−2,3−ジオン モノオキシム(前記式(11)で表される。)を添加し、4時間還流した。その後3.5gのチオシアン酸アンモニウムを添加し、更に4時間還流した。反応混合物を室温まで放冷後、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧にて除去し、550mL の脱イオン水を加え、希硝酸でpHを2.5に調整した。これを減圧にて濃縮し、沈殿物(粗生成物)を濾取した。得られた粗生成物につき、シリカゲルカラム及びSephadex LH−20カラム(市販品、Amersham Biosciences社製)によって精製することにより、0.12gの生成物を得た。生成物につき、H−NMR測定及び元素分析を行ったところ、前記式(31)で表される構造であると推定された。このものを色素「R1」とする。
色素増感太陽電池の製造
アセチルアセトン0.4mLとイオン交換水20mLの混合媒体中に、酸化チタン微粒子12g及び分散剤Triton X−100(市販品、アルドリッチ社製)0.2gを添加し、分散液を調製した。この分散液を、厚さ1mmの導電性ガラス基板(酸化スズ製、抵抗値=10Ω/cm)上に塗布し、空気中において500℃で1時間加熱し、表面に酸化チタン薄膜を有する導電性ガラス基板を得た。このガラス基板を、上記で合成した色素「R1」を濃度0.2mmol/Lで含有するエタノール溶液中に室温で24時間浸漬することにより、透明導電性ガラス上に本発明の色素を化学吸着した酸化物薄膜電極を有する陰極を製造した。
一方、別の導電性ガラス基板(厚さ1mm、酸化スズ製、抵抗値=10Ω/cm)上に白金を蒸着し、陽極を製造した。
更に、アセトニトリル中に0.1mol/Lのヨウ素及び0.5mol/Lのヨウ化リチウムを含有する電解質溶液を調製した。
上記陰極と陽極を対向させ、その間に上記電解質溶液を挟持する構造の色素増感太陽電池セルを製造した。
色素増感太陽電池の評価
上記の如く製造した色素増感太陽電池について、オプテル社製IPCE(Incident Photo to Current Conversion Efficiency)測定装置を用いて波長800nmにおける外部量子収率を測定した。結果は表1に示す。
実施例2
色素の合成
実施例1において、0.097gのブタン−2,3−ジオン モノオキシムの代わりに0.122gのシクロヘキサン−1,2−ジオン モノオキシム(前記式(22)で表される。)及び0.79gの(CH(CHNOHを用い、3.5gのイソチオシアン酸アンモニウムの代わりに8gの(CH(CHNSCNを用いたほかは実施例1と略同様にして、0.23gの生成物を得た。生成物につき、H−NMR測定を行ったところ、前記式(32)で表される構造であると推定された。このものを色素「R2」とする。
色素増感太陽電池の製造及び評価
実施例1において、色素「R1」の代わりに上記で合成した「R2」を使用した以外は実施例1と略同様にして色素増感太陽電池を製造し、評価した。結果は表1に示す。
実施例3
色素の合成
J.Am.Chem.Soc.,123,1613(2001)に記載の方法に準じて合成した三塩化(4,4’,4”−トリメトキシカルボニル−2,2’:6’,2”−ターピリジン)の0.45gをN,N−ジメチルホルムアミド100mLに溶解した溶液に、0.38gの3S,6S−ニオキシム(前記式(19)で表される。)を添加し、窒素雰囲気下、80℃で4時間撹拌した。次いでこれに、0.45gのチオシアン酸ナトリウムを8mLのイオン交換水に溶解した溶液を加え、8時間還流した。その後、15mLのトリエチルアミンを添加し、更に24時間還流を継続した。反応混合物を室温まで放冷した後、減圧にてN,N−ジメチルホルムアミドを除去した。残存物を0.1規定水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、10wt%のHPF水溶液を加えてpHを2.0に調整し、減圧にて濃縮した。回収した沈殿物につき、シリカゲルカラム及びSephadex LH−20カラム(市販品、Amersham Biosciences社製)によって精製することにより、0.16gの生成物を得た。生成物につき、H−NMR測定を行ったところ、前記式(33)で表される構造であると推定された。このものを色素「R3」とする。
色素増感太陽電池の製造及び評価
実施例1において、色素「R1」の代わりに上記で合成した「R3」を使用した以外は実施例1と略同様にして色素増感太陽電池を製造し、評価した。結果は表1に示す。
実施例4
色素の合成
J.Am.Chem.Soc.,123,1613(2001)に記載の方法に準じて合成した三塩化(4,4’,4”−トリメトキシカルボニル−2,2’:6’,2”−ターピリジン)の0.45gをメタノール150mLに溶解した溶液に、0.32gの1,1,1−トリフルオロブタン−2,3−ジオン−2−オキシム(前記式(14)で表される。)及び0.75mLのトリエチルアミンを添加し、窒素雰囲気下、8時間還流した。室温まで放冷後、減圧下でメタノールを除去し、N,N−ジメチルホルムアミド50mL及び0.45gのチオシアン酸ナトリウムを8mLのイオン交換水に溶解した溶液を添加し、8時間還流した。その後、15mLのトリエチルアミンを添加し、更に24時間還流を継続した。室温まで放冷後、減圧にてN,N−ジメチルホルムアミドを除去した。残存物を0.1規定水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、0.1mol/Lの硝酸水溶液を加えてpHを2.0に調整し、減圧にて濃縮した。回収した沈殿物につき、シリカゲルカラム及びSephadex LH−20カラム(市販品、Amersham Biosciences社製)によって精製することにより、0.13gの生成物を得た。生成物につき、H−NMR測定を行ったところ、前記式(34)で表される構造であると推定された。このものを色素「R4」とする。
色素増感太陽電池の製造及び評価
実施例1において、色素「R1」の代わりに上記で合成した「R4」を使用した以外は実施例1と略同様にして色素増感太陽電池を製造し、評価した。結果は表1に示す。
実施例5
実施例4において、0.32gの1,1,1−トリフルオロブタン−2,3−ジオン−2−オキシムの代わりに、0.17gの2−ヒドロキシイミノプロピオニトリル(前記式(24)で表される。)を使用した以外は、実施例4と略同様にして実施し、0.11gの生成物を得た。生成物につき、H−NMR測定を行ったところ、前記式(35)で表される構造であると推定された。このものを色素「R5」とする。
色素増感太陽電池の製造及び評価
実施例1において、色素「R1」の代わりに上記で合成した「R5」を使用した以外は実施例1と略同様にして色素増感太陽電池を製造し、評価した。結果は表1に示す。
比較例1
色素増感太陽電池の製造、評価
実施例1の「色素増感太陽電池の製造」において、色素「R1」の代わりに市販の色素「N3」(Solaronix(株)製、前記式(6)で表される構造において、テトラブチルアンモニウムイオンを二つとも水素イオンで置換した構造を有する色素である。)を使用した他は、実施例1と略同様にして、色素増感太陽電池を製造し、実施例1の「色素増感太陽電池の評価」と同様にして評価した。結果を表1に示す。
Figure 2005320429
上記実施例1〜4及び比較例1の結果によると、本発明の色素を使用した本発明の色素増感太陽電池(実施例1〜4の太陽電池)は、従来知られている色素を使用したもの(比較例1)に比較して、長波長領域における外部量子収率(IPCE)が高いものであることがわかった。

Claims (4)

  1. 下記式(1)で表される構造を含む色素。
    Figure 2005320429
    式(1)において、Mは長周期律表上の8乃至10族の元素であり、Lは下記式(2)で表される配位子であり、Lは下記式(3)、(4)又は(5)で表される配位子であり、Zは単座配位子又は一価の原子団であり、nは2−mであり、e1は式(1)で表される構造の形式電荷であり、Lが下記式(3)で表される配位子であるときにはe1=2+e2−nであり、Lが下記式(4)で表される配位子であるときにはe1=2+e3−nであり、Lが下記式(5)で表される配位子であるときにはe1=2+e4−nである。
    Figure 2005320429
    式(2)において、A〜Aはそれぞれ独立にカルボキシル基、スルホン基若しくは基−PO又はこれらの塩から選ばれる基であり、R〜Rはそれぞれ独立に1価の有機基であり、m1〜m3はそれぞれ独立に0〜3の整数であり(ただし、m1〜m3はすべて同時に0となることはない。)、n1〜n3はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、mは0又は1である。ただし、m1+n1≦4であり、m2+n2≦3であり、m3+n3≦4である。
    Figure 2005320429
    式(3)において、XはNOH、O、S又はNRであり(ただし、Rは一価の有機基である。)、Bは水酸基、アルコキシル基又はOであり、Y及びYはそれぞれ一価の有機基であり、YとYは相互に結合し、員数4〜8の環を形成していてもよい。また、e2は式(3)で表される配位子の形式電荷であり、BがOであるときは−1であり、それ以外のときは0である。
    Figure 2005320429
    式(4)において、Bは水酸基、アルコキシル基又はOであり、Yは一価の有機基であり、e3は式(4)で表される配位子の形式電荷であり、BがOであるときは−1であり、それ以外のときは0である。
    Figure 2005320429
    式(5)において、Xは水酸基、アルコキシル基、SR’又はNR’であり(ただし、R’は水素原子、水酸基又は一価の有機基である。)、Bは水酸基、アルコキシル基又はOであり、Y及びYはそれぞれ一価の有機基であり、YとYは相互に結合し、員数4〜8の環を形成していてもよい。Yは水素原子又は一価の有機基であり、また、e4は式(5)で表される配位子の形式電荷であり、BがOであるときは−1であり、それ以外のときは0である。
  2. Mがルテニウムである、請求項1に記載の色素。
  3. 色素増感太陽電池用である、請求項1又は2に記載の色素。
  4. 請求項4に記載の色素を使用した色素増感太陽電池。
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