以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図12を参照して説明する。図1は本実施の形態の内視鏡装置1のシステム全体の概略構成を示すものである。この内視鏡装置1には、内視鏡本体2と、CCU(カメラ・コントロール・ユニット)3と、光源装置4と、電源5と、モニタ6などからなる複数の構成要素が設けられている。これらの内視鏡装置1の複数の構成要素は1つのキャリングケース(収納ケース)7に収納されている。このキャリングケース7には上面が開口されたケース本体7aと、このケース本体7aの上面開口部を開閉可能に閉塞するふた7bとが設けられている。
また、内視鏡本体2には図2に示すように管腔内に挿入される長尺な挿入部8が設けられている。この挿入部8には可撓性を備えた長尺な可撓管部9と、この可撓管部9の先端部に連結された湾曲部10と、最先端部に配設された先端構成部11とが設けられている。さらに、キャリングケース7内には内視鏡本体2の挿入部8が巻装可能な円筒状のドラム12が配設されている。ここで、内視鏡本体2の挿入部8は、ドラム12に巻かれた状態でキャリングケース7内に収納されている。そして、必要に応じて内視鏡本体2の挿入部8をドラム12およびキャリングケース7内から引き出して使用するようになっている。
また、本実施の形態の内視鏡本体2の湾曲部10は次の通り構成されている。すなわち、湾曲部10の本体は図3(B)に示すように例えば、材質が柔軟なシリコンである断面形状が円形状のマルチルーメンチューブ13によって形成されている。このマルチルーメンチューブ13には円形断面の中央位置に中央ルーメン13aが軸心方向に沿って延設されている。そして、この中央ルーメン13aの内部には後述するケーブル等の内蔵物が挿通されるようになっている。
さらに、この中央ルーメン13aの周囲の管壁には複数、本実施の形態では4つの円弧形状断面のルーメン13b,13c,13d,13eが周方向に略等間隔に配設されている。また、4つの円弧状断面のルーメン13b,13c,13d,13eの前後の両端部はそれぞれ図3(E)、3(F)に示すように例えばシリコンの充填剤14で封止されている。これにより、4つの円弧状断面のルーメン13b,13c,13d,13eの内部には密閉された圧力室15がそれぞれ形成されている。
さらに、4つの円弧状ルーメン13b,13c,13d,13eの手元側の充填剤14内には図3(F)に示すようにシリコン製の接続用チューブ16がそれぞれ貫挿されている。ここで、各接続用チューブ16の内端部は4つの円弧状ルーメン13b,13c,13d,13eの各圧力室15にそれぞれ連通されている。
また、各接続用チューブ16の外端部には各圧力室15内に空気を供給し、また各圧力室15内から排気するための例えば、テフロン(登録商標)製の流体供給チューブ17の先端部がそれぞれ連結されている。ここで、流体供給チューブ17の接続方法は、図3(C)に示すように接続用チューブ16に流体供給チューブ17の先端部側を差し込み、その後、接続用チューブ16の外側から糸18で縛り付けるようになっている。
これは、マルチルーメンチューブ13がシリコンであり、流体供給チューブ17がテフロン(登録商標)であることから、この2つは接着性が悪く、接着できた場合でも強度が弱いためである。なお、マルチルーメンチューブ13がシリコン、接続用チューブ16がシリコンとすれば同じシリコンであり、シリコンの接着剤を用いれば接続強度は強い。そして、シリコン製の接続用チューブ16とテフロン(登録商標)製の流体供給チューブ17との間は、空気が漏れないように外側から容易に糸18で縛りつけることができる。
これにより、マルチルーメンチューブ13の4つの円弧状ルーメン13b,13c,13d,13eの各圧力室15に選択的に空気を送ることで湾曲部10に湾曲動作を行わせる流体圧アクチュエータ19が構成されている。なお,本実施の形態では4つの円弧状ルーメン13b,13c,13d,13eの各圧力室15が4つの湾曲方向、すなわち左右方向および上下方向のいずれかにそれぞれ対応させるように設定されている。
また、マルチルーメンチューブ13の先端側の端部には、前口金20Aが、さらに手元側の端部には、後ろ口金20Bがそれぞれ接着等により接続されている。ここで、後ろ口金20Bの先端部側には、4つの円弧状ルーメン13b,13c,13d,13eの各接続用チューブ16とそれぞれ対応する位置に4個所のスリット20a〜20dが形成されている。
なお、4つの円弧状ルーメン13b,13c,13d,13eの各接続用チューブ16には後ろ口金20Bの各スリット20a〜20dとそれぞれ係合する係合凸部が形成されている。そして、各接続用チューブ16の係合凸部が後ろ口金20Bの各スリット20a〜20dとそれぞれ係合されるようになっている。
また、マルチルーメンチューブ13の中央ルーメン13aには、例えばステンレスでできている内側密着コイル21が挿入配置されている。そして、4つの円弧状ルーメン13b,13c,13d,13eの各圧力室15に空気を送り込んだときにマルチルーメンチューブ13が内側に膨らむことをこの内側密着コイル21によって押さえるようにしている。
なお、内側密着コイル21がない状態では、4つの円弧状ルーメン13b,13c,13d,13eの各圧力室15に空気を送り込んだ際にマルチルーメンチューブ13が内側に膨らむようになっている。そのため、この状態ではマルチルーメンチューブ13の内側に膨らむ部分がこのマルチルーメンチューブ13の中央ルーメン13aの内蔵物に接触して、内蔵物の形状に応じた形状に変形するので、4つの円弧状ルーメン13b,13c,13d,13eの各圧力室15が均一でない膨張をすることになり、耐久性を落とす問題がある。
また、内側密着コイル21の素線の断面形状は、円、楕円、平板形状が考えられる。この内側密着コイル21の素線の断面形状は、湾曲部10のアクチュエータのサイズが細くなったときに大きく影響するものである。例えば、湾曲部10のアクチュエータのサイズが細い場合は、素線の断面形状は平板形状が有効である。なお、素線の断面形状が平板形状の密着コイル21は、同じ肉厚(コイル外径とコイル内径との差)の他の断面形状のコイルと比べて、こしが有り、マルチルーメンチューブ13の膨らみに対して、コイルを変形させにくい利点がある。そのため、組立てを行う場合においても素線の断面形状が平板形状の密着コイル21は、こしが有るためにマルチルーメンチューブ13の中央ルーメン13a内に挿通しやすい。
また、マルチルーメンチューブ13の外周面には図4に示すように外皮チューブ22が被されている。この外皮チューブ22は、例えば、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ポリビニル等のようにガソリンや、軽油等に対する耐油性の高い材料でできている。そして、この外皮チューブ22の両端部分はそれぞれマルチルーメンチューブ13の前口金20Aと後ろ口金20Bの位置で糸23により糸縛りして、この糸23の外側を接着固定するようにしている。
なお、外皮チューブ22を耐油性の高い材料とするのは、本実施の形態の内視鏡システムは医療用のみではなく工業用での用途も考えられる。そして、工業用での用途ではエンジンや、様々な配管内の検査が考えられる。ここで、マルチルーメンチューブ13をシリコンとした場合には、ガソリンや、軽油に対して、接触することで湾曲性能に影響がある可能性があり、耐油性の高い材料の外皮チューブ22で覆うことでこのような課題に対処するものである。
また、マルチルーメンチューブ13をはじめから耐油性の高いニトリルゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム等で製造すれば、外皮チューブ22は格別に設けなくてもよい。
さらに、外皮チューブ22の外側には図3(D)に示すように外側密着コイル24が配設されている。この外側密着コイル24の両端は接着等で動かないように支持されている。なお、外側密着コイル24の素線の断面形状は、内側密着コイル21と同じように円形、楕円、平板等が考えられる。また、この外側密着コイル24の外側には、さらにステンレスワイヤ等で筒状に編み込んだ保護部材25を被せる構成になっている。外側密着コイル24は、マルチルーメンチューブ13が外側に膨張して、外皮チューブ22とともに膨らむことを抑えるものである。また、保護部材251は、配管内の検査において、湾曲部がこすれて破れることを防止するものである。
また、湾曲部10の先端の先端構成部11には、図5に示すようにCCD(撮像手段)からなる視覚機能を備えた観察光学系26と、照明機能を備えた照明光学系27とが設けられている。ここで、照明光学系27の照明機能はライトガイドケーブル29によって形成されている。そして、観察光学系26のCCDの信号線28と、照明光学系27のライトガイドケーブル29は湾曲部10におけるマルチルーメンチューブ13の中央ルーメン13a内を通り、流体供給チューブ17とともに可撓管部9の内部に挿通されている。
また、可撓管部9の手元側端部は図7に示すようにドラム12に接続されている。さらに、可撓管部9の内部を通ったCCDの信号線28と、ライトガイドケーブル29と、4本の流体供給チューブ17とは図8に示すようにドラム12の内部に入っている。ここで、CCDの信号線28とライトガイドケーブル29は、ドラム12の横からさらにドラム12の外側に延出され、ドラム12の回転軸12aに複数回、巻き付けられた状態で保持されている。そして、内視鏡本体2を引き出して収納する際に、信号線28や、ライトガイドケーブル29にテンションがかからないようにしている。さらに、CCDの信号線28の基端部はCCU3に接続され、ライトガイドケーブル29の基端部は光源装置4に接続されている。
また、図8に示すようにドラム12の内部には後述する電磁弁ユニット(流体供給量制御装置)30およびこの電磁弁ユニット30を制御コントロールする電磁弁制御コントローラ93がそれぞれ配設されている。ここで、電磁弁ユニット30には4本の流体供給チューブ17の基端部が連結されている。
さらに、電磁弁ユニット30には流体を供給する空気圧供給源側の流体チューブ32の一端部が連結されている。この流体チューブ32はドラム12の横からドラム12の外側に延出され、この流体チューブ32の延出部には螺旋形状に巻回された巻回部33が形成されている。
また、キャリングケース7の一側部には図1に示すように空気圧供給源であるボンベ(流体圧供給源)34の収容室35が形成されている。そして、この収容室35内に配設された小型のボンベ34には流体チューブ32の他端部が連結されている。なお、ボンベ34内に充填されているガスとしては、例えば二酸化炭素、フロン、窒素、ヘリウム、アルゴン、空気等の可燃性のないガスが使われている。さらに、ボンベ34としては、充填圧力が高く、充填ガス量が多いものがよい。例えば、二酸化炭素と窒素を比べると充填ガス量は二酸化炭素が多いが、充填圧力は窒素のほうが高い。
また、ドラム12の内部の電磁弁制御コントローラ93には信号線36の一端部が接続されている。この信号線36は、ドラム12の横からさらにドラム12の外側に延出され、CCDの信号線28や、ライトガイドケーブル29と同様にドラム12の回転軸12aに複数回、巻き付けられた状態で保持されている。これにより、内視鏡本体2を引き出して収納する際に、この信号線36にテンションがかからないようにしている。さらに、この信号線36の他端部は電源5と、内視鏡本体2の湾曲部10を湾曲操作するジョイスティック(操作部)37とにそれぞれ接続されている。
なお、ジョイスティック37には図9(C)に示すようにベース部材37aと、操作レバー37bとが設けられている。この操作レバー37bはベース部材37a上の回動支軸37cを中心に0点位置(ニュートラル位置)から任意の方向に傾動操作可能に支持されている。さらに、ジョイスティック37には図示しない2軸のポテンショメータが設けられており、操作レバー37bの0点位置からの傾き角θに応じてポテンショメータからの抵抗値が変化するようになっている。
また、図9(A)に示すように、電磁弁ユニット30にはUP、DOWN、RIGHT、LEFTの4つの湾曲方向にそれぞれ対応させた4つの流体供給チューブ17の流路をそれぞれ切換える4つの流路切換え機構部38A〜38Dと、チューブ継ぎ手39とが設けられている。ここで、各流路切換え機構部38A〜38Dには3個の電磁弁(3ポート弁)38a,38b,38cがそれぞれ設けられている。したがって、電磁弁ユニット30には合計12個の電磁弁38が設けられている。そして、流路切換え機構部38AによってUP方向、流路切換え機構部38BによってDOWN方向、流路切換え機構部38CによってRIGHT方向、流路切換え機構部38DによってLEFT方向の各流路をそれぞれ切換えるようになっている。
さらに、各電磁弁38は3つの空気口(ポート)A,E,Pを備えた3ポート弁である。ここで、各電磁弁38は電圧をかけると空気口Pと空気口Aとが連通(開放)され、電圧がかけられていないときは空気口Aと空気口Eとが連通(開放)されるようになっている。そして、4つの湾曲方向の各流体供給チューブ17に対して3つの電磁弁38a,38b,38cが図9(A)に示す通り接続されている。
すなわち、1つの湾曲方向、例えばUP方向の流体供給チューブ17の流路切換え機構部38Aには2つの電磁弁38a,38bが直列に接続されている。ここで、流体供給チューブ17の流出端部には電磁弁38bの空気口Pが接続され、さらにこの電磁弁38bの空気口Aに電磁弁38aの空気口Aが接続されている。また、電磁弁38aの空気口Eには電磁弁38cの空気口Pが接続され、さらに電磁弁38aの空気口Pには連結チューブ40の一端部が連結されている。
なお、他の3つの湾曲方向、すなわちDOWN、RIGHT、LEFTの各方向の流体供給チューブ17の流路切換え機構部38B、38C、38Dでも3つの電磁弁38a,38b,38cがそれぞれ同様に接続されている。
また、チューブ継ぎ手39には1つの流入ポート39aと、4つの流出ポート39b〜39eとが設けられている。そして、このチューブ継ぎ手39の流入ポート39aにはボンベ34側の流体チューブ32が連結され、4つの流出ポート39b〜39eには4つの湾曲方向の各流体供給チューブ17に連結された連結チューブ40の他端部がそれぞれ連結されている。ここで、流体チューブ32の中途部にはレギュレータ41が介設されている。そして、チューブ継ぎ手39はレギュレータ41を介してボンベ34に接続されている。これにより、ボンベ34の空気をレギュレータ41で適当な圧力に調整して電磁弁ユニット30側に供給するようになっている。
また、電磁弁制御コントローラ31には図9(B)に示すように電気回路基板31aと、この基板31a上に配設されたCPU31bと、入力端子31cと、出力端子31dとが設けられている。ここで、入力端子31cにはジョイスティック37の信号線36が、また、出力端子31dには電磁弁ユニット30の各電磁弁38の信号線42がそれぞれ接続されている。
そして、ジョイスティック37の操作時には、このジョイスティック37からの出力信号が電磁弁制御コントローラ31に入力され、この入力信号に基いて電磁弁制御コントローラ31のCPU31bによって電磁弁ユニット30の各電磁弁38の動作が制御されるようになっている。これにより、キャリングケース7のボンベ34からの空気を湾曲部10の流体圧アクチュエータ19に供給し、マルチルーメンチューブ13の4つの円弧状ルーメン13b,13c,13d,13eの各圧力室15に選択的に空気を送ることで、湾曲部10をジョイスティック37の操作方向に湾曲操作させるようになっている。
さらに、電磁弁制御コントローラ31には2つの電源43,44が接続されている。ここで、2つの電源43,44は、電磁弁制御コントローラ31の心臓部であるCPU31bを駆動する電圧と、電磁弁ユニット30の各電磁弁38を駆動する電圧が異なるために必要である。そして、図10に示すようにAC電源45から電源43を介してDC駆動電源を得て、電磁弁制御コントローラ31のCPU31bを駆動するとともに、AC電源45から電源44を介してDC駆動電源を得ることにより、電磁弁ユニット30の各電磁弁38を駆動するようになっている。なお、CPU31bの動作電圧と電磁弁ユニット30の各電磁弁38を駆動する電圧を共通にすることで電源を1つとすることも可能である。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の内視鏡装置1を配管等の検査に使用する場合にはキャリングケース7内のドラム12から内視鏡本体2を引き出して使用される。そして、配管等の検査対象の管腔内に内視鏡本体2の挿入部8を挿入しながら必要に応じてジョイスティック37を操作する。このジョイスティック37の操作時にはこのジョイスティック37からの出力信号が電磁弁制御コントローラ31に入力され、この入力信号に基いて電磁弁制御コントローラ31のCPU31bによって電磁弁ユニット30の各電磁弁38の動作が制御される。これにより、キャリングケース7のボンベ34からの空気が湾曲部10の流体圧アクチュエータ19に供給され、マルチルーメンチューブ13の4つの円弧状ルーメン13b,13c,13d,13eのいずれかの圧力室15に選択的に空気が送られる。
そして、ここで空気が送られた圧力室15内の圧力が高くなる。このとき、圧力が高くなる圧力室15の周壁部は径方向に膨張しようとするが、マルチルーメンチューブ13の内外の密着コイル21、24によって径方向の膨張が規制されている。そのため、ここで加圧される圧力室15は長手方向(挿入部8の中心線方向)に沿って伸びるので、ここで伸びる圧力室15と反対の方向に湾曲部10が湾曲駆動される。これにより、ジョイスティック37の操作方向に湾曲部10が湾曲操作される。
また、ジョイスティック37の操作時には次の動作が行われる。すなわち、ジョイスティック37を傾動操作するとこのジョイスティック37の傾き角が変わる。このときのジョイスティック37の傾き角に応じてジョイスティック37の2軸のポテンショメータの抵抗値が変化する。この抵抗値の変化量と変化スピードとが電磁弁制御コントローラ31のCPU31bによって検出される。そして、ここで検出される抵抗値の変化量と変化スピードに応じて、CPU31bから図示しないスイッチ回路に対して動作信号が送られ、電磁弁ユニット30の各電磁弁38がON−OFF動作される。
つまり、ジョイスティック37を傾けるとその傾ける角度に応じて電磁弁38をONする回数が決まり、さらにジョイスティック37の傾けるスピードに応じて、ONする時間が決定する。ここで、ジョイスティック37を傾ける速度にはあらかじめ、しきい値が設定可能である。そして、設定されたジョイスティック37のスピードに応じて電磁弁38を開放する時間が決定される。
また、図11(A)〜(D)を参照して、ジョイスティック37の基本動作を説明する。なお、図11(A)〜(D)中で、J1〜J4はジョイスティック37の操作状態、a1〜a4は電磁弁38aの動作状態、b1〜b4は電磁弁38bの動作状態、c1〜c4は電磁弁38cの動作状態をそれぞれ示すものである。
まず、ジョイスティック37の傾きを増加させる場合の動作について説明する。図11(A)のJ1は、あらかじめ設定されたジョイスティック37の動作速度のしきい値Vsuよりも遅い速度でジョイスティック37を例えばUP方向にO点位置(ニュートラル位置)からA1位置に傾けた操作状態を示す。このとき、図9(A)中におけるUP方向に対応する電磁弁38a,38b,38cはそれぞれ図11(A)中のa1、b1、c1に示すようにON、OFF動作を行う。そして、ジョイスティック37の傾き角に応じて、電磁弁38a,38bはあらかじめ設定されたパルス幅Δt11でジョイスティック37の動きが止まるt1時点まで同じ動作を行う。
また、ジョイスティック37の傾動操作時には、あらかじめ決められたジョイスティック37の傾き角度の変化量に応じて電磁弁38a,38bの動作信号を1パルス出力する。ここでは図11(A)に示すようにジョイスティック37の傾き角度がθ1変わる毎に1パルスの出力を行う。そして、図11(A)の例ではジョイスティック37が4θ1より大きく傾き、電磁弁38a,38bの動作信号が4パルス出力される。
その後、電磁弁38aはOFFとなり、電磁弁38bはt1時点でジョイスティック37の傾動操作が止まったのち、パルス幅Δt12で1パルスだけONする。なお、電磁弁38cはジョイスティック37の傾動操作が止まるt1時点までは、OFFであり、その後、パルス幅Δt13の動作信号を出力する。
また、図11(B)のJ2は、あらかじめ設定されたジョイスティック37の動作速度のしきい値Vsuよりも早い速度でジョイスティック37を例えばUP方向にO点位置からA2位置に傾けた操作状態を示す。このとき、図9(A)中におけるUP方向に対応する電磁弁38a,38b,38cはそれぞれ図11(B)のa2、b2、c2に示すようにON、OFF動作を行う。
ここで、電磁弁38a,38bは、図11(A)のようにジョイスティック37を傾ける動作速度が遅い場合のパルス幅Δt11より幅の広いパルス幅Δt21でジョイスティック37の傾動操作が止まるt2時点まで同じ動作を行う。
また、電磁弁38aはその後、OFFとなり、電磁弁38bはジョイスティック37の傾動操作が止まると図11(A)のパルス幅Δt12と同じ、もしくはそれよりも広いパルス幅Δt22で1パルスだけONする。なお、電磁弁38cは図11(A)と同じ動作である。
次に、ジョイスティック37が傾いた状態から傾きを戻した場合の動作について説明する。図11(C)のJ3は、あらかじめ設定されたジョイスティック37の戻し動作速度のしきい値Vsdよりも遅い速度で例えばUP方向の湾曲位置A3から湾曲を減らすようにA3′位置に傾けた状態を示す。このとき、図9(A)中におけるUP方向に対応する電磁弁38a,38b,38cはそれぞれ図11(C)中のa3、b3、c3に示すようにON、OFF動作を行う。
そして、あらかじめ決められたジョイスティック37の傾き角度の変化量に応じて電磁弁38bの動作信号を1パルス出力する。ここでは図11(C)に示すようにジョイスティック37の傾き角度がθ2変わる毎に1パルスの出力を行う。そして、電磁弁38bはあらかじめ設定されたパルス幅Δt31でジョイスティック37の傾動操作が止まるt3時点まで同じ動作を行う。また、電磁弁38aはジョイスティック37の傾動動作が止まるT3時点までOFFで、ジョイスティック37が止まるt3時点で、電磁弁38a,38bはパルス幅Δt32で1パルスだけONする。なお、電磁弁38cはジョイスティック37が動いてから止まるまではONで、その後OFFとなる。
また、図11(D)のJ4は、あらかじめ設定されたジョイスティック37の戻し動作速度のしきい値Vsdよりも早い速度で例えばUP方向の湾曲位置A4から湾曲を減らすようにA4′位置に傾けた状態を示す。このとき、図9(A)中におけるUP方向に対応する電磁弁38a,38b,38cはそれぞれ図11(D)中のa4、b4、c4に示すようにON、OFF動作を行う。
そして、電磁弁38bは図11(C)のパルス幅Δt31より広いパルス幅Δt41でジョイスティック37の傾動操作が止まるt4時点まで同じ動作を行う。また、電磁弁38aはジョイスティック37の傾動動作が止まるt4時点までOFFで、ジョイスティック37が止まるt4時点で、電磁弁38a,38bは図11(C)のパルス幅Δt32と同じ、もしくはこれより広いパルス幅Δt42で1パルスだけONする。なお、電磁弁38cはジョイスティック37が動いてから止まるまではONで、その後OFFとなる。
また、図11(A)〜(D)において、ジョイスティック37の傾きを大きくした場合と小さくした場合とで電磁弁38a,38bを動作するパルス幅を比べるとΔt11>Δt31、Δt21>Δt41である。
その結果、湾曲部10の湾曲量を増す動作では、図9(A)に示すようにボンベ34からの圧縮空気が、電磁弁38a,38bのONのとき、電磁弁38aの空気口Pから空気口Aを通り、電磁弁38bの空気口Aから空気口Pを通って、UP方向の円弧状ルーメン13bの圧力室15に空気が送られる。
また、電磁弁38a,38bがOFFするとボンベ34からの空気は電磁弁38aで止まり、円弧状ルーメン13bの圧力室15に送られた空気は圧力室15内と流体供給チューブ17の内部で密閉されて、湾曲部10の湾曲状態が保持される。この時、電磁弁38aと38bとは同じ信号で同期して動作しているが、電磁弁38aと38bの間の管路の長さがあり、円弧状ルーメン13bの圧力室15および流体供給チューブ17の内部の空気が電磁弁38aの空気口Eから微妙に漏れてくる。これは、湾曲部10の湾曲動作には支障がない程度であるが、ボンベ34の空気を効率よく、長時間持たせるために少しでも空気が漏れないようにすることが重要である。
そこで、本実施の形態では電磁弁38aの空気口Eに電磁弁38cを図9(A)に示すように接続している。ここで、電磁弁38cは通常OFFになっている。そして、ジョイスティック11の傾動動作が止まった瞬間に電磁弁38bのON時間Δt12よりも長いΔt13の時間だけ電磁弁38cをONすることで、湾曲動作中の円弧状ルーメン13bの圧力室15と流体供給チューブ17からの空気の漏れを無くすようにしている。
さらに、ジョイスティック37の傾動動作が止まって、湾曲部10の湾曲動作を止めようとする場合には、1パルスだけ電磁弁を大気圧に開放することにより、すばやく湾曲部10の湾曲を止めることができる。このように湾曲部10の湾曲を止めようとするとき、1パルスだけ空気を抜く動作は、内視鏡本体2の挿入部8の長さが長いときに有効である。ここで、挿入部8の長さが、例えば10m以上になる場合には手元側のボンベ34から送る空気が挿入部8の先端の圧力室15に送られるまでのタイムラグが有り、このタイムラグを予測して一瞬、流路内の空気を抜くことで湾曲部10の湾曲動作を正確に止めることが可能である。すなわち、挿入部8の先端まで空気が送られて全体が均一の圧力状態になるまでのタイムラグと、内部の圧力を抜くことにより圧力が下がる分のタイムラグとが相殺されて湾曲部10の湾曲動作がすばやく正確に止まるようになる。
また、湾曲動作を行っていない方向の流体供給チューブ17に対応する電磁弁38は、マルチルーメンチューブ13の圧力室15が流体供給チューブ17を通して大気に開放される状態に保持される。例えば、UP方向に湾曲動作している場合には、DOWN方向、RIGHT方向、LEFT方向の各圧力室15内が流体供給チューブ17を介して大気に開放されるように各電磁弁38が動作する。
つまり、流体供給チューブ17の圧力室15側に接続されている電磁弁38bがON、ボンベ側に接続されている電磁弁38aがOFF、もう1つの電磁弁38cがONとなる。この動作はジョイスティック37が湾曲動作を指示していない方向の各電磁弁38は常に上記の通りになっている。また、ジョイスティック37の傾きが各方向それぞれ0点位置(ニュートラル位置)となった時点から一定時間、上記の動作が行われる。
以上の動作において、ジョイスティック37の操作する方向により、内視鏡本体2の湾曲部10の湾曲方向がわかる。さらに、ジョイスティック37を最大に傾けたときの湾曲角度を内視鏡本体2の湾曲部10の最大湾曲角に相当するようにあらかじめ設定する。これにより、ジョイスティック37の傾いている角度に応じて内視鏡本体2の湾曲部10の湾曲角度を推測できる。したがって、ジョイスティック37の傾ける角度と、その操作方向を確認することにより、内視鏡本体2の湾曲部10がどの方向にどれだけの湾曲角度で湾曲している状態であるのかがおおよそ分かる。
次に、ジョイスティック37の傾動操作時に操作速度などの動作状態を変えながら操作した場合の湾曲部10の湾曲動作について説明する。図12のJ5はジョイスティック37を0点位置(ニュートラル位置)からB1位置、B2位置、B3位置の順に順次移動させる場合の動作状態を示すものである。ここで、0点位置とB1位置との間ではしきい値Vsuよりも速い。また、B1位置とB2位置との間ではしきい値Vsuより遅い。さらに、B2位置とB3位置との間では一定である。なお、図12中で、a5、b5、c5は、図9(A)中におけるUP方向に対応する電磁弁38a,38b,38cのON、OFF動作状態を示す。
そして、0点位置とB1位置との間ではしきい値Vsuよりも速い速度でジョイスティック37が動作しているので、パルス幅の広いモードで電磁弁38a,38bが動作される。続いて、B1位置とB2位置との間ではパルス幅の狭いモードで電磁弁38a,38bが動作される。
その後、ジョイスティック37はB2位置で止まり、電磁弁38bが1パルス出力され、電磁弁38cは一定時間ONする。その結果、0点位置とB1位置との間では内視鏡本体2の湾曲部10の湾曲スピードは速い動作となり、B1位置とB2位置との間では内視鏡本体2の湾曲部10の湾曲が遅い状態となる。
つまり、ジョイスティック37をゆっくり操作することで内視鏡本体2の湾曲部10の湾曲スピードも遅くして、湾曲部10の湾曲を微調整したり、或いはジョイスティック37を速い速度で操作することで湾曲部10の湾曲スピードも早く動作させる、などのように、操作者により湾曲部10の湾曲動作状態を任意に選択できる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では内視鏡本体2の湾曲部10の流体圧アクチュエータ19に流体を供給する空気圧源を小型ボンベ34とすることで、内視鏡本体2の挿入部8が巻装されたドラム12や、湾曲部10の湾曲動作を操作するジョイスティック37とともに、このボンベ34をキャリングケース7内に収納できるようにしたものである。そのため、従来に比べて内視鏡装置1のシステム全体の構成を小型化することができ、携帯性に優れた内視鏡装置1のシステムを構成することができる。
さらに、ボンベ34から流体圧アクチュエータ19への流体の供給を制御する電磁弁ユニット30および電磁弁制御コントローラ31をドラム12の内部に収納したので、内視鏡装置1の携帯性を一層、高めることがっできる。
また、本実施の形態では流体圧アクチュエータ19を用いた湾曲部10を設けたので、内視鏡本体2の挿入部8の長さが長い長尺内視鏡においても湾曲性能に優れたものを実現できる効果がある。
さらに、本実施の形態では図9(A)に示すように電磁弁38aの空気口Eに通常OFFになっている電磁弁38cを接続し、ジョイスティック11の傾動動作が止まった瞬間に電磁弁38bのON時間Δt12よりも長いΔt13の時間だけ電磁弁38cをONすることで、湾曲動作中の円弧状ルーメン13bの圧力室15と流体供給チューブ17からの空気の漏れを無くすようにしている。そのため、電磁弁ユニット30を電磁弁制御コントローラ31によって制御コントロールすることにより、小型ボンベ34の空気を効率的に使う制御方法を実現可能であり、ボンベ34を長時間使うことができ、ボンベ34を取り替える回数が減り、作業性に優れ、ボンベ34のコストにおいても有効である。
また、内視鏡本体2の湾曲部10の湾曲スピードの制御をジョイスティック37の動作速度に関連させたので、ジョイスティック37の動作が速いときと微妙に動作したときの使い分けができ、内視鏡本体2の湾曲部10の湾曲操作の操作性を高めることができる。さらに、小型ボンベ34内に充填されているガスとして可燃性のないガスを使っているので、安全である。
また、図13および図14は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1における電磁弁ユニット30の各電磁弁38を制御するときの制御方法を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では図13に示すように、ジョイスティック37の操作レバー37bを傾ける角度θと電磁弁38をON(開放)する時間とを比例させている。そして、ジョイスティック37を傾ける角度θが大きくなると電磁弁38をON(開放)する時間が大きくなるように制御し、ジョイスティック37を傾けている間は、電磁弁38を動作し続けるようになっている。
また、図14中で、J6はジョイスティック37の傾動操作状態、a6は電磁弁38aの動作状態、b6は電磁弁38bの動作状態、c6は電磁弁38cの動作状態をそれぞれ示すものである。ここで、ジョイスティック37を0点位置(ニュートラル位置)からC1位置に傾けはじめると徐々に電磁弁38をONする時間が長くなる。例えば、第1の実施の形態の電磁弁38a,38bでは図14中のa6、b6に示す通り、パルス幅を徐々に大きくしながら電磁弁38を動作させる。
そして、ジョイスティック37がC1位置で止まり、その位置を保持するとパルス幅は一定となって、電磁弁38a,38bを動作させる。この状態が、ジョイスティック37を動作させるC2位置まで続く。
また、C2位置からC3位置にジョイスティック37を元に戻すように操作すると、パルス幅は少しずつ小さくなる。そして、ジョイスティック37がC3位置のニュートラル位置に移動すると、電磁弁38aの動作は止まり、電磁弁38b,29cは1パルスだけONして、空気を排気する。
つまり、ジョイスティック37を傾けている間は電磁弁38a,38bは動作し続けて、湾曲部10の湾曲が続く。そして、湾曲部10の湾曲を止めたい場合には、ジョイスティック37をニュートラルに戻す操作をする。
また、湾曲部10の湾曲動作を速く行う場合には、ジョイスティック37を大きく傾けて、圧力室15に空気を多く送るように操作する。そして、湾曲部10の湾曲を微妙に行う場合には、ジョイスティック37を小さく傾ける。さらに、湾曲部10の湾曲を止めようとする場合には、ジョイスティック37をニュートラルにする。
そこで、本実施の形態ではジョイスティック37を傾ける角度θを任意に調整することで湾曲部10の湾曲速度を変えることができる。そのため、内視鏡の湾曲部10を速く動作させることも、微妙に動作させることも可能であり、操作性を一層、高めることができる効果がある。
また、図15および図16は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1における電磁弁ユニット30の構成を次の通り変更したものである。なお、これ以外の他の部分の構成は第1の実施の形態と同様であり、図15および図16中で、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
すなわち、第1の実施の形態ではUP、DOWN、RIGHT、LEFTの4つの湾曲方向に対応する各流体供給チューブ17の流路切換え機構部38A〜38Dに3個の電磁弁(3ポート弁)38a,38b,38cをそれぞれ設けた構成を示したが、本実施の形態では図15に示すように、UP、DOWN、RIGHT、LEFTの4つの湾曲方向に対応する各流体供給チューブ17の流路切換え機構部38A〜38Dに2個の電磁弁(3ポート弁)38a,38bのみをそれぞれ直列に接続し、残りの電磁弁38cに代えて4つの湾曲方向の各流路で共通に使用する1つの電磁弁51を設けたものである。
さらに、4つの湾曲方向の各流路の電磁弁38aと電磁弁51との間にはチューブ継ぎ手52が介設されている。このチューブ継ぎ手52には1つの流出ポート52aと、4つの流入ポート52b〜52eとが設けられている。ここで、チューブ継ぎ手52の4つの流入ポート52b〜52eには4つの湾曲方向の各流路の電磁弁38aの空気口Eがそれぞれ連結され、流出ポート52aには電磁弁51の空気口Pが連結されている。これにより、4つの湾曲方向の各流路の電磁弁38aの空気口Eから継ぎ手52を介して1本になった配管が1つの電磁弁51の空気口Pに接続されている。
次に、上記構成の作用について図16を参照して説明する。なお、図16中で、J7はジョイスティック37の傾動操作状態、a7は電磁弁38aの動作状態、b7は電磁弁38bの動作状態、c7は電磁弁51の動作状態をそれぞれ示すものである。ここで、ジョイスティック37を図16のJ7に示すように動作させると第1の実施の形態と同様に電磁弁38a,38bはON−OFF動作を行う。この時、電磁弁51はジョイスティック37が止まっているときには、常にONされていて、ジョイスティック37が動作している間のみ、OFFとなる。
そして、湾曲部10を湾曲させようとするときに、電磁弁38aと38bとが連動しているときの空気の漏れを電磁弁51で止めている。また、電磁弁38aと38bとが動作していないときには、湾曲していない方向の圧力室15内の空気を大気に開放する動作を行う。つまり、湾曲動作を行っていない方向の電磁弁38a,38bはOFFされており、圧力室15内の空気は流体供給チューブ17を介して、電磁弁38、電磁弁38bを通り、電磁弁51から空気が抜ける。なお、他の動作は基本的には第1の実施の形態と同様である。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では第1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、これに加えて、本実施の形態では特に電磁弁ユニット30を構成する電磁弁の数を減らすことができ、小型化に有効である効果がある。
また、図17乃至図20(A),(B)は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1における電磁弁ユニット30の構成をさらに次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では図17に示すように、UP、DOWN、RIGHT、LEFTの4つの湾曲方向に対応する各流体供給チューブ17の流路切換え機構部38A〜38Dに2個の電磁弁(3ポート弁)38a,38bのみをそれぞれ直列に接続し、残りの電磁弁38cを省略したものである。
また、図19に示すように電磁弁ユニット30の制御回路61には、演算回路62と、信号生成回路63とが設けられている。ここで、演算回路62にはジョイスティック37からの出力信号が入力されるようになっている、。そして、この演算回路62によってジョイスティック37の倒し速度を検出するとともに、ジョイスティック37の倒し角度に応じて信号生成回路63から電磁弁ユニット30に駆動信号を出力するようになっている。なお、これ以外の他の部分の構成は第1の実施の形態と同様である。
次に、上記構成の作用について図18(A),(B)を参照して説明する。なお、図18(A),(B)中で、J8a、J8bはジョイスティック37の傾動操作状態、a8a、a8bは電磁弁38aの動作状態、b8a、b8bは電磁弁38bの動作状態をそれぞれ示すものである。ここで、図18(A)のJ8aに示すようにジョイスティック37を動作させると第1の実施の形態と同様にジョイスティック37の動作方向に対応する湾曲方向の電磁弁38a,38bはON−OFF動作を行う。この結果、ボンベ34からの空気がマルチルーメンチューブ13の圧力室15に送られてジョイスティック37の動作方向に対応する湾曲方向の湾曲部10の湾曲動作が行われる。
また、ジョイスティック37を止めると電磁弁38a,38bは同じように1パルス出力して、ジョイスティック37の動作方向に対応する湾曲方向の圧力室15内の空気を少し排気して、湾曲部10の湾曲動作がすばやく止まる。この時、完全に2つの電磁弁38a,38bは連動していても多少の空気が電磁弁38aの空気口Eから漏れるが、ごくわずかである。そのため、本実施の形態では第1の実施の形態に比べてボンベ34の空気の使用時間は若干短くなる。
また、図18(B)のJ8bに示すようにジョイスティック37を動作させ、電磁弁38a,38bを連動して動作させる際に、電磁弁38aよりも電磁弁38bのほうがON時間を多少長くする制御を行ってもよい。
この方法では、ジョイスティック37を止めたときに始めに電磁弁38aでボンベ34からの空気を閉じるようになっている。このとき、電磁弁38bは空気口Pと空気口Aが通じている状態で保持され、ボンベ34からの加圧空気を下流側の圧力室15の方向に送っている状態になっている。そのため、ボンベ34からの加圧空気を下流側の圧力室15の方向に送っている流路内の空気が手元側に抜けるまでに時間差がある。ここで、電磁弁38bがONする時間が多少長くても空気が大量に抜けず、また空気を若干抜くことができ、湾曲部10の湾曲を止めることも可能である。
また、仮に、抜ける空気が少なくて湾曲部10の湾曲が止まり難い場合には、図18(A)のJ8aに示すように、ジョイスティック37を止めたときに1パルスだけ空気を抜くように動作させてもよい。
次に、図19〜図20を用いてジョイスティック37をUP方向からDOWN方向に操作させたときの動作を説明する。図19は、ジョイスティック37を実線で示すUP位置から点線で示すDOWN位置方向に倒す操作を行った際にこのジョイスティック37の動作と連動して湾曲部10が実線で示すようにUP方向に湾曲されている状態から、点線で示すDOWN方向に湾曲されている動作状態を示している。
ここで、ジョイスティック37の倒し角度に応じてその動作信号が発生する。そして、制御回路61では、演算回路62によりジョイスティック37の倒し速度を検出するとともに、ジョイスティック37の倒し角度に応じて信号生成回路63から電磁弁ユニット30の各電磁弁38a,38bに駆動信号を送るようになっている。
また、図20(A),(B)は、電磁弁ユニット30のUP方向およびDOWN方向のそれぞれの電磁弁38の動作を示している。ここで、図20(A)はジョイスティック37をゆっくりU方向からD方向に倒した場合、図20(B)は早く倒した場合である。なお、(A1)、(B1)はU方向の電磁弁38b、(A2)、(B2)はU方向の電磁弁38a、(A3)、(B3)はD方向の電磁弁38b、(A4)、(B4)はD方向の電磁弁38aの動作をそれぞれ示している。
そして、ジョイスティック37をゆっくり倒した場合には、図20(A)に示す動作が行われる。このとき、U方向の電磁弁38bは何れもON状態になって、湾曲部10はU方向に湾曲している。
また、ジョイスティック37をU方向からD方向に倒し始めると、演算回路62によりジョイスティック37の倒し速度を検出し、遅い場合はU方向の電磁弁38bを小さいデューティー比でパルス駆動させる。なお、デューティー比とは、t2/t1のことである。その間、U方向の電磁弁38aはOFFになっている。すなわち、電磁弁38bがONの時のみ圧力室15の流体が大気に排出されることになる。従って、U方向の圧力室15からの排気速度は遅いことになる。
また、D方向の電磁弁38aはジョイスティック37の倒し開始から充分時間が経過した後、何れもONとなり、D方向の圧力室15にボンベ34より流体が供給され、湾曲部10はD方向に湾曲する。
さらに、ジョイスティック37を速く倒した場合には、図20(B)に示す動作が行われる。ここで、演算回路62によりジョイスティック37の倒し速度が速い状態を検出すると、大きいデューティー比でU方向の電磁弁38bを駆動する。
このとき、U方向の電磁弁38aはOFF。この状態では電磁弁38bのON時間が長くなるので、圧力室15からの排気速度が速くなり、湾曲部10の湾曲動作も速くなる。
また、ジョイスティック37の倒し開始から比較的短時間でD方向の2つの電磁弁38a、38bをONにする。したがって、D方向に湾曲する。
以上のように、本実施の形態ではジョイスティック37の倒し速度に応じて、排気する湾曲側の電磁弁38bの駆動デューティー比を可変にし、かつ、倒し開始から吸気する湾曲側の電磁弁をONにする時間を可変にした。これにより、ジョイスティック37を遅く倒した場合は、排気を遅く、かつ反対方向の湾曲を開始するタイミングを遅くできる。そして、ジョイスティック37を速く倒した場合は、素早く排気され、且つ反対方向の湾曲開始タイミングも速くできる。その結果、湾曲部10の操作性が向上する。
そこで、上記構成のものにあっては電磁弁ユニット30に組み込まれる電磁弁38の数を少なくできるので、構成がシンプルとなり、小型化に有効である。さらに、ジョイスティック37を倒す速度に応じて、排気側の電磁弁の開放時間を変えることで、湾曲部10の湾曲の応答性を向上し、操作性を向上させることができる効果がある。
また、図21および図22(A),(B)は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1における電磁弁ユニット30の構成をさらに次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態の電磁弁ユニット30には3位置の5ポート弁からなる2つの電磁弁71と、チューブ継ぎ手72とが設けられている。ここで、各電磁弁71には5つの空気口(ポート)P、A、B、R1、R2と、流路切換え用の2つのソレノイド73、74とが設けられている。そして、一方の電磁弁71の空気口A、空気口Bには、湾曲部10の流体圧アクチュエータ19におけるUPおよびDOWN(またはRIGHTおよびLEFT)の各湾曲動作方向の圧力室15に連結された流体供給チューブ17の基端部がそれぞれ連結されている。さらに、他方の電磁弁71の空気口A、空気口Bには、湾曲部10の流体圧アクチュエータ19におけるRIGHTおよびLEFT(またはUPおよびDOWN)の各湾曲動作方向の圧力室15に連結された流体供給チューブ17の基端部がそれぞれ連結されている。
また、チューブ継ぎ手72には1つの流入ポート72aと、2つの流出ポート72b、72cとが設けられている。さらに、このチューブ継ぎ手72の流入ポート72aにはボンベ34側の流体チューブ32が連結され、2つの流出ポート72b、72cには2つの電磁弁71の各空気口P側に連結された連結チューブ75の他端部がそれぞれ連結されている。そして、各電磁弁71の空気口Pに継ぎ手72側からの空気が供給されるようになっている。
また、2つの電磁弁71はソレノイド73,74がともにOFFのときはすべての空気口P、A、B、R1、R2が閉じられる状態で保持される。そして、一方のソレノイド73をONすると図21中で実線矢印で示すように空気口Pと空気口Aとの間、空気口R2と空気口Bとの間がそれぞれ通じ、他方のソレノイド74をONすると図21中で点線矢印で示すように空気口Pと空気口Bとの間、空気口R1と空気口Aとの間がそれぞれ通じる状態に各電磁弁71の内部流路がそれぞれ切換え操作されるようになっている。なお、これ以外の他の部分の構成は第1の実施の形態と同様である。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態ではジョイスティック37がUP方向に傾動操作された場合には、電磁弁ユニット30の一方の電磁弁71のソレノイド73がON操作される。この状態では、ソレノイド73がON操作された側の電磁弁71の空気口Pから空気口Aに空気が流れ、UP方向の圧力室15に空気が送られる。このとき、空気口Bと空気口R2との間が通じ、DOWN方向の空気が外に排出される。そのため、湾曲部10はUP方向に湾曲される。
さらに、このように湾曲部10がUP方向に湾曲されている状態で、ジョイスティック37の操作を止めるとソレノイド73がOFFされる。そのため、この状態では電磁弁71の空気口Pが閉じて空気口Pから空気が送られなくなるとともに、空気口Aおよび空気口Bが閉じて、UP方向の流体供給チューブ17および圧力室15内が密閉されるので、湾曲部10はUP方向の湾曲が保持される。
この湾曲部10のUP方向の湾曲動作を第1の実施の形態と同様な動作で行わせる場合には、図22(A),(B)に示すように制御する。なお、図22(A),(B)中で、J9、J10はジョイスティック37の操作状態、a9、a10はソレノイド73の動作状態、b9、b10はソレノイド74の動作状態をそれぞれ示す。
すなわち、例えば図22(A)のJ9に示すようにジョイスティック37を0点位置からUP方向に傾けるとソレノイド73は図22(A)のa9に示す通り、ON−OFF動作を行う。そして、t11時点で、ジョイスティック37を止めるとソレノイド73はOFFとなる。このとき、同時にソレノイド74が図22(A)のb9に示す通り、1パルス出力する。このようにソレノイド74を1パルスONすると、UP方向の圧力室15内の空気を排出するとともに、DOWN方向の圧力室15内に微小量の空気を入れることで湾曲部10の湾曲動作をすばやく止めることができる。
また、図22(B)のJ10に示すように湾曲部10をUP方向に湾曲させた状態からt12時点で湾曲を戻す方向にジョイスティック37を操作した場合には図22(B)のa11に示すようにソレノイド74がON−OFF動作を行う。そのため、この場合にはUP方向の圧力室15から空気が抜けるとともに、DOWN方向の圧力室15に空気を供給して、湾曲を戻す動作が行われる。
また、t13時点で、ジョイスティック37を止めるとソレノイド74はOFFとなる。このとき、同時にソレノイド73が図22(B)のa10に示す通り、1パルス出力する。このようにソレノイド73を1パルスONすると、DOWN方向の圧力室15内の空気を排出するとともに、UP方向の圧力室15内に微小量の空気を入れることで湾曲部10の湾曲動作をすばやく止めることができる。
さらに、この方法ではUP方向とDOWN方向(またはRIGHT方向とLEFT方向)の両方の圧力室15に空気が供給された状態となり、このバランスにより湾曲部10の湾曲が制御される。そのため、各流体供給チューブ17内は圧力がかかった状態となり(湾曲部10の湾曲に大きく支障を来たさないレベル)、湾曲部10の湾曲動作のために空気を送ったときの湾曲動作の始まりが速い。
このように、3位置の5ポート弁からなる電磁弁71を使うことで、湾曲部10の湾曲操作時に第1の実施の形態と同じような制御を行うことができる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では電磁弁ユニット30に3位置の5ポート弁からなる2つの電磁弁71を使用したので、第1の実施の形態に比べて電磁弁ユニット30に組み込まれる電磁弁の数を少なくすることができ、構成がシンプルである。
さらに、湾曲部10の湾曲操作時に第1の実施の形態と同じような制御を行うことができるので、第1の実施の形態と同様に湾曲部10の湾曲動作が速く、湾曲操作を高精度に行わせることができる効果がある。
また、図23は本発明の第6の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1における電磁弁ユニット30の構成をさらに次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では第5の実施の形態(図21および図22(A),(B)参照)と同様に3位置の5ポート弁からなる2つの電磁弁71を備えた電磁弁ユニット30におけるチューブ継ぎ手72と流量計41との間に3つの空気口(ポート)A,E,Pを備えた3ポート弁の電磁弁81を介設したものである。
この電磁弁81の空気口Pにはレギュレータ41を介してボンベ34が接続されている。さらに、この電磁弁81の空気口Aにはチューブ継ぎ手72の流入ポート72aが連結されている。なお、これ以外の他の部分の構成は第5の実施の形態と同様である。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では、基本動作は、第5の実施の形態と同じであり、異なるのは電磁弁81を切換え操作することで流体圧アクチュエータ109の圧力室15内の空気を必要に応じて抜くことができる点である。
たとえば、電磁弁81をOFFして、上下方向湾曲操作用の電磁弁71のソレノイド73を一定時間ONすればDOWN方向の空気が抜け、ソレノイド74をONすればUP方向の空気が抜ける。
さらに、左右方向湾曲操作用の電磁弁71も同様に動作させれば、流体圧アクチュエータ109のすべての圧力室15内の空気が抜ける。この動作を例えばジョイスティック37をニュートラルの位置に移動させたときに行うことで、湾曲部10の湾曲状態を中立とすることができる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態ではジョイスティック37をニュートラルの位置に移動させたときに湾曲部10の湾曲のリセットがかけられ、必要に応じて、湾曲部10の湾曲をニュートラルとすることができる。
また、図24(A),(B)は本発明の第7の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1における電磁弁ユニット30の構成をさらに次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では、図24(B)に示すように、キャリングケース7におけるボンベ34の収容室35内にメインのボンベ34aと、予備のボンベ34bとを並設したものである。
また、2つのボンベ34a,34bの配管方法は図24(A)に示すような構成である。ここで、2つのボンベ34a,34bは切替え弁91に連結されている。さらに、この切替え弁91とレギュレータ41との間には流量計92が介設されている。この流量計92にはコントローラ93が接続されている。
さらに、コントローラ93には切替え弁91と、4つの流路切換え機構部38A〜38Dと、モニタ上の流量表示部94とがそれぞれ接続されている。そして、湾曲部10の湾曲操作時にはボンベ34aまたは34bのいずれか一方から流れる流量を流量計92によって検出して、その情報をコントローラ93に記憶し、モニタ上の流量表示部94に流量を表示する構成になっている。なお、これ以外の他の部分の構成は第1の実施の形態と同様である。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では湾曲部10が湾曲動作を行うと、その時にボンベ34aまたは34bのいずれか一方から流れる流量を流量計92によって測定しながら空気を送る。この流量計92からの空気量の測定データはコントローラ93に送られて、流量表示部94に流量(またはボンベ残量)が表示される。これにより、ボンベ34aまたは34bが使った空気量(または残量)が分かる。
また、使用中のボンベ34a(または34b)の空気がなくなった場合には、切替え弁91により予備のボンベ34b(または34a)を流路に連結する状態に切換え操作する。これにより、使用中のボンベ34a(または34b)の空気がなくなった場合でも予備のボンベ34b(または34a)によって継続して湾曲動作を行うことが可能である。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では流量表示部94に表示される流量(またはボンベ残量)を目視することにより、ボンベ34aまたは34bが使った空気の使用量(または残量)が一目で分かる。そのため、使用中のボンベ34a(または34b)の交換時期が分かるので、検査を行うときにあらかじめボンベを用意する等の作業が行い易い効果がある。
なお、切替え弁42は電磁弁によって形成し、2つのボンベ34a,34bを自動的に切り替える構成にしてもよい。
また、図25(A),(B)乃至図27は本発明の第8の実施の形態を示すものである。図25(A)は本実施の形態の内視鏡装置101のシステム全体の概略構成を示すものである。この内視鏡装置101には、内視鏡本体102と、この内視鏡本体102のシステム全体を収納するキャリングケース103とが設けられている。
さらに、内視鏡本体102には図25(B)に示すように管腔内に挿入される長尺な挿入部104が設けられている。この挿入部104には可撓性を備えた長尺な可撓管部105と、この可撓管部105の先端部に連結された湾曲部106と、最先端部に配設された先端構成部107とが設けられている。なお、先端構成部107には図26(B)に示すように内視鏡像を撮像する撮像機能部108が設けられている。この撮像機能部108はCCDと照明用LEDとを組み合わせたものである。
また、内視鏡本体102の湾曲部106は、第1の実施の形態(図1乃至図12参照)と同様に圧力室15の内部に流体圧を供給することによって湾曲を行う構成の流体圧アクチュエータ109によって形成されている。この流体圧アクチュエータ109には図3(B),(C)に示すように円筒体の中央ルーメン13aの周囲の管壁に複数、本実施の形態では4つの円弧形状断面のルーメン13b,13c,13d,13eが周方向に略等間隔に配設されているマルチルーメンチューブ13を備えている。さらに、このマルチルーメンチューブ13の4つの円弧形状ルーメン13b,13c,13d,13eの前後の両端部がシリコンの充填剤14で封止されてUP、DOWN、RIGHT、LEFTの4つの湾曲方向にそれぞれ対応させた4つの圧力室15が形成されている。そして、4つの圧力室15に選択的に流体を送り込むことによって圧力室15の円弧形状ルーメンが長手方向に伸展し、湾曲部106を湾曲させる構造になっている。
また、図26(B)に示すように流体圧アクチュエータ109の4つの圧力室15にはそれぞれ流体供給チューブ110の先端部が連結されている。さらに、各流体供給チューブ110の基端部はキャリングケース103内の流体供給源111に接続されている。そして、この流体供給源111から流体供給チューブ110を通して駆動用の流体が流体圧アクチュエータ109の各圧力室15に供給されるようになっている。
また、流体供給源111には、図27に示すように空気圧供給源であるボンベ112と、このボンベ112から供給されるガスの圧力を調整するレギュレータ113と、このレギュレータ113に接続されたバルブユニット114とが設けられている。そして、ボンベ112からレギュレータ113を経て送られてくるガスがバルブユニット114に供給され、流体圧アクチュエータ109の各圧力室15に供給されるガスの給排気をこのバルブユニット114によってコントロールするようになっている。
また、バルブユニット114内には複数の電磁バルブ115が組み込まれている。本実施の形態では流体圧アクチュエータ109のUP、DOWN、RIGHT、LEFTの各湾曲方向に対応させた4つの圧力室15にそれぞれ連通する各流体供給チューブ110における1つの流体供給チューブ110あたり2つずつ、計8つの電磁バルブ115が内蔵されている。
なお、1つの湾曲方向の流路に組み込まれた2個の電磁バルブ115a,115bはそれぞれ直列に接続されている。そして、4つの各湾曲方向に対応させた各流路内の2個の電磁バルブ115a,115bによってその流路の開閉状態を切換える流路切換え機構部115A〜115Dがそれぞれ形成されている。
さらに、レギュレータ113側から供給されるガスの流路は、バルブユニット114内の4つの湾曲方向に対応させた4つの分岐管路に分岐され、各流路切換え機構部115A〜115Dにそれぞれ連通されるようになっている。そして、流路切換え機構部115AによってUP方向、流路切換え機構部115BによってDOWN方向、流路切換え機構部115CによってRIGHT方向、流路切換え機構部115DによってLEFT方向の各流路をそれぞれ切換えるようになっている。
また、バルブユニット114内の各電磁バルブ115は3ポート型の電磁弁で、空気口Pと、空気口Aと、排気口Eとがそれぞれ設けられている。ここで、各バルブ115はONのとき空気口Pと、空気口Aとの間が連通する。さらに、各バルブ115がOFFの時は排気口Eと、空気口Aとの間が連通し、空気口Pは閉じられるようになっている。
また、4つの各湾曲方向用の2つのバルブ115、すなわちボンベ112側に配置される電磁バルブ115aと、流体圧アクチュエータ109側に配置される電磁バルブ115bとは互いに逆向きに空気口A同士で接続されている。
そして、4つの湾曲方向と対応する4つの流路切換え機構部115A〜115Dでは、いずれかの湾曲方向の2つの電磁バルブ115aと電磁バルブ115bが共にONのとき、ボンベ112からのガスはそれらの電磁バルブ115a、電磁バルブ115bを通して流体圧アクチュエータ109内の対応している圧力室15に送られ、流体圧アクチュエータ109をその湾曲方向に湾曲させるようになっている。
その後、電磁バルブ115bがOFFになるとその圧力室15に送られたガスはそのまま保持されることになる。この状態で、電磁バルブ115aをONのままにしておくと、ボンベ112からのガスが電磁バルブ115bの排気口Eから排出され続けてしまうので、ガスを浪費しないように電磁バルブ115aをOFFにし、ボンベ112からのガスを止める必要がある。
また、流体圧アクチュエータ109に蓄積されたガスを排気する時は電磁バルブ115bをONにし、電磁バルブ115aをOFFにすることで、電磁バルブ115aの排気口Eからガスが排気される。
さらに、流体供給源111にはバルブユニット114内の複数のバルブ115の動作を制御する制御回路116が接続されている。この制御回路116には電源117が接続されているとともに、内視鏡本体102の湾曲部106の湾曲操作を行う操作部118がケーブル119を介して接続されている。
また、キャリングケース103には上面が開口されたケース本体103aと、このケース本体103aの上面開口部を開閉可能に閉塞するふた103bとが設けられている。さらに、キャリングケース103の内部には内視鏡本体102の挿入部104を巻き付けることができる円筒状のドラム120が配設されている。そして、内視鏡本体102の挿入部104を巻き付けたドラム120ごとキャリングケース103内に収納できるようになっている。
また、図26(A)に示すようにキャリングケース103内の底部にはドラム120を回転可能に支持する複数のローラー121が配設されている。これらのローラー121は中心軸を中心に回転自在に支持されている。そして、ドラム120はキャリングケース103内の底部のローラー121上に乗った状態で回転可能に支持されている。
さらに、キャリングケース103のケース本体103aの一側部上縁部にはスコープ取り出し口122が形成されている。そして、ドラム120に巻き付けられた内視鏡本体102の挿入部104はキャリングケース103のスコープ取り出し口122から外部に取り出し可能になっている。
また、ドラム120内には図25(B)に示すように複数の内蔵物が組み込まれている。すなわち、本実施の形態ではドラム120内には内視鏡本体102の湾曲部106の駆動用の駆動源である流体供給源111のボンベ112と、レギュレータ113と、バルブユニット114と、制御回路116と、電源117と、後述する画像回路123とが合わせて収納されている。
さらに、ドラム120の側面開口部には円形のドラムふた124が取り外し可能に装着されている。なお、キャリングケース103のケース本体103aにはドラムふた124が嵌合される円形で同径の穴が空いている。また、ドラムふた124にはドラム回転操作用の取っ手125が折りたたみ状態で収納可能に設けられている。この取っ手125は、内視鏡本体102の挿入部104を巻き取る時に使用される。そして、使用時以外はこの取っ手125を折りたたんでドラムふた124内に収納しておくことが可能になっている。
さらに、キャリングケース103内にはドラム120の外部にある操作部118も収納されるようになっている。この操作部118には、図25(A)に示すように内視鏡本体102の撮像機能部108によって得られた画像情報を映し出す液晶ディスプレイ126と、操作を行うためのジョイスティック127とが設けられている。
そして、操作部118の液晶ディスプレイ126には図26(B)に示すように内視鏡本体102の撮像機能部108からの信号が挿入部104内に配置されている図示しないケーブルによってドラム120内の画像回路123に送られ、この画像回路123によって生成された映像が表示されるようになっている。
さらに、操作部118のジョイスティック127の操作によって制御回路116の制御量が調整されるようになっている。すなわち、操作部103のジョイスティック127の倒し角によって、流体供給源111から流体供給チューブ110に供給される流体供給量を調整するように、制御回路116が流体供給源111を制御するようになっている。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では内視鏡本体102の挿入部104をドラム120に巻き付けた状態で、キャリングケース103に収め、なおかつ内視鏡本体102の湾曲部106の駆動用の駆動源である流体供給源111のボンベ112と、レギュレータ113と、バルブユニット114と、制御回路116と、電源117と、後述する画像回路123とを合わせて収納させたので、内視鏡装置101のシステム全体の小型化が可能で、持ち運びや、取り回しが容易である。
また、流体供給源111に小型のボンベ112と、複数の電磁バルブ115が組み込まれたバルブユニット114を用いたことにより、流体圧アクチュエータ109の各圧力室15の加圧に要する時間を短縮できる。そのため、内視鏡本体102の湾曲部106の湾曲応答性および制御性を向上させることができる効果がある。
なお、液晶ディスプレイ126は表示装置であれば液晶に限らず、小型ブラウン管やプラズマディスプレイなどでも良い。さらに、撮像機能部108はCMOS型イメージセンサと、照明用LEDとを組み合わせた構成にしてもよい。また、操作部118のジョイスティック127は、ジョイスティックではなくジョイパッドでも良い。
さらに、本実施の形態ではドラム120を回転用取っ手125で回転する構成を示したが、これに代えて、ローラー121にモーターを取り付け、自動でドラム120を回転させる構成にしてもよい。
また、本実施の形態では内視鏡本体102の操作部118に液晶ディスプレイ126と、操作を行うためのジョイスティック127とを設けた構成を示したが、操作部118のジョイスティック127に代えて図25(B)に示すようにタッチパネル式の液晶パネル操作部131を設ける構成にしてもよい。
すなわち、本変形例の操作部118には図28に示すようにグリップ132aと、操作部本体132bとが設けられている。そして、液晶パネル操作部131は操作部本体132bに配設されている。この液晶パネル操作部131には、タッチパネル式の液晶ディスプレイ133が設けられている。この液晶ディスプレイ133上には全面に押圧を検知するためのタッチパネル134が設けられており、操作者が指で触った位置を検出することができる。
また、液晶ディスプレイ133内は、中心位置に内視鏡本体102の先端の撮像機能部108からの内視鏡像を映し出す画像表示部135が配置されている。さらに、この画像表示部135の周囲には制御回路116の制御量を呈示する4つの制御量表示部136と、湾曲操作する部分を示す4つの操作指示部137とがそれぞれ設けられている。ここで、4つの制御量表示部136と、操作指示部137とはそれぞれUP、DOWN、RIGHT、LEFTの4つの湾曲方向にそれぞれ対応させて配置されている。
また、制御量表示部136はバーグラフ状に制御量を呈示するようになっており、流体アクチュエータ109への送気量(例えば、バルブユニット114内のバルブ115a,115bの開放時間)を色違いのバーの長さで表示するものである。そして、図28に示すように、上下左右の各湾曲方向に対応して制御量表示部136に各湾曲方向の制御量に対応するバー表示が行われるようになっている。
例えば、図28中で、上方の湾曲方向の制御量(ガス供給量)が0のときは上方の制御量表示部136の全体に緑色のバーが表示されるようになっている。そして、上方の湾曲方向のガス供給量が増すにしたがって制御量表示部136のバーが左端から徐々に赤色に変り、制御量が最大のときにはバー全体が赤色に変化するようになっている。
また、操作指示部137には上下左右の各湾曲方向に対応して各制御量表示部136の近傍に操作指示部137としての円形の指標が表示されている。そして、操作者は液晶パネル操作部131の画像表示部135の内視鏡像を見ながら操作指示部137を手指で押圧することによって、制御回路116に指示を出すことができるようになっている。
例えば、上方湾曲用の操作指示部137を押した場合には、タッチパネル134からその位置の信号が制御回路116に送られ、その位置信号から押された場所が上方湾曲を示していることを制御回路116が判断し、上方用の電磁バルブ115aと電磁バルブ115bとを共にONにするようにバルブユニット114を駆動するようになっている。その後、操作者の手指がタッチパネル134から離れると、その信号を受け取った制御回路116は電磁バルブ115a、電磁バルブ115bを共にOFFにし、圧力を保持するようになっている。
さらに、続いて、下方の操作指示部137を押すことによって上方用電磁バルブ115bがONになり、圧力が開放される。他の湾曲方向についても同様である。
そこで、本変形例では操作部118にタッチパネル式の液晶ディスプレイ133を設けたので、画像表示部135に表示される内視鏡像と連繋した操作が可能になり、操作部118の操作性の向上を図ることができる。
また、上記第1の変形例において、操作指示部である制御量表示部136を触る時、制御量表示部136のバー位置によって制御量が変化するような制御手段を制御回路116に設けてもよい。例えば、上下の制御量表示部136では、バーの左側を押すと、電磁バルブ115aと電磁バルブ115bのON時間が短く、制御量表示部136のバーを押す位置が右寄りになるほど、両バルブ115a,115bのON時間が長くなる構成になっている。なお,左右の制御量表示部136の場合も同様に、バーの下側を押すとバルブのON時間が短く、上側ほど長くなる構成になっている。そして、本変形例では操作部118の操作性の向上を図ることができる。
また、図29は第8の実施の形態の操作部118の第2の変形例を示すものである。本変形例では操作部118の操作部本体132bの中心部位に液晶ディスプレイ141が設けられている。この液晶ディスプレイ141上には画像表示部142と、この画像表示部142の周囲に配置されている略矩形枠状のタッチパネル部143とが設けられている。このタッチパネル部143には画像表示部142の周囲に湾曲操作する操作指示部を兼ねている4つの制御量表示部144が配置されている。
そして、操作者は画像表示部142を見ながら、内視鏡本体102を湾曲させたい方向、すなわち画像表示部142に表示されている画像を移動させたい方向に配置されている制御量表示部144を触ることによって、その方向に湾曲部106を湾曲させるように制御回路116がバルブユニット114を制御するようになっている。
そこで、本変形例では液晶ディスプレイ141上のタッチパネル部143に操作指示部を兼ねている4つの制御量表示部144を配置したので、タッチパネル部143に複数の機能を兼ねさせることによって液晶パネル、タッチパネルの小型化を図ることができる。
また、上記第1と第2の変形例において、バルブユニット114と液体供給チューブ110間に図示しないセンサ(圧力センサが流量センサ)を設け、このセンサからの信号を制御量表示部136、144に反映させることにより、より湾曲部106の実際の湾曲角度に近い高精度な情報を制御量表示部136、144に表示させることができる。そのため、より信頼性の高い表示が可能である。
また、図29に示すように、第2の変形例の液晶ディスプレイ141の周囲に各湾曲方向に対応して、4つの湾曲停止ボタン145を設けてもよい。この場合、停止ボタン145が押されると、押した方向の流体圧アクチュエータ109内の圧力室15に流体が流れないように制御回路116がバルブユニット114内の各バルブ115をコントロールするようになっている。
具体的には、例えば上方の停止ボタン145が押された時、その信号が制御回路116に伝わり、制御回路116が上方湾曲用の2つの電磁バルブ115aと電磁バルブ115bとをコントロールする。これにより、ボンベ112から流体圧アクチュエータ109内の上方湾曲用の圧力室15にガスが流れないようにすることができ、その状態が保持される。これは、流体圧アクチュエータ109の圧力室15がパンクした時、ボンベ112のガスを無駄にしないために有効である。
なお、通常の湾曲操作時に、操作部118を操作しているにもかかわらず画像表示部142に表示されている画像が動かない場合、その操作方向の流体圧アクチュエータ109の圧力室15がパンクしていることが原因の一つと考えられる。そして、パンク時にそのまま湾曲操作を続ければ、パンクしている流体圧アクチュエータ109の圧力室15にもガスが流れてしまう可能性があるので、ガスの無駄遣いになる。
そこで、本変形例のように停止ボタン145を押して、パンクしている流体圧アクチュエータ109の圧力室15へのガスの供給を止めることでガスの浪費を抑えることが可能となる。そのため、本変形例ではガスの節約が期待できる。
また、図30は本発明の第9の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第8の実施の形態(図25(A),(B)乃至図27参照)の内視鏡装置101におけるドラム120内部構成を次の通り変更したものである。なお、これ以外の他の部分の構成は第8の実施の形態と同様であり、図30中で、第8の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
すなわち、本実施の形態ではドラム120の内部にUP、DOWN、RIGHT、LEFTの4方向の各湾曲方向の圧力室15内に圧縮空気を送るための4本のシリンジユニット151と、各シリンジユニット151を制御するための制御回路152と、各シリンジユニット151と制御回路152とを駆動するための電源153とが配置されている。
さらに、各シリンジユニット151には図示しない駆動用のモーターの回転を直進運動に変換するリニア変換ギアを備えた変換機構部154と、空気圧縮用のシリンジ155とが設けられている。そして、シリンジ155内のピストン156の前進運動によって空気を圧縮するシリンジポンプが構成されている。
また、各シリンジ155の先端には挿入部104の根元から延出している流体供給チューブ110が接続されている。ここで、挿入部104の根元部分はドラム120の壁の穴を通ってドラム120の内部に入り、ドラム120の内壁に固定されている。
そして、湾曲部106の湾曲操作時にはシリンジユニット151で圧縮された空気が流体供給チューブ110を経由して、内視鏡本体102の先端にある湾曲部106内の流体圧アクチュエータ109に供給されるようになっている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では操作部118のジョイスティック127を所望の湾曲方向に操作することで、このジョイスティック127の操作と対応する湾曲方向のシリンジユニット151が動作する。そして、このシリンジユニット151のシリンジ155から送られる空気が湾曲部106の流体圧アクチュエータ109の圧力室15に送られて湾曲部106が湾曲動作する。
また、ジョイスティック127の操作を止めるとシリンジ155が止まり、湾曲部106の湾曲動作が止まる。ここで、内視鏡本体102の挿入部104が10m以上と長くなる場合にはシリンジユニット151からの空気が先端の圧力室15に送られるまでの時間遅れが有り、湾曲部106の湾曲動作がすばやく止まらない場合がある。その場合は、ジョイスティック127を止めたときに湾曲動作のために空気を送っているシリンジユニット151のピストン156を加圧方向と反対に多少戻す動作を行う制御を行う。これにより正確に、すばやく湾曲部106の湾曲動作を止めることが可能となる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態ではシリンジユニット151のピストン156の前後運動により圧縮空気を流体圧アクチュエータ109の圧力室15に供給するシンプルな構成であり、シリンジ155の位置を制御することで湾曲量を制御できる効果がある。
さらに、シリンジユニット151のピストン156によって構成されるシリンジポンプの大きさにより加圧する空気量の最大値は決まっており、過大に加圧してすることがない。そのため、湾曲部106の湾曲動作を高精度に制御することができる。
また、図31および図32(A),(B)は本発明の第10の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第9の実施の形態(図30参照)の内視鏡装置101のシリンジユニット151の構成をさらに次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では第9の実施の形態の4方向の各湾曲方向のシリンジユニット151の構成に加えて、シリンジユニット151のピストン156によって構成されるシリンジポンプ内に予圧を与える構成を設けたものである。
本実施の形態の例えばUP方向のシリンジユニット151には図31に示すようにシリンジ筺体161が設けられている。このシリンジ筺体161の基端部にはシリンジ筺体161内のピストン162を駆動する駆動機構部163が連結されている。
この駆動機構部163には駆動源であるモータ164と、このモータ164の回転を減速器165を介して往復動作に変換する直動機構166とが設けられている。この直動機構166は棒状の雄ネジ部167と、この雄ネジ部167と螺合するナット状の雌ネジ部168とを備えたボールねじ機構によって構成されている。さらに、雌ネジ部168にはピストン162のピストン軸169が連結されている。そして、モータ164の回転が減速器165を介して伝達されて雄ネジ部167が回転すると、雌ネジ部168が前後方向に移動し、ピストン162が駆動されるようになっている。これにより、モータ164の回転を減速器165を介して直動機構166で往復動作に変換してピストン162が駆動されるようになっている。
また、モータ164にはエンコーダ170が接続されている。このエンコーダ170は、シリンジ筺体161内のピストン162の位置センサとして機能させている。
また、シリンジ筺体161の先端部には吐出口171が形成されている。この吐出口171には口金172が取り付けられている。この口金172には2つのチューブ連結部173,174が設けられている。そして、一方のチューブ連結部である第1のチューブ連結部173にはUP方向の圧力室15に繋がる流体供給チューブ175が接続されている。さらに、他方のチューブ連結部である第2のチューブ連結部174には、空気圧供給源側の流体チューブ176の一端部が連結されている。この流体チューブ176の他端側は電磁弁177経由で圧力調整器178を伴うボンベ179に接続されている。この電磁弁177は、ボンベ179側からシリンジ筺体161に向けて連通(開放)させる状態と、完全に閉じている状態と、シリンジ筺体161から大気に向けて連通(開放)させる状態との3状態に切換え可能になっている。
また、電磁弁177は制御回路180に接続されている。この制御回路180にはモータ164と、エンコーダ170とが接続されているとともに、電源181と、第8の実施の形態(図25(A),(B)乃至図27参照)の操作部118と同様に液晶ディスプレイ126と、操作を行うためのジョイスティック127とが設けられた湾曲操作装置182とが接続されている。そして、制御回路180からの制御信号により電磁弁177の開閉動作がコントロールされる。
なお、UP方向以外の湾曲方向、すなわちDOWN、RIGHT、LEFTの各湾曲方向のシリンジユニット151もUP方向のシリンジユニット151と同様に構成されている。そして、4つのシリンジポンプは同じように接続されている。
また、制御回路180および電源181は、第9の実施の形態の内視鏡装置101と同様の構成のドラム120の内部に配置されている。そして、内視鏡本体102の湾曲部106の湾曲操作時には湾曲操作装置182のジョイスティック127から湾曲指令が入力されると、制御回路180からモータ164に駆動信号が出力されて、適切な量だけシリンジ筺体161内のピストン162が押し込まれるようになっている。これにより、ジョイスティック127の操作方向と対応する湾曲方向の圧力室15が膨張し、湾曲部106が湾曲動作されるようになっている。このとき、エンコーダ170の信号が制御回路180にフィードバックされてシリンジ筺体161内のピストン162の押し込み位置制御の精度を高めるようになっている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では、ジョイスティック127の操作が開始される前、すなわち、ジョイスティック127から操作信号が出されていない場合には、シリンジ筺体161内のピストン162の位置は図31中で最も右側の移動限位置に引かれた位置(原点位置)にある。
そして、内視鏡本体102の湾曲部106の湾曲操作時には、操作者が湾曲制御装置182の液晶ディスプレイ126で内視鏡観察像を見ながら、湾曲させたい方向にジョイスティック127を倒す。このとき、制御回路180がジョイスティック127の倒し方向/角度信号を受け、適切なシリンジポンプに対して駆動信号を出す。
なお、図32(A)はジョイスティック127の操作によってある方向に湾曲信号が出力された時の、シリンジ筺体161の内圧Pと時間tとの関係を示している。また、図32(B)は、同じ時の湾曲部106の湾曲角度θと時間tとの関係を示している。
ここで、ジョイスティック127の操作時にはジョイスティック127の操作によってある方向に操作信号が出た時点t0で、瞬間的に、電磁弁177がボンベ179側からシリンジ筺体161に向けて連通される状態に切換え操作される。さらに、操作信号が出た時点t0から短時間経過したt1時点で、また直ぐ電磁弁177が閉じるように制御信号が出力される。この時のボンベ179の圧力Pは、圧力室15の膨張により湾曲部106が動き始める直前の圧力P0に調整されている。
また、t1時点で、モータ164の回転が開始され、モータ164は定速で回転する。ここで、操作信号が出ている間、シリンジ筺体161内のピストン162が図31中で左方向に定速で押し出される。そして、シリンジ筺体161の内圧がP1になるt2時点で、湾曲角はθbとなる。
さらに、一定時間、θbの湾曲角を保持させた後、t3時点で、例えば反対方向に湾曲させる信号を入力すると、シリンジ筺体161内のピストン162は原点位置まで等速で戻る。この原点位置に戻ったt4時点で、シリンジ筺体161の内圧はP0になる。このとき、湾曲部106の湾曲角は湾曲部106の特性により圧力の加減に対してヒステリシスを有するので、t4時点での湾曲部106の湾曲角は0度にならず、θaで停止する。
そのため、シリンジ筺体161内のピストン162が原点位置に復帰したt4時点で、電磁弁177をシリンジ筺体161から大気に向けて連通する状態に切換え操作するように制御信号を出力する。その結果、t4時点から若干時間が経過したt5時点で湾曲部106の湾曲角は0度になる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態ではジョイスティック127の操作時にジョイスティック127の操作によってある方向に操作信号が出た時点t0で、瞬間的に、ボンベ179によってシリンジ筺体161内に予圧を掛けられるので、湾曲操作信号に対してレスポンスよく湾曲部106の湾曲動作を行なえる。その結果、操作性が良くなる効果がある。
また、図33および図34(A),(B)は第10の実施の形態(図31および図32(A),(B)参照)の第1の変形例を示すものである。第10の実施の形態の内視鏡装置101ではシリンジ筺体161内のピストン162の動作と、湾曲部106の湾曲角θとの関係では、湾曲操作時のレスポンスは良くなるが、湾曲操作信号を出力している時間と湾曲角度とは線形に対応していない。そのため、ある時間経つと急激に湾曲部106の湾曲角θが大きくなるという動作になる(図32(B)参照)。
そこで、本変形例では図33に示すように湾曲操作装置182と制御回路180の間に、湾曲操作信号を出力している時間と湾曲角度θとが線形の関係になるようにモータ164の速度を可変する補正回路255を設けたものである。
これは、図34(A)に示すようにシリンジ筺体161内の内圧の特性曲線を得るようにモータ164の回転速度を制御することで、図34(B)に示すように、湾曲部106の湾曲角θは時間に対して線形に湾曲するようになっている。
また、図35は第10の実施の形態(図31および図32(A),(B)参照)の第2の変形例を示すものである。本変形例では、第10の実施の形態のエンコーダ170を使用せず、シリンジ筺体161内のピストン162が原点位置に復帰した状態のみを検出する構成にしたものである。
すなわち、本変形例ではシリンジ筺体161は透明な材料で成形されている。さらに、シリンジ筺体161の根元部の外周面には、発光ダイオード(LED)201と、受光素子(PD)202とが180°離れた位置に離間対向配置された状態で取付けられている。ここで、発光ダイオード201と受光素子202とは制御回路180に接続されている。そして、シリンジ筺体161内のピストン162が発光ダイオード201と受光素子202との間を通過する時、光を遮るので、ピストン162の通過を検出することができる。なお、受光素子202からの検出信号は制御回路180に入力される。
従って、本変形例では内視鏡本体102の湾曲部106の湾曲操作時にシリンジ筺体161内のピストン162の原点位置を検出できるので、第10の実施の形態の電磁弁177の制御が可能になる。そのため、本変形例では第10の実施の形態のエンコーダ170を使用する場合に比べてシステム全体を小型化できる効果がある。
また、図36は第10の実施の形態(図31および図32(A),(B)参照)の第3の変形例を示すものである。本変形例では、第10の実施の形態で使用した電磁弁177を省略してシリンジポンプ内に予圧を与える機構を設けたものである。
すなわち、本変形例ではシリンジ筺体161の先端の吐出口171には流体圧アクチュエータ109の圧力室15に繋がるチューブ175が直接接続されている。
また、シリンジ筺体161の基端部側の外周面には原点位置側開口部211が設けられている。この原点位置側開口部211には、圧力調整器178経由でボンベ179に接続される流体チューブ176が接続されている。
そして、本変形例では内視鏡本体102の湾曲部106の湾曲操作時に、圧力調整器178は湾曲部106が湾曲を開始する直前の圧力P0に調整されている。ここで、ピストン162が原点位置にある時は常にシリンジ筺体161内の内圧はP0の圧力状態になるようになっている。
また、湾曲部106の湾曲操作時にシリンジ筺体161内のピストン162が前進すると、このピストン162によって原点位置側開口部211が閉じる。
したがって、本変形例の構成では、第10の実施の形態で使用した電磁弁177を省略してシリンジポンプ内に予圧を与える機構を設けることができるので、内視鏡装置のシステム全体を小型化できる効果がある。
なお、第10の実施の形態のシリンジユニット151の駆動機構部163は回転モーター164とリニア変換ギアを備えた直動機構166との組み合わせに限定されるものではなく、リニアモーターでも良い。
また、図37乃至図42は本発明の第11の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第8の実施の形態(図25(A),(B)乃至図27参照)の内視鏡装置101におけるドラム120部分の構成を次の通り変更したものである。なお、これ以外の他の部分の構成は第8の実施の形態と同様であり、図37乃至図42中で、第8の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、図37では図25(A)の操作部118は省略されている。
すなわち、本実施の形態では図38に示すように第8の実施の形態の内視鏡装置101におけるドラム120の内部に、流体圧アクチュエータ109の4つの圧力室15にそれぞれ連結された流体供給チューブ110内の圧力を強制的に大気圧に開放する一括開放バルブ221が設けられている。さらに、ドラムふた124には、この一括開放バルブ221を作動させる一括開放ボタン222が設けられている。
また、図38はドラム120の内部構造とドラムふた124の構成を示している。ここで、一括開放バルブ221はドラム120の内部空間を左右に仕切る中間壁223に取り付けられている。この一括開放バルブ221はバルブユニット114に連結された流体供給チューブ110の中途部に介設されている。さらに、一括開放ボタン222は、ドラムふた124がドラム120に取り付けられた時に、一括開放バルブ221の位置と対応する位置に配置されている。
また、図39(A),(B)に示すように一括開放バルブ221には中間壁223に固定された固定部224と、この固定部224に対して開閉可能に連結された可動部225とが設けられている。ここで、可動部225の一端部(図39(A),(B)中で上端部)は回動軸226を中心に固定部224に回動可能に連結されている。さらに、可動部225の下端部には固定部224の下端部よりも下方に延出されたボタン受部225aが形成されている。
また、ドラムふた124には一括開放ボタン222の軸部227を軸方向に移動可能に挿通可能な挿通孔228が形成されている。この挿通孔228は一括開放バルブ221における可動部225のボタン受部225aと対応する位置に配置されている。
さらに、一括開放バルブ221には可動部225を固定部224側に押圧する状態に常時付勢するバネ229と、図40(A)に示すように中間壁223に固定されたバネ押さえ230とが設けられている。このバネ229は一括開放バルブ221における可動部225のボタン受部225aを挟んでドラムふた124の挿通孔228と対応する位置に離間対向配置されている。
そして、このバネ229のばね力によって一括開放バルブ221の可動部225は固定部224側に当接させる状態(一括開放バルブ221の閉鎖位置)に常時付勢されている。このとき、一括開放ボタン222は図39(A)に示すようにドラムふた124の外側に突出された状態で保持されている。
また、一括開放ボタン222の押し込み操作時には図39(B)に示すようにドラムふた124の挿通孔228に挿通された一括開放ボタン222の軸部227が軸方向に移動する。そのため、この一括開放ボタン222の軸部227からの押圧力によってバネ229を圧縮しながら一括開放バルブ221の可動部225を回動軸226を中心に回転させ、一括開放バルブ221の可動部225を固定部224から離れた開放状態(一括開放バルブ221の開放位置)に移動させるようになっている。
また、一括開放バルブ221の固定部224および可動部225の内部には湾曲部106の4つの湾曲方向の各流体供給チューブ110にそれぞれ連結された4つの中間流路231が設けられている。
図40(A)は1つの湾曲方向の流体供給チューブ110に連結された一括開放バルブ221内の中間流路231の連結状態を示すものである。ここで、中間流路231には固定部224と中間壁223に一体に形成されている固定部側流路231aと、可動部225に形成された可動部側流路231bとが設けられている。
また、可動部225には可動部側流路231bの一端部に連結された第1のチューブ連結部232が突設されている。この第1のチューブ連結部232には流体供給チューブ110が連結されている。さらに、可動部225における固定部224との当接面には可動部側流路231bの他端部に連結された連結口部233が形成されている。
また、固定部224には可動部225との当接面に固定部側流路231aの一端部に連結された流路連結部234が形成されている。そして、図39(A)に示すように固定部224と可動部225とが当接されている状態では固定部224の流路連結部234に可動部225の連結口部233が着脱可能に連結されるようになっている。
さらに、図40(A)に示すように中間壁223には固定部側流路231aの他端部に連結された第2のチューブ連結部235が形成されている。この第2のチューブ連結部235には流体供給チューブ110におけるバルブユニット側チューブ236の一端部が連結されている。このバルブユニット側チューブ236の他端部はバルブユニット114に接続されている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では通常の使用時には図39(A)に示すように一括開放バルブ221が閉じている状態で保持される。この状態では図40(A)に示すように固定部224の流路連結部234に可動部225の連結口部233が連結されているので、固定部224と中間壁223の固定部側流路231aと、可動部225の可動部側流路231bとが連結状態で保持される。そのため、中間壁223、固定部224、可動部225内の流路231は通じているので、バルブユニット114側からのガスは流体圧アクチュエータ109側へと供給可能である。
また、一括開放ボタン222が押し込み操作された場合には図39(B)に示すようにこの一括開放ボタン222の軸部227からの押圧力によってバネ229を圧縮しながら一括開放バルブ221の可動部225が固定部224から離れた開放位置に移動される。そのため、固定部224の流路連結部234から可動部225の連結口部233が引き離されるので、固定部224と中間壁223の固定部側流路231aと、可動部225の可動部側流路231bとの間の連結が切断される。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では制御回路116やバルブユニット114の故障などで、過剰なガスが流体圧アクチュエータ109に供給された場合には、一括開放ボタン222を押し込み操作して一括開放バルブ221を作動させることにより、強制的に流体供給チューブ110内の圧力を大気圧に開放することができる。そのため、制御回路116やバルブユニット114の故障などで、過剰なガスが流体圧アクチュエータ109に供給される状態で放置される場合のように流体圧アクチュエータ109やその他の部分が破壊されることを防止することができ、過剰なガスが流体圧アクチュエータ109に供給されることによって発生する様々なダメージを最小限に抑えることが可能である。したがって、故障時に内視鏡本体102におよぼす影響を最小限に抑えることができる効果がある。
また、図40(B)は第11の実施の形態の内視鏡装置101における流体供給源111の構成を示している。なお、図40(B)では前述の一括開放バルブ221は省略してある。
第11の実施の形態では、バルブユニット114内の各湾曲方向別の流路切換え機構部115A〜115Dと流体供給チューブ110との間に各チューブ110内の圧力を検出する圧力センサ237をそれぞれ設けたものである。本圧力センサ237は制御回路116に電気的に接続されている。そして、各圧力センサ237からの信号は制御回路116に伝達される。
また、図41(A)は1つの湾曲方向(UP方向)の流体供給チューブ110に連結された圧力センサ237と流路切換え機構部115Aの部分の詳細図である。ここで、流路切換え機構部115Aの2個の電磁バルブ115a,115bは第8の実施の形態でも説明した通り、3ポート型の電磁弁からなる。
そして、電磁バルブ115aと電磁バルブ115bとがONのとき、流体圧アクチュエータ109によって湾曲部106は湾曲し、電磁バルブ115aと電磁バルブ115bとがOFFのとき、流体圧アクチュエータ109によって湾曲部106の湾曲は保持される。さらに、一方の電磁バルブ115aがOFFで、他方の電磁バルブ115bがONの時、流体圧アクチュエータ109内の対応している圧力室15は開放され、流体圧アクチュエータ109によって湾曲部106の湾曲は元の初期形状(湾曲していない形状)に戻る。
また、図42は圧力センサ237の検出圧力Pと、1つの湾曲方向(UP方向)の流路切換え機構部115Aの2個の電磁バルブ115a,115b(バルブAとバルブB)の動作状態と、湾曲部106の湾曲角度θとの関係を表わすグラフである。
そして、湾曲部106が1つの湾曲方向(UP方向)に湾曲される場合には次の動作が行われる。図42に示すように、まず、湾曲角度0の状態のt1時点で、電磁バルブ115a、電磁バルブ115bともONにすると、ボンベ112からガスが送られ、流体圧アクチュエータ109内の圧力室15内の圧力Pが上昇し始める。
ここで、圧力が上昇し始めてからしばらくは湾曲部106の湾曲は開始せず、時間Δtが経過したt2時点で、圧力が湾曲開始圧力Paを超える(図42中の点A)と、湾曲部106は湾曲を開始する。
そのまま送気を続けると、流体圧アクチュエータ109内の圧力室15内の圧力Pの上昇と共に湾曲部106の湾曲動作は進行して行く。そして、センサ237の検出する圧力Pが設定されている許容最大圧力Pb(図42中の点D)を超えるt3時点で、制御回路116によって自動的に電磁バルブ115a、電磁バルブ115bがともにOFFになる。これにより、圧力上昇は止まり、湾曲部106の湾曲は保持される。
その後、しばらくしてt4時点で、操作によって電磁バルブ115bのみをONにすると、流体圧アクチュエータ109内の圧力室15内の圧力が開放され始め、湾曲角度も多少の遅れをもって減少し始める。
さらに、流体圧アクチュエータ109の圧力室15内の圧力が減少し、圧力センサ237の検出圧力が湾曲開始圧力Paを下回ったt5時点(図42中の点B)で、再び両バルブ115a、115bがOFFになる。そのため、ガスの供給が停止され、流体圧アクチュエータ109および流体供給チューブ110内のガス圧が保持される。このときの圧力は湾曲開始圧Paよりも低いため、湾曲部106は多少遅れながらも元の角度0の近傍まで戻る。
その後、t6時点で再び湾曲させようと両バルブ115a、115bをONにする(図42中の点C、点C′)。このとき、さきに流体圧アクチュエータ109内にガスが保持されているため、すぐに湾曲開始圧力Paを超えるので、湾曲開始が迅速に行われる。
このように、湾曲部106の湾曲を戻す時に流体圧アクチュエータ109および流体供給チューブ110の内部のガスを湾曲開始圧力Paの近辺に保持しておくことで、通常ならば湾曲部106の湾曲開始に時間Δtかかる所を、すばやく湾曲部106の湾曲動作を開始させることができる。
また、流体圧アクチュエータ109内の圧力室15内の圧力Pの許容最大圧力Pbを設定することによって、過度な圧力が流体圧アクチュエータ109に作用して、流体圧アクチュエータ109あるいはその周辺を破壊してしまうことを回避させることができる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では流体供給チューブ110内の圧力を検出する圧力センサ237を設け、湾曲部106の湾曲開始圧Paと許容最大圧力Pbとを設定することによって、迅速に湾曲部106の湾曲動作を開始させることができると同時に、過剰圧力供給の防止が可能である。
なお、本実施の形態の一括開放バルブ221を設ける構成は、本実施の形態のように流体圧供給源109にボンベ112を用いる方式に適用されるだけではなく、第8の実施の形態(図25(A),(B)乃至図27参照)のようなシリンジユニット151を用いる方式でも良い。この場合も、本実施の形態と同様に制御回路116や、シリンジユニット151の故障による暴走時に強制的に流路内の圧力を大気圧に開放することができる。
また、本実施の形態の一括開放バルブ221は一括開放ボタン222を押している間だけこの一括開放バルブ221を開く構成であるが、一括開放ボタン222を押した状態で係止するクリックアクション機構を設け、一度、一括開放ボタン222を押せば、クリックアクション機構によってその状態を係止して、一括開放バルブ221を開き続ける構成にしても良い。
さらに、バルブユニット114内の各湾曲方向別の流路切換え機構部115A〜115Dと流体供給チューブ110との間に各チューブ110内の圧力を検出する圧力センサ237に代えて、図41(B)に示すように流量センサ238を設けても良い。この場合の作用としては圧力センサ237の場合と略同様である。ただし、本変形例では、第11の実施の形態の圧力センサ237による圧力検出を供給流量(供給流量から排気流量を引いた値)に変更し、さらに図42中の許容最大圧力Pbは許容最大流量となり、湾曲開始圧力Paは湾曲開始流量となり、大気圧は流量0となる。
また、図43(A),(B)乃至図46は本発明の第12の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第8の実施の形態(図25(A),(B)乃至図27参照)の内視鏡装置101の内視鏡本体102の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態の内視鏡本体102には図43(A),(B)に示すように挿入部104における可撓管部105の中途部に複数の流体供給口体241が設けられている。これらの流体供給口体241は可撓管部105の内部で流体供給チューブ110とそれぞれ接続されている。
また、複数の流体供給口体241は可撓管部105に例えば5m間隔で(可撓管部105に5m毎に)1つの流体供給口体241が配置されている。なお、可撓管部105に1つの流体供給口体241を設ける構成にしてもよい。
さらに、本実施の形態には図43(B)に示すようにバルブユニット114と流体供給チューブ110との間に切り替え弁242が介設されている。この切り替え弁242はドラム120内に設けられている。
また、切り替え弁242には補助チューブ243の一端部が連結されている。そして、切り替え弁242の操作によってバルブユニット114と流体供給チューブ110とを連通させる状態と、あるいはバルブユニット114と補助チューブ243とを連通させる状態とを切り替えることができるようになっている。
さらに、ドラムふた124には切り替え弁242の切り替えスイッチ244が配設されている。この切り替えスイッチ244には切り替え弁242が接続されている。そして、切り替えスイッチ244を操作することによって切り替え弁242を切り替え操作してバルブユニット114と流体供給チューブ110とを連通させる状態と、バルブユニット114と補助チューブ243とを連通させる状態とを選択することができる。
また、補助チューブ243の他端部には流体供給コネクタ245が連結されている。この流体供給コネクタ245は可撓管部105の各流体供給口体241に選択的に着脱可能に連結されるようになっている。
また、流体供給口体241は図44(A)に示すように略円筒形状に形成されている。この流体供給口体241の外径寸法は挿入部104の可撓管部105と略同径に設定されている。
さらに、この流体供給口体241には可撓管部105内に配設された流体供給チューブ110と同数の4つの供給穴246が形成されている。そして、各供給穴246は流体供給口体241の内部で流体供給チューブ110とそれぞれ連通可能になっている。
また、流体供給口体241の各供給穴246と流体供給チューブ110との連結部分には逆止弁247が装着されている。そして、流体供給口体241の各供給穴246と流体供給チューブ110との連結部分は通常は逆止弁247によって閉じて流体供給チューブ110と各供給穴246との間が閉鎖されている。
また、流体供給コネクタ245は図44(B)に示すように円筒体を略半円形の断面形状の2つのコネクタ構成体245a、245bに2分割されている。これらのコネクタ構成体245a、245bは一端部間が蝶番248によって回動可能に連結されている。
さらに、2つのコネクタ構成体245a、245bの他端部側の端縁部には図示しない磁石が取付けられている。そして、図45(A)に示すように2つのコネクタ構成体245a、245b間が閉じた状態では、2つのコネクタ構成体245a、245bの他端部側の接合面間が図示しない磁石の磁力によって吸着固定されるようになっている。
また、流体供給コネクタ245の管壁には図45(B)に示すように補助チューブ243と同数の4つの流路249が形成されている。そして、各流路249の基端部には補助チューブ243がそれぞれ連結されている。
また、流体供給コネクタ245の内周面には細管状の4本の供給ピン250が内部側に向けて突設されている。各供給ピン250の基端部には流体供給コネクタ245の各流路249の先端部が連結されている。
さらに、各供給ピン250の外径寸法は流体供給口体241の各供給穴246の穴径と略同径に設定されている。また、各供給ピン250の先端部分にはガス供給用のピン穴251が形成されている。
そして、流体供給口体241が可撓管部105のいずれかの流体供給口体241に連結された場合には図45(A),(B)に示すように流体供給口体241と流体供給コネクタ245との間が組み付けられるようになっている。このとき、流体供給コネクタ245の各供給ピン250は図45(B)に示すように流体供給口体241の各供給穴246に挿脱可能に挿入されて嵌合されるようになっている。さらに、この嵌合時には供給ピン250の先端部は流体供給口体241の各供給穴246から逆止弁247に当接し、図46に示すようにこの逆止弁247が流体供給チューブ110の内側に押し倒される状態で、流体供給チューブ110の内部に挿入されるようになっている。
また、供給ピン250が流体供給チューブ110に挿入されると、この供給ピン250によって流体供給チューブ110内は塞がれてシールされるようになっている。さらに、流体供給チューブ110内への挿入時には供給ピン250のピン穴251は湾曲部106側を向いている状態に設定されている。そのため、ピン穴251から供給されるガスは流体供給チューブ110内における湾曲部106側の流路に供給されるようになっている。このとき、流体供給チューブ110内における手元側の流路にはピン穴251から供給されるガスが流入しないようになっている。
そして、流体供給口体241が可撓管部105のいずれかの流体供給口体241に連結された場合には流体供給口体241、流体供給コネクタ245、補助チューブ243、切り替え弁242内の流路は4つの湾曲方向の各流体供給チューブ110に対応してそれぞれ独立に形成されるようになっている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の内視鏡装置101の使用時にはドラムふた124の切り替えスイッチ244を操作することによって切り替え弁242を切り替え操作してバルブユニット114と流体供給チューブ110とを連通させる状態と、バルブユニット114と補助チューブ243とを連通させる状態とが選択される。そして、バルブユニット114と流体供給チューブ110とを連通させる状態が選択された場合には内視鏡本体102の湾曲部106が湾曲操作された際に、ボンベ112からバルブユニット114を経由して供給されるガスは流体供給チューブ110を通って挿入部104の後端側から先端側の流体圧アクチュエータ109に送られる。
ここで、挿入部104の全長がたとえば数10m程度に長い場合には、流体供給チューブ110も同様に長くなる。そのため、ガスを送る距離が長くなるので、圧力の伝達遅れが生じるおそれがある。このように圧力の伝達遅れが大きくなる場合には、手元側の操作部118のジョイスティック127で湾曲操作しても先端にある湾曲部106が実際に湾曲するまでに時間がかかってしまい、タイムラグにより、応答性・制御性が低下するおそれがある。
また、挿入部104の全長が短く、圧力の伝達距離が短いほど、応答性・制御性は良くなる。しかしながら、挿入部104の後端側からガスを供給している以上、ドラム120から引き出されて実際に使用する挿入部104の長さが例えば数m程度で短く、残りの部分はドラム120に巻き付けられたままだとしても、流体圧アクチュエータ109に送られるガスは挿入部104の全長を経由することになる。
そこで、本実施の形態では切り替えスイッチ244によってバルブユニット114と補助チューブ243とを連通させる状態に切り替え弁242を切り替え操作することにより、挿入部104よりも長さが短い補助チューブ243を経由して流体圧アクチュエータ109にガスを供給することができる。
図43(B)は本実施の形態の流体供給コネクタ245の使用状態を説明する概略図である。すなわち、本実施の形態では、挿入部104の途中に複数の流体供給口体241を設け、使用する長さに合わせて流体供給口体241を選択し、そこに流体供給コネクタ245を接続することで、挿入部104よりも長さが短い補助チューブ243を経由して流体圧アクチュエータ109にガスを供給することができる。そのため、ガスの供給距離を実際に使用する挿入部104の長さ程度にまで短くすることが可能である。このように、実際に使用する際の挿入部104の長さが短い場合には、ガスの供給距離も短くて済むため、湾曲部106が湾曲操作時の応答性・制御性を大幅に向上させることができる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では切り替えスイッチ244によってバルブユニット114と補助チューブ243とを連通させる状態に切り替え弁242を切り替え操作する。この状態で、使用する挿入部104の長さに合わせて流体供給口体241を選択し、そこに補助チューブ243の流体供給コネクタ245を接続することで、挿入部104よりも長さが短い補助チューブ243を経由して流体圧アクチュエータ109にガスを供給することができる。そのため、ドラム120から引き出されて実際に使用する実使用時の挿入部104の長さに合わせて流体供給経路を短くできるので、湾曲部106が湾曲操作時の湾曲応答性および制御性を向上させることができる効果がある。
また、図47は第12の実施の形態(図43(A),(B)乃至図46参照)の変形例を示すものである。第12の実施の形態では流体供給コネクタ245は補助チューブ243と接続されているだけで、キャリングケース103からある程度引き出すことができたが、本変形例では流体供給コネクタ245をキャリングケース103のスコープ取り出し口122に固定したものである。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では流体供給コネクタ245をキャリングケース103と一体化することにより、取り扱いが容易になる。
なお、本実施の形態は、流体供給源にボンベ112とバルブユニット114を使用する構成ではなく、第9の実施の形態(図30参照)のようにシリンジユニット151を用いる構成でも良い。
また、図48乃至図50(A)は本発明の第13の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第8の実施の形態(図25(A),(B)乃至図27参照)の内視鏡装置101における内視鏡本体102の湾曲部106の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態の湾曲部106には図50(A)に示すようにシリコン樹脂製マルチルーメンチューブ261が設けられている。このマルチルーメンチューブ261は、円筒体の中央ルーメン261aの周囲の管壁に複数、本実施の形態では4つのルーメン261b,261c,261d,261eが周方向に略等間隔に配設されている。
さらに、中央ルーメン261aの内部には図49に示すように内側密巻コイル266が配置され、その内部にCCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵物267が挿通されている。
また、本実施の形態では、4つのルーメン261b〜261eの断面形状は図50(A)に示すように偏平なスリット形状に形成されている。さらに、各ルーメン261b〜261eのスリットの両端部には応力緩和のための丸み部269が形成されている。
また、マルチルーメンチューブ261の4つの偏平なスリット形状ルーメン261b,261c,261d,261eの前後の両端部はシリコンの充填剤で封止されてUP、DOWN、RIGHT、LEFTの4つの湾曲方向にそれぞれ対応させた4つの圧力室15が形成されている。さらに、各圧力室15の後端側では流体供給用のチューブ268がそれぞれ接続された状態で封止されている。
また、図49に示すように湾曲部106のマルチルーメンチューブ261の外側には外側密巻コイル262、ゴムチューブ263、網管264を順次積層させた積層構造体265が被せられている。なお、マルチルーメンチューブ261の外側の積層構造体265は、ゴムチューブ263、外側密巻コイル262、網管264の順序で配置しても良い。
そして、任意の圧力室15に流体が供給されると、その圧力室15が膨張し、外側密巻コイル262、網管264の作用により圧力室15は径方向の膨張が抑えられ、軸方向に伸長する。これにより、湾曲部106は、膨張した圧力室15とは反対の方向に湾曲するようになっている。なお、圧力室15へ供給する流体の圧力によって、湾曲部106の湾曲量は制御可能である。さらに、複数の圧力室15の圧力バランスによって、図48に示すように全方位どの方向でも湾曲部106を湾曲させることができる。
また、本実施の形態の内視鏡本体102の挿入部104は全長が10m以上ある。そして、本実施の形態の内視鏡本体102の使用時には検査対象に応じて必要な長さだけ挿入部104をキャリングケース103から引き出して使用する。
さらに、検査対象の管腔内に内視鏡本体102の挿入部104を挿入する作業中、内視鏡本体102の先端構成部107の撮像機能部108によって検査対象の管腔内の内視鏡検査像が得られる。そのため、操作者は湾曲操作装置のモニタで内視鏡検査像を見ながら、ジョイスティックで所望の方向に湾曲指令を出す。このとき、内視鏡本体102の湾曲部106の作用は第8の実施の形態と同様であり、上述したように全方向に任意の湾曲が可能である。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態のマルチルーメンチューブ261では4つの湾曲方向にそれぞれ対応させた4つの圧力室15を形成する4つのルーメン261b〜261eの断面形状を図50(A)に示すように偏平なスリット形状に形成し、各ルーメン261b〜261eのスリットの両端部に応力緩和のための丸み部269を形成している。そのため、実用上、充分な耐久性が選られるマルチルーメンチューブ261の肉厚を確保しつつ、このマルチルーメンチューブ261の外径寸法を目的のサイズまで細径化することができる。
一般に、工業用内視鏡システムでは、内視鏡挿入部105の外径寸法は細いことが望まれる。具体的には内視鏡挿入部105の外径寸法を6mm程度に設定した場合には、適用できる被検査対象が多くなる。そのため、湾曲部106に使用するマルチルーメンチューブ261も外径寸法を4〜5mm程度の設定値で実現する必要がある。そして、本実施の形態のマルチルーメンチューブ261では上述したように実用上、充分な耐久性が選られるマルチルーメンチューブ261の肉厚を確保しつつ、このマルチルーメンチューブ261の外径寸法を目的のサイズまで細径化することができる。
これに対して、図50(B)に示す従来のマルチルーメンチューブMでは中央ルーメンMaの周囲の管壁の4つのルーメンMb,Mc,Md,Meは断面形状が略楕円形の貫通孔で形成されている。このような略楕円形の断面形状の従来のルーメンMb,Mc,Md,Meの圧力室形状が形成されているマルチルーメンチューブMの外径寸法を前述の設定値で実現した場合には、必然的にマルチルーメンチューブMの肉厚を薄くせざるを得ない。その結果、従来のマルチルーメンチューブMでは膨張収縮を繰り返すマルチルーメンチューブの耐久性を実用に充分なほど確保できない問題がある。
したがって、本実施の形態のマルチルーメンチューブ261のように4つの湾曲方向の各圧力室15を形成する4つのルーメン261b〜261eの断面形状を図50(A)に示すように偏平なスリット形状に形成し、各ルーメン261b〜261eのスリットの両端部に応力緩和のための丸み部269を形成することにより、マルチルーメンチューブ261の細径化を実現することができ、細いタイプの内視鏡の実現に有効である効果がある。
また、図51および図52は本発明の第14の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第13の実施の形態(図48乃至図50(A)参照)の内視鏡装置101における内視鏡本体102の湾曲部106の構成をさらに次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態のマルチルーメンチューブ261の全長は湾曲部106の長さの数倍程度に設定されている。そして、マルチルーメンチューブ261は先端部分のみが湾曲部106の内部に配置され、残りの部分は可撓管部105内に挿入されている。ここで、可撓管部105を構成する挿入管は被伸展構造になっている。
また、このマルチルーメンチューブ261の基端側では流体圧アクチュエータ109の各圧力室15に流体供給用のチューブ268がそれぞれ接続されている。そして、各圧力室15から流体が漏れないように封止されている。
また、湾曲部106の湾曲操作時には流体供給用のチューブ268から本実施の形態の流体圧アクチュエータ109の湾曲方向の圧力室15に圧力流体が供給される。この場合、圧力室15はマルチルーメンチューブ261の全長に渡って膨張しようとするが、可撓管部105内に配置されている部分は被伸展構造である可撓管部105の挿入管に抑えられて、膨張しない。従って、マルチルーメンチューブ261内の圧力室15の全長のうち、実際に膨張する部分は、このマルチルーメンチューブ261の先端側の湾曲部106の部分のみとなる。
また、本実施の形態の湾曲部106の構造ではマルチルーメンチューブ261の膨張により湾曲させているため、マルチルーメンチューブ261の肉厚を充分確保していても、チューブ材質の経年劣化や、不測の要因により圧力室15がパンクすることがあり得る。そして、本実施の形態の湾曲部106の構成によれば、圧力室15がパンクした際にも、煩雑な分解作業を行なうことなしに、湾曲部106のマルチルーメンチューブ261の交換が可能になっている。
次に、湾曲部106のマルチルーメンチューブ261の交換の手順を図51および図52を参照して説明する。すなわち、この湾曲部106のマルチルーメンチューブ261の交換作業時には次の(1)〜(7)の各工程が順次、行われる。
(1)内視鏡本体102の先端構成部107と、湾曲部106との接続を解除し、図51に示すように先端構成部107をCCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵物267と共に湾曲部106から軸方向にずらして引き離す。
(2)湾曲部106の外側密巻コイル262、ゴムチューブ263、網管264を順次積層させた積層構造体265をマルチルーメンチューブ261から軸方向にずらして引き離すとともに、内側密巻コイル266も同様にマルチルーメンチューブ261から軸方向にずらして引き離す。
(3)剥ぎ出しになったマルチルーメンチューブ261のパンク部分271を含む先端部分272を切断する。このとき、CCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵物267を傷つけないように切断する。その後、図51に示すように切断されたマルチルーメンチューブ261のパンク部分271を含む先端部分272の一部を切開し、この先端部分272をCCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵物267から取り外す。
(4)図52に示すように可撓管部105の挿入管内からマルチルーメンチューブ261の残りの部分を湾曲部106の長さに合わせて前方に引き出す。
(5)前方に引き出されたマルチルーメンチューブ261の各圧力室15の先端側を封止する。
(6)外側密巻コイル262、ゴムチューブ263、網管264を順次積層させた積層構造体265をマルチルーメンチューブ261に被せる。
(7)内視鏡本体102の先端構成部107と、湾曲部106とを接続する。
そこで、本実施の形態の湾曲部106の構成では上記手順の湾曲部106のマルチルーメンチューブ261の交換作業によって湾曲部106のマルチルーメンチューブ261を交換することができる。そのため、CCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵物267の接続を外す必要がないので、内視鏡本体102の湾曲部106の補修性が向上する効果がある。
また、図53(A)〜(C)は本発明の第15の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第13の実施の形態(図48乃至図50(A)参照)の内視鏡装置101における内視鏡本体102の湾曲部106の構成をさらに次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では図53(A)に示すように湾曲部106の全長と略同じ長さのマルチルーメンチューブ261が複数個、本実施の形態では3つのマルチルーメンチューブ261A,261B,261Cが設けられている。そして、1つのマルチルーメンチューブ261Aは湾曲部106に配設され、残りのマルチルーメンチューブ261B,261Cは可撓管部105を構成する挿入管内に予備として直列に収納されている。
また、湾曲部106に配置されるマルチルーメンチューブ261Aには、4つの湾曲方向の各圧力室15の後端側に流体供給用のチューブ268が接続されている。さらに、各圧力室15の前後は封止されている。
なお、湾曲部106のマルチルーメンチューブ261Aの外側に被嵌される外側密巻コイル262、ゴムチューブ263、網管264を順次積層させた積層構造体265は第13の実施の形態と同じである。さらに、CCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵物267は予備のマルチルーメンチューブ261B,261Cの中央ルーメン261aの内部に挿通され、流体供給用のチューブ268は中央ルーメン261aの周囲の4つのルーメン261b,261c,261d,261eにそれぞれ挿通されている。
次に、本実施の形態の湾曲部106の構造でのマルチルーメンチューブ261の交換の手順を図53(B)、(C)を参照して説明する。すなわち、この湾曲部106のマルチルーメンチューブ261の交換作業時には次の(1)〜(7)の各工程が順次、行われる。
(1)内視鏡本体102の先端構成部107と、湾曲部106との接続を解除し、図53(B)に示すように先端構成部107をCCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵物267と共に湾曲部106から軸方向にずらして引き離す。
(2)湾曲部106の外側密巻コイル262、ゴムチューブ263、網管264を順次積層させた積層構造体265をマルチルーメンチューブ261Aから軸方向にずらして引き離すとともに、内側密巻コイル266も同様にマルチルーメンチューブ261Aから軸方向にずらして引き離す。
(3)剥ぎ出しになったマルチルーメンチューブ261Aの一部を切開し、CCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵物267から取り外す。さらに、マルチルーメンチューブ261Aの各圧力室15の後端側に連結された流体供給用のチューブ268を切断する。
(4)図53(C)に示すように可撓管部105の挿入管内からマルチルーメンチューブ261Bを前方に引き出す。
(5)マルチルーメンチューブ261Bの各圧力室15の先端側を封止する。また、このマルチルーメンチューブ261Bの各圧力室15の後端側にチューブ268を接続して封止する。
(6)外側密巻コイル262、ゴムチューブ263、網管264を順次積層させた積層構造体265をマルチルーメンチューブ261Bに被せるとともに、内側密巻コイル266を嵌める。
(7)内視鏡本体102の先端構成部107と、湾曲部106とを接続する。
そこで、本実施の形態の湾曲部106の構成では上記手順の湾曲部106のマルチルーメンチューブ261Aの交換作業によって湾曲部106のマルチルーメンチューブ261Aを交換することができる。そのため、CCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵物267の接続を外す必要がないので、内視鏡本体102の湾曲部106の補修性が向上する効果がある。
また、図54および図55は本発明の第16の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第13の実施の形態(図48乃至図50(A)参照)の内視鏡装置101における内視鏡本体102の湾曲部106の構成をさらに次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態はマルチルーメンチューブ261の中央ルーメン261a内に挿通されているCCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵物267を保護する緩衝部材281を設けたものである。この緩衝部材281は図54に示すようにウレタンや、シリコン材料などの衝撃吸収性の高い材料でマルチルーメン状に形成されている。さらに、この緩衝部材281の各ルーメン282には切れ目281が形成されている。
そして、この緩衝部材281の切れ目281からCCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵物267を各ルーメン282に嵌め込むことができる。その後、この緩衝部材281がマルチルーメンチューブ261の中央ルーメン261a内に収納されるようになっている。
そこで、本実施の形態では緩衝部材281を内側密巻コイル266の代わりに用いることができるので、湾曲部106に予期せぬ大きな外力がかかって、湾曲部106が潰れた時でもマルチルーメンチューブ261の中央ルーメン261a内に収納されているCCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵物267の保護が可能である。
また、第14,第15の各実施の形態で示したマルチルーメンチューブ261の交換手順にも影響を与えないので、湾曲部106のマルチルーメンチューブ261の交換作業は簡易である。
また、図56は第16の実施の形態(図54および図55参照)の湾曲部106の構造の変形例を示す。本変形例では内視鏡本体102の先端構成部107と、湾曲部106の前端部との間が前側口金291を介して接続されるとともに、湾曲部106の後端部と、可撓管部105を構成する挿入管の前端部との間が後ろ側口金292を介して接続されている。
さらに、湾曲部106の積層構造体265のゴムチューブ263は両口金291,292を完全に覆うように先端構成部107と、可撓管部105とにそれぞれ固定されて、内視鏡本体102の水密を保っている。なお、図56中では積層構造体265の外側密巻コイル262と、網管264は省略されている。また、後ろ側の口金292にはゴムチューブ263の内側に開口する孔293が設けられている。
そして、本変形例では湾曲部106を水に浸積した状態で、内視鏡本体102の内部に手元側から空気を送り込むことにより、後ろ側の口金292の孔293を通じてゴムチューブ263の内部に空気が回り込むので、ゴムチューブ263にピンホールが存在する場合は、湾曲部106の表面より気泡が発生する。そのため、この湾曲部106の表面からの気泡の発生を確認することにより、ゴムチューブ263にピンホールが生じた状態の検査を行なえる。
また、図57は第8の実施の形態(図25(A),(B)乃至図27参照)の内視鏡装置101におけるドラム120の内部構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本変形例ではドラム120の内部に配置された流体圧装置(第8の実施の形態ではボンベ112とバルブユニット114、第9の実施の形態(図30参照)ではシリンジユニット151のシリンジポンプ)と、マルチルーメンチューブの圧力室15に連結された流体供給チューブ110との間に長さ調整用チューブ301を介設したものである。この長さ調整用チューブ301は使用目的に応じて各種の長さのものが適宜、交換可能である。
なお、工業用内視鏡では通常、内視鏡本体102の挿入部104の全長が10m以上であり、例えば10m,15m,20mといくつかの長さの機種がある。そして、湾曲部106の流体圧アクチュエータ109の各圧力室15への圧力伝達に使用される湾曲駆動流体として気体を使用している場合には流体供給チューブ110の長さが変わると、伝達の時間遅れがそれぞれ異なる。例えば、図20で説明した補正回路の設定は、流体供給チューブ110の長さが変わると異なる値にしなければならない。
そこで、本変形例の構成では、内視鏡本体102の挿入部104の全長が最も長い内視鏡の機種に合わせて補正回路を設定しておくことにより、短い長さの内視鏡の機種を接続して使用する場合には、最長の内視鏡の機種との長さの差分の長さ調整用チューブ301に交換して使用する。その結果、補正回路の設定を変えなくても、常に最長の内視鏡の機種と同じ操作性を得ることができる。
さらに、本変形例の長さ調整用チューブ301はコイル状に成形しておくことで、ドラム120内にもコンパクトに収納できる。
また、図58は第8の実施の形態(図25(A),(B)乃至図27参照)の内視鏡装置101におけるドラム120の内部構成の変形例を示すものである。すなわち、本変形例では、ドラム120に内蔵されるボンベ112内に充填されるガスとして窒素ガスを使用した窒素ガスボンベ112が使用されている。さらに、この窒素ガスボンベ112の周囲にはヒータ311が巻き付けられている。このヒータ311は制御回路116内のヒータ駆動回路312に接続されている。そして、ヒータ311の温度は制御回路116内のヒータ駆動回路312によって制御される。
また、圧力調整器であるレギュレータ113は圧力センサを内蔵しているものを使用し、圧力値を常時、ヒータ駆動回路312にフィードバックされている。そして、制御回路116内のヒータ駆動回路312によってレギュレータ113の設定圧力を下回らないようにヒータ311の温度をコントロールするようになっている。
なお、ドラム120に内蔵されるボンベ112内に充填されるガスとして窒素ガスを使用した窒素ガスボンベ112では通常、窒素ガスはボンベ112内で液体窒素として存在する。このような窒素ガスボンベ112を使用すると、ボンベ112の吐出口部で液体窒素が気化する際に気化熱が奪われる為、ボンベ112の温度が低下する。このようにボンベ112の温度が下がると窒素の気化量が減少する為、窒素ガスの圧力が低下する。そのため、湾曲操作に必要な圧力が得られないおそれがある。
そこで、本変形例では制御回路116内のヒータ駆動回路312によってレギュレータ113の設定圧力を下回らないようにヒータ311の温度をコントロールするようにしたので、使用時にボンベ112の圧力が低下して、湾曲性能が劣化することを防げる。また、ボンベ112の使用時間を延ばせる効果がある。
なお、ヒータ311を使用せず、ボンベ112を断熱材で覆っても一定の効果を発揮する。
また、図59(A),(B)は本発明の第17の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第10の実施の形態(図31および図32(A),(B)参照)の内視鏡装置101における空気圧源のシリンジユニット151の構成をさらに次の通り変更したものである。
すなわち、内視鏡装置101における空気圧源として図59(A)に示すように2組のシリンジユニット321が設けられている。そして、本実施の形態のシリンジユニット321には図59(B)に示すようにユニットケース328の左右に連結された2つのシリンダ322a,322bと、ピストンユニット323とが設けられている。ここで、ピストンユニット323には螺旋状にネジ溝を切ってある雄ねじ部325の両端にゴム部材326a,326bが取り付けられている。そして、雄ねじ部325の先端のゴム部材326a,326bが各シリンダ322a,322bの中を動くことで各シリンダ322a,322bの中の空気を送り出すピストンが形成される構成になっている。
また、ユニットケース328の内部にはナット状の回転部材327がベアリング329を介して回転自在に軸支されている。この回転部材327の内周面にはピストンユニット323の雄ねじ部325に螺合するねじ穴部が形成されている。そして、回転部材327の回転にともない雄ねじ部325が軸方向にリニアに進退駆動されるボールねじ機構330が形成されている。さらに、回転部材327の一端部には歯車331が固定されて一体化されている。
また、ユニットケース328には駆動モータ332が固定されている。この駆動モータ332の回転軸には減速ギア333を介して駆動歯車334が連結されている。この駆動歯車334には回転部材327の歯車331が噛合されている。そして、モータ332の回転が減速ギア333を介して駆動歯車334に伝達され、この駆動歯車334によって回転部材327の歯車331が回転駆動される。このとき、歯車331と一体に回転部材327が回転駆動され、この回転部材327の回転にともない雄ねじ部325が軸方向にリニアに進退駆動される。これにより、雄ねじ部325の先端のゴム部材326a,326bが各シリンダ322a,322bの中を動くことで各シリンダ322a,322bの中の空気を送り出すようになっている。
また、各シリンダ322a,322bには各シリンダ322a,322b内を大気に開放する開放穴335が設けられている。そして、向き合う2つのシリンダ322a,322b間の中央位置にピストンユニット323の雄ねじ部325が移動した中立状態で、この開放穴335を通じて各シリンダ322a,322bの内部が大気に開放されるようになっている。
さらに、本実施の形態の2組のシリンジユニット321は図59(A)に示すように接続されている。ここで、1組のシリンジユニット321の一方のシリンダ322aの吐出口336aにはDOWN方向の流体供給チューブ337bが接続され、他方のシリンダ322bの吐出口336bにはUP方向の流体供給チューブ337aが接続されている。また、他の1組のシリンジユニット321にはRIGHT方向の流体供給チューブ337cと、LEFT方向の流体供給チューブ337dがそれぞれ同様に接続されている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では、モータ332を駆動して、シリンジユニット321のシリンダ322a,322b内で例えばピストンユニット323の雄ねじ部325を図59(B)中で右方向に移動させると右側のシリンダ322b内の空気が流体供給チューブ337aに送られる。このとき、DOWN方向の左側のシリンダ322a内は開放穴335から大気に開放されるので、湾曲部106はUP方向に湾曲される。
そこで、上記構成のものにあっては内視鏡装置101における空気圧源として図59(A)に示す2組のシリンジユニット321を設け、一方のシリンジユニット321にDOWN方向の流体供給チューブ337bと、UP方向の流体供給チューブ337aとをそれぞれ接続させ、他方のシリンジユニット321にはRIGHT方向の流体供給チューブ337cと、LEFT方向の流体供給チューブ337dとをそれぞれ同様に接続させたので、コンパクトでシンプルな構成で空気圧源を実現できる効果がある。
なお、第17の実施の形態のシリンジユニット321におけるシリンダ322a,322bのそれぞれの開放穴335に電磁弁を接続し、この電磁弁にボンベを接続した構成にしてもよい。
そして、本変形例ではモータ332を駆動する前に電磁弁を操作してボンベからの空気を湾曲方向のシリンダ322aまたは322bの中に空気を送り、補助予圧をかけた後に、ピストンユニット323を駆動して、湾曲部106を湾曲動作させるようになっている。そのため、本変形例では湾曲部106を湾曲動作させる際の湾曲動作の応答性向上を図れる効果がある。
また、図60は本発明の第18の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第17の実施の形態(図59(A),(B)参照)のシリンジユニット321の構成をさらに次の通り変更したものである。
すなわち、第18の実施の形態の駆動モータ332に代えて本実施の形態のシリンジユニット321では遊星ギア付きの小型モータ351を設けたものである。そして、このモータ351側の駆動歯車352が回転部材327の歯車331に噛合されている。なお、他の部分は第18の実施の形態と同様である。
そこで、本実施の形態では第18の実施の形態よりも一層の小型化を図れる効果がある。
また、図61および図62は本発明の第19の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1における湾曲部10の構成をさらに次の通り変更したものである。
すなわち、第1の実施の形態の湾曲部10の外側密着コイル24の代わりに本実施の形態では図61に示すように複数のリング部材361をマルチルーメンチューブ13の外側に配置したものである。この場合、例えば湾曲部10の先端側ほど前後のリング部材361間の間隔Lを広くする。
そして、本実施の形態では湾曲部10の湾曲動作を行うと、図62中に実線で示すように湾曲部10の先端側が大きく湾曲し、根元が小さく湾曲する。つまり湾曲部10の先端側の曲がりが大きくなる効果がある。そのため、図62に示すように細い管内に内視鏡本体2の挿入部8を挿入した際に、湾曲部10の長さが同じ場合、図62中に点線で示す通常の一般的な構成の湾曲部10の湾曲形状に比べて本実施の形態では湾曲部10の先端側を大きく曲げることができる。したがって、本実施の形態の内視鏡本体2の湾曲部10の湾曲時には図62に示すように細い管の内周壁面に対して、先端構成部11を正面から対面させる(対向配置させる)ことができるので、細い管の内周壁面を斜めから観察する場合に比べて高精度に管壁を検査できる効果がある。
なお、図62中に点線で示す通常の一般的な構成の湾曲部10では細い管内の管壁を正面から検査するためには、湾曲部10の長さを短くする必要がある。このように、湾曲部10の長さが短い場合には湾曲部10を大きく湾曲させることが難しくなり、湾曲部10の制御が難しくなる問題がある。そして、本実施の形態ではこれに比べて細い管の内周壁面を高精度に管壁を検査できる効果がある。
また、図63に示す本実施の形態の変形例のように前後のリング部材361の間に柔軟なゴム等でできているリング部材362を設けてリング部材361が移動しない構成にしてもよい。
なお、リング部材362を設けない場合は、リング部材361をマルチルーメンチューブ13の外側に接着等で固定してもよい。
さらに、他の湾曲部10の構成として、図64に示す変形例のように湾曲部10の外側から複数個のリング部材371を装着して、リング部材371の位置を自由に変える構成にしてもよい。ここで、例えば図61の場合と同じように湾曲部10の先端側ほど前後のリング部材371間の間隔Lを広く配置することにより、同様の効果が得られる。
また、図64のリング部材371の代わりに図65に示すように平板コイル372を湾曲部10の外側に設け、湾曲部10の先端側ほど前後のコイルリング間の間隔を広くしてもよい。
さらに、他の湾曲部10の構成として、第1の実施の形態の外皮チューブ22の代わりに図66(A),(B)に示す変形例の外皮チューブ381を設けてもよい。この外皮チューブ381には湾曲部10の先端側に配置される薄肉部381aと、湾曲部10の後端側に配置される厚肉部381bとが設けられている。
さらに、図66(C),(D)に示す別の変形例では長さが短い第1のチューブ382と、この第1のチューブ382よりも長い第2のチューブ383とを組み合わせて1つの外皮チューブ384を形成する構成になっている。ここで、湾曲部10の後端側に第1のチューブ382と第2のチューブ383とを重ね合わせた重ね合わせ部が配置され、湾曲部10の先端側には第2のチューブ383の先端部のみを延出させた単管部が配置されている。
したがって、図66(A),(B)の外皮チューブ381や、図66(C),(D)の外皮チューブ384でも第19の実施の形態(図61および図62参照)と同様の効果が得られる。
また、図67および図68は本発明の第20の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1におけるドラム12の構成をさらに次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態ではドラム12の支持脚部391に回転自在に支持されているドラム12の中央部にロータリージョイント部394を設けて、ドラム12が回転するときに、ロータリージョイント部394が回転して、流体供給チューブ17がからまない構成としている。
ここで、ドラム12の回転軸にはパイプ状の固定軸393が設けられている。この固定軸393の一端部側にはエルボ状のロータリージョイント部394が回転可能に接続されている。
また、この固定軸393の他端部側には継ぎ手395が接続されている。この継ぎ手395には流体供給チューブ17が連結されている。さらに、継ぎ手395は電磁弁ユニット30に接続され、ロータリージョイント394には空気圧源のボンベ34がレギュレータ41を介して接続されている。
また、その他の電気信号線はスリップリングで接続してもよく、また照明を白色LEDによる先端照明としてこれもスリップリングで接続してもよい。
そして、本実施の形態では内視鏡本体2の挿入部8をドラム12から引き出す際に、ドラム12が回転するときにいっしょにロータリージョイント394も回転して、流体供給チューブ17の絡まりがない。他の信号線もスリップリングを使って配線すれば全てのケーブルの絡まりがなくなる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では内視鏡本体2の挿入部8を引き出すときに空気を送る流体供給チューブ17をドラム12に巻き付けたり、螺旋状にする必要がなく、構成が簡単で、スペースが少なくてもよい。その結果、小型化できる効果がある。
また、図69乃至図71は本発明の第21の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1の構成をさらに次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では図69に示すようにドラム12の内部にCCU3と、光源装置4と、湾曲動作を行うコントローラ31と、電磁弁ユニット30とを収納させた構成とする。
さらに、図70(A)に示すようにキャリングケース7の中に直接収納される部品はモニタ6と、ジョイスティック37のみである。ここで、ジョイスティック37は引き出して使い、モニタ6は図70(B)に示すように立てかけて使う。
また、図71に示すように1つの電源5にCCU3と、光源装置4と、コントローラ31のCPU31bと、電磁弁ユニット30とを接続し、これらの各装置の動作に使う電源を共通とする。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態ではドラム12の中にCCU3と、光源装置4と、湾曲動作を行うコントローラ31と、電磁弁ユニット30等を収納したので、ドラム12の外の配線を少なくすることができる。そのため、ドラム12の外の配線を簡素化することができる効果がある。さらに、内視鏡本体2の挿入部8を引き出すときの信号線がドラム12に絡まる心配がない。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、第1の実施の形態において、電磁弁を比例制御弁(圧力制御弁)としてもよい。この場合、流体圧アクチュエータ19の4方向の湾曲操作用の各圧力室に対してそれぞれ1つの比例制御弁を設け、合計4つの比例制御弁が設けられている。
そして、本変形例では比例制御弁を制御することでボンベ34からの流体の圧力を制御する。例えば、ジョイスティック37を傾けた時、その傾きに対応した圧力の指示が入力され、比例制御弁により、その圧力になるように流体を制御する。さらに、指示した圧力に達すると流体を送るのを止めて圧力室15の圧力を保ち、湾曲部10の湾曲を保持する。
また、ジョイスティック37を戻すと圧力を下げて、湾曲部10の湾曲を戻し、ジョイスティック37を止めるとその位置で湾曲部10の湾曲を止める。
そこで、上記構成の本変形例にあっては、比例制御弁を制御することでボンベ34からの流体の圧力を制御することができるため、湾曲の指示に対して湾曲部10の湾曲方向と湾曲量のコントロールが正確になる効果がある。
さらに、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 流体圧によって湾曲する内視鏡において、
上記内視鏡の先端に設けられた撮像手段と、
上記撮像手段の後方に設けられ、中央に内蔵物を配する孔と、前記孔の周辺に設けた複数の圧力室を有する多孔チューブからなる流体圧アクチュエータと、
上記流体圧アクチュエータから構成され、流体圧アクチュエータによって湾曲する湾曲部と、
上記湾曲部に接続され、基端側に延伸している湾曲部と略同外径の挿入部と、
上記挿入部の基端部が接続されている円筒状のドラムと、
上記ドラム内部に収納され、上記流体圧アクチュエータに流体を供給する流体圧供給源と、
上記挿入部内に配設され、上記流体圧アクチュエータの圧力室と流体供給源とを接続する流体供給用チューブと、
上記挿入部およびドラムを一体に収納する筺体と、
上記筺体内部あるいはドラム内部に収納され、上記流体圧供給源を制御する流体供給量制御装置と、
上記筺体内部に収納可能で、上記流体供給量制御装置の制御量を操作する操作部と
からなることを特徴とする内視鏡。
(付記項2) 付記項1からなる内視鏡において、
上記流体圧供給源は、圧縮流体あるいは液化ガスを充填したボンベと、
上記ボンベから供給される流体流量を調節する少なくとも上記流体圧アクチュエータの圧力室数と同数の流体用バルブと、
からなることを特徴とする付記項1に記載された内視鏡。
(付記項3) 付記項2からなる内視鏡において、
上記流体用バルブと上記流体圧アクチュエータの間にあり、
なおかつ上記流体供給用チューブに接続され、
流体圧アクチュエータへの流体流量を検出する流量検出手段を設け、
上記流体圧アクチュエータの流体排出時に、上記流量検出手段からの信号によって、流体圧アクチュエータへの流体供給量から同流体排出量を差し引いた値が設定された湾曲開始流量を下回った時に、流体の排出を停止するように上記流体用バルブを制御する制御手段と、
を設けたことを特徴とする。
(付記項4) 付記項2からなる内視鏡において、
上記流体用バルブと上記流体圧アクチュエータの間にあり、
なおかつ上記流体供給用チューブに接続され、
流体供給用チューブ内の圧力を検出する圧力検出手段を設け、
上記流体圧アクチュエータの流体排出時に、上記圧力検出手段からの信号によって、流体供給用チューブ内の圧力が設定された湾曲開始圧力を下回った時に、流体の排出を停止するように上記流体用バルブを制御する制御手段と、
を設けたことを特徴とする内視鏡。
(付記項5) 付記項2からなる内視鏡において、
上記流体用バルブと上記流体圧アクチュエータの間にあり、
なおかつ上記流体供給用チューブに接続され、
流体圧アクチュエータへの流体流量を検出する流量検出手段を設け、
上記流体圧アクチュエータへの流体供給時に、上記流量検出手段からの信号によって、流体圧アクチュエータへの流体供給量が設定された許容大流量を上回った時に、流体の供給を停止するように上記流体用バルブを制御する制御手段と、
を設けたことを特徴とする内視鏡。
(付記項6) 付記項2からなる内視鏡において、
上記流体用バルブと上記流体圧アクチュエータの間にあり、
なおかつ上記流体供給用チューブに接続され、
流体供給用チューブ内の圧力を検出する圧力検出手段を設け、
上記流体圧アクチュエータへの液体供給時に、上記圧力検出手段からの信号によって、流体供給用チューブ内の圧力が設定された許容最大圧力を上回った時に、流体の供給を停止するように上記流体用バルブを制御する制御手段と、
を設けたことを特徴とする内視鏡。
(付記項7) 複数の圧力室を形成した湾曲チューブを用いた流体圧アクチュエータによって湾曲する内視鏡において、
上記流体圧アクチュエータの圧力室に供給する流体圧供給源と、
上記流体圧供給源の流体の上記圧力室への供給量を制御する流体制御手段と、
上記流体制御手段は、任意の圧力における前記圧力室への流体の供給および排出のいずれも停止する制御手段と、
からなることを特徴とする内視鏡。
(付記項8) 複数の圧力室を形成した湾曲チューブを用いた流体圧アクチュエータによって湾曲する内視鏡において、
湾曲操作を入力する操作手段と、
操作手段からの操作信号と流体圧アクチュエータの湾曲部の湾曲動作との時間差を補正する信号補正手段を設けたことを特徴とする内視鏡。
(付記項9) 付記項8からなる内視鏡において、
流体圧源は小型のガスボンベであり、流体制御手段は電磁弁とその制御回路であり、全体として圧力室に対して作動流体の供給・排気を行なうとともに、該信号補正手段は、湾曲操作入力手段の出力信号から湾曲速度指令を検出する手段と、検出した湾曲速度指令に応じて、電磁弁の排気タイミングを可変にする手段よりなる内視鏡。
(付記項10) 付記項7からなる内視鏡において、
前記流体圧供給源は圧縮空気を供給するボンベからなり、
前記ボンベの流体を前記圧力室に供給、停止を行い、前記圧力室の流体を外部に排出する少なくとも1つの電磁弁で構成される電磁弁ユニットと、
前記電磁弁ユニットを経由して前記圧力室へ前記ボンベの流体を供給および停止を行うとともに、前記圧力室の流体を密閉および排出を行う駆動回路と、
前記駆動回路に対して、湾曲指示を行う操作手段と、
からなる内視鏡。
(付記項11) 付記項2からなる内視鏡において、
前記小型ボンベには加熱手段を外装しており、加熱手段には温度制御手段を有している内視鏡。
(付記項12) 付記項10からなる内視鏡において、
上記電磁弁ユニットは、
前記ボンベ側に設けた流体を供給および停止を行う第1の電磁弁と、
前記第1の電磁弁経由で前記圧力室へ前記ボンベの流体を供給および排出制御する第2の電磁弁と、
からなる内視鏡。
(付記項13) 付記項12からなる内視鏡において、
前記操作手段は、ジョイスティックからなり、
前記ジョィスティックの操作レバーの操作量と操作スピードに応じて、
前記第1の電磁弁と前記第2の電磁弁のON時間を変化させる流体制御手段と、
からなる内視鏡。
(付記項14) 付記項12からなる内視鏡において、
前記操作手段は、ジョイスティックからなり、
前記ジョィスティックの操作レバーの操作量に応じて、
前記第1の電磁弁と前記第2の電磁弁のON時間を変化させる流体制御手段と、
からなる内視鏡。
(付記項15) 付記項12からなる内視鏡において、
前記第1の電磁弁および第2の電磁弁は、同様な3ポート弁であり、流体を流すための第1のポート、第2のポート、第3のポートを有し、
電源ONのとき第1のポートと第2のポートが通じ、第3のポートは閉じ、
電源OFFのとき第2のポートと第3のポートが通じ、第1のポートは閉じ、
第1の電磁弁の第1のポートに前記ボンベを接続し、
第1の電磁弁の第2のポートと第2の電磁弁の第2のポートを接続し、
第2の電磁弁の第1のポートを前記圧力室に接続した
ことを特徴とする内視鏡。
(付記項16) 付記項12からなる内視鏡において、
前記電磁弁ユニットは、前記ボンベ側に設けた流体を供給および停止を行う第1の電磁弁と、
前記第1の電磁弁経由で前記圧力室へ前記ボンベの流体を供給および排出制御する第2の電磁弁と、
前記第1の電磁弁および前記第2の電磁弁経由で前記圧力室の流体を排出制御する第3の電磁弁と、
からなる内視鏡。
(付記項17) 付記項16からなる内視鏡において、
前記第1、第2、第3の電磁弁は、同様な3ポート弁であり、
流体を流すための第1のポート、第2のポート、第3のポートを有し、
電源ONのとき第1のポートと前記第2のポートが通じ、前記第3のポートは閉じ、
電源OFFのとき前記第2のポートと前記第3のポートが通じ、前記第1のポートは閉じ、
前記第1の電磁弁の前記第1のポートに前記ボンベを接続し、
前記第1の電磁弁の前記第2のポートと前記第2の電磁弁の前記第2のポートを接続し、
前記第2の電磁弁の前記第1のポートを前記圧力室に接続し、
前記第2の電磁弁の前記第3のポートに前記第3の電磁弁の前記第1のポートを接続した
ことを特徴とする内視鏡。
(付記項18) 付記項12からなる内視鏡において、
前記電磁弁ユニットは
前記圧力室へ前記ボンベの流体を供給および停止を行うとともに、
前記圧力室の流体を密閉および排出を行う1つの電磁弁からなる
ことを特徴とする内視鏡。
(付記項19) 付記項18からなる内視鏡において、
前記圧力室が少なくとも2つあり、
前記圧力室に対して加圧するときの湾曲方向が互いに拮抗する位置に設けた第1の圧力室と第2の圧力室を有する流体圧アクチュエータであって、
前記電磁弁は1つ設けることでお互いに拮抗する位置の2つの圧力室に対して、前記ボンベの流体の供給、排出を行うように配管した
ことを特徴とする内視鏡。
(付記項20) 付記項19からなる内視鏡において、
前記電磁弁は、3位置の5ポート弁であり、
2つのソレノイドとして第1のソレノイドと第2のソレノイドを有し、
前記第1のソレノイドの電源ONのとき前記第1と前記第2のポートが通じるとともに、前記第3と前記第5のポートが通じ、
前記第2のソレノイドの電源ONのとき前記第1と前記第3のポートが通じるとともに、前記第2と前記第4のポートが通じ、電源OFFのとき前記第2のポートと前記第3のポートが通じ、前記第1のポートは閉じ、
前記第1のソレノイドおよび前記第2のソレノイドがともにOFFのとき前記ポートのすべてが閉じ、
前記第1のポートに前記ボンベを接続し、
前記第2および前記第3のポートに前記圧力室のそれぞれを接続し、
前記第4および前記第5のポートを大気に開放した
ことを特徴とする内視鏡。
(付記項21) 付記項1からなる内視鏡において、
上記流体供給源は、流体を圧縮する少なくとも一つのシリンジと、
上記シリンジを前後に駆動するための少なくとも一つのアクチュエータと
からなることを特徴とする付記項1に記載された内視鏡。
(付記項22) 付記項1からなる内視鏡において、
前記圧力室が少なくとも2つあり、
前記圧力室に対して加圧するときの湾曲方向が互いに拮抗する位置に設けた第1の圧力室と第2の圧力室を有する流体圧アクチュエータであって、
前記第1および第2の圧力室に接続されている流体を圧縮する第1のシリンジと第2のシリンジと、
前記第1および第2のシリンジ内を移動する第1ピストンと第2のピストンと、
前記第1および第2のピストンのピストンの双方を駆動する1つのモータと、
前記モータを駆動する制御回路と、
からなる内視鏡。
(付記項23) 付記項22からなる内視鏡において、
前記第1のシリンジと第2のシリンジは互いに反対向き、かつ直線状に配置され、
前記第1のピストンと前記第2のピストンとを連結部材で接続し、
前記連結部材を前記シリンジに対して摺動する前記モータと、
からなる内視鏡。
(付記項24) 付記項21からなる内視鏡において、
前記制御回路は前記圧力室の圧力増減に対するヒステリシスを打ち消すように前記モータを駆動する制御回路である内視鏡。
(付記項25) 付記項21からなる内視鏡において、
前記アクチュエータを駆動する前に前記シリンジ内に流体を供給する流体供給手段を設けたことを特徴とする内視鏡。
(付記項26) 付記項25からなる内視鏡において、
前記流体供給手段は小型ガスボンベである内視鏡。
(付記項27) 付記項21からなる内視鏡において、
前記アクチュエータにはシリンジポンプの原点位置を検出する手段を設け、
原点位置を検出すると小型ガスボンベからシリンジ内に加圧流体が流入する弁手段とを設けた内視鏡。
(付記項28) 付記項1からなる内視鏡において、
前記湾曲部を構成する流体圧アクチュエータと同様な構造の湾曲チューブを前記湾曲部の後方に複数個直列に配置した
ことを特徴とする内視鏡。
(付記項29) 付記項28からなる内視鏡において、
前記湾曲チューブは前記湾曲部の長さより数倍の長さを有する連続したチューブである内視鏡。
(付記項30) 付記項28からなる内視鏡において、
前記圧力室の断面形状は厚みの無いスリットの両端部に略円形の穴を設けた形状である内視鏡。
(付記項31) 付記項1からなる内視鏡において、
上記撮像手段からの映像を表示するモニターと、
上記モニター表示面あるいはモニター近傍に設けられ、上記流体供給量制御装置の制御量を示す制御量表示手段と、
上記モニター表示上に設けられ、モニター表面への押圧とその位置を表示するタッチパネルとが設けられ、
上記タッチパネルからの押圧位置信号に応じて、上記流体供給量制御装置の制御量が調整されることを特徴とする内視鏡。
(付記項32) 付記項1からなる内視鏡において、
上記流体圧アクチュエータの圧力室と同数のスイッチが設けられ、
上記スイッチが押されることによって、対応する圧力室への流体供給を停止する制御手段を設けたことを特徴とする内視鏡。
(付記項33) 付記項1からなる内視鏡において、
上記筺体あるいはドラムに設けられ、
押圧することによって一括して全ての流体供給チューブ内の圧力を大気圧に開放する開放弁を設けたことを特徴とする内視鏡。
(付記項34) 付記項1からなる内視鏡において、
上記挿入部上の少なくとも1ヶ所に設けられ、
内設する上記流体供給用チューブと接続された流体圧供給口と、
上記流体圧供給口に着脱可能に接続される流体圧供給コネクタと、
上記流体圧供給コネクタと上記流体圧供給源とを接続する流体供給補助チューブと、
を設けたことを特徴とする内視鏡。
(付記項35) 付記項34における内視鏡において、
上記流体圧供給コネクタを上記筺体に設けた
ことを特徴とする内視鏡。
(付記項36) 付記項34からなる内視鏡において、
上記流体圧供給口を挿入部の略中間位置に設けた
ことを特徴とする内視鏡。
(発明の属する技術分野) 本発明は管腔内に挿入される長尺の挿入部の先端に空流体圧アクチュエータからなる湾曲部を備え、例えば工業的内視鏡や、医療用にも適用可能な内視鏡に関する。
(付記項1〜36の従来技術) 特開平4−135570や特開平5−305053などに流体圧アクチュエータを備えた構成のものが示されている。この種の湾曲部では挿入部の先端部に弾性管状体が配設され、この管状体の管壁には周方向に沿って複数の圧力室が設けられている。そして、この複数の圧力室内を選択的に加圧することで、加圧された方向と反対方向に湾曲されるものになっている。
内視鏡のシステムとして、内視鏡本体、光源、CCUがあり、これらをカートに収納したシステムや小型のケースに収納して携帯性を考えたものが提案されており、前記したように流体圧アクチュエータにおいても同様に携帯性を考慮したものがある。
(付記項1が解決しようとする課題) ところがこの構成では、携帯性を考慮しているものの流体圧アクチュエータを湾曲動作するための空気圧源がケースの他にケースと同等程度のサイズのコンプレッサが必要であり、携帯性が悪いという課題がある。
(付記項1の目的) この点に鑑み本発明の目的とするところは、携帯性に優れた流体圧アクチュエータを用いた長尺な内視鏡を提供することにある。
(付記項7、8が解決しようとする課題) また、流体圧アクチュエータによる湾曲機構を設けた内視鏡において、コンプレッサからの空気を流体圧アクチュエータに送り湾曲動作を行っているが、内視鏡が長尺になるとコンプレッサからの空気が流体圧アクチュエータに送られるまでに時間がかかり、湾曲動作にタイムラグが有り正確な動作を行えないという課題があった。また、流体圧アクチュエータは、シリコン樹脂などの伸展性のある湾曲部を圧縮性流体で湾曲駆動させるので、湾曲チューブ特有の圧力の増減に対するヒステリシスが存在するため、湾曲操作と湾曲動作を一致させることが難しいという課題があった。
(付記項7、8の目的) この点に鑑み本発明の目的とするところは、制御性に優れた長尺な内視鏡を提供することにある。
(付記項1〜36が解決しようとする課題) さらに流体圧アクチュエータによる湾曲機構を設けた内視鏡において、流体圧アクチュエータはシリコン等の弾性体によるものであり、不慮の事故(例えば湾曲チューブの圧力室にパンクが生じた時)の場合、内視鏡挿入部を全て分解した上で、湾曲チューブを交換するしか構造上できなかった。修理を考慮した構成になっていないので、修理性が悪いという課題があった。
(付記項1〜36の目的) この点に鑑み本発明の目的とするところは、修理性に優れた流体圧アクチュエータを用いた内視鏡を提供することにある。
8…挿入部、10…湾曲部、19…流体圧アクチュエータ、26…観察光学系、30…電磁弁ユニット(流体供給量制御装置)、31…電磁弁制御コントローラ、34…ボンベ(空気圧供給源)、37…ジョイスティック、38a,38b,38c…電磁弁。