JP2005316165A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内部に設けられた着脱自在のベルト体を高精度且つ容易に位置決めすることができるとともに、ベルト体の端部の損傷を防止する画像形成装置を提供する。
【解決手段】 複数のローラ62、33間に懸架された無端状ベルト体31を有する画像形成装置において、ベルト体31の装着位置においてベルト体31のエッジ部と当接する突き当て部材101を懸架ローラ62、33の軸方向との垂直面に沿って運動可能に設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、静電記録方式や電子写真記録方式等を採用した画像形成装置、特に像又は記録材を担持するベルト体を有する画像形成装置に関するものである。
従来、様々な構成のカラー画像形成装置が提案されているが、その1つとして、電車写真方式を採用し、各々の色の現像剤毎に画像形成部を設け、画像形成部において、像担持体としての感光体ドラムに周知の画像形成プロセスにて各色毎の顕画像を形成する画像形成装置であり、各画像形成部にて作成された顕画像を、複数本のローラに巻架され、その回転により無端循環運動する搬送体、所謂中間転写ベルト上に順次転写し、更に、記録媒体として外部より供給される用紙に一括転写し、その後定着して、カラー画像を得るインライン中間転写方式のカラー画像形成装置がある。
このような中間転写方式の画像形成装置において、中間転写体として使用されている中間転写ベルトは、耐久劣化等によりその抵抗値が変化したり表面性が劣化したりして画像不良が生じる可能性がある。
そこで、従来から、中間転写ベルトは、所定の寿命に到達した場合には、所望の画質を維持していくために、新しいものと交換する必要があった。又、それ以外に、画像形成装置内の他の部位のメンテナンスを行なうために、中間転写ベルトを取り外す必要が生じた。
一方、画像形成装置の稼動中において、これらの中間転写ベルトは、装置本体の歪み等に起因する、ベルトの懸架ローラのアライメントずれによって、中間転写ベルトに寄りが発生するという問題を有している。
このベルト寄りを補正する手段として、例えば、ベルト端部の位置を検知することによってベルトの寄り量を検出し、この情報を元に、前述したローラの一本についてアライメントを補正する方法等が採られる。この方法によれば、ベルトエッジに貼られたリブ状のゴム部を規制したり、ベルトエッジを直接フランジ等に突き当てて規制したりする手段に比べて機械的ストレスが少なく、ベルトの寿命を大幅に向上させることができるが、ベルト端部の位置を検出する方式であるため、ベルトのスラスト位置を高精度に位置決めする必要がある。
一方、電子写真技術を用いた画像形成装置には、像担持体としての感光体ベルトや、記録材を吸着させた状態で搬送しながら転写工程を行なう転写ベルト、あるいは記録材上に形成されたトナー像を定着させる工程を行なう定着ベルト等、様々なベルト体が用いられている。これらのベルト体のいずれに対しても、中間転写ベルトと同様の取り扱いが必要となる。
しかしながら、このようなベルト体を装置本体に装着する作業は熟練を要するものであって、場合によっては装着不良を発生させる危険性があった。特に、スラスト方向の位置決めは、目視により所定の位置に張架するため、高精度の位置決めが困難であった。
そこで、例えば特許文献1に開示されているように、ベルト体の位置決め部材を退避可能に設ける構成が考案されている。具体的には、ベルト体及びそれを巻架するローラ等で構成されるベルト体ユニットにおいて、ベルト体がベルトの交換時や画像形成装置の組み立て時等に配置される装着位置に移動した際に、位置決め部材がベルト体の端部との当接位置に移動して、位置決めされる。そして、ベルト体ユニットを画像形成位置に移動させると、位置決め部材が退避する構成である。この構成によって、画像形成装置の組み立て時やベルトの交換時に無端状ベルトを巻架ローラを含む複数のロールの適正な位置に常に装着することができ、ベルトに損傷や破損等が発生するのを防ぐことが可能となる。
ところが、ベルトの位置決めをする時に、位置決め部材は、画像形成時における退避位置からベルトの端部に向かって突出して外側から押さえて位置決めする構成のため、例えば、ベルト体が所定の位置からずれた状態、特に、位置決め部材に食い込む方向にずれた状態で停止し、このままベルト体ユニットをベルト体の装着位置に移動した場合には、ベルト体の端部が位置決め部材と干渉することになり、ベルト体の端部が押圧されて座屈する等して損傷する危険があった。
又、ベルト体ユニットの外部に位置決め部材を設け、ベルト体ユニットをベルト体の装着位置まで移動した際にベルト体と位置決め部材とが接触するように構成されており、ベルト体ユニットに対するベルト体の位置を精度よく位置決めすることが困難であった。
特開2000−185838号公報
本発明の目的は、内部に設けられた着脱自在のベルト体を高精度且つ容易に位置決めすることができるとともに、ベルト体の端部の損傷を防止する画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、複数のローラ間に懸架された無端状のベルト体を有する画像形成装置において、前記ベルト体の装着位置において前記ベルト体のエッジ部と当接する突き当て部材を前記懸架ローラの軸方向との垂直面に沿って運動可能に設けることを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明の他の態様によると、複数のローラ間に懸架された無端状のベルト体を有した画像形成装置において、前記ベルト体にテンションを与える加圧手段と、該加圧手段を解除する解除機構と、前記ベルト体の装着位置において前記ベルト体のエッジ部と当接する突き当て部材と、を有し、該突き当て部材は前記解除機構に連動して当接位置と回避位置とを移動可能に構成される。
本発明の一実施態様によると、前記突き当て部材は、前記ベルト体のテンションリリース時に前記ベルト体と当接する位置に移動し、テンションセット時には前記ベルト体から退避する。
本発明の他の実施態様によると、前記突き当て部材は、前記懸架ローラの軸方向に対して平行な回動中心軸に対して回動可能である。
本発明の他の実施態様によると、前記突き当て部材は、前記懸架ローラを軸支する筐体上に設けられている。
本発明の他の実施態様によると、前記突き当て部材の前記ベルト体に対する突き当て面先端部にテーパ部を備える。
本発明の他の実施態様によると、前記突き当て部材は、前記解除機構の解除動作の途中から当接位置に移動するように構成される。
本発明の画像形成装置は、複数のローラ間に懸架された無端状ベルト体を有する画像形成装置において、ベルト体の装着位置においてベルト体のエッジ部と当接する突き当て部材を懸架ローラの軸方向との垂直面に沿って運動可能に設けるので、突き当て部材とベルト体の端部とが干渉するような位置関係にある状態のまま突き当て部材が当接位置に移動された場合や、ベルト体が何らかの理由により所定の位置から外れた場合であっても、ベルト体が座屈する等の損傷を受けることがなく、高品位の画質を維持することができるとともに、ベルト体の装着を高精度且つ容易に実施することができる。又、突き当て部材の位置決め精度が向上し、ベルト体が高精度に位置決めされるとともに、突き当て部材が当接位置に移動された場合の干渉量が少なくて済み、ベルト体が損傷を受けることがなく、高品位の画質を維持することができる。
又、テンションがリリースされた状態でベルト体の位置決め作業が実施でき、容易でかつ高精度の位置決めが可能であるとともに、画像形成動作時には確実にベルト体との干渉が回避される。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
先ず、本実施例における画像形成装置の全体構成について説明する。図1は本実施例の画像形成装置の全体構成を示すもので、複数の画像形成部を並設し、中間転写体としての中間転写ベルト31を有するインライン中間転写方式のカラー画像形成装置を示すものである。
図1に示すカラー画像形成装置には、画像読取部1R及び画像出力部1Pが設けられており、画像読取部1Rにおいて、外部情報、例えば上方に設置された原稿や或いは、接続されたコンピュータ等から送信されてくる画像情報等の外部情報における画像信号を読み取り、変換して画像出力部1Pへと送信する。この画像出力部1Pは、大別して同一構成の画像形成部であるステーション10(10a、10b、10c、10d)が、4つ並設されており、給紙ユニット20、中間転写ユニット30、定着ユニット40及び不図示の制御ユニットで構成されている。
ここで、この画像出力部1Pを構成するユニットそれぞれについて詳しく説明する。
まず、画像形成部10においては、それぞれに、図示矢印方向に回転駆動される像担持体としての感光ドラム11(11a、11b、11c、11d)がその中心で軸支され、各感光ドラム11の外周面に対向してその回転方向に一次帯電器12(12a、12b、12c、12d)、光学系13(13a、13b、13c、13d)、現像装置14(14a、14b、14c、14d)が配置されている。
而して、各画像形成部10において、一次帯電器12が感光ドラム11の表面に均一な帯電量の電荷を与え、次いで光学系13が、画像読み取り部1Rから送信されてくる記録画像信号に応じて変調した、例えばレーザービーム等の光線を、感光ドラム11上に露光させて各感光ドラム11上に静電潜像を形成する。そして、各静電潜像をイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色の現像剤(トナー)を、それぞれ収納した現像装置14によってトナー像として顕像化する。尚、顕像化されたトナー像は、画像一次転写領域T(Ta、Tb、Tc、Td)にて中間転写ユニット30を構成する中間転写ベルト31に転写され、一次転写領域Tの下流側では、記録材Pに転写されないで、感光ドラム11上に残されたトナーが、クリーニング装置15(15a、15b、15c、15d)によって掻き落とされて、感光ドラム11の表面が清掃される。
以上に示したプロセスを経て各画像形成部10にて、それぞれの色のトナーによる画像形成が順次行われる。
次に、給紙ユニット20は、記録材Pを収納するためのカセット21a、21b及び手差しトレイ27、カセット21a、21b内若しくは手差しトレイ27より記録材Pを1枚ずつ送り出すためのピックアップローラ22a、22b、26、各ピックアップローラ22a、22b、26から送り出された記録材Pを、レジストローラ25a、25bまで搬送するための給紙ローラ対23及び給紙ガイド24、画像形成部10での画像形成タイミングに合わせて記録材Pを二次転写領域Teへ送り出すためのレジストローラ25a、25bで構成されている。
次に、中間転写ユニット30において、中間転写体としての中間転写ベルト31が設けられており、中間転写ベルト31は、懸架ローラ、つまり、これに駆動力を伝達する駆動ローラ32と、レジマーク検出センサ60に対向して設けられたバックアップローラ62と、不図示のばねの付勢力によって中間転写ベルト31に適度な張力を与えるテンションローラ33と、中間転写ベルト31を挟んで二次転写領域Teに対向する二次転写内ローラ34と、に巻回されている。尚、中間転写ベルト31の材質としては、例えば、PI(ポリイミド)やPVdF(ポリフッ化ビニリデン)等が選定される。
上記駆動ローラ32とバックアップローラ62の間に一次転写平面Aが形成されるが、駆動ローラ32は金属ローラの表面に数mm厚のゴム(ウレタン又はクロロプレン)をコーティングして中間転写ベルト31とのスリップが防がれている。尚、この駆動ローラ32は不図示のパルスモータによって回転駆動される。
各感光ドラム11a〜11dと中間転写ベルト31が対向する一次転写領域Tには、中間転写ベルト31の裏に一次転写装置35(35a、35b、35c、35d)が配置されている。そして、二次転写内ローラ34に対向して二次転写装置36が配置されて二次転写領域Teが形成されている。
又、中間転写ベルト31上の二次転写領域Teの下流で、一次転写部Tの上流には中間転写ベルト31の画像形成面をクリーニングするためのクリーニング装置50が配され、該クリーニング装置50は、クリーナブレード51と廃トナーを収納する廃トナーボックス52で構成されている。尚、クリーナブレード51の材質としてはポリウレタンゴム等が用いられる。
次に、定着ユニット40は、内部にハロゲンヒータ等の熱源を備えた定着ローラ41aとこの定着ローラ41aに加圧される加圧ローラ41b(この加圧ローラ41bにも熱源を備える場合もある)、定着ローラ41aと加圧ローラ41bのニップ部へ記録材Pを導くためのガイド43、定着ローラ41aと加圧ローラ41bから排出されてきた記録材Pを更に装置外部に導き出すための内排紙ローラ44、外排紙ローラ45等で構成されている。
最後に、制御ユニットは、上記各ユニット内の機構の動作を制御するための制御基板70や不図示のモータドライブ基板等で構成されている。
次に、これらの各ユニット10、20、30、40によって実施される本カラー画像形成装置の動作について説明する。
画像形成動作開始信号が発せられると、先ず、ピックアップローラ22aによってカセット21aから記録材Pが1枚ずつ送り出される。そして、給紙ローラ対23によって記録材Pが給紙ガイド24の間を案内されてレジストローラ25a、25bまで搬送される。このとき、レジストローラ25a、25bは停止しており、記録材Pの先端はニップ部に突き当たる。その後、画像形成部10が画像の形成を開始するタイミングに合わせてレジストローラ25a、25bは回転を開始する。このレジストローラ25a、25bの回転時期は、記録材Pと画像形成部10より中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー像とが二次転写領域Teにおいて一致するようにそのタイミングが設定されている。
一方、画像形成部10では、画像形成動作開始信号が発せられると、前述したプロセスを経て中間転写ベルト31の回転方向において一番上流にある感光ドラム11d上に形成されたトナー像が、高電圧が印加された一次転写用帯電器35dによって、一次転写領域Tdにおいて中間転写ベルト31に一次転写される。そして、中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー像は次の一次転写領域Tcまで搬送され、そこでは画像形成部10間をトナー画像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われており、前画像の上にレジストを合わせて次のトナー像が転写されることになる。以下も同様の工程が繰り返され、結局4色のトナー画像が中間転写ベルト31上に一次転写される。
その後、記録材Pが二次転写領域Teに進入して中間転写ベルト31に接触すると、記録材Pの通過タイミングに合わせて二次転写装置36に高電圧を印加する。そして、前述したプロセスによって中間転写ベルト31上に形成された4色のトナー像が記録材Pの表面に転写され、トナー像が転写された記録材Pは搬送ガイド43によって定着ユニット40の定着ローラ41aと加圧ローラ41bのニップ部まで正確に案内される。そして、定着ユニット40のローラ対41a、41bの熱及びニップの圧力によってトナー像が記録材Pの表面に定着され、トナー像が定着された記録材Pは内排紙ローラ44と外排紙ローラ45によって搬送されて機外48に排出される。
本実施例の画像形成装置においては、上記に説明したように、複数の懸架ローラ62、32、33、34に巻架された無端状の中間転写ベルト31が設けられ、中間転写ベルト31をメンテナンス等のため着脱しても、そのスラスト方向の位置ずれを防ぐために、中間転写ユニット30に、図2に示すように、一次転写面Aを張架するバックアップローラ62の近傍に突き当て部材(ベルトストッパ)101が設けられ、中間転写ベルト31のエッジ部と当接し、バックアップローラ62の軸方向との垂直面上に沿って移動可能であることを特徴としている。
そして、メンテナンス等により中間転写ベルト31を装着する際には、ベルトストッパ101が一次転写平面Aから上方に位置しており、巻架ローラ62等の軸方向の方向に装着されてきた中間転写ベルト31がストッパ面101に突き当たり、挿入方向の位置決めがなされる。
そして、中間転写ユニット30は、上記にも説明したように、レジマーク検出センサ60に対向して設けられたバックアップローラ62と駆動ローラ32との間に上記に説明した一次転写面Aが形成されている。そして、バックアップローラ62の隣りに、中間転写面Aよりやや下方の位置に中間転写ベルト31に適度な張力を与えるテンションローラ33が配置されている。
ベルトストッパ101は、この一次転写面Aを張架する、中間転写ベルト31移動方向下流側のバックアップローラ62の近傍に設けられている。
ベルトストッパ101近隣の様子を図2の斜視図及び図3の上視図にて示す。ここで、本実施例では、ベルト31の着脱は正面、つまり前側から行われるが、図2及び図3は本実施例の画像形成装置の後ろ側を示しており、ベルト31の位置あわせは、画像形成装置の後ろ側に向けたローラ62端部にて行われるものとする。そして、図3においては、ベルト31は取り外した状態で示されている。
中間転写ベルト31移動方向下流側で転写面Aを張架するバックアップローラ62は、後側板120と図示しない前側板との間に、ローラ62端部を軸受けする2つの軸受けである後軸受ホルダ63aと前軸受けホルダ63b(不図示)によって回転自在に軸支されている。
ここで、図2に示すように、後側板120と前側板は、一次転写面Aの内側から転写面Aに略平行に設けられている板状部材であるクロスメンバー121によって連結されていて、中間転写ユニット30のフレームを構成している。
又、バックローラ62のベルト31移動方向下流側に並んで、一次転写面Aに張力を与えているテンションローラ33は、ローラ端部を軸受けする2つの軸受けである後軸受ホルダ115aと前軸受ホルダ115b(不図示)とによって回転自在に軸支されていて、後軸受ホルダ115aは、スライダ113によって後側板120に対してスライド自在に構成され、本実施例では後側板120の外側に配置されている図3に示すバネ114により、ベルトユニット30外側でベルト31移動方向では上流方向である矢印D方向、つまり一次転写面Aに張力を与える方向に付勢されている。つまり、中間転写ベルト31は、テンションローラ33に連結した加圧手段であるスライダ113とバネ114によって、張力が与えられている。
そして、この中間転写ベルト31の張力を解除するための解除機構として、バックアップローラ62と平行に一次転写面Aを横切る方向に、クロスメンバー121に覆われた状態で、図3に示すように、ストッパ101が設けられた解除軸112が、後側板120と前側板との間に回動可能に軸支されている。解除軸112には、端部に、本実施例では後側板120の外側に配置された解除カム111が固定されていて、この解除カム111は、図示しないレバーによって回動可能に構成されている。つまり解除軸112は解除カム111をレバーによって回動することによって回動する構成である。
一方、解除軸112が貫通している位置の上方にはクロスメンバー121が配置されていて、ここにベルトストッパ101が設けられている。
そして、この解除軸112の回動によりストッパ101の先端部が一次転写面Aより上部に移動したり(図2に示す状態)、下方に解除されたりする。そして、中間転写ベルト31を装着する際には、図2に示すように、ベルトストッパ101の先端部が一次転写平面Aより上方に位置し、スラスト方向で後側板120に向かう方向である矢印Cの方向に装着されてきた中間転写ベルト31は、ストッパ面101aに突き当たり、挿入方向の位置決めがなされる。
図4及び図5は、この解除カム111の動作を説明する断面図であって、図4は、ストッパ101がその先端部を一次転写面Aの上部に移動させて中間転写ベルト31との当接位置に移動した解除状態を、図5はベルト31からの回避位置である一次転写面A下方に待機する加圧状態を示している。
ここで、解除カム111は、略半円形状板であり、円弧中心よりいずれか側にずれた位置に解除軸112が位置し、図4に示す解除状態では、円弧側を下方に向けて、弦部をクロスメンバー121に沿わせた体勢となる。ここで、解除カム111の解除軸112に近い方の端部を下死点111bとし、もう片側の端部を上死点111aとする。解除状態では、解除カム111は、解除軸112からの中間転写ベルト31の張力が働く方向Dと逆方向側に上死点111aを突き出した状態となる。
そして、図4の解除状態において、図3に示す解除カム111の上死点111aが後側板120に重なっているスライダ113の端部のフォロワ面113aに突き当たっており、バネ114に抗してスライダ113をベルト31移動方向に対して上流方向である矢印Eの方向、つまりテンションローラ33に対する張力の働く方向と逆の方向に寄せている。この結果、テンションローラ33を軸受けする後軸受ホルダ115aは、矢印Eの方向に移動し、中間転写ベルト31のテンションが解除される。つまり、テンションリリース状態となる。
定期交換等により、中間転写ベルト31を取り外す際には、上述した位置まで解除カム111を回動させてテンションを解除し、軸方向(矢印Cと反対方向)に中間転写ベルト31をスライドさせて、ユニット30から抜き去る。ここで、図示しないユニット前側板は、その投影面積が中間転写ベルト31の断面積よりも小さく構成されており、中間転写ベルト31を装置手前側に抜き去ることができるようになっている。
一方、ベルトストッパ101は、解除軸112上方のクロスメンバー121に設置されたストッパ支板103に対して軸102を中心に回動可能に軸支されており、ストッパ支板103がクロスメンバー121に位置決め固定されている。又、軸102には戻しバネ104が組み込まれ(図3)、ベルトストッパ101は回動方向としての矢印Gの方向に付勢されている。
解除軸112には、押し上げ部材116が固定されており、解除軸112と一体的に回動可能に構成されている。図4に示した解除状態において、押し上げ部材116は、戻しバネ104に抗してベルトストッパ101を、解除軸112の上方に、別に設けられた軸102を中心に回動させて先端101aを矢印Fの方向に押し上げている。このときベルトストッパ101は、中間転写ベルト31が装着される位置(一次転写面A)よりも上方に飛び出している。尚、クロスメンバー121面には、押し上げ部材116がストッパ101を押し上げるために、その先端部をクロスメンバー121より上部に移動させるための穴部が形成されている。
作業者が改めて中間転写ベルト31を装着する際には、軸方向(矢印C)に沿って中間転写ベルト31をスライドさせて、ベルトストッパ101に突き当たる位置まで挿入させる。
ここで、解除軸112を解除カム111の移動によって、矢印Fと逆方向Gに回転させると、押し上げ部材116はベルトストッパ101から退避する方向に移動し、ベルトストッパ101は戻しバネ104によって矢印Fの逆方向である矢印Gの方向に戻される。
ベルトストッパ101は、中間転写ベルト31から完全に離間して一次転写面Aの下方に退避し、クロスメンバー121に突き当たる位置に停止する。更に解除軸112を回転させると、押し上げ部材116はベルトストッパ101から完全に離間し、図5に示した位置まで回動する。
一方、解除カム111も解除軸112とともに回動し、円弧部分が上方を向くように回動していく。そして、スライダ113のフォロワ面113aに突き当たる位相は、解除カム111の円弧部分に沿って、上死点111aから反対側の下死点111bへと徐々に移行していく。これに従い、スライダ113はバネ114(図3)に引っ張られて、ベルト31に張力を与える方向である矢印Dの方向に移動し、中間転写ベルト31に対し徐々にテンションが与えられていく。そして、下死点111bの位相に到達したときに所望のテンションが与えられ、先述した画像形成動作に供されるようになる。ここで実際には、中間転写ベルト31の長さによりテンションローラ33の矢印D方向への移動量が規制され、下死点111bはフォロワ面113aには突き当たらない状態でテンションが与えられるようになる。そして、テンションセット状態となる。図5では、参照のため、点線にて解除状態のスライダ113のフォロワ面113a及び解除カム111をも重ねて示す。
以上の動作を簡潔に言い換えると、解除軸112の回転により、ストッパ101の先端部が一次転写面Aに移動することによりベルト31の端部の位置決めがなされ、同時にベルト31を張架するテンションローラ33に対する付勢が解除され、ベルト31が着脱自在になる。これが図4に示す解除状態である。
そして、同じく解除軸112の解除の時とは逆方向の回動により、ストッパ101が一次転写面Aの下方に待機すると同時に、テンションローラ33に対して再び付勢がかかり、ベルト31にテンションがかかり、ベルト31がセットされた状態となる。これが図5に示す加圧状態(装着状態)である。
そして、ストッパ101は、中間転写ベルト31を巻架するローラとの垂直面、ここでは後側板120によって形成される面上を回動してこれらの動作がなされている。このことによって、中間転写ベルト31の位置決めが正確に行われ、更に、ベルト側面側から位置決め部材が突出して位置決めする従来の位置決め方法よりも、ベルトの損傷が生じにくい。
そして、上述したように、(1)中間転写ベルト31の端部に、テンションがかかっていない状態でベルトストッパ101に突き当てることにより、中間転写ベルト31の挿入方向の位置決めを容易に実施でき、(2)又、中間転写ベルト31にテンションをかける動作に連動してベルトストッパ101の退避動作が行なわれるため、中間転写ベルト31の突き当て部にストレスがかからない。(3)又、画像形成動作中には中間転写ベルト31とベルトストッパ101は一切接触しないため、中間転写ベルト31の磨耗や破損といったトラブルは完全に回避される。
そして、中間転写ベルト31が装着された状態から解除軸112を図中で反時計回りの方向に回転させると、解除カム111は、スライダ113のフォロワ面113aに突き当たる位相は、カム31の外周である曲線に沿って下死点111bから上死点111aへと徐々に移行していく。これに従い、スライダ113はバネ114に抗して矢印Eの方向に移動し、中間転写ベルト31に対するテンションが弱められていく。そして、上死点111aに到達したときにはテンションが全くかかっていない状態であり、先述した交換作業が可能となる。
テンションが弱められていく途中で、押し上げ部材116はベルトストッパ101を、軸102に設置された戻しバネ104に抗して矢印Fの方向に押し上げる。ここで、中間転写ベルト31の裏面から面に垂直な方向にベルトストッパ101が進入し、その先端部が中間転写ベルト31のエッジ部分にこすられるように接触して一次転写面Aの上方に移動する。この結果、図4に示したような状態となる。又、ベルトストッパ101と中間転写ベルト31が接触する際には、既にテンションが弱まった状態である。
上述したように、テンションが弱まった状態で、しかもエッジに対してスライスする方向にベルトストッパ101が接触するため、中間転写ベルト31に与えるストレスは最小限にとどまり、ベルト面Aが座屈する等の損傷が回避される。
更に、ベルトストッパ101の突き当て面101aの先端部にはテーパ面101bが設けてある。これにより、万が一、何らかの理由により中間転写ベルト31の位置がずれてしまった場合、特にベルトストッパ101に突き当たる方向にずれてしまった場合でも、ベルトストッパ101は緩やかにエッジ部分に接触し、ベルト面が座屈する等の損傷が回避される。
実施例2
次に、図6、図7によって本発明の実施例2について説明する。
実施例1では、ストッパ101は、解除カム111と別に軸102が設けられ、解除軸112に設けられた押し上げ部材116によって回動していたが、本実施例では、解除カム211と同様に解除軸212にベルトストッパ201が一体的に設けられ、解除カム211の回動と同期してベルトストッパ201も回動する。その他の画像形成装置の構成は、実施例1と同様である。
つまり、先の実施例と同様、図7に示した加圧状態において、図示しないスライダとテンションローラによって中間転写ベルト31にはテンションがかけられている。このとき、ベルトストッパ201は中間転写ベルト31から退避した位置にある。一方、解除軸212を反時計回りの方向に回転させると、解除カム211により図示しないスライダが移動し、中間転写ベルト31のテンションが徐々に弱められる。これに連動してベルトストッパ201も回動し、先端が軸212より上方に移動し、中間転写ベルト31のエッジ部分に接触する。そして、解除カム211の上死点211aが図示しないスライダに当接し、図6に示した解除状態に至る。又、ベルトストッパ201の先端部にはテーパ面201bが設けられており、ベルトストッパ201は緩やかにエッジ部に接触する。
そして、ストッパ201は、中間転写ベルト31を巻架するローラとの垂直面、ここでは後側板120によって形成される面上を回動してこれらの動作がなされている。このことによって、中間転写ベルト31の位置決めが正確に行われる。
上述したように、テンションが弱まった状態で、しかもエッジに対してスライスする方向にベルトストッパ201が接触するため、中間転写ベルト31に与えるストレスは最小限にとどまり、ベルト面が座屈する等の損傷が回避される。又、中間転写ベルト31にテンションがかかっていない状態でベルトストッパ201の突き当て面201aに突き当てることにより、中間転写ベルト31の挿入方向の位置決めを容易に実施でき、中間転写ベルト31にテンションをかける動作に連動してベルトストッパ201の退避動作が行なわれるため、中間転写ベルト31の突き当て部にストレスがかからない。又、画像形成動作中には中間転写ベルト31とベルトストッパ201は一切接触しないため、中間転写ベルト31の磨耗や破損といったトラブルは完全に回避される。
実施例3
次に、図8、図9によって本発明の実施例3について説明する。
本実施例では、スライダ313とベルトストッパ301との間に設けた駆動伝達手段により、中間転写ベルト31のテンションの解除・加圧動作に連動して、ベルトストッパ301が突き当て位置と退避位置とを移動する。図8や図9に示される構成以外は、実施例1の画像形成装置の構成と同様である。
つまり、先の実施例と同様、図9に示した加圧状態において、図示しないバネによりスライダ313が矢印Jの方向に付勢され、テンションローラ33によって中間転写ベルト31にはテンションがかけられている。スライダ313には、ラックギア313aが設けられ、ピニオンギア331に係合している。又、ピニオンギア331はアイドラギア332を介して、ピニオンギア333を駆動するように構成されている。更にピニオンギア333は、ベルトストッパ301に設けられたラックギア301cに係合しており、ベルトストッパ301は下方である矢印Kの方向に押し下げられて中間転写ベルト31から退避している。
一方、図示しない解除カムを回動させることにより、スライダ313を、中間転写ベルト31に張力を与える方向と逆方向である図9に示す矢印Lの方向にスライドさせてテンションローラ33によるテンションを解除することができる。このときピニオンギア331が時計回りに、アイドラギア332が反時計回りに、そしてピニオンギア333が時計回りに各々回転し、ベルトストッパ301が矢印Mの方向に移動させられる。ここで、ベルトストッパ301には長穴343、344が設けられており、ガイドピン341、342に沿って移動可能に構成されている。
その結果、図8に示した解除状態に至り、突き当て面301aが中間転写ベルト31のエッジ部分と接触するようになる。又、ベルトストッパ301の先端部にはテーパ面301bが設けられており、ベルトストッパ301は緩やかにエッジ部に接触する。
そして、ストッパ301は、中間転写ベルト31を巻架するローラとの垂直面、ここでは後側板120によって形成される面上を回動してこれらの動作がなされている。このことによって、中間転写ベルト31の位置決めが正確に行われる。
そして、上述したように、テンションが弱まった状態で、しかもエッジに対してスライスする方向にベルトストッパ301が接触するため、中間転写ベルト31に与えるストレスは最小限にとどまり、ベルト面が座屈する等の損傷が回避される。又、中間転写ベルト31にテンションがかかっていない状態でベルトストッパ301に突き当てることにより、中間転写ベルト31の挿入方向の位置決めを容易に実施でき、中間転写ベルト31にテンションをかける動作に連動してベルトストッパ301の退避動作が行なわれるため、中間転写ベルト31の突き当て部にストレスがかからない。又、画像形成動作中には中間転写ベルト31とベルトストッパ301は一切接触しないため、中間転写ベルト31の磨耗や破損といったトラブルは完全に回避される。
尚、ここでは、ベルト体として中間転写ベルトを例に用いたが、トナー像を直接転写するために、転写材を搬送する転写材搬送体としてのベルトでも、本発明は適用でき、複数本のローラに巻架されたベルトの位置決めが必要な場合なら、様々なベルト体に対して本発明は適用可能である。
そして、画像形成装置に構成は図1に示されるものに限定されない。その他、以上に説明した画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明に係る突き当て部材近隣の様子の一例を示す斜視図である。 本発明に係る突き当て部材近隣の様子の一例を示す上視図である。 実施例1におけるベルト体のテンションリリース状態における突き当て部材及び解除機構を示す正面図である。 実施例1におけるベルト体のテンションセット状態における突き当て部材及び解除機構を示す正面図である。 実施例2におけるベルト体のテンションリリース状態における突き当て部材及び解除機構を示す正面図である。 実施例2におけるベルト体のテンションセット状態における突き当て部材及び解除機構を示す正面図である。 実施例3におけるベルト体のテンションリリース状態における突き当て部材及び解除機構を示す正面図である。 実施例3におけるベルト体のテンションセット状態における突き当て部材及び解除機構を示す正面図である。
符号の説明
31 中間転写ベルト(ベルト体)
33 テンションローラ(懸架ローラ)
62 バックアップローラ(懸架ローラ)
101、201、301 ベルトストッパ(突き当て部材)
111、211、311 解除カム(解除機構)
112、212、312 解除軸(解除機構)
113、213、313 スライダ(加圧手段)
104 バネ(加圧手段)

Claims (7)

  1. 複数のローラ間に懸架された無端状のベルト体を有する画像形成装置において、前記ベルト体の装着位置において前記ベルト体のエッジ部と当接する突き当て部材を前記懸架ローラの軸方向との垂直面に沿って運動可能に設けることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記突き当て部材は、前記ベルト体のテンションリリース時に前記ベルト体と当接する位置に移動し、テンションセット時には前記ベルト体から退避することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  3. 前記突き当て部材は、前記懸架ローラの軸方向に対して平行な回動中心軸に対して回動可能であることを特徴とする請求項1又は2の画像形成装置。
  4. 前記突き当て部材は、前記懸架ローラを軸支する筐体上に設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3の画像形成装置。
  5. 前記突き当て部材の前記ベルト体に対する突き当て面先端部にテーパ部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  6. 複数のローラ間に懸架された無端状のベルト体を有した画像形成装置において、前記ベルト体にテンションを与える加圧手段と、該加圧手段を解除する解除機構と、前記ベルト体の装着位置において前記ベルト体のエッジ部と当接する突き当て部材と、を有し、該突き当て部材は前記解除機構に連動して当接位置と回避位置とを移動可能に構成されることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記突き当て部材は、前記解除機構の解除動作の途中から当接位置に移動するように構成されることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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