JP2005315085A - 空調衣服用送風機 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型・軽量で、且つ空調衣服に大量の空気を送り込むことができる空調服用送風機を提供することを目的とする。
【解決手段】羽根車33又はプロペラを有する送風のための回転体30と、回転体に取り付けられた回転体用プーリ30aと、回転体を回転駆動するモータ22と、モータに取り付けられたモータ用プーリ24と、ベルト26とを具備し、回転体用プーリの径は、モータ用プーリの径より大きく、且つ回転体用プーリの径とモータ用プーリの径の比が少なくとも2対1である。
【選択図】図7

Description

本発明は、例えば、道路工事等の重労働や工場内の軽労働を行なう作業者が着用する空調衣服の内側に空気を送り込むための空調衣服用送風機に関するものである。
本発明者は、暑い季節でも消費電力が少なく、かつ快適に過ごすことができる冷却衣服を案出している(PCT/JP01/01360)。かかる冷却衣服は、衣服と下着又は体との間に空気を流通させるための流通路と、衣服に一体的に設けられた送風手段とを備える。この冷却衣服では、送風手段により外部の空気を流通路内に取り込んで流通させることにより、体温と外部の空気の温度との温度差により身体を冷却する。この冷却衣服を着用するだけで、着用者は、暑さを解消できる。このため、冷却衣服を広く普及させれば、ほとんどエアーコンディショナーを必要としなくなり、地球環境保護に貢献するところ極めて大である。ここで言う冷却衣服は本発明で説明する空調衣服に相当する。
国際出願第WO 02/067707号パンフレット
ところで、一般に、空調衣服を着用することによって得られる冷却効果は、着用者の個体差や使用目的によって異なる。例えば、着用者が重労働に従事する場合には、軽作業に従事する場合よりも、大きな流量の空気を流通路に流さなければ、十分な冷却効果が得られない。従来の空調衣服では、この点について考慮されておらず、ただ衣服と下着又は体との間に単に少量の空気を流すだけであった。このような、少量の空気を流通させることを前提として作られた従来の空調衣服は、重労働に従事する場合等のような悪条件下での着用者にとっては、快適とはいえなかった。
また、空調衣服に使用する空調衣服用送風機は、ほとんどの場合、既存の送風機を流用しているのが現状である。したがって、特に、空調衣服用に大量の空気を送り込む空調衣服用送風機については、従来、ほとんど開発されていなかった。
本発明は、このような技術的背景のもとになされたものであり、小型・軽量で、且つ空調衣服に大量の空気を送り込むことができる空調衣服用送風機を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するための本発明に係る空調衣服用送風機は、羽根車又はプロペラを有する送風のための回転体と、前記回転体に取り付けられた回転体用プーリと、前記回転体を回転駆動するモータと、モータに取り付けられたモータ用プーリと、前記回転体用プーリと前記モータ用プーリにかけ渡されたベルトとを具備し、前記回転体用プーリの径は、前記モータ用プーリの径より大きく、且つ前記回転体用プーリの径と前記モータ用プーリの径の比が少なくとも2対1であることを特徴とするものである。
本発明の空調衣服用送風機によれば、回転体用プーリの径は、モータ用プーリの径より大きく、且つ回転体用プーリの径とモータ用プーリの径の比が少なくとも2対1となるように構成したことにより、重い大型のモータでなく、高速回転の小型モータを使用して、大きな回転体を低速回転駆動することができ、これにより全体の構成を小型・軽量化し、且つ空調衣服内に大量の空気の流通させることができる。したがって、本発明によれば、汗の気化熱で体を冷却するという、人間が本来持っている生理的冷却機能を利用して着用者の人体を冷却する空調衣服に用いるのに最適な空調衣服用送風機を提供することができる。
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。
最初に、本発明の第一実施形態である空調衣服用送風機を取り付けた空調衣服について説明する。本実施形態の空調衣服は、本実施形態の空調衣服用送風機により服外の空気を取り入れて人体表面と平行な流れを作ることで、汗の気化熱により体を冷却するという人間の生理的冷却機能を有効に利用して人体を冷却することができる。
[第一実施形態] 図1は本発明の第一実施形態である空調用送風機を取り付けた空調衣服の概略正面図、図2はその空調衣服の概略背面図、図3はその空調衣服の服地部の上着の概略背面図である。本発明の第一実施形態である空調用送風機を取り付けた空調衣服1は、図1、図2及び図3に示すように、空気を透過しない素材で作られた服地部10と、服地部10内に外気を取り入れて大量の空気を流通させる空調衣服用送風機(以下、単にファンとも称する。)2と、ファン2に電力を供給する電源50と、電源50とファンとを電気的に接続する電源コード51とを備えている。ファン2は、服地部10の背中に形成された開口部15にマジックフープ16により着脱自在に取着される。ファン2によって空気流入口21aから取り入れられた空気は、服地部10と着用者100との間の開口部分11である、襟元開口部11a及び袖開口部11bから外部に排出される。なお、本実施形態では、上着の下端をゴムベルトで締めて空気が漏れないようにしているが、下端は開放して、下端からも空気を外部に排出するようにしてもよい。
図1に示す空調衣服1は、長袖の上着と長ズボンからなる衣服であって、長袖の上着はファスナで前を閉じるタイプのものである。上着の内側には、ファン2を駆動するために必要な電源50を収納するためのポケット12が形成されている。電源50としては、経済性の観点から二次電池を用いている。電源50とファン2との間には、ファン2に供給する電力をオン・オフする電源スイッチ(不図示)が設けられている。
図2及び図3に示すように、背中の中央のやや下部分には、ファン2が装着されている。このファン2を取り付けるために、服地部10には大きく切り取られた開口部15が形成されている。この開口部15の周辺内側には、ファン2を取り付けるためのマジックテープ16aが取り付けられている。ファン2にも後述するようにマジークテープ16bが取り付けられており、このマジックテープ16a、16bにより、ファン2は服地部10に着脱自在に装着される。
尚、本実施形態では、長ズボンは、既成のものを使用するので、詳細な説明は省略する。本実施形態の服地部の形状は、使用目的に応じて種々の形態をとることができる。例えば、本実施形態のファンを取着する空調衣服は、上下が分かれたものでなく、ツナギ服のように上下が一体となっているものであってもよい。この場合には、ツナギ服のズボンにも空気が流通して下半身も冷却される。
次に、空調衣服1を着用した時の空気の流れについて説明する。図1及び図2に示すように、背中の開口部15に取り付けられたファン2の空気流入口21aから吸い込まれた空気は、人体表面に平行に流れた後、襟及び袖の各開口部分11から外部に放出される。
次に、ファン2の構成について詳しく説明する。図4は本発明の第一実施形態であるファン2の概略斜視図、図5はそのファン2の概略背面図、図6(a)はそのファンのファンガードの概略正面図、同図(b)はそのファンガードのA−A矢視方向の概略断面図、図7(a)は本発明の第一実施形態であるファン2の本体部20の概略正面図、同図(b)はその本体部20の概略右側面図、図8(a)は本発明の第一実施形態であるファンのプーリ付き回転体の概略正面図、同図(b)はその回転体の概略右側面図である。ファン2は、本体部20とファンガード部40とを備えている。本体部20は、台板21と、台板21上に取着されたモータ22と、同じく台板21上に回転自在に取着されたプーリ付き回転体30とを備える。モータ22の回転軸には、モータ用のプーリ24が取着されている。モータ22は、図7(b)に示すように、モータ22の振動が台板21に伝わるのを防ぐために防振材27を介して台板21に取着されている。プーリ付き回転体30は、軸受25を介して台板21上に回転自在に取着されている。また、プーリ付き回転体30のプーリ30aとモータ用のプーリ24には、ベルト26が掛け渡されている。台板21には、空気を取り入れるための空気流入口21aと、フィンガーガード21bが形成されている。
フィンガーガード21bは、空気流入口21aに誤って指等が入って回転体30と接触して怪我するのを防ぐために設けられている。また、フィンガーガード21bの中心部21cには、軸受25が取り付けられる。したがって、この中心部21c及びフィンガーガード21bには、軸受25を取り付けるために所定の強度が必要となる。本実施形態で、図5の縦方向のフィンガーガード21bを、同図の左右方向のフィンガーガードに比べて幅広に形成しているのは、このためである。
ファンガード40は、図6に示すように、プーリ付き回転体30が回転軸方向から取り入れた空気を服地部10内に放射状に効率よく送出するために、側面部分には等間隔に大きく開口部41が形成されている。また、ファンガード40の上面には円形状の開口部42が合計8箇所に形成されている。ファンガード40の上面は、着用者の背中が当たる部分であるので、蒸れ防止のために開口部42を設けている。なお、ファンガード40は台板21とビス43で固定される。
プーリ付き回転体30は、図7及び図8に示すように、基板部31と、基板部31に取着された羽根32とを有する羽根車33と、基板部31の外周部に基板部と一体的に形成されたプーリ30aと有する。本実施形態では、プーリ30aの外径と羽根車33の外径は、ほぼ同一であることになる。プーリ付き回転体30の軸30aは、軸受25に嵌め込まれ、軸受25により台板21に取着される。本実施形態では、プーリ30aの外径と羽根車33の外径は、ほぼ同一に形成し、且つ基板部31とプーリ30aとを一体的に形成したことにより、回転体30を小型・軽量化することができ、また回転体30の構成を簡易なものとすることができる。さらに、本実施形態のファンは、従来の回転体とプーリとが別個のものであるファンに比べて、回転体とプーリが一体的に形成されているので、組み立て作業が容易になる。
モータ22の軸には、モータ用のプーリ24が取着されている。このプーリ24と回転体30のプーリ30aには、ベルト26が掛け渡されている。モータ22の回転動力は、ベルト26を介して回転体30に伝動される。このベルト26の強度は、後述するように小さくて済むので、ベルト26にはゴムベルトを用いることができる。なお、本実施形態では、ベルト26自体が高速回転しているので、耐久性を考慮し、ウレタンゴムを用いている。
モータ22には、小型・軽量で且つ高速回転をするものを用いる。例えば、5Wの動力を得るためには、小型モータは、回転数が10000回転くらい必要となり、一般的にこのような能力の小型モータの重さは50gくらいである。逆に、低速回転で大出力のモータでは、重さが1kgくらいとなるので空調衣服1への取着が困難となる。
このモータ22は、防振材27を介して台板21にビスで固定されている。防振材27は、高速回転するモータの振動が台板21に伝わらないようにするために、設けられている。例えば、モータ22が一分間に1万回転するようなときには、少しでもモータの軸が偏芯していると、高い周波数の大きな振動エネルギーが発生する。この振動が直接、台板21に伝わると、台板がスピーカの振動板のようになってしまう。このようなモータの振動を軽減するために防振材27には、防振効果の高いゴム等の材料を使用する。
ところで、図7(a)に示すように、モータ22の軸に取り付けられたプーリ24の直径Rと羽根車33に一体成形されたプーリ30aの直径Rは、R<Rで、且つ、Rは羽根車33の外周径の1/2以上であることが望ましい。これは、軽量の小型モータで大きな出力を得るためには、モータを高速回転させて、大きな径の羽根車33の回転数を低くする必要があるからである。
例えば、本実施形態で使用している、直径150mmの大きな径の羽根車を1500rpmで回転するのに必要な動力は、約5W(羽根の形状等により異なる。)であるとする。この動力5Wを得るためにはモータの回転数は、10000rpmくらい必要になる。したがって、モータの回転数10000rpmを羽根車の回転数1500rpmに落とすために、プーリ24とプーリ30aとをベルト26を使用している。したがって、本実施形態の2つのプーリの径の比は、R:R=3:20となる。
また、必要な動力は、F×V(力×速度)で表わすことができる。ここで、F(力)はベルトにかかる力(=プーリ30aを回転するための力)であり、V(速度)はベルトの移動速度である。所定の動力を得るのに必要なF(力)とV(速度)は、V(速度)を大きくし、F(力)を小さくする方が好ましい。F(力)が大きいと種々の問題が発生するからである。例えば、モータ22と軸受25を取り付けるための台板21に大きな強度が必要となり、また、ベルト26にも強度が要求され、さらに軸受25での摩擦が増えてエネルギー損失が増え、軸受25の寿命が短くなるなどの問題点が発生するためである。F(力)を小さくするには、プーリ30aの径を大きくすればよい。このようにF(力)を小さなものとすることにより、モータ等の軸に加わる力やベルト26の強度を小さなものにすることができる。なお、F(力)を小さくすると、所定の動力を得るために、V(速度)を大きくしなければならないが、高速回転の小型モータは入手が容易であり、また、ウレタンゴム製のベルトを使用することにより、ベルトの劣化等の問題も生じない。
本実施形態のファン2は、服地部10と身体又は下着との間に送出できる空気の流量が約40リットル/秒の能力を有するものとしている。ファン20が約40リットル/秒の流量の空気を服地部10内に送出すると、その空気の圧力によって、服地部10と身体との間に身体と平行に空気を流すための空間が自動的に形成される。したがって、このような場合、服地部10には、空気の流通路を確保するためのスペーサ等は必要なくなる。
なお、本実施形態のファンの場合、羽根車の直径や回転数を変えることにより、送出する風量を増減することができる。図11は、各直径の羽根車を用いたファンの風量と、最大空調能力と、実能力と、汗の蒸発量の値の一例を示す表である。なお、図11の表では、回転数は、直径が小さければ回転数を大きく、直径が大きければ回転数を小さくして、各羽根車の直径に応じた適正な値となるようにしている。また、図11において、最大空調能力というのは、服地部と身体との空間に流通させた標準空気が1時間当りに吸収することができる、計算上の理論値である熱量をいう。ここで、標準空気とは、温度33°C、湿度50%の空気のことをいう。また、実能力というのは、服地部と身体との空間に取り入れた空気によって実際に吸収することができる熱量、すなわち実際に汗の蒸発に寄与しうる熱量をいう。服地部と身体との空間に取り入れた空気の全てが冷却に寄与するわけではなく、取り入れた空気のうち身体から離れた位置を通過する空気は、身体から離れるに従って冷却に寄与する度合が少なくなる。そこで、図11の表では、最大空調能力の60%を実能力と推定して、その数値を示している。また、汗の蒸発量というのは、例えば、直径180mmの羽根車を用いたファンが1時間に蒸発することができる汗の最高値をいう。直径180mmの羽根車を用いたファンの場合、図11に示すように、1時間に2.8リットルの汗を蒸発できる。また、150mmの羽根車を用いた上記の本実施形態のファンの場合、図11から分るように、風量は40リットル/秒、最大空調能力は1568キロカロリー/H、実能力は941キロカロリー/H、汗の蒸発量は1.6リットル/Hである。したがって、重労働を行う作業者が本実施形態の空調衣服を着用すると、一時間に1.6リットルの汗を蒸発させることができるので、このときの気化熱を利用して十分に着用者の身体を冷却することができる。
次に、本実施形態のファンの動作について説明する。図7(a)に示す矢印Aは、プーリ付き回転体30の回転方向を表している。モータ22に電源50から電力が供給されると、モータ22が回転し、この回転はベルト26を介して回転体30に伝動される。これにより、回転体30が図7(a)の矢印Aの方向に回転する。これにより、回転体の羽根車33の軸方向から空気を吸入し、羽根車22bの外周方向へ空気を放射状に送出すことができる。このように羽根車33の軸方向から吸入した空気を羽根車の外周方向へ放射状に送出すファンは、「ターボファン」とも呼ばれている。また、本実施形態の構造の羽根車は、左右どちらの方向に回転しても、羽根車の軸方向から空気を吸入し、羽根車の外周方向へ空気を放射状に送出すことができる。
次に、本実施形態の空調衣服の動作について説明する。図9は、第一実施形態のファンの空気の流れを説明するためのファンの概略背面図である。
着用者が電源スイッチ(不図示)をONにすると、空調衣服1の服地部10の正面胸付近に設けられた内ポケットに収納された電源50より、コード51を介してファン2のモータ22に電力が供給され、モータ22が回転する。モータ22が回転すると、モータ22の軸に取着されたプーリ24も回転し、これにより、ベルト26を介してプーリ30aも回転する。プーリ30aが回転すると、プーリ30aと一体的に形成された羽根車33も回転する。羽根車22bが回転すると、外部の空気が、図9に示すように、空気流入口21aから流入し、ファンガード30の4辺側面の全ての開口部41から服地部10内に送出される。ファン2によって、服地部10に送出される空気は、約40リットル/秒であるので、送りこまれた空気の圧力によって、服地部10と身体との間には、自動的に空気が通る空間が形成される。服地部10内に送出された空気は、着用者の体表面に沿って平行に流れて襟及び袖の各開口部分11から外部に排出される。このようにして、外部の空気を服地部内に取り入れて着用者の体表面に沿って流すことにより、大量の冷たい外気により着用者を冷却することができ、また、着用者の汗を水蒸気として空気とともに外部に排出し、これにより着用者の汗の気化を促進して、汗の気化熱により着用者の体を冷却することができる。
上記の本実施形態のファンによれば、小型で高速回転のモータを使用することにより、プーリ付き回転体の回転数を低くすることができ、またベルト26、プーリ付き回転体、台板、軸受等に加わる力を小さくすることができるので、全体の構成を簡易なものとすることができる。
また、本実施形態のファンによれば、回転体とプーリとを一体的に形成することにより、ファンを小型化することができ、また、回転体とプーリとを嵌め合わせる作業が不要となるので、従来のファンに比べて、簡単に組み立てることができる。
また、本実施形態によれば、モータ用のプーリ24の直径Rと羽根車33に一体成形されたプーリ30aの直径Rが、R:R=3:20で、且つ
は羽根車33の外周径とほぼ同じとしたことにより、小型のモータでも、大量の空気を服地部内に送り込むことができる。
また、本実施形態のファン2は、図5に示すように、台板21の裏面に取り付けられたマジックテープ16bと、服地部10の背中に大きく開いた開口部15の縁の周囲内側に取り付けられたマジックテープ16aとで服地部10に取着される。このように、本実施形態では、ファン2はマジックテープ16を用いて、服地部10に取着されるので、ファン2は服地部10にしっかり固定され、取着部からの空気の漏れはほとんどない。また、本実施形態のファン2は、簡単に着脱できるので、空調衣服1は洗濯が容易にできる。
また、本実施形態は、一台のモータで大量の空気を服地部内に送出することができるので、複数のモータを使用する場合に比べてコストパホーマンスが高く、特に大量の空気を服地部内に送風する必要がある空調衣服に用いるのに好適である。
[第二実施形態] 次に、本発明の第二実施形態について図面を参照して説明する。図10(a)は本発明の第二実施形態であるファンに使用されているプーリ付き回転体の概略正面図、同図(b)はそのプーリ付き回転体の概略右側面図、同図(c)はそのプーリ付け回転体のB−B矢視方向の概略断面図である。尚、第一実施形態のファンと第二実施形態のファンとが異なるのは、プーリ付き回転体だけである。したがって説明を簡略化するために、本実施形態では、第一実施形態と異なる部分のみ説明する。また、第二実施形態において、第一実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
第二実施形態のプーリ付き回転体60では、第一実施形態のプーリ付き回転体30の羽根車33の代わりにプロペラ61を用いている。また、プロペラ61の外周には、プロペラ61と一体的にプーリ62が形成されている。
本実施形態の作用・効果は、第1実施形態のものと同様であるので、その詳細な説明は省略する。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記の実施形態では、回転体のプーリが回転体の外形と同じである場合について説明したが、回転体のプーリは、回転体の1/2以上であればよい。また、回転体のプーリは、回転体の径の1.5倍以内であることが望ましい。回転回のプーリがこれ以上大きくなると、ファンが大型になり、空調衣服に取着することが難しくなるからである。
また、本発明のファンは、空調衣服内に大量の空気を送り込む場合に限られるものではなく、空調衣服に少量の空気を送り込むものであってもよい。
また、回転体のプーリは、回転体と一体的に形成する場合に限られるものではなく、回転体とは別個のものとしてもよい。
また、上記の実施形態では、40リットル/秒の送風能力を持つファンを使用する場合について説明したが、本発明のファンの送風能力は、送出する空気の圧力によって、服地部と身体との間に身体と平行に空気を流すための空間が自動的に形成される流量であれば、どのような能力のものであってもよい。使用する空調衣服の形状や材質によってファンに要求される送風能力は異なるが、空気を流すための空間を自動的に形成するためには、本発明者の試験によれば、少なくとも6リットル/秒の送風能力は必要であると考えられる。また、100リットル/秒以上の能力は必要ないと考える。上述した図11から分るように、70リットル/Hで一時間当り2.8リットルの汗を蒸発させることができるので、100リットル/秒の送風能力は、重労働を行う作業者の汗を蒸発するのに十分な流量であり、この以上の送風能力は過剰仕様となり、意味がないからである。
以上説明したように、本発明の空調衣服用送風機によれば、小型・軽量で、且つ大量の空気を空調衣服内に取り入れることができる。したがって、本発明は、特に重労働等の立ち作業者などが使用する空調衣服に適用することができる。
本発明の第一実施形態である空調用送風機を取り付けた空調衣服の概略正面図である。 第一実施形態の空調衣服の概略背面図である。 第一実施形態の空調衣服の上着の概略背面図である。 第一実施形態であるファン2の概略斜視図である。 第一実施形態であるファン2の概略背面図である。 (a)は第一実施形態のファンのファンガードの概略正面図、(b)はそのファンガードのA−A矢視方向の概略断面図である。 (a)は本発明の第一実施形態であるファン2の本体部20の概略正面図、同図(b)はその本体部20の概略右側面図である。 (a)は本発明の第一実施形態であるファンのプーリ付き回転体の概略正面図、(b)はその回転体の概略右側面図である。 第一実施形態のファンの空気の流れを説明するためのファンの概略背面図である。 (a)は本発明の第二実施形態であるファンに使用されているプーリ付き回転体の概略正面図、(b)はそのプーリ付き回転体の概略右側面図、(c)はそのプーリ付け回転体のB−B矢視方向の概略断面図である。 各直径の羽根車を用いたファンの風量と、最大空調能力と、実能力と、汗の蒸発量の値の一例を示す表である。
符号の説明
1 空調衣服
2 ファン
10 服地部
11 開口部分
12 ポケット
16 マジックテープ
20 本体部
21 台板
22 モータ
24 モータ用のプーリ
25 軸受
33 羽根車
25 軸受
26 ベルト
27 防振材
21b フィンガーガード
30 回転体
30a 回転体用のプーリ
31 基板部
32 羽根
33 羽根車
40 ファンガード
41 開口部
42 開口部
50 電源
51 コード
61 プロペラ
100 着用者

Claims (5)

  1. 羽根車又はプロペラを有する送風のための回転体と、前記回転体に取り付けられた回転体用プーリと、前記回転体を回転駆動するモータと、モータに取り付けられたモータ用プーリと、前記回転体用プーリと前記モータ用プーリにかけ渡されたベルトとを具備し、
    前記回転体用プーリの径は、前記モータ用プーリの径より大きく、且つ前記回転体用プーリの径と前記モータ用プーリの径の比が少なくとも2対1であることを特徴とする空調服用送風機。
  2. 前記回転体の外径と前記回転体用プーリの外径とがほぼ同一であることを特徴とする空調服用送風機。
  3. 前記回転体の外周部の一部に前記回転体用プーリを形成したことを特徴とする空調服用送風機。
  4. 空気を取り入れるための開口部が形成された、前記回転体と前記モータとを取着する台板と、
    前記回転体が空気を排出するための開口部が少なくとも側面に形成された、前記台板に取着された前記回転体と前記モータとを覆って保護するガード部と、
    を具備することを特徴とする空調服用送風機。
  5. 前記モータは、防振手段を介して前記台板に取着されていることを特徴とする空調服用送風機。


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