JP2005313017A - 鉄酸化バクテリアと中和剤を使用した酸化中和方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 廃水中の第一鉄イオンを第二鉄イオンに酸化すると同時に第二鉄イオンを中和することによって、効率よく稼動することができ、かつ廃棄物の発生を抑制することができる中和方法を開示する。
【解決手段】 硫酸酸性で第一鉄イオンを含有する液に対し、鉄酸化バクテリアで第一鉄イオンの酸化をしながら、マグネシウム系中和剤、ナトリウム系中和剤、およびカリウム系中和剤から選ばれた1つの中和剤を添加し、液のpHを2.2〜4.5の範囲に調整して鉄酸化バクテリアの着床体を生成する。中和剤は水酸化マグネシウムスラリー、水酸化マグネシウム、活性酸化マグネシウム、および軽焼酸化マグネシウムの1または複数のマグネシウム系中和剤である。着床体は酸化中和槽にて生成させ、この着床体と着床体に付着した鉄酸化バクテリアとを回収し、前記回収した着床体と鉄酸化バクテリアとを沈降槽を経由させて前記酸化中和槽へ循環させる。
【選択図】 なし
【解決手段】 硫酸酸性で第一鉄イオンを含有する液に対し、鉄酸化バクテリアで第一鉄イオンの酸化をしながら、マグネシウム系中和剤、ナトリウム系中和剤、およびカリウム系中和剤から選ばれた1つの中和剤を添加し、液のpHを2.2〜4.5の範囲に調整して鉄酸化バクテリアの着床体を生成する。中和剤は水酸化マグネシウムスラリー、水酸化マグネシウム、活性酸化マグネシウム、および軽焼酸化マグネシウムの1または複数のマグネシウム系中和剤である。着床体は酸化中和槽にて生成させ、この着床体と着床体に付着した鉄酸化バクテリアとを回収し、前記回収した着床体と鉄酸化バクテリアとを沈降槽を経由させて前記酸化中和槽へ循環させる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、鉱山廃水や工場廃水などを対象とする水処理方法に係り、特に水中の第一鉄イオンを鉄酸化バクテリアで第二鉄イオンに酸化し、同時に中和剤を添加して第二鉄イオンを中和する酸化中和方法に関するものである。
従来から、鉱山廃水や工場廃水を処理する方法は複数が公知である。特に、鉱山廃水の場合には鉄分が多く存在しており、これをどのように処理するかという点は重要であった。出願人は、この点に着目して、過去に第一鉄を含む排水の処理方法を開示している。
上記先行技術では、鉄成分を除去するために鉄酸化バクテリアの着床体を得ることを目的とし、および脱鉄することを目的として、炭酸カルシウムを使用していた。ところで、鉄酸化バクテリアが生育できるのは硫酸酸性の環境である。従って、従来の酸化中和槽では硫酸イオン、第二鉄イオンを含有する液に、炭酸カルシウムを添加していたので、硫酸カルシウム(石膏)、塩基性硫酸第二鉄、および水酸化第二鉄などが生成し、これらの混合物が鉄酸化バクテリアの着床体となっていた。しかし、このような石膏と鉄沈殿物が混合した着床体を利用して長時間稼動した場合には、特に石膏の比率が高くなるときには、鉄酸化バクテリアの細胞数が徐々に減少し、第一鉄イオンの酸化成績も徐々に悪化するという問題があった。
また、鉄酸化バクテリアを利用する酸化中和システムは、対象水中の第一鉄イオンを鉄酸化バクテリアを使用して第二鉄イオンに酸化し、かつ第二鉄イオンを中和する酸化中和槽と、酸化中和槽で生成した鉄酸化バクテリアの着床体と鉄酸化バクテリアを回収する沈降槽で構成される。そして、沈降槽において回収した鉄酸化バクテリアが付着した着床体を、酸化中和槽へ循環するが、余剰のものは系外へ排出することになる。このとき、着床体は石膏、塩基性硫酸第二鉄、および水酸化第二鉄などの混合物であるから、有効利用は困難であり、産業廃棄物となり、その量も無視することができないという課題がある。
本発明は、上述した従来の課題を解決するもので、廃水中の第一鉄イオンを第二鉄イオンに酸化すると同時に第二鉄イオンを中和することによって、効率よく稼動することができ、かつ廃棄物の発生を抑制することができる中和方法を開示することを目的とする。
上述した目的を達成するために、発明者らは、塩基性硫酸第二鉄や水酸化第二鉄など、鉄殿物といわれる鉄主成分で含水率の高い固形物は、鉄酸化バクテリアの着床体として良好ではあるが、拙稿は鉄酸化バクテリアの保持性に劣ることを見出した。従来技術では、着床体としての鉄殿物や石膏は、酸化中和槽と沈降槽の間を循環するが、この間に各々の固形物粒子が増粒し、総表面積が減少し、含水率も減少することによって、鉄酸化バクテリアが付着しにくい物質に改質してしまったため、時間の経過に伴って鉄酸化バクテリアの細胞数が減少したものと考えられる。鉄殿物と石膏を比較すると、石膏の方が結晶成長が早く、鉄酸化バクテリアの着床体としてはより不向きと考えられる。そこで、酸化中和槽中で石膏を生成しない中和剤として、マグネシウム系中和剤を採用することとした。
酸化中和におけるpHは、塩基性硫酸第二鉄を生成する下限であるpH2.2から、鉄酸化バクテリアが生育する上限であるpH4.5の範囲で調整する。本発明ではこのようにして調整されたpH雰囲気は、硫酸酸性で第一鉄イオンを含有する液に対して、鉄酸化バクテリアによって第一鉄の酸化を行いながら、マグネシウム系中和剤を添加して調整する。そして、これによって鉄酸化バクテリアの着床体を作るという手段を用いている。マグネシウム系中和剤としては、水酸化マグネシウムスラリー、水酸化マグネシウム、活性酸化マグネシウム、軽焼酸化マグネシウムを代表的に使用する。さらに、酸化中和槽において生成する鉄酸化バクテリアの着床体と、この着床体に付着した鉄酸化バクテリアとを回収し、これらを酸化中和槽に対して循環させる沈降槽を構成することとした。
石膏を生成しない中和剤としては、マグネシウム系中和剤のほかに、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)などのナトリウム系中和剤や、カリウム系中和剤も考えることができる。しかしながら、ナトリウム系中和剤やカリウム系中和剤に対して、水酸化マグネシウムスラリーや軽焼酸化マグネシウムなどのマグネシウム系中和剤は廉価であるので、経済性に優れるという利用効果がある。そこで、本発明では、第一にマグネシウム系中和剤を選択した。しかしながら、これによって本発明の範囲を限定的に解釈して、ナトリウム系中和剤およびカリウム系中和剤を意識的に除去するものではない。
なお、廃水処理のみを主目的とする場合には、酸化中和槽のpHを3.5〜4.5の間で調整し、本発明において採用した酸化中和系で液中の鉄成分を完全に除去した後に、適宜な中和剤でさらにpHを5.8〜8.6の間で調整して処理水としてもよい。また、本発明では鉄成分の除去を目的としたが、鉄以外の金属などをさらに除去する必要がある場合には、これらを除去するための公知の水処理工程と組み合わせることもある。
さらに本発明の発展として、例えば酸化中和槽の導入水が鉄と砒素とを含有している場合は、本発明の酸化中和系のpHを2.2〜3.5の間で適宜調整し、砒素と鉄との共沈、および鉄殿物への吸着で完全に除去した後に、沈降槽の上澄水を適当な中和剤によって中和すれば、残余する鉄を不純物を除いた状態で回収することも可能である。
本発明方法では、鉄酸化バクテリアを利用する酸化中和方法において、上記系列の中和剤を使用することによって鉄酸化バクテリアとの相性が良い鉄殿物だけを着床体として生成させることになる。これを沈降槽において回収し、酸化中和槽に対して循環させることによって、酸化中和系の鉄酸化バクテリアの細胞数を一定に保ち、安定した第一鉄の酸化能力を発揮させるという効果を期待することができるようになった。
また、酸化中和槽では石膏を生成することがないので、余剰殿物の生成は少量となり、酸化中和系から排出される着床体が少なくなるので、鉄酸化バクテリアの細胞数の減少量も抑制することができ、第一鉄イオンの酸化作用はさらに安定することができる。しかも、余剰殿物の減少によってこれを抜き出すためのポンプ動力も削減することができるので、省エネルギー効果も期待することができる。
さらにまた、中和剤として水酸化マグネシウムスラリーや軽焼酸化マグネシウムなどを利用すれば、原材料費が廉価になり、経済的効果をも発揮することができる。しかも、中和処理をさらに進めれば鉄などの有価物を回収することができるので、廃水中から利用価値のある金属を再生することが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。表1には、酸化中和槽内の鉄酸化バクテリア細胞数と、第一鉄イオン酸化速度の経日変化を、本発明方法に従って水酸化マグネシウムスラリーを使用した場合と、従来法による炭酸カルシウムを使用した場合とを比較して示した。本発明方法の場合には、従来法よりも酸化中和槽内の鉄酸化バクテリア細胞数および第一鉄イオンの酸化速度の何れもが、より良好な結果を示した。細胞数の変化については、運転開始から20日経過後には既に従来法では大幅に減少しているのに対して、本発明方法では逆に増加しており、日数が経過するごとにその差は大きくなった。また、第一鉄イオンの酸化速度についても、本発明方法では徐々に速くなっているのに対して、従来法では遅くなっており、日数の経過とともに大きい違いになった。
次に、表2には、pH1.9雰囲気において、T−Fe=370mg/Lの液を、本発明方法および従来法に従ってそれぞれ酸化中和したときの、殿物発生量を示した。本発明方法によって水酸化マグネシウムスラリーを用いた場合には、上述したように石膏を生成しないので、殿物の発生は、炭酸カルシウムを用いた従来法と比べて約800mg/Lの減量となった。
Claims (3)
- 硫酸酸性で第一鉄イオンを含有する液に対し、鉄酸化バクテリアで第一鉄イオンの酸化をしながら、マグネシウム系中和剤、ナトリウム系中和剤、およびカリウム系中和剤から選ばれた1つの中和剤を添加し、液のpHを2.2〜4.5の範囲に調整して鉄酸化バクテリアの着床体を生成することを特徴とした鉄酸化バクテリアと中和剤を使用した酸化中和方法。
- 中和剤はマグネシウム系中和剤であり、マグネシウム系中和剤は水酸化マグネシウムスラリー、水酸化マグネシウム、活性酸化マグネシウム、および軽焼酸化マグネシウムの1または複数である請求項1に記載の鉄酸化バクテリアと中和剤を使用した酸化中和方法。
- 着床体は酸化中和槽にて生成させ、この着床体と着床体に付着した鉄酸化バクテリアとを回収し、前記回収した着床体と鉄酸化バクテリアとを沈降槽を経由させて前記酸化中和槽へ循環させる請求項1に記載の鉄酸化バクテリアと中和剤を使用した酸化中和方法。
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JP2004131101A JP2005313017A (ja) | 2004-04-27 | 2004-04-27 | 鉄酸化バクテリアと中和剤を使用した酸化中和方法 |
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JP2004131101A Pending JP2005313017A (ja) | 2004-04-27 | 2004-04-27 | 鉄酸化バクテリアと中和剤を使用した酸化中和方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008006384A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-01-17 | Dowa Techno Engineering Co Ltd | 低pH廃水に含まれる第一鉄イオンのバクテリア酸化方法 |
JP2008264687A (ja) * | 2007-04-20 | 2008-11-06 | Nippon Steel Corp | 廃液からの鉄分の回収方法 |
JP2017177026A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 株式会社システック | pH調整方法及びpH調整装置 |
JP2017177027A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 株式会社システック | 鉄バクテリア担持体とその作成方法およびこれに用いた塩基性溶液のpH調整方法 |
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2004
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