JP2005312907A - 着用物品 - Google Patents

Abstract

【課題】前後側ウエスト域の互いの締結状態を確実に保持することが出来る着用物品の提供。
【解決手段】前後側ウエスト域３，４を有すシャーシ１と、シャーシの両側部をそれぞれ互いに締結するための手段２と、前後側ウエスト域の少なくとも一方が横方向へ弾性的に伸縮調節可能な手段とを含み、締結手段２は、その先端部が内側に向きかつその基端部が後側ウエスト域の両側部それぞれに固定されている扁平かつ剛性な締結パネル６Ａと、前側ウエスト域の両側部それぞれに位置し締結パネル６Ａが離脱可能に係合する係止部６Ｂとから構成されている着用物品。
【選択図】図１

Description

この発明は、排泄物を直接的又は間接的に受容するための着用物品に関する。さらに詳しくは、特に使い捨ての、おむつ、おむつカバー、トレニングパンツ、失禁パンツなどの着用物品を着用者の身体の適切な部位に保持するための固定ポイント締結手段を備える該物品に関する。

従来、物品の前後ウエスト域の両側部を互いに締結するための手段として、後側ウエスト域の両側部外面にファスナと剥離可能に係合するターゲットテープとをそれぞれ配置したものが知られている（特許文献１）。

また従来、物品の前後ウエスト域の両側部を互いに締結するための手段として、互いに係合する一対の固定ポイント締結ファスナを採択したものが知られている（特許文献２）。このファスナは、後側ウエスト域の両側部に配置したほぼＶ形を有する剛性部材と、前側ウエスト域の両側部に配置した、前記部材と相似形を有する剛性部材とからなり、これら部材は互いに係脱可能である。
特開昭５８−２０３１０１号公報 特公平７−９００３２号公報

特許文献１に開示されたファスナにおいては、ファスナとターゲットテープとを互に係合させるものであるところ、その係合の際に位置決めを必要とする。したがって、その位置決めが適切になされなかった場合、物品を着用者の身体の適切な部位に固定することができなかったことに起因して物品がずれ下がってしまい、その結果、その脚開口から排泄物が漏れるという問題がある。また、物品の着用時や着用中にファスナとターゲットテープとの互いの締結部に一定以上の剪断力が作用すると、その締結が不用意に解かれてしまうという問題もある。

特許文献２に開示された固定ポイント締結ファスナにおいては、締結部位が固定されるから、特許文献１におけるがごとき問題はない。しかしながら、互いに係合する一対のファスナはほぼＶ字形を有していて着用時に嵩張るうえに、それらの屈曲部が着用者の身体を局所的に圧迫し、その圧迫力は着用者の胴回りを締め付ければそれだけ強くなり、着用者に違和感を与えることになる。

この発明者は、鋭意検討の結果、物品の着用時や着用中に、締結部に剪断力が強く作用すればするほど、その締結が確実に保持され、着用中に決して物品が着用位置からずれ下がったり落下したりする虞のない固定ポイント締結手段を採択し、前記問題を解決したものである。

この発明に係る着用物品は、縦軸及びこれに交差する横軸と、内面及びこれに対向する外面と、ウエスト開口を画成する第１及び第２ウエスト域と、前記第１及び第２ウエスト域間に延在しこれら域と協働して一対のレッグ開口を画成する股下域とを有するシャーシと、前記シャーシの両側部をそれぞれ互いに締結するための手段と、前記第１及び第２ウエスト域の少なくとも一方が前記横軸に沿う方向へ弾性的に伸縮調節可能な手段とを含む。

この発明に係る着用物品の特徴とするところは、前記締結するための手段が、前記横軸に沿う方向へ互いに離間する先端部及び基端部を有し、前記先端部が前記縦軸の側に向きかつ前記基端部が前記第１ウエスト域の両側部それぞれに固定されている扁平かつ剛性な締結パネルと、前記第２ウエスト域の両側部それぞれに位置し前記締結パネルが離脱可能に係合する係止部とから構成されていることにある。

この発明に係る着用物品によれば、ウエスト域の両側部を互いに締結するための手段が固定ポイントとしての締結パネルを含むから、その締結の際に位置決めをする必要がない。物品の着用中には、弾性的に伸縮調節可能な手段による第１及び第２ウエスト域の自動的な締め付け下に、締結パネルが第１ウエスト域の両側部それぞれによって着用者のウエストに弾性的に圧接され、そのため、その圧接は、締結パネルを含む第１及び第２ウエスト域の両側部に剪断力が強く加わるほど強くなる。しかも、締結パネルは所要の剛性を有し、第１及び第２ウエスト域の固定支持部として機能する。したがって、前記締結が確実に保持されるから、物品が着用中に不用意にずれ下がることに起因して排泄物の漏れが生ずることを未然に防止することができるとともに、物品が不用意に脱げてしまう虞がない。
この発明は、好ましい下記の実施態様を含む。

前記締結パネルは、前記基端部が前記第１ウエスト域の両側部それぞれの内面に固定され、前記基端部から前記横軸の方向へ延びて該両側部から外方へ突出する摘持タブを有することが好ましい。この態様によれば、第１ウエスト域の両側部を不自然に屈曲させることなく第１及び第２ウエスト域の両側部の締結を整然となすことができるとともに、その締結及びその解除のための締結パネルの操作が容易である。

前記第１ウエスト域の両側部それぞれの側縁に沿って補強部を有することが好ましい。この態様によれば、物品着用時や着用中に締結パネルに比較的強い引張力が加わっても、締結パネルの基端部がその固定部から離脱したり、その固定部が破損したりすることがない。

前記係止部は、前記第２ウエスト域の両側部それぞれの外面におけるループやスリットにより形成されていることが好ましい。この態様によれば、特別な部材を用いることなく係止部を容易に形成することができる。

前記締結パネルは、前記先端部にフックを有することが好ましい。この態様によれば、締結パネルの係止部に対する係合が一層確実になる。

前記締結パネルは、プラスチックスから形成され、前記物品の着用状態で着用者のウエスト曲面に沿って湾曲可能であることが好ましい。この態様によれば、所要な剛性を有する締結パネルを容易に採択することができ、しかも着用者に違和感を与えることがない。

前記締結パネルのテーバー法による測定剛性値は０．０９Ｎ／ｃｍ〜３Ｎ／ｃｍであり、前記縦軸に沿う方向における前記締結パネルの寸法は５〜５０ｍｍ、前記横軸に沿う方向における前記締結パネルの寸法は２０〜６０ｍｍであることが好ましい。この態様によれば、着用者に不快な強い当接刺激を与えることがないとともに第１及び第２ウエスト域の固定支持部として十分に機能し、物品の着用中に締結パネルが位置する第１及び第１ウエスト域の両側部及びその近傍に皺が生じることなく着用見栄えが良好となる。

前記伸縮調節可能な手段として、前記第１及び第２ウエスト域の少なくとも一部に弾性伸縮性材料が用いられていることが好ましい。この態様によれば、その一方の構成材料として公知の弾性伸縮性不織布などを用いることができる。

前記シャーシは、透液性内面シートと、不透液性外面シート及びこれらシート間に介在する吸液性コアから構成されていることが好ましい。この態様によれば、この種の公知物品と同様におむつなどの吸収性物品を容易に提供することができる。

図１〜図３において、この発明に係る一実施形態としてのいわゆるオープンタイプの使い捨ておむつを示す。おむつは、シャーシ１と、締結手段２とを含む。シャーシ１は、縦軸Ｙ及びこれに交差する横軸Ｘと、内面１ａ及びこれに対向する外面１ｂと、前側ウエスト域３と、後側ウエスト域４と、これらの間に延在する股下区域５とを有する。締結手段２は、後側ウエスト域４の両側部の内面１ａにそれぞれ配置された扁平かつ剛性な一対の締結パネル６Ａと、前側ウエスト域３の両側部それぞれに配置された一対の係止部６Ｂとを含む。締結パネル６Ａを係止部６Ｂに離脱可能に係合することで、シャーシ１がパンツ型に組み立てられ、その結果、ウエスト開口７と、一対のレッグ開口８とが画成される。

シャーシ１は、不織布からなる透液性内面シート９と、プラスチックフィルムからなる不透液性外面シート１０と、これら間に好ましくは、間欠的に塗布されたホットメルト接着剤（図示せず）を介して固定的に配置された、フラッフパルプを主材としてなる吸液性コア１１とを含む。ただし、シャーシ１は、物品の用途によっては、例えば、物品がオムツカバーである場合には、吸収性コア１１が不要であり、図示の構成に限定されるものではない。シャーシ１は、さらに弾性的に伸縮調節可能な手段として、後側ウエスト域４において連接され、内外面シート９，１０よりも引っ張り強度の高い弾性的収縮性を有し不織布からなる一対のシート部材１２と、これら間に連接された不織布からなるシート部材１３と、前側ウエスト域３の外面シート１０の外面に接合され、同様に内外面シート９，１０よりも引っ張り強度の高い不織布からなる帯状部材１４とを含む。帯状部材１４は、前側ウエスト域３のほぼ中央部の外面に固定された弾性的に伸縮可能な中間部材１４ａ及びその長さ方向両端部にそれぞれ連接し前記外面に固定されない両端部材１４ｂを含む。弾性的に収縮調節可能な手段を形成するには、図示してないが、例えば、弾性的に非伸縮可能な不織布に糸状又はリボン状の弾性部材を取り付けてあってもよく、図示例に限定されない。

シャーシ１は、レッグ開口８を画成するサイドフラップ１５に沿って収縮可能に配置された複数の糸状弾性部材１６を備える。弾性部材１６は、サイドフラップ１５の内部にホットメルト接着剤（図示せず）を介して固定され、その伸長が解かれると収縮して、該部分にギャザーを形成する。

シャーシ１は、さらにその長さ方向に並行して延在し液抵抗性不織布からなるバリヤカフ１７を含む。バリヤカフ１７は、基縁部１７ａにおいてコア１１の側縁近傍のサイドフラップ１５の上面にホットメルト接着剤又は溶着手段（図示せず）を介して固定され、基縁部１７ａからの延長部１７ｂにおいてその長さ方向へ弾性化されている。この弾性化は、末縁部１７ｃに沿って弾性的に伸長下に配置された糸状の少なくとも一条の弾性部材１８によってなされている。

図４において、締結パネル６Ａは、身体対向面１９ａと着衣対向面１９ｂとを有し、少なくとも身体対向面１９ａが平滑であり、シャーシ１の横軸に沿う方向へ離間する先端部６ａと、不織布からなるカバー２０で被覆された基端部６ｂとを有し、基端部６ｂにおいて後側ウエスト域４の両側縁に沿って一体に形成された不織布などの繊維材料からなる補強部２１とこれに固定された保持片２２を介して固定され、先端部６ａにおいて鉤状のフック２３が形成され、基端部６ｂに連なって摘持タブ２６が形成されている。

締結パネル６Ａは、アクリルなどのプラスチックスから形成され、テーバー法による測定剛性値は０．０９Ｎ／ｃｍ〜３Ｎ／ｃｍであり、シャーシ１の縦軸に沿う方向における寸法は、５〜５０ｍｍであり、横軸に沿う方向における寸法は２０〜６０ｍｍであることが、着用者のウエスト曲面に沿って湾曲可能となり、肌に不快な刺激を与えないとともに、物品の着用中の着用者の運動によって捻れなどの変形を生ずることなく前後ウエスト域３，４の固定支持部として機能させるうえで好ましい。なお、締結パネル６Ａとしては、プラスチックスにかえて、例えば、厚紙の表面を樹脂加工して所要の剛性を付与したものをも採択することができる。

図５において、締結パネル６Ａが離脱可能に係合する係止部６Ｂが、繊維材料からなり、前側ウエスト域３の両側部それぞれの外面１ｂにループを形成する紐状片２４によって形成されている。紐状片２４は、両端２４ａと両側縁２４ｂ，２４ｃとを有し、両端２４ａにおいて外面１ｂの所定位置に固定されている。

図６及び図７に示すように、物品は、締結パネル６Ａを、係止部６Ｂを形成する紐状片２４の一側縁２４ｂの側から他側縁２４ｃを経て紐状片２４に通すことで組み立てられる。その際、着用者のウエスト回りのサイズによっては、フック２３が他側縁の側から紐状片２４に係合することになる。通常、この組み立ては、物品が着用者の所定部位にあてがわれた状態でなされるところ、物品を組み立てた状態で着用することもできる。物品の着用状態では、前後側ウエスト域３，４がそれらの弾性収縮性に抗して伸長し緊張した状態にあって、後側ウエスト域の側部が締結パネル６Ａを着用者のウエスト側へ押圧する状態になる。この状態では、締結パネル６Ａが内側に位置する前側ウエスト域３の側部を介して着用者のウエストと外側に位置する後側ウエスト域４の側部との間に比較的に強く挟圧されることになる。したがって、締結パネル６Ａが所定部位に確実に固定されるので、フック２３は必ずしも必要な要素ではない。また、この状態では、互いに重なり合う前後側ウエスト域３，４の各側部に剪断力が比較的に強く加わることになる。剪断力がさらに強く加わる場合には、それだけ前記圧接が強くなる。したがって、締結パネル６Ａを介する前後側ウエスト域３，４の互いの締結及びその位置固定が確実に保持されることになる。

図８及び図９において、この発明の他の実施形態を示してある。この実施形態においては、前側ウエスト域３の両側部の所定部位にスリット２５を形成することで、係止部６Ｂが設けられている。締結パネル６Ａをスリット２５に挿入することで、前後側ウエスト域３，４が互いに締結される。その他の物品の構成は、図１〜図７に示す前記実施形態と同様であり、また、図示から明らかなようなように、その作用もほぼ同様であるので、同等部分に参照符号を付してその説明は省略する。この実施形態においては、図示されていないが、必要に応じて、スリット２５の周辺域を補強するため、例えば、不織布などの繊維材料を一体に接合してもよい。

図１０及び図１１においては、さらに他の実施形態を示してある。この実施形態における締結パネル６０Ａは、おむつの両側部それぞれに一対ずつ配置され、締結パネル６Ａのフック２３や係止部６Ｂを有しない。締結パネル６０Ａは、第1端部６０ａが後側ウエスト域４の側部の内面に固定され、第２端部６０ｂが前側ウエスト域３の外面に固定されている。この実施形態においては、その他の構成は、図１〜図７に示す前記実施形態と同様であり、図示例から明らかなように、その作用もほぼ同様であるので、同等部分に参照符号を付してその説明を省略する。

内面シート９としては、繊維不織布のほか、多孔性プラスチックフィルムなどが、外面シート１０としては、プラスチックフィルムのほか、透湿性プラスチックフィルム、これと繊維不織布とのラミネート、コア１１としては、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物など、それぞれ公知の使い捨ておむつに慣用されているものを採択することができる。

弾性部材１６，１８としては、天然ゴム、合成ゴム、ウレタンフォームなど、これらもまたそれぞれ公知の使い捨ておむつに慣用されているものを採択することができる。

シート部材１２，１３、帯状部材１４の中間部材１４ａとしては、公知の伸縮性不織布を採択することができる。帯状部材１４の両端部材１４ｂとしては、公知の弾性的に非伸縮性不織布を採択することができる。

第１及び第２ウエスト域の一側を閉鎖し他側を開放した使い捨ておむつの部分破断斜視図。 展開状態で若干収縮させた前記おむつの内面斜視図。 前記おむつの後側ウエスト域の部分平面図。 図１の４−４線断面図。 図１の５−５線断面図。 図１の６−６線断面図。 前記おむつの組み立て側面図。 他の実施形態に係るおむつの図１と同様な斜視図。 図８に示す実施形態のための、図６と同様な断面図。 さらに他の実施形態に係るおむつの斜視図。 図１０に示す実施形態における締結部の断面図。

符号の説明

１ シャーシ
２ 締結手段
３ 第２（前側）ウエスト域
４ 第１（後側）ウエスト域
５ 股下域
６Ａ 締結パネル
６Ａ 先端部
６Ｂ 基端部
６Ｂ 係止部
８ 内面シート
９ 外面シート
１０ コア
２３ フック
２４ 紐状片（ループ）
２５ スリット

Claims (12)

1. 縦軸及びこれに交差する横軸と、内面及びこれに対向する外面と、ウエスト開口を画成する第１及び第２ウエスト域と、前記第１及び第２ウエスト域間に延在しこれら域と協働して一対のレッグ開口を画成する股下域とを有するシャーシと、前記シャーシの両側部をそれぞれ互いに締結するための手段と、前記第１及び第２ウエスト域の少なくとも一方が前記横軸に沿う方向へ弾性的に伸縮調節可能な手段とを含む着用物品において、
   前記締結するための手段が、前記横軸に沿う方向へ互いに離間する先端部及び基端部を有し、前記先端部が前記縦軸の側に向きかつ前記基端部が前記第１ウエスト域の両側部それぞれに固定されている扁平かつ剛性な締結パネルと、前記第２ウエスト域の両側部それぞれに位置し前記締結パネルが離脱可能に係合する係止部とから構成されている、
   ことを特徴とする前記物品。
2. 前記締結パネルは、前記基端部が前記第１ウエスト域の両側部それぞれの内面に固定され、前記基端部から前記横軸の方向へ延びて該両側部から外方へ突出する摘持タブを有する請求項１に記載の物品。
3. 前記第１ウエスト域の両側部それぞれの側縁に沿って補強部を有する請求項１または２記載の物品。
4. 前記係止部は、前記第２ウエスト域の両側部それぞれの外面におけるループにより形成されている請求項１〜３のいずれかに記載の物品。
5. 前記係止部は、前記第２ウエスト域の両側部それぞれにおけるスリットにより形成されている請求項１〜３のいずれかに記載の物品。
6. 前記締結パネルは、前記先端部にフックが形成されている請求項１〜５のいずれかに記載の物品。
7. 前記締結パネルは、プラスチックスから形成され、前記物品の着用状態で着用者のウエスト曲面に沿って湾曲可能である請求項１〜６のいずれかに記載の物品。
8. 前記締結パネルのテーバー法による測定剛性値は０．０９Ｎ／ｃｍ〜３Ｎ／ｃｍである請求項１〜７のいずれかに記載の物品。
9. 前記縦軸に沿う方向における前記締結パネルの寸法は５〜５０ｍｍ、前記横軸に沿う方向における前記締結パネルの寸法は２０〜６０ｍｍである請求項１〜８のいずれかに記載の物品。
10. 前記伸縮調節可能な手段として、前記第１及び第２ウエスト域の少なくとも一方に弾性伸縮性材料が用いられている請求項１〜９のいずれかに記載の物品。
11. 前記シャーシは、透液性内面シートと、不透液性外面シート及びこれらシート間に介在する吸液性コアから構成されている請求項１〜１０のいずれかに記載の物品。
12. 前記第１ウエスト域は後側ウエスト域であり、前記第２ウエスト域は前側ウエスト域である請求項１〜１１のいずれかに記載の物品。

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