JP2003079665A - パンツ型使い捨て着用物品 - Google Patents

パンツ型使い捨て着用物品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着用者自身で着脱する場合のみならず、介添
え者による着脱も容易であることを特徴とするパンツ型
使い捨て着用物品を提供する。 【解決手段】 前胴周り域及び後ろ胴周り域と、これら
前後胴周り域を連繋する股下域を備えるとともに、前記
股下域には吸収性部材を備えてなり、前記前後胴周り域
で形成される胴周り開口部と、前記前後胴周り域と前記
股下域とで形成される一対の脚周り開口部とを有するパ
ンツ形使い捨て着用物品であって、前記前後胴周り開口
部の上端側胴周り円の直径が前記左右一対の脚周り開口
部上端を通る胴周り円の直径より大きくなるように形成
され、前記胴周り方向端部近傍に、着用状態において前
記胴周り開口部円の直径を小さくする止着手段を設けた
パンツ型使い捨て着用物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパンツ型使い捨て着
用物品(いわゆる使い捨ておむつ)に関し、詳しくは、
着用者自身で着脱する場合のみならず、介添え者による
着脱も容易であることを特徴とするパンツ型使い捨て着
用物品に関する。
【0002】
【従来の技術】パンツ型使い捨て着用物品は、液透過性
トップシートと不液透過性バックシートとで構成される
前胴周り域及び後ろ胴周り域と、これら前後胴周り域を
連繋する股下域を備えるとともに、前記股下域には液透
過性トップシートと不液透過性バックシートとこれら両
シートの間に介在する吸水性コアとで構成した吸収性部
材を備えてなり、前記前後胴周り域で形成される胴周り
開口部と、前記前後胴周り域と前記股下域とで形成され
る一対の脚周り開口部とを有するパンツ型使い捨て着用
物品は種々提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のパンツ型使い捨て着用物品にあっては、前後胴周り
域を接合する型紙上の接合線が両側部で着用物品の長手
方向に並行して延びているため、1対の接合線上端間寸
法(即ち、胴周り開口部の上端を通る胴周り円の直径L
1、以下「胴周り上端開口部円径」という)と、接合線
の下端間寸法(即ち、脚周り開口部の上端を通る胴周り
円の直径L2、以下「脚周り開口部上端円径」という)
は略同一であり、さらに、胴周り開口縁部では、弾性部
材を伸長状態で接合してギャザーを形成するため、見か
け上の寸法は脚周り開口部上端円径(L2)よりも胴周
り上端開口部円径(L1)が小さくなるので、パンツを
引き上げる際に胴周り開口部のギャザーによる引っかか
りが起こり易く、着用者自身で着脱する場合も、介添え
者が着脱させる場合も着脱に手間取るものであった。
【0004】そこで、本出願人は、実開平2−6990
6号公報に開示されているように、前後胴周り域が重な
るように折り重ねて、前後胴周り域の両側部を融着する
ことによって線状に接合し、それによって両脚周り開口
部と胴周り開口部とを形成すると共に、接合線の外方向
に摘持部を設け、この摘持部を摘んで前後身頃の接合線
を引き裂いて開放することにより、容易に脱がすことの
できる使い捨てパンツを提供した。この使い捨てパンツ
では、脱がせることは容易に行うことができるようにな
ったが、装着させる際の手間は従来のものと同様であっ
た。
【0005】そのため、着用者の体型に対して大きいサ
イズの着用製品を使用することが考えられ、それにより
装着時の胴周り開口部のギャザーにより引っかかりによ
る装着困難性は改良されるが、装着使用の際の身体への
フィット感が失われ、着用者に不安感を与えることにな
る。本発明は、以上の事情に鑑み、使用者自身が着脱す
る場合のみならず、介添え者による着脱も容易なパンツ
型使い捨て着用物品を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意検討した結果、パンツ型使い捨て着用
物品において、胴周り上端開口部円径を脚周り開口部上
端円径より大きくするよう形成し、着用状態においては
胴周り上端開口部円径を小さくする止着手段を設けるこ
とにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明
に到達した。即ち、本発明は、前胴周り域及び後ろ胴周
り域と、これら前後胴周り域を連繋する股下域を備える
とともに、前記股下域には吸収性部材を備えてなり、前
記前後胴周り域で形成される胴周り開口部と、前記前後
胴周り域と前記股下域とで形成される一対の脚周り開口
部とを有するパンツ形使い捨て着用物品であって、前記
前後胴周り開口部の上端側胴周り円の直径が前記左右一
対の脚周り開口部上端を通る胴周り円の直径より大きく
なるように形成され、前記胴周り方向端部近傍に、着用
状態において前記胴周り開口部円の直径を小さくする止
着手段を設けたことを特徴とするパンツ型使い捨て着用
物品である。その際、前記胴周り開口部の上端側胴周り
円の直径が前記左右一対の脚周り開口部上端を通る胴周
り円の直径の1.1〜3.0倍であることを特徴とする
パンツ型使い捨て着用物品である。
【0007】上記構成において、上記止着手段が、前後
胴周り方向端部のいずれか一方、又は双方に設けられ、
前後胴周り域の少なくとも一方に止着可能であり、ま
た、左右一対の止着手段どうしで止着可能である。さら
に、胴周り上端開口部に設ける弾性部材を胴周り方向端
部近傍に位置する止着手段の近傍まで延在させるか、若
しくは該弾性部材より下方、かつ脚周り開口部上端より
上方にあって、前記前後胴周り域の少なくとも一方に胴
周り方向に延出する胴周り弾性部材を配置し、これら弾
性部材に止着手段を連動させることで着用物品のフィッ
ト性に寄与させる。その際、止着部材は胴周り上端開口
部よりも下方で弾性部材の延長線上、即ち胴周り側縁部
に位置させることが可能であり、それによりフィット性
が更に向上する。更にまた、胴周り上端開口部円径が、
100〜650mmであることを特徴とするパンツ型使
い捨て着用物品である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明のパンツ型使い捨
て着用物品の一実施形態を示すものであり、着用物品
(1)は、着用物品本体(2)の前胴周り域(3)と後
胴周り域(4)と、それらに連繋する股下域とからな
り、それらの両側縁部(5)が互いに接合されてパンツ
型に形成している。その際、前後胴周り域の両側部に延
出部分(17)を設けることにより胴周り上端開口部円
径(L1)を脚周り開口部上端円径(L2)より大きく
なるように形成している。延出部分(17)の形状は図
1では三角形状とあいているが、該形状は先細横L字で
も良いが、着脱の容易さからすれば三角形状が好まし
い。着用物品本体(2)は、液透過性トップシート
(6)と液不透過性バックシート(7)との間に、吸収
性部材(8)を配置した構成となっている。トップシー
ト(6)とバックシート(7)とは、シール、ホットメ
ルト接着剤等によって相互に接合してある。吸収性部材
(8)は親水性繊維と高吸収性ポリマーを透水性ティッ
シュ等で包んだ構成となっている。
【0009】着用物品(1)の胴周り部(9)には、そ
の開口部(10)及び/又は該開口部の下方で脚周り開
口部上端の上方部分に、胴周り方向に延びる弾性体(1
1)が設けられている。また、脚周り開口部(12)に
も、脚周り方向に延びる弾性体(13)が設けられてい
る。これら弾性体(11)、(13)は、トップシート
(6)とバックシート(7)との間に設けられており、
トップシート(6)またはバックシート(7)のいずれ
か一方、又は双方に伸長状態で接合している。したがっ
て、通常状態では弾性体が収縮することによりシートは
襞状のギャザーを形成する。
【0010】トップシート(6)は液透過性を有する不
織布や織布、開孔を有するプラスチックフィルム、及び
それらの積層体等で構成されており、バックシート
(7)は、液不透過性を有するポリオレフィン系のフィ
ルムや疎水性繊維不織布あるいはそれらの積層体等で構
成されたものが使用される。弾性体(11)、(13)
としては、天然ゴム、合成ゴム(ウレタン系)、熱可塑
性合成ゴム(オレフィン系、スチレン系、ニトリル系
等)からなる弾性テープ状物が用いられる。また、これ
ら弾性体(11)、(13)とトップシート(6)また
はバックシート(7)との接合にはホットメルト接着剤
等が用いられる。
【0011】胴周り開口部(10)の両側縁部(5)の
近傍には、互いに止着可能な止着手段ととしての止着部
(14)が設けられている。止着部(14)としては、
接着テープ、メカニカルファスナー、ボタン、バックル
等の通常の被服用の止着具が使用できる。また、止着具
の使用形態としては、特に限定されるものではないが、
着用物品の止着部を着用物品本体の前後胴周り域上に配
置した本体止着部(15)(図3参照)に止着したり、
止着部の一方を本体止着部に止着した後、もう一方の止
着部を前記止着位置に止着したりすると、止着位置が確
認し易くなり、また装着使用時に止着位置が移動しない
ので好ましい。
【0012】また、着用物品(1)において、収縮時の
脚周り開口部上端円径(L2)は、100〜650mm
の範囲であるのが好ましい。脚周り開口部上端円径L2
が100mm以下である場合は乳幼児でも着用すること
が困難になり、650mm以上である場合は、大人が着
用した場合でも身体にフィットし難い。また、収縮時の
胴周り上端開口部円径(L1)は、脚周り開口部上端円
径(L2)の1.1〜3.0倍であることが望ましい。
胴周り上端開口部円径(L1)が脚周り開口部上端円径
(L2)の1.1倍未満である場合は、従来技術の場合
に比較して胴周り上端開口部(10)の大きさがあまり
変化しないために、装着時のはきやすさに影響を及ぼし
難い。また、3.0倍を越える場合は、着用後に止着さ
せる場合に延出部分(17)が大きすぎて止着し難い。
【0013】本発明の延出部分(17)は、着用物品本
体(2)の両側縁部のいずれか一方、又は双方に設ける
ことが可能であり、双方に設ければ左右対称となり、両
足の挿入が容易になり好ましい。図3は、着用物品本体
(2)の両側縁部(5)のいずれか一方のみに延出部分
(17)を設けた実施形態であり、この形態では、延出
部分(17)の胴周り上端開口部の側縁部の近傍に止着
部14が存在し、該止着部は本体止着部(15)に止着
される。図4は、図3に示す着用物品(1)を装着した
後、止着部を止着した状態を示している。この実施の形
態によれば、いずれか一方の手のみで止着することが可
能である。
【0014】また、着用物品本体(2)の前胴周り域
(3)もしくは後胴周り域(4)のいずれか一方を他方
に比べ横幅を大きくして延出し、胴周り上端開口部を大
きくしても良い。この場合、延出下部分は装着時には襞
状に折り重ねられる。図6は、前胴周り域(3)を後胴
周り域(4)に比べ横幅を大きくして延出した場合の装
着時状態を示している。この実施の形態によれば、着用
物品(1)を装着する際に、着用者の前後方向に胴周り
開口部が拡張されるため、着用物品1の中に足を入れ易
くなる。
【0015】図5は、図1に示したパンツ型使い捨て着
用物品の一部に他の部分と剛性の異なる領域(16)を
形成し、かつ、開口部(10)の下方で脚周り開口部上
端の上方部分に胴周り方向に延びる弾性体(11)が設
けられている実施の形態を示している。ここで、剛性の
異なる領域(16)としては、他の部分と剛性の異なる
シートを接着している場合や、トップシート6とバック
シート7を接合する際にヒートシール部分を形成するこ
とや超音波シール部、あるいはホットメルト接着剤等を
存在させる場合等が挙げられる。この実施の形態によれ
ば、延出部分(17)を折り曲げて止着する際に、剛性
の異なる領域(16)を基点として折り曲げることがで
き、止着動作の際の折り曲げを容易に、且つ正確な位置
で行うことができる。
【0016】
【発明の効果】本発明のパンツ型使い捨て着用物品によ
れば、次の作用効果を期待することができる。 ・弱い力で開口を大きく拡げることができ、パンツ型使
い捨て着用物品の着脱を容易にすることが可能である。 ・パンツ型使い捨て着用物品を装着する際に、足を入れ
る位置が見やすくなり、着用者や介護者による着脱が容
易となる。 ・パンツ型使い捨て着用物品を引き上げる際の身体への
抵抗を少なくでき、スムースに着脱できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のパンツ型使い捨て着用物品の1実施
形態の正面概略図である。
【図2】 本発明の図1に示すパンツ型使い捨て着用物
品の止着部同士を接合した場合の状態図である。
【図3】 本発明のパンツ型使い捨て着用物品のいずれ
か一方に延出部分を設けた実施形態の正面概略図であ
る。
【図4】 本発明の図3に示すパンツ型使い捨て着用物
品の止着部が接合された場合の状態図である。
【図5】 本発明のパンツ型使い捨て着用物品に剛性の
異なる領域を設けた実施形態の正面概略図である。
【図6】 本発明のパンツ型使い捨て着用物品の前胴周
り域を大きくした実施形態の装着時の正面概略図であ
る。
【符号の説明】
1 着用物品 2 着用物品本体 3 前胴周り域 4 後胴周り域 5 両側縁部 6 トップシート 7 バックシート 8 吸収性部材 9 胴周り上端部 10 胴周り上端開口部 11 弾性体 12 脚周り開口部 13 弾性体 14 止着部 15 本体止着部 16 剛性の異なる領域 17 延出部分 L1 胴周り上端開口部円径 L2 脚周り開口部上端円径
フロントページの続き (72)発明者 栗田 典之 香川県三豊郡豊浜町大字和田浜字高須賀 1531−7 ユニ・チャーム株式会社テクニ カルセンター (72)発明者 河田 ひかり 香川県三豊郡豊浜町大字和田浜字高須賀 1531−7 ユニ・チャーム株式会社テクニ カルセンター Fターム(参考) 3B029 BD08 BD11 4C098 AA09 CC07 CC14 CE05 CE06 CE13 CE14 CE15 CE17 DD02 DD03 DD08 DD10 DD12 DD22 DD23 DD24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前胴周り域及び後ろ胴周り域と、これら
    前後胴周り域を連繋する股下域を備えるとともに、前記
    股下域には吸収性部材を備えてなり、前記前後胴周り域
    で形成される胴周り開口部と、前記前後胴周り域と前記
    股下域とで形成される一対の脚周り開口部とを有するパ
    ンツ形使い捨て着用物品であって、前記前後胴周り開口
    部の上端側胴周り円の直径が前記左右一対の脚周り開口
    部上端を通る胴周り円の直径より大きくなるように形成
    され、前記胴周り方向端部近傍に、着用状態において前
    記胴周り開口部円の直径を小さくする止着手段を設けた
    ことを特徴とするパンツ型使い捨て着用物品。
  2. 【請求項2】 前記胴周り開口部の上端側胴周り円の直
    径が前記左右一対の脚周り開口部上端を通る胴周り円の
    直径の1.1〜3.0倍であることを特徴とする請求項
    1記載のパンツ型使い捨て着用物品。
  3. 【請求項3】 前記止着手段が、前記胴周り方向端部の
    いずれか一方、又は双方に設けられており、前記前後胴
    周り域の少なくとも一方に止着可能であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載のパンツ型使い捨て着用物
    品。
  4. 【請求項4】 前記胴周り方向端部近傍に左右一対の止
    着手段を有し、前記止着手段同志で係合することを特徴
    とする請求項1又は2に記載のパンツ型使い捨て着用物
    品。
  5. 【請求項5】 前記胴周り開口部に伸縮弾性を有する弾
    性部材を配置し、前記止着手段を前記胴周り開口部の伸
    縮弾性に連動するように配置することを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のパンツ型使い捨て着用物
    品。
  6. 【請求項6】 前記胴周り開口部に弾性部材を配置する
    とともに、該弾性部材より下方、かつ脚周り開口部上端
    より上方にあって、前記前後胴周り域の少なくとも一方
    に胴周り方向に延出する胴周り弾性部材を配置し、前記
    止着手段を該胴周り弾性部材の伸縮弾性に連動するよう
    に配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載のパンツ型使い捨て着用物品。
  7. 【請求項7】 前記胴周り円の直径が、100〜650
    mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに
    記載のパンツ型使い捨て着用物品。
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