JP2005312388A - シクラメンのフラボノイド3’,5’−メチルトランスフェラーゼ遺伝子のdna - Google Patents
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Abstract
【課題】 シクラメンの花色素合成に係わる酵素としてのフラボノイド、3',5'−メチルトランスフェラーゼをコードするDNAを提供する。
【解決手段】 シクラメン花弁より調製したmRNAから3’RACE法及び5’RACE法を用いて、それぞれメチル基転移酵素の5’側上流域部位及び3’側下流域部位をコードする2つのcDNA部分断片を増幅する。得られた2つのDNA部分断片の塩基解析を行った。得られた知見を参考にして、シクラメンのmRNAから逆転写PCRにより、特定の配列からなるアミノ酸配列をコードするDNAを収得した。
【選択図】 なし
【解決手段】 シクラメン花弁より調製したmRNAから3’RACE法及び5’RACE法を用いて、それぞれメチル基転移酵素の5’側上流域部位及び3’側下流域部位をコードする2つのcDNA部分断片を増幅する。得られた2つのDNA部分断片の塩基解析を行った。得られた知見を参考にして、シクラメンのmRNAから逆転写PCRにより、特定の配列からなるアミノ酸配列をコードするDNAを収得した。
【選択図】 なし
Description
本発明は、シクラメンの花色合成酵素の一つであるタンパク質をコードする新規なDNAに関する。より詳しくは、シクラメンのデルフィニジンの3位,5位の水酸基にメチル基を転位させてメチル化する活性を有する酵素タンパク質をコードする新規なDNA及びその利用に関するものであり、また該DNAでコードされるタンパク質にも関する。
一般にフラボノイドの一種であるアントシアニンは花の色素として重要な役割を担っている主要な色素化合物であり、黄、赤、紫、青色までの幅広い花色を作り出していることが知られている。アントシアニンは配糖体であり、それらの配糖体を除いたアグリコン部分であるアントシアニジンは、フラボノイドの基本骨格のB環に結合する水酸基の部位及び個数に応じてペラルゴニジン、シアニジン、デルフィニジンとの3つに分類されることが知られている。
その中でもデルフィニジンはこれのB環の3'、4'及び5'位のすべてに水酸基が付加された化合物であり、青紫系の色を呈することが知られている。さらにデルフィニジンB環の3'及び5'位の水酸基がメチル化された化合物がマルビジンであり、赤紫色を呈することが知られている。
したがって、デルフィニジンB環の3'及び5'位の水酸基のメチル化に関与する酵素の遺伝子を単離することができれば、該遺伝子のDNAを、アントシアニン生合成経路をもつ他の植物に導入し、該遺伝子を発現もしくは抑制させことによりその植物の花色を赤紫または青紫色系に変化させるよう操作できることが期待される。
これまでアントシアニン生合成経路においてデルフィニジンB環の3'及び5'位の水酸基のメチル化に関与する酵素であるフラボノイド 3',5'−メチルトランスフェラーゼ(以下「F3',5'MT」と略することもある)の遺伝子としては次のものが知られている。
(1) ネコメソウのF3',5'MT遺伝子(非特許文献1参照)
(2) ニチニチソウのF3',5'MT遺伝子(非特許文献2参照)
しかしながら,シクラメン植物のF3',5'MTをコードする遺伝子については知られていない。
「プラント モレキュラー バイオロジー(Plant Molecular Biology)」、(オランダ)、1996年、第32巻、p.1163−1169 「ファイトケミストリー(Phytochemistry)」、(オランダ)、2003年、第62巻、p.127−137
(2) ニチニチソウのF3',5'MT遺伝子(非特許文献2参照)
しかしながら,シクラメン植物のF3',5'MTをコードする遺伝子については知られていない。
「プラント モレキュラー バイオロジー(Plant Molecular Biology)」、(オランダ)、1996年、第32巻、p.1163−1169 「ファイトケミストリー(Phytochemistry)」、(オランダ)、2003年、第62巻、p.127−137
本発明の課題は、シクラメンのF3',5'MTをコードする新規なDNAを提供することにあり、また該DNAでコードされるタンパク質を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。そして後述される遺伝子工学の手法によって、シクラメン花弁から調製したmRNAより、F3',5'MT酵素をコードする遺伝子DNAの5'側上流域部位と3'側下流域部位とのそれぞれのcDNA部分断片を増幅し、増幅されたそれら2つのcDNA部分断片の塩基解析を行い、その解析の結果を総合的に研究し、それによって、F3',5'MTのアミノ酸配列をコードするORFを含むところの配列表の配列番号1に記載される1183 bpのサイズのDNAを知見することに成功した。この知見を利用することによって、シクラメンのcDNAライブラリーから、後記の実施例1、(7)(iii)に示すように、F3',5'MT酵素のアミノ酸配列をコードするORFを含むところの、配列番号1の5'側17番目のaから1167番目のaまでの領域の塩基配列よりなる1151bpサイズのDNA断片を、取得することに成功した。
さらに、配列番号1の1183 bpのサイズのDNAの5'側の塩基番号18のaから塩基番号1055のgまでの領域の塩基配列を有する1038 bpのサイズのDNA配列は、シクラメンF3',5'MTをコードする遺伝子のORF領域のDNA配列であることを知見した。また、配列番号1のDNAの5'側の塩基番号18のaから塩基番号1055のgまでの領域の塩基配列を有するORF領域は、配列表の配列番号2に示す346個のアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列をコードするものと推定した。その結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、第1の本発明においては、配列表の配列番号2に示す346個のアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列を有するタンパク質であって、F3',5'MTであるタンパク質をコードするDNAが提供される。
第1の本発明のDNAは、配列表の配列番号1の塩基番号18のaから塩基番号1055のgまでの領域の1038 bpのサイズの塩基配列を少なくとも含むDNAであることができる。
また、第1の本発明のDNAは、配列番号1に記載の1183 bpのサイズのDNAであることもできる。
第1の本発明のDNAの一つの具体的な例は、配列表の配列番号1に記載の塩基配列の5'側の17番目のaから1167番目のaまでの領域の1151 bpのサイズのDNA断片である。
第2の本発明では、配列表の配列番号2に示す346個のアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されることにより形成されたアミノ酸配列を有するタンパク質であって、F3',5'MT活性を有するタンパク質をコードする改変DNAが提供される。
第2の本発明の改変DNAは、配列表の配列番号1の塩基番号18のaから塩基番号1055のgまでの領域の1038 bpのサイズの塩基配列とは部分的に異なる塩基配列を有して且つ配列番号1に記載の前記1038 bpのサイズの塩基配列に対して相同性を示すDNAであって、しかも配列表の配列番号1に記載の前記1038 bpのサイズの塩基配列を有するDNAに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができ、かつ、F3',5'MT活性を有するタンパク質をコードするDNAであることができる。
第3の本発明では、配列表の配列番号2に示す346個のアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列を有するタンパク質であって、F3',5'MTであるタンパク質が提供される。
第4の本発明では、配列表の配列番号2に示す346個のアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列において、1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されて形成されたアミノ酸配列を有するタンパク質であって、F3',5'MT活性を有する改変タンパク質が提供される。
なお,本発明においては、「F3',5'MT活性」とは、フラボノイドのB環の3'位及び5'位の水酸基をメチル化する反応を触媒する活性を意味する。
シクラメンまたは他の花卉植物に、本発明のF3',5'MTをコードするDNAを導入し、植物中で発現もしくは抑制させることにより、シクラメン青色品種の開発を含む花色改良の手法が提供される。
以下にシクラメンから本発明によるDNAを取得する方法を詳細に説明する。
第1の本発明のDNAは、配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク質であって、F3',5'MTであるタンパク質をコードするDNAである。
配列番号2のアミノ酸配列をコードする第1の本発明のDNAの一例は、配列番号1に示す1183 bpのサイズのDNAである。この第1の本発明による配列番号1の1183bpサイズのDNAは、本発明を完成するに際しては、後述されるようにして、後記の実施例1、(1)〜(6)の過程で知見されたものである。また、配列番号1の5'側17番目のaから1677番目のaまでの領域の1151bpのサイズのDNA断片は、後記の実施例1、(7)の過程において、シクラメンcDNAライブラリーから取得されたものである。
第1の本発明のDNAは、これの塩基配列が配列番号1の塩基配列の内部で明らかにされたので、配列番号2に示すアミノ酸配列に基づいて又は配列番号1に示す塩基配列に基づいて化学合成することによっても取得することができる。また、前記の配列番号1の塩基配列またはこれのORF領域に基づいて工夫、作成した合成オリゴヌクレオチドよりなるプローブまたはオリゴヌクレオチドプライマーを用いると、シクラメンのcDNAライブラリーから、公知の遺伝子工学的手法である方法でハイブリダイゼーションまたはポリメラーゼ・チェイン・リアクション(PCR)により第1の本発明のDNAを取得することも可能である。
以下に、シクラメン花弁の全RNAから調製されたmRNAを利用しながら、RT(逆転写)−PCRを応用した3'RACE (Rapid amplification of cDNA ends)法および5'RACE法により、F3',5'MT酵素をコードする遺伝子DNAの5'側上流域部位と3'側下流域部位とのそれぞれのcDNA部分断片を増幅し、増幅されたそれら2つのcDNA部分断片の塩基解析を行い、その解析の結果による知見に基づいてF3',5'MTのアミノ酸配列をコードするORFを含むところの第1の本発明のDNAをシクラメンcDNAライブラリーから取得する方法を例示的に説明する。
なお、3’RACE法と5’RACE法は、例えば「Proceeding of the National Academy of Sciences of the United States of America」、1988年、第85巻、pp.8998−9002;「Science」、1989年、第243巻、pp.217−220または「植物のPCR実験プロトコール」、第1刷、秀潤社、1995年、pp.98−101に解説されてある。
(1) シクラメンのmRNAの調製
(i) シクラメン(品種:フレグランスミニ)(Cyclamen persicum)の花弁から、定法により全RNAを抽出した。その後、その全RNAの抽出物からタンパク質、多糖類、その他の夾雑物を取り除く。さらに夾雑物を含まない全RNAを、オリゴdTセルロースを充填したカラムを用いて処理するとPoly(A)+ RNAを精製することができ、これによって、mRNAを得ることができる。
(i) シクラメン(品種:フレグランスミニ)(Cyclamen persicum)の花弁から、定法により全RNAを抽出した。その後、その全RNAの抽出物からタンパク質、多糖類、その他の夾雑物を取り除く。さらに夾雑物を含まない全RNAを、オリゴdTセルロースを充填したカラムを用いて処理するとPoly(A)+ RNAを精製することができ、これによって、mRNAを得ることができる。
(2) 3'RACE(Rapid amplification of cDNA ends)法によるメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側の下流域部位のクローニング
次に、上記のmRNAから、任意の特異配列を5’側にもつオリゴdTプライマーを用いて逆転写酵素によりcDNAを合成する。公知のメチル トランスフェラーゼの塩基配列に基づき工夫、合成したオリゴヌクレオチドプライマーと、前記で合成したcDNAの3’側に特異的に結合するオリゴヌクレオチドプライマーとを組み合わせて用い、また前記で合成したcDNAを鋳型として用いて3'RACE(Rapid amplification of cDNA ends)法により、メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側下流域部位を増幅する。これら一連の操作は3'RACEキットが市販されているので、このキットを使用してもよい。ここで増幅したcDNA3’側下流部位として得られた複数種類のcDNA部分断片を単離してプラスミドベクター、例えばTAベクターなどに組み込み、得られた組換えプラスミドを大腸菌のコンピーテントセルにクローニングして、大腸菌を形質転換し、得られた形質転換体大腸菌を培養して、前記組換えプラスミドに挿入された該cDNA3’側下流部位をクローニングする。
次に、上記のmRNAから、任意の特異配列を5’側にもつオリゴdTプライマーを用いて逆転写酵素によりcDNAを合成する。公知のメチル トランスフェラーゼの塩基配列に基づき工夫、合成したオリゴヌクレオチドプライマーと、前記で合成したcDNAの3’側に特異的に結合するオリゴヌクレオチドプライマーとを組み合わせて用い、また前記で合成したcDNAを鋳型として用いて3'RACE(Rapid amplification of cDNA ends)法により、メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側下流域部位を増幅する。これら一連の操作は3'RACEキットが市販されているので、このキットを使用してもよい。ここで増幅したcDNA3’側下流部位として得られた複数種類のcDNA部分断片を単離してプラスミドベクター、例えばTAベクターなどに組み込み、得られた組換えプラスミドを大腸菌のコンピーテントセルにクローニングして、大腸菌を形質転換し、得られた形質転換体大腸菌を培養して、前記組換えプラスミドに挿入された該cDNA3’側下流部位をクローニングする。
(3) メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側下流域部位のシークエンシングによる塩基配列の決定
形質転換体大腸菌中で上記のようにクローニングしたところの、該cDNA3'側下流域部位を保持する組換えプラスミドDNAを、大腸菌から抽出する。組換えプラスミドDNA中の挿入DNA断片が切り取れるように組換えプラスミドを制限酵素で処理する。その消化液をアガロースゲルで電気泳動にかけ、それぞれ分離されて得られた複数種類のDNA断片のサイズを調査する。その結果をもとに、いくつかのクローニングされた組換えプラスミドDNA内に内在する挿入DNA断片のDNAの塩基配列をジデオキシ法で決定する。その決定された塩基配列と公知のメチル トランスフェラーゼ遺伝子との相同性を比較、検討することにより、メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側下流域部位を保持すると思われるところの挿入DNA断片を判別して、取得できる。
形質転換体大腸菌中で上記のようにクローニングしたところの、該cDNA3'側下流域部位を保持する組換えプラスミドDNAを、大腸菌から抽出する。組換えプラスミドDNA中の挿入DNA断片が切り取れるように組換えプラスミドを制限酵素で処理する。その消化液をアガロースゲルで電気泳動にかけ、それぞれ分離されて得られた複数種類のDNA断片のサイズを調査する。その結果をもとに、いくつかのクローニングされた組換えプラスミドDNA内に内在する挿入DNA断片のDNAの塩基配列をジデオキシ法で決定する。その決定された塩基配列と公知のメチル トランスフェラーゼ遺伝子との相同性を比較、検討することにより、メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側下流域部位を保持すると思われるところの挿入DNA断片を判別して、取得できる。
(4) 5'RACE (Rapid amplification of cDNA ends)法によるメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位のクローニング
上記のようにして得たシクラメン メチル トランスフェラーゼ遺伝子の3’側下流域部位の塩基配列に基づき工夫、合成したオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、上記の(1)のmRNAから、逆転写酵素によりメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5’側上流域部位としてのcDNA部分断片を合成する。更には、ここで5’側上流域部位として合成されたcDNA部分断片を鋳型として用いて、5'RACE (Rapid amplification of cDNA ends) 法により、メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5’側上流域部位の増幅を行う。これら一連の操作は5'RACEキットが市販されているので、このキットを使用してもよい。ここで増幅されたcDNAの5’側上流域部位を単離して、プラスミドベクター、例えばTAベクターなどに連結して組み込み、得られた組換えプラスミドを大腸菌のコンピーテントセルに導入して形質転換し、得られた形質転換体大腸菌を培養して、前記組換えプラスミドに挿入されてある該cDNAの5’側上流域部位をクローニングする。
上記のようにして得たシクラメン メチル トランスフェラーゼ遺伝子の3’側下流域部位の塩基配列に基づき工夫、合成したオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、上記の(1)のmRNAから、逆転写酵素によりメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5’側上流域部位としてのcDNA部分断片を合成する。更には、ここで5’側上流域部位として合成されたcDNA部分断片を鋳型として用いて、5'RACE (Rapid amplification of cDNA ends) 法により、メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5’側上流域部位の増幅を行う。これら一連の操作は5'RACEキットが市販されているので、このキットを使用してもよい。ここで増幅されたcDNAの5’側上流域部位を単離して、プラスミドベクター、例えばTAベクターなどに連結して組み込み、得られた組換えプラスミドを大腸菌のコンピーテントセルに導入して形質転換し、得られた形質転換体大腸菌を培養して、前記組換えプラスミドに挿入されてある該cDNAの5’側上流域部位をクローニングする。
(5) メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位のシークエンシングによる塩基配列の決定
形質転換体大腸菌で上記の(4)のようにクローニングしたところの、該cDNA5’側上流域部位としてのcDNA部分断片を含むプラスミドDNAを、大腸菌から抽出する。組換えプラスミドDNA中の挿入DNA断片が切り取れるように組換えプラスミドを制限酵素で処理する。その消化液をアガロースゲルで電気泳動にかけ、それぞれ分離されて得られた各DNA断片のサイズを調査する。その結果をもとに、前記の組換えプラスミドDNA内に含有されていて且つメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5’側上流域部位を保持すると思われるところの挿入DNA断片を選抜して取得でき、そしてそれの塩基配列をジデオキシ法で決定することができる。
形質転換体大腸菌で上記の(4)のようにクローニングしたところの、該cDNA5’側上流域部位としてのcDNA部分断片を含むプラスミドDNAを、大腸菌から抽出する。組換えプラスミドDNA中の挿入DNA断片が切り取れるように組換えプラスミドを制限酵素で処理する。その消化液をアガロースゲルで電気泳動にかけ、それぞれ分離されて得られた各DNA断片のサイズを調査する。その結果をもとに、前記の組換えプラスミドDNA内に含有されていて且つメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5’側上流域部位を保持すると思われるところの挿入DNA断片を選抜して取得でき、そしてそれの塩基配列をジデオキシ法で決定することができる。
(6) メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの塩基配列の解析
上記のようにして得られたメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位および3'側下流域部位での2つの塩基配列の共通する相同部分を調べることにより、メチル トランスフェラーゼ遺伝子である全体一つとしての遺伝子cDNAのもつ塩基配列の具体的構造を知見することができる。その知見された全体一つとしての遺伝子cDNAの塩基配列中にある翻訳開始コドンと終止コドンの位置を調べることによって、タンパク質のコード領域(すなわちオープンリーディングフレームORF)を決定することができる。ついで、これから規定されるアミノ酸配列を調べることにより、シクラメンのメチル トランスフェラーゼ遺伝子である全体一つとしてのcDNAがコードするアミノ酸配列を推定することができる。
上記のようにして得られたメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位および3'側下流域部位での2つの塩基配列の共通する相同部分を調べることにより、メチル トランスフェラーゼ遺伝子である全体一つとしての遺伝子cDNAのもつ塩基配列の具体的構造を知見することができる。その知見された全体一つとしての遺伝子cDNAの塩基配列中にある翻訳開始コドンと終止コドンの位置を調べることによって、タンパク質のコード領域(すなわちオープンリーディングフレームORF)を決定することができる。ついで、これから規定されるアミノ酸配列を調べることにより、シクラメンのメチル トランスフェラーゼ遺伝子である全体一つとしてのcDNAがコードするアミノ酸配列を推定することができる。
(7) メチルトランスフェラーゼ遺伝子のORF全長を含むcDNA断片の作製と取得、およびその遺伝子の同定
次に配列番号5と配列番号7に示す2つの適当なプライマーを設計して用い、しかも上記(1)で取得したシクラメン全RNAをテンプレートに用いてRT−PCRを行うことにより、前記オープンリーディングフレーム全長を含む全体一つとしてのcDNA断片を増幅できる。その増幅されたcDNA断片を単離し、それをプラスミドベクター、例えばマーカーとしてアンピシリン耐性遺伝子を保持するTAベクターなどに連結して組み込み、得た組換えプラスミドを大腸菌のコンピーテントセルに導入して、形質転換体大腸菌を培養すると、これにより目的のORF全長を含むcDNAをクローニングすることができる。形質転換体大腸菌から抽出された前記の組換えプラスミドDNAに連結、保持された目的のcDNA断片の塩基配列を調べ、先に決定した配列番号1の塩基配列と比較し、PCRの転写ミスによる塩基配列の置換がないことを確認する。その後、そのクローニングされた遺伝子cDNAを、大腸菌などの遺伝子発現系を用いて発現させ、生成したタンパク質の酵素活性を測定することや、またはこの遺伝子cDNAを組込んだバイナリベクターを作成し、アグロバクテリウム法を用いて、デルフィニジンを蓄積する植物に形質転換し、組換え体の花弁に蓄積するアントシアニンの修飾基を調査することなどの手段によって、前記のクローニングで得られたcDNA断片は、目的とするシクラメンF3',5'MTをコードする遺伝子DNA配列を内有するcDNA断片であるかを確認することができる。
次に配列番号5と配列番号7に示す2つの適当なプライマーを設計して用い、しかも上記(1)で取得したシクラメン全RNAをテンプレートに用いてRT−PCRを行うことにより、前記オープンリーディングフレーム全長を含む全体一つとしてのcDNA断片を増幅できる。その増幅されたcDNA断片を単離し、それをプラスミドベクター、例えばマーカーとしてアンピシリン耐性遺伝子を保持するTAベクターなどに連結して組み込み、得た組換えプラスミドを大腸菌のコンピーテントセルに導入して、形質転換体大腸菌を培養すると、これにより目的のORF全長を含むcDNAをクローニングすることができる。形質転換体大腸菌から抽出された前記の組換えプラスミドDNAに連結、保持された目的のcDNA断片の塩基配列を調べ、先に決定した配列番号1の塩基配列と比較し、PCRの転写ミスによる塩基配列の置換がないことを確認する。その後、そのクローニングされた遺伝子cDNAを、大腸菌などの遺伝子発現系を用いて発現させ、生成したタンパク質の酵素活性を測定することや、またはこの遺伝子cDNAを組込んだバイナリベクターを作成し、アグロバクテリウム法を用いて、デルフィニジンを蓄積する植物に形質転換し、組換え体の花弁に蓄積するアントシアニンの修飾基を調査することなどの手段によって、前記のクローニングで得られたcDNA断片は、目的とするシクラメンF3',5'MTをコードする遺伝子DNA配列を内有するcDNA断片であるかを確認することができる。
なお、他方、一般に、特定の機能や生理活性を有するタンパク質をコードするアミノ酸配列において、1個または複数のアミノ酸が付加、欠失若しくは置換されることによって形成されたアミノ酸配列でコードされるタンパク質の場合であっても、その機能や生理活性が維持される場合があることは当業者において広く認識されているところである。本発明のDNAは、このような修飾が加えられたタンパク質であって、かつF3',5'MT活性を有するタンパク質をコードするDNA配列を有するものであってもよい。
すなわち、第2の本発明のDNAは、配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列において、1個または数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されることにより形成されたアミノ酸配列を有するタンパク質であって、かつF3’,5’MT活性を有するタンパク質をコードする改変DNAである。そのような第2の本発明の改変DNAは、例えば部位特異的変異法によって、特定の部位のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されるように第1の本発明のDNAの塩基配列を改変することによって得られる。
また、第1の本発明のDNAまたはこれを含有する細胞に対して変異処理を行い、その後に、変異されたDNA若しくはこれらを含む細胞から、例えば、配列表の配列番号1に記載の塩基配列の5'側から18番目のaから1055番目のgまでの領域の塩基配列を有するDNAに対して、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを選択的に分離することによっても、第2の本発明の改変DNAの断片を得ることができる。
ここでいう「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。このストリンジェントな条件は、これを明確に数値化することは困難であるが、一例を示せば、相同性が高い2つの核酸同士、例えば95%以上の相同性を有する2つのDNA同士がハイブリダイズするが、他方ではそれより相同性の低い2つの核酸同士がハイブリダイズしないという条件が挙げられる。
さらに、シクラメン染色体それ自体から、第1の本発明のDNAまたはその一部領域のDNA断片をプローブDNAとして用いると、定法によってF3',5'MTをコードするDNA断片を取得することが可能である。しかし、シクラメン染色体から由来して得られたF3',5'MTをコードするDNA断片は、イントロンを含むことが予想される。このようなイントロンで分断されているDNA断片も、F3',5'MTをコードするDNAである限り、第2の本発明の改変DNAの一例に含まれる。
なお、後記の実施例1、(7)で得られたところの、シクラメンのF3',5'MT遺伝子を含むcDNA断片は、pT7Blueプラスミドベクターに連結された。これで得られた組換えプラスミドを導入された形質転換体の大腸菌はEscherichia coli DH5α(CpFMT−1)と命名され、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに平成16年2月2日より、寄託番号FERM P−19653として寄託されている。
シクラメンのF3',5'MTをコードする第1または第2の本発明のDNAは、これを、適当な宿主例えば大腸菌で発現させることにより、F3',5'MTタンパク質を製造することができる。前記宿主としては、大腸菌、枯草菌などの細菌、酵母、昆虫培養細胞、動物培養細胞、植物培養細胞等が挙げられる。宿主細胞内で機能するプロモーター等の発現調節配列の下流に発現可能に連結されたところの、F3',5'MTをコードする本発明DNAは、これを宿主細胞に導入することにより宿主細胞を形質転換させることができる。このような形質転換に際しては、本発明のDNAをプラスミドベクターに連結して組換えプラスミドを構築し、そして、その得られた組換えプラスミドを宿主に導入することによって形質転換することができる。あるいは、相同組換え等によって本発明DNAを宿主内の染色体DNAに組込むことによって、宿主を形質転換することもできる。得られる形質転換細胞を前記プロモーター発現調節配列が機能する条件で培養することによって、F3',5'MTタンパク質が産出される。
また、F3',5'MTをコードする本発明DNAは、花卉又は他の植物体に、単独または組み合わせて導入することにより、植物体を形質転換させ、これによってそれらの植物中での色素合成に関与する酵素反応が調節されるようにすることができる。
以下に、本発明の実施例の例示により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
以下の実験操作の手順は特に記述しない限り、「モレキュラー クローニング(Molecular Cloning)第2版」(J.Sambrookら、Cold Spring Habor Laboratory press,1989年)に記載されている方法に従った。
(1) シクラメン花弁のmRNAの調製
シクラメン(品種:フレグランスミニ)の開花中の花弁4gを液体窒素の存在下で凍結後、凍結した花弁を乳棒乳鉢を用いて粉砕した。この粉砕物に2×CTAB溶液〔すなわち2%臭化セチルトリメチルアンモニウムと0.1M Tris−HCl(pH9.5)と20mM EDTAと1.4M NaClと4% β−メルカプトエタノールとの混合物〕40mlを加えた。得られた混合物を撹拌した後、65℃で10分間インキュベートした。次にインキュベートした該混合物をクロロフォルム抽出に2回かけた。得られたクロロフォルム抽出液にイソプロパノールを加えて核酸を析出させた。核酸よりなる沈澱を8000g、4℃で15分間遠心分離を行い、核酸を回収した。
シクラメン(品種:フレグランスミニ)の開花中の花弁4gを液体窒素の存在下で凍結後、凍結した花弁を乳棒乳鉢を用いて粉砕した。この粉砕物に2×CTAB溶液〔すなわち2%臭化セチルトリメチルアンモニウムと0.1M Tris−HCl(pH9.5)と20mM EDTAと1.4M NaClと4% β−メルカプトエタノールとの混合物〕40mlを加えた。得られた混合物を撹拌した後、65℃で10分間インキュベートした。次にインキュベートした該混合物をクロロフォルム抽出に2回かけた。得られたクロロフォルム抽出液にイソプロパノールを加えて核酸を析出させた。核酸よりなる沈澱を8000g、4℃で15分間遠心分離を行い、核酸を回収した。
その核酸をTE(10mM Tris(pH8.0)と1mM EDTAの混合物)4mlに溶解し、得られた溶液に10M 塩化リチウム溶液1mlを加えた。得られた混合液を氷上に2時間置いた後、19000g、4℃で10分間遠心分離すると、RNAが沈澱した。そのRNAを分け取り、蒸留水に溶解し、さらにそのRNA溶液をフェノール抽出およびエタノール沈殿することによりRNAを精製した。さらに、これで得られた全RNAの精製品から、mRNAの単離をmRNA精製キット(宝酒造(株)社製、Oligotex−Mag mRNA purification Kit)により行うと、シクラメン花弁のmRNAを約6μg得た。
(2) 3'RACE (Rapid amplification of cDNA ends)法によるメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側下流域部位cDNAのクローニング
(i) 3'RACE法を用いてメチル トランスフェラーゼ遺伝子のcDNAの3’側下流域部位を増幅するために、プライマーの設計を先ず行った。すなわち、下記に示す塩基配列を有するデイジェネレート・プライマー型の2種類のオリゴヌクレオチドを、プライマーNo.1およびNo.2として設計して、化学合成により作製した。
(i) 3'RACE法を用いてメチル トランスフェラーゼ遺伝子のcDNAの3’側下流域部位を増幅するために、プライマーの設計を先ず行った。すなわち、下記に示す塩基配列を有するデイジェネレート・プライマー型の2種類のオリゴヌクレオチドを、プライマーNo.1およびNo.2として設計して、化学合成により作製した。
(a) プライマーNo.1(配列番号3に示す)
5'- ttggtsgatgttggwggtggyaccg-3'
(b) プライマーNo.2(配列番号4に示す)
5'- gagywtgttggwggagayatg-3'
但し、上記の2つの塩基配列においてs=cまたはg;w=aまたはt; y=tまたはcを意味する。
5'- ttggtsgatgttggwggtggyaccg-3'
(b) プライマーNo.2(配列番号4に示す)
5'- gagywtgttggwggagayatg-3'
但し、上記の2つの塩基配列においてs=cまたはg;w=aまたはt; y=tまたはcを意味する。
なお、上記のプライマーNo.1およびNo.2のオリゴヌクレオチドの作製はDNA合成サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用した。
(ii) 次に、3'RACE System for Rapid Amplification of cDNA Ends(Invitrogen社製)を用い且つ上記のプライマーNo.1及びNo.2として構築された2種類の合成オリゴヌクレオチドの各10pmolをプライマーとして用いて、上記(1)で得たシクラメンmRNA0.1μgから、メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3’側下流域部位の増幅を行った。上記した3'RACE法におけるシクラメンcDNAの3’側下流域部位の増幅反応は、PCR反応装置(ASTEK社製、Program Temp Contol System PC−700)を用いて、変性を94℃で30秒間行い、アニーリングを52℃で1分間行い、また伸張(Extention)を72℃で1分間行う3つの反応操作を35回繰り返すことによって実施した。
(iii) 上記の(ii)で得られた増幅反応産物である複数種類のcDNA部分断片を、TAベクターpT7Blue Vector (Navagen社製)のTAサイトに連結した。得られた組換えプラスミドを大腸菌DH5αのコンピーテントセルに導入する処理を行った。その後に、そのように処理された大腸菌を、アンピシリン含有の寒天培地に撒いて培養した。これにより、増幅反応産物であるcDNA部分断片を保持する形質転換体の大腸菌のコロニー複数を寒天培地上に得た。上記で得られた増幅反応産物である複数種類のcDNA部分断片は、目的のもの以外のcDNAを含むことが予想された。そのため、目的とされるメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3’側下流部位を保持すると期待される形質転換体大腸菌の選抜を行った。この選抜は次のように行った。すなわち形質転換体大腸菌の前記コロニーから10数個のコロニーを選び、それぞれコロニー毎に別々に液体培地上で培養した。
このようにコロニー別に培養された形質転換体大腸菌のそれぞれの細胞内容物から、組換えプラスミドDNAをアルカリSDS法を用いて抽出した。抽出でそれぞれ別々に得られたプラスミドDNA1μlを、それぞれに、10μlのHバッファー中で制限酵素EcoRI 5単位及び制限酵素PstI 5単位で消化した。それぞれの消化反応液をアガロースゲル電気泳動にかけて、先の増幅反応産物である前記の複数種類のDNA断片のサイズをそれぞれ確認した。既知のメチル基転位酵素から予想された該当のサイズを有して且つ目的のものと期待される増幅反応産物であるDNA断片の複数個を選抜した。更に、このように選抜されたこれら複数個のDNA断片を、それぞれ別々に制限酵素HindIIIおよびBamHIにより消化し、それらの泳動パターンを比較したところ、前記の選抜で得られたDNA断片は第1のものと、第2のものとの計2種類のものが存在することが判明した。
(3) メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側下流域部位のシークエンシングによる塩基配列の決定
上記の選抜された2種類のDNA断片の一方ずつがクローニングされて保持された形質転換体大腸菌のクローンを、それぞれ1つずつ選抜した。選抜したクローンの大腸菌が保持するプラスミドDNAを抽出し、次いでプラスミドDNAが保持するcDNA部分断片の塩基配列解析を行った。このプラスミドDNAの抽出と精製は、プラスミド精製キット(QIAfilter Plasmid Midi Kit(QIAGEN社製))を用いて行い、塩基配列の決定はDNAシークエンス受託サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用して行った。その結果、前記の(2)(iii)で得た増幅反応産物である2種類のDNA断片は、ポリAシグナルを含む482個の塩基からなるcDNAの3’側下流域部位と、504個の塩基からなる3’側下流域部位とであると決定された。これら2つのDNA断片の塩基配列より予想されるアミノ酸配列を、これまで明らかにされているメチル トランスフェラーゼのアミノ酸配列と比較することにより、上記の増幅反応産物である2種類のcDNA部分断片のそれぞれは、シクラメンのメチル トランスフェラーゼをコードする遺伝子cDNAの一部領域を含むDNA断片であることを確認した。上記の504個の塩基からなるcDNA部分断片は公知のメチル トランスフェラーゼの一種であるカフェー酸メチル トランスフェラーゼと相同性が非常に高く、この504個の塩基からなるcDNA部分断片はシクラメンカフェー酸メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3’側下流部位と推測されたため、解析対象から除外した。
上記の選抜された2種類のDNA断片の一方ずつがクローニングされて保持された形質転換体大腸菌のクローンを、それぞれ1つずつ選抜した。選抜したクローンの大腸菌が保持するプラスミドDNAを抽出し、次いでプラスミドDNAが保持するcDNA部分断片の塩基配列解析を行った。このプラスミドDNAの抽出と精製は、プラスミド精製キット(QIAfilter Plasmid Midi Kit(QIAGEN社製))を用いて行い、塩基配列の決定はDNAシークエンス受託サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用して行った。その結果、前記の(2)(iii)で得た増幅反応産物である2種類のDNA断片は、ポリAシグナルを含む482個の塩基からなるcDNAの3’側下流域部位と、504個の塩基からなる3’側下流域部位とであると決定された。これら2つのDNA断片の塩基配列より予想されるアミノ酸配列を、これまで明らかにされているメチル トランスフェラーゼのアミノ酸配列と比較することにより、上記の増幅反応産物である2種類のcDNA部分断片のそれぞれは、シクラメンのメチル トランスフェラーゼをコードする遺伝子cDNAの一部領域を含むDNA断片であることを確認した。上記の504個の塩基からなるcDNA部分断片は公知のメチル トランスフェラーゼの一種であるカフェー酸メチル トランスフェラーゼと相同性が非常に高く、この504個の塩基からなるcDNA部分断片はシクラメンカフェー酸メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3’側下流部位と推測されたため、解析対象から除外した。
(4) 5'RACE (Rapid amplification of cDNA ends) 法によるメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位のクローニング
(i) 5'RACE法を用いて、上記で得られた前記482個の塩基からなるcDNA部分断片として取得されたメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAのORFを含む5’側の上流域部位を得るためにプライマーの設計を先ず行った。すなわち、このメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3’側下流域部位の塩基配列を元にして、mRNAに相補的に結合するように下記に示す塩基配列を有する2種類のオリゴヌクレオチドをプライマーNo.3およびNo.4として設計して、化学合成により作製した。
(i) 5'RACE法を用いて、上記で得られた前記482個の塩基からなるcDNA部分断片として取得されたメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAのORFを含む5’側の上流域部位を得るためにプライマーの設計を先ず行った。すなわち、このメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3’側下流域部位の塩基配列を元にして、mRNAに相補的に結合するように下記に示す塩基配列を有する2種類のオリゴヌクレオチドをプライマーNo.3およびNo.4として設計して、化学合成により作製した。
(a) プライマーNo.3(配列番号5に示す)
5'-taaagtatggcccattattcattagata-3'
(b) プライマーNo.4(配列番号6に示す)
5'-atatcaccgaacaagctctctc-3'
なお、上記のプライマーNo.3およびNo.4のオリゴヌクレオチドの作製はDNA合成サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用した。
5'-taaagtatggcccattattcattagata-3'
(b) プライマーNo.4(配列番号6に示す)
5'-atatcaccgaacaagctctctc-3'
なお、上記のプライマーNo.3およびNo.4のオリゴヌクレオチドの作製はDNA合成サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用した。
(ii) 次に、5'RACE System for Rapid Amplification of cDNA Ends(Invitrogen社製)を用いて且つ上記のプライマーNo.3及びNo.4として構築された2種類の合成オリゴヌクレオチドの各10pmolをプライマーとして用いて、上記(1)で得たシクラメンmRNA0.1μgから、メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5’側上流域部位の増幅を行った。上記した5'RACE法におけるシクラメンcDNAの増幅反応は、PCR反応装置(ASTEK社製、Program Temp Contol System PC−700)を用いて、変性を94℃で30秒間行い、アニーリングを55℃で1分間行い、また伸張(Extention)を72℃で1分間行う3つの反応操作を35回繰り返すことによって実施した。
(iii) 上記の(ii)で得られた増幅反応産物であるcDNA部分断片を、TAベクターpT7Blue Vector(Navagen社製)のTAサイトに連結した。得られた組換えプラスミドを大腸菌DH5αのコンピーテントセルに導入する処理を行った。その後、そのように処理された大腸菌をアンピシリン含有の寒天培地に撒いて培養した。このことにより、増幅反応産物であるcDNA部分断片を保持する形質転換体大腸菌のコロニーを寒天培地上に得た。上記で得られた増幅反応産物であるcDNA部分断片は、5’側上流域部位が不完全な長さのcDNA断片を含むこともあることが予想された。そのため、5’側上流域部位の完全長を保持すると期待される形質転換体大腸菌の選抜を行った。この選抜は次のように行った。すなわち、形質転換大腸菌の複数コロニーから10数個のコロニーを選び、それぞれコロニー毎に別々に液体培地上で培養した。このようにコロニー別に培養された形質転換体大腸菌のそれぞれの細胞内容物から、組換えプラスミドDNAをアルカリSDS法を用いて抽出した。抽出でそれぞれ別々に得られたプラスミドDNA1μlを、それぞれに10μlのHバッファー中で制限酵素EcoRI 5単位及び制限酵素PstI 5単位で消化した。それぞれの消化反応液をアガロースゲル電気泳動にかけて、先の増幅反応産物であるDNA断片のサイズを確認した。既知のメチル基転位酵素から予想された該当のサイズを有して且つ目的のものと期待される増幅反応産物であるDNA断片を保持する組換えプラスミドDNAの複数個を選抜した。更に、ここで選抜されたこれら複数個のDNA断片をそれぞれ単独に制限酵素EcoRIおよびSalIにより消化し、それらの泳動パターンを比較したところ、前記の選抜で得たDNA断片が1種類であることを確認した。
(5) メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位のシークエンシングによる塩基配列の決定
上記(4)(iii)の選抜で得られたところの、1種類であるDNA断片がクローニングされて保持されてある形質転換体大腸菌のクローン一つを選抜し、このクローンの大腸菌が保持するプラスミドDNAを抽出した。次いでプラスミドDNAが保持するcDNA部分断片の塩基配列解析を行った。このプラスミドDNAの抽出と精製は、プラスミド精製キット(QIAfilter Plasmid Midi Kit(QIAGEN社製))を用いて行い、またこの塩基配列の決定はDNAシークエンス受託サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用して行った。その結果、前記の(4)(iii)の選抜で得た増幅反応産物である1種類のDNA断片は901個の塩基からなるメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5’側上流域部位であると決定された。
上記(4)(iii)の選抜で得られたところの、1種類であるDNA断片がクローニングされて保持されてある形質転換体大腸菌のクローン一つを選抜し、このクローンの大腸菌が保持するプラスミドDNAを抽出した。次いでプラスミドDNAが保持するcDNA部分断片の塩基配列解析を行った。このプラスミドDNAの抽出と精製は、プラスミド精製キット(QIAfilter Plasmid Midi Kit(QIAGEN社製))を用いて行い、またこの塩基配列の決定はDNAシークエンス受託サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用して行った。その結果、前記の(4)(iii)の選抜で得た増幅反応産物である1種類のDNA断片は901個の塩基からなるメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5’側上流域部位であると決定された。
(6) メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの塩基配列解析
上記の(3)および(5)で決定されたメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位および3'側下流域部位の両方の塩基配列を、つき合わせて、一つのオープンリーディングフレーム(ORF)をもち且つ遺伝子として機能する一つのcDNAの塩基配列の形で知見するために、Gene Works 2.5.1ソフトウェア((株)帝人システムテクノロジー)を用い、塩基配列Alignmentファイルをソフトウェアの初期設定条件で作成することによって、計1183個の塩基よりなる全体一つとしてのcDNAの塩基配列の具体的な構造を知見し得た。このように知見された計1183 bpのcDNAをFMT−1−cDNAと命名した。FMT−1−cDNAは、1038個の塩基よりなる単一のオープンリーディングフレーム(ORF)のDNA配列を含むことが判った。前記のFMT−1−cDNAのORF(1038bp)の塩基配列より推定されるアミノ酸配列を、既知のメチル トランスフェラーゼのアミノ酸配列と比較したところ、相同性が高く、FMT−1−cDNAのORFのDNA配列はメチル トランスフェラーゼ遺伝子の一種と推測された。更にはニチニチソウのF3',5'MTのアミノ酸配列と比較したところ、FMT−1−cDNAでコードされるアミノ酸配列はF3',5'MTとの相同性が28%であるので、上記のFMT−1−cDNA(1183 bpのサイズ)がシクラメンにおける目的のF3',5'MT遺伝子を保持するDNAであると推定された。
上記の(3)および(5)で決定されたメチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位および3'側下流域部位の両方の塩基配列を、つき合わせて、一つのオープンリーディングフレーム(ORF)をもち且つ遺伝子として機能する一つのcDNAの塩基配列の形で知見するために、Gene Works 2.5.1ソフトウェア((株)帝人システムテクノロジー)を用い、塩基配列Alignmentファイルをソフトウェアの初期設定条件で作成することによって、計1183個の塩基よりなる全体一つとしてのcDNAの塩基配列の具体的な構造を知見し得た。このように知見された計1183 bpのcDNAをFMT−1−cDNAと命名した。FMT−1−cDNAは、1038個の塩基よりなる単一のオープンリーディングフレーム(ORF)のDNA配列を含むことが判った。前記のFMT−1−cDNAのORF(1038bp)の塩基配列より推定されるアミノ酸配列を、既知のメチル トランスフェラーゼのアミノ酸配列と比較したところ、相同性が高く、FMT−1−cDNAのORFのDNA配列はメチル トランスフェラーゼ遺伝子の一種と推測された。更にはニチニチソウのF3',5'MTのアミノ酸配列と比較したところ、FMT−1−cDNAでコードされるアミノ酸配列はF3',5'MTとの相同性が28%であるので、上記のFMT−1−cDNA(1183 bpのサイズ)がシクラメンにおける目的のF3',5'MT遺伝子を保持するDNAであると推定された。
(7) FMT−1−cDNAのORF(1038bp)を含むcDNA断片の作製と取得
(i) FMT−1−cDNAのORF(1038bp)を含むcDNA断片を作製、取得するためにプライマーの設計を先ず行った。すなわち、制限酵素サイトHincIIを5'側に付加した下記に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーNo.5として設計して、化学合成により作製した。
(i) FMT−1−cDNAのORF(1038bp)を含むcDNA断片を作製、取得するためにプライマーの設計を先ず行った。すなわち、制限酵素サイトHincIIを5'側に付加した下記に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーNo.5として設計して、化学合成により作製した。
(a) プライマーNo.5(配列番号7に示す)
5'-gtcgacaatggaagaagaaactctacagg-3'
(ii) 次に、シクラメンcDNAライブラリーの生成のために、上記(1)で得た全RNA1μgをテンプレートとして用いて、このテンプレートとしての全RNAを、逆転転写反応液〔10mM Tris-HCl(pH8.3)と50mM KClと5mM MgCl2と1mMのdNTP(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)混合物と2.5μM オリゴ(dT)プライマーOligo(dT)12-18 primer(ライフテックオリエンタル(株)製)、RNAse阻害剤(RNAse Inhibitor、宝酒造(株)製 20単位および逆転写酵素AMV Reverse Transcriptase XL(宝酒造(株)製)5単位〕に加えることによって液量を20μlとし、逆転写反応を行った。逆転写反応は30℃ 10分間、50℃ 30分間、99℃ 5分間、4℃ 5分間インキュベートする条件で行い、生成されたシクラメンcDNAライブラリーを含む反応液を得た。
5'-gtcgacaatggaagaagaaactctacagg-3'
(ii) 次に、シクラメンcDNAライブラリーの生成のために、上記(1)で得た全RNA1μgをテンプレートとして用いて、このテンプレートとしての全RNAを、逆転転写反応液〔10mM Tris-HCl(pH8.3)と50mM KClと5mM MgCl2と1mMのdNTP(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)混合物と2.5μM オリゴ(dT)プライマーOligo(dT)12-18 primer(ライフテックオリエンタル(株)製)、RNAse阻害剤(RNAse Inhibitor、宝酒造(株)製 20単位および逆転写酵素AMV Reverse Transcriptase XL(宝酒造(株)製)5単位〕に加えることによって液量を20μlとし、逆転写反応を行った。逆転写反応は30℃ 10分間、50℃ 30分間、99℃ 5分間、4℃ 5分間インキュベートする条件で行い、生成されたシクラメンcDNAライブラリーを含む反応液を得た。
(iii) 更に上記のプライマーNo.5及びNo.3として構築された2種類の合成オリゴヌクレオチドの各0.2μMをプライマーとして用いて且つ上記で得られたシクラメンcDNAライブラリーを含む逆転写反応液1μlをテンプレートとして用いて、これらを、PCR反応液〔10mM Tris−HCl(pH8.3)と50mM KClと1.5mM MgCl2と0.2mMのdNTP(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)混合物およびTaq DNA Polymerase TaKaRa Taq(宝酒造(株)製)1単位〕に加え、総量を50μlとし、DNAの増幅反応を行った。
上記したPCR法によるシクラメンcDNAの増幅反応は、PCR反応装置(ASTEK社製、Program Temp Contol System PC−700)を用いて、変性を94℃で30秒間行い、アニーリングを55℃で1分間行い、また伸張(Extention)を72℃で1分間行う3つの反応操作を35回繰り返すことによって実施した。
上記で得られた増幅反応産物であるcDNA断片は約1.2kbpのサイズを有すると認められるものであり、そして前記FMT−1−cDNAのORF全長を含むものであると予想された。この増幅反応産物cDNA断片を、TAベクターpT7Blue Vector(Navagen社製)のTAサイトに連結した。得られた組換えプラスミドを大腸菌DH5αのコンピーテントセルに導入する処理を行った。その後に、そのように処理された大腸菌をアンピシリン含有の寒天培地に撒いて培養した。このことにより、増幅反応産物である前記DNA断片を保持する形質転換体大腸菌のコロニー複数を寒天培地上に得た。
これらの大腸菌のコロニー複数から数個のコロニーを選び、それぞれコロニー毎に別々に液体培地上で培養した。このようにコロニー別々に培養された大腸菌の内容物それぞれから、組換えプラスミドDNAをアルカリSDS法で抽出した。各コロニー毎に得られたDNA 1μlを、それぞれに10μlのHバッファー中で制限酵素EcoRI 5単位および制限酵素PstI 5単位で消化した。それぞれの消化反応液をアガロース電気泳動にかけ、先の増幅反応産物であるDNAのサイズを確認した。FMT−1−cDNAのORF全長を有して且つ目的のものと期待されるDNA断片をプラスミドに挿入されて保持する形質転換体大腸菌のクローンの複数を選抜した。これら複数の選抜したクローンの形質転換体大腸菌から別々にプラスミドDNAを抽出した。更に、FMT−1−cDNAの塩基配列を内部で切断する制限酵素を用いて、その抽出したプラスミドDNAを消化した。その泳動パターンを比較することにより、形質転換体大腸菌の組換えプラスミドDNAに挿入されたシクラメン由来DNA断片が1種類であり、前記FMT−1−cDNAのORF(1038bp)を含むところのDNAに相違ないことを確認した。
これら選抜した形質転換体大腸菌のうち1つのクローンを選び、その保持する組換えプラスミドDNAの抽出を行い且つ抽出されたプラスミドのTAサイトに挿入されたDNA断片の塩基配列解析を行った。このDNA断片のORFから推定されるアミノ酸配列を調査して、配列番号2のアミノ酸配列と相違ないことを確認した。この挿入されたDNA断片を、FMT−1(ORF)−cDNAと命名した。このDNA断片は、配列表の配列番号1の塩基番号17のaから塩基番号1167のaまでの領域の塩基配列(1151bp)を有する。この前記したプラスミドの抽出と精製は、プラスミド精製キット(QIAfilter Plasmid Midi Kit(QIAGEN社製))を用いて行い、また塩基配列の決定はDNAシークエンス受託サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用し行った。
前記のFMT−1−cDNAのORFに相当するところの配列番号No.2のアミノ酸配列をコードするDNA配列(1038bp)を含むFMT−1(ORF)−cDNAを組換えプラスミド上に保持している形質転換体大腸菌のクローンは、独立行政法人 産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている大腸菌DH5α(CpFMT−1)(FERM P−19651)と同一のものである。
前記のFMT−1−cDNAとFMT−1(ORF)−cDNAとはシクラメンのF3',5'MTをコードする遺伝子を含有するものであり、該遺伝子は、配列番号1に記載の全長1183 bpサイズのDNAの内部における配列番号1の18番目のaから1055番目のgまでの領域の単一のオープンリーディングフレーム(ORF)である1038個の塩基配列から成るものである。また、第1の本発明によるシクラメンのF3',5'MTをコードするDNAは、配列番号2に示される346個のアミノ酸残基からなる第3の本発明のタンパク質をコードしている。
本発明により提供される、シクラメンのF3',5'MTをコードするDNAは、シクラメンと同種または異種の植物体に単独または他のDNAと組み合わせて導入すると、該植物中でのアントシアニン合成に関与するメチル化酵素反応を調節することができ、これによって花色の多様性を計るための植物の育種と開発に利用できる。
Claims (8)
- 配列表の配列番号2に示す346個のアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列を有するタンパク質であって、シクラメンのフラボノイド 3',5'−メチル トランスフェラーゼであるタンパク質をコードするDNA。
- 配列表の配列番号1に記載の塩基配列の5'側の18番目のaから1055番目のgまでの領域の1038 bpのサイズの塩基配列を少なくとも含むDNAである、請求項1に記載のDNA。
- 配列表の配列番号1に記載の1183 bpのサイズのDNAである、請求項2に記載のDNA。
- 配列表の配列番号1に記載の塩基配列の5'側の17番目のaから1167番目のaまでの領域の1151 bpのサイズのDNAである、請求項2に記載のDNA。
- 配列表の配列番号2に示す346個のアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されることにより形成されたアミノ酸配列を有するタンパク質であって、フラボノイド 3',5'−メチル トランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードする改変DNA。
- 配列表の配列番号1の塩基配列の18番目のaから1055番目のgまでの領域の1038 bpのサイズの塩基配列と部分的に異なる塩基配列を有して且つ配列番号1に記載の前記1038 bpのサイズの塩基配列に対して相同性を示すDNAであって、しかも配列表の配列番号1に記載の前記1038 bpのサイズの塩基配列を有するDNAに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができ、かつ、フラボノイド 3',5'−メチル トランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードする、請求項5に記載の改変DNA。
- 配列表の配列番号2に示す346個のアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列を有するタンパク質であって、フラボノイド 3',5'−メチル トランスフェラーゼであるタンパク質。
- 配列表の配列番号2に示す346個のアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列において、1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されることにより形成されたアミノ酸配列からなるタンパク質であって、フラボノイド 3',5'−メチル トランスフェラーゼ活性を有する改変タンパク質。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004135689A JP2005312388A (ja) | 2004-04-30 | 2004-04-30 | シクラメンのフラボノイド3’,5’−メチルトランスフェラーゼ遺伝子のdna |
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Cited By (1)
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CN110819600A (zh) * | 2018-08-07 | 2020-02-21 | 中国科学院上海生命科学研究院 | 甲基转移酶及其应用 |
-
2004
- 2004-04-30 JP JP2004135689A patent/JP2005312388A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN110819600A (zh) * | 2018-08-07 | 2020-02-21 | 中国科学院上海生命科学研究院 | 甲基转移酶及其应用 |
CN110819600B (zh) * | 2018-08-07 | 2023-07-25 | 中国科学院分子植物科学卓越创新中心 | 甲基转移酶及其应用 |
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