JP2007135536A - シクラメンのメチルトランスフェラーゼ遺伝子のdna - Google Patents
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Abstract
【課題】シクラメンのカフェー酸−O−メチルトランスフェラーゼをコードする新規なDNA、及び該DNAでコードされるタンパク質を提供する。
【解決手段】下記(A)又は(B)に記載のタンパク質をコードするDNA:(A)開示される特定のアミノ酸配列を有するタンパク質、(B)上記アミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつメチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質。
【選択図】なし
【解決手段】下記(A)又は(B)に記載のタンパク質をコードするDNA:(A)開示される特定のアミノ酸配列を有するタンパク質、(B)上記アミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつメチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質。
【選択図】なし
Description
本発明は、シクラメンのメチルトランスフェラーゼのタンパク質をコードする新規なDNAに関する。より詳しくは、シクラメンのカフェー酸の3位の水酸基にメチル基を転位する活性を有するタンパク質をコードする新規なDNA及びその利用に関するものであり、またそのDNAでコードされるタンパク質に関するものである。
植物界には芳香環(ベンゼン環)に3個の炭素原子からなる基が結合したフェニルプロパノイドと呼ばれる化合物群が広く存在し、そのフェニルプロパノイドは単純フェニルプロパノイド、リグニン、フラボノール、カテキンの大きく4つのグループに分けられる。単純フェニルプロパノイドに分類されるカフェー酸、フェルラ酸などの桂皮酸類は、それ自体、およびその誘導体は、植物の細胞壁を形成するリグニンの前駆体である。また、花色合成経路においては、桂皮酸を経て、花色合成経路の最初の化合物であるカルコノナリンゲニンが生成される。フェニルプロパノイド化合物は生合成的にはシキミ酸を共通の前駆体とするものであり、フェニルアラニン、チロシンを経て生合成される。最も単純なフェニルプロパノイドである桂皮酸はフェニルアラニンの脱アンモニア反応により生成され、チロシンが脱アンモニア反応および酸化反応を経て、カフェー酸が生成される。更にカフェー酸のメチル化により、フェルラ酸が生成され、精油成分であるオイゲノールやバニリンが合成される。また一方でフェルラ酸からコニフェリルアルコールを経て重合により高分子化し、リグニンが形成される。
フラボノールは花色に関与するフェニルプロパノイドであり、その一種であるアントシアニンは花色の橙色から赤、青、紫色に関与する主要色素である。アントシアニンは、メチル化、ポリアシル化などの修飾を受けることにより、アントシアニンの存在する液胞内で安定化し、更にはこれらの修飾がアントシアニンの青色化に関与すると言われている。桂皮酸類であるカフェー酸、フェルラ酸などは、アントシアニンのアシル化の修飾基として利用されており、ポリアシル化アントシアニンの多様性に寄与している。
フェニルプロパノイド化合物の中で単純フェニルプロパノイド、フラボノールおよびカテキン類の多くはその構造上、フェノール環に水酸基を持つため抗酸化作用を持つものが多く存在する。単純フェニルプロパノイドであるカフェー酸は抗酸化作用や抗腫瘍性など各種機能性が報告されており、フェルラ酸はカフェー酸同様に抗酸化作用を持ち、大腸がんの抑制作用の確認の報告、紫外線吸収による化粧品の美白成分として使用されている。
ここで、単純フェニルプロパノイドの生合成に関与する酵素であって、カフェー酸の3位の水酸基をメチル化する、フェルラ酸の生合成に関与する酵素の遺伝子を単離することができれば、該遺伝子のDNAをシクラメンに導入して該遺伝子を過剰発現または発現抑制させることにより、カフェー酸またはフェルラ酸を蓄積させることができ、更には、ポリアシル基転移酵素遺伝子などと当該遺伝子を同時に導入することにより合成されるポリアシル化アントシアニンに多様性を生じさせることが期待される。
また該遺伝子を大腸菌などの適当な宿主で発現させ、カフェー酸−O−メチルトランスフェラーゼのタンパク質を合成させることにより、カフェー酸を基質としたフェルラ酸の生合成が可能になることが期待される。
また該遺伝子を大腸菌などの適当な宿主で発現させ、カフェー酸−O−メチルトランスフェラーゼのタンパク質を合成させることにより、カフェー酸を基質としたフェルラ酸の生合成が可能になることが期待される。
これまでリグニン生合成経路においてカフェー酸の3位の水酸基のメチル化に関与する酵素であるカフェー酸−O−メチルトランスフェラーゼ(以下「COMT」と略することがある)遺伝子としては次のものが知られている。
(1)ポプラのCOMT遺伝子(特許文献1参照)
(2)タバコのCOMT遺伝子(特許文献1参照)
(3)アルファルファのCOMT遺伝子(非特許文献1参照)
(4)アスペンのCOMT遺伝子(非特許文献2参照)
(5)クラーキアのCOMT遺伝子(非特許文献3参照)
(6)大麦のCOMT遺伝子(非特許文献4参照)
(7)トウガラシのCOMT遺伝子(非特許文献5参照)
しかしながら,花卉園芸植物であるシクラメンのCOMTをコードする遺伝子については知られていない。
(1)ポプラのCOMT遺伝子(特許文献1参照)
(2)タバコのCOMT遺伝子(特許文献1参照)
(3)アルファルファのCOMT遺伝子(非特許文献1参照)
(4)アスペンのCOMT遺伝子(非特許文献2参照)
(5)クラーキアのCOMT遺伝子(非特許文献3参照)
(6)大麦のCOMT遺伝子(非特許文献4参照)
(7)トウガラシのCOMT遺伝子(非特許文献5参照)
しかしながら,花卉園芸植物であるシクラメンのCOMTをコードする遺伝子については知られていない。
本発明の課題は、シクラメンのメチルトランスフェラーゼをコードする新規なDNAを提供することにあり、また該DNAでコードされるタンパク質を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。そして後述される遺伝子工学の手法によって、シクラメン蕾から調製したmRNAより、COMT酵素をコードする遺伝子DNAの5'側上流域部位と3'側下流域部位とのそれぞれのcDNA部分断片を増幅し、増幅されたそれら2つのcDNA部分断片の塩基解析を行い、その解析の結果を総合的に研究し、それによって、COMTのアミノ酸配列をコードするORFを含むところの配列表の配列番号1に記載される1316bpのサイズのDNAを知見することに成功した。この知見を利用することによって、シクラメンのcDNAライブラリーから、後記の実施例1、(7)(iii)に示すように、COMT酵素のアミノ酸配列をコードするORFを含むところの、配列番号1の5'側86番目のaから1285番目のcまでの領域の塩基配列よりなる1200bpサイズのDNA断片を取得することに成功した。
さらに、配列番号1の1316bpのサイズのDNAの5'側の塩基番号87のaから塩基番号1172のcまでの領域の塩基配列を有する1086bpのサイズのDNA配列は、シクラメンCOMTをコードする遺伝子のORF領域のDNA配列であることを知見した。また、配列番号1のDNAの5'側の塩基番号87のaから塩基番号1172のcまでの領域の塩基配列を有する前記1086bpのサイズのORF領域は、配列表の配列番号2に示す362個のアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列をコードするものと推定した。その結果、第1の本発明を完成するに至った。
すなわち、第1の本発明においては、配列表の配列番号2に示す362個のアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列を有する、メチルトランスフェラーゼ活性を有するのタンパク質をコードするDNAが提供される。
第1の本発明のDNAは配列表の配列番号1の塩基番号87のaから塩基番号1172のcまでの1
086bpのサイズの塩基配列を少なくとも含むDNAでありうる。また第1の本発明のDNAは配列番号1に記載の1316bpのサイズのDNAであってもよい。
第1の本発明のDNAの一つの具体的な例は、配列表の配列番号1に記載の塩基配列の5'側の86番目のaから1285番目のcまでの領域の1200bpのサイズのDNA断片である。
第2の本発明では、配列表の配列番号2に示す362個のアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されることにより形成されたアミノ酸配列を有するタンパク質であって、メチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAが提供される。
第1の本発明のDNAは配列表の配列番号1の塩基番号87のaから塩基番号1172のcまでの1
086bpのサイズの塩基配列を少なくとも含むDNAでありうる。また第1の本発明のDNAは配列番号1に記載の1316bpのサイズのDNAであってもよい。
第1の本発明のDNAの一つの具体的な例は、配列表の配列番号1に記載の塩基配列の5'側の86番目のaから1285番目のcまでの領域の1200bpのサイズのDNA断片である。
第2の本発明では、配列表の配列番号2に示す362個のアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されることにより形成されたアミノ酸配列を有するタンパク質であって、メチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAが提供される。
第2の本発明のDNAは配列表の配列番号1の塩基番号87のaから塩基番号1172のcまでの領域の1086bpのサイズの塩基配列とは部分的に異なる塩基配列を有して且つ配列番号1に記載の前記1086bpのサイズの塩基配列に対して相同性を示すDNAであって、しかも配列表の配列番号1に記載の前記1086bpのサイズの塩基配列を有するDNAに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができ、かつ、メチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAでありうる。
第3の本発明では配列表の配列番号2に示す362個のアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列を有する、メチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質が提供される。
第4の本発明では配列表の配列番号2に示す362個のアミノ酸残基よりなるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されることにより形成されたアミノ酸配列を有するタンパク質であって、メチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質が提供される。
なお、本発明においては、メチルトランスフェラーゼ活性としては、カフェー酸の3位の水酸基をメチル化する反応を触媒する活性(「COMT活性」と略する)が好ましい。
COMT活性は、例えば以下に示す方法に従って測定することができる。
すなわち、目的の酵素を含むアッセイ溶液(50mM TrisHCl(pH7.5)、2mM DTT)にS-Adenosyl-Methionin(終濃度0.5mM)および基質であるカフェー酸を添加し、30℃で30分間反応させた後、0.1%HCl-MeOHを加えて反応を止め、遠心分離後の上清をHPLCによって解析する。対照として、標品のカフェー酸とフェルラ酸についてもHPLC解析を行う。酵素反応生成物であるフェルラ酸のピークを、標品のピークとの比較により同定する。
すなわち、目的の酵素を含むアッセイ溶液(50mM TrisHCl(pH7.5)、2mM DTT)にS-Adenosyl-Methionin(終濃度0.5mM)および基質であるカフェー酸を添加し、30℃で30分間反応させた後、0.1%HCl-MeOHを加えて反応を止め、遠心分離後の上清をHPLCによって解析する。対照として、標品のカフェー酸とフェルラ酸についてもHPLC解析を行う。酵素反応生成物であるフェルラ酸のピークを、標品のピークとの比較により同定する。
シクラメンのCOMTをコードするcDNAは、これを公知の方法に従い、シクラメンと同種または異種の植物体に単独または他のDNAと組み合わせて導入すると、該植物中での桂皮酸類の合成に関与するフェルラ酸合成反応を調節することができ、これによって生理活性物質や花色などに多様性を付与した植物を開発できる。
以下にシクラメンから本発明によるDNAを取得する方法を詳細に説明する。
以下にシクラメンから本発明によるDNAを取得する方法を詳細に説明する。
第1の本発明のDNAは、配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク質であって、メチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAである。配列番号2のアミノ酸配列をコードする第1の本発明のDNAの一例は、配列番号1に示す1316bpのサイズのDNAである。この第1の本発明による配列番号1の1316bpサイズのDNAは、本発明を完成するに際しては、後記の実施例1、(1)〜(6)の過程で知見されたものである。また、配列番号1の5'側86番目のaから1285番目のcまでの領域の1200bpのサイズのDNA断片は、後記の実施例1、(7)の過程において、シクラメンcDNAライブラリーから取得されたものである。
第1の本発明のDNAは、これの塩基配列が配列番号1で明らかにされたので、配列番号2に示すアミノ酸配列に基づいて又は配列番号1に示す塩基配列に基づいて化学合成することによっても取得することができる。また、前記の配列番号1の塩基配列に基づいて工夫、作成した合成オリゴヌクレオチドよりなるプローブまたはオリゴヌクレオチドプライマーを用いると、シクラメンのcDNAライブラリーから、公知の遺伝子工学的手法を用いてハイブリダイゼーションまたはポリメラーゼ・チェイン・リアクション(PCR)により第1の本発明のDNAを取得することも可能である。
以下に、シクラメン蕾の全RNAから調製されたmRNAを利用しながら、RT(逆転写)-PCRを応用した3'RACE (Rapid amplification of cDNA ends)法および5'RACE 法により、COMT酵素をコードする遺伝子DNAの5'側上流域部位と3'側下流域部位とのそれぞれのcDNA部分断片を増幅し、増幅されたそれら2つのcDNA部分断片の塩基解析を行い、その解析の結果による知見に基づいて、メチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列をコードするORFを含むところの第1の本発明のDNAをシクラメンcDNAライブラリーから取得する方法を例示的に説明する。なお、3’RACE法と5’RACE法は例えば「Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America」、1988年、第85巻、pp8998-9002;「Science」1989年、第243巻、pp217-220または「植物のPCR実験プロトコール」第1刷、秀潤社、1995年、pp98-101に解説されている。
(1)シクラメンのmRNAの調製
シクラメン(品種:フレグランスミニ)(Cyclamen persicum)の蕾から、常法により全RNAを抽出した。その後、その全RNAの抽出物からタンパク質、多糖類、その他の夾雑物を取り除く。さらに夾雑物を含まない全RNAを、オリゴdTセルロースを充填したカラムを用いて処理するとPoly(A)+ RNAを精製することができ、これによって、mRNAを得ることができる。
シクラメン(品種:フレグランスミニ)(Cyclamen persicum)の蕾から、常法により全RNAを抽出した。その後、その全RNAの抽出物からタンパク質、多糖類、その他の夾雑物を取り除く。さらに夾雑物を含まない全RNAを、オリゴdTセルロースを充填したカラムを用いて処理するとPoly(A)+ RNAを精製することができ、これによって、mRNAを得ることができる。
(2)3'RACE (Rapid amplification of cDNA ends)法によるメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側下流域部位のクローニング
次に、上記のmRNAから任意の特異配列を5’側にもつオリゴdTプライマーを用いて逆転写酵素によりcDNAを合成する。公知のメチルトランスフェラーゼの塩基配列に基づき工夫、合成したオリゴヌクレオチドプライマーと前記で合成したcDNAの3’側に特異的に結合するオリゴヌクレオチドプライマーとを組み合わせて用い、且つ前記で合成したcDNAを鋳型として用い、3'RACE(Rapid amplification of cDNA ends)法によりメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側下流域のcDNAを増幅する。これら一連の操作は3'RACEキットが市販されているので、このキットを使用してもよい。ここで増幅したcDNAの3'側下流域部位を単離してプラスミドベクター、例えばTAベクターなどに組み込み得られた組換えプラスミドを大腸菌のコンピーテントセルに導入して、大腸菌を形質転換し、得られた形質転換体大腸菌を培養して、前記組換えプラスミドに挿入された該cDNAの3’側下流域部位をクローニングする。
次に、上記のmRNAから任意の特異配列を5’側にもつオリゴdTプライマーを用いて逆転写酵素によりcDNAを合成する。公知のメチルトランスフェラーゼの塩基配列に基づき工夫、合成したオリゴヌクレオチドプライマーと前記で合成したcDNAの3’側に特異的に結合するオリゴヌクレオチドプライマーとを組み合わせて用い、且つ前記で合成したcDNAを鋳型として用い、3'RACE(Rapid amplification of cDNA ends)法によりメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側下流域のcDNAを増幅する。これら一連の操作は3'RACEキットが市販されているので、このキットを使用してもよい。ここで増幅したcDNAの3'側下流域部位を単離してプラスミドベクター、例えばTAベクターなどに組み込み得られた組換えプラスミドを大腸菌のコンピーテントセルに導入して、大腸菌を形質転換し、得られた形質転換体大腸菌を培養して、前記組換えプラスミドに挿入された該cDNAの3’側下流域部位をクローニングする。
(3)メチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側下流域部位のシークエンシングによる塩基配列の決定
形質転換体大腸菌中で上記のようにクローニングしたところの、該cDNA3'側下流域部位を保持する組換えプラスミドDNAを、大腸菌から抽出する。組換えプラスミドDNA中の挿入DNA断片が切り取れるように組換えプラスミドDNAを制限酵素処理する。その消化液をアガロースゲルで電気泳動にかけ、それぞれ分離されて得られた各種DNA断片のサイズを調査する。その結果をもとにいくつかのクローニングされたプラスミドDNA内に内在する挿入断片DNAの塩基配列をジデオキシ法で決定する。その決定された塩基配列と公知のメチルトランスフェラーゼ遺伝子の相同性を比較、検討することにより、メチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側下流域部位を保持すると思われるところの挿入DNA断片を判別して
取得することができる。
形質転換体大腸菌中で上記のようにクローニングしたところの、該cDNA3'側下流域部位を保持する組換えプラスミドDNAを、大腸菌から抽出する。組換えプラスミドDNA中の挿入DNA断片が切り取れるように組換えプラスミドDNAを制限酵素処理する。その消化液をアガロースゲルで電気泳動にかけ、それぞれ分離されて得られた各種DNA断片のサイズを調査する。その結果をもとにいくつかのクローニングされたプラスミドDNA内に内在する挿入断片DNAの塩基配列をジデオキシ法で決定する。その決定された塩基配列と公知のメチルトランスフェラーゼ遺伝子の相同性を比較、検討することにより、メチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側下流域部位を保持すると思われるところの挿入DNA断片を判別して
取得することができる。
(4)5'RACE (Rapid amplification of cDNA ends)法によるメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位のクローニング
上記のようにして得たシクラメン メチルトランスフェラーゼ遺伝子の3’側下流域部位の塩基配列に基づき工夫、合成したオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、上記(1)のmRNAから逆転写酵素によりメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位のcDNA部分断片を合成する。更に、ここで5’側上流域部位として合成されたcDNA部分断片を鋳型として用いて5'RACE (Rapid amplification of cDNA ends)法により、メチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5’側上流域部位の増幅を行う。これら一連の操作は5'RACEキットが市販されているので、このキットを使用してもよい。ここで増幅されたcDNAの5’側上流域部位を単離してプラスミドベクター、例えばTAベクターなどに連結して組み込み、得られた組換えプラスミドを大腸菌のコンピーテントセルに導入して形質転換し、得られた形質転換体大腸菌を培養して、前記組換えプラスミドに挿入されてある該cDNAの5'側上流域部位をクローニングする。
上記のようにして得たシクラメン メチルトランスフェラーゼ遺伝子の3’側下流域部位の塩基配列に基づき工夫、合成したオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、上記(1)のmRNAから逆転写酵素によりメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位のcDNA部分断片を合成する。更に、ここで5’側上流域部位として合成されたcDNA部分断片を鋳型として用いて5'RACE (Rapid amplification of cDNA ends)法により、メチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5’側上流域部位の増幅を行う。これら一連の操作は5'RACEキットが市販されているので、このキットを使用してもよい。ここで増幅されたcDNAの5’側上流域部位を単離してプラスミドベクター、例えばTAベクターなどに連結して組み込み、得られた組換えプラスミドを大腸菌のコンピーテントセルに導入して形質転換し、得られた形質転換体大腸菌を培養して、前記組換えプラスミドに挿入されてある該cDNAの5'側上流域部位をクローニングする。
(5)メチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側下流域部位のシークエンシングによる塩基配列の決定
形質転換体大腸菌で上記の(4)のようにクローニングした該cDNA5'側上流域部位としてのcDNA部分断片を含むプラスミドDNAを、大腸菌から抽出する。組換えプラスミドDNA中の挿入DNA断片が切りとれるようにプラスミドDNAを制限酵素処理する。その消化液をアガロースゲルで電気泳動を行い、それぞれ分離されて得られた各種DNA断片のサイズを調査する。その結果をもとに、前記の組換えプラスミドDNA内に含有されていて且つメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位を保持すると思われるところの挿入DNA断片を選抜して取得でき、そしてその塩基配列をジデオキシ法で決定する事ができる。
形質転換体大腸菌で上記の(4)のようにクローニングした該cDNA5'側上流域部位としてのcDNA部分断片を含むプラスミドDNAを、大腸菌から抽出する。組換えプラスミドDNA中の挿入DNA断片が切りとれるようにプラスミドDNAを制限酵素処理する。その消化液をアガロースゲルで電気泳動を行い、それぞれ分離されて得られた各種DNA断片のサイズを調査する。その結果をもとに、前記の組換えプラスミドDNA内に含有されていて且つメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位を保持すると思われるところの挿入DNA断片を選抜して取得でき、そしてその塩基配列をジデオキシ法で決定する事ができる。
(6)メチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの配列解析
上記のようにして得られたメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位および3'側下流域部位での2つの塩基配列の共通する相同部分を調べることにより、メチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの塩基配列の全長を知見することが出来る。その知見された全長遺伝子cDNAの塩基配列中にある翻訳開始コドンと終止コドンの位置を調べることによって、タンパク質のコード領域、すなわちオープンリーディングフレーム(ORF)を決定することができる。ついで、これから規定されるアミノ酸配列を調べる事により、このシクラメンのメチルトランスフェラーゼ遺伝子の全長cDNAがコードするアミノ酸配列を決定する事ができる。
上記のようにして得られたメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位および3'側下流域部位での2つの塩基配列の共通する相同部分を調べることにより、メチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの塩基配列の全長を知見することが出来る。その知見された全長遺伝子cDNAの塩基配列中にある翻訳開始コドンと終止コドンの位置を調べることによって、タンパク質のコード領域、すなわちオープンリーディングフレーム(ORF)を決定することができる。ついで、これから規定されるアミノ酸配列を調べる事により、このシクラメンのメチルトランスフェラーゼ遺伝子の全長cDNAがコードするアミノ酸配列を決定する事ができる。
(7)メチルトランスフェラーゼ遺伝子のORF全長を含むcDNA断片の作製と取得、およびその遺伝子の同定
次に(6)で知見されたメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの塩基配列をもとに適当なプライマーを設計し、上記(1)で取得したシクラメン全RNAをテンプレートに用いてRT-PCRを行うことにより、前記オープンリーディングフレームを含む全長cDNA断片を増幅することができる。その増幅したcDNAを単離してプラスミドベクター、例えばTAベクターなどに組み込み、得た組換えプラスミドを大腸菌のコンピーテントセルに導入して、形質転換体大腸菌を培養すると、これにより目的のORFを含むcDNAをクローニングすることができる。形質転換体大腸菌から抽出された前記の組換えプラスミドDNAに連結、保持された目的のcDNA断片の塩基配列を調べ、先に決定した塩基配列と比較し、PCRの転写ミスによる塩基配列の置換がないことを確認する。その後、このクローニングされた遺伝子cDNAを大腸菌などの遺伝子発現系を用いて発現させ、生成したタンパク質の酵素活性を調査することよって、前記のクローニングで得られたcDNA断片は、目的とするシクラメンCOMTをコードするDNA配列を内有するcDNA断片であるかを確認する事ができる。
次に(6)で知見されたメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの塩基配列をもとに適当なプライマーを設計し、上記(1)で取得したシクラメン全RNAをテンプレートに用いてRT-PCRを行うことにより、前記オープンリーディングフレームを含む全長cDNA断片を増幅することができる。その増幅したcDNAを単離してプラスミドベクター、例えばTAベクターなどに組み込み、得た組換えプラスミドを大腸菌のコンピーテントセルに導入して、形質転換体大腸菌を培養すると、これにより目的のORFを含むcDNAをクローニングすることができる。形質転換体大腸菌から抽出された前記の組換えプラスミドDNAに連結、保持された目的のcDNA断片の塩基配列を調べ、先に決定した塩基配列と比較し、PCRの転写ミスによる塩基配列の置換がないことを確認する。その後、このクローニングされた遺伝子cDNAを大腸菌などの遺伝子発現系を用いて発現させ、生成したタンパク質の酵素活性を調査することよって、前記のクローニングで得られたcDNA断片は、目的とするシクラメンCOMTをコードするDNA配列を内有するcDNA断片であるかを確認する事ができる。
なお、他方、一般に、特定の機能や生理活性を有するタンパクをコードするアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されることによって形成されたアミノ酸配列でコードされるタンパク質の場合であっても、その機能や生理活性が維持される場合があることは当業者において広く認識されているところである。本発明のDNAは、このような修飾が加えられたタンパク質であって、かつメチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA配列を有するものであってもよい。ここで、「数個」とは2から50個、好ましくは2から20個、より好ましくは2から10個を意味する。
すなわち、第2の本発明のDNAは、配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入又は付加されることにより形成されたアミノ酸配列を有するタンパク質であって、かつCOMT活性を有するタンパク質をコードする改変DNAである。そのような第2の本発明の改変DNAは、例えば部位特異的変異法によって、特定の部位のアミノ酸が置換、欠失又は付加されるように第1の本発明のDNAの塩基配列を改変することによって得られる。
また、第1の本発明のDNAまたはこれを含有する細胞に対して変異処理を行い、その後に、変異されたDNA若しくはこれらを含む細胞から、例えば配列表の配列番号1に記載の塩基配列の5'側から87番目のaから1172番目のcまでの領域の塩基配列を有するDNAに対して、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを選択的に分離することによっても、第2の本発明のDNAの断片を得ることができる。
ここでいう「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。このストリンジェントな条件は、これを明確に数値化することは困難であるが、一例を示せば、相同性が高い2つの核酸同士、例えば95%以上の相同性を有する2つのDNA同士がハイブリダイズするが、他方ではそれより相同性の低い2つの核酸同士がハイブリダイズしないという条件が挙げられる。
より具体的には、ハイブリダイゼーション後に、0.1%のSDSを含む0.1〜1倍濃度のSSC溶液中、温度が60〜70℃の条件、より好ましくは0.1%SDS、0.1倍濃度のSSC、65℃の条件で、好ましくは2、3回洗浄する条件が挙げられる。
より具体的には、ハイブリダイゼーション後に、0.1%のSDSを含む0.1〜1倍濃度のSSC溶液中、温度が60〜70℃の条件、より好ましくは0.1%SDS、0.1倍濃度のSSC、65℃の条件で、好ましくは2、3回洗浄する条件が挙げられる。
さらにシクラメン染色体それ自体から、第1の本発明のDNAまたはその一部領域のDNA断片をプローブDNAとして用いると、定法によってメチルトランスフェラーゼをコードするDNA断片を取得することが可能である。しかし、シクラメン染色体から得られたメチルトランスフェラーゼをコードするDNA断片は、イントロンを含むことが予想される。このようなイントロンで分断されているDNA断片も、メチルトランスフェラーゼをコードするDNAである限り、第2の本発明のDNAの一例に含まれる。
なお、後記の実施例1、(7)で得られたところのシクラメンのCOMT遺伝子のcDNA断片はpT7Blueプラスミドベクターに連結した。得られた組換えプラスミドが導入された形質転換の大腸菌はEscherichia coli DH5α/CpCOMT−1と命名され、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに平成17年10月31日より、受領番号FERM AP−20705として寄託されている。
シクラメンのメチルトランスフェラーゼをコードする第1または第2の本発明のDNAを適当な宿主例えば大腸菌で発現させることにより、メチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質を製造することができる。前記宿主としては、大腸菌、枯草菌などの細菌、酵母、昆虫培養細胞、動物培養細胞、植物培養細胞等が挙げられる。メチルトランスフェラーゼをコードする本発明DNAを宿主細胞内で機能するプロモーター等の発現調節配列の下
流に発現可能に連結し、宿主細胞に導入することにより宿主細胞を形質転換させることができる。このような形質転換は、本発明のDNAをプラスミドベクターに連結して組換えプラスミドを構築し、得られた組換えプラスミドを宿主に導入することによって行うことができる。あるいは、相同組換え等によって本発明DNAを宿主内の染色体DNAに組込むことによって、宿主を形質転換することもできる。得られる形質転換細胞を前記プロモーター発現調節配列が機能する条件で培養する事によってメチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質が産出される。
また、メチルトランスフェラーゼをコードする本発明DNAは、花卉又は他の植物体に、単独または組み合わせて導入することにより、植物体を形質転換させ、これによってそれらの植物中での桂皮酸類の合成に関与する酵素反応を調節することができる。
流に発現可能に連結し、宿主細胞に導入することにより宿主細胞を形質転換させることができる。このような形質転換は、本発明のDNAをプラスミドベクターに連結して組換えプラスミドを構築し、得られた組換えプラスミドを宿主に導入することによって行うことができる。あるいは、相同組換え等によって本発明DNAを宿主内の染色体DNAに組込むことによって、宿主を形質転換することもできる。得られる形質転換細胞を前記プロモーター発現調節配列が機能する条件で培養する事によってメチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質が産出される。
また、メチルトランスフェラーゼをコードする本発明DNAは、花卉又は他の植物体に、単独または組み合わせて導入することにより、植物体を形質転換させ、これによってそれらの植物中での桂皮酸類の合成に関与する酵素反応を調節することができる。
以下に、本発明の実施例の例示により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
以下の実験操作の手順は特に記述しない限り、「モレキュラー クローニング(Molecular Cloning) 第2版」(J.Sambrookら、Cold Spring Habor Laboratory press、1989年)に記載されている方法に従った。
(1)シクラメン蕾mRNAの調製
シクラメン(品種:フレグランスミニ)の蕾2gを液体窒素存在下で凍結後、凍結した花弁を乳棒乳鉢を用いて粉砕した。この粉砕物に2×CTAB溶液(2%臭化セチルトリメチルアンモニウムと0.1M Tris‐HCl(pH9.5)と20mM EDTAと1.4M NaClと4% β−メルカプトエタノールとの混合物)20mlを加えた。得られた混合物を撹拌した後、65℃で10分間インキュベートした。次にインキュベートした該混合物をクロロフォルム抽出に2回かけた。得られたクロロフォルム抽出液に3/4容量のイソプロパノールを加えて核酸を析出させた。8000g、4℃で15分間遠心分離を行い、核酸よりなる沈澱を回収した。
その核酸をTE(10mM Tris(pH8.0)と1mM EDTAの混合物)4mlに溶解し、得られた溶液に10M 塩化リチウム溶液1mlを加えた。得られた混合液を氷上に2時間置いた後、19000g、4℃で10分間遠心分離すると、RNAが沈澱した。そのRNAを分け取り、蒸留水に溶解し、さらにそのRNA溶液をフェノール抽出およびエタノール沈殿することによりRNAを精製した。さらに、これで得られた全RNAの精製品から、mRNAの単離をmRNA精製キット(宝酒造(株)社製、Oligotex−Mag mRNA purification Kit)により行い、シクラメン花弁のmRNAを約5μg得た。
シクラメン(品種:フレグランスミニ)の蕾2gを液体窒素存在下で凍結後、凍結した花弁を乳棒乳鉢を用いて粉砕した。この粉砕物に2×CTAB溶液(2%臭化セチルトリメチルアンモニウムと0.1M Tris‐HCl(pH9.5)と20mM EDTAと1.4M NaClと4% β−メルカプトエタノールとの混合物)20mlを加えた。得られた混合物を撹拌した後、65℃で10分間インキュベートした。次にインキュベートした該混合物をクロロフォルム抽出に2回かけた。得られたクロロフォルム抽出液に3/4容量のイソプロパノールを加えて核酸を析出させた。8000g、4℃で15分間遠心分離を行い、核酸よりなる沈澱を回収した。
その核酸をTE(10mM Tris(pH8.0)と1mM EDTAの混合物)4mlに溶解し、得られた溶液に10M 塩化リチウム溶液1mlを加えた。得られた混合液を氷上に2時間置いた後、19000g、4℃で10分間遠心分離すると、RNAが沈澱した。そのRNAを分け取り、蒸留水に溶解し、さらにそのRNA溶液をフェノール抽出およびエタノール沈殿することによりRNAを精製した。さらに、これで得られた全RNAの精製品から、mRNAの単離をmRNA精製キット(宝酒造(株)社製、Oligotex−Mag mRNA purification Kit)により行い、シクラメン花弁のmRNAを約5μg得た。
(2)3'RACE (Rapid amplification of cDNA ends)法によるメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側下流域部位のクローニング
(i)3'RACE法を用いてメチルトランスフェラーゼ遺伝子のcDNAの下流域部位を増幅するために、プライマーの設計を先ず行った。すなわち、下記に示す塩基配列を有するデイジェネレート・プライマー型の2種類のオリゴヌクレオチドをプライマーNo.1およびNo.2として設計して、化学合成により作製した。
(a)プライマーNo.1(配列番号3に示す)
5'- ttggtsgatgttggwggtggyaccg -3'
(b)プライマーNo.2(配列番号4に示す)
5'- gagywtgttggwggagayatg -3'
但し、上記の2つの塩基配列においてw=aまたはt;s=cまたはg;y=tまたはcを意味する。
なお、上記のプライマーNo.1およびNo.2のオリゴヌクレオチドの作製はDNA合成サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用した。
(ii)次に、3'RACE System for Rapid Amplification of cDNA Ends(Invitrogen社製)を用い、また上記のプライマーNo.1及びNo.2として構築された2種類の合成オリゴヌクレオチドの各10pmolをプライマーとして用いて、上記(1)で得たシクラメンmRNA0.1μgからメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNA下流域部位の増幅を行った。上記した3'RACE法におけるシクラメンcDNAの3’側下流域部位の増幅反応は、PCR反応装置(ASTEK社製、Program Temp Contol System PC‐700)を用いて、変性を94℃で30秒間行い、アニーリングを52℃で1分間行い、また伸張(Extention)を72℃で1分間行う3つの反応操作を35回繰り返すことによって実施した。
(iii)上記の(ii)で得られた増幅反応産物であるcDNA部分断片をTAベクターpT7Blue Vector(Navagen社製)のTAサイトに連結した。得られた組換えプラスミドを大腸菌DH5αのコンピーテントセルに導入する処理を行った。その後に、そのように処理された大腸菌を、アンピシリン含有の寒天培地に撒いて培養した。これにより、増幅反応産物であるcDNA部分断片を保持する形質転換体の大腸菌のコロニー複数を寒天培地上に得た。上記で得られた増幅産物であるcDNA部分断片は目的のもの以外の遺伝子を含むことが予想された。そのため、目的とされるメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの下流域部位を保持すると期待される形質転換体大腸菌の選抜を行った。この選抜は次のように行った。すなわち形質転換体大腸菌の前記コロニーから10数個のコロニーを選び、それぞれコロニー毎に別々に液体培地にて培養した。
このようにコロニー別に培養された形質転換大腸菌のそれぞれの細胞内容物から、組換えプラスミドDNAをアルカリSDS法を用いて抽出した。抽出してそれぞれ個別に得られたプラスミドDNA1μlを10μlのHバッファー中で制限酵素EcoRI 5単位及び制限酵素PstI 5単位で消化した。それぞれの消化反応液をアガロースゲル電気泳動にかけて、形質転換体大腸菌が保持している先の増幅反応産物である前記のDNA断片サイズを確認した。既知のメチルトランスフェラーゼ酵素遺伝子から予想された当該サイズを有して且つ目的のものと期待される増幅反応産物であるDNA断片の複数個を選抜した。更にこのように選抜されたこれら複数個のDNA断片をそれぞれ別々に制限酵素HindIIIおよびBamHIにより消化し、それらの泳動パターンを比較したところ、前記の選抜で得られた複数個のDNA断片は1種類のもののみであることが判明した。
(i)3'RACE法を用いてメチルトランスフェラーゼ遺伝子のcDNAの下流域部位を増幅するために、プライマーの設計を先ず行った。すなわち、下記に示す塩基配列を有するデイジェネレート・プライマー型の2種類のオリゴヌクレオチドをプライマーNo.1およびNo.2として設計して、化学合成により作製した。
(a)プライマーNo.1(配列番号3に示す)
5'- ttggtsgatgttggwggtggyaccg -3'
(b)プライマーNo.2(配列番号4に示す)
5'- gagywtgttggwggagayatg -3'
但し、上記の2つの塩基配列においてw=aまたはt;s=cまたはg;y=tまたはcを意味する。
なお、上記のプライマーNo.1およびNo.2のオリゴヌクレオチドの作製はDNA合成サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用した。
(ii)次に、3'RACE System for Rapid Amplification of cDNA Ends(Invitrogen社製)を用い、また上記のプライマーNo.1及びNo.2として構築された2種類の合成オリゴヌクレオチドの各10pmolをプライマーとして用いて、上記(1)で得たシクラメンmRNA0.1μgからメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNA下流域部位の増幅を行った。上記した3'RACE法におけるシクラメンcDNAの3’側下流域部位の増幅反応は、PCR反応装置(ASTEK社製、Program Temp Contol System PC‐700)を用いて、変性を94℃で30秒間行い、アニーリングを52℃で1分間行い、また伸張(Extention)を72℃で1分間行う3つの反応操作を35回繰り返すことによって実施した。
(iii)上記の(ii)で得られた増幅反応産物であるcDNA部分断片をTAベクターpT7Blue Vector(Navagen社製)のTAサイトに連結した。得られた組換えプラスミドを大腸菌DH5αのコンピーテントセルに導入する処理を行った。その後に、そのように処理された大腸菌を、アンピシリン含有の寒天培地に撒いて培養した。これにより、増幅反応産物であるcDNA部分断片を保持する形質転換体の大腸菌のコロニー複数を寒天培地上に得た。上記で得られた増幅産物であるcDNA部分断片は目的のもの以外の遺伝子を含むことが予想された。そのため、目的とされるメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの下流域部位を保持すると期待される形質転換体大腸菌の選抜を行った。この選抜は次のように行った。すなわち形質転換体大腸菌の前記コロニーから10数個のコロニーを選び、それぞれコロニー毎に別々に液体培地にて培養した。
このようにコロニー別に培養された形質転換大腸菌のそれぞれの細胞内容物から、組換えプラスミドDNAをアルカリSDS法を用いて抽出した。抽出してそれぞれ個別に得られたプラスミドDNA1μlを10μlのHバッファー中で制限酵素EcoRI 5単位及び制限酵素PstI 5単位で消化した。それぞれの消化反応液をアガロースゲル電気泳動にかけて、形質転換体大腸菌が保持している先の増幅反応産物である前記のDNA断片サイズを確認した。既知のメチルトランスフェラーゼ酵素遺伝子から予想された当該サイズを有して且つ目的のものと期待される増幅反応産物であるDNA断片の複数個を選抜した。更にこのように選抜されたこれら複数個のDNA断片をそれぞれ別々に制限酵素HindIIIおよびBamHIにより消化し、それらの泳動パターンを比較したところ、前記の選抜で得られた複数個のDNA断片は1種類のもののみであることが判明した。
(3)メチル トランスフェラーゼ遺伝子cDNAの3'側下流域部位のシークエンシングによる塩基配列の決定
上記の選抜されたDNA断片がクローニングされて保持された形質転換体大腸菌のクローンを1つ選抜した。選抜したクローンの大腸菌が保持するプラスミドDNAを抽出し、次いでプラスミドDNAが保持するcDNA部分断片の塩基配列解析を行った。このプラスミドDNAの抽出および精製は、プラスミド精製キット(QIAfilter Plasmid Midi Kit(QIAGEN社製))を用いて行い、塩基配列の決定はDNAシークエンス受託サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用して行った。その結果、前記の(2)(iii)で得た増幅反応産物であるDNA断片は、ポリAシグナルを含む504個の塩基からなるcDNAの下流域部位であると決定された。このcDNA下流域部位の塩基配列より予想されるアミノ酸配列を、これまで明らかにされている既知のメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列と比較することにより、上記の増幅反応産物であるcDNA部分断片はシクラメンのメチルトランスフェラーゼをコードするcDNAの一部領域を含むDNA断片である事を確認した。
上記の選抜されたDNA断片がクローニングされて保持された形質転換体大腸菌のクローンを1つ選抜した。選抜したクローンの大腸菌が保持するプラスミドDNAを抽出し、次いでプラスミドDNAが保持するcDNA部分断片の塩基配列解析を行った。このプラスミドDNAの抽出および精製は、プラスミド精製キット(QIAfilter Plasmid Midi Kit(QIAGEN社製))を用いて行い、塩基配列の決定はDNAシークエンス受託サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用して行った。その結果、前記の(2)(iii)で得た増幅反応産物であるDNA断片は、ポリAシグナルを含む504個の塩基からなるcDNAの下流域部位であると決定された。このcDNA下流域部位の塩基配列より予想されるアミノ酸配列を、これまで明らかにされている既知のメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列と比較することにより、上記の増幅反応産物であるcDNA部分断片はシクラメンのメチルトランスフェラーゼをコードするcDNAの一部領域を含むDNA断片である事を確認した。
(4)5'RACE (Rapid amplification of cDNA ends)法によるメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位のクローニング
(i)5'RACE法を用いて、上記で得られた504個の塩基からなるメチルトランスフェラ
ーゼ遺伝子cDNA部分断片から、該遺伝子のORFを含む5'側上流域部位を得るためにプライマーの設計を先ず行った。すなわち、このメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの下流域部位の塩基配列をもとにして、mRNAに相補的に結合するように以下に示す塩基配列を有する2種類のオリゴヌクレオチドをプライマーNo.3およびNo.4として設計して、化学合成
により作製した。
(a)プライマーNo.3(配列番号5に示す)
5'- gttgcagttatagtataaaagacgtttg-3'
(b)プライマーNo.4(配列番号6に示す)
5'- tgcattcgacgaggatcaccttcc-3'
なお、上記のプライマーNo.3およびNo.4のオリゴヌクレオチドの作製はDNA合成サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用した。
(ii)次に、5'RACE System for Rapid Amplification of cDNA Ends(Invitrogen社製)を用い、また上記のプライマーNo.3及びNo.4として構築された2種類の合成オリゴヌクレオチドの各10pmolをプライマーとして用いて、上記(1)で得たシクラメンmRNA0.1μgからメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの上流域部位の増幅を行った。上記した5'RACE法におけるシクラメンcDNAの増幅反応は、PCR反応装置(ASTEK社製、Program Temp Contol System PC‐700)を用いて、変性を94℃で30秒間行い、アニーリングを55℃で1分間行い、また伸張(Extention)を72℃で1分間行う3つの反応操作を35回繰り返すことによって実施した。
(iii)上記の(ii)で得られた増幅反応産物であるcDNA部分断片を、TAベクターpT7Blue Vector(Navagen社製)のTAサイトに連結した。得られた組換えプラスミドを大腸菌DH5αのコンピーテントセルに導入する処理を行った。その後、そのように処理された大腸菌をアンピシリン含有の寒天培地にまいて培養した。このことにより、増幅反応産物であるcDNA部分断片を保持する形質転換体大腸菌のコロニーを寒天培地上に得た。上記で得られた増幅反応産物であるcDNA部分断片は、5'側上流域部位が不完全な長さのcDNA断片を含むこともあることが予想された。そのため、5'側上流域部位の完全長を保持すると期待される形質転換体大腸菌の選抜を行った。この選抜は次のように行った。
すなわち、形質転換大腸菌の複数コロニーから10数個のコロニーを選び、それぞれコロニー毎に別々に液体培地にて培養した。このようにコロニー別に培養された形質転換体大腸菌のそれぞれの細胞内容物から、組換えプラスミドDNAをアルカリSDS法を用いて抽出した。抽出でそれぞれ別々に得られたプラスミドDNA1μlを、それぞれに10μlのHバッファー中で制限酵素EcoRI 5単位及び制限酵素PstI 5単位で消化した。それぞれの消化反応液をアガロースゲル電気泳動にかけて、先の増幅反応産物であるDNA断片のサイズを確認した。既知のメチル基転位酵素から予想された該当のサイズを有して且つ目的のものと期待される増幅反応産物であるDNA断片を保持する組換えプラスミドDNAの複数個を選抜した。更に、ここで選抜されたこれら複数個のDNA断片をそれぞれ単独に制限酵素EcoRIおよびSalIにより消化し、それらの泳動パターンを比較し、前記の選抜で得たDNA断片が1種類であることを確認した。
(i)5'RACE法を用いて、上記で得られた504個の塩基からなるメチルトランスフェラ
ーゼ遺伝子cDNA部分断片から、該遺伝子のORFを含む5'側上流域部位を得るためにプライマーの設計を先ず行った。すなわち、このメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの下流域部位の塩基配列をもとにして、mRNAに相補的に結合するように以下に示す塩基配列を有する2種類のオリゴヌクレオチドをプライマーNo.3およびNo.4として設計して、化学合成
により作製した。
(a)プライマーNo.3(配列番号5に示す)
5'- gttgcagttatagtataaaagacgtttg-3'
(b)プライマーNo.4(配列番号6に示す)
5'- tgcattcgacgaggatcaccttcc-3'
なお、上記のプライマーNo.3およびNo.4のオリゴヌクレオチドの作製はDNA合成サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用した。
(ii)次に、5'RACE System for Rapid Amplification of cDNA Ends(Invitrogen社製)を用い、また上記のプライマーNo.3及びNo.4として構築された2種類の合成オリゴヌクレオチドの各10pmolをプライマーとして用いて、上記(1)で得たシクラメンmRNA0.1μgからメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの上流域部位の増幅を行った。上記した5'RACE法におけるシクラメンcDNAの増幅反応は、PCR反応装置(ASTEK社製、Program Temp Contol System PC‐700)を用いて、変性を94℃で30秒間行い、アニーリングを55℃で1分間行い、また伸張(Extention)を72℃で1分間行う3つの反応操作を35回繰り返すことによって実施した。
(iii)上記の(ii)で得られた増幅反応産物であるcDNA部分断片を、TAベクターpT7Blue Vector(Navagen社製)のTAサイトに連結した。得られた組換えプラスミドを大腸菌DH5αのコンピーテントセルに導入する処理を行った。その後、そのように処理された大腸菌をアンピシリン含有の寒天培地にまいて培養した。このことにより、増幅反応産物であるcDNA部分断片を保持する形質転換体大腸菌のコロニーを寒天培地上に得た。上記で得られた増幅反応産物であるcDNA部分断片は、5'側上流域部位が不完全な長さのcDNA断片を含むこともあることが予想された。そのため、5'側上流域部位の完全長を保持すると期待される形質転換体大腸菌の選抜を行った。この選抜は次のように行った。
すなわち、形質転換大腸菌の複数コロニーから10数個のコロニーを選び、それぞれコロニー毎に別々に液体培地にて培養した。このようにコロニー別に培養された形質転換体大腸菌のそれぞれの細胞内容物から、組換えプラスミドDNAをアルカリSDS法を用いて抽出した。抽出でそれぞれ別々に得られたプラスミドDNA1μlを、それぞれに10μlのHバッファー中で制限酵素EcoRI 5単位及び制限酵素PstI 5単位で消化した。それぞれの消化反応液をアガロースゲル電気泳動にかけて、先の増幅反応産物であるDNA断片のサイズを確認した。既知のメチル基転位酵素から予想された該当のサイズを有して且つ目的のものと期待される増幅反応産物であるDNA断片を保持する組換えプラスミドDNAの複数個を選抜した。更に、ここで選抜されたこれら複数個のDNA断片をそれぞれ単独に制限酵素EcoRIおよびSalIにより消化し、それらの泳動パターンを比較し、前記の選抜で得たDNA断片が1種類であることを確認した。
(5)メチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域部位のシークエンシングによる塩基配列の決定
上記(4)(iii)の選抜で得られたところの1種類であるDNA断片がクローニングされて保持されてある形質転換体大腸菌のクローン一つを選抜し、このクローンの大腸菌が保持するプラスミドDNAを抽出した。次いでプラスミドDNAが保持するcDNA部分断片の塩基配列解析を行った。このプラスミドDNAの抽出および精製は、プラスミド精製キット(QIAfilter Plasmid Midi Kit(QIAGEN社製))を用いて行い、この塩基配列の決定はDNAシークエンス受託サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用して行った。その結果、前記(4)(iii)で得た増幅反応産物であるDNA断片は972個の塩基からなるメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5’側上流域部位であると決定された。
上記(4)(iii)の選抜で得られたところの1種類であるDNA断片がクローニングされて保持されてある形質転換体大腸菌のクローン一つを選抜し、このクローンの大腸菌が保持するプラスミドDNAを抽出した。次いでプラスミドDNAが保持するcDNA部分断片の塩基配列解析を行った。このプラスミドDNAの抽出および精製は、プラスミド精製キット(QIAfilter Plasmid Midi Kit(QIAGEN社製))を用いて行い、この塩基配列の決定はDNAシークエンス受託サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用して行った。その結果、前記(4)(iii)で得た増幅反応産物であるDNA断片は972個の塩基からなるメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5’側上流域部位であると決定された。
(6)メチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの配列解析
上記の(3)および(5)で決定されたメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域および3'側下流域部位の両方の塩基配列をつき合わせて、一つのオープンリーディングフレーム(ORF)をもち、且つ遺伝子として機能する一つのcDNAの塩基配列の形で知
見するために、Gene Works 2.5.1ソフトウェア((株)帝人システムテクノロジー)を用い、塩基配列Alignmentファイルをソフトウェアの初期設定条件で作成することによって、計1316個の塩基よりなる全長cDNAの塩基配列を知見した。このように知見された計1316bpの遺伝子はCOMT-1と命名した。COMT-1は1086個の塩基よりなる単一のオープンリーディングフレーム(ORF)のDNA配列を含むことが判った。このcDNAのORFの塩基配列より推定されるアミノ酸配列を、既知のメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列と比較したところ、相同性が高く、COMT-1のORFのDNA配列はメチルトランスフェラーゼ遺伝子の一種と推測された。なお、本願COMT-1のORFとの相同性が最も高いものは、アスペン(Populus tremuloides)のCOMT遺伝子であり、塩基配列レベルで69%、アミノ酸配列レベルで78%の相同性を示すことがわかった。
上記の(3)および(5)で決定されたメチルトランスフェラーゼ遺伝子cDNAの5'側上流域および3'側下流域部位の両方の塩基配列をつき合わせて、一つのオープンリーディングフレーム(ORF)をもち、且つ遺伝子として機能する一つのcDNAの塩基配列の形で知
見するために、Gene Works 2.5.1ソフトウェア((株)帝人システムテクノロジー)を用い、塩基配列Alignmentファイルをソフトウェアの初期設定条件で作成することによって、計1316個の塩基よりなる全長cDNAの塩基配列を知見した。このように知見された計1316bpの遺伝子はCOMT-1と命名した。COMT-1は1086個の塩基よりなる単一のオープンリーディングフレーム(ORF)のDNA配列を含むことが判った。このcDNAのORFの塩基配列より推定されるアミノ酸配列を、既知のメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列と比較したところ、相同性が高く、COMT-1のORFのDNA配列はメチルトランスフェラーゼ遺伝子の一種と推測された。なお、本願COMT-1のORFとの相同性が最も高いものは、アスペン(Populus tremuloides)のCOMT遺伝子であり、塩基配列レベルで69%、アミノ酸配列レベルで78%の相同性を示すことがわかった。
(7)COMT-1のORF(1086bp)を含むcDNA断片の作製と取得
(i)上記のCOMT-1のORFを含むDNA断片を作製、取得するためにプライマーの設計を先ず行った。すなわち、制限酵素サイトEcoRVを5'側に付加した下記に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーNo.5として設計して、化学合成により作製した。
(a)プライマーNo.5(配列番号7に示す)
5'-gatatcaatgggttctttccaaatcaacc -3'
(ii)次に、シクラメンcDNAライブラリーの生成のために、上記(1)で得た全RNA1μgをテンプレートとして用いて、このテンプレートとしての全RNAを逆転転写反応液(10mM Tris‐HCl(pH8.3)と50mM KClと5mM MgCl2と1mMのdNTP(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)混合物と2.5μM オリゴ(dT)プライマーOligo(dT)12-18 primer(Invitrogen(株)製)、RNase阻害剤(RNase Inhibitor、タカラバイオ(株)製 20単位および逆転写酵素AMV Reverse Transcriptase XL (タカラバイオ(株)製)5単位に加えることによって液量を20μlとし、逆転写反応を行った。逆転写反応は30℃ 10分間、50℃ 30分間、99℃ 5分間、4℃ 5分間インキュベートする条件で行い、生成されたシクラメンcDNAライブラリーを含む反応液を得た。
(iii)更に上記のプライマーNo.5及びNo.3として構築された2種類の合成オリゴヌクレオチドの各0.2μMをプライマーとし、上記で得られたシクラメンのcDNAを含む逆転写反応液1μlをテンプレートとして用いて、これらPCR反応液(10mM Tris‐HCl(pH8.3)と50mM KClと1.5mM MgCl2と0.2mMのdNTP(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)混合物およびTaq DNA Polymerase TaKaRa Taq(タカラバイオ(株)製)1単位)に加え、総量を50μlとし、DNAの増幅反応を行った。
上記したPCR法によるシクラメンcDNAの増幅反応は、PCR反応装置(ASTEK社製、Program
Temp Contol System PC‐700)を用いて、変性を94℃で30秒間行い、アニーリングを55℃で1分間行い、また伸張(Extention)を72℃で1分間行う3つの反応操作を35回繰り返すことによって実施した。
上記で得られた増幅反応産物であるcDNA断片は約1.2kbpのサイズを有すると認められるものであり、そして前記COMT-1のORF全長を含むものであると予想された。この増幅反応産物cDNA断片をTAベクターpT7Blue Vector(Navagen社製)のTAサイトに連結した。得られた組換えプラスミドを大腸菌DH5αのコンピーテントセルに導入する処理を行った。その後に、そのように処理された大腸菌をアンピシリン含有の寒天培地にまいて培養した。このことにより、増幅反応産物である前記DNA断片を保持する形質転換体大腸菌のコロニー複数を寒天培地上に得た。
これらの形質転換体大腸菌のコロニー複数から数個を選び、それぞれ液体培地にて培養した。このようにコロニー別々に培養された形質転換大腸菌の内容物それぞれから、プラスミドDNAをアルカリSDS法を用いて抽出した。各コロニー毎に得られたDNA1μlを各個に10μlのHバッファー中で制限酵素EcoRI 5単位及び制限酵素PstI 5単位で消化した。それぞれの消化反応液をアガロースゲル電気泳動にかけ、先の増幅反応産物であるDNAのサイズを確認した。COMT-1のORFを有して且つ目的のものと期待されるDNA断片をプラスミドDNAに挿入されて保持する形質転換体大腸菌のクローンの複数を選抜した。これら複数の
選抜したクローンの形質転換体大腸菌から別々に抽出したプラスミドDNAを、更にCOMT-1の塩基配列を内部で切断する制限酵素を用いて消化した。その泳動パターンを比較することにより、形質転換体大腸菌の組換えプラスミドDNAに挿入されたシクラメン由来DNA断片が1種類であり、前記COMT−1のORF(1086bp)を含むところのDNAに相違ないことを確認した。
これらの選抜した形質転換体大腸菌のうち1つのクローンを選び、その保持する組換えプラスミドDNAの抽出を行い且つ抽出されたプラスミドのTAサイトに挿入されたDNA断片の塩基配列解析を行った。このDNA断片のORFから推定されるアミノ酸配列を調査して、配列番号2のアミノ酸配列と相違ないことを確認した。この挿入されたDNA断片を、COMT-1(ORF)と命名した。このDNA断片は、配列表の配列番号1の塩基番号85番目のaから1285番目のcまでの領域の塩基配列(1200bp)を有する。上記のプラスミドの抽出及び精製はプラスミド精製キット(QIAfilter Plasmid Midi Kit(QIAGEN社製))を用いて行い、また、塩基配列の決定は、DNAシークエンス受託サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用し行った。
前記の配列番号No.2のアミノ酸をコードするDNA配列(1086bp)を含むCOMT-1(ORFを組換えプラスミド上に保持する形質転換体大腸菌のクローンは独立行政法人産業技術総合研究所特許寄託センターに寄託されているEscherichia coli DH5α/CpCOMT-1(FERM AP-20705)と同一のものである。
(i)上記のCOMT-1のORFを含むDNA断片を作製、取得するためにプライマーの設計を先ず行った。すなわち、制限酵素サイトEcoRVを5'側に付加した下記に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーNo.5として設計して、化学合成により作製した。
(a)プライマーNo.5(配列番号7に示す)
5'-gatatcaatgggttctttccaaatcaacc -3'
(ii)次に、シクラメンcDNAライブラリーの生成のために、上記(1)で得た全RNA1μgをテンプレートとして用いて、このテンプレートとしての全RNAを逆転転写反応液(10mM Tris‐HCl(pH8.3)と50mM KClと5mM MgCl2と1mMのdNTP(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)混合物と2.5μM オリゴ(dT)プライマーOligo(dT)12-18 primer(Invitrogen(株)製)、RNase阻害剤(RNase Inhibitor、タカラバイオ(株)製 20単位および逆転写酵素AMV Reverse Transcriptase XL (タカラバイオ(株)製)5単位に加えることによって液量を20μlとし、逆転写反応を行った。逆転写反応は30℃ 10分間、50℃ 30分間、99℃ 5分間、4℃ 5分間インキュベートする条件で行い、生成されたシクラメンcDNAライブラリーを含む反応液を得た。
(iii)更に上記のプライマーNo.5及びNo.3として構築された2種類の合成オリゴヌクレオチドの各0.2μMをプライマーとし、上記で得られたシクラメンのcDNAを含む逆転写反応液1μlをテンプレートとして用いて、これらPCR反応液(10mM Tris‐HCl(pH8.3)と50mM KClと1.5mM MgCl2と0.2mMのdNTP(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)混合物およびTaq DNA Polymerase TaKaRa Taq(タカラバイオ(株)製)1単位)に加え、総量を50μlとし、DNAの増幅反応を行った。
上記したPCR法によるシクラメンcDNAの増幅反応は、PCR反応装置(ASTEK社製、Program
Temp Contol System PC‐700)を用いて、変性を94℃で30秒間行い、アニーリングを55℃で1分間行い、また伸張(Extention)を72℃で1分間行う3つの反応操作を35回繰り返すことによって実施した。
上記で得られた増幅反応産物であるcDNA断片は約1.2kbpのサイズを有すると認められるものであり、そして前記COMT-1のORF全長を含むものであると予想された。この増幅反応産物cDNA断片をTAベクターpT7Blue Vector(Navagen社製)のTAサイトに連結した。得られた組換えプラスミドを大腸菌DH5αのコンピーテントセルに導入する処理を行った。その後に、そのように処理された大腸菌をアンピシリン含有の寒天培地にまいて培養した。このことにより、増幅反応産物である前記DNA断片を保持する形質転換体大腸菌のコロニー複数を寒天培地上に得た。
これらの形質転換体大腸菌のコロニー複数から数個を選び、それぞれ液体培地にて培養した。このようにコロニー別々に培養された形質転換大腸菌の内容物それぞれから、プラスミドDNAをアルカリSDS法を用いて抽出した。各コロニー毎に得られたDNA1μlを各個に10μlのHバッファー中で制限酵素EcoRI 5単位及び制限酵素PstI 5単位で消化した。それぞれの消化反応液をアガロースゲル電気泳動にかけ、先の増幅反応産物であるDNAのサイズを確認した。COMT-1のORFを有して且つ目的のものと期待されるDNA断片をプラスミドDNAに挿入されて保持する形質転換体大腸菌のクローンの複数を選抜した。これら複数の
選抜したクローンの形質転換体大腸菌から別々に抽出したプラスミドDNAを、更にCOMT-1の塩基配列を内部で切断する制限酵素を用いて消化した。その泳動パターンを比較することにより、形質転換体大腸菌の組換えプラスミドDNAに挿入されたシクラメン由来DNA断片が1種類であり、前記COMT−1のORF(1086bp)を含むところのDNAに相違ないことを確認した。
これらの選抜した形質転換体大腸菌のうち1つのクローンを選び、その保持する組換えプラスミドDNAの抽出を行い且つ抽出されたプラスミドのTAサイトに挿入されたDNA断片の塩基配列解析を行った。このDNA断片のORFから推定されるアミノ酸配列を調査して、配列番号2のアミノ酸配列と相違ないことを確認した。この挿入されたDNA断片を、COMT-1(ORF)と命名した。このDNA断片は、配列表の配列番号1の塩基番号85番目のaから1285番目のcまでの領域の塩基配列(1200bp)を有する。上記のプラスミドの抽出及び精製はプラスミド精製キット(QIAfilter Plasmid Midi Kit(QIAGEN社製))を用いて行い、また、塩基配列の決定は、DNAシークエンス受託サービス(北海道システムサイエンス(株))を利用し行った。
前記の配列番号No.2のアミノ酸をコードするDNA配列(1086bp)を含むCOMT-1(ORFを組換えプラスミド上に保持する形質転換体大腸菌のクローンは独立行政法人産業技術総合研究所特許寄託センターに寄託されているEscherichia coli DH5α/CpCOMT-1(FERM AP-20705)と同一のものである。
(8)COMT-1(ORF)の発現とコードされる酵素活性の調査
上記の(7)で得られたシクラメン由来のCOMT-1(ORF)の酵素活性について大腸菌発現システムを用いて調査した。すなわち、大腸菌発現ベクターとしてpQEベクター(QIAGEN社製)を用い、発現ベクターのSmaIサイトに開始コドンとCOMT-1(ORF)のORFのフレームが合うように連結した。得られた組換えプラスミドを大腸菌JM109に導入して形質転換することにより、COMT-1(ORF)がコードするタンパク質を生産することのできる形質転換体大腸菌を得た。COMT-1(ORF)のコードするタンパク質の発現は、LB培地(Bactotrypton 1%, yeast extract 0.5%, NaCl 0.5%)において一晩培養した上記の形質転換体大腸菌の培養液を新鮮なLB培地に1/20量接種し、25℃で1時間振とう培養を行った後、IPTG(Isopropyl-β-D-thiogalactopyranoside)を終濃度0.1mMになるように添加し、さらに3時間振とう培養することによって行った。
培養液4mlを8000g、4℃で5分間遠心することにより大腸菌を沈澱とし、培養液を取り除いた後、菌体を酵素アッセイ溶液(50mM TrisHCl(pH7.5),2mM DTT)150μlに懸濁した。超音波破砕機を用いて氷温下で酵素アッセイ溶液に懸濁した大腸菌の膜を破砕し、その溶液を8000g、4℃で5分間遠心した。抽出酵素を含む上清100μlを回収し、S-Adenosyl-Methionin(終濃度0.5mM)および基質のカフェー酸(2mg/ml)を5μl加えて反応混合物を作り、30℃で30分間酵素反応をさせた。反応の停止は0.1%HCl-MeOH 50μlを加えることによって行った。反応液を8000g、室温で5分間遠心し、その上清50μlをHPLCによって解析した。対照区として、標品のカフェー酸とフェルラ酸についてもHPLC解析を行った。酵素反応生成物のピークは1本認められ、メインのピークの保持時間は、対照区のフェルラ酸の保持時間と一致した。したがってCOMT-1(ORF)はカフェー酸の水酸基をメチル化する酵素の活性を示し、COMT-1(ORF)が目的とするCOMT遺伝子を保有することが判明した。
よって、前記のCOMT-1とCOMT-1(ORF)とは、シクラメンのCOMTをコードする遺伝子を含有するものである。該遺伝子は、配列番号1に記載の全長1316bpのDNAの内部における87番目のaから1172番目のcまでの領域の単一のオープンリーディングフレームである1086個の塩基の配列からなるものである。該遺伝子は第1の本発明DNAの中に保有される。前記のORFは配列番号1の1316bpのDNA配列内に在る86個の塩基よりなる5'非翻訳領域と144個の塩基よりなるDNA配列の3'非翻訳領域とに挟まれて存在する。また、第1の本発明によるシクラメンのCOMTをコードするDNAは、配列番号2に示される362個のアミノ酸残基からなる第3の本発明のタンパク質をコードしている。
上記の(7)で得られたシクラメン由来のCOMT-1(ORF)の酵素活性について大腸菌発現システムを用いて調査した。すなわち、大腸菌発現ベクターとしてpQEベクター(QIAGEN社製)を用い、発現ベクターのSmaIサイトに開始コドンとCOMT-1(ORF)のORFのフレームが合うように連結した。得られた組換えプラスミドを大腸菌JM109に導入して形質転換することにより、COMT-1(ORF)がコードするタンパク質を生産することのできる形質転換体大腸菌を得た。COMT-1(ORF)のコードするタンパク質の発現は、LB培地(Bactotrypton 1%, yeast extract 0.5%, NaCl 0.5%)において一晩培養した上記の形質転換体大腸菌の培養液を新鮮なLB培地に1/20量接種し、25℃で1時間振とう培養を行った後、IPTG(Isopropyl-β-D-thiogalactopyranoside)を終濃度0.1mMになるように添加し、さらに3時間振とう培養することによって行った。
培養液4mlを8000g、4℃で5分間遠心することにより大腸菌を沈澱とし、培養液を取り除いた後、菌体を酵素アッセイ溶液(50mM TrisHCl(pH7.5),2mM DTT)150μlに懸濁した。超音波破砕機を用いて氷温下で酵素アッセイ溶液に懸濁した大腸菌の膜を破砕し、その溶液を8000g、4℃で5分間遠心した。抽出酵素を含む上清100μlを回収し、S-Adenosyl-Methionin(終濃度0.5mM)および基質のカフェー酸(2mg/ml)を5μl加えて反応混合物を作り、30℃で30分間酵素反応をさせた。反応の停止は0.1%HCl-MeOH 50μlを加えることによって行った。反応液を8000g、室温で5分間遠心し、その上清50μlをHPLCによって解析した。対照区として、標品のカフェー酸とフェルラ酸についてもHPLC解析を行った。酵素反応生成物のピークは1本認められ、メインのピークの保持時間は、対照区のフェルラ酸の保持時間と一致した。したがってCOMT-1(ORF)はカフェー酸の水酸基をメチル化する酵素の活性を示し、COMT-1(ORF)が目的とするCOMT遺伝子を保有することが判明した。
よって、前記のCOMT-1とCOMT-1(ORF)とは、シクラメンのCOMTをコードする遺伝子を含有するものである。該遺伝子は、配列番号1に記載の全長1316bpのDNAの内部における87番目のaから1172番目のcまでの領域の単一のオープンリーディングフレームである1086個の塩基の配列からなるものである。該遺伝子は第1の本発明DNAの中に保有される。前記のORFは配列番号1の1316bpのDNA配列内に在る86個の塩基よりなる5'非翻訳領域と144個の塩基よりなるDNA配列の3'非翻訳領域とに挟まれて存在する。また、第1の本発明によるシクラメンのCOMTをコードするDNAは、配列番号2に示される362個のアミノ酸残基からなる第3の本発明のタンパク質をコードしている。
本発明により提供される、シクラメンのCOMTをコードするcDNAは、これを公知の方法に従い、シクラメンと同種または異種の植物体に単独または他のDNAと組み合わせて導入することにより、該植物中での桂皮酸類の合成に関与するフェルラ酸合成反応を調節することができ、またこれによって生理活性物質および花色に多様性を付与した植物を開発することが可能になる。また、該遺伝子を大腸菌などの適当な宿主で発現させることにより、カフェー酸を基質としたフェルラ酸の生合成が可能になることが期待される。
Claims (6)
- 下記(A)又は(B)に記載のタンパク質をコードするDNA:
(A)配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク質、
(B)配列番号2に示すアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつメチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質。 - 下記(a)又は(b)で示される、請求項1に記載のDNA:
(a)配列番号1の87〜1172に示す塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号1の87〜1172に示す塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつメチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。 - メチルトランスフェラーゼ活性が、カフェー酸の3位の酸素原子にメチル基を転移する活性である、請求項1又は2記載のDNA。
- 下記(A)又は(B)に記載のタンパク質:
(A)配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク質、
(B)配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク質において、1又は数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつメチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のDNAを保持する形質転換体。
- 形質転換体が植物であることを特徴とする、請求項5記載の形質転換体。
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