JP2005312167A - 4磁極モータ用異方性ボンド磁石の配向処理装置 - Google Patents

4磁極モータ用異方性ボンド磁石の配向処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】出力トクルを低下させずにコギングトルクを減少させる異方性ボンド磁石を実現すること。
【解決手段】金型の成形空間に設けられた円柱状の高透磁率物体からなるコア32と、異方性ボンド磁石原料を充填して成形するためのキャビティ35と、キャビティの外周部にコアの中心に向かって配設され、キャビティにおいて法線方向に配向磁場を形成する4分割された磁性体から成る第1ダイス38と、ボンド磁石の磁極の向きが変化する遷移区間に対応して、隣接する第1ダイスの間であって、キャビティの外周部にコアの中心に向かって配設された非磁性体から成る4分割された第2ダイス40と、4個の第1ダイスに磁束を与えるコイル46と、第2ダイスのキャビティに対向する面側に位置し、キャビティの外周面を構成する磁性体から成り第1ダイスを貫く磁束をキャビティの周回方向に誘導する磁束誘導部材36とを設けた。
【選択図】図4

Description

本発明は、モータに使用される中空円筒状の4磁極の異方性希土類ボンド磁石を製造するために使用される配向処理装置に関する。
モータ用の永久磁石として、中空円筒状に成形した異方性ボンド磁石が知られている。このボンド磁石は所定の磁場分布を発生させた状態で成形することで磁性体粉末の磁化容易軸を配向させている。円筒状のボンド磁石の軸に垂直な断面における配向のパターンには、主として、アキシャル配向とラジアル配向と極配向とがある。アキシャル配向は、断面において1軸方向に配向させる方法であり、ラジアル配向は断面中心から放射状に、即ち、円周の法線方向に配向させる方法である。
近年、モータの大幅な小型化・軽量化の要求がある。例えば、非磁性金型で成形したアキシャル配向の2極リング磁石があるが、トルクが小さいという問題点があるため、モータの大幅な小型化・軽量化には答えられない。また、アキシャル配向の発展形として考案された非磁性金型中に磁性材料を埋設することで2極ラジアル配向部と磁極間部でアキシャル配向と思われる配向部もしくは配向していない等方性部で構成された2極リング磁石(例えば、下記特許文献1)があるが、これもトルクが小さいという問題点があるため、モータの大幅な小型化・軽量化には答えられない。
近年、1〜300WクラスのDCブラシモータにおいて大幅な小型化・軽量化の要求に答えるために、14MGOe以上の異方性ボンド磁石を使用した4極モータの検討がなされている(例えば、特許第3480733号)。そこで使用される磁石としては4極ラジアル配向磁石が想定される。これらに使用する磁石は0.7〜2.5mm程度の厚さである。この場合、前記の2極モータに対して、大トルク化は満足できるが、コギングトルクが大きいという問題点がある。この場合コギングトルクが大きいのは、配向が全周においてラジアル方向のみであり、その磁石を4極に着磁すると磁極間部で表面磁束密度が急激に減少するためである。コギングトルクを小さくするためには磁極間部(この部分では、磁極の向きが反転する部分であるので、以下、「遷移区間」という)において機械角の推移に伴って、漸増、漸減するような配向磁場および着磁磁場を供給する必要がある。遷移区間で内部磁化が機械角の推移に伴って、漸増、漸減するように分布すれば、遷移区間での表面磁束密度の急激な減少を防止することが出来る。この異方性ボンド磁石は保磁力が高いために、配向磁場は0.5T 以上が必要となる。しかし、上記の各配向方法では配向磁場が小さくなる遷移区間において、0.5T の磁場を供給することは困難であった。
そこで、4極モータに使用される4極磁石に対して、2極モータで使用される2極磁石のアキシャル配向の発展形として考案されている方式(特許文献1)を4極化に展開してみる。4極磁石では、2極配向に比べて配向金型の配向ヨークとして利用できる空間が小さいために、遷移区間においては、十分な配向磁場を供給し難いという問題点がある。
ところで、ボンド磁石の外周面を形成する金型の一部であるダイスリングの材質は、非磁性材であり、金型寿命の向上のために、しばしば非磁性超硬材が使用されている。ダイスリングを非磁性材としたまま単に供給磁場を増加させても、配向金型や装置の大きさを一定とすると、ヨークサイズで最大供給磁場が決まってしまい、ある値以上の磁場が供給できない。そこでヨーク間の周回方向の距離の調整を検討すると以下のようになる。
キャビティにおいて、ラジアル配向をさせる区間の角度範囲を大きくしようとすると、おのずと各ヨークの角度幅が大きくなるために、磁性体のヨーク間の周回方向の距離が近づき過ぎて、ヨーク極間で磁束の短絡が生じる。この結果、キャビティの遷移区間においては有効な磁場が発生しない。このために、遷移区間における配向磁場の大きさが低下してしまう。また、遷移区間のキャビティ外に漏洩する磁場、すなわち、ヨーク極間での短絡を少なくするために、ダイスリングに接するヨークの内周面を径方向に遠ざけて、各ヨーク磁極同士の周回方向の距離を広げることが考えられる。しかしながら、各ヨークの磁極からキャビティまでの距離が大きくなるので、自ずとキャビティ部に発生するラジアル配向の磁束が小さくなる問題点がある。また、ヨークのキャビティの対向面を径方向に後退させずに、ヨーク磁極間の磁束の漏れ(短絡)を嫌ってヨークの角度幅を狭めると、配向ヨークが対向するキャビティの区間は、十分な配向磁場が供給されるものの、配向部の面積が減る。このため、ヨーク極間の距離が離れすぎるため遷移区間の配向磁場が低下し、ボンド磁石において遷移区間に無配向の等方性のデッドスペースが生じる。そのため、トルクが低下する。よって、大トルクと低コギングトルクを満足する磁石を得ることはできない。
このような配向のボンド磁石を、例えば、2極のDCブラシモータに用いた場合には、主として、モータは次の特性を示す。アキシャル配向のボンド磁石を用いたモータは、機械角の変化に対して法線方向の表面磁束密度が正弦波的に変化するので、コギングトルクは小さいが、出力トルクも小さい。一方、ラジアル配向のボンド磁石を用いたモータは、機械角の変化に対して法線方向の表面磁束密度が大略方形波的に変化するので、出力トルクは大きいが、コギングトルクも大きい。
下記特許文献1は、磁極間の遷移区間においてアキシャル配向とする2極の磁石を示している。しかし、4極のボンド磁石を構成する場合には、上記したように遷移区間の実角度が狭くなり、遷移区間における配向は実際には困難である。まして、遷移区間において異方性希土類磁性体粉末の配向方向を徐々に変化させる思想は開示されていないし、記載の金型構造を用いたのでは、このような配向はできない。
また、下記特許文献2、3は、磁極と磁極の間の遷移区間において、着磁後の表面磁束密度の法線方向成分が機械角の変化に伴って徐々に減少して、徐々に増加する特性としたボンド磁石を開示している。しかし、このような着磁分布を実現しても、ラジアル配向の場合に比べてコギングトルクは小さくなるもののモータの出力は小さいものであった。
図11に示すように、特許文献2、3によると、金型は、軟磁性体のコア52とキャビティ55と非磁性体のリング53と軟磁性体からなるガイド51a、51b、非磁性体から成るインサート54a、54bを有する。この成形金型においては、キャビティ55の外側に成形圧による磨耗に耐えるために非磁性体の超硬材料から成るリング53が用いられている。このため、遷移区間Aにおいては、キャビティ55の外側法線方向の磁路は、非磁性体のリング53、非磁性体のインサート54a、54bで構成され、全て、非磁性体となるために、キャビティ55の遷移区間Aでは、磁場分布を、磁極の中立点に近づくに連れて徐々に円筒側面の周回接線方向を向き、中立点においては円筒側面の周回接線方向となり、中立点から遠ざかる連れて徐々に円筒側面の法線方向を向く分布とすることができない。また、異方性希土類磁性体粉末を用いた場合には、配向に大きな磁場を要する。これらのことから、特許文献2、3では、遷移区間Aにおける周回方向の配向磁場成分が大きくなく、配向を十分に完了する程、大きくはない。このため、遷移区間Aでは、配向が不完全となり、等方的配向となっていた。このことが、ラジアル配向の異方性ボンド磁石を用いた場合に比べて、モータの出力が低い原因であった。
今回、成形金型に着目して、配向方法の検討を行なった。上記の従来技術では、遷移区間の磁石外径側金型の材質はすべて非磁性材を用いられており、金型寿命向上を目的としてしばしば非磁性超硬材を使用していた。遷移区間の磁石外径側金型の材質を非磁性材にするということは、キャビティの遷移区間には配向できないことを意味する。
そこで、遷移区間の磁石外径側金型の材質を上記とはまったく逆機能である鉄等の磁性材に単に置換すると、この磁性材部に磁束が流れてしまうと考えられるために、従来まったく使用されてこなかった。
そこで、鋭意検討した結果、遷移区間の磁石外径側金型に磁性材料でかつ、金型材としての強度を有する材料を適用し、その厚さをできるだけ薄くすることにより、積極的にこの磁性材料の磁気飽和をさせ、かつ、非磁性材を用いた場合に比べて、同一キャビティの場合において、磁気回路上のエアーギャップを同時に短くすることができるため、同一キャビティへ供給する磁場を大幅に向上させることができる。その結果、遷移区間において、機械角の推移に伴って、漸増、漸減するような配向磁場を供給することができる。
さらに同様な配向パターン沿って、着磁すると、遷移区間で内部磁化が機械角の推移に伴って、漸増、漸減するような分布することができ、従来デッドスペースであった遷移区間を有効に機能させることができる。そのため遷移区間の表面磁束が機械角の推移に伴って、漸増、漸減するように形成されるため、表面磁束が急激な減少を防止することが出来、大トルクを維持しつつコギングトルクを大幅に減少することが出来る。
そこで、本発明は、出力トルクが大きく、コギングトルクの小さいモータ用ボンド磁石を実現することを目的とする。
特開平6−86484号 特開2004−23085号 特開2004−56835号
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明の構成は、異方性希土類磁性体粉末を樹脂で成形した中空円筒形状の4磁極モータ用異方性ボンド磁石を金型を用いた成形により製造するための配向処理装置において、金型の成形空間に設けられた円柱状の磁性体からなるコアと、該コアの外周部に円筒状に形成され、異方性ボンド磁石原料を充填して成形するための幅0.7mm〜3mmのキャビティと、キャビティの外周部にコアの中心に向かって配設され、キャビティにおいて法線方向に配向磁場を形成する4分割された磁性体から成る第1ダイスと、ボンド磁石の磁極の向きが変化する遷移区間に対応して、隣接する第1ダイスの間であって、キャビティの外周部にコアの中心に向かって配設された非磁性体から成る4分割された第2ダイスと、4個の第1ダイスに磁束を与えるコイルと、キャビティの外周面を構成する薄肉の円筒状の磁性体から成る磁束誘導部材とから成る配向処理装置である。
上記のコアには、純鉄、SS400などの強磁性軟鉄、第1ダイスには、純鉄、SS400などの強磁性体、磁束誘導部材には、磁性超硬、粉末ハイス、ハイス材などの強磁性体、第2ダイスには、SUS304、析出硬化形ステンレス鋼などの非磁性体を用いることができる。
請求項2に記載の発明は、磁束誘導部材の厚さは、1.0〜3.5mmであることを特徴とする請求項1に記載の配向処理装置である。
請求項3に記載の発明は、磁束誘導部材は、超硬物質から成ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の配向処理装置である。
請求項4に記載の発明は、キャビティの第2ダイスが存在する区間の配向磁場は0.5T以上に磁束を誘導することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の配向処理装置である。
請求項5に記載の発明は、コアの外周面に配設され、キャビティの内周面を構成する円筒状の薄肉の磁性超硬物質から成るリングを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の配向処理装置である。
4分割された磁性体の第1ダイスとコアにより、キャビティにおいて法線方向の磁場を形成することができる。磁極の向きが変化する遷移区間においては、非磁性体の第2ダイスが存在するので、法線方向の磁場は形成され難い。キャビティの外周面を構成する磁性体から成る円筒状の磁束誘導部材が配置されているので、第2ダイスの両側に位置する第1ダイスによりキャビティの法線方向に誘導された磁束は、一部、遷移区間の周回方向にも誘導される。この周回方向に誘導された磁束がキャビティの遷移区間に漏れることになる。このため、キャビティの遷移区間においては、周回方向の成分を有する配向磁場が生じる。この結果、キャビティの遷移区間においては、異方性希土類磁性体粉末の配向方向を、磁極の中立点に近づくに連れて徐々に磁石の円筒側面の周回接線方向を向き、中立点においては円筒側面の周回接線方向となり、中立点から遠ざかるに連れて徐々に円筒側面の法線方向となる分布とすることができる。また、キャビティの遷移区間以外の主としてトルクを生じる区間においては、異方性希土類磁性体粉末の配向方向を法線方向とすることができる。
異方性希土類磁性体粉末をこのようなセミラジアル配向としたボンド磁石を着磁してモータの4磁極用の磁石とすれば、出力が大きくコギングトルクの小さなモータとなる。本発明の製造装置は、このような配向を有した4磁極異方性希土類ボンド磁石を容易に製造することができる。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではない。
異方性希土類ボンド磁石は、出願人によって提案された公開番号p2001−76917A、登録番号第2816668号の製造方法で作製される磁石であって、例えば、Nd−Fe−Bからなる磁粉を樹脂成型することにより製造され、1軸方向に強く磁化される磁石である。この磁石は、従来の焼結フェライト磁石と比較して最大エネルギー積(BHmax )が4倍以上となる特徴がある。
又、この異方性希土類ボンド磁石は樹脂成形で形成されるので、容易に精度よく形成される。これにより、モータ筐体内周部の永久磁石形状を精度のよい中空円筒形状とすることができる。即ち、永久磁石によるモータ内部磁場を精度の良い回転対称とすることができる。内部磁場の対称性が高精度となるので、中央部の電磁回転体は均一にトルクを受け回転することができる。よって、従来のようなトルクムラによる異音が低減されて、より静粛なモータ装置となる。又、異方性希土類ボンド磁石は中空円筒形状に樹脂成形されるので、モータ装置筐体への組み付けも容易となる。従来のように、分離された4極の焼結フェライト磁石をそれぞれ組み付ける必要がない。即ち、製造工程も容易とする利点がある。
本発明は、中空円筒状の4磁極異方性ボンド磁石の軸に垂直な断面における異方性希土類磁性体粉末の配向方向(異方性希土類磁性体粉末の磁化容易軸が外部から与える配向磁場の向きになるように異方性希土類磁性体粉末を回転させた後の磁化容易軸の向き)の分布を特有なものとする配向処理装置である。本発明の配向処理装置を用いることにより、磁極の周期的な変化を機械角を変数として表す時、トルクの発生に主として寄与する機械角区間においては、断面において、異方性希土類磁性体粉末の配向方向を法線方向とすることができる。そして、磁極の向きが変化する遷移区間においては、図1に示すように、異方性希土類磁性体粉末の配向方向を、磁極の中立点Mに近づくに連れて徐々に磁石の円筒側面の周回接線方向を向き、中立点Mにおいては円筒側面の周回接線方向となり、中立点Mから遠ざかるに連れて徐々に円筒側面の法線方向となる分布とすることができる。
異方性希土類磁性体粉末の配向方向をこのような分布にさせた4磁極異方性ボンド磁石において、さらに、配向方向に着磁することで、配向分布と同一の着磁分布の大きな磁気モーメントを有した4磁極異方性ボンド磁石が得られる。この着磁後の4磁極異方性ボンド磁石の表面磁化ベクトルの分布は、大きさが異なるだけで配向分布と相似となる。又、異方性ボンド磁石は、最大エネルギー積が14MGOe 以上であることをが望ましい。さらに、望ましくは、17MGOe 以上である。最大エネルギー積がこれらの値を越える場合に、本発明の配向分布の利点を大きく生かすことができ、モータの出力を有効に向上させると共にコギングトルクを減少させることができる。
(第1実施例)
図1は、本発明の具体的な実施の形態に係るボンド磁石の構成を示している。ボンド磁石10には、例示であるが、Nd−Fe−B系の異方性希土類ボンド磁石を用いた。ボンド磁石10は軸11を中心として周辺に外周肉厚部12を有した中空円筒形状をしている。図1は軸11に垂直な横断面図である。
図1は、外周肉厚部12における異方性希土類磁性体粉末の配向方向を示している。機械角(実回転角)で約67.5度の区間Bが主としてトルクを発生する区間である。また、機械角約22.5度の区間Aが磁極が変化する遷移区間である。ただし、遷移区間は磁極の向きが法線方向から周回接線方向に向きを変化し始める一応の目安を示す区間の意味であり、この境界で臨界的に磁化ベクトルの周回接線成分が変換するものではない。区間Bにおいては、異方性希土類磁性体粉末は円筒側面の法線方向に配向している。また、遷移区間Aにおいては、図示するように機械角の推移に伴って、異方性希土類磁性体粉末の配向方向は、滑らかに反転する。すなわち、異方性希土類磁性体粉末は、磁極の中立点Mに近づくに連れて徐々に磁石の円筒側面の周回接線方向を向き、中立点においては円筒側面の周回接線方向となり、中立点から遠ざかるに連れて徐々に円筒側面の法線方向を向く、配向分布をしている。
磁性体粉末を配向させるための配向磁場を印加して、圧縮成形した後、4磁極異方性ボンド磁石に着磁する。機械角90度の範囲における着磁後の法線方向の表面磁束密度の変化特性は図2に示す特性となる。図2に示すように、区間Bにおいては、法線方向の表面磁束密度はほぼ一定であり、遷移区間Aにおいては法線方向の表面磁束密度は機械角θの増加に伴って、その絶対値が滑らかに漸減、漸増している。
なお、ボンド磁石10の軸11に平行な縦断面図における法線方向の表面磁束密度の分布は軸11の方向に沿って一様にしている。しかし、軸11の方向に沿っては一様に磁化させなくとも良い。
一方、比較例として、ラジアル配向させたボンド磁石を製造した。寸法は上記実施例のボンド磁石と同一である。図3に、機械角90度での、ラジアル配向させて着磁したボンド磁石の法線方向の表面磁束密度の変化特性を示す。図3に示すように、ラジアル配向させたボンド磁石では、遷移区間Aにおいて表面磁束密度の立ち上がりと立ち下がりが急峻となり、立ち上がり付近でピークP1、立ち下がり付近でピークP2が現れ、区間Bの中央部(機械角でπ/4)で谷V1を有する特性となる。これは、図7に示すように、異方性ボンド磁石の表面に現れる磁荷(磁化)の有限分布により区間Bの中央部で最も大きくなる反磁場の影響と考えられる。
ところが、本実施例のセミラジアル配向の場合には、遷移区間Aにおいて表面磁束密度の立ち上がりと立ち下がりが、ラジアル配向させたボンド磁石の場合に比べて、緩やかとなり、立ち上がり付近のピークS1、立ち下がり付近のピークS2は、ラジアル配向の場合に比べて、小さくなり、区間Bの中央部(機械角でπ/4)で谷U1が、ラジアル配向の場合に比べて、大きくなる。すなわち、本実施例のセミラジアル配向の場合のピークと谷との差(S1−U1)は、ラジアル配向の場合のピークと谷との差(P1−V1)よりも小さくなっていることが理解される。また、機械角π/2の範囲における図3に示された表面磁束密度の平均値Bavに対するピークと谷との差の割合をリップル率と定義すれば、リップル率は、ラジアル配向の場合は、27%であり、本実施例のセミラジアル配向の場合は、11%である。4極モータに対して2極モータでのアキシャル配向の発展形として考案されている方式を適用した場合の配向の場合には、10.4%である。
また、各配向方式の場合の表面磁束密度の平均値BAVは、ラジアル配向の場合を100とすると、本実施例であるセミラジアル配向の場合は103である。4極モータに対し2極モータでのアキシャル配向の発展型として提案されている方式の場合には、95であった。リップル率が大きいと、特性の立ち上がりと立ち下がりが急峻となるので、コギングトルクが大きくなる。コギングトルクが小さくなる範囲としては、リップル率を20%以下とするのが望ましい。
一方、特許文献2、3の記載された異方性ボンド磁石の着磁後の法線方向の表面磁束密度は図3の曲線Eに示す特性となる。これは、従来技術の欄で説明したように、十分な配向磁場が供給されていないため、遷移区間Aにおいて異方性磁性体粉末の配向がなされていないために、着磁しても磁化ベクトルが小さく、遷移区間Aにおける表面磁束密度が小さくなることが原因と思われる。
このような機械角π/2の範囲において2つのピークが現れる特性は、異方性ボンド磁石の表面に現れる磁荷(磁化)による反磁場の影響と考えられる。機械角π/2の有限範囲において磁荷(磁化)が一様に分布している場合には、磁荷(磁化)分布の対称性から機械角π/2の区間の中央部が反磁場の影響が最も大きくなるので、図7に示すように、その中央部での表面磁束密度が最も小さくなる。本実施例のセミラジアル配向の場合には、遷移区間Aにおいては異方性希土類磁性体粉末の配向方向が中立点Mに向かうにつれて徐々に周回接線方向を向いているために、ボンド磁石の表面に現れる磁荷(磁化)密度は中立点Mに向かうにつれて徐々に小さくなる。この結果、図7に示すように、本発明のセミラジアル配向では、ラジアル配向に比べて、機械角π/2の区間の端部での反磁場、及び中央部での反磁場は小さくなり、両端のピークが小さくなり、中央部の谷は大きくなる結果として、ピークと谷の差が小さくなるものと考えられる。
次に、上記のボンド磁石の配向を圧縮成形時に行う実施例に基づいて説明する。以下、この実施例で製造されるボンド磁石をタイプAと呼ぶ。図4が装置の平面断面図、図5が装置の縦断面図である。図6が金型30のキャビティ35を含む部分の詳細断面図である。円筒状の金型30は、中心部には軟磁性体から成る外径26mmのコア32が配設されており、そのコア32の周囲は強磁性体の磁性超硬材から成る円筒状の内径26mm、外径30mm、厚さ2mmの第1リング34が配設されている。そして、その第1リング34と一定の間隙を設けて、強磁性体の磁性超硬材から成る円筒状の内径33mm、外径37mm、厚さ2mmの第2リング36が設けられている。第2リング36の厚さは2mm、飽和磁束密度を0.3Tである。第1リング34と第2リング36との間に、樹脂成形のための厚さ1.5mmのキャビティ35が形成されている。このキャビティ35に磁性体粉末と樹脂粉末から構成されたボンド磁石原料が供給される。
第2リング36の外側には、4分割された扇形の強磁性体から成る第1ダイス38a、38b、38c、38dと、各第1ダイス間に設けられた扇形のステンレス等の非磁性体から成る第2ダイス40a、40b、40c、40dが設けられている。これらの部材により金型30が形成されている。第2リング36と4分割された扇形の強磁性体から成る第1ダイス38a、38b、38c、38dとの各接合面の軸に垂直な断面における円弧長は約23mmである。また、第1リング34と4分割された扇形の非磁性体から成る第2ダイス40a、40b、40c、40dとの各接合面の軸に垂直な断面における円弧長は約6mmである。
金型30の外側には、円形のポールピース42が配設されており、そのポールピース42は43a、43b、43c、43dの4区画を有しており、各区画の間にコイルを巻くためのスペース44a、44b、44c、44dが形成されている。隣接する2つのスペース、例えば、44aと44bとに、その間の区画43aを内包するようにコイル46aが巻かれる。
上記の構成において、コイル46aに電流を流すことによりポールピース43aの表面がN極となる磁束を発生させ、コイル46bに電流を流すことによりポールピース43bの表面がS極となる磁束を発生させ、コイル46cに電流を流すことによりポールピース43cの表面がN極となる磁束を発生させ、コイル46dに電流を流すことによりポールピース43dの表面がS極となる磁束を発生させることができる。
ポールピース42、4つの第1ダイス38、第2リング36、第1リング34、コア32は、磁気回路中の磁気抵抗が極めて小さい部分であり、配向磁場はその部分に収束して流れる。第1ダイス38の透磁率は、第2ダイス40の透磁率に比べて遥かに大きい。このために、配向磁場は図6に示すように形成される。図8に示すように、キャビティ35における法線方向の磁場成分Br 、周回接線方向の磁場成分はBθで表される。この時、磁性体の第2リング36が設けられているため、配向磁場の一部は、第2リング36に沿って誘導されて、非磁性体の第2ダイス40の側にも回り込み、この磁束の一部がキャビティ35に漏れる。すなわち、キャビティ35においては、遷移区間Aにおいて周回接線方向の配向磁場Bθが形成されることになる。この結果、異方性希土類磁性体粉末の配向を、磁極の向きが変化する遷移区間においては、磁極の中立点に近づくに連れて徐々に円筒側面の周回接線方向を向き、中立点においては円筒側面の周回接線方向となり、中立点から遠ざかる連れて徐々に円筒側面の法線方向を向く配向分布とした4磁極のボンド磁石を得ることができる。また、配向磁場の絶対値Bは図9の曲線W1で示す特性となる。遷移区間Aにおいて、配向磁場0.5T以上が得られているのが理解される。一方、特許文献2、3で示されているように、第2リング36を非磁性体とした場合には、キャビティ内の磁場の絶対値Bは、図9の曲線W2に示す特性となる。遷移区間Aにおける磁場の絶対値Bが、本願発明の場合に比べて明らかに低下しており、異方性希土類ボンド磁石の配向に必要な0.5Tが得られていないことが理解される。特に、図8に示す測定点R4において、0.5Tが得られている。なお、軸方向の両側から磁場を印加して得られるラジアル配向の場合には、図9の曲線W3に示すように、全域に渡り一定の配向磁場Bが得られていることが理解される。
上記の構成において、円弧状の第2ダイス40a、40b、40c、40dの軸11を中心とする角度、およそ22.5度の区間が図1の遷移区間Aに相当する。また、第1ダイス38a、38b、38c、38dの軸11を中心とする角度、およそ67.5度の区間が、図1の区間Bに相当する。このような構成により図1に示すような異方性希土類磁性体粉末の配向を得ることができる。このように配向させたボンド磁石を着磁させれば、図2に示すような法線方向の表面磁束密度分布を得ることができる。
異方性希土類ボンド磁石10はプラスチック磁石とも言われ、代表的には、Nd−Fe−B系の磁石粉末を樹脂材料と混合して成形したものである。本出願人により、近年ようやく量産化が可能となったものである。例えば、この異方性希土類ボンド磁石10は、公開番号p2001−7691A、登録番号第2816668号の製造方法で作製される。この異方性希土類ボンド磁石は、最大エネルギー積10MGOe〜28MGOeのものを、現在、製造することができる。
その他、異方性希土類ボンド磁石の材料は、Nd−Fe−Bの他、Nd−Fe−B系材料、例えばNdとNdの他の希土類元素を含んだり、その他の添加元素を含んだ材料を用いることができる。更に、Nd以外の希土類元素を含んだ材料、例えば、Sm−Fe−N系材料、SmCo系材料、または、Nd−Fe−B系材料とこれらの混合物質を用いることができる。この磁石は、従来の焼結フェライト磁石と比較して最大エネルギー積(BHmax )が4倍以上となる特徴がある。即ち、標準的な焼結フェライト磁石23の最大エネルギー積(BHmax )3.5MGOe に対して、その約4倍の14MGOe 以上の最大エネルギー積を有する。これはモータトルクを従来と同等とすれば(トルク同一条件)、永久磁石の厚さを例えば約1/4に縮小できる可能性があることを意味する。
また、磁石粉末の粒径等は公知のものを使用できる。例えば、フェライト系では平均粒径で1μm程度、希土類系では1〜250μm程度である。樹脂は、公知の材料を用いることができる。ナイロン12、ナイロン6等のポリアミド系合成樹脂や、ポリ塩化ビニル、その酢酸ビニル共重合体、MMA、PS、PPS、PE、PP等の単独又は共重合したビニル系合成樹脂や、ウレタン、シリコーン、ポリカーボネート、PBT、PET、PEEK、CPE、ハイパロン、ネオプレン、SBR、NBR等の熱可塑性樹脂、又はエポキシ系、フェノール系等の熱硬化性樹脂を用いることができる。磁性体粉末と合成樹脂の配合比率は公知のものを用いることができる。例えば、40〜90vol%とすることができる。また、可塑剤、滑剤、抗酸化剤、表面処理剤等を目的に応じて使用することができる。
製造条件としては、以下の条件を採用することが可能である。実施例では熱硬化性樹脂を使用したが、熱可塑性樹脂でも良い。実施例では圧縮成形を用いたが、他の公知の成形方法を用いることができる。本実施例では、磁場配向と圧縮成形を同時に行うため、磁場中加熱圧縮成形を用いた。まず、成形の条件は、金型温度を120℃、成形圧力を3.0t/cm2 、成形時間を15sec、磁極周期の主たる区間における配向磁場を0.80T、磁極の向きが変化する遷移区間Aにおける配向磁場(図8の測定点R4での値)が0.70Tとした。遷移区間Aにおける配向磁場の測定は、図8に示す位置で行った。キャビティ35の周回方向の中心線をL1とし、第2ダイス40aの中心線L3、第2ダイス40aの角の点R3における法線をL2とする。法線L2と中心線L1との交点をR3とし、法線L3と中心線L1との交点をR1とする。中心線L1上で点R1とR3との中点R4における磁場をホール素子で測定した。なお、中点R4での角度位置は図9の特性では、39.375度の位置、図2の特性では、84.375度の位置に対応する。
次に、第2リング36の厚さを2mm、飽和磁束密度を1.6T、キャビティ35の幅を1.5mmとして、異方性ボンド磁石を製造した。以下、このボンド磁石をタイプBという。この場合には、図8の点R4における配向磁場は0.8Tであった。
配向の仕方は先に記述した通りである。着磁は次のように行った。着磁ヨークとして、円筒状のボンド磁石の内側に軟磁性コア、外側に軟磁性ヨークを配置した。着磁磁場は、配向磁場と同様に、円筒状のボンド磁石の軸に対して垂直な方向に平行磁場として作用させる。着磁方法は、パルス磁場を用いた。着磁磁場は約4Tである。
次に、タイプAのボンド磁石に関して、磁石のBHmax が22MGOeで保磁力が14kOeの異方性希土類ボンド磁石と、BHmax が21MGOeで保磁力が17kOeのセミラジアル配向の異方性希土類ボンド磁石を2種類製造した。
また、比較例として、第2リング36の厚さを4mm、飽和磁束密度を0.30T、キャビティ35の幅を1.5mmとすると、図8の点R4における配向磁場は0.45Tと低下した。つまり、第2リング36が磁性体で構成されていても、第2リング36の厚さを厚くすると、キャビティ35の遷移区間Aにおける磁場は小さいことが理解される。
同様に、第2リング36を非磁性体とした従来例のボンド磁石を製造した。第2リング36に対応する非磁性リングの厚さを2mm、飽和磁束密度を0T、キャビティ35の幅を1.5mmとした場合には図8の点R4における配向磁場は0.48Tであった。第2リング36に対応する非磁性リングの厚さを2mm、飽和磁束密度を0T、キャビティ35の幅を1.5mmとして、軸方向から磁場を印加させるラジアル配向の場合には、図8の点R4における配向磁場は0.80Tであった。上記の配向磁場はトルクを生じる主たる区間Bにおけるキャビティ35の磁場が0.80Tとなるように、印加磁場の大きさを決定した。
上記のタイプAのボンド磁石と、ラジアル配向のボンド磁石とを、それぞれ、励磁磁石としてDCブラシモータを製造した。DCブラシモータの寸法は全て同一にした。それらのモータの出力トルクとコギングトルクを、それぞれ、測定した。ラジアル配向のボンド磁石を用いたDCブラシモータの出力トルクを100%、コギングトルクを100%とした場合に、本実施例のセミラジアル配向を用いたボンド磁石のモータの出力トルクは99.6%、コギングトルクは52.0%であった。
本実施例の配向のボンド磁石を用いたモータにおいては、ラジアル配向の磁石を用いたモータに対して、出力トルクは99.6%と低下させることなく、コギングトルクは52.0%に大幅に低下させることができた。即ち、同一の出力トルクを得て、コギングトルクだけを52.0%に低下させることができた。これにより、高出力トルクの保持とコギングトルクの減少とを両立させるというモータの性能にとって極めて有効な改善である。
作成した本実施例のタイプAに係る4磁極異方性希土類ボンド磁石を用いた4極DCブラシモータの寸法や特性値を、ラジアル配向の従来例と共に表1に示す。磁石の大きさは内径が30mm、外径が33mm、厚さが1.5mm、長さが30mm、バックヨークは内径33mm、外径37mm、厚さ2mm、長さ37mmである。バックヨークの材質はSPCC、アーマチャ材質はケイ素鋼板、コイルの巻き方は、分布巻、定格、電流値は4.6Aである。
Figure 2005312167
また、本発明のボンド磁石を用いたモータのトルクと回転数との関係を従来例のラジアル配向のボンド磁石を用いたモータの特性と共に図10に示す。本実施例のセミラジアル配向の異本性希土類ボンド磁石を用いたモータは、ラジアル配向のボンド磁石を用いたモータに比べて特性の劣化が見られないことが理解される。
また、異方性希土類ボンド磁石10は樹脂成形で製作されるので、精度のよい中空円筒状に形成される。そして、異方性希土類ボンド磁石10は容易に精度よく対称的に着磁される。モータ装置内部で磁場が精度よく対称的に発生される。
又、上記実施例では、機械角にして約3π/8の範囲Bを主としてトルクを発生する機械角区間とし、機械角にして約π/8の範囲Aを磁極が変化する遷移区間としている。しかし、遷移区間は機械角にして約30度の範囲、約15度の範囲等を用いることができる。そしてトルクを主として生じる範囲は残りの機械角区間とする。
本発明の処理装置により製造された異方性希土類ボンド磁石は、DCブラシモータの励磁として用いることができる。この場合には、ステータにもロータにも使用でき、モータの種類としては、DCブラシモータの他、ブラシレスモータ、同期モータ等に使用可能である。
本発明による配向処理装置を用いて製造された4磁極異方性希土類ボンド磁石は、出力能力を低下させることなく、コギングトルクを減少させたモータに用いることができる。
本発明の具体的な実施の形態に係る配向処理装置により製造されたボンド磁石における異方性希土類磁性体粉末の配向分布を示した横断面図。 同装置により製造されたボンド磁石の法線方向の表面磁束密度と周回角度との関係を示した特性図。 同装置により製造されたセミラジアル配向のボンド磁石とラジアル配向のボンド磁石の法線方向の表面磁束密度と周回角度との関係及び配向及び着磁ベクトルの関係を示した特性図。 本発明の実施の形態に係る異方性希土類ボンド磁石の配向処理装置の横断面図。 本発明の実施の形態に係る異方性希土類ボンド磁石の配向処理装置の縦断面図。 同配向処理装置の金型内の詳細な構成を示した横断面図。 ボンド磁石の配向分布を説明するための説明図。 金型のキャビティ内の配向磁場の測定点を示した説明図。 配向磁場の大きさの特性を従来例の配向特性と共に示した特性図。 本発明の装置により製造されたボンド磁石を用いたモータのトルクと回転数との関係を従来例と共に示した特性図。 従来例による配向装置のボンド磁石の軸に垂直な断面図。
符号の説明
10…異方性ボンド磁石
11…軸
12…外周肉厚部
30…金型
32…コア
34…第1リング
35…キャビティ
36…第2リング
38a、38b、38c、38d…第1ダイス
40a、40b、40c、40d…第2ダイス
44a、44b、44c、44d…スペース
46a、46b、46c、46d…コイル
51a、51b…ガイド
54a、54b…インサート
55…キャビティ

Claims (5)

  1. 異方性希土類磁性体粉末を樹脂で成形した中空円筒形状の4磁極モータ用異方性ボンド磁石を金型を用いた成形により製造するための配向処理装置において、
    前記金型の成形空間に設けられた円柱状の磁性体からなるコアと、
    該コアの外周部に円筒状に形成され、異方性ボンド磁石原料を充填して成形するための幅0.7mm〜3mmのキャビティと、
    該キャビティの外周部に前記コアの中心に向かって配設され、前記キャビティにおいて法線方向に配向磁場を形成する4分割された磁性体から成る第1ダイスと、
    前記ボンド磁石の磁極の向きが変化する遷移区間に対応して、隣接する前記第1ダイスの間であって、前記キャビティの外周部に前記コアの中心に向かって配設された非磁性体から成る4分割された第2ダイスと、
    4個の前記第1ダイスに磁束を与えるコイルと、
    前記キャビティの外周面を構成する薄肉の円筒状の磁性体から成る磁束誘導部材と
    から成る配向処理装置。
  2. 前記磁束誘導部材の厚さは、1.0〜3.5mmであることを特徴とする請求項1に記載の配向処理装置。
  3. 前記磁束誘導部材は、超硬物質から成ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の配向処理装置。
  4. 前記キャビティの前記第2ダイスが存在する区間の配向磁場は0.5T以上に磁束を誘導することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の配向処理装置。
  5. 前記コアの外周面に配設され、前記キャビティの内周面を構成する円筒状の薄肉の磁性超硬物質から成るリングを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の配向処理装置。
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