JP2005311259A - 駆動機構の劣化検出装置及び方法並びに露光装置 - Google Patents

駆動機構の劣化検出装置及び方法並びに露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 駆動機構の機械的な劣化状況を検出することで、露光装置の稼働率を低下させないタイミングで部品交換を行うことができ、スループットの低下を極力防止することができる駆動機構の劣化検出装置等を提供する。
【解決手段】 エンコーダ22は可動子を駆動するモータ15の回転量及び回転方向を検出し、電流検出器23はモータ15に流れる電流を検出する。判断部25は、エンコーダ22及び電流検出器23の検出結果を用いて、可動子の目標位置に対する位置変化と、モータ15に流れる電流との少なくとも一方に基づいて可動子及びモータ15を含んで構成される駆動機構の機械的劣化を判断するとともに劣化部位を特定し、警告装置26は判断部25の判断結果に応じて警告を発する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、移動可能に構成された可動子と、当該可動子を駆動する駆動源とを備え、例えば物体を搬送する搬送装置等に設けられる駆動機構の機械的劣化を検出する劣化検出装置及び方法、並びに当該装置を備える露光装置に関する。
半導体素子、液晶表示素子、撮像装置(CCD(Charge Coupled Device)等)、薄膜磁気ヘッド等のデバイスは、マスク又はレチクル(以下、これらを総称する場合にはマスクという)に形成されたパターンをレジスト等の感光剤が塗布されたウェハ又はガラスプレート等(以下、これらを総称する場合には基板という)上に転写する、所謂フォトグラフィーの手法により製造される。このフォトリソグラフィ工程においては種々の露光装置が用いられているが、一般的には露光光(露光用照明光)でマスクを照明し、マスクに形成されたパターンの像を投影光学系を介して基板上に投影露光する露光装置が使用されている。
このような露光装置は、マスクのパターンを基板に転写する露光本体部、露光本体部に対してマスクをロード・アンロードするマスク搬送装置、露光本体部に対して基板をロード・アンロードする基板搬送装置、露光本体部及び搬送装置の動作を制御する制御装置等の複数の装置から構成されており、これらはチャンバ内に収容されている。尚、露光本体部は、上記の露光光を射出する照明光学系、マスク搬送装置によりロードされたマスクを保持するマスクステージ、上記の投影光学系、基板搬送装置によりロードされた基板を保持する基板ステージ等から構成されている。
また、露光装置には基板上にレジストを塗布するコータ(塗布装置)と露光処理が施された基板を現像するデベロッパ(現像装置)が付随して設けられている。コータによってレジストが塗布された基板は、搬送装置によってチャンバ内の露光本体部に搬送され、露光本体部で露光処理が施された基板は、搬送装置によってチャンバ内からデベロッパに搬送され、デベロッパにおいて現像処理される。このように、露光装置には、基板に対して所定の処理を行う周辺装置が設けられており、露光本体部と周辺装置との間で基板が搬送される構成となっている。
上記の基板搬送装置及び露光装置と周辺装置との間で基板を搬送する搬送装置は、基板を保持するアーム部とアーム部を駆動するモータとを含む駆動機構を備えている。モータの駆動によってアーム部はガイドに沿って直線運動し、又は回転運動する。かかる運動の組み合わせにより、搬送装置は基板を所定の位置に搬送する。上記のマスク搬送装置もほぼ同様の構成である。尚、従来のマスク搬送装置の詳細については例えば以下の特許文献1を、従来の基板搬送装置の詳細については例えば以下の特許文献2,3を参照されたい。
特開2001−244313号公報 特開2001−237167号公報 特開2002−367888号公報
ところで、上述した各種の搬送装置の駆動機構の一部として設けられるモータは、DCモータ、ACモータ、リニアモータ等が使用されており、これらの寿命は一般的にはDCモータが最も短く、次いでACモータが短く、リニアモータが最も長い。DCモータの寿命は、モータに設けられたコイル(巻線)に流れる電流の方向を切り替えるためのブラシの機械的な寿命によってほぼ決定される。また、ACモータの寿命は回転軸に設けられるエアベアリングの機械的な寿命によってほぼ決定される。リニアモータはモータ自身が半永久的ではあるが、リニアモータによって駆動される可動子(例えば、ガイドに沿って運動する上述のアーム部)には機械的な寿命がある。
上述したモータの寿命及び可動子の寿命は、一般的にモータ及び可動子の各々を一定の条件の下で動作させた場合に求められる。例えば、モータについては単位時間当たりの回転数を一定にして動作させたときに、そのモータの寿命は何時間という具合に求められる。モータ及び可動子が上述した搬送装置に組み込まれた状態では、モータについては頻繁に回転数を可変させる動作が行われ、可動子については加速及び減速が繰り返され、しかも同一部品であっても組み込まれる位置に応じて動作が異なるため、各部品毎の寿命を正確に求めることはできない。このため、従来はウェハ又は基板の搬送に要する時間の最大時間を設定し、搬送に要する時間が最大時間を超えたときにタイムアウト又は駆動エラー等の警告を発して、オペレータに搬送装置の駆動機構をなす部品の寿命を知らせていた。
しかしながら、上記の警告は、複数枚の基板からなるロットに対する一連の露光処理が終了した時点に限って発せられる訳ではなく、駆動機構の劣化が生じて搬送に要する最大時間が超えた時点で発せられる。このため、ロットに対する一連の露光処理の最中においても発せられる。基板搬送装置又はマスク搬送装置で上記の警告が発せられると露光処理が中断され、駆動機構をなす部品の交換がオペレータにより行われるが、交換部品が手元にない場合には、その部品を取り寄せるまでに露光処理を再開することができないという問題があった。
また、ロットに対する一連の露光処理の最中で露光処理が中断された場合には、中断前の露光処理により基板に形成されるデバイスと中断後の露光処理により基板に形成されるデバイスとの品質の差ををなくすために、そのロットに含まれる基板を剥離工程に回して基板に塗布されたレジストの剥離を行うこともある。このように、従来は基板搬送装置又はマスク搬送装置に設けられる駆動機構の機械的な劣化が生ずると露光装置の稼働率が低下し、その結果としてスループット(単位時間当たり処理することができる基板の枚数)が低下するという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、駆動機構の機械的な劣化状況を検出することで、露光装置の稼働率を低下させないタイミングで部品交換を行うことができ、スループットの低下を極力防止することができる駆動機構の劣化検出装置及び方法、並びに当該装置を備える露光装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の駆動機構の劣化検出装置は、移動可能に構成された可動子と、当該可動子を駆動する駆動源(15)とを備える駆動機構の機械的劣化を検出する劣化検出装置(10)であって、前記可動子の位置及び前記駆動源に流れる電流の少なくとも一方を検出する検出部(22、23)と、前記検出部によって検出された前記可動子の位置の、前記可動子の目標位置に対する位置変化と、前記検出部によって検出される電流との少なくとも一方に基づいて前記駆動機構の劣化状況を判断し、劣化部位を特定する判断部(25)と、前記判断部の判断結果に応じて警告を発する警告部(26)とを備えることを特徴としている。
この発明によると、検出部により可動子の位置及び駆動源に流れる電流の少なくとも一方が検出され、目標位置に対する可動子の位置の位置変化と検出される電流との少なくとも一方に基づいて駆動機構の劣化状況が判断されて劣化部位が特定され、この結果に応じて警告が発せられる。
また、本発明の駆動機構の劣化検出方法は、駆動源(15)により移動可能に構成された可動子を駆動する駆動機構の機械的劣化を検出する駆動機構の劣化検出方法であって、前記駆動源の駆動により前記可動子の移動を開始させる第1ステップと、前記可動子が所定の目標位置に達してからの前記目標位置に対する前記可動子の位置変化、及び前記駆動源に流れる電流の少なくとも一方を検出する第2ステップと、前記第2ステップの検出結果に応じて前記駆動機構の劣化を判断するとともに劣化部位を特定して、当該判断結果に応じて警告を発する第3ステップとを含むことを特徴としている。
この発明によると、駆動源の駆動により可動子が移動を開始した後、所定の目標位置に達してから目標位置に対する可動子の位置変化及び駆動源に流れる電流が検出されて劣化部位が特定され、この結果に応じて駆動機構の劣化が判断されて警告が発せられる。
また、本発明の露光装置は、マスクを保持するマスクステージ(35)と、駆動機構を用いて前記マスクの搬送を行うマスク搬送装置(42)と、基板(W)を保持する基板ステージ(32)と、駆動機構を用いて前記基板の搬送を行う基板搬送装置(41)とを備え、前記マスクステージ上に保持されたマスクのパターンを前記基板ステージ上に保持された基板上に転写する露光装置において、前記マスク搬送装置の駆動機構及び前記基板搬送装置の駆動機構の少なくとも一方の機械的劣化を検出する上記の劣化検出装置を備えることを特徴としている。
本発明によれば、駆動源によって駆動される可動子の目標位置に対する位置変化及び駆動源に流れる電流の検出結果に基づいて、駆動機構の機械的劣化の有無を判断して劣化部位を特定した上で警告を発しているため、駆動機構の機械的劣化状況を予め把握することができ、交換をすべき部品を予め取り寄せる等の事前準備を行うことができる。
また、本発明の劣化検出機構を露光装置に適用することにより、マスク搬送装置及び基板搬送装置を構成する部品に機械的劣化が生じても、露光装置の稼働率を低下させないタイミングで部品交換を行うことができ、スループットの低下を極力防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による駆動機構の劣化検出装置及び方法並びに露光装置について詳細に説明する。
〔駆動機構の劣化検出装置〕
図1は、本発明の一実施形態による駆動機構の劣化検出装置を備えるモータ制御装置の構成を示すブロック図である。図1に示すモータ制御装置は、本実施形態の劣化検出装置10、駆動部11、ディジタル・アナログ(D/A)コンバータ12、サーボアンプ13及びパワーアンプ14を含んで構成され、モータ15を制御する制御装置である。尚、本実施形態では、モータ15としてDCモータ(コイルに流れる電流の方向を切り替えるためのブラシを備えるDCモータ)を備えており、モータ制御装置はこのDCモータの駆動に適した構成である場合について説明する。
図1に示すモータ制御装置に設けられる駆動部11は、劣化検出装置10の制御部21から出力される制御信号に基づいてモータ15を駆動するためのディジタル駆動信号を生成するものである。駆動部11は、例えば制御部21からの制御信号に応じて目標位置信号を生成する目標位置生成部、及び、目標位置生成部で生成された目標位置信号と劣化検出装置10のエンコーダ22から出力される検出信号との差である誤差信号に基づいて、P(比例)、I(積分)、D(微分)制御を行うためのディジタル駆動信号を生成するPID制御部(何れも不図示)を備える。つまり、駆動部11はフィードバック制御によりモータ15を駆動する。
D/Aコンバータ12は、駆動部11からのディジタル駆動信号に応じてアナログの駆動電圧を生成してを出力する。つまり、駆動部からのディジタル駆動信号の数値が小さな値である場合にはより低い電圧値を有する駆動電圧を出力し、数値が高い値である場合にはより高い電圧値を有する駆動電圧を出力する。このD/Aコンバータ12は、例えば12ビットの分解能を有しており、−2047〜+2048の範囲の数値で表されるディジタル駆動信号をアナログ信号に変換する。D/Aコンバータ12は、ディジタル駆動信号として値「−2047」が入力された場合に最低電圧(負の値)を出力し、値「+2048」が入力された場合に最高電圧(正の値)を出力する。
D/Aコンバータ12から出力された駆動電圧は、サーボアンプ13及びパワーアンプ14を介して所定の電圧値に昇圧されてモータ15に印加される。モータ15は、印加される駆動電圧に応じた回転速度で回転し、不図示の被駆動物を駆動する。尚、ここではモータ15によって駆動される被駆動物は、直線状のガイドに沿って直線運動可能に構成されたスライダ(可動部)である場合について説明する。つまり、駆動機構としてモータ15及びスライダを備えており、モータ15の回転運動をスライダの直線運動に変換する場合を例に挙げる。
図1に示す通り、本実施形態の劣化検出装置10は、制御部21、エンコーダ22、電流検出器23、アナログ・ディジタル(A/D)コンバータ24、判断部25、及び警告装置26を含んで構成されている。制御部21は駆動部11に対してモータ15の駆動を制御する制御信号を出力するとともに、判断部25から出力される信号に応じて警告を発するか否かを制御する警告制御信号を警告装置26に出力する。エンコーダ22は、モータ15の回転軸に取り付けられており、モータ15の回転量及び回転方向を検出する。尚、モータ15の回転量及び回転方向とスライダの移動量及び移動方向とは一対一に対応しているため、ここではエンコーダ22がモータ15の回転量及び回転方向を検出する構成としているが、スライダの移動量及び移動方向を直接検出する構成であっても良い。
電流検出器23は、モータ15に流れる電流を検出するものである。この電流検出器23の具体的構成は、例えばパワーアンプ14とモータ15との間に直列接続された抵抗値が既知の抵抗と、この抵抗による電圧降下を測定する電圧計とから構成される。電流検出器23に設けられる抵抗とモータ15とが直列接続されるため、抵抗にはモータ15に流れる電流と等しい電流が流れる。よって、この電流に応じた電圧降下を電圧計で検出すれば、抵抗の抵抗値が既知であるため、オームの法則によりモータ15に流れる電流を測定することができる。尚、この抵抗の抵抗値は、モータ15の制御に与える影響を最小限に抑えるため、できるだけ小さいことが望ましい。A/D変換器24は、電流検出器23で検出された電流値をディジタル信号に変換するものであり、ディジタル化のサンプリング周期は、数msec〜数十msec程度のオーダである。
判断部25は、エンコーダ22の検出結果及び電流検出器23の検出結果(A/Dコンバータ24の出力)の少なくとも一方を用いて、モータ15又はスライダの機械的な劣化の有無を判断する。スライダを目標位置に移動させるまでには、図1に示すモータ制御装置によってスライダの加速開始、一定速度での移動、減速による停止、及び減速終了時に生ずる振動(ハンチング)の整定からなる一連の制御が行われる。モータ15又はスライダの機械的な劣化が生ずると、整定時における位置誤差の振動の増大、整定期間の長時間化、モータ15へ流れる電流の増大等の現象が現れる。判断部25は、これらの現象の有無を判断することにより、モータ15又はスライダの機械的劣化を判断するとともに劣化部位を特定する。また、判断部25は、エンコーダ22又は電流検出器23の検出結果から機械的劣化の種類を判断する。尚、判断部25で行われる判断処理の詳細については後述する。
警告装置26は、制御部21から出力される警告制御信号に基づいて警告を発するものであり、例えば警告灯、アラーム音、ディスプレイ等を含んで構成される。警告装置26により警告が発せられると、例えばオペレータはモータ15又はスライダが交換が必要になる程度に劣化したことを知ることができるため、機械的劣化が生じた部品の取り寄せ等の事前準備を行うことができる。尚、警告装置26から発せられる警告は即時の部品交換の必要性をオペレータ等に通知するものではなく、部品交換を推奨する旨を通知するものである。従って、警告装置26から警告が発せられたときに直ちにモータ15又はスライダの交換を実行しなければならないものではない点に留意されたい。
次に、モータ15及びスライダの機械的劣化を検出する原理について説明する。本実施形態ではエンコーダ22の検出結果及びモータ15に流れる電流の検出結果の少なくとも一方に基づいてモータ15及びスライダの機械的劣化を判断している。以下、エンコーダ22の検出結果に基づいたモータ15及びスライダの機械的劣化の判断、並びに、電流検出器23の検出結果に基づいたモータ15及びスライダの機械的劣化の判断について順に説明する。
図2は、モータ15に印加される駆動電圧及びエンコーダ22の検出結果の一例を示す図である。図2(a)に示す通り、モータ15に印加される駆動電圧DSは台形形状の波形である。駆動電圧DSの電圧値が徐々に高くなる期間T1はモータ15の回転数が増大する期間であり、電圧値が一定である期間T2はモータ15の回転数が一定の期間であり、電圧値が徐々に低くなる期間T3はモータの回転数が減少する期間である。つまり、モータ15により駆動されるスライダは期間T1で加速され、期間T2で等速直線運動し、期間T3で減速して期間T3の終了時点において目標位置に停止する。
しかしながら、上述した通り、モータ制御装置はフィードバック制御によりモータ15を制御しているため、期間T3の終了時点において駆動電圧DSが直ちに「0」になる分けではなく、図2(a)中の時間位置t1を拡大した図2(b)に示す通り、期間T3経過後において駆動電圧DSの電圧値は変動してしまう。このため、期間T3を経過してもモータ15は駆動され、期間T3を経過した後でスライダは目標位置の近傍で振動する挙動を示す。
図2(c)は、モータ15及びスライダの機械的劣化が生じていない状態におけるエンコーダ22の検出結果の一例を示す図である。スライダを減速して停止させる期間T3の終了時点において、理想的にはモータ15は回転を停止してエンコーダ22で検出される回転量は一定になる筈であるが、図2(c)を参照すると、期間T3が経過してもモータ15の回転量は直ちに一定とはならず整定期間Tsの間は変動することが分かる。整定期間Tsにおける回転量の変動の大きさΔP及び整定期間Tsの長さは、スライダ及びガイド等からなる機械系の剛性及び駆動部11〜パワーアンプ14等からなるサーボ系の応答特性に依存する。
図2(d)は、モータ15及びスライダの機械的劣化が生じた状態におけるエンコーダ22の検出結果の一例を示す図である。図2(d)を参照すると、モータ15及びスライダの機械的な劣化が生ずると、整定期間Tsの長さが長くなるとともに、整定期間Ts中における回転量の変動の大きさΔPも大きくなることが分かる。とりわけ、モータ15の回転軸に設けられるベアリング(可動部)の劣化によるガタ又はスライダのガタが大きくなると整定期間Tsの長さが長くなるとともに回転量の変動の大きさΔPが大きくなる。
本実施形態では、以上の特性を利用してモータ15及びスライダの機械的劣化の有無を判断している。つまり、整定期間Tsの長さに対する閾値及び回転量の変動の大きさΔPに対する閾値を図1中の判断部25に予め設定しておき、エンコーダ22で検出される整定期間Tsの長さ及び整定期間Ts内における回転量の変動の大きさΔPが閾値を超えて大きくなったときに判断部25がモータ15又はスライダに機械的劣化が生じたと判断して、その旨を示す信号を制御部21に出力する。
図3は、モータ15に流れる電流の電流検出器23による検出結果の一例を示す図である。まず、図3(a)を参照してモータ15に駆動電圧を印加してスライダの移動を開始してからスライダを所定位置に移動させるまでにモータ15に流れる電流の検出結果について説明する。尚、図3(a)中の期間T1〜T3は、図2(a)に示した期間T1〜T3と同様の期間であって、期間T1はモータ15の回転数を上昇させてスライダを加速する期間、期間T2はモータ15を一定の回転数で回転させてスライダを等速直線運動させる期間、期間T3はモータ15の回転数を下降させてスライダを減速する期間である。また、期間T3経過後の期間Tsは整定期間である。
また、図3中の検出電流INはモータ15及びスライダの機械的劣化が生じていない状態における電流検出器23の検出結果の一例を示し、検出電流IAはモータ15及びスライダの機械的劣化が生じた状態における電流検出器23の検出結果の一例を示している。検出電流INに着目すると、モータ15に対する駆動電圧の印加が開始された時点(期間T1の開始時点)において電流値は急激に上昇するが、その後は期間T1が終了するまで一定の電流値となる。期間T2においては、期間全体に亘って期間T1の電流値よりも少ない一定電流値となる。期間T3では、電流値が徐々に減少して期間T3の終了時点においてほぼ「0」となる。期間T3の経過後における整定期間Tsにおいては、サーボ反転するためモータ15に流れる電流の方向が変わり電流値は一旦負の値になり、その後は正の値と負の値に変化しながら徐々に減少し、最終的な電流値は「0」になる。
次に、モータ15及びスライダの機械的劣化が生じた状態における検出電流IAに着目すると、検出電流IAは検出電流INとほぼ同様の時間変化をするが、全体的な電流値が検出電流INよりも増大する。これは、モータ15及びスライダ等の機械的劣化が生ずると、モータ15に対する負荷が増大するためである。ここで、モータ15及びスライダ等の機械的劣化とは、駆動力を伝達する回転軸の軸ずれや偏心、ベアリング摺動時の摩擦力の増加、グリスの劣化による摩擦力の増加等をいう。とりわけ、モータ15の回転軸に取り付けられ、モータ15の回転運動をスライダの直線運動に変換する変換機構の軸ずれ又は偏心が生ずると電流検出器13で検出される全体的な電流値が増大する。
本実施形態では、以上の特性を利用してモータ15及びスライダの機械的劣化の有無を判断している。つまり、電流検出器23で検出される電流値と、モータ15及びスライダを含む駆動機構の機械的劣化が無いときに電流検出器23で検出される電流値とを比較し、その変化分が予め設定された閾値を超えて大きくなったときに、判断部25がモータ15又はスライダに機械的劣化が生じたと判断して、その旨を示す信号を制御部21に出力する。尚、電流値の比較はモータ15が一定の回転数で回転している期間T2での検出電流を用いて行うことが望ましく、整定期間Ts内における電流の変化分(振動の大きさ)を用いることもできる。
また、ブラシを備えるDCモータは、ブラシとコイルの両端に接続されたコミュテータとを接触させ、コイルの回転に伴うコミュテータの回転によりコイルに流れる電流の方向を切り替えているが、モータ15の回転中にブラシがコミュテータから一瞬離れることがある。ブラシがコミュテータから一瞬離れると、モータ15に流れる電流が瞬間的に停止し、図3(b)に示す通り電流検出器23で検出される検出電流にスパイクが発生する。この現象は、モータ15の回転数を可変させる場合に限らず、一定の回転数で回転させる場合にも生ずる現象である。検出電流のスパイクは、ブラシの機械的劣化によって発生頻度が増大するため、スパイク発生頻度の変化に基づいてモータ15の機械的劣化を検出することもできる。
また、モータ15の回転中にブラシがコミュテータから一瞬離れた場合であっても、モータ15に流れる電流が完全に「0」にならず、瞬間的に電流値が低くなるだけの場合がある。とりわけ、ブラシの劣化が生じていない場合には、スパイクは発生するものの電流値の落ち込み量はさほど大きくないことが多い。この電流の落ち込み量はブラシの劣化に伴って大きくなる傾向がある。このため、上記のスパイク発生頻度に基づいてモータ15の機械的劣化を検出する場合には、モータ15に対する電流に対する閾値(例えば、モータ15の回転数が一定のときにモータ15に流れる電流の60%に設定)を設定し、この閾値を超えて電流値が小さくなるスパイクの発生数を計数することが望ましい。閾値を設定する関係上、スパイク発生頻度の変化に基づいたモータ15の機械的劣化の検出は、モータ15が一定の回転数で回転する期間(スライダが一定速度で移動する期間)T2で行うことが好ましい。
更に、モータ15が新品であっても、ブラシとコミュテータとの位置関係によって上記の閾値を超えて電流値が小さくなるスパイクが発生することがある。このスパイクはモータ15を使用するにつれてブラシが滑らかになるため発生頻度が減少する傾向がある。このため、モータ15の交換を行ってから一定期間が経過するまではスパイクの発生頻度に基づいたモータ15の機械的劣化の検出は行わない方が望ましい。
尚、本実施形態では、図2(a)に示す連続的な駆動電圧をモータ15に印加する場合について説明しているが、PWM(パルス幅変調:Pulse Width Modulation)された駆動電圧を印加してモータ15を駆動する場合もある。PWM駆動の場合にはデューティ比(1周期内においてパルスがある期間とパルスが無い期間との比)が100%である場合には、一定の電圧値を有する駆動電圧がモータ15に連続的に印加されてモータ15に連続的に電流が流れる。このため、例えばスライダを一定速度で移動させる期間T2において駆動電圧のデューティ比が100%になるよう設定すると、図3(b)を用いて説明した方法と同様の方法によりスパイクの発生頻度に基づいたモータ15の機械的劣化の検出を行うことができる。
しかしながら、デューティ比が100%以外の場合には、一定の周期で電流が流れる期間Taと電流が流れない期間Tbとが交互に繰り返され、図3(c)に示す通りスパイクは電流が流れる期間Taにのみ現れることになる。スパイクの発生頻度に基づいたモータ15の機械的劣化の検出を行うには、電流が流れる期間Taのみを検出期間にする必要がある。このため、例えば、モータ15に印加されるパルス幅変調された駆動電圧と電流検出器23から出力される検出電流との論理和演算(例えば、排他的論理和演算)を行う演算部を設け、演算部の演算結果を用いてスパイクの発生数を計数することが望ましい。
上述した通り、モータ15の回転軸に設けられるベアリングの劣化又はスライダのガタが大きくなると整定期間Tsの長さが長くなるとともに回転量の変動の大きさΔPが大きくなる。また、モータ15の回転軸に取り付けられ、モータ15の回転運動をスライダの直線運動に変換する変換機構の軸ずれ又は偏心が生ずると電流検出器13で検出される全体的な電流値が増大する。このため、本実施形態の劣化検出装置10は、整定期間Ts、整定期間Ts内における回転量の変動の大きさΔP、及びモータ15に流れる電流値から機械的劣化の種類を検出することもできる。
また、エンコーダ22及び電流検出器23の検出結果が判断部25に入力されているため、判断部25は一定の間隔で検出結果を記憶し、数ヶ月〜数年単位の経時変化からモータ15又はスライダ等の交換時期(メンテナンス必要時期)を判断することができる。この交換時期は、例えば判断部25がエンコーダ22の長期に亘る検出結果又は電流検出器23の長期に亘る検出結果の各々を直線近似又は曲線近似し、各々の近似曲線が閾値を超える時期を求めることにより判断することができる。
また、本実施形態の劣化検出装置10は、駆動機構の機械的劣化の種類を検出するとともに、その種類から機械的劣化が生じた部位を特定することもできる。具体的には、駆動機構が複数の可動部を有する場合、劣化検出装置10が備える判断部25は、駆動機構が有する可動部の種類に関する情報、配置に関する情報等を予め記憶しておき、検出部の検出結果と照らし合わせて劣化部位を特定する。ここで、可動部の種類とは、回転運動か直線運動かという運動の種類、或いはボールベアリングかエアベアリングかという方式の種類の何れも含む。
そして、判断部25は次のようにして劣化部位の特定を行う。例えば、モータ15の回転運動をボールベアリングで支持した送りねじにより直線運動に変換し、リニアガイドで案内するスライダを駆動する駆動機構において、整定時間Tsが長くなった場合にはボールベアリングのガタが生じている可能性が高いので、該ボールベアリングを劣化部位として特定する。また、モータに供給される電流(検出電流)が増大した場合にはリニアガイドと送りねじとの平行度が悪化している虞が高いので、送りねじ及びリニアガイドを劣化部位として特定する。また、等速駆動時の電流値が周期的に変化する場合には回転軸の軸ずれ又は偏心が疑われるので、モータ及び送りねじを劣化部位として特定する。以上の通り、劣化検出装置10は、可動部の種類に関する情報、配置に関する情報、及び検出部の検出結果を組み合わせて判断することにより劣化部位を特定することができる。尚、判断部25は各可動部の寿命に関する情報も記憶しておき、可動部毎に上記と同様の方法により交換時期を判断することもできる。そして、判断部25は可動部毎の交換時期に関する警告制御信号を出力し、警告装置26を介して警告を与えても良い。
〔駆動機構の劣化検出方法〕
次に、上記構成におけるモータ制御装置を用いてモータ15を駆動する際の動作について説明する。制御部21から駆動部11に制御信号が出力されると、駆動部11は入力される制御信号に基づいてスライダの目標位置を示す目標位置信号を生成し、この目標位置信号とエンコーダ22の検出結果との差を示す誤差信号からディジタル駆動信号を生成する。駆動部11で生成されたディジタル駆動信号はD/Aコンバータ12に出力され、D/Aコンバータ12においてディジタル駆動信号に基づいた駆動電圧が生成される。この駆動電圧はサーバアンプ13及びパワーアンプ14を介して所定の電圧値に昇圧されてモータ15に印加される。
駆動電圧が印加されるとモータ15は回転を開始し、これに伴いスライダもガイドに沿った加速を開始する。制御部21の制御によってモータ15の回転数が一定になり、スライダが等速直線運動をする状態になると、判断部25は電流検出器23の検出結果を用いて、モータ12に流れる電流が予め設定された閾値を超えて増大しているか否か、又はスパイクの発生頻度が予め設定された閾値を超えているか否かを判断し、その判断結果を制御部21に出力する。
また、制御部21の制御によってモータ15の回転数が低下し、スライダが減速して目標位置に達すると、判断部25はエンコーダ22の検出結果を用いて、整定期間Ts中におけるモータ15の回転量の変動の大きさ及び整定期間Tsの長さが予め設定された閾値を超えているか否かを判断する。尚、この判断は回転量のみ又は整定期間のみについて行っても良い。また、判断部25は電流検出器23の検出結果を用いて、整定期間Ts内における電流の変化分(振動の大きさ)が予め設定された閾値を超えているか否かを判断し、その判断結果を制御部21に出力する。また、判断部25は一定の間隔で記憶した過去の電流検出器23及びエンコーダ22の検出結果に対して直線近似又は曲線近似を行って近似曲線を求め、この近似曲線が上記の各種閾値を超える時期を求めてメンテナンス時期を判断し、その判断結果を制御部21に出力する。
制御部21は、判断部25から出力される判断結果に応じて警告装置26に警告制御信号26を出力し、警告装置26は警告制御信号に応じた警告を発する。ここで、判断部25から出力される判断結果は、一定回転数の回転時にモータ12に流れる電流が閾値を超えて増大しているか否かの判断結果、スパイクの発生頻度が閾値を超えているか否かの判断結果、整定期間Ts中におけるモータ15の回転量の変動の大きさが閾値を超えているか否かの判断結果、整定期間Tsの長さが閾値を超えているか否かの判断結果、整定期間Ts内における電流の変化分(振動の大きさ)が閾値を超えているか否かの判断結果、及びメンテナンス時期の判断結果の計6種類の判断結果である。制御部21はこれらの判断結果を総合的に勘案した警告制御信号を出力する。例えば、オペレータにモータ15等の機械的劣化が生じた旨のみを知らせるための警告制御信号、機械的劣化の種類を知らせるための警告制御信号、又はメンテナンス必要時期を知らせるための警告制御信号を出力する。また、上述した判断結果と、予め記憶している駆動機構が有する可動部の種類に関する情報、配置に関する情報等とにより劣化部位を特定し、機械的劣化が生じている部位を知らせるための警告制御信号、又は劣化部位に対するメンテナンスを促す警告制御信号を出力する。
以上説明した通り、本実施形態では、エンコーダ22の検出結果からモータ15の回転量の変動(目標位置に対するスライダの位置変化)の大きさ及び整定期間の長さを求め、また電流検出器23の検出結果からモータ15に流れる電流の大きさ及び整定期間における電流の変化分を求め、算出した各値と予め設定された閾値とを比較して駆動機構の機械的劣化の有無を判断している。これにより、駆動機構の機械的劣化状況を予め把握することができ、交換をすべき部品を予め取り寄せる等の事前準備を行うことができる。
尚、以上説明した実施形態においては、モータ15がDCモータである場合を例に挙げて説明したが、モータ15としてACサーボモータ又はリニアモータを用いることもできる。例えば、モータ15としてACサーボモータを用いる場合には、図1中の駆動部11〜パワーアンプ14の構成をACサーボモータの駆動に適した構成とし、2相〜4相程度の正弦波状の多相交流電流を流してACサーボモータを駆動する。ACサーボモータの回転量及び回転方向は図1中のエンコーダ22で検出することができるため、エンコーダ22の検出結果を用いた駆動機構の機械的劣化の判断は上記実施形態と同様の方法を用いて行うことができる。
しかしながら、ACサーボモータに流れる電流は多相交流であるため、上述した実施形態で説明した検出方法をそのまま用いることはできない。このため、例えば電流検出器23とA/Dコンバータ24との間に積分器を設け、電流検出器23の検出結果を一定期間に亘って積分してACサーボモータに流れる電流の実効値を求め、求めた実効値と予め設定した閾値との比較を行って駆動機構の機械的劣化検出を行えばよい。また、DCモータを前述したPWM駆動により制御する場合には、電流検出器23の検出結果を平均値を求め、求めた平均値と予め設定した閾値との比較を行って駆動機構の機械的劣化検出を行えばよい。
〔露光装置〕
次に、本発明の一実施形態による露光装置について説明する。図4は、本発明の一実施形態による露光装置の一例を示す平面図である。また、図5は、図4中のA−A断面の矢視図である。尚、以下の説明においては、必要に応じて図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。図4及び図5中に示したXYZ直交座標系は、X軸及びY軸が水平面に平行な面に含まれるよう設定されており、Z軸が鉛直上方向に設定されている。
図4及び図5に示す通り、本実施形態の露光装置は、互いに独立した三つのチャンバからなっている。これら三つのチャンバは、露光装置本体31を収めた主チャンバ30、ウェハ(基板)W及び交換用のレチクルを主チャンバ30に対して導入・回収するための各機器類(ローダ等)を収めたローダ用チャンバ40、並びに主チャンバ30及びローダ用チャンバ40内の空調を行う装置を備えた空調装置用チャンバ60である。尚、ローダ用チャンバ40は、図5に示す通り、仕切り板40aにより上下に二分割されており、その下方にウェハローダ系41、上方にレチクルローダ系42が収められた構成となっている。
上記主チャンバ30及びローダ用チャンバ40のそれぞれの内部は、空調装置61により適度な環境に保たれるようになっている。この空調装置61は、主チャンバ30及びローダ用チャンバ40に関する個別的な空調制御を実施するために、それぞれに対応した空調ユニット(不図示)を備えたものとなっている。尚、ローダ用チャンバ40においては、これがウェハローダ系41、レチクルローダ系42に分割されていることから、空調もこれら各系に対応した形態で行われる。即ち、空調装置61には、空調ユニットが合計3台用意されている。そして、これら各空調ユニットからは、温度制御された気体(空気等)を各室(30、41、42)に送出又は回収するための配管62が備えられている。尚、空調ユニットを1台として各チャンバで共用してもよいし、更には各チャンバの吹出口の手前に温調ユニットをそれぞれ設けて、各チャンバに供給する気体の温度を独立に設定可能としてもよい。
主チャンバ30には、その床面に防振パッド30aを介して設置された防振台30bが備えられており、露光装置本体31はその防振台30b上に設置されている。露光装置本体31は、図5に示す通り、露光ステージ32、コラム33、コラム33の中段程に固定される投影光学系34、レチクルステージ(又はレチクルホルダ)35が、順次積層されるような形態で概略構成されたものとなっている。レチクルステージ35上方には、更に光源と光源から射出された露光用照明光をレチクルに導くための光学系(照明光学系等)が備えられている。尚、光源及び光学系は、図4及び図5では図示を省略している。
露光ステージ32は、駆動源36a,36bの駆動によりXY面内で移動可能に構成されており、この露光ステージ32上にウェハWが載置されている際には、ウェハW上に設定された複数のショット領域の内の任意のショット領域を投影光学系34の下方に配置することができる。また、ウェハWの表面を投影光学系34の像面に合わせ込むために、露光ステージ32は、Z方向に移動可能に構成されるとともに、姿勢(X軸周りの回転及びY軸周りの回転)を調整可能に構成され、更にZ軸周りの回転も調整可能に構成されている。
以上説明した露光ステージ32は、不図示の露光ステージ制御装置によって制御される。そして、露光ステージ制御装置には、駆動源36a,36b毎に前述した劣化検出装置10(図1参照)が設けられており、各部に設けられたエンコーダ22及び電流検出器23の検出結果に基づき、前述した原理を用いて露光ステージ32各部の機械的劣化の有無を判断する。そして、この判断結果に応じて、警告装置26から警告を発する。
コラム33は、レンズ等の複数の光学素子から構成された投影光学系34を保持するための部材である。投影光学系34は、レチクルに形成されたパターンの像を所定の投影倍率βでウェハW上に投影するものである。本実施形態において、投影光学系PLは、投影倍率βが例えば1/4又は1/5の縮小系であるとするが、投影光学系PLは等倍系及び拡大系の何れであってもよい。更に、レチクルステージ35は、所望のパターンが形成されたレチクルを載置するためのステージである。レチクルは、これに露光用照明光を照射することで、照明光が通過する部分と遮断される部分を規定するものである。
レチクルに照射する露光用照明光としては、水銀ランプから発生する輝線(例えばg線、i線)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、Fレーザ(波長157nm)、YAGレーザ、金属蒸気レーザ、又は半導体レーザ等の高調波等が使用される。尚、本実施形態における露光装置は、上記各種光源のうちArFエキシマレーザを光源として備えるとする。
また、露光装置本体31には、上記の構成の他、ウェハW上の各ショット領域に付随して形成されたアライメントマークの位置情報を計測し、ウェハW上の各ショット領域を投影光学系34の露光領域(投影領域)に精密に位置合わせするためのアライメントセンサが備えられている。このアライメントセンサとしては、例えば投影光学系34を介してウェハW上に形成されたアライメントマークを観察するTTL(スルー・ザ・レンズ)方式のアライメントセンサ、又は投影光学系34の側方に設けられたオフ・アクシス型のアライメントセンサが挙げられる。これらのアライメントセンサによって計測された位置情報に基づいて駆動源36a,36bを駆動して露光ステージ32をXY平面内で移動させ、ウェハWに設定された各ショット領域と投影光学系34の露光領域との精確な位置合わせが露光前に実施されるようになっている。
前述した通り、ローダ用チャンバ40は、仕切り板40aによって下方をウェハローダ系41、上方をレチクルローダ系42が占める室に分割されている。ウェハローダ系41は、露光装置外部(例えばコータ/デベロッパ装置)からのウェハWの搬入、同外部へのウェハWの搬出、及び、主チャンバ30における露光装置本体31(露光ステージ32)に対するウェハWの供給・回収(ロード・アンロード)を目的として設けられているものである。このウェハローダ系41は、図中X軸に沿った方向に配設されている横軸スライダ42X、同様にY軸方向に沿った縦軸スライダ42Y、横軸スライダ42Xに付設された搬送ロボット43a、縦軸スライダ42Yに付設された二つのウェハ供給回収アーム43c,43d、及びアライメントステージ(アライメントステーション)44により概略構成されている。
上記搬送ロボット43aは、図4に示す通り、スカラー型のハンドリングロボットであり、横軸スライダ42Xに沿って移動可能に設置されている。図4では、搬送ロボット43aが位置P1にある様子を示している。図6は、ウェハローダ系41に設けられる搬送ロボットの拡大図である。図6に示す通り、搬送ロボット43aはX軸方向の並進移動部MX、Z軸方向の並進移動部MZ、θ軸周りの回転移動部Mθ、R軸周りの回転移動部MR、及びハンド部MHとから構成されている。尚、X軸方向の並進移動とは横軸スライダ42Xに沿った動作であり、Z軸方向の並進移動とはX軸に対して垂直なZ軸方向への動作を意味している。また、θ軸周りの回転とは、Z軸を中心とした回転動作、R軸周りの回転とはθ軸周りの回転移動部Mθに対する回転動作のことを意味している(図3矢印R参照)。
これら横軸スライダ42X及び搬送ロボット43aは、コータ/デベロッパ装置と露光装置との間におけるウェハWの出し入れを行うために設けられる。ここで、コータ/デベロッパ装置とは、ウェハWに対してレジストを塗布するコータ及び露光処理を終えたウェハWの現像を行うデベロッパ等を含んで構成され、ローダ用チャンバ40の側方に併設されている。即ち、コータにおけるレジスト塗布処理が終了したウェハWは露光装置内に導入され、露光処理を終えたウェハWはデベロッパに受け渡されるようになっている。尚、その導入、受け渡しの具体的な場所について、本発明は特に限定するものではないが、本実施形態においては、搬送ロボット43aが、図4に中の位置P1又は位置P2にあるときに行われるものとする。
上記ウェハ供給回収アーム43c,43dは、一方がロードアーム、他方がアンロードアームとして用いられ、縦軸スライダ42Yに沿って移動可能に設置されている。これらは、上述した搬送ロボット43aからウェハWを受け取り、露光装置本体31の露光ステージ32に対するウェハWの供給(ロード)及び回収(アンロード)を行う。従って、縦軸スライダ42Yは、ローダ用チャンバ40と主チャンバ30とを貫通するように設けられている。但し、露光装置本体31に対するウェハWの供給時には、搬送ロボット43aからウェハ供給回収アーム43c,43dの一方(ロードアーム)へと渡される際に、アライメントステージ44を介するようになっている。
アライメントステージ44は、ウェハWの周縁の一部に形成されているオリエンテーションフラット部(又はノッチ部)を基準として、ウェハWと露光ステージ32とが所定の位置関係になるよう、ウェハWの大まかな位置決めを行うためのステージである。このアライメントステージ44は、図5に示す通り、調整台45、ウェハWを回転させるターンテーブル46、ウェハWのオリエンテーションフラットを検出するセンサ47、及びウェハWの中心出しを行うための中心出しセンサ48(図4参照)等から構成される。
搬送ロボット43aから、アライメントステージ44へとウェハWが供給される際には、ウェハWは中心出しセンサ48を通過する。この中心出しセンサ48は、投光部と受光部とから構成されており、ウェハWはこの間を通過することになる。ウェハWが投光部と受光部との間を通過する時には投光部から射出された光がウェハWで遮光され、受光部で受光されなくなる。また、ウェハWはほぼ円形であることから、ウェハWが投光部と受光部との間を通過するときの光の遮光時間を計測することによって、ウェハWの中心位置を計算により算出することが可能になる。そして、このウェハWの中心位置が、アライメントステージ44のターンテーブル46における中心位置と合致するように、搬送ロボット43aの姿勢(位置)が調整されてターンテーブル46上にウェハWが供給される。
アライメントステージ44においては、ターンテーブル46がウェハWを真空吸着した状態でZ軸方向の軸を中心として回転する。アライメントステージ44には、図5に示す通り、投光部47aと受光部47bとからなるセンサ47が備えられており、ウェハWの周縁部がこれら投光部47aと受光部47bとの間に位置するようになっている。従って、ウェハWが回転したときには、そのオリエンテーションフラットの場所を認識することが可能となる。即ち、投光部47aからの光が通常の周縁部では遮光されるのに対し、オリエンテーションフラットが形成されている部位では遮光されなくなることになるからである。このようにして、ウェハWと露光ステージ32との相対的な位置関係が粗く位置合わせされることになる。
ウェハローダ系41には、以上の構成以外に、保管棚49a、仮置き棚49b等が設置されている。保管棚49aは、露光待機中のウェハ、或いは露光処理を終えたウェハを保管する棚である。この保管棚49は、箱体内部に水平に張られた複数の載置台を備え、その前後方向は吹き抜けに構成されている。ウェハWは保管棚49の複数の載置台上に置かれることになるが、この操作は、箱体内に搬送ロボット43aのハンド部MH(図6参照)が挿入されることによって実現される。ハンド部MHを用いて載置台上に置かれたウェハの取り出しも同様に行うことができる。
また、図4に示す通り、ローダ系チャンバ2の一内側面には保管棚49aの箱体の前後方向の吹き抜け部を通過するような光を発する投光部49cが設けられており、他内側面には投光部49cの各々と対応するように受光部49dが設けられている。これら投光部49c及び受光部49dは、保管棚49の載置台上におけるウェハの有無を検出するために設けられる。即ち、光が遮られていればウェハWは保管されており、遮られていない場合にはウェハが保管されていないと検出することができる。
尚、以上説明した搬送ロボット43aにおけるハンド部MH、ウェハ供給回収アーム43c,43d、ターンテーブル46、保管棚49aに設けられる載置台等、ウェハWと直接接触する部分は、表面構造の緻密な導電性セラミックス材によりコーティングするか、或いは、その全体を同材により形成しておくものとする。これは、ウェハに対する塵埃等の付着を防ぐための措置である。
以上説明したウェハローダ系41に設けられる搬送ロボット43aの並進移動部MX、並進移動部MZ、回転移動部Mθ、回転移動部MR、及びハンド部MHの動作、並びに、ウェハ供給回収アーム43c,43dの動作は不図示のウェハローダ駆動制御装置によって制御される。搬送ロボット43aの各部及びウェハ供給回収アーム43c,43dには、駆動源としてDCモータ、ACモータ、又はリニアモータが設けられており、ウェハローダ駆動制御装置がこれらのモータを駆動することにより搬送ロボット43aの各部及びウェハ供給回収アーム43c,43dの動作が制御される。
ウェハローダ駆動制御装置には、搬送ロボット43aの各部及びウェハ供給回収アーム43c,43d、ターンテーブル46毎に前述した劣化検出装置10(図1参照)が設けられており、各部に設けられたエンコーダ22及び電流検出器23の検出結果に基づき、前述した原理を用いて各部の機械的劣化の有無を判断する。そして、この判断結果に応じて警告装置26から警告を発する。
次に、レチクルローダ系42に関する説明を行う。図5に示す通り、レチクルローダ系42は、上述したウェハローダ系41の上方に位置している。レチクルローダ系42は、搬送スライダ51Y、及び搬送スライダ51Yに沿って摺動自在な二つのレチクル供給回収アーム52a,52bを備えている。また、搬送スライダ51Yの近傍には、ハンドリングロボット53、レチクル保管棚54が設けられている。
搬送スライダ51Y及びレチクル供給回収アーム52a,52bは、露光装置本体31のレチクルステージ35に対してレチクルの供給・回収を行う。従って、搬送スライダ51Yは、上述したウェハローダ系41における縦軸スライダ42Yと同様に、ローダ用チャンバ40と主チャンバ30とを貫通するように設けられている。但し、貫通部位はウェハローダ系41の縦軸スライダ42Yが下方に位置しているのに対し、レチクルローダ系42の搬送スライダ51Yはその上方に位置することになる。
ハンドリングロボット53は、レチクルをレチクル保管棚54から取り出して、上記レチクル供給回収アーム52a,52bに受け渡し、又はレチクル供給回収アーム52a,52bから受け渡されたレチクルを保管棚54に保管するものである。ハンドリングロボット53は、スカラー型のものであり、その概要は、図6にて示したウェハローダ系41の搬送ロボット43aとほぼ同様である。即ち、図6に示す並進移動部MZ、回転移動部Mθ、回転移動部MR、及びハンド部MHをそれぞれ備えている。但し、ハンドリングロボット53には、X軸に関する並進移動部MXは備えられていない。
また、レチクル保管棚54は、交換用のレチクルを複数保管しておくための棚である。つまり、複数の焼き付けパターンを用意しておくことが可能であって、これは、ウェハ多重露光を実施する際に使用される。いま簡単にその様子を述べれば、多重露光時には、その露光回数ごとにレチクル保管棚54から順次レチクルが取り出され、ハンドリングロボット53、搬送系(51Y、52a、52b)を介することで、レチクルステージ35におけるレチクルの交換が行われることになる。
以上説明したレチクルローダ系42に設けられるハンドリングロボット53の並進移動部MZ、回転移動部Mθ、回転移動部MR、及びハンド部MHの動作、並びに、搬送スライダ及びレチクル供給回収アーム52a,52bの動作は不図示のレチクルローダ駆動制御装置によって制御される。ハンドリングロボット53の各部並びに搬送スライダ及びレチクル供給回収アーム52a,52bには、駆動源としてDCモータ、ACモータ、又はリニアモータが設けられており、レチクルローダ駆動制御装置がこれらのモータを駆動することによりハンドリングロボット53の各部並びに搬送スライダ及びレチクル供給回収アーム52a,52bの動作が制御される。
レチクルローダ駆動制御装置には、ハンドリングロボット53の各部並びに搬送スライダ及びレチクル供給回収アーム52a,52b毎に前述した劣化検出装置10(図1参照)が設けられており、各部に設けられたエンコーダ22及び電流検出器23の検出結果に基づき、前述した原理を用いて各部の機械的劣化の有無を判断する。そして、この判断結果に応じて警告装置26から警告を発する。
以上説明した露光装置において、ウェハWに対する露光作業を実施する際には、まず、ウェハローダ系41の搬送ロボット43aがコータ/デベロッパ装置(コータ)からウェハWを受け入れ、ウェハWを持したまま搬送ロボット43aが横軸スライダ42Xに沿って移動し、アライメントステージ44にウェハWを載置する。そして、アライメントステージ44にて粗く位置決めされたウェハWは、ウェハ供給回収アーム43c又は43dによって、縦軸スライダ42Yに沿って露光ステージ32上に搬送されて保持される。尚、露光処理の効率を向上させるため、アライメントステージ44からウェハWが取り除かれると、搬送ロボット43aは次のウェハWを搬送してアライメントステージ44に載置する。
また、レチクルローダ42のハンドリングロボット53はレチクル保管棚54から所定のレチクルを取り出す。取り出されたレチクルはハンドリングロボット53からレチクル供給回収アーム52a又は52bに受け渡されて、レチクル供給回収アーム52a又は52bが搬送スライダ51Yに沿って移動することにより主チャンバ30内に搬送されてレチクルステージ35上に保持される。
ウェハローダ系41によるウェハWの搬送及びレチクルローダ系42によるレチクルの搬送が完了し、ウェハWが露光ステージ32上に、レチクルがレチクルステージ35上にそれぞれ保持されると、不図示のレチクルとウェハWとの相対的な位置合わせを行った後で、不図示の主制御装置が駆動源36a,36bを駆動して露光ステージ32をXY平面内で移動させ、ウェハW上に設定された複数のショット領域のうち、最初に露光すべきショット領域を露光領域に位置合わせする。
この位置合わせが完了すると、不図示の光源から射出され照明光学系を介した露光用照明光をレチクルに照射し、投影光学系34を介してレチクルに形成されたパターンを、露光領域に位置合わせされたショット領域に転写する。1つのショット領域に対する露光処理を終えると、不図示の主制御装置が駆動源36a,36bを駆動して次に露光すべきショット領域を露光領域に位置合わせしてパターン転写を行う。以下同様に、露光ステージ32をXY面内でステッピング(歩進)させつつ、ウェハW上のショット領域を順次露光領域に位置合わせして各ショット領域にレチクルのパターンを順次転写する。
露光ステージ32上に保持されたウェハW上に設定された全てのショット領域に対する露光処理が完了すると、ウェハ供給回収アーム43dがこのウェハWを回収してアライメントステージ44へ搬送するとともに、ウェハ供給回収アーム43cがアライメントステージ44上のウェハWを露光ステージ32上に搬送する。ウェハ供給回収アーム43dによりアライメントステージ44上に搬送されたウェハWは搬送ロボット43aに受け渡され、搬送ロボット43aが横軸スライダ42Xに沿って移動した後でコータ/デベロッパ装置(デベロッパ)に受け渡される。他方、ウェハ供給回収アーム43cによって露光ステージ32上に搬送されたウェハWは上述と同様の露光処理が行われる。かかる動作が繰り返され、例えば1ロット分のウェハWに対する露光処理が行われる。
また、レチクルの交換を行う場合には、レチクルステージ35上に保持されたレチクルがレチクル供給回収アーム52bに受け渡されるとともに、レチクル保管棚54から新たなレチクルがハンドリングロボット53により取り出されてレチクル供給回収アーム52aに受け渡される。レチクル供給回収アーム52bに受け渡されたレチクルは搬送スライダ51Yに沿って搬送された後でハンドリングロボット53に受け渡されてレチクル保管棚54に保管される。他方、ハンドリングロボット53からレチクル供給回収アーム52aに受け渡されたレチクルは搬送スライダ51Yに沿って搬送された後でレチクルステージ35上に保持される。かかる動作によりレチクルの交換が行われる。
以上説明した露光処理を行っている最中に前述した劣化検出装置10によってウェハローダ系41を構成する部品又はレチクルローダ系42を構成する部品又は露光ステージ32を構成する部品の劣化が検出されると、警告装置26から警告が発せられる。本実施形態では警告が発せられた場合に、直ちに露光処理が中断される訳ではない。このため、例えばロットに対する一連の処理の最中に警告が発せられても、そのロットに対する露光処理を終えた後で露光装置の動作を中断させることができる。1つのロットに対する露光処理を終えてから次のロットに対する露光処理を開始する迄には、通常準備期間が設けられるため、この準備期間を利用して機械的劣化が生じた部品の交換を行えば露光装置の稼働率の低下を防止することができる。また、交換が必要な部品の取り寄せが完了するまで露光処理を行わせることもできる。更に、上記劣化検出装置10によって判断されるメンテナンス時期に合わせて部品の取り寄せを行うこともできる。このため、露光装置の稼働率を低下させないタイミングで劣化した部品の交換を行うことができ、スループットの低下を極力抑えることができる。
次に、本発明の一実施形態による露光装置をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図7は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造工程の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、まず、ステップS10(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS12(ウェハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
次に、ステップS13(ウェハ処理ステップ)において、ステップS10〜ステップS12で用意したマスクとウェハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウェハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステップ)において、ステップS13で処理されたウェハを用いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ステップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図8は、半導体デバイスの場合における、図7のステップS13の詳細なフローの一例を示す図である。図8において、ステップS21(酸化ステップ)においてはウェハの表面を酸化させる。ステップS22(CVDステップ)においてはウェハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)においてはウェハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS24(イオン打込みステップ)においてはウェハにイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステップS24のそれぞれは、ウェハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウェハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS25(レジスト形成ステップ)において、ウェハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS26(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウェハに転写する。次に、ステップS27(現像ステップ)においては露光されたウェハを現像し、ステップS28(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS29(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重に回路パターンが形成される。
尚、以上の説明においては、本発明の劣化検出装置を露光装置のウェハローダ系41、レチクルローダ系42、及び露光ステージ32に設けた場合を例に挙げて説明したが、劣化検出装置はこれらのうちの何れか1つ又は2つに設けても良い。また、露光装置が備えている上記以外の駆動機構に劣化検出装置を設けても良い。例えば、照明光学系内に配置されている光学絞り切り換え機構や、レチクルRの照明領域を設定するレチクルブラインド、或いはレチクルRやウェハWの位置を検出するアライメント系内の駆動機構のそれぞれに本発明の劣化検出装置を設けることができる。また、本発明は、露光装置に限られず、移動可能に構成された可動子と、この可動子を駆動する駆動源とを備える駆動機構を有する装置一般について適用することができる。
本発明の一実施形態による駆動機構の劣化検出装置を備えるモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 モータ15に印加される駆動電圧及びエンコーダ22の検出結果の一例を示す図である。 モータ15に流れる電流の電流検出器23による検出結果の一例を示す図である。 本発明の一実施形態による露光装置の一例を示す平面図である。 図4中のA−A断面の矢視図である。 ウェハローダ系41に設けられる搬送ロボットの拡大図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。 半導体デバイスの場合における、図7のステップS13の詳細なフローの一例を示す図である。
符号の説明
10 劣化検出装置
15 モータ(駆動源)
22 エンコーダ(検出部)
23 電流検出器(検出部)
25 判断部
26 警告装置(警告部)
32 露光ステージ(基板ステージ)
35 レチクルステージ(マスクステージ)
41 ウェハローダ系(基板搬送装置)
42 レチクルローダ系(マスク搬送装置)
W ウェハ(基板)

Claims (9)

  1. 移動可能に構成された可動子と、当該可動子を駆動する駆動源とを備える駆動機構の機械的劣化を検出する劣化検出装置であって、
    前記可動子の位置及び前記駆動源に流れる電流の少なくとも一方を検出する検出部と、
    前記検出部によって検出された前記可動子の位置の、前記可動子の目標位置に対する位置変化と、前記検出部によって検出される電流との少なくとも一方に基づいて前記駆動機構の劣化状況を判断し、劣化部位を特定する判断部と、
    前記判断部の判断結果に応じて警告を発する警告部と
    を備えることを特徴とする駆動機構の劣化検出装置。
  2. 前記判断部は、前記可動子が前記目標位置に達してから、前記可動子の前記位置変化が所定値以下に収束するまでの整定時間に基づいて前記駆動機構の劣化状況を判断することを特徴とする請求項1記載の劣化検出装置。
  3. 前記検出部は、前記電流値の瞬時的変化を検出し、
    前記判断部は、前記瞬時的変化の発生頻度に基づいて前記駆動機構の劣化状況を判断することを特徴とする請求項1記載の劣化検出装置。
  4. 前記判断部は、前記可動子が前記目標位置に達する前に前記検出部によって検出される電流と、前記可動子が前記目標位置に達してから前記可動子の前記位置変化が所定値以下に収束するまでの整定時間内に前記検出部によって検出される前記電流及び前記位置変化の少なくとも一方とに基づいて、前記駆動機構の劣化の種別を判断することを特徴とする請求項1記載の劣化検出装置。
  5. 前記判断部は、前記可動子が前記目標位置に達する前に前記検出部によって検出される電流の経時変化と、前記可動子が前記目標位置に達してから前記可動子の前記位置変化が所定値以下に収束するまでの整定時間内に前記検出部によって検出される前記電流の経時変化及び前記位置変化の経時変化の少なくとも一方とに基づいて、前記駆動機構のメンテナンス必要時期を判断することを特徴とする請求項1記載の劣化検出装置。
  6. 前記駆動機構は複数の可動部を有し、
    前記判断部は、前記複数の可動部の種類に関する情報と、配置に関する情報との少なくとも一方を予め記憶し、前記検出部の検出結果と前記少なくとも一方の情報とに基づいて前記駆動機構の劣化部位を特定することを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の劣化検出装置。
  7. 駆動源により移動可能に構成された可動子を駆動する駆動機構の機械的劣化を検出する駆動機構の劣化検出方法であって、
    前記駆動源の駆動により前記可動子の移動を開始させる第1ステップと、
    前記可動子が所定の目標位置に達してからの前記目標位置に対する前記可動子の位置変化、及び前記駆動源に流れる電流の少なくとも一方を検出する第2ステップと、
    前記第2ステップの検出結果に応じて前記駆動機構の劣化を判断するとともに劣化部位を特定して、当該判断結果に応じて警告を発する第3ステップと
    を含むことを特徴とする劣化検出方法。
  8. 前記可動子が移動を開始してから前記目標位置に達するまでに前記駆動源に流れる電流を検出する第4ステップを含み、
    前記第3ステップは、前記第4ステップの検出結果を加味して前記駆動機構の劣化を判断することを特徴とする請求項7記載の劣化検出方法。
  9. マスクを保持するマスクステージと、駆動機構を用いて前記マスクの搬送を行うマスク搬送装置と、基板を保持する基板ステージと、駆動機構を用いて前記基板の搬送を行う基板搬送装置とを備え、前記マスクステージ上に保持されたマスクのパターンを前記基板ステージ上に保持された基板上に転写する露光装置において、
    前記マスク搬送装置の駆動機構及び前記基板搬送装置の駆動機構の少なくとも一方の機械的劣化を検出する請求項1から請求項6の何れか一項に記載の劣化検出装置を備えることを特徴とする露光装置。
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