JP2005310274A - 光メモリ、光メモリ記録装置、光メモリ記録方法、光メモリ再生装置、および光メモリ再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光記録媒体の溶融による収差の問題、およびフォトダイオードによって良好な再生信号を得られないという問題を生じることなく、高密度記録を実現できる光メモリを提供する。
【解決手段】 光メモリ10は、半導体層11と記録層12を含み、半導体層11は、真性半導体またはP型半導体からなり、記録層12は半導体層11と接し、かつ量子ドットを分散して含むように成膜される。光メモリ10は、記録処理の際に、半導体層11に記録励起光を受けると、半導体層11の伝導帯および記録層12のポテンシャル障壁を介して電子が記録層12の量子ドットに移動する。この状態で、記録層12側から再生励起光を照射すると、量子ドットに移動した電子のためにフォトルミネッセンスを生じない。この原理を利用して、光メモリ10の再生処理では、フォトルミネッセンスの強度やスペクトルの変化に応じて光メモリ10への記録の有無を判定する。
【選択図】 図2
【解決手段】 光メモリ10は、半導体層11と記録層12を含み、半導体層11は、真性半導体またはP型半導体からなり、記録層12は半導体層11と接し、かつ量子ドットを分散して含むように成膜される。光メモリ10は、記録処理の際に、半導体層11に記録励起光を受けると、半導体層11の伝導帯および記録層12のポテンシャル障壁を介して電子が記録層12の量子ドットに移動する。この状態で、記録層12側から再生励起光を照射すると、量子ドットに移動した電子のためにフォトルミネッセンスを生じない。この原理を利用して、光メモリ10の再生処理では、フォトルミネッセンスの強度やスペクトルの変化に応じて光メモリ10への記録の有無を判定する。
【選択図】 図2
Description
この発明は、高い記録密度を実現する光メモリと、その光メモリに対して記録・再生を行う光メモリ記録装置、光メモリ記録方法、光メモリ再生装置、および光メモリ再生方法に関する。
近年、AV(Audio Visual)機器が一般的に普及し、テレビジョン放送の録画データやビデオカメラで撮影したデータが、DVD(Digital Versatile Disk)等の光記録媒体に記録されることが多くなってきている。しかしながら、現在のDVDの記録容量では、標準的な画質の動画データについては数時間分の記録ができるに過ぎず、こうした記録媒体の更なる高容量化が期待されている。
DVDのような光記録媒体の高容量化を実現するための1つの手段は、光記録において高記録密度化を達成することである。このためには、対物レンズの高NA(Numerical Aperture)化をはかり、記録再生のためのレーザ光を短波長化する必要がある。
対物レンズの高NA化を進めていくと、対物レンズと記録媒体が波長オーダー以下の距離に接近した近接場光学系(ニアフィールド)による記録再生を行うことになる。この場合、通常の相変化型記録媒体を用いると、記録層溶融後の結晶アモルファス状態によって凹凸ができる。
このような溶融は、現在の相変化型記録材料の記録において必要なものである。すなわち、このような溶融によって記録媒体表面に凹凸形状が形成され、記録が行われるのである。しかしながら、たとえば、ニアフィールドの場合、こうした凹凸さえも収差の原因となり、良好な信号再生の妨げとなる。
一方、レーザ光の短波長化を進めていく場合、ピン・フォトダイオードやアバランシェ・フォトダイオードといった、シリコンを活性層とするフォトダイオードでは、たとえば400nm以下の波長に関して量子効率が著しく低下し、十分な再生信号を得ることができないという問題がある。
したがって、この発明の目的は、上記2つの問題点を排除しつつ、記録密度を高くする光メモリ、光メモリ記録装置、光メモリ記録方法、光メモリ再生装置、および光メモリ再生方法を提供することにある。
第1の実施態様に係る発明は、真性半導体またはP型半導体からなる半導体層と、半導体層と接し、かつ量子ドットを分散して含むように成膜される記録層を含み、量子ドットの結晶サイズが、励起子ボーア半径の4倍以下のサイズであるように構成された光メモリである。
第2の実施態様に係る発明は、光メモリの半導体層に接続された第1の電極と光メモリの記録層に接続された第2の電極との間に所定の電圧を加える電圧提供手段と、電圧提供手段により、第1の電極と第2の電極との間に所定の電圧が加えられている状態で、半導体層に向けて記録励起光を照射する記録励起光照射手段とを有するよう構成された光メモリ記録装置である。
第3の実施態様に係る発明は、光メモリの半導体層に接続された第1の電極と光メモリの記録層に接続された第2の電極との間に所定の電圧を加える電圧提供ステップと、電圧提供ステップにより、第1の電極と第2の電極との間に所定の電圧が加えられている状態で、半導体層に向けて記録励起光を照射する記録励起光照射ステップとを有するよう構成された光メモリ記録方法である。
第4の実施態様に係る発明は、半導体層と記録層を含む光メモリの記録層に向けて再生励起光を照射する再生励起光照射手段と、照射によるフォトルミネッセンスを検出する検出手段と、検出されたフォトルミネッセンスの強度またはスペクトルの変化によって光メモリへの記録の有無を判定する記録判定手段を有するよう構成された光メモリ再生装置である。
第5の実施態様に係る発明は、半導体層と記録層を含む光メモリの記録層に向けて再生励起光を照射する再生励起光照射ステップと、照射によるフォトルミネッセンスを検出する検出ステップと、検出されたフォトルミネッセンスの強度またはスペクトルの変化によって光メモリへの記録の有無を判定する記録判定ステップを有するように構成された光メモリ再生方法である。
この発明によって、記録媒体の溶融による収差の問題、およびフォトダイオードによって良好な再生信号を得られないという問題を生じることなく、高密度記録を実現できる光メモリが提供される。より詳細には、短波長化した場合の受光素子の感度の低下を補い、記録によって形状変化の生じにくい記録媒体を提供することによって、高密度光記録が実現される。
最初に、この発明の一実施形態に係る光メモリ10のデバイス構造の一部におけるエネルギーと実空間の関係を、図1を参照して説明する。図1の縦軸はエネルギーの大きさを表している。また、横軸は実空間を示しており、この場合は、光メモリ10のディスク表面に直交する方向である。光メモリ10は、たとえば真性半導体またはP型半導体からなる半導体層11と、半導体層11に隣接する、量子ドットを含む層(以降では、これを記録層12と呼ぶことにする)を備えている。
半導体層11と記録層12はヘテロ結合により結合される。図1から分かるように、光メモリ10は、エネルギー準位でみると、半導体層11の伝導帯13に隣接して、エネルギーの高いポテンシャル障壁15Aと、ポテンシャル障壁15Aよりエネルギーの低い量子ドット16Aが交互に現れるよう構成される。一方、半導体層11の価電子帯14に隣接する部分は、エネルギーの低いポテンシャル障壁15Bと、ポテンシャル障壁15Bよりエネルギーの高い量子ドット16Bが交互に現れるよう構成される。
次に、この発明の第1の実施形態に係る光メモリ20の製造方法およびデバイス構造について、図2を参照して説明する。最初に、真性あるいはP型Si基板24上に、アルゴン(Ar)をキャリアガスとし、N2O、SiH4などを原料ガスとしてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)または減圧CVDを実施する。これによって、たとえば、100nmのSiOx(ただし、xは2.0未満)を成膜する。また、このような成膜は、反応性RF(Radio Frequency)スパッタを用いて行うことも可能である。
成膜後、たとえば、1100℃、1時間のアニール処理を施すことにより、シリコン(Si)の量子ドット(小結晶)が、SiO2中に析出して、最終的に、Si量子ドットが分散して含まれるSiO2膜が形成される。ここでは、この膜をSi量子ドット・SiO2膜23と呼ぶことにする。
量子ドットの結晶サイズは、基本的に、励起子ボーア半径の4倍以下のサイズであることが好ましい。ここで、励起子ボーア半径aBは、以下の式1のように定義される。
aB=k・η2/(μ・e2) ・・・(式1)
ただし、kは誘電率、η=h/(2π)、hはプランク定数、μ=1/(me -1+mh -1)、meは電子の有効質量、mhはホールの有効質量、eは電子の電荷である。
aB=k・η2/(μ・e2) ・・・(式1)
ただし、kは誘電率、η=h/(2π)、hはプランク定数、μ=1/(me -1+mh -1)、meは電子の有効質量、mhはホールの有効質量、eは電子の電荷である。
その後、Si量子ドット・SiO2膜23上に、SiO2絶縁膜22を成膜する。これは、反対側の電極(後で説明する、Ti膜25とAu膜26からなる電極)から電子が入ってこないように、ポテンシャル障壁を厚くすることを目的としている。
そのSiO2絶縁膜22の上に、さらにITO膜21(透明導電膜−透明電極を構成する)を成膜する。ITO膜21の厚さは、たとえば250nmである。こうした、SiO2絶縁膜22、およびITO膜21の成膜は、たとえばRFスパッタ等の方法により行われる。
P型Si基板24の裏面には、たとえば30nmのTi膜25および100nmのAu膜26が、RFスパッタ等の方法により成膜される。Ti膜25とAu膜26によりオーミック電極が構成される。図2では、各膜がほぼ同じ厚さで示されているが、これは説明の便宜のためであり、この発明の光メモリ20は、図2に示す厚さに限定されるものではない。たとえば、上で例示した各膜の厚さを含め、さまざまな厚さのパターンを採用することが可能である。
このようにして製造された光メモリ20を、近紫外光で励起させたときのフォトルミネッセンススペクトルの測定結果が図3の実線31で表されている。また、電極間に約5Vの電圧を加え、波長780nmのパルスレーザをおよそ20mJ/cm2で照射したときのスペクトルが、図3の破線32で示されている。図3に示した実線31のピークはSi量子ドットとSiO2の界面準位によるものであるが、光メモリ20への記録(書き込み)により、電子が量子ドットの最低励起準位を占有しているためにフォトルミネッセンスが消失し、そのために記録情報が再生されうる。記録処理および再生処理の原理は、後で詳細に説明する。なお、図3は、波長ごとのフォトルミネッセンスの強度(PL Intensity)を示すものであり、横軸の単位はnm、縦軸の単位は、たとえばa.u.(arb. units)である。
次に、この発明の第2の実施形態に係る光メモリ40の製造方法およびデバイス構造について、図4を参照して説明する。最初に、真性あるいはP型Si基板上に、アルゴン(Ar)をキャリアガスとして、N2O、SiH4などを原料ガスとしてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)または減圧CVDを実施する。これによって、たとえば、100nmのSiOx(ただし、xは2.0未満)を成膜する。また、このような成膜は、反応性RFスパッタを用いて行うことも可能である。
次に、Siの量子ドットの周辺に発光中心イオンを配置する。これは、たとえば、イオン注入によりEr3+などの希土類金属(または遷移金属)を上記SiOx中に注入し、これに対してさらに、1100℃で1時間のアニール処理を行うことによって実現される。そうすると、Siの量子ドットがSiO2中に析出され、注入されたイオンはSiO2またはSi量子ドットの結晶中に取り込まれる。これにより、Si量子ドットを含み、注入されたイオンが取り込まれたSiO2膜が成膜される。ここでは、この膜をSi量子ドット・Er3+・SiO2膜43と呼ぶことにする。
その後、Si量子ドット・Er3+・SiO2膜43上に、SiO2絶縁膜42を成膜する。そのSiO2絶縁膜42の上に、さらにITO膜41(透明導電膜)を成膜する。ITO膜41の厚さは、たとえば250nmである。こうした、SiO2絶縁膜42、およびITO膜41の成膜は、たとえばRFスパッタ等の方法により行われる。
P型Si基板44の裏面には、たとえば30nmのTi膜45および100nmのAu膜46が、RFスパッタ等の方法により成膜される。
この場合には、記録前はEr3+からのフォトルミネッセンスが得られるが、記録によりEr3+の発光強度が減少する。
次に、図5ないし図7を参照して、この発明の一実施形態に係る光メモリに対する記録処理および再生処理の原理を説明する。ここでは、図2または図4に示したようなディスク構造の光メモリへの記録・再生処理を例にとって説明する。
図5には、光メモリへの記録処理の態様が示されている。また、図5の表記形式は、図1と同様のものである。すなわち、図5の光メモリは、半導体層51の伝導帯53に隣接して、エネルギーの高いポテンシャル障壁55Aと、ポテンシャル障壁55Aよりエネルギーの低い量子ドット56Aが交互に現れるよう構成される。一方、半導体層51の価電子帯54に隣接する部分は、エネルギーの低いポテンシャル障壁55Bと、ポテンシャル障壁55Bよりエネルギーの高い量子ドット56Bが交互に現れるよう構成される。
光メモリ(記録媒体)の両面に形成された二つの電極(不図示)には、所定の電気回路により、たとえば1Vないし10V程度の電圧が加えられ、これにより電場64が形成される。さらに、半導体レーザ(不図示)から、波長約780nmの記録励起光57(レーザ光)を、対物レンズにより集光して、光メモリ上に照射する。記録励起光57は、光メモリのAu膜(図2のAu膜26、図4のAu膜46)側から半導体層51(たとえば、図2のP型Si基板24や図4のP型Si基板44)に対して照射される。すなわち、記録励起光57は、記録層52(たとえば、図2のSi量子ドット・SiO2膜23や図4のSi量子ドット・Er3+・SiO2膜43)とは反対側の面から半導体層51に照射される。
この照射により、半導体層51の伝導帯53では、矢印58に示すように価電子帯54から電子60が移動して、光励起された電子60の密度が増大する。その結果、価電子帯54には、ホール59が生じる。また、記録層52の量子ドット56B内には、基底状態の電子61が存在する。
このとき、電子60は、矢印63に示すように、印加された電場64に起因するトンネル効果によって、ポテンシャル障壁55Aを通過し、量子ドット56A内の最低励起準位に捕獲される。この原理を用い、記録励起光57を記録情報に応じて変調する、あるいは光メモリに印加する電場64を記録情報に応じて変調することで、光メモリ上の所定の量子ドット内に電子を配置するよう制御することができる。
次に、図6を参照して、上述のように光メモリに情報が記録されている場合の読出しについて説明する。図6に示す光メモリは、図5に示すものと同様のディスク構造であり、また図5と同様の表記形式をとっている。図5に関連して説明したように、情報の記録が行われた光メモリの部分では、電子80が、量子ドット76A内の最低励起準位に捕獲された状態となっている。電子80は、図5において、量子ドット56A内の最低励起準位に捕獲された電子60に対応する。また、このときは、図5に示したような電場64は存在しない。
ここで、図6に示すように、たとえば、波長約405nmの再生励起光77が半導体レーザから射出され、対物レンズを介して光メモリのITO膜側から、すなわち、半導体層71と逆の面から記録層72に照射される。再生励起光77が照射されると、バンドギャップがたとえば、およそ3.0eVに設計された量子ドットは、この再生励起光77を吸収し、量子ドット76B内の基底状態の電子81(図5の電子61に対応する)は、量子ドット76A内の最低励起準位に遷移しようとする。しかしながら、すでに量子ドット76A内の最低励起準位は、図5に示す記録処理で電子80によって占有されており、基底状態の電子81は遷移することができない。したがって、この場合、直接遷移型の半導体量子ドットであっても蛍光を示さない。この現象は、フォトルミネッセンスの消失として捉えることができる。
次に、図7を参照して、光メモリに情報が記録されていない場合の読出しについて説明する。図7に示すように、たとえば、波長約405nmの再生励起光97を、対物レンズを用いて光メモリに集光する。この再生励起光97が、光メモリのITO膜側から入射されると、バンドギャップが、およそ3.0eVに設計された量子ドットはこの光を吸収し、量子ドット96B内にある基底状態の電子101(図5の電子61に対応する)は、量子ドット96A内の最低励起準位に遷移し、その結果、蛍光98を発する。これは、再生励起光97の入射に応じて発光するので、フォトルミネッセンスの変化(光の波長の変化または強度の変化)として捉えることができる。
この場合、再生励起光97の照射によって、その照射部分から蛍光が発生すれば、その箇所に記録処理が行われていないということがわかる。以上より、記録処理を行う箇所(たとえば、ピット)を0とし、記録処理を行わない箇所を1とすれば、これによって光メモリに、0と1からなる所定の情報を記録することができる。もちろん、0と1を、これとは逆のパターンで記録することも可能である。
また、上述したように、記録励起光57や、光メモリに印加する電場64を変調したり、検出した蛍光98の波長や強度にしきい値を設ける等して、2値以上のパターンで記録を行うことも考えられる。
また、この例では、記録励起光57として波長約780nmの光を用い、再生励起光77および再生励起光97として波長約405nmの光を用いているが、半導体層および記録層に用いる材料に応じて最適な波長の記録励起光および再生励起光が調整される。さらに、この例では、記録励起光の波長の方が、再生励起光の波長より大きいが、再生励起光の波長が大きい方が好ましい場合もある。また、本来、間接遷移型半導体のSiでも、量子ドットとすることにより蛍光を示すことが知られている。
次に、図8ないし図10を参照して、この発明の光メモリの記録・再生装置の構成について説明する。図8ないし図10では、同じ構成要素には同じ符号が付されている。たとえば、記録・再生装置は、対物レンズ110、ダイクロイックミラー111、ダイクロイックミラー112、半導体レーザ113、フォトディテクタ114、および半導体レーザ115を含む。また、記録処理および再生処理が行われる記録媒体は、光メモリ116として表されている。さらに、図8の記録・再生装置には、電気回路117が含まれる。
図8は、光メモリ116に情報を記録するためのレーザ光(すなわち、記録励起光)を光メモリ116に照射するための構成を表したものである。半導体レーザ115から射出されたレーザ光A1は、ダイクロイックミラー112を介し(レーザ光A2)、さらに、ダイクロイックミラー111を介して(レーザ光A3)対物レンズ110に到達する。対物レンズ110を通過したレーザ光A4は、光メモリ116のAu膜(たとえば、図2のAu膜26、図4のAu膜46)側から、光メモリ116の面に対してほぼ垂直に照射される。この場合、半導体レーザ113とフォトディテクタ114は使用されない。
また、電気回路117は、光メモリ116の両面に電位差を生じさせるよう、光メモリ116のそれぞれの面に端子を接触させる。このようにして、図5に示すような記録励起光57および電場64が形成される。光メモリ116への情報の記録は、図5について述べた通りである。
図9は、光メモリ116に記録された情報を読み出すためのレーザ光(すなわち、再生励起光)を照射するための構成を表している。半導体レーザ113から射出されたレーザ光B1は、ダイクロイックミラー111を介し(レーザ光B2)、対物レンズ110に到達する。対物レンズ110を通過したレーザ光B3は、光メモリ116のITO膜(たとえば、図2のITO膜21、図4のITO膜41)側から、光メモリ116の面に対してほぼ垂直に照射される。この場合、ダイクロイックミラー112、フォトディテクタ114、および半導体レーザ115は使用されない。
このような構成によって、図6および図7に示すような再生励起光77および再生励起光97が形成される。
図10は、図9の構成によって光メモリ116に照射されたレーザ光(再生励起光)に応答して発光する光が、どのように検出されるかを示している。図7に関連して説明した通り、光メモリ116に対して記録処理がされていない場合は、光メモリ116から蛍光98が生じる。図10では、この蛍光98が光C1として示されている。光C1は、その後、対物レンズ110、およびダイクロイックミラー111を介してダイクロイックミラー112に到達する(光C2、光C3)。ダイクロイックミラー112において、光C3は屈折し、光C4としてフォトディテクタ114に入射される。ここでは、半導体レーザ115は使用されない。
光メモリ116は回転され、所定の領域すべてについて、図10に示すような読み取りが行われる。前述のように、情報の記録されていない部分について蛍光98が生じるため、フォトディテクタ114において、所定のレベルの光が検出された場合には、対応する光メモリ116の部分に記録処理がされていない(逆に言えば、検出された光が所定のレベル以下である場合は、対応する部分に記録処理がされている)と判定することができる。
光メモリ116への記録のための記録励起光の照射、再生のための再生励起光の照射、および発生した蛍光の検出を、便宜上、図8ないし図10により、それぞれ別に説明してきたが、ここでは、原則として各処理を同じ装置で実現する。そのため、記録励起光、再生励起光、再生時の蛍光が同一の対物レンズ110を通る光学系となり、ダイクロイックミラーを使用して合波等を行っている。しかしながら、記録処理と再生処理をそれぞれ別の光学ピックアップを用いて行うこともでき、その場合には、ダイクロイックミラーを、例示したものとは別の態様で配置することができる。
また、この発明の光メモリ116の記録時および再生時には、必要に応じてフォーカスサーボやトラッキングサーボをかけることができる。
これまで説明してきた光メモリでは、半導体層としてP型Si基板を使用しているが、これは単なる例示に過ぎない。半導体層の材料の例としては、他にも以下のようなものが挙げられる。
(1) Si、GeなどのIV族半導体
(2) GaAs、GaP、GaN、GaSb、InAs、InP、InN、InSb、AlAs、AlP、AlNなどのIII−V族半導体
(3) ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgTe、HgSe、HgSbなどのII−VI族半導体
(1) Si、GeなどのIV族半導体
(2) GaAs、GaP、GaN、GaSb、InAs、InP、InN、InSb、AlAs、AlP、AlNなどのIII−V族半導体
(3) ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgTe、HgSe、HgSbなどのII−VI族半導体
また、この発明の光メモリでは、記録層の量子ドットの材料にSiを用いているが、これも単なる例示に過ぎず、他にも以下のような材料を採用することができる。
(1) Si、GeなどのIV族半導体
(2) GaAs、GaP、GaN、GaSb、InAs、InP、InN、InSb、AlAs、AlP、AlNなどのIII−V族半導体
(3) ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgTe、HgSe、HgSbなどのII−VI族半導体
(1) Si、GeなどのIV族半導体
(2) GaAs、GaP、GaN、GaSb、InAs、InP、InN、InSb、AlAs、AlP、AlNなどのIII−V族半導体
(3) ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgTe、HgSe、HgSbなどのII−VI族半導体
またさらに、ポテンシャル障壁の材料としては、SiO2の他に、Si3N4などの各種酸化物、窒化物等が挙げられる。
10、116・・・光メモリ、11・・・半導体層、12・・・記録層、13・・・伝導帯、14・・・価電子帯、110・・・対物レンズ、111,112・・・ダイクロイックミラー、113,115・・・半導体レーザ、114・・・フォトディテクタ、117・・・電気回路
Claims (20)
- 真性半導体またはP型半導体からなる半導体層と、
前記半導体層と接し、かつ量子ドットを分散して含むように成膜される記録層を含み、
前記量子ドットの結晶サイズが、励起子ボーア半径の4倍以下のサイズであることを特徴とする光メモリ。 - 請求項1に記載の光メモリにおいて、
前記半導体層に接続された第1の電極と前記記録層に接続された第2の電極との間に所定の電圧を加えた状態で、前記半導体層に記録励起光を照射した場合に、電子が前記半導体層の伝導帯から前記記録層の量子ドット内に移動されて記録部分が形成されることを特徴とする光メモリ。 - 請求項1に記載の光メモリにおいて、
前記半導体層に接続された第1の電極と前記記録層に接続された第2の電極との間に所定の電圧を加えた状態で、前記半導体層に記録励起光を照射した場合に、電子が前記半導体層の伝導帯から前記記録層の量子ドット内に移動されて記録部分が形成され、
前記記録層に再生励起光を照射した場合に、前記記録部分と前記記録部分以外の部分に関して、フォトルミネッセンスの強度またはスペクトルが異なることを特徴とする光メモリ。 - 請求項1に記載の光メモリにおいて、
前記量子ドットがシリコンであることを特徴とする光メモリ。 - 請求項1に記載の光メモリにおいて、
前記量子ドットの周辺に、発光中心イオンを配置するよう前記記録層を構成することを特徴とする光メモリ。 - 請求項5に記載の光メモリにおいて、
前記発光中心イオンが、希土類金属または遷移金属であることを特徴とする光メモリ。 - 光メモリの半導体層に接続された第1の電極と前記光メモリの記録層に接続された第2の電極との間に所定の電圧を加える電圧提供手段と、
前記電圧提供手段により、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記所定の電圧が加えられている状態で、前記半導体層に向けて記録励起光を照射する記録励起光照射手段とを有することを特徴とする光メモリ記録装置。 - 請求項7に記載の光メモリ記録装置において、
前記記録励起光照射手段は、前記記録層の反対側から前記記録励起光を前記半導体層に向けて照射することを特徴とする光メモリ記録装置。 - 請求項7に記載の光メモリ記録装置において、
前記半導体層は、真性半導体またはP型半導体からなり、
前記記録層は、前記半導体層と接し、かつ量子ドットを分散して含むように成膜され、
前記量子ドットの結晶サイズが、励起子ボーア半径の4倍以下のサイズであることを特徴とする光メモリ記録装置。 - 光メモリの半導体層に接続された第1の電極と前記光メモリの記録層に接続された第2の電極との間に所定の電圧を加える電圧提供ステップと、
前記電圧提供ステップにより、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記所定の電圧が加えられている状態で、前記半導体層に向けて記録励起光を照射する記録励起光照射ステップとを有することを特徴とする光メモリ記録方法。 - 請求項10に記載の光メモリ記録方法において、
前記記録励起光照射ステップは、前記記録層の反対側から前記記録励起光を前記半導体層に向けて照射することを特徴とする光メモリ記録方法。 - 請求項10に記載の光メモリ記録方法において、
前記半導体層は、真性半導体またはP型半導体からなり、
前記記録層は、前記半導体層と接し、かつ量子ドットを分散して含むように成膜され、
前記量子ドットの結晶サイズが、励起子ボーア半径の4倍以下のサイズであることを特徴とする光メモリ記録方法。 - 半導体層と記録層を含む光メモリの前記記録層に向けて再生励起光を照射する再生励起光照射手段と、
前記照射によるフォトルミネッセンスを検出する検出手段と、
前記検出されたフォトルミネッセンスの強度またはスペクトルの変化によって前記光メモリへの記録の有無を判定する記録判定手段を有することを特徴とする光メモリ再生装置。 - 請求項13に記載の光メモリ再生装置において、
前記再生励起光照射手段は、前記半導体層の反対側から前記再生励起光を前記記録層に向けて照射することを特徴とする光メモリ再生装置。 - 請求項13に記載の光メモリ再生装置において、
前記半導体層は、真性半導体またはP型半導体からなり、
前記記録層は、前記半導体層と接し、かつ量子ドットを分散して含むように成膜され、
前記量子ドットの結晶サイズが、励起子ボーア半径の4倍以下のサイズであることを特徴とする光メモリ再生装置。 - 請求項13に記載の光メモリ再生装置において、
前記記録判定手段は、前記フォトルミネッセンスの強度が所定のレベル以下である前記光メモリの部分については、記録が有ったものと判定し、前記フォトルミネッセンスの強度が前記所定のレベルより大きい前記光メモリの部分については、記録が無かったものと判定することを特徴とする光メモリ再生装置。 - 半導体層と記録層を含む光メモリの前記記録層に向けて再生励起光を照射する再生励起光照射ステップと、
前記照射によるフォトルミネッセンスを検出する検出ステップと、
前記検出されたフォトルミネッセンスの強度またはスペクトルの変化によって前記光メモリへの記録の有無を判定する記録判定ステップを有することを特徴とする光メモリ再生方法。 - 請求項17に記載の光メモリ再生方法において、
前記再生励起光照射ステップは、前記半導体層の反対側から前記再生励起光を前記記録層に向けて照射することを特徴とする光メモリ再生方法。 - 請求項17に記載の光メモリ再生方法において、
前記半導体層は、真性半導体またはP型半導体からなり、
前記記録層は、前記半導体層と接し、かつ量子ドットを分散して含むように成膜され、
前記量子ドットの結晶サイズが、励起子ボーア半径の4倍以下のサイズであることを特徴とする光メモリ再生方法。 - 請求項17に記載の光メモリ再生方法において、
前記記録判定ステップは、前記フォトルミネッセンスの強度が所定のレベル以下である前記光メモリの部分については、記録が有ったものと判定し、前記フォトルミネッセンスの強度が前記所定のレベルより大きい前記光メモリの部分については、記録が無かったものと判定することを特徴とする光メモリ再生方法。
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