JP2537992B2 - 光記憶素子 - Google Patents

光記憶素子

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JP2537992B2
JP2537992B2 JP63237657A JP23765788A JP2537992B2 JP 2537992 B2 JP2537992 B2 JP 2537992B2 JP 63237657 A JP63237657 A JP 63237657A JP 23765788 A JP23765788 A JP 23765788A JP 2537992 B2 JP2537992 B2 JP 2537992B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、光を照射することにより情報を記録し、ま
た、素子面の反射光や透過光の変化を光学的に読み取る
ことで、記録された情報を出力し、書き換え可能な光記
録素子に関するものである。
従来の技術 従来、光を断続的に照射することにより2進数化され
た情報を記録し、また、反射光の有無を光学的に読み取
ることで、記録された情報を出力する光学的デジタル記
録素子として、計算機分野ではCD−ROMが、またオーデ
ィオ、ビデオ分野ではレーザーディスクやコンパクトデ
ィスク等のものがある。CD−ROMは従来の磁気記録型の
ものに較べ記録容量が桁違いに大きく、現在広く普及し
つつある。またコンパクトディスクは従来のアナログ素
子に較べて、記録再生の感度(S/N比)が極めて高く、
現在オーディオ分野ではこの方式が主流になったと言う
ことができる。
また、書き換え可能な光学的記録再生装置として、光
磁気記録型、相変化型、2相ポリマー型の光記録素子が
提案されており、光磁気記録型、相変化型のものは現在
ほぼ商品化されつつある。
発明が解決しようとする課題 従来技術に示したCD−ROM、オーディオ、レーザーデ
ィスクやコンパクトディスクは、一度記録した情報を消
去し、再び新しい情報を記録する書換え機能を有してお
らず、また、書き換え可能な光磁気記録型のものは、C/
N比が低くまた記録再生装置として光学系、磁気系の両
方が必要であるため、装置が複雑になりその分コストが
高くなる課題を有していた。相変化型のものは、信号記
録再生用と、消去用の異なったレーザー光源系が必要で
あり、光磁気記録型と同様、装置が複雑になりその分コ
ストが高くなり、また、記録書換え可能な回数が数1000
回程度と小さいものしか得られていないと言う課題を有
していた。同様に、2相ポリマー型は寿命がいまだ5000
時間程度しかないという課題を有していた。
課題を解決するための手段 本発明の光記憶素子は、光透過性基体、光半導体、固
体電解質、および前記固体電解質と可逆的な電気化学反
応を起こす対電極を順次積層してなり、前記光半導体に
光を照射し、前記光半導体と前記固体電解質の界面にお
いて前記固体電解質の可動イオンを還元析出させること
により前記光信号を記録し、かつ前記記録信号の再生
は、素子面に光を照射しその反射光または透過光の変化
を読み取ることにより行なうものである。
また、本発明の光記憶素子は、光透過性基体、光半導
体、金属からなる第1電極、前記金属と同じ元素のイオ
ンを可動イオンとする固体電解質、および前記固体電解
質と可逆的な電気化学反応を起こす第2電極を順次積層
してなり、前記光半導体に光を照射し、前記第1電極の
金属を酸化溶解させることにより前記光信号を記録し、
かつ前記記録信号の再生は、素子面に光を照射しその反
射光または透過光の変化を読み取ることにより行なうも
のである。
ここで、上記の光半導体が、シリコン単結晶のように
電気伝導度が大きい場合は不要であるが、アモルファス
シリコンのように電気伝導度が低い場合は光透過性基体
上に透明電極を設ける。
作用 光透過性基体を通じて光半導体に光半導体材料のバン
ドギャップよりも大きいエネルギーを有する光を照射す
ると、光半導体において伝導帯では励起電子が、また価
電子帯ではホールが生成される。このとき、透明電極と
対電極あるいは第2電極とを電気的に短絡すると、この
電子及びホールの作用により光半導体と固体電解質の界
面では特定の電気化学反応が発生し、固体電解質の可動
イオンの還元反応を起こさせ、例えば金属等を析出させ
ることができる。そして改めて本素子に光照射を行なう
と、前述の反応で金属が析出した部分では光が反射する
が、それ以外の部分ではそのまま通過する。そこで、反
射光または透過光の有無を1,0のビットパターンとして
処理すると、これは2進数化された情報の記録再生のた
めの記録素子として機能するものとなる。また逆に、予
め光半導体と固体電解質の間に電極層を設けておくと、
光半導体で生成されたホールにより固体電解質と電極層
の界面において、電極層の酸化反応を起こさせ、電極層
を構成する金属を溶解させる。これにより、金属が溶解
した部分では光がそのまま通過し、それ以外の部分では
反射するため、前記同様デジタル信号のビットパターン
を形成することができる。また、照射光の照射強度を変
化させつつ前述の析出反応を起こさせると、光半導体と
固体電解質の界面では照射光の照射強度の変化に応じた
析出量または溶解量を有するパターンが形成され、改め
て光照射を行ないその反射光または透過光の強度をアナ
ログ的に測定することにより、より高密度の記録再生を
行なうことができる。また、本素子に使用する光半導体
は100ルクス程度の光に対して鋭敏に反応するものであ
り、信号の書き込みに際しては、例えば0.1mW程度の出
力強度の半導体レーザーをその光源として使用すれば充
分であり、一般光源でも記録再生できる。
以上の操作により記録した情報を消去するには、光半
導体と対電極あるいは第2電極に対して、特定の電圧を
印加、あるいは電気的に短絡することにより、光照射に
より生じた析出物の固体電解質中への溶解あるいは、固
体電解質から光半導体面もしくは第1電極へ金属等を析
出することで行なうことができる。この操作を繰り返す
と、本素子は再記録可能な光記憶素子として機能するこ
とになる。
また、固体電解質として厚さ方向つまり光半導体と対
電極あるいは第2電極との向きに対しイオン導電性が優
れた異方性固体電解質を用いると、先に述べた光照射に
より生ずる電気化学反応は固体電解質の異方性伝導のた
め横方向には広がらず、光半導体面に於て光が照射され
た局所的な範囲にのみこの反応は停まり、光記録パター
ンの面方向の大きさを小さくすることができ、そのため
光記録の密度を上げることができる。
以上述べたように、本素子は単一光源で全て光学的に
行なわれるものであるから、記録再生装置としては、現
在広く普及しているCD程度の安価なもので充分である。
実施例 以下、本発明の素子について詳細に説明する。第1図
は本発明の素子の概略図である。図中1は光透過性基
体、2は透明電極、3は光半導体、4は固体電解質、5
は対電極、6は保護層、7は光照射により固体電解質中
のイオンが還元され例えば金属が析出する部分である。
光透過性基体1を構成する材料は、ソーダガラス、石
英ガラス等の無機ガラス、あるいはアクリル、ポリカー
ボネート、ポリイミド、ポリサルホンなどの光透過性を
有する有機材料を使用することができる。
光半導体としては、光照射により、光半導体内におい
て電荷分離し、ホ−ルと電子を生成するものであり、照
射光の波長強度より小さいバンドギャップを有するもの
が使用される。例えば入力光信号として可視光領域の光
を用いるときには、光半導体材料のバンドギャップは1.
0から2.5eV程度のもの例えば、Si,アモルファスシリコ
ンS,ZnSe、ZnTe、CdS,CdSe、CdTe,AlxGa1-xAs(0≦x
≦1),GaAs1-xPx(0≦x≦1),AlSb,InP,MoS2,MoS
e2,WS2,WSe2,MxInS2(M=CuまたはAg,0<x<1),MxI
nSe2(M=CuまたはAg,0<x<1)等を使用することが
でき、また紫外光のみを選択的に入力光信号として捉え
たいときには、ZnS、GaN、SiC等のバンドギャップのよ
り大きいものを主体とし、これらのP型、N型、あるい
はPーI、NーI、PーIーN接合型のものを選択する
ことができる。また様々な波長の光が混成して照射され
るときには、必要とする波長により光半導体材料のバン
ドギャップを選択することで、逆に記憶すべき入射信号
を選択することもできる。
本素子の光照射に対する応答速度は、本素子の構成要
素である固体電解質のイオン伝導度により大きく影響を
うける。本素子の機能目的を考えるとイオン伝導度は少
なくとも10-3S/cm程度のものが好ましく、このようなイ
オン伝導度を有する固体電解質としては、RbCl−CuCl−
CuI系やCuIーCu2OーMoO3系の結晶状及びガラス状銅イオ
ン導電性固体電解質物、または、RbIーAgI系やAgIーAg2
OーB2O3系の結晶状及びガラス状銀イオン導電性固体電
解質物を用いることができる。また、このような固体電
解質を用いて素子を作成するとき、固体電解質層の厚さ
は充分な考慮を必要とする。つまり、その膜厚が小さい
ほど光照射による信号の時間的な書き込み感度は優れた
ものになるが、あまり小さいと光半導体面と電極面が光
照射の際のイオン析出反応により電気的に短絡し、上述
の逆電圧印加による記録の消去ができなくなる。
また、本素子は構成材料である固体電解質として厚さ
方向つまり光半導体と対電極方向の伝導度が優れた異方
性固体電解質を用いると記憶密度を上げることができ
る。例えば1つのビットの書き込みを半径10μmの光照
射により行なうには、光照射により発生する固体電解質
内のイオンが還元され、金属が析出する面方向に対して
光照射の半径である10μm以内に停まらなければならな
い。このためには、1ブロックが4μm×4μm程度の
大きさの異方性固体電解質を用いればよい。
また、上述の固体電解質を用いて素子を構成したと
き、第1電極、第2電極あるいは対電極を構成する材料
は固体電解質と可逆的な電気化学反応を起こす必要が有
る。そのため例えば、固体電解質として銅イオ導電性固
体電解質を用いた場合は、カーボン、Cu、CuxS、CuxTiS
2、CuxNbS2や、CuxMo6S8で示される銅シェブレル相化合
物が、また固体電解質として銀イオン導電性固体電解質
を用いた場合は、カーボン、Ag、AgxTiS2、AgxNbS2や、
AgxMo6S8で示される銀シェブレル相化合物を用いること
ができる。更に、透明電極としては、酸化インジウム、
酸化スズ、金よりなる透明電極が用いられ、必要に応じ
てこれらに白金を付けることも可能である。
以下、本発明の詳細な実施例を用い具体的に説明す
る。
(実施例1) 第2図は、本発明の実施例である光記憶素子の断面図
である。第1図における光透過性基体1に対応するもの
として外径120mm、厚さ1.2mmのポリカーボネイト8を用
い、前記基体8上に酸化インジウムを主体としてなる透
明電極を蒸着し、透明電極層9とした。さらに前記透明
電極の上に第1図の光半導体3として、まずアモルファ
スシリコンをCVD法により厚さ0.01μm形成した後、不
純物としてホウ素をドープしP型半導体層10を、更に連
続して前記CVD法によりI型アモルファスシリコン層11
を0.1μm形成した2層構造の光半導体を用いた。引き
つずき前記アモルファスシリコン層上にAgIーAg2OーB2O
3で表されるガラス状銀イオン伝導性固体電解質を用い
て固体電解質層12をRFスパッタ法により種種の膜厚で形
成した。更に前記固体電解質層上に金属銀を真空蒸着法
を用いて厚さ5μm形成し対電極層13とし、最後にエポ
キシ樹脂14で全体をコートすることで、本実施例の光記
憶素子とした。
以上のようにして作成した本実施例の光記憶素子に対
して、デジタル信号の書き込み感度および再生感度を評
価する目的で以下の測定を行なった。まず、透明電極9
と対電極13を電気的に接続した後、波長780(nm)、強
度1mWのGaAlAs半導体レーザーを用い、光透過性基体1
表面における照射スポットの直径をAN(開口率)0.55、
100倍の対物レンズで0.5μmに収光し、素子を2m/secの
一定線速度で回転しながら様々の間隔でパルス照射を行
ない、前記光半導体層11と固体電解質層12の界面に銀の
析出パターンを形成した。このような方法で作成した析
出パターンのパルス幅を測定し、(照射光のパルス幅)
/(析出パターンのパルス幅)を書き込み感度として算
出した。この書き込み感度と固体電解質層12の膜厚との
関係を表1に示す。
表1に於て、短絡とは、光半導体面と電極面が光照射
の際のイオン析出反応により電気的に短絡し、素子とし
ては消去不可能になったものである。またさらに、固体
電解質層12の膜厚が5μmの素子に対して、上記評価試
験と同一の方法で信号の書き込みを行ない、その記録を
再生しC/N比を算出した。再生方法は、記録書き込みに
用いたものと同一の半導体レーザーを使用し、また検出
用として780nmの波長に対して充分な感度を有する4分
割型シリコンPINフォトダイオード用い、素子面での反
射光を測定することにより前記パルス照射に対するC/N
比を算出した。その結果を第3図に示した。第3図に於
て、、縦軸はC/N比を示したもの、また横軸は照射光の
パルス幅を示したものである。なお、測定に際しては、
測定光の操作速度が素子面上で常に1.25m/秒の速度を維
持するようサーボ制御を行ない、また操作光のトラッキ
ング制御は公知の3ビーム方式、フォーカッシング制御
は公知の非点収差方式を用いた。さらに、ノイズはRMS
値(実効値)、アンプ系は、100MHz帯域の物を用いた。
この結果、本素子は幅0.5μm程度の記録ビットによる
デジタル信号記録用素子として使用できることが分かっ
た。
次に、本素子の書換機能を評価した。試験はまず、前
記光学装置を用い照射光のパルス幅を0.5μmとして信
号の記録再生を行ないC/N比を測定、その後、5000ルク
スの白色蛍光灯照射下に於て、光半導体と電極に対し
て、光半導体をプラスとして0.5ボルトの電圧を10秒間
印加することにより記録を消去した後、再び同様の同一
の条件で記録再生を行ないC/N比を測定した。以下この
操作を繰り返し、サイクル数に対する、C/N比の変化を
測定し、その結果を第4図に示した。これにより本素子
は、3000回程度の書き換えの後も、充分な感度を有する
ことが分かった。
以上、本素子は0.5μm程度の記録ビット幅を有する
書き換え可能な光記憶素子として機能することが分かっ
た。
(実施例2ー10) 実施例1では、光半導体としてPーI接合型アモルフ
ァスシリコン、電極材料として銀、固体電 解質としてガラス状銀イオン伝導性固体電解質を用いた
が、これらの構成材料以外に上記実施例で記載した材料
を用いても同様の機能を有する光記憶素子を容易に作成
することができる。以下、様々な構成材料を用いて実施
例1と同様にして光記憶素子を作成した。それぞれの素
子の構成材料を表2に示した。これらの素子に対して、
実施例1と同一の測定装置を用い、線速度26.1m/secで
素子を回転し、17MHzの光信号の記録再生を行なった。
そのときのC/N比と記録再生消去のサイクル数の関係を
表3に示す。
なお、実施例(2)から(11)の素子は、構成材料が
異なる以外その大きさ及び構成は全て実施例(1)の素
子のものと同一である。またその製膜方法は、光半導体
であるInPはCVD法、PーN接合型GaAsはMOCVD法により
製膜した後それぞれ亜鉛及びイオウをドープすることに
よりPーN接合型にしたもの、ZnSーCdS及びCdSーCdTe
は真空蒸着法により連続的に作成した。第1電極の構成
材料である銅及び銀 は真空蒸着法、固体電解質材料のCuIーCu2OーMoO3、AgI
ーAg2OーB2O3はRFスッパタ法、RbAg4I5は真空蒸着法、
また対電極材料のTiS2及びNbS2はプラズマCVD法、NbS
e2、AgMo6S8、Cu4Mo6S8はRFスッパタ法を用いて作成し
た。
表2及び表3を見ると分かるように実施例(2)ー
(10)の光記憶素子は実施例1のものと同様、書き換え
可能な光記憶素子としての機能を有していた。
(実施例12) 固体電解質として厚さ方向つまり光半導体電極から対
電極への方向に対して伝導性が優れた異方性固体電解質
を用いて、より高密度なアナログ信号を記憶する素子を
作成した。
第5図は、本発明の実施例である光記憶素子の断面図
である。外径120mm、内系15mm、厚さ1.2mmのポリカーボ
ネイト15を用い、前記基体15上に酸化インジウムを主体
としてなる透明電極を蒸着し、透明電極層16とした。さ
らに前記透明電極の上に第1図の光半導体3として、ま
ずアモルファスシリコンをCVD法により厚さ0.01μm形
成した後、不純物としてホウ素をドープしP型半導体層
17を、更に連続して前記CVD法によりI型アモルファス
シリコン層18を0.1μm形成した2層構造の光半導体を
用いた。引きつずき前記アモルファスシリコン層上にAg
IーAg2OーB2O3で表される固体電解質とスチレンブタジ
エン共重合体ゴムにより形成された厚さ5μmの異方性
固体電解質シートを設置し固体電解質層19とした。な
お、この異方性固体電解質シートの作成方法は、発明者
の特許出願昭和61−223101における実施例1に示した作
成方法を用い、1ブロックの大きさは約0.5μm×0.5μ
mである。次ぎに、前記固体電解質層上にRFスパッタ法
を用いてCu2Mo6S8で示されるシェブレル相化合物を厚さ
5μm形成し対電極層20とし、最後にエポキシ樹脂21で
全体をコートすることで、本実施例の光記憶素子とし
た。
本光記憶素子のアナログ信号に対する応答を確認する
ため、以下に示す測定を行なった。
波長550(nm)、照射強度を0.1から1mW/cm2まで連続
的に変えることができる単色光源を用い、光透過性基体
15表面における照射スポットの直径をAN(開口率)0.5
5、100倍の対物レンズで0.5μmに収光し、素子を26.1m
/secの一定線速度で回転しながら種種の周波数で前記光
源の出力を0.1から10mWまで変化させ照射を行なうこと
により、アナログ信号の記録を行なった後、これを実施
例1の再生装置と同一のものを用い再生し、そのときの
C/N比を算出した。その結果を第6図に示した。図にお
いて、縦軸は前記C/N比を示し、また横軸は記録周波数
を示している。次ぎに、記録周波数を10MHzに固定し、
光源の出力を0.1から10mWまで変化させ照射を行ない、
その光源の出力と再生出力の相対比を測定することによ
り、アナログ信号の記録性能を評価した。その結果を第
7図に示した。さらに第8図は、前記光源の出力を1m
W、記録周波数を10MHzに固定し、記録再生の後前記実施
例と同様光半導体と対電極層20に一定の電圧を印加する
ことにより記録を消去するサイクルを行なったときの再
生感度の変化を示したものである。この結果、本素子
は、アナログ信号の記録素子として機能することがわっ
かた。
また、本実施例で行なったように素子を回転しながら
信号を記録する方式以外に、二次元的な画像信号を照射
することにより、本素子は画像記憶素子として用いるこ
とができることは言うまでもない。
(実施例13) 第9図は、本発明の実施例である光記憶素子の断面図
である。第1図における光透過性基体1に対応するもの
として外径120mm、内系15mm、厚さ1.2mmのポリカーボネ
イト22を用い、前記基体22上に酸化インジウムを主体と
してなる透明電極を蒸着し、透明電極層23とした。さら
に前記透明電極の上に第1図の光半導体3として、まず
アモルファスシリコンをCVD法により厚さ0.01μm形成
した後、不純物としてリンをドープしN型半導体層24
を、更に連続して前記CVD法によりI型アモルファスシ
リコン層25を0.1μm形成した2層構造の光半導体を用
いた。つぎに、前記アモルファスシリコン層上に銀を真
空蒸着法により膜厚0.1μm形成し、第1電極層26とし
た。引きつずき前記第1電極層上にAgIーAg2OーB2O3
表されるガラス状銀イオン伝導性固体電解質とスチレン
ブタジエン共重合体ゴムにより形成された厚さ5μmの
異方性固体電解質シートを設置し固体電解質層27とし
た。なお、ここで用いた異方性固体電解質シートの作成
方法は実施例12におけるものと同一のものであり、1ブ
ロックの大きさは約0.5μm×0.5μmである。更に前記
固体電解質層上に金属銀を真空蒸着法を用いて厚さ5μ
m形成し第2電極層28とし、最後にエポキシ樹脂29で全
体をコートすることで、本実施例の光記憶素子とした。
以上のようにして作成した本実施例の光記憶素子に対
して、実施例1と同様に、デジタル信号の書き込み感度
および再生感度を評価する目的で以下の測定を行なっ
た。まず、透明電極23と第2電極28を電気的に接続した
後、波長780(nm)、強度1mWのGaAlAs半導体レーザーを
用い、光透過性基体1表面における照射スポットの直径
をAN(開口率)0.55、100倍の対物レンズで0.5μmに収
光し、素子を2m/secの一定線速度で回転しながら様々な
周波数でパルス照射を行ない、前記第1電極の溶解パタ
ーンを形成した。その記録を再生しC/N比を算出した。
再生方法は、記録書き込みに用いたものと同一の半導体
レーザーを使用し、また検出用として780nmの波長に対
して充分な感度を有する4分割型シリコンPINフォトダ
イオード用い、素子面での反射光を測定することにより
前記パルス照射に対するC/N比を算出した。その結果を
第10図に示した。第10図に於て、縦軸はC/N比を示した
もの、また横軸は記録信号の周波数を示したものであ
る。さらに前記測定に於て、記録周波数を10MHzに固定
し、記録、再生、消去のサイクルを繰り返したときの感
度を第11図に示した。なお、記録信号の消去は、5000ル
クスの白色蛍光灯照射下に於て、透明電極23と第2電極
28に対して、第2電極をプラスとして0.5ボルトの電圧
を10秒間印加することにより行なった。以上の結果よ
り、本実施例の光記憶素子も充分その機能を有している
ことが分かった。
発明の効果 以上のように本発明は、従来にない全く新規な構成の
書換可能な光記憶素子であり、それによつて簡易かつ安
価な書き換え可能な光記記録再生装置を構成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の光記憶素子の概略図、第2
図は同光記憶素子の断面図、第3図及び第4図は同光記
憶素子のその特性図、第5図は本発明の異なる実施例の
光記憶素子の断面図、第6図〜第8図はその特性図、第
9図は本発明のさらに異なる実施例の光記憶素子の断面
図、第10図及び第11図はその特性図である。 1……光透過性基体、2……透明電極、3……光半導
体、4……固体電解質、5……対電極、6……保護層、
7……イオン析出部分、8……ポリカーボネイト、9…
…ITO透明電極、10……P型アモルファスシリコン、11
……I型アモルファスシリコン、12……AgI−Ag2O−B2O
3、13……Ag、14……エポキシ樹脂、15……ポリカーボ
ネイト、16……ITO透明電極、17……P型アモルファス
シリコン、18……I型アモルファスシリコン、19……異
方性固体電解質、20……AgMo6S8、21……エポキシ樹
脂、22……ポリカーボネイト、23……ITO透明電極、24
……N型アモルファスシリコン、25……I型アモルファ
スシリコン、26……Ag、27……AgI−Ag2O−B2O3、28…
…Ag、29……エポキシ樹脂。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光透過性基体、光半導体、固体電解質、お
    よび前記固体電解質と可逆的な電気化学反応を起こす対
    電極を順次積層してなり、前記光半導体に光を照射し、
    前記光半導体と前記固体電解質の界面において前記固体
    電解質の可動イオンを還元析出させることにより前記光
    信号を記録し、かつ前記記録信号の再生は、素子面に光
    を照射しその反射光または透過光の変化を読み取ること
    により行なうことを特徴とする光記憶素子。
  2. 【請求項2】光透過性基体、光半導体、金属からなる第
    1電極、前記金属と同じ元素のイオンを可動イオンとす
    る固体電解質、および前記固体電解質と可逆的な電気化
    学反応を起こす第2電極を順次積層してなり、前記光半
    導体に光を照射し、前記第1電極の金属を酸化溶解させ
    ることにより前記光信号を記録し、かつ前記記録信号の
    再生は、素子面に光を照射しその反射光または透過光の
    変化を読み取ることにより行なうことを特徴とする光記
    憶素子。
  3. 【請求項3】前記固体電解質が異方性固体電解質である
    請求項1または2記載の光記憶素子。
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