JP2005353203A - 光記録媒体、光記録再生装置、および光記録再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 記録媒体の溶融やガスの発生による問題、およびフォトダイオードによって良好な再生信号を得られないという問題を生じることなく、高密度記録を実現できる光記録媒体、光記録再生装置、および光記録再生方法を提供する。
【解決手段】 光記録媒体10は、石英基板11からなり、石英基板11の一方の板面付近には、たとえば、5nmの厚さの注入部13が配置される。注入部13には、例えばCeイオンがイオン注入によって注入される。このような構造によって、Ceイオンは、所定の加熱処理を行うと、石英の構成元素(O)とCeイオンが結合し、所定の波長の光を受けた場合に、そのような結合がない場合と比べて大きな強度の蛍光を発するようになる。この原理に基づき、蛍光強度の大きい部分が、記録(すなわち、上記加熱処理)の行われた部分であると判定することによって、高密度化された記録再生が可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】 光記録媒体10は、石英基板11からなり、石英基板11の一方の板面付近には、たとえば、5nmの厚さの注入部13が配置される。注入部13には、例えばCeイオンがイオン注入によって注入される。このような構造によって、Ceイオンは、所定の加熱処理を行うと、石英の構成元素(O)とCeイオンが結合し、所定の波長の光を受けた場合に、そのような結合がない場合と比べて大きな強度の蛍光を発するようになる。この原理に基づき、蛍光強度の大きい部分が、記録(すなわち、上記加熱処理)の行われた部分であると判定することによって、高密度化された記録再生が可能となる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、高い記録密度を実現する光記録媒体および、当該光記録媒体に記録されたデータの再生等を行う光記録再生装置および光記録再生方法に関する。
近年、AV(Audio Visual)機器が一般的に普及し、テレビジョン放送の録画データやビデオカメラで撮影したデータが、DVD(Digital Versatile Disk)等の光記録媒体に記録されることが多くなってきている。しかしながら、現在のDVDの記録容量では、標準的な画質の動画データについては数時間分の記録ができるに過ぎず、こうした記録媒体の更なる高容量化が期待されている。
DVDのような光記録媒体の高容量化を実現するための1つの手段は、光記録において高記録密度化を達成することである。このためには、対物レンズの高NA(Numerical Aperture)化をはかり、記録再生のためのレーザ光を短波長化する必要がある。
後述するように、対物レンズの高NA化を実現するには、近接場光学系による記録再生が必要とされるが、このような近接場において、光による非破壊読み出しを可能としたフォトクロミック媒体とその記録方法が、特許文献1において提案されている。
対物レンズの高NA化を進めていくと、近接場光学系(ニアフィールド)による記録再生を行うことになる。ニアフィールドは、たとえば、レーザ共振器近傍を指すが、この場合、対物レンズと記録媒体との距離が非常に小さくなるため、読み出し光の焦点(スポット)の大きさが小さくなり、その結果、記録時には、媒体が高温になり、局所的に媒体の溶融が発生する。
このような溶融は、現在の相変化型記録材料の記録において必要なものである。すなわち、このような溶融によって記録媒体表面に凹凸形状が形成され、記録が行われるのである。しかしながら、たとえば、NAが2を超えるような高NAの対物レンズによって形成された凹凸形状は、それ自体が収差の原因となり記録密度を十分高くすることができない。
また、このような凹凸形状のために、記録媒体とレンズが接触したり、記録媒体の溶融に伴って発生するガスによってレンズが損傷を受けたりする危険性もある。
一方、レーザ光の短波長化を進めていく場合、ピン・フォトダイオードやアバランシェ・フォトダイオードといった、シリコンを活性層とするフォトダイオードでは、たとえば400nm以下の波長に関して量子効率が著しく低下し、十分な再生信号を得ることができないという問題がある。
したがって、この発明の目的は、上記2つの問題点を排除しつつ、光記録媒体の記録密度を高くする光記録媒体、光記録再生装置、および光記録再生方法を提供することにある。
第1の実施態様に係る発明は、所定の結晶構造からなる材料の基板を有し、基板が、基板の一方の板面付近に、ドーピングされたイオンを配置した部分を含むよう構成された光記録媒体である。
第2の実施態様に係る発明は、前述した第1の実施態様において、イオンが、Ce3+イオン、Pr3+イオン、またはEu2+イオンであるよう構成された光記録媒体である。
第3の実施態様に係る発明は、前述した第1の実施態様において、材料が、石英であるよう構成された光記録媒体である。
第4の実施態様に係る発明は、前述した第1の実施態様において、部分は、所定の熱処理がされた場合に、材料の構成元素とイオンとの結合関係が変化し、熱処理がされた部分に所定の波長帯の光を照射した場合に得られる蛍光強度と、熱処理がされていない部分に光を照射した場合に得られる蛍光強度が異なるよう構成された光記録媒体である。
第5の実施態様に係る発明は、前述した第1の実施態様において、イオンは、イオン注入によって部分に配置されるよう構成された光記録媒体である。
第6の実施態様に係る発明は、前述した第4の実施態様において、部分は、熱処理がされる前は、材料の構成元素とイオンとは結合しておらず、熱処理がされた後は、材料の少なくとも1つの種類の構成元素とイオンが結合するよう構成された光記録媒体である。
第7の実施態様に係る発明は、レーザ光を射出するレーザ射出部と、レーザ射出部からのレーザ光を集光し、光記録媒体に向けて照射するレンズと、光記録媒体からの蛍光を受光して、受光した蛍光の強度を検出する光検出部とを有し、レンズと光記録媒体とが近接して配置されることにより近接場光学系が形成され、光検出部は、受光した蛍光の所定の波長における強度に基づいて、光記録媒体の対応する部分の記録の有無を判定することにより、光記録媒体の再生を行うよう構成された光記録再生装置である。
第8の実施態様に係る発明は、レーザ光を射出するレーザ射出ステップと、レンズによって、レーザ光を集光し、光記録媒体に向けて照射する集光ステップと、光記録媒体からの蛍光の強度を検出する光検出ステップとを有し、レンズと光記録媒体とが近接して配置されることにより近接場光学系が形成され、光検出ステップは、蛍光の所定の波長における強度に基づいて、光記録媒体の対応する部分の記録の有無を判定することにより、光記録媒体の再生を行うよう構成された光記録再生方法である。
この発明によって、記録媒体の溶融やガスの発生による問題、およびフォトダイオードによって良好な再生信号を得られないという問題を生じることなく、高密度記録を実現できる光記録媒体、光記録再生装置、および光記録再生方法が提供される。
最初に、この発明の一実施形態に係る光記録媒体の構成について、図1を参照して説明する。図1Aに示す光記録媒体10は、円盤状の石英の結晶(SiO2)からなる石英基板11から構成される。石英基板11の厚さは、たとえば1.2mmである。また、石英基板11は、その上部にCe(Ce3+:セリウム)イオン12が注入された注入部13を含んでおり、注入部13の厚さは、たとえば、5nmである。Ceイオンは、ここではイオン注入によって石英の結晶に取り込まれるものとするが、その他のドーピング処理によって石英の結晶中に配置することも可能である。
図1Bには、この発明の別の実施態様の光記録媒体20が示されている。光記録媒体20は、石英基板21の下にさらに別の基板24を備えたものである。石英基板21は、図1Aで示した石英基板11と同様の構造であり、その上部にCeイオン22が注入された注入部23を含んでいる。石英基板21は、たとえば、プラズマCVD、スパッター、または蒸着といった方法で、基板24上に形成される。基板24は、たとえば、ポリカーボネイト樹脂や金属からなる基板である。
この発明の光記録媒体の特徴は、上述した石英基板11や石英基板21のような構造を有することである。したがって、このような基板の上側あるいは下側に任意の構成の膜を生成したものも、この発明の技術的範囲に含まれる。
石英は、メルティングポイントが高いため、上述したような溶融やガス発生の問題は、容易には生じない。また、表面が比較的平坦であるため、光記録媒体の基板材料として適している。さらにまた、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長法)等による結晶成長を使用せずに光記録媒体を製造することができるため、安価にこの媒体を製造することができる。
この発明では、所定の光パルス照射により、フォトルミネッセンスによる光強度が所定の波長帯で増大する特性を示す光記録媒体が提供される。これにより、再生光の波長よりも長波長のフォトルミネッセンスの有無を検出して記録情報を読み出すことにより、フォトダイオードのようなフォトディテクタによって十分なS/N(Signal to Noise)の再生信号を得ることができる。フォトルミネッセンスとは、物質が外部からの光によるエネルギーを受けて励起され、その後、その受け取ったエネルギーを光として放出する現象であり、励起光がその物質に入射されると、その物質に固有で、その励起光より長波長の光が放出される。
また、この発明では、上記のようなフォトルミネッセンスに変化を生じさせながら、記録パルスの照射を受けても溶融やガス発生を生じない記録媒体を提供する。近接場を記録再生光学系に用いると、記録パルスを照射した場合記録媒体の温度上昇は1000K近くにも達するが、上述したように、この発明の光記録媒体には、石英基板が用いられており、そのような温度でも収差の問題を生じるような溶融等が生じることはない。
次に、上述した光記録媒体10の製造方法について説明する。記録材料は、短波長で吸収が少なく平面性の高い石英を母体とし、スピン許容遷移でなおかつパリティ許容遷移であるCeイオンを発光中心イオンとする。許容遷移、すなわち遷移確率の高いイオンを用いる理由は、光ディスクのデータ転送レートの高速化のためである。この点については、後で図5に関連して説明する。
まず、石英基板11の一方の板面に対し、イオン注入法によってCeイオンを注入する。このとき、たとえば、ドーズ量は、10+16(1cm2当たりの注入イオンの量)であり、注入時の加速エネルギーは100keVである。こうしたイオン注入によって、Ceイオンは、石英結晶の格子と格子の間に入り、この時点では、結晶を構成するSiや酸素との結合はない。
以下では、こうして製造された光記録媒体10の記録再生装置および記録再生方法について説明する。
図2には、この発明の光記録媒体10に対し記録または再生を行う記録再生装置30の概略が示されている。記録再生装置30は、光記録媒体10にデータを書込みまたは読み取るためのレンズ32を有しており、この場合は、このレンズ32が光記録媒体10に極めて近接して設置される近接場光学系31を形成している。レーザ33からのレーザ光Aは、データの書込み、または読み取りのためにダイクロイックミラー34を介して光記録媒体10に照射される。ここで、レーザ33は、たとえば、He−Cdレーザ(波長325nm、CW)や、Tiサファイアレーザ(3倍波)である。また、ダイクロイックミラー34は、ある特定波長域の光を反射し、その他の光を透過するミラーである。
レーザ33からのレーザ光Aは、ダイクロイックミラー34で反射して、反射光Bとなり、レンズ32を介して光記録媒体10に照射される。光記録媒体10からの蛍光Cは、レンズ32、およびダイクロイックミラー34を介して、フォトディテクタ35で受光される。
ダイクロイックミラー34によって実現される各レーザ光の光路制御は、他のさまざまな構成によって実現可能であり、図示する構成に限定されるものではない。たとえば、レーザ光Aを透過し、レーザ光Cを反射するように構成することも可能である。
ここで、レーザ射出部はレーザ33に対応し、光検出部はフォトディテクタ35に対応する。
また、レーザ33は通常、光記録媒体10の記録(書込み)を行う場合は、再生(読み取り)時より大きなパワーでレーザ光を射出する。この高いパワーのレーザ光により、Ceイオンが結晶中で酸素と結合するようになる。図2の例では、記録および再生が可能な記録再生装置について説明したが、光記録媒体10の上記特性を利用して、光記録媒体10の再生のみを行う再生装置を構成することも可能である。
次に、図3を参照して、光記録媒体10の記録再生の動作について説明する。光記録媒体10に記録を行う際には、図2に示した記録再生装置30の光学系に離軸法、非点収差法、ナイフエッジ法などを用いてフォーカスサーボをとり、またプッシュプル法や3スポット法を用いてトラッキングサーボをとりながらパルスレーザ(記録パルス)を照射する。たとえば、図3に示す記録マーク41のそれぞれに対応してパルスレーザ42の照射が行われる。
再生時は、図4に示すように、図2に示す記録再生装置30の光学系で所定の波長のレーザ光53を光記録媒体10に連続照射し、図2のダイクロイックミラー34で、所定の波長のフォトルミネッセンスを透過する。フォトディテクタ35は、光記録媒体10からの蛍光52を記録マーク51に対応して検出することにより、良好なS/N比で信号の再生を行う。フォトディテクタ35およびフォトディテクタ35からの信号を受信する制御装置は、記録マーク51に対応する部分について、光の強度が大きいことを検出し、それによって、その部分に記録がされていると判定する。
蛍光52を用いて光記録媒体10に記録されたデータの再生を行う場合、励起光パルスに対する蛍光の時間応答が重要となる。次に、記録材料のフォトルミネッセンスの時間応答(蛍光寿命)の条件について説明する。
光記録媒体10の記録材料は、読み出し光(たとえば、図4のレーザ光53)のスポット(焦点)内を通過する際に、ガウシアンパルスあるいはsinc関数で表される形のパルス照射を受けるが、便宜的に矩形パルスの再生光すなわち励起光の照射を受けると近似して説明する。
たとえば、図5に示すように、矩形の励起光パルス61を光記録媒体10に照射した場合、光記録媒体10から受光する蛍光62の立ち上がり時定数をτとする。τは、蛍光62の最大光エネルギーEとすれば、たとえば、この光エネルギーが0からEの80%に達するまでの時間とすることができる。
時定数τは、光記録媒体10の上の一点が読出し励起光スポットを通過する時間τ0に比べて、十分短いことが必要である。たとえば、図5の点線63に示すように、時定数τがτ0より長い場合には、十分な蛍光62(すなわち良好な検出信号)が得られる前に、光記録媒体10は読出し励起光スポットを通過してしまう。蛍光62の立ち上がりの時定数は、飽和レベルまで励起する場合には、フォトルミネッセンスの時間応答(いわゆる蛍光寿命)と同等である場合が多い。また、読出し励起光パルス61の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとすると、エアリー像である中心スポットのサイズは次の式1で表される。
1.22(λ/NA) ・・・(式1)
1.22(λ/NA) ・・・(式1)
したがって、光記録媒体10の線速度をvとすると、十分な再生信号を得るためには、以下の式2で表される条件を満足しなければならない。
τ<(1.22(λ/NA))/v ・・・(式2)
τ<(1.22(λ/NA))/v ・・・(式2)
ここで、現実的な光記録媒体の線速度を考慮すると、パルス照射後、約10-7秒後の蛍光強度が重要となる。したがって、この発明の光記録媒体10では、フォトルミネッセンスの時間応答(蛍光寿命)は、約10-7秒以下であることが求められる。Ceイオンは、このような時間応答を実現できるという理由から選択されている。
ここで、この発明の光記録媒体10の光吸収スペクトルを図6に示す。縦軸はアブソーバンス(absorbance:吸収度)であり、横軸は波長(nm)である。アブソーバンスは、透過光の強度と入射光の強度との比を対数で表すものであり、たとえば、1の光の入射に対して、メディア透過後の光が0.1となる場合に1となり、以下の式3で表される。
アブソーバンス=−log10(透過光の強度/入射光の強度) ・・・(式3)
図6の曲線71から、波長250nm付近のCeイオンの吸収帯(肩)72と波長330付近のCeイオンの吸収帯(肩)73が存在することが認められる。したがって、これらの波長帯のレーザ光を用いて記録を行うことが効果的である。
アブソーバンス=−log10(透過光の強度/入射光の強度) ・・・(式3)
図6の曲線71から、波長250nm付近のCeイオンの吸収帯(肩)72と波長330付近のCeイオンの吸収帯(肩)73が存在することが認められる。したがって、これらの波長帯のレーザ光を用いて記録を行うことが効果的である。
次に、図7のグラフを参照して、この発明の光記録媒体10に光パルスを照射する前後のフォトルミネッセンスのスペクトル変化を説明する。図7の縦軸は光の強度であり、横軸は波長(nm)である。縦軸は、さらに、cps(count per second:毎秒のフォトン数(10+2))という単位であり、対数表示されている。
図7は、この発明の光記録媒体10について、たとえば、350nmないし700nmといった波長の再生レーザ光を照射した場合の反射光を、2つのパターンについて表したものである。第1のパターンは、光記録媒体10にそのまま上記再生レーザ光を照射した場合、すなわち、記録前の光記録媒体10からの反射光であり、曲線81で表されている。一方、第2のパターンは、光記録媒体10の膜面に、KrFエキシマレーザを用いて、波長248nm、エネルギー密度34.5mJ/cm2、パルス幅25n秒の光パルスを1ショット照射した後に、上記再生レーザ光を照射した場合の反射光であり、曲線82で表されている。
図7を見ると、約450nm前後の青色領域での波長帯にわたって、曲線82の反射光の強度(蛍光強度)の方が曲線81の強度より大きくなっていることがわかる。この発明の再生方法では、この強度の差から、光記録媒体の記録の有無を判定する。
次に、図8および図9を参照して、この発明の光記録媒体10の記録前後の結晶構造の変化を説明する。図8は、記録処理(すなわち、結晶に対する加熱処理(たとえば、レーザアニール処理))を行う前(Ceイオンの注入後)の結晶構造を表しており、図9は、記録処理を行った後の結晶構造を表している。この発明は、図9に示す結晶構造の方が、所定の波長帯において、強度の大きいフォトルミネッセンスを示すという原理を利用するものである。
石英は、三方晶系、六方晶系など数種類の結晶構造を取り得る。図8および図9では、二次元の結晶中にCeイオンが取り込まれたとき、すなわち、記録前後でのCeイオン周辺の結晶構造を模式的に示している。
図8では、Ceイオン91が注入された直後の結晶構造が示されている。Ceイオンは、結晶の格子と格子の間に入っているが、この結晶の構成元素であるSi92やO(酸素)93との結合はされていない。
一方、図9では、図8の状態において、加熱処理が行われた後の結晶構造が示されている。レーザアニール処理のような加熱(高温)処理がされると、Ceイオンは、図9に示すように、結晶中で酸素と結合するようになる。Siは通常4価、Ceは最も安定な状態では3価なので、SiO2中で、CeがSiのサイトに入った場合は、一つの隣接酸素がダングリングボンドを持つ(図9の94)。また、このような状態が安定化するために、Ceイオン周辺の結晶が不規則に歪むこと等も考えられる。図9のように、Ceイオンが結晶中に取り込まれることにより、図8のような構成の場合に得られる蛍光より大きな光強度の蛍光を発生するようになり、結果的に、Ceイオンを結晶中に取り込ませる加熱処理が、記録処理に対応することになる。
ここまで、この発明の光記録媒体を、石英を基板材料にしたものを例にとって説明してきたが、基板材料は石英に限定されるものではない。結晶構造を有する他の材料を用いることも可能であり、たとえば、SrS(硫化ストロンチウム)のような材料を基板(母体)として採用することができる。
また、Ceイオン以外のイオンを基板材料に注入することによって、この発明の光記録媒体を構成することも可能である。たとえば、Pr3+(プラセオジウム)イオン、Eu2+(ユーロピウム)イオン等が考えられる。
10・・・光記録媒体、11・・・石英基板、12・・・Ceイオン、13・・・注入部、20・・・光記録媒体、21・・・石英基板、22・・・Ceイオン、23・・・注入部、24・・・基板、30・・・記録再生装置、32・・・レンズ、33・・・レーザ、34・・・ダイクロイックミラー、35・・・フォトディテクタ
Claims (8)
- 所定の結晶構造からなる材料の基板を有し、
前記基板が、前記基板の一方の板面付近に、ドーピングされたイオンを配置した部分を含むことを特徴とする光記録媒体。 - 請求項1に記載の光記録媒体において、
前記イオンが、Ce3+イオン、Pr3+イオン、またはEu2+イオンのいずれかであることを特徴とする光記録媒体。 - 請求項1に記載の光記録媒体において、
前記材料が、石英であることを特徴とする光記録媒体。 - 請求項1に記載の光記録媒体において、
前記部分は、所定の熱処理がされた場合に、前記材料の構成元素と前記イオンとの結合関係が変化し、
前記熱処理がされた前記部分に所定の波長帯の光を照射した場合に得られる蛍光強度と、前記熱処理がされていない前記部分に前記光を照射した場合に得られる蛍光強度が異なることを特徴とする光記録媒体。 - 請求項1に記載の光記録媒体において、
前記イオンは、イオン注入によって前記部分に配置されることを特徴とする光記録媒体。 - 請求項4に記載の光記録媒体において、
前記部分は、
前記熱処理がされる前は、前記材料の構成元素と前記イオンとは結合しておらず、
前記熱処理がされた後は、前記材料の少なくとも1つの種類の構成元素と前記イオンが結合することを特徴とする光記録媒体。 - レーザ光を射出するレーザ射出部と、
前記レーザ射出部からのレーザ光を集光し、光記録媒体に向けて照射するレンズと、
前記光記録媒体からの蛍光を受光して、前記受光した蛍光の強度を検出する光検出部とを有し、
前記レンズと前記光記録媒体とが近接して配置されることにより近接場光学系が形成され、
前記光検出部は、前記受光した蛍光の所定の波長における強度に基づいて、前記光記録媒体の対応する部分の記録の有無を判定することにより、前記光記録媒体の再生を行うことを特徴とする光記録再生装置。 - レーザ光を射出するレーザ射出ステップと、
レンズによって、前記レーザ光を集光し、光記録媒体に向けて照射する集光ステップと、
前記光記録媒体からの蛍光の強度を検出する光検出ステップとを有し、
前記レンズと前記光記録媒体とが近接して配置されることにより近接場光学系が形成され、
前記光検出ステップは、前記蛍光の所定の波長における強度に基づいて、前記光記録媒体の対応する部分の記録の有無を判定することにより、前記光記録媒体の再生を行うことを特徴とする光記録再生方法。
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