ところが、特許文献1に記載された内燃機関の燃料供給制御装置では、供給された燃料が壁面に付着してしまう問題を解決するために、吸気弁及び排気弁のバルブオーバラップ量が制御されているものの、特許文献1には、吸入空気量が少ないとき、あるいは、吸気管負圧が低いときに燃料供給時期をどのように制御すべきかについて開示されていない。一方で、燃料を蒸発させて均質な混合気を形成するために燃料を早めに供給する場合、吸入空気量が多いときには、供給された燃料が壁面に付着してもその付着燃料が吸入空気によって再び持ち去られるものの、吸入空気量が少ないときには、供給された燃料が持ち去られることなく壁面に付着したままになってしまう。また、吸気管負圧が高いときには、供給された燃料が蒸発し易いために壁面に付着しづらいものの、吸気管負圧が低いときには、供給された燃料が蒸発しづらいために壁面に付着してしまう。従って、吸入空気量が少ないとき、あるいは、吸気管負圧が低いときに燃料供給時期をどのように制御すべきかについて開示されていない特許文献1に記載された内燃機関の燃料供給制御装置によっては、吸入空気量が少ないときや、吸気管負圧が低いときに、供給された燃料が壁面に付着してしまうのを効果的に抑制することができないおそれがあった。
前記問題点に鑑み、本発明は吸入空気量が少ないときや、吸気管負圧が低いときに、供給された燃料が壁面に付着してしまうのを効果的に抑制することができる内燃機関の燃料供給制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載された内燃機関の燃料供給制御装置を提供する。
請求項1に記載の発明によれば、燃料供給が行われる内燃機関の燃料供給制御装置において、吸気弁のバルブ開特性に応じて燃料供給時期を決定し、吸気弁の作用角が所定値以下のときには、吸気行程に同期させて燃料を供給することを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、吸気弁の作用角が前記所定値よりも大きいときには、吸気行程が開始する前に燃料供給を完了させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
請求項1及び2に記載の内燃機関の燃料供給制御装置では、燃料を蒸発させて均質な混合気を形成するために燃料を早めに供給する場合、吸気管負圧が高いときには、供給された燃料が蒸発し易いために壁面に付着しづらいものの、吸気管負圧が低いときには、供給された燃料が蒸発しづらいために壁面に付着してしまう点に鑑み、吸気弁のバルブ開特性に応じて燃料供給時期が決定される。詳細には、吸気弁の作用角が所定値以下のときには吸気行程に同期させて燃料が供給され、吸気弁の作用角がその所定値よりも大きいときには吸気行程が開始する前に燃料供給が完了せしめられる。言い換えれば、吸気弁の作用角が所定値以下のときには吸気弁の開弁期間中に燃料噴射弁から燃料が噴射され、吸気弁の作用角がその所定値よりも大きいときには吸気弁の開弁動作が開始する前に燃料噴射弁からの燃料噴射が完了せしめられる。その結果、吸気弁の作用角が小さいために吸気管負圧が低くなるときに供給された燃料が壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸気弁の作用角が大きいために吸気管負圧が高くなるときに供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、燃料供給が行われる内燃機関の燃料供給制御装置において、吸気弁のバルブ開特性に応じて燃料供給時期を決定し、吸気弁の作用角が小さくなるに従って燃料供給時期を遅角させることを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
請求項3に記載の内燃機関の燃料供給制御装置では、燃料供給時期が吸気弁の所定作用角を境としてステップ状に切換えられるのではなく、吸気弁の作用角が小さくなるに従って燃料供給時期が遅角せしめられる。このことによっても、吸気弁の作用角が小さいために吸気管負圧が低くなるときに供給された燃料が壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸気弁の作用角が大きいために吸気管負圧が高くなるときに供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
なお、本発明の一実施形態によれば、燃料供給が行われる内燃機関の燃料供給制御装置において、吸入空気量に応じて燃料供給時期を決定したことを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
また、この実施形態の一変形例によれば、吸入空気量が所定量以下のときには、吸気行程に同期させて燃料を供給することを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
この変形例の更なる変形例によれば、吸入空気量が前記所定量よりも多いときには、吸気行程が開始する前に燃料供給を完了させることを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
上記実施形態の別の変形例によれば、吸入空気量が所定量以下のときには、吸気弁の開弁期間中に燃料噴射弁から燃料を噴射することを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
この変形例の更なる変形例によれば、吸入空気量が前記所定量よりも多いときには、吸気弁の開弁動作が開始する前に燃料噴射弁からの燃料噴射を完了させることを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
上述した実施形態及びその変形例等の内燃機関の燃料供給制御装置では、燃料を蒸発させて均質な混合気を形成するために燃料を早めに供給する場合、吸入空気量が多いときには、供給された燃料が壁面に付着してもその付着燃料が吸入空気によって再び持ち去られるものの、吸入空気量が少ないときには、供給された燃料が持ち去られることなく壁面に付着したままになってしまう点に鑑み、燃料供給時期が吸入空気量に応じて決定される。詳細には、吸入空気量が所定量以下のときには吸気行程に同期させて燃料が供給され、吸入空気量がその所定量よりも多いときには吸気行程が開始する前に燃料供給が完了せしめられる。言い換えれば、吸入空気量が所定量以下のときには吸気弁の開弁期間中に燃料噴射弁から燃料が噴射され、吸入空気量がその所定量よりも多いときには吸気弁の開弁動作が開始する前に燃料噴射弁からの燃料噴射が完了せしめられる。そのため、吸入空気量が少ないときに供給された燃料が壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸入空気量が多いときに供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
上記実施形態の更に別の変形例によれば、吸入空気量が少なくなるに従って燃料供給時期を遅角させることを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
この変形例の内燃機関の燃料供給制御装置では、燃料供給時期が所定吸入空気量を境としてステップ状に切換えられるのではなく、吸入空気量が少なくなるに従って燃料供給時期が遅角せしめられる。このことによっても、吸入空気量が少ないときに供給された燃料が壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸入空気量が多いときに供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
本発明の他の実施形態によれば、燃料供給が行われる内燃機関の燃料供給制御装置において、吸気管負圧に応じて燃料供給時期を決定したことを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
また、この実施形態の一変形例によれば、吸気管負圧が所定値以下のときには、吸気行程に同期させて燃料を供給することを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
この変形例の更なる変形例によれば、吸気管負圧が前記所定値よりも高いときには、吸気行程が開始する前に燃料供給を完了させることを特徴とするに記載の内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
上記他の実施形態の別の変形例によれば、吸気管負圧が所定値以下のときには、吸気弁の開弁期間中に燃料噴射弁から燃料を噴射することを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
この変形例の更なる変形例によれば、吸気管負圧が前記所定値よりも高いときには、吸気弁の開弁動作が開始する前に燃料噴射弁からの燃料噴射を完了させることを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
上述した他の実施形態及びその変形例等の内燃機関の燃料供給制御装置では、燃料を蒸発させて均質な混合気を形成するために燃料を早めに供給する場合、吸気管負圧が高いときには、供給された燃料が蒸発し易いために壁面に付着しづらいものの、吸気管負圧が低いときには、供給された燃料が蒸発しづらいために壁面に付着してしまう点に鑑み、吸気管負圧に応じて燃料供給時期が決定される。詳細には、吸気管負圧が所定値以下のときには吸気行程に同期させて燃料が供給され、吸気管負圧がその所定値よりも高いときには吸気行程が開始する前に燃料供給が完了せしめられる。言い換えれば、吸気管負圧が所定値以下のときには吸気弁の開弁期間中に燃料噴射弁から燃料が噴射され、吸気管負圧がその所定値よりも高いときには吸気弁の開弁動作が開始する前に燃料噴射弁からの燃料噴射が完了せしめられる。そのため、吸気管負圧が低いときに供給された燃料が壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸気管負圧が高いときに供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
上記他の実施形態の更に別の変形例によれば、吸気管負圧が低くなるに従って燃料供給時期を遅角させることを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
この変形例の内燃機関の燃料供給制御装置では、燃料供給時期が吸気管負圧の所定値を境としてステップ状に切換えられるのではなく、吸気管負圧が低くなるに従って燃料供給時期が遅角せしめられる。このことによっても、吸気管負圧が低いときに供給された燃料が壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸気管負圧が高いときに供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
本発明の更に他の実施形態によれば、燃料供給が行われる内燃機関の燃料供給制御装置において、吸入空気量が所定量以下のときであって吸気管負圧が所定値以下のときには、吸気行程に同期させて燃料を供給することを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
この実施形態の内燃機関の燃料供給制御装置では、吸入空気量が所定量以下のときであって吸気管負圧が所定値以下のときには吸気行程に同期させて燃料が供給される。そのため、吸入空気量が少ないときであって吸気管負圧が低いときに供給された燃料が壁面に付着してしまうのを効果的に抑制することができる。
本発明の別の実施形態によれば、燃料供給が行われる内燃機関の燃料供給制御装置において、吸入空気量が所定量よりも多いとき、あるいは、吸気管負圧が所定値よりも高いときには、吸気行程が開始する前に燃料供給を完了させることを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
この実施形態の内燃機関の燃料供給制御装置では、吸入空気量が所定量よりも多いとき、あるいは、吸気管負圧が所定値よりも高いときには、吸気行程が開始する前に燃料供給が完了せしめられる。そのため、吸入空気量が多いとき、あるいは、吸気管負圧が高いときに、供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
本発明の更に別の実施形態によれば、燃料供給が行われる内燃機関の燃料供給制御装置において、スロットル弁開度に応じて燃料供給時期を決定したことを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
また、この実施形態の一変形例によれば、スロットル弁開度が所定値以上のときには、吸気行程に同期させて燃料を供給することを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
この変形例の更なる変形例によれば、スロットル弁開度が前記所定値よりも小さいときには、吸気行程が開始する前に燃料供給を完了させることを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
上記更に別の実施形態の他の変形例によれば、スロットル弁開度が所定値以上のときには、吸気弁の開弁期間中に燃料噴射弁から燃料を噴射することを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
この変形例の更なる変形例によれば、スロットル弁開度が前記所定値よりも小さいときには、吸気弁の開弁動作が開始する前に燃料噴射弁からの燃料噴射を完了させることを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
上述した更に別の実施形態及びその変形例等の内燃機関の燃料供給制御装置では、燃料を蒸発させて均質な混合気を形成するために燃料を早めに供給する場合、吸気管負圧が高いときには、供給された燃料が蒸発し易いために壁面に付着しづらいものの、吸気管負圧が低いときには、供給された燃料が蒸発しづらいために壁面に付着してしまう点に鑑み、スロットル弁開度に応じて燃料供給時期が決定される。詳細には、スロットル弁開度が所定値以上のときには吸気行程に同期させて燃料が供給され、スロットル弁開度がその所定値よりも小さいときには吸気行程が開始する前に燃料供給が完了せしめられる。言い換えれば、スロットル弁開度が所定値以上のときには吸気弁の開弁期間中に燃料噴射弁から燃料が噴射され、スロットル弁開度がその所定値よりも小さいときには吸気弁の開弁動作が開始する前に燃料噴射弁からの燃料噴射が完了せしめられる。その結果、スロットル弁開度が大きいために吸気管負圧が低くなるときに供給された燃料が壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、スロットル弁開度が小さいために吸気管負圧が高くなるときに供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
上記更に別の実施形態の更に他の変形例によれば、スロットル弁開度が大きくなるに従って燃料供給時期を遅角させることを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置が提供される。
この変形例の内燃機関の燃料供給制御装置では、燃料供給時期が所定スロットル弁開度を境としてステップ状に切換えられるのではなく、スロットル弁開度が大きくなるに従って燃料供給時期が遅角せしめられる。このことによっても、スロットル弁開度が大きいために吸気管負圧が低くなるときに供給された燃料が壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、スロットル弁開度が小さいために吸気管負圧が高くなるときに供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
請求項1〜3に記載の発明は、吸気弁の作用角が小さいために吸気管負圧が低くなるときに供給された燃料が壁面に付着してしまうのを効果的に抑制することができるという共通の効果を奏する。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の内燃機関の燃料供給制御装置の第一の実施形態の概略構成図、図2は図1に示した内燃機関の燃料供給制御装置の吸気系等の詳細図である。図1及び図2において、1は内燃機関、2は吸気弁、3は排気弁、4は吸気弁を開閉させるためのカム、5は排気弁を開閉させるためのカム、6は吸気弁用カム4を担持しているカムシャフト、7は排気弁用カム5を担持しているカムシャフトである。図3は図1に示した吸気弁用カム及びカムシャフトの詳細図である。図3に示すように、本実施形態のカム4のカムプロフィルは、カムシャフト中心軸線の方向に変化している。つまり、本実施形態のカム4は、図3の左端のノーズ高さが右端のノーズ高さよりも大きくなっている。すなわち、本実施形態の吸気弁2のバルブリフト量は、バルブリフタがカム4の左端と接しているときよりも、バルブリフタがカム4の右端と接しているときの方が小さくなる。
図1及び図2の説明に戻り、8は気筒内に形成された燃焼室、9はバルブリフト量を変更するために吸気弁2に対してカム4をカムシャフト中心軸線の方向に移動させるためのバルブリフト量変更装置である。つまり、バルブリフト量変更装置9を作動することにより、カム4の左端(図3)においてカム4とバルブリフタとを接触させたり、カム4の右端(図3)においてカム4とバルブリフタとを接触させたりすることができる。バルブリフト量変更装置9によって吸気弁2のバルブリフト量が変更されると、それに伴って、吸気弁2の開口面積が変更されることになる。本実施形態の吸気弁2では、バルブリフト量が増加されるに従って吸気弁2の開口面積が増加するようになっている。10はバルブリフト量変更装置9を駆動するためのドライバ、11は吸気弁2の開弁期間を変更することなく吸気弁の開閉タイミングをシフトさせるための開閉タイミングシフト装置である。つまり、開閉タイミングシフト装置11を作動することにより、吸気弁2の開閉タイミングを進角側にシフトさせたり、遅角側にシフトさせたりすることができる。12は開閉タイミングシフト装置11を作動するための油圧を制御するオイルコントロールバルブである。尚、本実施形態における可変動弁機構には、バルブリフト量変更装置9及び開閉タイミングシフト装置11の両者が含まれることになる。
13はクランクシャフト、14はオイルパン、15は燃料噴射弁、16は吸気弁2のバルブリフト量及び開閉タイミングシフト量を検出するためのセンサ、17は機関回転数を検出するためのセンサである。18は吸気管内の負圧を検出するための吸気管圧センサ、19はエアフローメータ、20は内燃機関冷却水の温度を検出するための冷却水温センサ、21は気筒内に供給される吸入空気の吸気管内における温度を検出するための吸入空気温センサ、22はECU(電子制御装置)である。50はシリンダ、51,52は吸気管、53はサージタンク、54は排気管、55は点火栓、56はアクセルペダル開度とは無関係に開度が変更せしめられるスロットル弁である。図2に詳細に示すように、第一の実施形態の燃料噴射弁15は吸気管51内に配置されている。
図4は図1に示したバルブリフト量変更装置等の詳細図である。図4において、30は吸気弁用カムシャフト6に連結された磁性体、31は磁性体30を左側に付勢するためのコイル、32は磁性体30を右側に付勢するための圧縮ばねである。コイル31に対する通電量が増加されるに従って、カム4及びカムシャフト6が左側に移動する量が増加し、吸気弁2のバルブリフト量が減少せしめられることになる。
図5はバルブリフト量変更装置が作動されるのに伴って吸気弁のバルブリフト量が変化する様子を示した図である。図5に示すように、コイル31に対する通電量が減少されるに従って、吸気弁2のバルブリフト量が増加せしめられる(実線→破線→一点鎖線)。また本実施形態では、バルブリフト量変更装置9が作動されるのに伴って、吸気弁2の開弁期間も変更せしめられる。つまり、吸気弁2の作用角も変更せしめられる。詳細には、吸気弁2のバルブリフト量が増加せしめられるのに伴って、吸気弁2の作用角が増加せしめられる(実線→破線→一点鎖線)。更に本実施形態では、バルブリフト量変更装置9が作動されるのに伴って、吸気弁2のバルブリフト量がピークとなるタイミングも変更せしめられる。詳細には、吸気弁2のバルブリフト量が増加せしめられるのに伴って、吸気弁2のバルブリフト量がピークとなるタイミングが遅角せしめられる(実線→破線→一点鎖線)。
図6は図1に示した開閉タイミングシフト装置等の詳細図である。図6において、40は吸気弁2の開閉タイミングを進角側にシフトさせるための進角側油路、41は吸気弁2の開閉タイミングを遅角側にシフトさせるための遅角側油路、42はオイルポンプである。進角側油路40内の油圧が増加されるに従い、吸気弁2の開閉タイミングが進角側にシフトせしめられる。つまり、クランクシャフト13に対するカムシャフト6の回転位相が進角せしめられる。一方、遅角側油路41の油圧が増加されるに従い、吸気弁2の開閉タイミングが遅角側にシフトせしめられる。つまり、クランクシャフト13に対するカムシャフト6の回転位相が遅角せしめられる。
図7は開閉タイミングシフト装置が作動されるのに伴って吸気弁の開閉タイミングがシフトする様子を示した図である。図7に示すように、進角側油路40内の油圧が増加されるに従って吸気弁2の開閉タイミングが進角側にシフトされる(実線→破線→一点鎖線)。このとき、吸気弁2の開弁期間は変更されない、つまり、吸気弁2が開弁している期間の長さは変更されない。
図8は第一の実施形態の変形例の図2と同様の図である。図8において、図2に示した参照番号と同一の参照番号は、図2に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示している。15’は吸気管51内ではなくシリンダ50内に配置されている燃料噴射弁である。
上述した第一の実施形態において、例えば吸入空気量が少ないとき、燃料噴射弁15から噴射された燃料を蒸発させて均質な混合気を形成することを目的として燃料を燃料噴射弁15から早めに噴射してしまうと、噴射された燃料が吸気管51の壁面に付着し、吸入空気によって持ち去られることなく付着したままになるおそれが生じてしまう。また、上述した第一の実施形態の変形例においては、例えば吸入空気量が少ないとき、燃料噴射弁15’から噴射された燃料を蒸発させて均質な混合気を形成することを目的として燃料を燃料噴射弁15’から早めに噴射してしまうと、噴射された燃料がシリンダ50の壁面に付着し、吸入空気によって持ち去られることなく付着したままになるおそれが生じてしまう。そこで第一の実施形態及びその変形例では、後述するような燃料供給制御が行われる。
図9は第一の実施形態及びその変形例の燃料供給制御方法を示したフローチャートである。このルーチンは所定時間間隔で実行される。図9に示すように、このルーチンが開始されると、まずステップ100においてエアフローメータ19の出力値に基づいて算出された吸入空気量が所定量以下であるか否かが判断される。YESのときにはステップ101に進み、NOのときにはステップ103に進む。ステップ101では、吸気管圧センサ18の出力値に基づいて算出された吸気管負圧が所定値以下であるか否かが判断される。YESのときにはステップ102に進み、NOのときにはステップ103に進む。尚、吸気管負圧が高いとは、吸気管内の絶対圧力が低いことをいい、吸気管負圧が低くなるに従って吸気管内の圧力は大気圧に近づくことになる。
ステップ102では、燃料噴射時期が吸気弁2の開弁期間に同期せしめられる。つまり、吸気弁2の開弁期間中に燃料噴射弁15,15’から燃料が噴射される。言い換えれば、吸気行程に同期させて燃料が供給されることになる。一方、ステップ103では、吸気弁2の開弁動作が開始する前に燃料噴射が完了せしめられる。言い換えれば、吸気行程が開始する前に燃料供給が完了せしめられる。
第一の実施形態によれば、燃料供給時期が吸入空気量に応じて決定される。詳細には、ステップ100において吸入空気量が所定量以下であると判断されたときには、ステップ102において吸気行程に同期させて燃料が供給される。一方、ステップ100において吸入空気量がその所定量よりも多いと判断されたときには、ステップ103において吸気行程が開始する前に燃料供給が完了せしめられる。言い換えれば、ステップ100において吸入空気量が所定量以下であると判断されたときには、ステップ102において吸気弁2の開弁期間中に燃料噴射弁15から燃料が噴射される。一方、ステップ100において吸入空気量がその所定量よりも多いと判断されたときには、ステップ103において吸気弁2の開弁動作が開始する前に燃料噴射弁15からの燃料噴射が完了せしめられる。そのため、吸入空気量が少ないときに燃料噴射弁15から供給された燃料が吸気管51の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸入空気量が多いときに燃料噴射弁15から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
また第一の実施形態によれば、吸気管負圧に応じて燃料供給時期が決定される。詳細には、ステップ101において吸気管負圧が所定値以下であると判断されたときには、ステップ102において吸気行程に同期させて燃料が供給される。一方、ステップ101において吸気管負圧がその所定値よりも高いと判断されたときには、ステップ103において吸気行程が開始する前に燃料供給が完了せしめられる。言い換えれば、ステップ101において吸気管負圧が所定値以下であると判断されたときには、吸気弁2の開弁期間中に燃料噴射弁15から燃料が噴射される。一方、ステップ101において吸気管負圧がその所定値よりも高いと判断されたときには、吸気弁2の開弁動作が開始する前に燃料噴射弁15からの燃料噴射が完了せしめられる。そのため、吸気管負圧が低いときに燃料噴射弁15から供給された燃料が吸気管51の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸気管負圧が高いときに燃料噴射弁15から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
第一の実施形態の変形例によれば、燃料供給時期が吸入空気量に応じて決定される。詳細には、ステップ100において吸入空気量が所定量以下であると判断されたときには、ステップ102において吸気行程に同期させて燃料が供給される。一方、ステップ100において吸入空気量がその所定量よりも多いと判断されたときには、ステップ103において吸気行程が開始する前に燃料供給が完了せしめられる。言い換えれば、ステップ100において吸入空気量が所定量以下であると判断されたときには、ステップ102において吸気弁2の開弁期間中に燃料噴射弁15’から燃料が噴射される。一方、ステップ100において吸入空気量がその所定量よりも多いと判断されたときには、ステップ103において吸気弁2の開弁動作が開始する前に燃料噴射弁15’からの燃料噴射が完了せしめられる。そのため、吸入空気量が少ないときに燃料噴射弁15’から供給された燃料がシリンダ50の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸入空気量が多いときに燃料噴射弁15’から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
また第一の実施形態の変形例によれば、吸気管負圧に応じて燃料供給時期が決定される。詳細には、ステップ101において吸気管負圧が所定値以下であると判断されたときには、ステップ102において吸気行程に同期させて燃料が供給される。一方、ステップ101において吸気管負圧がその所定値よりも高いと判断されたときには、ステップ103において吸気行程が開始する前に燃料供給が完了せしめられる。言い換えれば、ステップ101において吸気管負圧が所定値以下であると判断されたときには、吸気弁2の開弁期間中に燃料噴射弁15’から燃料が噴射される。一方、ステップ101において吸気管負圧がその所定値よりも高いと判断されたときには、吸気弁2の開弁動作が開始する前に燃料噴射弁15’からの燃料噴射が完了せしめられる。そのため、吸気管負圧が低いときに燃料噴射弁15’から供給された燃料がシリンダ50の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸気管負圧が高いときに燃料噴射弁15’から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
以下、本発明の内燃機関の燃料供給制御装置の第二の実施形態及びその変形例について説明する。第二の実施形態の構成は図1〜図7に示した第一の実施形態の構成とほぼ同様であり、第二の実施形態の変形例の構成は図8に示した第一の実施形態の変形例の構成とほぼ同様である。従って、第二の実施形態及びその変形例によれば、後述する点を除き、第一の実施形態及びその変形例とほぼ同様の効果を奏することができる。
図10は第二の実施形態及びその変形例の燃料供給制御方法を示したフローチャートである。このルーチンは、第一の実施形態及びその変形例と同様に、所定時間間隔で実行される。図10に示すように、このルーチンが開始されると、まずステップ100において、第一の実施形態及びその変形例と同様に、エアフローメータ19の出力値に基づいて算出された吸入空気量が所定量以下であるか否かが判断される。YESのときにはステップ200に進み、NOのときにはステップ103に進む。ステップ200では、センサ16の出力値に基づいて算出された吸気管2の作用角が所定値以下であるか否かが判断される。YESのときにはステップ102に進み、NOのときにはステップ103に進む。ステップ102では、第一の実施形態及びその変形例と同様に、燃料噴射時期が吸気弁2の開弁期間に同期せしめられる。一方、ステップ103では、第一の実施形態及びその変形例と同様に、吸気弁2の開弁動作が開始する前に燃料噴射が完了せしめられる。
第二の実施形態によれば、吸気弁2のバルブ開特性に応じて燃料供給時期が決定される。詳細には、ステップ200において吸気弁2の作用角が所定値以下であると判断されたときには、ステップ102において吸気行程に同期させて燃料が供給される。一方、ステップ200において吸気弁2の作用角がその所定値よりも大きいと判断されたときには、ステップ103において吸気行程が開始する前に燃料供給が完了せしめられる。言い換えれば、ステップ200において吸気弁2の作用角が所定値以下であると判断されたときには、吸気弁2の開弁期間中に燃料噴射弁15から燃料が噴射される。一方、ステップ200において吸気弁2の作用角がその所定値よりも大きいと判断されたときには、吸気弁2の開弁動作が開始する前に燃料噴射弁15からの燃料噴射が完了せしめられる。その結果、吸気弁2の作用角が小さいために吸気管負圧が低くなるときに燃料噴射弁15から供給された燃料が吸気管51の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸気弁2の作用角が大きいために吸気管負圧が高くなるときに燃料噴射弁15から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
また第二の実施形態の変形例によれば、吸気弁2のバルブ開特性に応じて燃料供給時期が決定される。詳細には、ステップ200において吸気弁2の作用角が所定値以下であると判断されたときには、ステップ102において吸気行程に同期させて燃料が供給される。一方、ステップ200において吸気弁2の作用角がその所定値よりも大きいと判断されたときには、ステップ103において吸気行程が開始する前に燃料供給が完了せしめられる。言い換えれば、ステップ200において吸気弁2の作用角が所定値以下であると判断されたときには、吸気弁2の開弁期間中に燃料噴射弁15’から燃料が噴射される。一方、ステップ200において吸気弁2の作用角がその所定値よりも大きいと判断されたときには、吸気弁2の開弁動作が開始する前に燃料噴射弁15’からの燃料噴射が完了せしめられる。その結果、吸気弁2の作用角が小さいために吸気管負圧が低くなるときに燃料噴射弁15’から供給された燃料がシリンダ50の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸気弁2の作用角が大きいために吸気管負圧が高くなるときに燃料噴射弁15’から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
以下、本発明の内燃機関の燃料供給制御装置の第三の実施形態及びその変形例について説明する。第三の実施形態の構成は図1〜図7に示した第一の実施形態の構成とほぼ同様であり、第三の実施形態の変形例の構成は図8に示した第一の実施形態の変形例の構成とほぼ同様である。従って、第一の実施形態及びその変形例によれば、後述する点を除き、第三の実施形態及びその変形例とほぼ同様の効果を奏することができる。
図11は第三の実施形態及びその変形例の燃料供給制御方法を示したフローチャートである。このルーチンは、第一の実施形態及びその変形例と同様に、所定時間間隔で実行される。図11に示すように、このルーチンが開始されると、まずステップ100において、第一の実施形態及びその変形例と同様に、エアフローメータ19の出力値に基づいて算出された吸入空気量が所定量以下であるか否かが判断される。YESのときにはステップ300に進み、NOのときにはステップ103に進む。ステップ300では、スロットル弁56の開度が所定値以上であるか否かが判断される。YESのときにはステップ102に進み、NOのときにはステップ103に進む。ステップ102では、第一の実施形態及びその変形例と同様に、燃料噴射時期が吸気弁2の開弁期間に同期せしめられる。一方、ステップ103では、第一の実施形態及びその変形例と同様に、吸気弁2の開弁動作が開始する前に燃料噴射が完了せしめられる。
第三の実施形態によれば、スロットル弁56の開度に応じて燃料供給時期が決定される。詳細には、ステップ300においてスロットル弁56の開度が所定値以上であると判断されたときには、ステップ102において吸気行程に同期させて燃料が供給される。一方、ステップ300においてスロットル弁56の開度がその所定値よりも小さいと判断されたときには、ステップ103において吸気行程が開始する前に燃料供給が完了せしめられる。言い換えれば、ステップ300においてスロットル弁56の開度が所定値以上であると判断されたときには、吸気弁2の開弁期間中に燃料噴射弁15から燃料が噴射される。一方、ステップ300においてスロットル弁56の開度がその所定値よりも小さいと判断されたときには、吸気弁2の開弁動作が開始する前に燃料噴射弁15からの燃料噴射が完了せしめられる。その結果、スロットル弁56の開度が大きいために吸気管負圧が低くなるときに燃料噴射弁15から供給された燃料が吸気管51の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、スロットル弁56の開度が小さいために吸気管負圧が高くなるときに燃料噴射弁15から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
また第三の実施形態の変形例によれば、スロットル弁56の開度に応じて燃料供給時期が決定される。詳細には、ステップ300においてスロットル弁56の開度が所定値以上であると判断されたときには、ステップ102において吸気行程に同期させて燃料が供給される。一方、ステップ300においてスロットル弁56の開度がその所定値よりも小さいと判断されたときには、ステップ103において吸気行程が開始する前に燃料供給が完了せしめられる。言い換えれば、ステップ300においてスロットル弁56の開度が所定値以上であると判断されたときには、吸気弁2の開弁期間中に燃料噴射弁15’から燃料が噴射される。一方、ステップ300においてスロットル弁56の開度がその所定値よりも小さいと判断されたときには、吸気弁2の開弁動作が開始する前に燃料噴射弁15’からの燃料噴射が完了せしめられる。その結果、スロットル弁56の開度が大きいために吸気管負圧が低くなるときに燃料噴射弁15’から供給された燃料がシリンダ50の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、スロットル弁56の開度が小さいために吸気管負圧が高くなるときに燃料噴射弁15’から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
以下、本発明の内燃機関の燃料供給制御装置の第四の実施形態及びその変形例について説明する。第四の実施形態の構成は図1〜図7に示した第一の実施形態の構成とほぼ同様であり、第四の実施形態の変形例の構成は図8に示した第一の実施形態の変形例の構成とほぼ同様である。第四の実施形態及びその変形例では、上述した第一から第三の実施形態及びそれらの変形例のように燃料供給時期が所定吸入空気量を境としてステップ状に切換えられるのではなく、吸入空気量が少なくなるに従って燃料供給時期が遅角せしめられる。
図12は第四の実施形態及びその変形例における吸入空気量と燃料供給時期との関係を示した図である。図12に示すように、燃料噴射弁15,15’から供給される燃料の供給時期は、吸入空気量が少なくなるに従って遅角せしめられる。詳細には、吸入空気量が少なくなるに従って燃料供給時期が遅角せしめられ、燃料は吸気行程に同期して供給されるようになる。また、吸入空気量が多くなるに従って燃料供給時期が進角せしめられ、燃料供給は吸気行程が開始する前に完了せしめられるようになる。
第四の実施形態によっても、吸入空気量が少ないときに燃料噴射弁15から供給された燃料が吸気管51の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸入空気量が多いときに燃料噴射弁15から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。また第四の実施形態の変形例によっても、吸入空気量が少ないときに燃料噴射弁15’から供給された燃料がシリンダ50の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸入空気量が多いときに燃料噴射弁15’から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
以下、本発明の内燃機関の燃料供給制御装置の第五の実施形態及びその変形例について説明する。第五の実施形態の構成は図1〜図7に示した第一の実施形態の構成とほぼ同様であり、第五の実施形態の変形例の構成は図8に示した第一の実施形態の変形例の構成とほぼ同様である。第五の実施形態及びその変形例では、上述した第一の実施形態及びその変形例のように燃料供給時期が吸気管負圧の所定値を境としてステップ状に切換えられるのではなく、吸気管負圧が低くなるに従って燃料供給時期が遅角せしめられる。
図13は第五の実施形態及びその変形例における吸気管負圧と燃料供給時期との関係を示した図である。図13に示すように、燃料噴射弁15,15’から供給される燃料の供給時期は、吸気管負圧が低くなるに従って遅角せしめられる。詳細には、吸気管負圧が低くなるに従って燃料供給時期が遅角せしめられ、燃料は吸気行程に同期して供給されるようになる。また、吸気管負圧が高くなるに従って燃料供給時期が進角せしめられ、燃料供給は吸気行程が開始する前に完了せしめられるようになる。
第五の実施形態によっても、吸気管負圧が低いときに燃料噴射弁15から供給された燃料が吸気管51の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸気管負圧が高いときに燃料噴射弁15から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。また第五の実施形態の変形例によっても、吸気管負圧が低いときに燃料噴射弁15’から供給された燃料がシリンダ50の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸気管負圧が高いときに燃料噴射弁15’から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
以下、本発明の内燃機関の燃料供給制御装置の第六の実施形態及びその変形例について説明する。第六の実施形態の構成は図1〜図7に示した第一の実施形態の構成とほぼ同様であり、第六の実施形態の変形例の構成は図8に示した第一の実施形態の変形例の構成とほぼ同様である。第六の実施形態及びその変形例では、上述した第二の実施形態及びその変形例のように燃料供給時期が吸気弁2の所定作用角を境としてステップ状に切換えられるのではなく、吸気弁2の作用角が小さくなるに従って燃料供給時期が遅角せしめられる。
図14は第六の実施形態及びその変形例における吸気弁の作用角と燃料供給時期との関係を示した図である。図14に示すように、燃料噴射弁15,15’から供給される燃料の供給時期は、吸気弁2の作用角が小さくなるに従って遅角せしめられる。詳細には、吸気弁2の作用角が小さくなるに従って燃料供給時期が遅角せしめられ、燃料は吸気行程に同期して供給されるようになる。また、吸気弁2の作用角が大きくなるに従って燃料供給時期が進角せしめられ、燃料供給は吸気行程が開始する前に完了せしめられるようになる。
第六の実施形態によっても、吸気弁2の作用角が小さいために吸気管負圧が低くなるときに燃料噴射弁15から供給された燃料が吸気管51の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸気弁2の作用角が大きいために吸気管負圧が高くなるときに燃料噴射弁15から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。また第六の実施形態の変形例によっても、吸気弁2の作用角が小さいために吸気管負圧が低くなるときに燃料噴射弁15’から供給された燃料がシリンダ50の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、吸気弁2の作用角が大きいために吸気管負圧が高くなるときに燃料噴射弁15’から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
以下、本発明の内燃機関の燃料供給制御装置の第七の実施形態及びその変形例について説明する。第七の実施形態の構成は図1〜図7に示した第一の実施形態の構成とほぼ同様であり、第七の実施形態の変形例の構成は図8に示した第一の実施形態の変形例の構成とほぼ同様である。第七の実施形態及びその変形例では、上述した第三の実施形態及びその変形例のように燃料供給時期が所定スロットル弁開度を境としてステップ状に切換えられるのではなく、スロットル弁56の開度が大きくなるに従って燃料供給時期が遅角せしめられる。
図15は第七の実施形態及びその変形例におけるスロットル弁開度と燃料供給時期との関係を示した図である。図15に示すように、燃料噴射弁15,15’から供給される燃料の供給時期は、スロットル弁56の開度が大きくなるに従って遅角せしめられる。詳細には、スロットル弁56の開度が大きくなるに従って燃料供給時期が遅角せしめられ、燃料は吸気行程に同期して供給されるようになる。また、スロットル弁56の開度が小さくなるに従って燃料供給時期が進角せしめられ、燃料供給は吸気行程が開始する前に完了せしめられるようになる。
第七の実施形態によっても、スロットル弁56の開度が大きいために吸気管負圧が低くなるときに燃料噴射弁15から供給された燃料が吸気管51の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、スロットル弁56の開度が小さいために吸気管負圧が高くなるときに燃料噴射弁15から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。また第七の実施形態の変形例によっても、スロットル弁56の開度が大きいために吸気管負圧が低くなるときに燃料噴射弁15’から供給された燃料がシリンダ50の壁面に付着してしまうのを効果的に抑制すると共に、スロットル弁56の開度が小さいために吸気管負圧が高くなるときに燃料噴射弁15’から供給された燃料の霧化を促進し、燃焼性を向上させることができる。
尚、詳細には説明しないが、他の実施形態においては、上述した実施形態及びそれらの変形例を必要に応じて適宜組み合わせて実施することも可能である。