JP2005307802A - 内燃機関の吸気圧力推定装置 - Google Patents

内燃機関の吸気圧力推定装置 Download PDF

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孝志 中沢
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Abstract

【課題】 内燃機関の吸気弁近傍の脈動する吸気圧力を高精度に推定する。
【解決手段】 排気弁近傍の脈動する排気圧力Pexを推定し、該排気圧力Pexと吸気マニホールド集合部で検出される平滑された吸気圧力Pinmとの圧力比を吸気脈動の振幅パラメータとし、エンジン回転数NEを位相パラメータとして、吸気脈動の脈動変化分を脈動補正値DPintとして算出し、該脈動補正値DPintを吸気圧力Pinmに加算して吸気弁近傍の脈動する吸気圧力Pintを求める。
【選択図】 図12

Description

本発明は、内燃機関の吸気弁近傍の吸気圧力を推定する技術に関する。
内燃機関の筒内ガス組成は、新たに吸入される新気と残留ガスからなり、筒内ガス組成を知るには、残留ガス量を推定する必要がある。残留ガスには、筒内の隙間容積に残留するガスの他に、吸気弁開期間と排気弁開期間のオーバーラップ期間中に排気側と吸気側との間で吹き抜ける排気(以下、吹抜ガスとする)とがある。従って、残留ガス量を精度良く推定するには吹抜ガス量を精度良く求める必要がある。吹抜ガス量は、排気側と吸気側の圧力差に依存し、オーバーラップ期間における吸気弁近傍の吸気圧力を精度良く推定する必要がある。なお、残留ガス量を高精度に推定することで、新気(吸入空気)量も高精度に推定でき、燃料噴射量など各種エンジン制御を高精度に行うことができる。
ところで、特許文献1には、吸気脈動に共鳴するエンジン回転数(共鳴回転数)を吸気温度によって補正し、該補正量をエアフロメータにより検出される吸入空気流量の誤差補正に適用しており、吸気温度と基準状態での温度の率に応じて補正したエンジン回転数と、スロットル開度とに基づいて、吸入空気流量の誤差補正量を求めている
特開平10−153465号公報
しかしながら、上記特許文献1のものでは、オーバーラップ期間における排気脈動により排気圧力変化の影響(残留ガス量の変化)が反映されておらず、吸入空気流量を高精度に補正できるものではなかった。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、排気脈動の影響を反映して、吸気弁近傍の吸気圧力を高精度に推定することができる内燃機関の吸気圧力推定装置を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る内燃機関の吸気圧力推定装置は、排気弁近傍の排気圧力を算出し、該算出した排気圧力に基づいて吸気脈動による脈動補正値を算出し、該脈動補正値で補正した吸気圧力を算出する構成とした。
本発明によれば、吸気弁開直前のシリンダ内圧力と吸気管内の吸気圧力との比によって吸気脈動の大きさが決まるが、吸気弁開直前のシリンダ内圧力は、排気弁開時に排気脈動により変動する排気圧力を受けて変化するため、該排気圧力に基づいて吸気脈動による脈動補正値を算出できる。該算出した脈動補正値により吸気管内の吸気圧力を補正することで、吸気弁近傍の脈動する吸気圧力を高精度に算出することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジンの構成を示している。
吸気通路11の導入部には、エアクリーナ12が取り付けられており、エアクリーナ12により吸入空気中の粉塵等が除去される。吸気通路11において、エアクリーナ12の下流には、電子制御式のスロットル弁13が設置されている。スロットル弁13の下流には、サージタンク14が取り付けられており、サージタンク14にブランチ15が取り付けられ、吸気マニホールドが構成されている。サージタンク14内の吸入空気は、ブランチ15及びシリンダヘッドに形成された吸気ポート16を介して筒内に流入する。各気筒の吸気ポート16には、燃料供給用のインジェクタ17が設置されている。
エンジン本体において、燃焼室18は、シリンダヘッド及びピストン19により挟まれた空間として形成される。燃焼室18は、気筒中心軸を基準とした一側で吸気ポート16と接続しており、吸気ポート16は、吸気弁20により開放及び遮断される。吸気弁20は、吸気カム21により駆動される。また、燃焼室18は、吸気ポート16とは反対の一側で排気ポート22と接続しており、排気ポート22は、排気弁23により開放及び遮断される。排気弁23は、排気カム24により駆動される。吸気カム21に対して吸気側可変動弁装置25が、排気カム24に対して排気側可変動弁装置26が設けられており、これらの可変動弁装置25,26により吸気カム21又は排気カム24の各カムシャフトに対する位相を変化させることで、吸気弁20又は排気弁23の作動特性を変化させ得るように構成されている。可変動弁装置25,26は、油圧型及びソレノイド型等のいかなる形態のものを採用してもよいが、本実施形態では、吸気弁20又は排気弁23の開閉時期(即ち、バルブタイミング)を変化させることで、吸気弁開期間と排気弁開期間とのオーバーラップ期間(以下、単に「オーバーラップ期間」という)を変化させ得るものを採用している。シリンダヘッドには、燃焼室18の上部略中央に臨ませて点火プラグ27が設置されている。
排気通路28には、排気マニホールドの直後に第1の触媒コンバータ29が介装されるとともに、その下流に第2の触媒コンバータ30が介装されている。排気ポート22に流出した排気は、これらの触媒コンバータ29,30及びマフラー31を通過して、大気中に放出される。
インジェクタ17、点火プラグ27及び各可変動弁装置25,26の動作は、エンジンコントロールユニット(以下「ECU」という)41により制御される。ECU41には、エアフローメータ51からの吸入空気量検出信号、圧力センサ52からの吸気圧力検出信号、温度センサ53からの吸気温度検出信号、温度センサ54からの冷却水温度検出信号、クランク角センサ55からの単位クランク角及び基準クランク角検出信号(ECU41は、これをもとに、エンジン回転数NEを算出する)、圧力センサ56からの排気圧力検出信号、温度センサ57からの排気温度検出信号、酸素センサ58からの空燃比検出信号、アクセルセンサ59からのアクセル開度検出信号、及びカム角センサ60,61からのカム角検出信号(これをもとに、カムとカムシャフトとの実際の位相差を検出可能である)が入力される。上記圧力センサ52によって検出される吸気圧力は、前記容量の大きなサージタンク14において吸気脈動が平滑された圧力として検出されるが、さらに平均化処理を行って平滑化して用いてもよい。同様に、前記圧力センサ56によって検出される排気圧力も排気マニホールド集合部において排気脈動が平滑された圧力として検出されるが、さらに平均化処理を行って平滑化して用いてもよい。ECU41は、入力した各信号をもとに、上記の各デバイスの制御量を設定する。
以下に、ECU41による吸気弁近傍の脈動する吸気圧力、特に、残留ガス量(内部EGR量)の算出に必要な、オーバーラップ期間中の吸気圧力の推定について説明する。
吸気脈動は、吸気弁開直前のシリンダ内圧力と吸気管内の吸気圧力との圧力比を起振力として生じるので、該圧力比によって脈動の振幅(レベル)を求めることができる。ここで、吸気弁開直前のシリンダ内圧力は排気弁開時に連通する排気圧力と相関し、特にオーバーラップ期間中はそのまま排気圧力で代用できる。そこで、該排気圧力と吸気管内の平滑された吸気圧力との圧力比を吸気脈動の振幅パラメータとして、脈動補正値を算出し、該脈動補正値を平滑された吸気圧力に加算することによって、吸気弁近傍の脈動する吸気圧力を推定できる。ここで、排気圧力も排気脈動によって変化するので、特に、オーバーラップ期間中の吸気圧力を高精度に推定する場合は、該脈動で変化する排気圧力を算出して用いる必要がある。該排気脈動は、排気弁開直前のシリンダ内圧力と排気管内の平滑された排気圧力との比を起振力として生じるが、このとき吸気弁は閉弁しているので吸気圧力の影響は受けない。したがって、先に排気圧力を推定し、該推定した排気圧力に基づいて吸気圧力を推定する必要がある。
図2は、排気弁近傍の脈動を伴う排気圧力を算出するフローを示す。
ステップ1では、標準状態でのストイキ燃焼(理論空燃比での燃焼)時の軸トルクTes0を、吸気充填効率ITACとエンジン回転数NEとに基づいて図3に示す特性を有したマップから検索する。ここで、前記吸気充填効率ITACは、例えば、吸入空気量Qaとエンジン回転数NEとから算出される基本燃料噴射量Tpと、100%の充填効率に相当する燃料噴射量との比として算出する。
ステップ2では、スロットル弁全閉時のフリクショントルクTefを、冷却水温度Twとエンジン回転数NEとに基づいて、図4に示す特性を有したマップから検索する。
ステップ3では、ポンピングロストルクTepを、次式により算出する。
Tep=(Pexm−Pinm)×(Vol−Vivo×0.5)
/(60×2×2π) ・・・(1)
Pexm:排気圧力(平滑値:マニホールド圧力)
Pinm:吸気圧力(平滑値:マニホールド圧力)
Vol:行程容積
Vivo:下死点から吸気弁開時期までの行程容積
ステップ4では、ストイキ図示トルクTes1を、次式により算出する。
Tes1=Tes0+Tef−Tep ・・・(2)
ステップ5では、ストイキ図示トルクTes1を、燃焼混合気の当量比TFBYAXに応じて図5に示す特性を有した当量比補正テーブルより検索した当量比補正率Ktfを乗じることによって補正する。
ステップ6では、機関運転状態(回転速度、負荷)に基づいて算出された最大トルク発生用の基本点火時期MBTを、水温,ノッキング検出状態等に基づいて算出された要求リタード補正値により補正した補正後の点火時期における図示トルク(現状の機関発生トルク)Tes2を算出する。
ステップ7では、次式のように、前記図示トルクTes2を図示平均有効圧Pimに変換する。
Pim=k×Tes2/Vol(k:定数) ・・・(3)
ここで、前記図示平均有効圧Pimは、排気弁開直前のシリンダ内圧力そのものではないが、排気弁開直前のシリンダ内圧力と相関(比例)する値といえるので、本実施形態では排気弁開直前のシリンダ内圧力として図示平均有効圧Pimを用いる。なお、可変バルブタイミング機構を備えず吸気弁閉時期が一定でVol一定の場合は、単位は異なるが、図示トルクTes2も図示平均有効圧Pimに比例し、したがって、排気弁開直前のシリンダ内圧力とも相関(比例)する値といえるので、該図示トルクTes2を排気弁開直前のシリンダ内圧力の大きさを表すパラメータとして代用することもできる。
ステップ8では、図示平均有効圧Pimと排気圧力(平滑値)Pexmとから排気脈動の起振力の指標となる振幅パラメータである排気圧力比RPim/Pexmを算出する。
ステップ9では、前記排気圧力比RPim/Pexmとエンジン回転数NEとをパラメータとする排気脈動補正マップに、予め実験などシミュレーションによって求めた排気弁開時期における排気弁近傍の排気圧力の脈動変化分(平滑圧力との差分)を、排気脈動補正値(+、−値)としてセットする。
ステップ10では、現在の運転状態におけるエンジン回転数NEと吸気/排気圧比RPieとに基づいて、上記排気脈動補正マップから脈動補正値DPexを検索する。
ステップ11では、次式のように、前記排気圧力(平滑値)Pexmに脈動補正値DPexを加算して排気脈動圧Pexを算出する。
Pex=Pexm+DPex ・・・(4)
図6は、排気圧力比RPim/Pexmとエンジン回転数NEをパラメータとする排気弁近傍の排気圧力の特性を示す。
このようにすれば、比較的簡易な演算処理によって排気弁近傍の排気圧力を脈動を考慮して高精度にリアルタイムで推定することができる。
なお、上記実施形態では、排気圧力(平滑値)を圧力センサ56の検出値を用いることにより、より高精度に排気圧を推定できるが、簡易的には排気圧力(平滑値)は大気圧に近い値であるので、大気圧で代用してもよく、大気圧を固定値とした場合には振幅パラメータとして排気圧力比RPim/Pexmの代わりにシリンダ内圧力(上記実施形態ではPimで代用)そのものを用いればよい。
次に、上記のように算出された脈動分を含む排気圧力Pexを用いて吸気脈動の振幅パラメータを算出し、該振幅パラメータを用いて吸気圧力を推定する。
本実施形態では、上記脈動する吸気圧力を推定するに際し、吸気脈動の振幅パラメータと位相パラメータとを用いて脈動変化分(平滑圧力との差分)に相当する脈動補正値を算出し、前記圧力センサ52で検出した平滑された吸気圧力を脈動補正値で補正して推定する。
始めに、前記吸気脈動の位相パラメータについて概要を説明すると、吸気管形状と音速とに基づいて算出した基本周波数とエンジン回転数から同調次数を算出し、この同調次数を用いて吸気脈動圧(圧力波)の同調周波数を算出する。尚、吸気脈動圧の同調周波数とは、吸気脈動圧に同調するエンジン回転数(同調回転数)である。ここで、吸気脈動圧は吸気弁の開閉に同期した、つまり、エンジン回転数に応じた進行波であるため、該エンジン回転数に対する同調次数の特性を進行波に応じて補正し、かつ、後述するように音速が吸気温度によって変化するので、吸気温度によって補正したエンジン回転数を吸気脈動圧の位相パラメータとして用いる。
図7は、同調回転数(同調周波数)算出ルーチンのフローチャートである。
ECU41には、図11に示す同調次数テーブル(図11の実線で示す直線L2)が記憶されており、この同調次数テーブルを用いて、実際の運転条件に応じた同調回転数を、図7のステップ21及びステップ22のようにして算出する。
ここで、上記の同調次数テーブルの作成過程を図8のフローチャートに示し説明する。
同調次数テーブルは、基準吸気温度(例えば25℃)での同調次数の理論式を、シミュレーション又は実験の結果により補正して設定する。
ステップ31では、吸気弁閉時の等価管長Leを下記(1)式のように設定する。
Le=2(Lint+ΔLint) ・・・(5)
Lintは吸気通路の実管長、ΔLintは開放端補正である。
ステップ32では、音速Spsdと等価管長Leから基本周波数Fintを算出する下記(6)式と音速を算出する(7)式から、基準吸気温度25℃における基本周波数Fintを算出する。
Fint=Spsd/(2×Le) ・・・(6)
Spsd=√{κair×Rair×Tint} ・・・(7)
ここで、Tintは吸気温度、κairは比熱比、Rairはガス定数である。このステップ32で、Tint=25℃とする。
ステップ33では、吸気管内の圧力波を定在波と仮定した場合の同調次数特性を求める。これは、ステップ32の基本周波数Fintとエンジン回転数NEから、基準吸気温度25℃でのエンジン回転数NEに応じた、モデル化した等価管長Leでの同調次数Mint0を算出し、図9の点線で示す直線L1で表される同調次数特性を求める。尚、直線L1は、同調次数Mint0の逆数を示しており、次式により表される。
1/Mint0=(1/(120×Fint))×NE ・・・(8)
ステップ34では、ステップ33の同調次数特性に対して以下のように進行波補正を行い、図9に実線で示す直線L2の進行波補正後の同調次数特性を求め、基本同調次数を設定する。まず、実際の吸気管形状で得られるエンジン回転数NEに応じた基準吸気温度(本実施形態では25℃)での吸気/排気圧力比Pprをパラメータとしてシミュレーション又は実験等により求める。ここで、吸気/排気圧力比Pprは、圧力センサ52によって検出された吸気圧力と、圧力センサ56によって検出された排気圧力との比として算出され、後述するように吸気脈動圧の振幅パラメータとして用いられる。図10は、吸気脈動を大きく発生する全開時相当の吸気/排気圧力比Ppr=1における吸気弁近傍の吸気圧力の波形を示す。得られた図10の波形から実際の特性における所定の同調次数Mint=Aを読み取り、同調次数Mint=Aに相当する点のエンジン回転数NEa1を読み取る。ここで、同調次数Mintは、圧力波の谷にあたるときがn(整数)、山にあたるときがn+1/2となるので、前記所定の同調次数Mint=Aは、谷や山にあたる部分で、そのときのエンジン回転数からnを算出して、決定することができる。このエンジン回転数NEa1と、図9の直線L1における同一同調次数Aでのエンジン回転数NEa0の比を求め、下記(9)式により補正係数Kを設定する。この補正係数Kを用いて、ステップ33のモデル化した同調次数Mint0が実際の同調次数Mintと一致するよう、直線L1の傾きを下記(10)式により補正し、図9の直線L2で示す同調次数特性を求め、これを基本同調次数とする。
K=NEa0/NEa1 ・・・(9)
1/Mint=(1/(120×Fint))×K×NE ・・・(10)
ECU41には、このステップ4で求めた進行波補正後の基本同調次数特性(直線L2)が同調次数テーブルとして記憶される。尚、この基本同調次数特性は、テーブルに代えて、関数として記憶してもよい。
実際に同調回転数を算出する場合、図7のステップ21で、吸気温度Tint及びエンジン回転数NEを読み込む。ステップ22で、検出した吸気温度Tintにおける同調回転数NEKを算出する。ここでは、検出したエンジン回転数NERにおける同調次数Bを、図11の同調次数テーブルに示す基準吸気温度での基本同調次数特性(直線L2)から検索する。また、(6)式と(7)式から検出吸気温度Tint(例えば70℃)での基本周波数Fintを算出する。そして、検索した同調次数Bと算出した基本周波数Fintから、(10)式を用いて算出されたエンジン回転数NEa2を実際の同調回転数NEKとする。
このように、吸気の基本周波数とエンジン回転数から同調次数を算出し、この同調次数を用いて、エンジンの同調回転数を算出することで、吸気温度だけでなくエンジン回転数も考慮した同調回転数特性を算出できる。
また、ステップ14の進行波補正した同調次数特性(基本同調次数特性)を用いることにより、吸気開始から次の吸気開始までの期間における減衰を考慮したものとなり、他気筒の吸気行程の影響を考慮したものとなって、より一層同調回転数特性を高精度に算出しすることができる。そして、前記同調回転数特性は吸気圧力の脈動位相と相関するので、この特性を用いることで後述する吸気圧力脈動分の推定精度が向上する。
上記のように算出した同調回転数特性を用い、前記吸気/排気圧力比を吸気脈動の振幅パラメータとし、エンジン回転数を位相パラメータとして、脈動分を考慮した吸気弁近傍の吸気圧力を推定する。ここで、吸気脈動は、吸気弁開直前のシリンダ内圧力と吸気管内の吸気圧力との比を起振力として発生し、脈動の振幅は起振力に相関する。吸気弁開直前のシリンダ内圧力は排気弁が開弁しているので、排気圧力とすることができ、したがって、吸気/排気圧力比Pprを吸気脈動の振幅パラメータとして用いることができる。
また、該吸気/排気圧力比Pprを振幅パラメータとすれば、バルブタイミングを変化するなどして内部EGR率が変化しても、吸気弁開直前のシリンダ内圧力として用いる排気圧力は、内部EGR率変化による変化を含んで検出された値であるので、特許文献1のように内部EGR率変化による振幅変化の影響を捉えられないスロットル開度を振幅パラメータとするものに比較し、吸気脈動の振幅を高精度に捉えることができ、内部EGR率変化による補正、再適合の必要もない。
ECU41には、図11の同調次数テーブルに加えて、脈動補正マップが記憶されている。該脈動補正マップは、基準吸気温度25℃において、複数の異なる吸気/排気圧力比Ppr毎に、エンジン回転数に応じて脈動する吸気圧の特性をシミュレーションで求め(図12参照)、該脈動する吸気圧力の平滑圧に対する差分(+、−値)を脈動補正値DPintとして記憶したものである。
図13は、本発明にかかる吸気圧力推定ルーチンのフローチャートである。このルーチンは所定の時間毎に実行される。
ステップ41で、各種センサで検出された吸気温度Tint、吸気圧力(平滑値)Pinm、エンジン回転数NEと、上記のようにして算出された排気弁近傍の脈動分を含む排気圧力Pexを読込む。
ステップ42では、前述のようにして検出された吸気温度Tintでの同調回転数NEKを算出する。例えば、同調次数Mint=B、検出された吸気温度Tint=70℃であれば、エンジン回転数NEa2を同調回転数NEKとして算出する。
ステップ43では、ステップ42で算出した同調回転数NEK(=NEa2)と、検出された現在のエンジン回転数NERとの差DNEを算出し、脈動補正マップにおける、検出された吸気圧力Pinmと排気圧力Pexの比に対応する脈動補正値DPintの特性曲線(図14に破線で示す)を、エンジン回転数に関して差DNEだけシフトし、前記脈動補正マップにおける脈動補正値DPintの特性を、図14の実線のように修正する。
ステップ44では、修正した脈動補正値DPintの特性を用いて、検出されたエンジン回転数NERにおける脈動補正値DPint(図14の点X)を検索する。ここで、内容を明瞭にするためマップをシフトして検索する構成としたが、実際には、脈動補正マップの特性データ全体を差DNEシフトすることは複雑な処理になる。そこで、脈動補正マップは、そのままにしておき、エンジン回転数の検出値NERに対し、前記マップのシフト方向とは逆向きに差DNEだけシフトした回転数(DNEが正であればNEからDNEを差し引き、DNEが負であればNEにDNEを加算した回転数)NEHを用いて、点線で図示する元のマップから検索しても同一値Xが検索されることとなり、簡易な処理で済む。
ステップ45では、検出した吸気圧力Pinmに、検索した脈動補正値DPintを加算して、脈動分を考慮した吸気弁近傍の吸気圧力Pintを算出する。
Pint=Pinm+DPint ・・・(11)
このように、振幅パラメータとして吸気/排気圧力比Pprを用い、位相パラメータとしてエンジン回転数を用いて吸気圧力を推定するので、吸気弁近傍の吸気圧力の推定精度を向上できる。
本発明の一実施形態に係るエンジンの構成図 排気脈動圧推定ルーチンのフローチャート 軸トルクの特性を示す図 フリクショントルクの特性を示す図 当量比補正率の特性を示す図 排気弁近傍の排気圧力特性を示す図 同調回転数算出ルーチンのフローチャート 同調次数テーブル作成過程を説明するフローチャート 基本同調次数特性の作成の説明図 全開状態及び基準吸気温度での吸気弁近傍の吸気圧力とエンジン回転数の関係を示した図 同調次数テーブルを示す図 基準吸気温度での吸気/排気圧力比を振幅パラメータとする吸気弁近傍の吸気圧力とエンジン回転数の関係を示した図 吸気圧力検出ルーチンのフローチャート 脈動補正値の検索を説明する図
符号の説明
1 エンジン
11 吸気通路
13 スロットル弁
16 吸気ポート
18 燃焼室
20 吸気弁
22 排気ポート
23 排気弁
28 排気通路
41 エンジンコントロールユニット
52 (吸気)圧力センサ
53 吸気温度センサ
55 クランク角センサ
56 (排気)圧力センサ
59 アクセルセンサ
60,61…カム角センサ

Claims (6)

  1. 排気弁近傍の排気圧力を算出し、該算出した排気圧力に基づいて吸気脈動による脈動補正値を算出し、該脈動補正値で補正した吸気圧力を算出することを特徴とする内燃機関の吸気圧力推定装置。
  2. 吸気弁と排気弁との開期間がオーバーラップする間の吸気圧力を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気圧力推定装置。
  3. 前記排気圧力は、平滑された排気圧力に排気脈動による脈動補正値を加算して算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の吸気圧力推定装置。
  4. 前記平滑された排気圧を、大気圧で代用することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内燃機関の吸気圧力推定装置。
  5. 前記排気圧力と平滑吸気圧力との比を、吸気脈動の振幅パラメータとして前記脈動補正値を算出することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の内燃機関の吸気圧力推定装置。
  6. 前記排気圧力に基づく吸気脈動の振幅パラメータと、エンジン回転数を吸気脈動の位相パラメータとして、前記脈動補正値を算出することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の内燃機関の吸気圧力推定装置。
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