JP2005307438A - 車載機器無線制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の送信アンテナから送信要求信号を同時に送信する場合にも、携帯機の車両に対する位置に応じた適正な制御を行うことができる車載機器無線制御装置を提供する。
【解決手段】 車両のドアに配置されるロックスイッチが押し操作されると、そのドア付近を送信エリアとする車外用送信アンテナと、車両室内を送信エリアとする車内用送信アンテナとから、送信要求信号を同時に送信する(S110)。そして、携帯機からの応答信号が受信されないと判定した場合には(S130:NO,S150:NO)、車外用送信アンテナ及び車内用送信アンテナからの送信要求信号の出力を交互に低下させつつ送信要求信号を出力する(S170〜S210)。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車載機器の無線制御を行う車載機器無線制御装置に関するものである。
従来、車両側から無線送信される送信要求信号を受信して応答信号を返信する構成の携帯機(電子キー)をユーザ(主として車両の運転者)が所持することにより、携帯機の接近を車両側で把握して、ユーザにキーを取り出させることなくドアのロック・アンロック等の制御を可能とするいわゆるスマートキーシステムが知られている。
こうしたスマートキーシステムにおいては、車両に設けられる複数のドアのうち必要なドアのみのロック・アンロックを行う技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の構成では、車両の運転席ドア、トランク、車室内のそれぞれに取り付けられた送信アンテナのすべてから送信要求信号を同時に送信し、この送信要求信号に対して携帯機から受信される識別コードと、あらかじめ記憶されている識別コードとの照合を行う。そして、識別コードが一致した場合に、各送信アンテナから異なるタイミングで送信要求信号を送信することにより、携帯機の車両に対する位置を把握して、必要なドアのみを解錠する。
また、特許文献2に記載の構成では、車両の運転席ドア、助手席ドア、トランクドアのそれぞれに取り付けられた送信アンテナから異なるタイミングで送信要求信号を送信することにより各送信アンテナからの送信要求信号が重ならないようにし、この送信要求信号に対して携帯機から受信される識別コードと、あらかじめ記憶されている識別コードとの照合を行う。そして、識別コードが一致した場合に、送信要求信号を送信したアンテナに対応するドアのみを解錠する。
特許第3159142号公報 特許第3275777号公報
ところで、車両に複数の送信アンテナを配置した場合、各送信アンテナによる送信要求信号の送信エリアが重複することが考えられる。
この場合、上記特許文献1に記載の構成では、送信エリアが重複する範囲に携帯機が位置すると、混信により送信要求信号を正常に受信することができなくなってしまうという問題がある。
一方、上記特許文献2に記載の構成では、送信エリアが重複しても各送信アンテナからの送信要求信号が重ならないため、上述のような混信の問題は生じない。しかしながら、この構成では、複数のアンテナから常に異なるタイミングで送信要求信号を送信するようにしている分、ドアのロック・アンロック等の制御が行われるまでに時間がかかってしまう。
本発明は、こうした問題にかんがみてなされたものであり、複数の送信アンテナから送信要求信号を同時に送信する場合にも、携帯機の車両に対する位置に応じた適正な制御を行うことができる車載機器無線制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の車載機器無線制御装置では、車両に設けられる送信手段が、その車両の複数箇所に配置された送信アンテナからそれぞれ異なる送信要求信号を送信し、携帯機が、送信手段により送信される送信要求信号を受信して、その受信した送信要求信号に対応する応答信号を送信する。そして、車両に設けられる受信手段が、携帯機により送信される応答信号を受信し、制御手段が、受信手段により受信された応答信号に基づき車両に搭載される機器の制御を行う。
このような構成において、制御手段は、携帯機の車両に対する位置に応じた制御を行うことが可能となる。すなわち、携帯機により送信される応答信号に基づき、携帯機がどの送信アンテナからの送信要求信号を受信したか(換言すれば、携帯機がどの送信アンテナの送信エリアに存在しているか)を把握することができるからである。具体的には、例えば、車両に設けられる複数のドアのうち、近くに携帯機が存在しているドアのみのロック状態を切り替える制御を行うことが可能となる。
さらに、本車載機器無線制御装置では、送信手段により複数の送信アンテナ(例えば、送信要求信号の送信エリアが互いに重複する複数の送信アンテナ)から送信要求信号が同時に送信されたにもかかわらず受信手段により応答信号が受信されない場合には、出力変更手段が、送信要求信号を同時に送信した複数の送信アンテナのうちの少なくとも一部から送信される送信要求信号の出力を低下させる。
このため、本車載機器無線制御装置によれば、複数の送信アンテナから送信要求信号を同時に送信した場合にも、携帯機の車両に対する位置を確実に把握することができる。すなわち、例えば、送信要求信号の送信エリアが重複する範囲に携帯機が位置している状態では、携帯機は混信により送信要求信号を正常に受信することができず、応答信号を送信することができなくなってしまうが、本車載機器無線制御装置では、このような場合にその複数の送信アンテナのうちの少なくとも一部から送信される送信要求信号の出力を低下させることにより、携帯機の存在する位置で送信要求信号の混信が生じないようにするのである。この結果、携帯機の車両に対する位置に応じた適正な制御を行うことができる。
ここで、例えば請求項2に記載のように、出力変更手段が、送信要求信号を同時に送信した複数の送信アンテナのうちの一部から送信される送信要求信号の出力を0にする構成によれば、送信要求信号を確実に重複しないようにすることができる。この結果、携帯機が混信しているか否かを短時間で確実に把握することができる。
また、請求項3に記載の車載機器無線制御装置では、上記請求項1又は2の車載機器無線制御装置において、上記車両の複数箇所に配置された送信アンテナには、車両のドア付近を送信要求信号の送信エリアとするドア用送信アンテナと、車両の室内を送信要求信号の送信エリアとする室内用送信アンテナとが少なくとも含まれている。そして、制御手段は、ドア用送信アンテナからの送信要求信号に対応する応答信号が受信手段により受信されたことを含む所定の条件が成立した場合に、車両に搭載される機器の制御として、車両のドアのロック状態を切り替える制御(アンロックからロックへ切り替える制御、又は、ロックからアンロックへ切り替える制御)を行うように構成されており、制御手段がロック状態を切り替える制御を行うための応答信号の受信待ち状態となっている場合には、送信手段が、ドア用送信アンテナと室内用送信アンテナとから送信要求信号を同時に送信する。
なお、「ドア用送信アンテナからの送信要求信号に対応する応答信号が受信手段により受信されたことを含む所定の条件」としては、例えば、(1)ドア用送信アンテナからの送信要求信号に対応する応答信号が受信手段により受信され、かつ、(2)ユーザによる所定の操作(ドアに設けられたスイッチの操作や、ドアハンドルを握る操作等)が検出されたこと、という条件が挙げられる。
このため、本車載機器無線制御装置によれば、携帯機が車両の室内に存在する場合にドアのロック状態が切り替えられてしまうことを防ぐことができる。すなわち、携帯機が車両の室内に存在していても、例えば、ドア用送信アンテナの送信エリアの一部が車両の室内まで侵入している場合や、ドア用送信アンテナへの通信線(例えばワイヤーハーネス)からの電波の漏れが車両の室内で生じている場合等には、その携帯機によりドア用送信アンテナからの送信要求信号が受信された状態となってしまうことが考えられる。この場合、仮に、制御手段がロック状態を切り替える制御を行うための応答信号の受信待ち状態で、送信手段がドア用送信アンテナからのみ送信要求信号を送信する構成とすると、携帯機が車両の室内に存在していてもドアのロック状態が切り替えられてしまう可能性がある。特に、ドアのロック状態がアンロックからロックへ切り替えられると、携帯機が車両室内に閉じ込められた状態となってしまう。これに対し、本車載機器無線制御装置では、制御手段がロック状態を切り替える制御を行うための応答信号の受信待ち状態となっている場合には、ドア用送信アンテナと室内用送信アンテナとから送信要求信号を同時に送信するようにしているため、車両室内に存在する携帯機によってドア用送信アンテナからの送信要求信号が受信されうる状態であっても、室内用送信アンテナからの送信要求信号によって混信が生じ、応答信号が送信されなくなる。この結果、携帯機が車両室内に存在している状態でドアのロック状態が切り替えられてしまうことが防止される。
なお、制御手段がロック状態を切り替える制御を行うための応答信号の受信待ち状態で、室内用送信アンテナからの送信要求信号に対応する応答信号が受信手段により受信された場合には、警報動作(例えば警報音の出力)を行うようにするとよい。このようにすれば、携帯機が車両室内に置き忘れられていることをユーザに伝えることができるからである。
次に、請求項4に記載の車載機器無線制御装置では、車両に設けられる送信手段が、その車両のドア付近を送信エリアとするドア用送信アンテナと、その車両の室内を送信エリアとする室内用送信アンテナとから、それぞれ異なる送信要求信号を送信し、携帯機が、送信手段により送信される送信要求信号を受信して、その受信した送信要求信号に対応する応答信号を送信する。そして、車両に設けられる受信手段が、携帯機により送信される応答信号を受信し、ドア用送信アンテナからの送信要求信号に対応する応答信号が受信手段により受信されたことを含む所定の条件が成立した場合に、制御手段が、車両のドアのロック状態を切り替える制御(アンロックからロックへ切り替える制御、又は、ロックからアンロックへ切り替える制御)を行う。
なお、「ドア用送信アンテナからの送信要求信号に対応する応答信号が受信手段により受信されたことを含む所定の条件」としては、上記請求項3について記載した条件と同様の条件等が挙げられる。
このような構成において、制御手段は、携帯機が車両のドア付近に存在している場合にそのドアのロック状態を切り替える制御を行うことが可能となる。すなわち、携帯機により送信される応答信号に基づき、携帯機がドア用送信アンテナからの送信要求信号を受信したか(換言すれば、携帯機がドア用送信アンテナの送信エリアに存在しているか)を把握することができるからである。
さらに、本車載機器無線制御装置において、送信手段は、制御手段がロック状態を切り替える制御を行うための応答信号の受信待ち状態となっている場合には、ドア用送信アンテナと室内用送信アンテナとから送信要求信号を同時に送信する。
このため、本車載機器無線制御装置によれば、上記請求項3の車載機器無線制御装置について述べた理由と同様の理由により、携帯機が車両の室内に存在する場合にドアのロック状態が切り替えられてしまうことを防ぐことができる。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、実施形態の車載機器無線制御装置の概略構成を表すブロック図である。また、図2は、後述する送信アンテナ21a,21b,21c,21dの車両1における配置を説明するための説明図である。
図1及び図2に示すように、この車載機器無線制御装置は、いわゆるスマートキーシステムを実現するためのものであり、車両1のユーザ(主として運転者)によって所持される携帯機(電子キー)10と、車両1に搭載される車載装置20とから構成される。
携帯機10は、車載装置20から無線送信される送信要求信号を受信した場合に応答信号を返信するように構成されている。具体的には、車載装置20は、後述するように車両1の複数箇所に配置された送信アンテナ21a,21b,21c,21dからそれぞれ異なる内容の送信要求信号を無線送信するようになっており、携帯機10は、各送信要求信号に対応する内容の応答信号を無線送信するように構成されている。
一方、車載装置20は、4つの送信アンテナ21a,21b,21c,21dと、各送信アンテナ21a,21b,21c,21dから送信要求信号を無線送信するための送信機21とを備えている。具体的には、車載装置20は、車両1の室外(具体的には車両1のドア付近)における携帯機10の存在を検出するための送信アンテナ(以下「車外用送信アンテナ」という。)として、車両1における運転席側のドア2aに配置される送信アンテナ21aと、車両1における助手席側のドア2bに配置される送信アンテナ21bと、車両1におけるバックドア2cに配置される送信アンテナ21cとを備えており、また、車両1の室内における携帯機10の存在を検出するための送信アンテナ(以下「車内用送信アンテナ」という。)として、車両1の室内における略中央位置に配置される送信アンテナ21dを備えている。そして、送信機21は、各送信アンテナ21a,21b,21c,21dとワイヤーハーネス22a,22b,22c,22dを介してそれぞれ接続されており、各送信アンテナ21a,21b,21c,21dからそれぞれ異なる内容の送信要求信号を送信するように構成されている。一方、携帯機10は、各送信アンテナ21a,21b,21c,21dによる送信要求信号の送信エリア(図2において点線で示す範囲であり、送信アンテナ21a,21b,21cについては各ドア2a,2b,2cの付近、送信アンテナ21dについては車両1の室内)に存在している状態で、その送信要求信号を受信する。このため、車載装置20は、携帯機10から送信される応答信号に基づき、携帯機10がどの送信アンテナからの送信要求信号を受信したか(換言すれば、携帯機10がどの送信アンテナの送信エリアに存在しているか)を把握することができる。
また、車載装置20は、運転席側のドア2aのドアハンドルに配置されるロックスイッチ23a及びアンロックセンサ24aと、助手席側のドア2bのドアハンドルに配置されるロックスイッチ23b及びアンロックセンサ24bと、バックドア2cのドアハンドルに配置されるロックスイッチ23c及びアンロックセンサ24cとを備えている。ここで、ロックスイッチ23a,23b,23cとは、ユーザによる押し操作を受け付けるスイッチであり、携帯機10を所持したユーザにより押し操作されることで当該ロックスイッチ23a,23b,23cが配置されているドア2a,2b,2cをロック(施錠)するためのものである。また、アンロックセンサ24a,24b,24cとは、ドアハンドルが握られたことを検出するセンサであり、携帯機10を所持したユーザによりドアハンドルが握られることで当該アンロックセンサ24a,24b,24cが配置されているドア2a,2b,2cをアンロック(解錠)するためのものである。
さらに、車載装置20は、運転席側のドア2aのロック機構を電気的に作動させるドアロックモータ25aと、助手席側のドア2bのロック機構を電気的に作動させるドアロックモータ25bと、バックドア2cのロック機構を電気的に作動させるドアロックモータ25cとを備えている。
一方、車載装置20は、車両1における所定位置(例えば車両1における右側後部位置)に配置される受信アンテナ26と、この受信アンテナ26を用いて携帯機10からの応答信号を受信する受信機27とを備えている。
また、車載装置20は、車両1の室内に配置されブザー等の警報音を出力する警報機28を備えている。
さらに、車載装置20は、エンジンの始動・停止操作を行うためのエンジンスイッチ29を車両1の室内に備えている。
加えて、車載装置20は、上述した各構成要素をコントロールするスマート制御ECU(ECU:マイクロコンピュータを中心に構成された電子制御装置の略称)30を備えている。
そして、本実施形態の車載機器無線制御装置は、例えば次のような周知の処理を行う。
すなわち、車載装置20は、送信アンテナ21a,21b,21c,21dの全部又は一部から送信要求信号を送信し、受信アンテナ26により受信した携帯機10からの応答信号に基づき、携帯機10が運転席側のドア2aの付近、助手席側のドア2bの付近、バックドア2cの付近、車両1の室内のうちのいずれに存在しているかを把握する。
そして、車載装置20は、携帯機10が近くに存在するドアのドアハンドルが握られたことをアンロックセンサによって検出した場合には、そのドアのドアロックモータを作動させてロック状態をロックからアンロックへ切り替える制御を行う。
また、車載装置20は、携帯機10が近くに存在するドアのロックスイッチが押し操作された場合には、そのドアのドアロックモータを作動させてロック状態をアンロックからロックへ切り替える制御を行う。
さらに、車載装置20は、エンジンスイッチ29によりエンジンの始動操作が行われると、車内用送信アンテナ21dから送信要求信号を送信し、受信アンテナ26により携帯機10からの応答信号を受信すると、エンジンを始動するための制御を行う。
なお、周知のように、携帯機10からの応答信号にはID情報が含まれており、車載装置20は、自身の記憶しているID情報と携帯機10からの応答信号に含まれているID情報とを照合し、照合の結果ID情報が一致した場合にのみ各種制御を行うようになっている。
ところで、本実施形態では、図2に示すように、運転席側のドア2aに配置される送信アンテナ21aによる送信要求信号の送信エリアと、車内用送信アンテナ21dによる送信要求信号の送信エリアが互いに重複している。同様に、助手席側のドア2bに配置される送信アンテナ21bによる送信要求信号の送信エリアと、車内用送信アンテナ21dによる送信要求信号の送信エリアも互いに重複している。このため、このように送信エリアが重複している範囲に携帯機10が位置している状態で各送信アンテナから送信要求信号が同時に送信されると、携帯機10は混信により送信要求信号を正常に受信できなくなり、応答信号が送信されなくなる。一方、本実施形態では、バックドア2cに配置される送信アンテナ21cによる送信要求信号の送信エリアと、車内用送信アンテナ21dによる送信要求信号の送信エリアとが重複しない。しかしながら、送信機21と送信アンテナ21cとを接続するワイヤーハーネス22cからの電波の漏れにより、携帯機10がワイヤーハーネス22cの近傍に位置している状態では、携帯機10が送信アンテナ21cの送信エリアに存在しなくてもこの送信アンテナ21cからの送信要求信号を受信した状態となってしまう可能性がある。この結果、上述した送信アンテナ21a,21bの場合と同様に混信の問題が生じうる。
そこで、本実施形態の車載機器無線制御装置では、こうした混信を防止するための処理を行う。ここで、スマート制御ECU30が行う混信防止処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、本混信防止処理は、ロックされていないドア2a,2b,2cのロックスイッチ23a,23b,23cが押し操作されることにより開始される。
この混信防止処理が開始されると、まずS110で、本混信防止処理で用いる変数Fの値を0に設定する。
続いて、S120では、車外用送信アンテナ21a,21b,21cのうち押し操作がされたロックスイッチに対応する送信アンテナ(例えば、助手席側のドア2bのドアハンドルに配置されるロックスイッチ23bが押し操作された場合には、助手席側のドア2bに配置される送信アンテナ21b)と、車内用送信アンテナ21dとから、送信要求信号を所定回数(複数回に限らず、1回でもよい。)同時に送信させる。つまり、押し操作がされたロックスイッチに対応するドアのロック状態をアンロックからロックへ切り替える制御を行うための応答信号の受信待ち状態では、そのロックスイッチに対応する車外用送信アンテナと、車内用送信アンテナ21dとから送信要求信号を同時に送信するのである。
続いて、S130では、車外用送信アンテナからの送信要求信号に対応する応答信号が受信アンテナ26により受信されたか否かを判定する。
そして、S130で、車外用送信アンテナからの送信要求信号に対応する応答信号が受信されたと判定した場合には、S140へ移行し、その車外用送信アンテナに対応するドア(換言すれば、押し操作されたロックスイッチが配置されているドア)のドアロックモータを作動させてロック状態をアンロックからロックへ切り替えた後、本混信防止処理を終了する。つまり、車外用送信アンテナによる送信エリアに携帯機10が存在している状態でその車外用送信アンテナが配置されているドアのロックスイッチが押し操作されることにより、そのドアをロックするようにしているのである。
一方、S130で、車外用送信アンテナからの送信要求信号に対応する応答信号が受信されないと判定した場合には、S150へ移行し、車内用送信アンテナ21dからの送信要求信号に対する応答信号が受信アンテナ26により受信されたか否かを判定する。
そして、S150で、車内用送信アンテナ21dからの送信要求信号に対応する応答信号が受信されたと判定した場合には、S160へ移行し、警報機28から警報音を出力させた後、本混信防止処理を終了する。つまり、車内用送信アンテナ21dによる送信エリア(車両室内)に携帯機10が存在している状態でドアのロックスイッチが押し操作された場合には、携帯機10の車両室内への閉じ込みを防ぐため、警報音で知らせるようにしているのである。
一方、S150で、車内用送信アンテナ21dからの送信要求信号に対応する応答信号が受信されないと判定した場合には、S170へ移行し、変数Fの値が偶数であるか否かを判定する。
そして、S170で、変数Fの値が偶数であると判定した場合には、S180へ移行し、押し操作がされたロックスイッチに対応する車外用送信アンテナから出力される送信要求信号の出力を一定値だけ減らした後、S200へ移行する。
一方、S170で、変数Fの値が偶数でない(奇数である)と判定した場合には、S190へ移行し、車内用送信アンテナ21dから出力される送信要求信号の出力を一定値だけ減らした後、S200へ移行する。
S200では、変数Fの値に1を加算する。
続いて、S210では、変数Fの値が10に達したか否かを判定する。
そして、S210で、変数Fの値が10に達していないと判定した場合には、S120へ戻る。つまり、携帯機10からの応答信号が受信されないのは、携帯機10が車外用送信アンテナからの送信要求信号と車内用送信アンテナ21dからの送信要求信号とを重複して受信することにより混信している可能性があるため、車外用送信アンテナからの送信要求信号の出力と、車内用送信アンテナ21dからの送信要求信号の出力とを交互に低下させつつ送信要求信号を出力することで携帯機10の混信を防止するようにしているのである。
一方、S210で、変数Fの値が10に達したと判定した場合には、本混信防止処理を終了する。つまり、送信要求信号の出力の低下を所定回数繰り返したにもかかわらず応答信号が受信できない場合には、送信要求信号の送信エリアに携帯機10が存在しないと判断するのである。
次に、スマート制御ECU30が行うバックドアアンロック処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。なお、本バックドアアンロック処理は、バックドア2cがロックされている状態で、バックドア2cのドアハンドルに配置されるアンロックセンサ24cによりドアハンドルが握られたことが検出されることにより開始される。
このバックドアアンロック処理が開始されると、まずS310で、バックドア2cに配置される車外用送信アンテナ21cと、車内用送信アンテナ21dとから、送信要求信号を所定回数(複数回に限らず、1回でもよい。)同時に送信させる。つまり、バックドア2cのロック状態をロックからアンロックへ切り替える制御を行うための応答信号の受信待ち状態では、バックドア2cに配置される車外用送信アンテナ21cと、車内用送信アンテナ21dとから送信要求信号を同時に送信するのである。
続いて、S320では、車外用送信アンテナ21cからの送信要求信号に対応する応答信号が受信アンテナ26により受信されたか否かを判定する。
そして、S320で、車外用送信アンテナ21cからの送信要求信号に対応する応答信号が受信されたと判定した場合には、S330へ移行し、バックドア2cのドアロックモータ25cを作動させてロック状態をロックからアンロックへ切り替えた後、本バックドアアンロック処理を終了する。つまり、送信アンテナ21cによる送信エリアに携帯機10が存在している状態でバックドア2cのドアハンドルが握られることにより、バックドア2cをアンロックするようにしている。
一方、S320で、車外用送信アンテナ21cからの送信要求信号に対応する応答信号が受信されないと判定した場合(車内用送信アンテナ21dからの送信要求信号に対応する応答信号が受信された場合、又は、応答信号が受信されない場合)には、そのまま本バックドアアンロック処理を終了する。このため、携帯機10が車両1の室内においてワイヤーハーネス22c上に位置しており、ワイヤーハーネス22cからの漏れ電波を受信していたとしても、バックドア2cがアンロックされてしまうことを防ぐことができる。
なお、上記実施形態の車載機器無線制御装置では、送信機21が、送信手段に相当し、車外用送信アンテナ21a,21b,21cが、ドア用送信アンテナに相当し、車内用送信アンテナ21dが、室内用送信アンテナに相当し、受信機27が、受信手段に相当する。また、スマート制御ECU30が、制御手段に相当し、特に、混信防止処理(図3)におけるS170〜S210の処理が、出力変更手段に相当する。
以上説明したように、本実施形態の車載機器無線制御装置では、車載装置20が、車両1の複数箇所に配置された送信アンテナ21a,21b,21c,21dからそれぞれ異なる送信要求信号を無線送信し、携帯機10が、その送信要求信号に対応する応答信号を無線送信する。そして、車載装置20は、携帯機10からの応答信号を受信し、この応答信号に基づき携帯機10の車両1に対する位置を把握して、携帯機10の位置に対応するドア2a,2b,2cのロック・アンロック等の制御を行う。
さらに、本実施形態の車載機器無線制御装置では、複数の送信アンテナから送信要求信号を同時に送信した場合に応答信号が受信されなければ、送信要求信号を同時に送信した複数の送信アンテナの送信要求信号の出力を交互に低下させることにより、携帯機10の位置で送信要求信号が重複しないようにして携帯機10の位置を把握する。
このため、本実施形態の車載機器無線制御装置によれば、複数の送信アンテナから送信要求信号を同時に送信した場合にも、携帯機10の車両1に対する位置を確実に把握することができる。この結果、携帯機10の車両1に対する位置に応じた適正な制御を行うことができる。
また、本実施形態の車載機器無線制御装置によれば、ワイヤーハーネス22a,22b,22cからの漏れ電波を携帯機10が受信した場合の誤制御についても防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態の車載機器無線制御装置では、バックドア2cに配置される送信アンテナ21cと車内用送信アンテナ21dとの送信エリアが重複しないようになっているが、これらの送信エリアが互いに重複する場合であっても同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態の車載機器無線制御装置では、携帯機10が混信しているか否かを判定するために、2つの送信アンテナからの送信要求信号の出力を交互に段階的に低下させるようにしているが、これに限ったものではなく、例えば、一方の送信アンテナの送信要求信号の出力を0にするようにしてもよい。このようにすれば、携帯機10の位置で送信要求信号の重複が確実に生じないようにすることができるため、携帯機10が混信しているか否かを短時間で確実に判定することができる。
一方、上記実施形態の車載機器無線制御装置では、ロックスイッチ23a,23b,23cやアンロックセンサ24a,24b,24cを用いて、ユーザによるロック・アンロックの意思を確認する構成としているが、これに限ったものではない。例えば、こうしたスイッチやセンサを用いることなく、携帯機10が送信エリアに存在していることを検出した場合にロック・アンロック等を行う構成であってもよい。
実施形態の車載機器無線制御装置の概略構成を表すブロック図である。 送信アンテナの車両における配置を説明するための説明図である。 混信防止処理のフローチャートである。 バックドアアンロック処理のフローチャートである。
符号の説明
1…車両、2a,2b,2c…ドア、10…携帯機、20…車載装置、21…送信機、21a,21b,21c,21d…送信アンテナ、22a,22b,22c,22d…ワイヤーハーネス、23a,23b,23c…ロックスイッチ、24a,24b,24c…アンロックセンサ、25a,25b,25c…ドアロックモータ、26…受信アンテナ、27…受信機、28…警報機、29…エンジンスイッチ、30…スマート制御ECU

Claims (4)

  1. 車両に設けられ、該車両の複数箇所に配置された送信アンテナからそれぞれ異なる送信要求信号を送信する送信手段と、
    該送信手段により送信される送信要求信号を受信し、その受信した送信要求信号に対応する応答信号を送信する携帯機と、
    前記車両に設けられ、前記携帯機により送信される応答信号を受信する受信手段と、
    該受信手段により受信された応答信号に基づき前記車両に搭載される機器の制御を行う制御手段と、
    を備えた車載機器無線制御装置において、
    前記送信手段により複数の送信アンテナから前記送信要求信号が同時に送信されたにもかかわらず、前記受信手段により前記応答信号が受信されない場合には、前記送信要求信号を同時に送信した複数の送信アンテナのうちの少なくとも一部から送信される送信要求信号の出力を低下させる出力変更手段と、
    を備えたことを特徴とする車載機器無線制御装置。
  2. 請求項1に記載の車載機器無線制御装置において、
    前記出力変更手段は、前記送信要求信号を同時に送信した複数の送信アンテナのうちの一部から送信される送信要求信号の出力を0にすること、
    を特徴とする車載機器無線制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車載機器無線制御装置において、
    前記車両の複数箇所に配置された送信アンテナには、前記車両のドア付近を前記送信要求信号の送信エリアとするドア用送信アンテナと、前記車両の室内を前記送信要求信号の送信エリアとする室内用送信アンテナとが少なくとも含まれており、
    前記制御手段は、前記ドア用送信アンテナからの送信要求信号に対応する応答信号が前記受信手段により受信されたことを含む所定の条件が成立した場合に、前記車両に搭載される機器の制御として、前記車両のドアのロック状態を切り替える制御を行うように構成されており、
    前記送信手段は、前記制御手段が前記ロック状態を切り替える制御を行うための応答信号の受信待ち状態となっている場合には、前記ドア用送信アンテナと前記室内用送信アンテナとから送信要求信号を同時に送信すること、
    を特徴とする車載機器無線制御装置。
  4. 車両に設けられ、該車両のドア付近を送信エリアとするドア用送信アンテナと、前記車両の室内を送信エリアとする室内用送信アンテナとから、それぞれ異なる送信要求信号を送信する送信手段と、
    該送信手段により送信される送信要求信号を受信し、その受信した送信要求信号に対応する応答信号を送信する携帯機と、
    前記車両に設けられ、前記携帯機により送信される応答信号を受信する受信手段と、
    前記ドア用送信アンテナからの送信要求信号に対応する応答信号が前記受信手段により受信されたことを含む所定の条件が成立した場合に、前記車両のドアのロック状態を切り替える制御を行う制御手段と、
    を備えた車載機器無線制御装置において、
    前記送信手段は、前記制御手段が前記ロック状態を切り替える制御を行うための応答信号の受信待ち状態となっている場合には、前記ドア用送信アンテナと前記室内用送信アンテナとから送信要求信号を同時に送信すること、
    を特徴とする車載機器無線制御装置。
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