JP2005307123A - 硬化性組成物、硬化物品、および物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 二塩基酸無水物基を有する化合物(a1)に、水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)を付加して得られるカルボキシル基含有化合物(A)、およびエポキシ基含有化合物(B)を含み、実質的に溶剤を含まない硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、透明性および耐熱性に優れる硬化物が得られる速硬化性の硬化性組成物に関するものである。
一方で、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等の表示素子用透明基板としては、ガラス板が多く用いられている。しかしながら、それらのディスプレイの大画面化等に伴い、ガラス基板では割れやすく、かつ重いという難点があるため、ガラス板の代替材として薄型かつ軽量な樹脂基板の使用が提案されている(例えば、特許文献4、5を参照)。
このような課題のもと、短時間で透明封止材や透明基板の成形が可能な、光硬化性樹脂の利用が提案されている(例えば特許文献6を参照)。
本発明の課題は、耐熱性および透明性に優れる硬化物、およびその硬化物を短時間でかつ省エネルギーで得ることが可能な硬化性組成物を得ることにある。
しかも、本発明の硬化性組成物は、実質的に溶剤を含まないため、厚膜の硬化物品や硬化被膜形成用として用いた場合、特にそれらの特性が十分に発現させることができる。
そこで、本発明の硬化性組成物は、特にそれらの特性が要求される表示素子用基板用および透明封止材用等の成形用組成物として、また特に耐熱性が要求させる透明保護被膜形成用組成物として有用であり、産業上の利用度は大である。
本発明の組成物は、二塩基酸無水物基を有する化合物(a1)(以下、化合物(a1)という)に、水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)(以下、化合物(a2)という)を付加して得られるカルボキシル基含有化合物(A)(以下、化合物(A)という)、およびエポキシ基含有化合物(B)(以下、化合物(B)という)を含み、溶剤を含まないものである。
このように、本発明の組成物は、カルボキシル基を有するアクリル系モノマーと、該カルボキシル基と架橋反応可能なエポキシ基を有する化合物とを併用することにより、硬化物に優れた耐熱性を付与することを特徴とする。
しかも、化合物(A)は低粘度であるため、有機溶剤を用いることなく、塗工時の作業環境や塗工作業性を良好とし、かつ本発明の組成物を低粘度とするための成分である。
その中でも、光硬化性が良好であることから、化合物(A)は、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
また、エポキシ基との熱硬化性が良好であることから、化合物(A)は分子内に2個以上のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
これらは一種単独で、または二種以上を併用して用いることができる。
これらは、一種単独で、または二種以上を併用して用いることができる。
それらの中でも、得られる物品の耐熱性に優れることから、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物がより好ましい。
化合物(B)としては、例えば公知のエポキシ樹脂(b1)(以下、樹脂(b1)という)や、エポキシ基を有する単量体とそれと共重合可能な他の単量体とを共重合して得られるポリマー(b2)(以下、ポリマー(b2)という)等が挙げられる。
これらは、一種単独で、または二種以上を併用して用いることができる。
これらは、一種単独で、または二種以上を併用して用いることができる。
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、メチルアダマンチル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、サイクリックトリメチロールプロパンフォルマール(メタ)アクリレート、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン等のヘテロ環式置換基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−フェニルスチレン等のスチレン誘導体;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル;
N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等のN−アルコキシ置換アミド;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のビニル塩基性単量体;
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等の不飽和脂肪族二塩基酸ジアルキルエステル;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのε−カプロラクトンまたはγ−ブチロラクトンの開環付加物(例えば、ダイセル化学(株)製プラクセルF単量体、UCC社製トーンM単量体等)、メタクリル酸へのエチレンオキシドの開環付加物、メタクリル酸へのプロピレンオキシドの開環付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの2量体や3量体等の末端に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、p−ヒドロキシスチレン等の他の水酸基含有ビニル系単量体;
メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有α,β−不飽和ビニル系単量体;
β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドサクシネート、β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドマレエート、β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドフタレート、β−(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタレート、γ−(メタ)アクリロキシプロピル−アシッドサクシネート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのε−カプロラクトンまたはγ−ブチロラクトンの開環付加物(例えば、ダイセル化学(株)製プラクセルF単量体およびUCC社製トーンM単量体)の末端水酸基を無水コハク酸や無水フタル酸または無水ヘキサヒドロフタル酸でエステル化して末端にカルボキシル基を導入したコハク酸モノエステルやフタル酸モノエステルまたは無水ヘキサヒドロフタル酸モノエステル等のカプロラクトン変性水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルと酸無水物化合物との半エステル化反応生成物等の長鎖カルボキシル基含有ビニル系単量体;
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、2,3−ジメチル無水マレイン酸等のα,β−ジカルボン酸無水物基を有するビニル系単量体、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、イタコン酸モノオクチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノ−2−エチルヘキシル、シトラコン酸モノエチル等のジカルボン酸モノエステル基を有するビニル系単量体等が挙げられる。
これらは、一種単独で、または二種以上を併用して用いることができる。
エポキシ基を有する単量体が共重合している割合が10質量%以上である共重合体の場合には、充分な低温硬化性が発現する傾向にあり、また得られる硬化物の耐熱性が良好となる傾向にある。一方、エポキシ基を有する単量体が共重合している割合が90質量%以下である共重合体の場合には、得られる組成物の貯蔵安定性が良好となる傾向にある。
ポリマー(b2)の重量平均分子量の下限値が1,000以上であれば、硬化性が良好となる傾向にある。またその上限値が20,000以下であれば、組成物の粘度が比較的低粘度となり、組成物の貯蔵安定性が良好となる傾向にある。
このモル比率が1/0.5より大きいと、硬化収縮が大きくなり硬化物品にクラックが入る傾向にあり、1/2より小さいと組成物のラジカル重合速度が低下する傾向にある。
ここでいう開始剤(C)とは、活性エネルギー線によりラジカルを発生させる重合開始剤および/または熱によりラジカルを発生させる重合開始剤のことを意味する。
また、本発明の組成物を電子線以外の活性エネルギー線を照射して硬化させる場合には、反応速度を促進させることができることから、開始剤(C)は、本発明の組成物に所望する特性を損なわない範囲で含有させることが好ましい。
開始剤(C)の含有量が前記範囲内である場合には、硬化性が良好であり、かつ得られる硬化物が黄帯色せず、その耐黄変性も良好となる傾向にある。
補助硬化剤の具体例としては、例えば、メラミン系樹脂やブロックイソシアネート系樹脂の他、グリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物、脂環式エポキシ化合物のようなエポキシ化合物;アジピン酸、フタル酸等の多塩基酸化合物;あるいは分子中にカルボキシル基を有するポリエステル樹脂等が挙げられる。
これらの補助硬化剤は、一種単独で、または二種以上を併用して用いることができる。
反応性が良好であることから、イミダゾール化合物、3級アミン化合物、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等が好ましい。
それらの具体例としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド等が挙げられる。
該触媒の含有量が前記範囲内である場合には、組成物の硬化性が良好であり、かつ得られる硬化物が黄帯色せず、かつその耐黄変性が良好となる傾向にある。
その具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタン、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロドデカニル、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(繰り返し単位n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(繰り返し単位n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(繰り返し単位n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチル−イソシアヌレート等のジ(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)−2−エトキシプロピルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;
ビスフェノールA型ジエポキシと(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキシジ(メタ)アクリレート等のエポキシポリ(メタ)アクリレート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させたウレタントリ(メタ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジイソシアネートとポリ(繰り返し単位n=6〜15)テトラメチレングリコールとのウレタン化反応物に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート等のウレタンポリ(メタ)アクリレート;
トリメチロールエタンとコハク酸、(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンとコハク酸、エチレングリコール、および(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート等のポリエステルポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは、一種単独で、または二種以上を併用して用いることができる。
これらは、一種単独で、または二種以上を併用することが特に好ましい。
これらの添加剤の中でも、本発明の組成物には、組成物の貯蔵安定性の向上や、得られる硬化物の変色や変質を抑制できることから、紫外線吸収剤、光安定剤、および酸化防止剤のいずれかを用いることが好ましく、架橋密度を調整できることから、酸無水物を用いることが好ましい。
シランカップリング剤の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリス(3−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルーγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロアルキルトリメトキシシラン等が挙げられる。
これらは、一種単独で、または二種以上を併用して用いることができる。
さらにそれらの中でも、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシランが特に好ましい。
具体的には、例えば、活性エネルギー線の照射および/または加熱によってラジカルを発生させ、ラジカル重合により硬化させる方法;活性エネルギー線照射により発生する重合熱や、他の方法による加熱を利用して、化合物(A)のカルボキシル基と化合物(B)のエポキシ基を反応させる方法等が挙げられる。
紫外線の発生源としては、実用性、経済性の面から、一般的に用いられている紫外線ランプが好ましい。
加熱炉の具体例としては、例えば、密閉型乾燥炉、トンネル型乾燥炉等の炉を、IRヒーターや、ガス燃焼オーブン、電気式ヒーター等の熱源を用いて加熱する方法や、水、油等の熱媒を用いて加熱した炉を用いることができる。
また、工業的に容易に利用できる紫外線の照射と加熱炉を併用する等、活性エネルギー線の照射と加熱を併用すれば、短時間かつ省エネルギーで硬化させられることから特に好ましい。
その中でも、本発明の組成物は、得られる硬化物の光線透過率に優れ、かつ長時間の耐熱試験後の耐黄変性に優れ、透明性が良好な硬化物が得られる特性を有することから、表示素子基板用材料や、透明封止用材料として特に有用であり好適に用いることができる。
本発明の硬化物品は、本発明の組成物を硬化させて得られる硬化物である。また、本発明の物品は、基材に前述した本発明の組成物の硬化被膜を有する物品である。
例えば、液晶等、表示素子基板等の成形品を得るには、キャスティング成形方式、流延成形方式、射出成形方式、ロール塗工成形方式、押出成形方式、トランスファ成形方式、および反応射出成形方式(RIM)等、公知の方法から適宜選択し、本発明の組成物を用いて賦型すればよい。
この成形品の厚さは、その用途に応じて適宜選択すればよく、特定できるものではないが、一般には0.0001〜100mmの範囲である。
成形品の厚さがこの範囲内であれば、厚さの均一性に優れ、かつガラス基板と比較して、基板の軽量化が図れることから好ましい。
また、LED等、本発明の組成物を封止剤等の注型材料として用いる場合には、注型法、ディッピング法、トランスファ成型法、ポッティング法等の公知の方法で本発明の組成物を賦型すればよい。注型物品の厚さは所望に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。例えばLEDの封止材の場合には、透明性や軽量性の観点から、10mm以下であることが好ましく、5mm以下がより好ましい。
なお、本発明の物品は、本発明の組成物を基材に塗布し、必要に応じて塗膜を乾燥させた後に、該塗膜を硬化させることにより得られる。この塗膜の乾燥方法は、特に限定されない。
本発明の物品に形成される硬化被膜の厚さは所望に応じて適宜選択すればよく特に限定されないが、1〜300μm程度の範囲であることが好ましい。硬化被膜の厚さが厚い場合には、組成物の硬化反応や乾燥に時間がかかり、硬化物の生産性が低下し、しかも組成物の硬化が不十分で硬化被膜の硬度が低下したり、柔軟性に欠け割れる傾向にある。
なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味し、得られた組成物の評価方法および評価基準は下記の通りである。
・評価用シートの作成
得られた組成物を、ガラス板の外縁に厚み0.4mmの枠を取り付けた型枠内に注入し、型枠に充填した後、該ガラス板と対向するように型枠の上部にガラス板をのせて該組成物をガラス板で挟む。次いで、型枠のガラス板面(両面)から、メタルハライドランプを用いて、1000mJ/cm2のUV光を照射して該組成物を硬化させた後、型枠から硬化物を剥離する。
得られた硬化物を、イナートオーブン(窒素雰囲気下)中で150℃、1時間加熱硬化した後、型枠とガラス板を剥離して得られたものを、評価用シートとする。
得られた組成物の硬化物について、粘弾性アナライザー(レオメトリクス社製、商品名:RSA−II)を用いて3.5Hzの測定周波数で動的粘弾性を測定し、tanδのピーク値をTgとして表1に示す。なお、その評価基準は、以下の通りである。
○:Tg150℃以上
×:Tg150℃未満
得られた評価用シートについて、目視にて観察し、下記基準に基づき評価した結果を表1に示す。
○:無色透明
×:黄色を帯びた透明
得られた評価用シートについて、分光光度計(日立製作所U−3400)を用い400nmにおける光線透過率を測定し、その評価結果を表1の光線透過率の初期欄に示す。
次いで、得られた評価用シートについて、2種類の耐久性試験(140℃で500時間、220℃で2時間)を行った後、前述した方法と同様にして400nmにおける光線透過率をそれぞれ測定し、その評価結果を表1に示す。
(合成例1)
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸168g、ペンタエリスリトールトリアクリレート298g、ジメチルアミノエチルメタクリレート4.7g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1gをフラスコ内に仕込み、100℃で3時間攪拌し、エステル化反応させて、分子内にカルボキシル基1個とアクリロイル基3個とを有する化合物A−1を得た。
表1に示す組成および使用量とする以外は、合成例1と同様にして化合物A−2〜化合物A−4をそれぞれ得た。
攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた3リットルの4ツ口フラスコに、イソプロパノールシリカゾル(触媒化成工業(株)製;商品名:OSCAL1432、分散媒:イソ−プロパノール、固形分濃度:30質量%、一次粒子径:10nm)2000部と、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン248部、メチルトリメトキシシラン73部を計量し、攪拌しながら昇温させ、揮発成分の還流が始まると同時に純水150部を徐々に滴下させ、滴下終了後、還流下で2時間攪拌しながら加水分解を行った。
加水分解の終了後、常圧状態でアルコール、水等の揮発成分を留出させ、固形分濃度が60質量%となった時点でトルエン600部を追加し、アルコール、水等をトルエンと一緒に共沸留出させた。
次に、トルエン1500部を追加し、完全に溶媒置換を行い、トルエン分散系とした。このときの固形分濃度は、約40質量%であった。
さらに、トルエンを留出させながら110℃で4時間反応を行い、固形分濃度を50質量%とした。
次に、該分散溶液を1400g、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートを300g配合し、含まれるトルエンを真空脱揮することにより、表面処理シリカの1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート分散液(表面処理シリカS1の固形分濃度:70質量%)を得た。
(実施例1)
合成例1で得られた化合物(A−1)419部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを126部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.55部、テトラブチルホスホニウムブロマイド1.1部、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.55部を配合し、混合攪拌および脱泡を行い、無色透明の硬化性組成物を得た。
次いで、得られた組成物について、前述した評価項目について評価した結果を表2に示す。
表2の組成物欄に示す組成・組成比とする以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を調製した。得られた組成物の評価結果は表2に示す。
表2の比較例2に示す組成・組成比とする以外は実施例1と同様にして組成物を得た。
得られた組成物を用いて、評価用シートを得るため、前述した方法と同様にして型枠内に得られた組成物を充填したが、メタルハライドランプを用いて、両面から1000mJ/cm2のUV光を照射したものの、得られた組成物は硬化しなかった。
そこで、型枠内に充填した組成物をそのままガラス板に挟んだ状態で、イナートオーブン(窒素雰囲気下)中で150℃、1時間加熱硬化した後、型枠とガラス板を剥離して得られたものを評価用シートとして用いた。
A−1:合成例1で得た化合物
A−2:合成例2で得た化合物
A−3:合成例3で得た化合物
A−4:合成例4で得た化合物
B−1:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名:セロキサイド2021P)
B−2:水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(新日本理化(株)製、商品名:HBE−100)
S−1:合成例5で得た表面処理シリカ(分散媒:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、固形分量:70質量%)
HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
TBPBr:テトラブチルホスホニウムブロマイド
2E4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾール
Claims (4)
- 二塩基酸無水物基を有する化合物(a1)に、水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)を付加して得られるカルボキシル基含有化合物(A)、およびエポキシ基含有化合物(B)を含み、実質的に溶剤を含まない硬化性組成物。
- さらに、無機フィラーを含む請求項1記載の硬化性組成物。
- 請求項1記載の組成物を硬化してなる硬化物品。
- 基材に、請求項1記載の組成物を塗布し硬化してなる硬化被膜を有する物品。
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