JP2005306836A - α−アミラーゼ阻害剤 - Google Patents

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紳一郎 西村
Kenji Kadode
健次 門出
Naoto Uchida
直人 内田
Nobuaki Miura
信明 三浦
Hideki Moriyama
英樹 森山
Yoshihiko Maekawa
宜彦 前川
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SEIBUTSU YUKI KAGAKU KENKYUSHO
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Abstract

【課題】 本発明は、新規なα−アミラーゼ阻害剤を提供することを可能とする。本発明はまた、肥満症および糖尿病の予防、改善および治療に有効な製剤および食品を提供することを可能とする。
【解決手段】 本発明は、アズキナシの葉からの水もしくは親水性有機溶媒またはそれらの混合物による抽出物、あるいは式1:
【化1】
Figure 2005306836

[式中、
Rは、水素、ピラノースまたはその誘導体である]
で示される化合物よりなるα−アミラーゼ阻害剤に関する。本発明はまた、該α−アミラーゼ阻害剤を有効成分とする抗肥満剤および抗糖尿病剤、並びに該α−アミラーゼ阻害剤を含有する食品にも関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、アズキナシの葉からの水もしくは親水性有機溶媒またはそれらの混合物による抽出物、あるいは式1:
Figure 2005306836
[式中、
Rは、水素、ピラノースまたはその誘導体である]
で示される化合物よりなるα−アミラーゼ阻害剤に関する。より具体的には、本発明は、該α−アミラーゼ阻害剤を有効成分とする抗肥満剤および抗糖尿病剤、並びに該α−アミラーゼ阻害剤を含有する食品に関する。
近年、生活様式、特に食生活の変化により、高血圧、糖尿病、脳梗塞、心臓病をはじめとする成人病が深刻な問題となっている。これらの成人病のなかには、デンプンなどの過剰摂取による血糖上昇および肥満が誘因となって起こる疾患が多数存在し、例えば肥満症および糖尿病が挙げられる。一般的に、これら肥満症および糖尿病の療法は、食事療法および運動療法が中心である。食事療法とは摂取カロリーの制限であるが、これは食事の量および質の変化を伴うことから患者に苦痛を強いるものであり、逆にストレスを与え、そのために食事制限の継続を困難なものとしている。そこで、摂取した食物が体内で糖質を含めたエネルギー源に消化され、変換されるのを抑制しまたは阻害し、腸管からのそれら糖質の分解および吸収を抑制することによって、肥満症および糖尿病の予防、改善および治療を行なう方法が有効となると考えられる。
α−アミラーゼは、動物の膵臓および唾液から分泌される消化酵素の一つとして知られており、アミロース、アミロペクチンからなるデンプン等の多糖類のα−1,4結合を加水分解する酵素である。そこで、α−アミラーゼの活性を阻害することによって、肥満症および糖尿病などの予防、改善および治療が可能となる。すなわち、α−アミラーゼ阻害剤を有効成分とする抗肥満剤および抗糖尿病剤、並びに該α−アミラーゼ阻害剤を含有する食品は、過体重や肥満症、および糖尿病の患者の療法として有効であり、さらに健康人のそれら疾患の予防法としても使用することができる。
これまでに、多数のα−アミラーゼ阻害剤の研究、開発が行われている。特に、微生物の産出するオリゴ糖系(例えば、アカルボースおよびボグリボース)およびペプチド系のα−アミラーゼ阻害剤が報告されており、医薬品として市販されている(例えば、非特許文献1参照)。また、植物性天然物由来のものとしては、ゲッケイジュ(特許文献1参照)、グアバ(特許文献2参照)、ケイヒ(特許文献3参照)、マオウ(特許文献4参照)、ボタンピ(特許文献5参照)、カキ(特許文献6参照)、カシュツ(特許文献7参照)などからの抽出物が抗肥満剤などとして有効であることも、開示されている。
藤井喜一郎著、「医薬品の化学と作用」、薬業時報社、1994年8月、p.255-260 特許第1919036号明細書 特許第2670742号公報 特開平09−275979号公報 特開平09−002963号公報 特開平09−002966号公報 特許第3404235号公報 特開2002−45181号公報
アズキナシ(別名ハカリノメ、学名Sorbus alnifolia)は、バラ科ナナカマド属の落葉高木であり、日本全土の山地帯に分布する。しかしながら、アズキナシの葉に含まれる成分についての研究はほとんどなく、従ってα−アミラーゼ阻害剤としての報告例もない。一方、フラボノール配糖体である、サギタチンAおよびその類縁体は、植物:Epimedium sagittatum Herbs中に存在することが既に報告されている(例えば、非特許文献2参照)。しかしながら、該サギタチンAおよびその類縁体のα−アミラーゼ阻害作用に関する報告例はない。
Yoshiteru、Oshima等著、Planta Medica 1989、55
本発明者らは、新規なα−アミラーゼ阻害剤について天然物をスクリーニングして鋭意研究を重ねた結果、アズキナシ、特にアズキナシの葉からサギタチンAおよびその類縁体を抽出して単離精製することに成功した。また、アズキナシの葉からの水もしくは親水性有機溶媒またはそれらの混合物による抽出物、並びに該サギタチンAおよびその類縁体が、安全性および有効性に優れたα−アミラーゼ阻害剤であることをも見出した。
現在まで多くのα−アミラーゼ阻害剤が開発されている。しかし、植物性天然物由来の物質は医薬品および食品などへの実用化が未だ充分には行われていない。したがって、本発明は、毎日常用することによって肥満症および糖尿病などの疾患を予防し、改善しおよび治療するのに有効であって且つ安全な、α−アミラーゼ阻害剤を提供することを目的とする。
本発明は、アズキナシの葉からの水もしくは親水性有機溶媒またはそれらの混合物による抽出物よりなる、α−アミラーゼ阻害剤を要旨とする。
本発明はまた、本発明のα−アミラーゼ阻害剤を有効成分とする、抗肥満剤をも要旨とする。
本発明はまた、本発明のα−アミラーゼ阻害剤を有効成分とする、抗糖尿病剤をも要旨とする。
本発明はまた、本発明のα−アミラーゼ阻害剤を含有する、食品をも要旨とする。
本発明はまた、式1:
Figure 2005306836
[式中、
Rは、水素、ピラノースまたはその誘導体である]
で示される化合物よりなる、α−アミラーゼ阻害剤をも要旨とする。
本発明はまた、本発明の式1で示される化合物を有効成分とする、抗肥満剤をも要旨とする。
本発明はまた、本発明の式1で示される化合物を有効成分とする、抗糖尿病剤をも要旨とする。
本発明は更に、本発明の式1で示される化合物を含有する、食品をも要旨とする。
以下、本発明の実施態様を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本明細書において使用する用語「アズキナシの葉からの水もしくは親水性有機溶媒またはそれらの混合物による抽出物」とは、抽出溶媒として水もしくは親水性有機溶媒またはそれらの混合物を用いることによる、アズキナシの葉からの抽出物を意味する。
抽出方法の工程を概説する。(1)まず、採取した抽出原料であるアズキナシの葉を溶媒中に浸漬する。(2)一定の圧力下、一定の温度下で、一定の時間をかけて抽出後に、該抽出液をろ過して、減圧下で濃縮する。(3)得られた残渣を水に溶解して、次いで1種類以上の非親水性有機溶媒を用いて1回または複数回、洗浄する。(4)最後に、該洗浄後の水層から親水性有機溶媒を用いて抽出し、該抽出液を減圧下で濃縮して、目的の抽出物を得る。
以下に、上記の抽出方法を詳しく説明する。まず、工程(1)において、抽出原料である該アズキナシの葉は未乾燥状態であってもよく、あるいは乾燥状態であってもよいが、抽出前に予め乾燥した状態が好ましい。また、溶媒中に浸漬するアズキナシの葉はそのままでもよく、あるいは浸漬前に予め粉砕してもよいが、予め粉砕するのが好ましい。本発明の化合物は水に非常に可溶であるので、浸漬する溶媒は、水もしくは親水性有機溶媒、またはこれらの混合物が好ましい。該親水性有機溶媒としては例えば、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール)および極性非プロトン溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、およびヘキサメチルホスホリックアミド(HMPA))を含むが、これらに限定されない。メタノールおよびDMSOが好ましい。該浸漬に使用する溶媒の量は選択した溶媒により変わり得るが、通常、アズキナシの葉に対して重量比で1〜20倍が許容され、重量比で2〜5倍が好ましい。また、水および親水性有機溶媒の混合物中の各容量比は、選択した溶媒により変わり得るが、水:親水性有機溶媒の容量比で約1:0.2〜約5:1の範囲が許容され、容量比で約1:0.5〜約2:1が好ましい。
次に、工程(2)において、抽出は選択した溶媒により変わり得るが、一定の圧力下、一定の温度下で、一定の時間をかけて行なう。圧力は、常圧から真空下までの加圧下が許容され、常圧が好ましい。温度は、室温から溶媒の還流温度までが許容され、室温が好ましい。抽出時間は、数十分から数日間が許容され、約24時間が好ましい。また、抽出操作中、該溶液は撹拌することが好ましい。
次に、工程(3)において、洗浄は例えば、分液ろうと中で水および非親水性有機溶媒の間で分配をおこなうことによって行なう。通常、水の量は、アズキナシの葉に対して重量比で1〜20倍が許容され、重量比で3〜10倍が好ましい。該非親水性有機溶媒とは、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン)、エステル(例えば、酢酸エチル)、ケトン(例えば、アセトン)、ニトリル(例えば、アセトニトリル)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)および芳香族炭化水素(例えば、ベンゼンおよびトルエン)を含むが、これらに限定されない。洗浄は、これら溶媒の1つを用いてまたは1種類以上を任意の順序に組み合わせて用いて、1回または複数回行なうことによって達成される。例えば、水層をまずエーテルを用いて洗浄し、次いで酢酸エチルを用いて洗浄する。該非親水性有機溶媒の量は、上記の溶解に使用する水の量とほぼ等量であることが好ましい。
また、工程(4)において、該親水性有機溶媒としては例えば、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール)および極性非プロトン溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、およびヘキサメチルホスホリックアミド(HMPA))を含むが、これらに限定されない。n−ブタノールが特に好ましい。該抽出に使用する親水性有機溶媒の量は選択した溶媒により変わり得るが、通常、アズキナシの葉に対して重量比で1〜20倍が許容され、重量比で2〜5倍が好ましい。また、本発明の化合物は水に非常に可溶であるので、該抽出工程は1回または連続的に複数回行なってもよい。更に、該抽出工程は加圧および/または加温の条件下で行なってもよく、例えば圧力は常圧から真空下までの加圧条件が許容され、そして温度は室温から溶媒の還流温度までが許容される。常圧下で且つ常温下の条件が好ましい。
本発明における有効成分は、上記のアズキナシの葉からの水もしくは親水性有機溶媒またはそれらの混合物による抽出物、または式1:
Figure 2005306836
[式中、
Rは、水素、ピラノースまたはその誘導体である]
で示される化合物よりなる。本明細書に記載の方法によって得られる抽出物中にはα−アミラーゼ阻害活性を示す式1で示される化合物が含まれており、その含有量は抽出物当たり約10〜30重量%の範囲である。有効成分として、該抽出物をそのまま使用してもよく、あるいは式1で示される化合物を単離精製して使用してもよい。ここで、上記式1で示される化合物は一般的なフラボノール配糖体であり、上記式1において、Rは水素、ピラノースまたはその誘導体である。ここで、本明細書において使用する用語「ピラノース」とは、ヘキサピラノースまたはペントピラノースを意味する。ヘキサピラノースとしては、例えばアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトースまたはタロースのピラノース構造が挙げられ、またペントピラノースとしては、例えばリボース、アラビノース、キシロースまたはリキソースのピラノース構造が挙げられる。また、それらピラノースは、あり得る鏡像異性体(D−およびL−体)および/またはアノマー(α−およびβ−体)をも含むと意図する。本明細書において使用する用語「その誘導体」とは、ピラノースにおける1つ以上の任意の位置のヒドロキシ基が、例えばデオキシ、ケト、アミノもしくはアミド(例えば、アセトアミド)、またはそれらの組み合わせによって置換された誘導体を含むが、これらに限定されるものではない。上記式において、Rがβ−D−キシロース:
Figure 2005306836
である化合物はサギタチンAと呼ばれ、Rが水素である化合物はケンフェロール3,7−O−α−L−ジラムノシド(本明細書中、ケンフェロールL−ジラムノシドと略す)と呼ばれ、そして、Rがアロースまたはグルコースのデオキシ且つケト置換の基である基:
Figure 2005306836
である化合物は、ケンフェロール3−O−(6−デオキシ−3−ウロ−β−D−リボヘキソ−ピラノシル(1→2)−α−L−ラムノシド)−7−O−α−L−ラムノシド(本明細書中、ケンフェロールL−ジラムノシドケト配糖体と略す)と呼ばれる。本明細書中、サギタチンAの類縁体とは、それらケンフェロールL−ジラムノシドおよびケンフェロールL−ジラムノシドケト配糖体を含むと企図する。
本明細書において使用する用語「α−アミラーゼ阻害剤」とは、当該分野において通常使用される通り、α−アミラーゼの活性を阻害する物質を意味する。該物質の投与により、α−アミラーゼの活性を阻害し、その作用によって摂取した食物が体内で糖質を含めたエネルギー源に消化され、変換されるのを抑制または阻害し、そして腸管からのそれら糖質の分解および吸収を抑制することが可能となる。従って、α−アミラーゼ阻害剤を有効成分として使用することにより、デンプンなどの食物の過剰摂取による血糖上昇および肥満が誘因となって起こる疾患、例えば肥満症および糖尿病を、予防、改善および治療するのに有効であると考えられる。本明細書中、α−アミラーゼ阻害剤とは、抗肥満剤および抗糖尿病剤を含むことを意味すると企図する。
本明細書において使用する用語「抗肥満剤」とは、当該分野において通常使用される通り、肥満症の予防、改善および治療に有効な物質を意味する。
本明細書において使用する用語「抗糖尿病剤」とは、当該分野において通常使用される通り、糖尿病の予防、改善および治療に有効な物質を意味する。
本発明において、上記のα−アミラーゼ阻害剤は単独で投与することができるが、選択した投与経路および標準的な薬務に基づいて選択した医薬的な担体と一緒に投与することが好ましい。該有効成分であるα−アミラーゼ阻害剤は、医薬分野の当業者にとってよく知られる剤形に製剤化して、経口的にまたは非経口的に投与することができる。例えば、本発明の製剤は、固体剤形(例えば、ソフトカプセル剤、錠剤(これらは各々、徐放性製剤または時間放出性製剤を含む)、ペレット、丸剤、散剤、顆粒剤)で、または液体剤形(例えば、液剤、エリキシル剤、チンキ剤、シロップ剤、懸濁剤および乳剤)で経口投与することができる。また、減菌した液体剤形で非経口的に(例えば、静脈内、腹膜内、皮下、または筋肉内の投与を含む)投与することもできる。
本発明の製剤化において使用可能な担体は、不活性な非毒性の医薬的に適当な担体であある。適当な医薬的担体は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18版., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1990(このものは、本分野における標準的な教科書であって、本明細書の一部を構成する)において記載されている。
経口的な液剤のための適当な担体としては、例えば糖類(例えば、乳糖、マンニトール)、デンプン(例えば、トウモロコシ)、無機物(例えば、炭酸カルシウム)、微結晶性セルロース、セルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース)、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、ステアリン酸マグネシウム、タルクを含むが、これらに限定されない。また、打錠した錠剤は、不快な味をマスクし、また大気から錠剤を保護するために糖衣またはフィルムコートすることができ、さらに消化管で選択的に崩壊するように腸溶コーティングすることもできる。ソフトカプセル剤は、基剤であるゼラチンに加えて、可塑剤(例えば、グリセリンまたはソルビトール)、着色剤、遮光剤(例えば、硫酸バリウム)、防腐剤(例えば、パラオキシ安息香酸エステル類)を含んでもよい。経口投与用液剤は、患者に受け入れやすくするために、着色剤および芳香剤を含んでもよい。
非経口的な液剤のための適当な担体としては、例えば水、適当な油状物、生理食塩水、水性デキストロース(グルコース)、およびグリコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)を含む。非経口投与用液剤はまた、適当な安定化剤(例えば、アスコルビン酸などの抗酸化剤)、および必要ならば、緩衝物質または保存剤(例えば、ベンズアルコニウムクロリド)を含んでもよい。
本発明のα−アミラーゼ阻害剤は抗肥満作用を有していることから、このものを食品中に添加することによって、いわゆるダイエット食品として使用することができる。本明細書において使用する用語「食品」は、例えば液状食品および固体食品を含めた任意の形態をとることができ、例えば清涼飲料、栄養補助ドリンクなどの液状食品、およびクラッカー、スナック菓子、クッキー、キャンディ、チューインガム、パンなどの固体食品を含むが、これらに限定されない。本発明のα−アミラーゼ阻害剤を含有する食品は、肥満症の患者の食餌療法食、または健康人の肥満症予防食として用いることができる。
本発明に係わる抗肥満剤および抗糖尿病剤中の本発明のα−アミラーゼ阻害剤の有効な用量は、抽出物の場合では、1日当り0.1〜600mg/体重kg、好ましくは1〜300mg/体重kg、より好ましくは10〜200mg/体重kgの範囲である。また、式1の化合物の場合では、1日当り0.05〜600mg/体重kg、好ましくは0.5〜300mg/体重kg、より好ましくは5〜40mg/体重kgの範囲である。但し、正確な用量は、薬物の薬力学的性質、その投与の様式および経路、被験者の年齢、健康および体重、該症状の性質および大きさ、併用処置の種類、処置の回数、並びに所望する効果などに基づいて変化する。本発明に係わる製剤は、1日1回で服用してもよく、または1日用量をその日中に適当な間隔で服用する複数回の服用、例えば1日2〜4回に分けて服用してもよい。特に、喫食後の急激な糖類の体内への吸収を抑制したりあるいは遅延するために、食前および/または食後などに服用することが好ましい。
以下に本発明を実施例をもって具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではないことは無論である。
アズキナシの葉のn−ブタノール抽出物の調製
アズキナシの葉(30g)を50℃で16時間、オーブンで乾燥した。この乾燥したアズキナシの葉を粉砕し、得られた粉末にメタノール(100mL)を加え、時々攪拌しながら室温下に放置し、24時間かけて抽出した。得られた抽出液を濾過後、減圧下で濃縮した。残渣を分液ろうと中でエーテル(200mL)および水(200mL)で分配した。水層をさらに酢酸エチル(200mL)で洗浄し、そして該水層をn−ブタノール(200mL)で抽出した。n−ブタノール抽出液を減圧下で濃縮して、n−ブタノール抽出物(414mg)を得た。
活性成分である、サギタチンA、ケンフェロールL−ジラムノシドおよびケンフェロールL−ジラムノシドケト配糖体の単離精製
実施例1で得たn−ブタノール抽出物を、分取用高速液体クロマトグラフィー(CHCN−HO=20:80→45:55、30分かけてグラジエント、10mL/分)を用いて分離精製して、サギタチンA(約50mg)、および活性成分を含有する混合物を得た。次いで、該混合物をアミノカラムクロマトグラフィー(YMC-Pack Polyamine II(YMC Inc.製)、CHCN−HO=75:25→10:90、40分かけてグラジエント、7mL/分)で精製して、ケンフェロールL−ジラムノシド(15mg)を得た。また、残る混合物を、分取用高速液体クロマトグラフィー(CHCN−HO=20:80→40:60、40分かけてグラジエント、10mL/分)を繰り返し用いて分離精製して、ケンフェロールL−ジラムノシドケト配糖体(10mg)を得た。
以下に、サギタチンA、ケンフェロールL−ジラムノシドおよびケンフェロールL−ジラムノシドケト配糖体の各構造式を、キャラクタリーゼーションの結果とあわせて示す。
サギタチンA:
Figure 2005306836
1H-NMR(CD3OD,600MHz, ppm)δ:1.01 (d, 3H, J = 6.2 Hz), 1.24 (d, 3H, J = 6.2 Hz), 3.07 (dd, 1H, J = 11.5, 10.6 Hz), 3.19 (dd, 1H, J = 9.0, 7.7 Hz), 3.25-3.35 (m, 2H), 3.35-3.45 (m, 1H), 3.48 (t, 1H, J = 9.5 Hz), 3.59 (dd, 1H, J = 9.5, 6.2 Hz), 3.67 (dd, 1H, J = 11.6, 5.4 Hz), 3.71 (dd, 1H, J = 9.6, 6.2 Hz), 3.83 (dd, 1H, J = 9.6, 3.4 Hz), 4.0-4.05 (m, 1H), 4.20 (dd, 1H, J = 3.5, 1.6 Hz), 4.29 (d, 1H, J = 7.7 Hz), 5.44 (d, 1H, J = 1.3 Hz), 5.56 (d, 1H, J = 1.3 Hz), 6.48 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 6.74 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 6.95 (d, 2H, J = 8.8 Hz), 7.80 (d, 2H, J = 8.8 Hz)。
13C-NMR(CD3OD,125MHz, ppm)δ:16.3, 16.7, 65.7, 69.6, 69.9, 70.3, 70.5, 70.7, 72.2, 73.9, 76.4, 81.2, 94.2, 98.5, 99.2, 101.8, 106.1, 106.4, 115.3, 120.9, 130.6, 135.6, 156.7, 158.4, 160.5, 161.7, 162.2, 178.5。
TOF-Mass:733 (M+Na)。
ケンフェロール3,7−O−α−L−ジラムノシド:
Figure 2005306836
1H-NMR(CD3OD,600MHz, ppm)δ:0.94(d, 3H, J = 6.1 Hz), 1.26(d, 3H, J = 6.1 Hz), 3.3-3.4(m, 1H), 3.35-3.45(m, 1H), 3.48(t, 1H, J = 9.5 Hz), 3.59(m, 1H), 3.73(dd, 1H, J = 9.4, 3.3 Hz), 3.83(dd, 1H, J = 9.4, 3.4 Hz), 4.01(dd, 1H, J = 3.4, 1.8 Hz), 4.22(dd, 1H, J = 3.3, 1.7 Hz), 5.39(s, 1H), 5.56(s,1H), 6.48(d, 1H, J = 2.1 Hz), 6.74(d, 1H, J = 2.0 Hz), 6.91(d, 2H, J = 8.8 Hz), 7.80(d,2H, J = 8.8 Hz)。
TOF-Mass:601 (M+Na)。
ケンフェロール3−O−(6−デオキシ−3−ウロ−β−D−リボヘキソ−ピラノシル(1→2)−α−L−ラムノシド)−7−O−α−L−ラムノシド:
Figure 2005306836
1H-NMR(CD3OD,600MHz, ppm)δ:0.98 (d, 3H, J = 6.0 Hz), 1.25 (d, 3H, J = 6.0 Hz), 1.32 (d, 3H, J = 6.0 Hz), 3.30-3.33 (m, 1H), 3.33-3.36 (m, 1H), 3.47 (t, 1H, J = 9.6 Hz), 3.53 (dd, 1H, J = 9.6, 6.6 Hz), 3.59 (dd, 1H, J = 10.2, 6.6 Hz), 3.80-3.85 (m, 3H), 4.01 (dd, 1H, J = 3.3, 1.7 Hz), 4.17 (d, 1H, J = 7.8, 1.7 Hz), 4.34 (dd, 1H, J = 3.3, 1.8 Hz), 4.49 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 5.56 (d, 1H, J = 1.2 Hz), 5.66 (d, 1H, J = 1.2 Hz), 6.48 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 6.75 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 6.95 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.80 (d, 2H, J = 8.4 Hz)。
13C-NMR(CD3OD,125MHz, ppm)δ:16.3, 16.7, 17.5, 69.9, 70.3, 70.4, 70.6, 70.7, 72.1, 72.2, 72.8, 77.2, 77.4, 81.5, 94.3, 98.5, 99.2, 101.5, 106.0, 106.6, 115.3, 120.9, 130.7, 135.6, 156.8, 158.5, 160.6, 161.7, 162.3, 178.5, 204.3。
TOF-Mass:745 (M+Na)。
α−アミラーゼ阻害活性の測定
被験試料として、本発明で得たアズキナシの葉からの水もしくは親水性有機溶媒またはそれらの混合物による抽出物、並びにサギタチンA、ケンフェロールL−ジラムノシドおよびケンフェロールL−ジラムノシドケト配糖体を、α−アミラーゼ阻害活性について、以下の方法に従って測定し、算出した。
(測定原理)
α−アミラーゼ阻害活性の測定原理は、まず基質であるα−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−α−1,4−グルコピラノシルマルトシド(G3−CNP)にα−アミラーゼを加え、次いで該溶液に本発明の被験試料溶液を加えて一定時間作用させ、反応溶液中に生成する加水分解産物の2−クロロ−4−ニトロフェノールを測定する。
(酵素反応)
酵素反応は、第1に被験試料として本発明のアズキナシの葉からの水もしくは親水性有機溶媒またはそれらの混合物による抽出物を用いて、豚膵臓α−アミラーゼの阻害活性を測定した。まず、以下に示す通り、試料溶液、基質溶液、酵素溶液および反応液を調製した。試料溶液(0.02mL)は、被験抽出物を一定量の親水性有機溶媒(例えば、ジメチルスルホキシドまたはメタノール)中に溶解して、いくつかの濃度(例えば、0.1mg/mLおよび0.01mg/mL)の試料溶液を調製した。基質溶液(0.05mL)は、G3−CNPを蒸留水に溶解して、20mMの水溶液を調製した。酵素溶液(0.05mL)は、豚膵臓アミラーゼ(SIGMA社製)(1.5mg/mL)そのままを酵素希釈液(0.2%BSAを含む7mM NaCl−1mM CaCl−1mM EDTA−10mM リン酸緩衝液、pH 7.0)を用いて約40倍に希釈して調製した。そして、反応液(0.08mL)は、13mM NaCl−1.88mM CaCl−1.88mM EDTA−0.125M リン酸緩衝液(pH 7.0)を用いた。
上で調製した反応液に基質溶液、試料溶液を加え、その後、酸素溶液を加え、30℃で15分間反応させた。次いで、炭酸ナトリウム水溶液(0.2mL)を加えて反応を停止した。生成した溶液を、2−クロロ−4−ニトロフェノールの量について、吸光度(405nm)を測定した。対照としては試料溶液の代わりにジメチルスルホキシドまたはメタノールを加えた溶液を用い、またブランクとしては予め反応液に反応停止液を加えた後に、酸素溶液を加えたものを用いて、それぞれの吸光度(405nm)を測定した。
(α−アミラーゼ阻害活性の算出)
各濃度の試料溶液について得られた吸光度から、下記式に従って、本発明のアズキナシの葉のn−ブタノール抽出物のα−アミラーゼ阻害率を算出した。
阻害率(%)=100−△OD405nm(阻害剤)/△OD405nm(対照)×100
(式中、△OD405nm(阻害剤)=OD405nm(実測値)−OD405nm(ブランク値)であり、そして、
△OD405nm(対照)=OD405nm(実測値)−OD405nm(ブランク値)である)。
上記結果を表1に示す。
(表1)
Figure 2005306836
豚膵臓アミラーゼについて
表1に示す通り、アズキナシの葉のn−ブタノール抽出物は、有意に高いα−アミラーゼの阻害活性を示した。また、その阻害活性の大きさは被験試料濃度に依存することが分かった。
次いで、上記実施例2で単離精製した本発明のサギタチンA、ケンフェロールL−ジラムノシドおよびケンフェロールL−ジラムノシドケト配糖体のα−アミラーゼ阻害活性を調べた。α−アミラーゼ[EC:3.2.1.1]としては、豚膵臓アミラーゼ(SIGMA社製)、ヒト膵臓アミラーゼ(コスモバイオ社製)およびヒト唾液アミラーゼ(SIGMA社製)を用いた。α−アミラーゼ阻害活性の測定は、上記実施例3と同様に行なった。例えば、α−アミラーゼが豚膵臓アミラーゼである場合の、本発明の各化合物における阻害率の測定結果を表2に示す。
(表2)
Figure 2005306836
上記で算出した阻害率についてプロットした用量反応曲線から、50%阻害濃度(IC50)を求めた。その結果を表3にまとめる。なお、公知のα−アミラーゼ阻害剤であるアカルボースを比較例として、あわせて示す。
(表3)
Figure 2005306836
上記表3に示す通り、サギタチンA、ケンフェロールL−ジラムノシドおよびケンフェロールL−ジラムノシドケト配糖体は共にα−アミラーゼ阻害活性を示し、α−アミラーゼ阻害剤として有効であることを見出した。特に、サギタチンAは、有効なα−アミラーゼ阻害剤として知られるアカルボースと比較して、ほぼ同程度の阻害活性を示すことが分かった。
製剤例
以下、本発明のα−アミラーゼ阻害剤を有効成分とする製剤例を示すが、これらに限定されるものではない。
製剤例1(錠剤)
上記実施例1で得たアズキナシの葉のn−ブタノール抽出物を有効成分として用いて、以下の成分組成で錠剤を製造する。
(表4)
Figure 2005306836
上記の成分を均一に混合し、精製水を用いて充分に練合する。該混合物を乾燥後に、単発式打錠機を用いて、1錠当たり100mgに打錠する。更に、得られた錠剤を粉砕、整粒、篩別して、10〜30メッシュの顆粒剤を得る。
製剤例2(錠剤)
上記実施例2で得たサギタチンAを有効成分として用いて、以下の成分組成で錠剤を製造する。
(表5)
Figure 2005306836
上記の成分を用いて、製剤例1と同様の方法を用いて錠剤を製造する。更に、得られた錠剤を製剤例1と同様の方法を用いて製剤化して、顆粒剤を得る。
製剤例3(錠剤)
上記実施例2で得たケンフェロールL−ジラムノシドを有効成分として用いて、以下の成分組成で錠剤を製造する。
(表6)
Figure 2005306836
上記の成分を用いて、製剤例1と同様の方法を用いて錠剤を製造する。更に、得られた錠剤を製剤例1と同様の方法を用いて製剤化して、顆粒剤を得る。
製剤例4(錠剤)
上記実施例2で得たケンフェロールL−ジラムノシドケト配糖体を有効成分として用いて、以下の成分組成で錠剤を製造する。
(表7)
Figure 2005306836
上記の成分を用いて、製剤例1と同様の方法を用いて錠剤を製造する。更に、得られた錠剤を製剤例1と同様の方法を用いて製剤化して、顆粒剤を得る。
製剤例5(硬カプセル剤)
上記実施例1で得たアズキナシの葉のn−ブタノール抽出物を有効成分として用いて、以下の成分組成で硬カプセル剤を製造する。
(表8)
Figure 2005306836
上記の成分を混合し、硬カプセル剤中に充填して、460mg量とする。
製剤例6(硬カプセル剤)
上記実施例2で得たサギタチンAを有効成分として用いて、以下の成分組成で硬カプセル剤を製造する。
(表9)
Figure 2005306836
上記の成分を用いて、製剤例5と同様の方法を用いて硬カプセル剤を製造する。
製剤例7(硬カプセル剤)
上記実施例2で得たケンフェロールL−ジラムノシドを有効成分として用いて、以下の成分組成で硬カプセル剤を製造する。
(表10)
Figure 2005306836
上記の成分を用いて、製剤例5と同様の方法を用いて硬カプセル剤を製造する。
製剤例8(硬カプセル剤)
上記実施例2で得たケンフェロールL−ジラムノシドケト配糖体を有効成分として用いて、以下の成分組成で硬カプセル剤を製造する。
(表11)
Figure 2005306836
上記の成分を用いて、製剤例5と同様の方法を用いて硬カプセル剤を製造する。
以下、本発明のα−アミラーゼ阻害物質を含有する食品例を示すが、これらに限定されるものではない。本発明に係わる食品中、本発明のα−アミラーゼ阻害剤の含有量は、抽出物の場合では、食品の単位総重量当たり0.01〜1%、好ましくは0.02〜0.5%の範囲である。また、式1の化合物の場合では、食品の単位総重量当たり0.005〜1%、好ましくは0.01〜0.1%の範囲である。
食品例1(クッキー)
上記実施例1で得たアズキナシの葉のn−ブタノール抽出物を用いて、以下の成分組成でクッキーを製造する。
(表12)
Figure 2005306836
上記のショートニング、牛乳およびアスパルテームを泡立て器を用いて十分に混合する。この混合物に、卵を少しずつ加えて、更に十分に混合する。別途、小麦粉、ベーキングパウダーおよび実施例1で得られたアズキナシの葉のn−ブタノール抽出物を十分に混合し、先に予め調製した混合物に、このものを加えて十分に混合する。得られた混合物を冷蔵庫中で30分間放置した後に、約100個に分割して適当な型に成型し、約170℃のオープンで18〜25分間焼いて、クッキーを製造する。
食品例2(クッキー)
上記実施例2で得たサギタチンAを用いて、以下の成分組成でクッキーを製造する。
(表13)
Figure 2005306836
上記の成分を用いて、食品例1と同様の方法を用いてクッキーを製造する。
食品例3(クッキー)
上記実施例2で得たケンフェロールL−ジラムノシドを用いて、以下の成分組成でクッキーを製造する。
(表14)
Figure 2005306836
上記の成分を用いて、食品例1と同様の方法を用いてクッキーを製造する。
食品例4(クッキー)
上記実施例2で得たケンフェロールL−ジラムノシドケト配糖体を用いて、以下の成分組成でクッキーを製造する。
(表15)
Figure 2005306836
上記の成分を用いて、食品例1と同様の方法を用いてクッキーを製造する。
食品例5(ドリンク剤)
上記実施例1で得たアズキナシの葉のn−ブタノール抽出物を用いて、以下の成分組成でドリンク剤を製造する。
(表16)
Figure 2005306836
上記の成分を一定の量の水中で、ミキサーを用いて混合し、次いで得られた混合物に水を加えて、100mLに調製して、ドリンク剤を製造する。
食品例6(ドリンク剤)
上記実施例2で得たサギタチンAを用いて、以下の成分組成でドリンク剤を製造する。
(表17)
Figure 2005306836
上記の成分を用いて、食品例5と同様の方法を用いてドリンク剤を製造する。
食品例7(ドリンク剤)
上記実施例2で得たケンフェロールL−ジラムノシドAを用いて、以下の成分組成でドリンク剤を製造する。
(表18)
Figure 2005306836
上記の成分を用いて、食品例5と同様の方法を用いてドリンク剤を製造する。
食品例8(ドリンク剤)
上記実施例2で得たケンフェロールL−ジラムノシドケト配糖体を用いて、以下の成分組成でドリンク剤を製造する。
(表19)
Figure 2005306836
上記の成分を用いて、食品例5と同様の方法を用いてドリンク剤を製造する。
本発明は、アズキナシの葉からの水もしくは親水性有機溶媒またはそれらの混合物による抽出物、特にサギタチンAおよびその類縁体が有効なα−アミラーゼ阻害剤であることを見出した。それらサギタチンAを含むα−アミラーゼ阻害剤は、従来のα−アミラーゼ阻害剤であるアカルボースと比べて同程度の阻害活性を示す。また、本発明のα−アミラーゼ阻害剤は低濃度で有効であり、且つ植物性天然物由来であるために安全性にも優れている。本発明は、アズキナシの葉からの水もしくは親水性有機溶媒またはそれらの混合物による抽出物、特にサギタチンAおよびその類縁体よりなるα−アミラーゼ阻害剤、および該α−アミラーゼ阻害剤を有効成分とする抗肥満剤および抗糖尿病剤、並びに該α−アミラーゼ阻害剤を含有する食品を提供することに成功し、従ってそれら製剤および食品を用いて、肥満症および糖尿病の予防、改善および治療を行なうことが可能となった。

Claims (8)

  1. アズキナシの葉からの水もしくは親水性有機溶媒またはそれらの混合物による抽出物よりなる、α−アミラーゼ阻害剤。
  2. 請求項1記載のα−アミラーゼ阻害剤を有効成分とする、抗肥満剤。
  3. 請求項1記載のα−アミラーゼ阻害剤を有効成分とする、抗糖尿病剤。
  4. 請求項1記載のα−アミラーゼ阻害剤を含有する、食品。
  5. 式1:
    Figure 2005306836
    [式中、
    Rは、水素、ピラノースまたはその誘導体である]
    で示される化合物よりなる、α−アミラーゼ阻害剤。
  6. 請求項5記載の化合物を有効成分とする、抗肥満剤。
  7. 請求項5記載の化合物を有効成分とする、抗糖尿病剤。
  8. 請求項5記載の化合物を含有する、食品。
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