JP2005306199A - ランフラットタイヤ用ウレタン組成物及びそれを用いたランフラットタイヤ用支持体 - Google Patents

ランフラットタイヤ用ウレタン組成物及びそれを用いたランフラットタイヤ用支持体 Download PDF

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Abstract

【課題】 硬度が低く、耐熱性が改良された、特に硬度と耐熱性とのバランスに優れたランフラットタイヤ、特に支持体用の補強材に用いるウレタン組成物を提供する。
【解決手段】 末端に少なくとも2個のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)とポリオール(B)と鎖伸長剤(C)とを含んでなるランフラットタイヤ用ウレタン組成物において、前記ウレタンプレポリマー(A)、ポリオール(B)及び鎖伸長剤(C)のうちいずれか1つの成分が3官能以上のものを含み、前記ウレタン組成物から得られるポリウレタン樹脂中のハードセグメントの含有量が8〜20重量%であることを特徴とするランフラットタイヤ用ウレタン組成物及びこれを成形してなるランフラットタイヤ用の支持体に関する。
【選択図】 なし



Description

本発明は、ランフラットタイヤ用ウレタン組成物及びそれを用いたランフラットタイヤ用支持体に関する。さらに詳しくは、本発明は、耐熱性が改良された、ランフラットタイヤ用支持体に使用される補強材として好適なウレタン組成物、及びこのウレタン組成物を補強材に用いてなるランフラットタイヤ用支持体に関するものである。
ランフラットタイヤ用の支持体(サポートリング)は、タイヤ内部のホイールリム上に取り付けるために適する支持体である。
この支持体は、空気圧を失うタイヤに対する予防的装置であり、連続走行する場合において、車両コントロールの喪失、またはタイヤへの修理不能の損傷が起きかねるほどにタイヤが部分的または全体的に空気を失った場合、車両の重量を支えるために機能するものである。
従来より、ランフラットタイヤ用の支持体の補強材として、金属、ゴムおよびプラスチックエラストマーなどの材料が公知のランフラットタイヤ用の支持体を製造するために用いられているが、金属性のタイヤ支持体は、衝撃に対してうまく耐えられず、故障する可能性がある。
プラスチックエラストマーに使用される原料は、ゴムなどの他の材料に比べて一般に比較的安価であり、また他の材料より軽く公知の支持体を用いる車両の燃料経済性と比べて車両の燃料経済性を改善するために有効であるので、ポリウレタンエラストマーなどのプラスチックエラストマーから支持体を製造することが望まれている。
このため、プラスチックエラストマーを使用したランフラットタイヤ支持体を製造する技術が要望されている。
そこで、ジフェニルメタン系のポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとを原料とするイソシアネートプレポリマ−とアルキル置換ジアミンを反応させて射出成形法によりランフラットタイヤに用いられるエラストマー成形品を製造する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしこの技術は、温度不安定性、割れおよび加工性に関する問題がある。
またポリオールと鎖伸長剤とポリイソシアネートを用いてランフラットタイヤ用に適するポリウレタン樹脂に関する技術が提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかし、このランフラットタイヤ用ポリウレタン樹脂は、タイヤの中に中子といわれるタイヤを入れた、いわゆる中子方式のランフラットタイヤに使用する場合には、ホイールと中子との密着性が必要とされるので、硬度が高すぎるという問題があった。
プラスチックエラストマーからタイヤ支持体を製造する際の一つの問題は、エラストマーの特性が温度に依存する傾向があることである。すなわち、エラストマーが一般に室温(22℃)で延性を有するが、特に100℃以上の高温に曝されると延性を示さない場合がある。特に、タイヤのパンクなどにより内圧が下がった状態で走行する、いわゆるランフラット走行時のように、温度が120℃以上に曝される場合、一定の温度で比較的安定であるべきであるが、延性を示さない場合がある。
またタイヤ支持体に用いるエラストマーは、タイヤの衝撃を緩和するための柔軟性が必要である。すなわち、衝撃緩和がスムーズに行われるためには、エラストマーは、JIS規格で規定されている硬度が80以下で、柔軟性のあるものであることが必要である。また補強材が柔軟であれば、取り付けをする際にも、作業性が向上する。
したがって、ランフラットタイヤの支持体用エラストマーとしては、耐熱性を有し、硬度の低い成形物を形成しうる組成物が望まれる。
特開平5−170864号公報 国際公開第10/42000号パンフレット
本発明は、硬度が低く、耐熱性が改良された、特に硬度と耐熱性とのバランスに優れたランフラットタイヤ、特に支持体用の補強材に用いるウレタン組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究した結果、特定の原料配合のウレタン組成物をいることにより、硬度が低く、且つ耐熱性に優れ、ランフラットタイヤの支持体が得られることを見出すに及んで、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、末端に少なくとも2個のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)とポリオール(B)と鎖伸長剤(C)とを含んでなるランフラットタイヤ用ウレタン組成物において、前記ウレタンプレポリマー(A)、ポリオール(B)及び鎖伸長剤(C)のうちいずれか1つの成分が3官能以上のものを含み、前記ウレタン組成物から得られるポリウレタン樹脂中のハードセグメントの含有量が8〜20重量%であることを特徴とするランフラットタイヤ用ウレタン組成物を提供するものである。
また本発明は、前記ランフラットタイヤ用ウレタン組成物を成形してなるランフラットタイヤ用の支持体を提供するものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のウレタン組成物は、末端に少なくとも2個のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)、ポリオール(B)及び鎖伸長剤(C)を含むものである。
かかるウレタンプレポリマー(A)は、ポリイソシアネートとポリオールとを、ポリオールに含まれる活性水素原子に対し、ポリイソシアネートのイソシアネート基が過剰になるように反応させることにより得ることができる。
具体的は、ポリオールに含まれる活性水素原子に対し、ポリイソシアネートのイソシアネート基がモル比で1.0/2.5〜45.0になるように反応させることが好ましく、特に好ましいのは1.0/7.0〜25.0である。
ポリイソシアネートとしては、例えば1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられるが、耐熱性、機械的強度、作業性の点で、ジフェニルメタン系ポリイソシアネート(以下MDIという)、又はその変性体を用いることが好ましい。
MDIとしては、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(ピュアMDIおよびモノメリックMDIを含む)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2‘−ジフェニルメタンジイソシアネートなどのMDI2核体およびこれらの混合物、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートなどのクルードまたポリメリックMDI(MDI多核体)が挙げられる。
MDIの変性体としては、ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネートを用いたイソシアネート基末端プレポリマー、カルボジイミド変成体、ウレトニミン変成体、イソシアヌレート変成体、ビウレット変成物およびアロファネート変成体などが挙げられる。
具体的には、前記MDI系ポリイソシアネートを用いたイソシアネート基末端プレポリマー、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートの単体または2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物の一部を変性したカルボジイミド変成物、ウレトイミン変成物、イソシアヌレート変成物、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートの単体または2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物またはポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートのビウレット変成物、アロファネート変成物などが挙げられる。
これらのうち、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物の一部を変性したカルボジイミド変成物を用いることが好ましい。
これらのMDI系ポリイソシアネートおよびその変成体は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
前記ポリオール(B)としては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられるが、耐熱性、耐水性、耐候性に優れる点で、ポリカーボネートポリオールが好ましい。
前記ポリエステルポリオールとしては、公知のポリエステルポリオールを用いることができる。かかるポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリオールと二塩基酸とが縮合反応したポリエステルポリオールが挙げられる。ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオールが挙げられる。二塩基酸成分としては、例えば、テレフタル酸、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等の脂肪族あるいは芳香族二塩基酸または芳香族二塩基酸が挙げられる。その他、ε−カプロラクトンポリ(β−メチルーγ−バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類等の環状エステル化合物の開環重合により得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等アルキレンオキシドの単独重合体又は共重合体、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加体等が挙げられる。アルキレンオキシドの単独重合体としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、分子中に式(1)
−〔−O−R−O−CO−〕m− (1)
(式中、Rはアルキレン基、mは1以上の整数を表す。)で示される構造単位を有するものであり、例えばグリコール又はビスフェノール類と炭酸エステル又はホスゲンを反応させて得られるものである。
前記炭酸エステルとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
前記グリコールまたはビスフェノール類としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ポリオキシエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、あるいはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール、ビスフェノールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたビスフェノール等を挙げることができる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として使用することができる。
前記ポリオール(B)の重量平均分子量は、1,000〜10,000であることが好ましく、特に好ましくは3,000〜6,000である。重量平均分子量が1,000より大きければウレタン樹脂を合成した際に樹脂が硬くなりすぎず、もろくなることもない。また重量平均分子量が10,000以下であればウレタン樹脂の凝集力が十分発揮される。
またポリオール(B)の水酸基価は、5.6〜56であることが好ましく、特に好ましいのは9〜19である。
ポリオール1分子中の水酸基の平均個数は、1.9〜3.5であり、2.5〜3.4が特に好ましい。
本発明に使用する鎖伸張剤(C)としては、ポリアミン、ポリオール又は水が挙げられる。これらのうち、耐熱性の点で芳香族ポリアミン、特にジアミンが好ましい。特に第1級アミノ基を有し、アミノ基に対して少なくとも1つのオルト位にアルキル置換基を有するジアミンがより好ましい。これらのうちでも、第1のアミノ基に対してオルト位に少なくとも1つのアルキル置換基及び第2のアミノ基に対してオルト位に2つのアルキル置換基(1〜4個、好ましくは1〜3個の炭素原子を有するもの)を有するジアミンが最も好ましい。
アミノ基に対して少なくとも1つのオルト位に有するアルキル置換基としては、エチル、n-プロピル又はイソプロピル置換基、また第2のアミノ基に対してオルト位に有するアルキル置換基として、メチル置換基を有するジアミンが特に好ましい。
かかるジアミンとしては、例えば1−メチル−3,5−ジエチルー2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチルー2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルー2,4−ジアミノベンゼンを挙げることができる。
かかるジアミンを単独又は2種以上混合して用いることができる。
かかる鎖伸長剤の市販品として、例えばDETDA80[1−メチル−3,5−ジエチルー2,4−ジアミノベンゼンと1−メチル−3,5−ジエチルー2,6−ジアミノベンゼンとの混合物]が挙げられる。
前記鎖伸長剤として使用するポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
以上本発明に使用するウレタンプレポリマー(A)、ポリオール(B)及び鎖伸長剤(C)について説明したが、本願発明は、これらのウレタンプレポリマー(A)、ポリオール(B)及び鎖伸長剤(C)のうち、少なくとも1つが3官能以上のものを含むものを用いるものである。
これらのうち、いずれか1つに3官能以上のものを含ませることにより、架橋密度が高くなり、耐熱性を有するランフラットタイヤ用の支持体を作製することができる。
前記ウレタンプレポリマー(A)、ポリオール(B)及び鎖伸長剤(C)との割合は、特に制限するものではないが、硬度と耐熱性の両立をはかる点で、ランフラットタイヤ用ウレタン組成物中、ウレタンプレポリマー(A)とポリオール(B)と鎖伸長剤(C)とが、重量比で10〜25:75〜85:2〜5であるのが好ましい。
また前記ウレタンプレポリマー(A)、ポリオール(B)及び鎖伸長剤(C)は、前記ポリオール(B)及び鎖伸長剤(C)が有する活性水素原子のモル数に対する前記ウレタンプレポリマー(A)が有するイソシアネート基のモル数(イソシアネート基のモル数/活性水素原子のモル数)が0.5〜1.5で反応させることが硬度と耐熱性とのバランスの点で好ましく、0.70〜1.05の割合で反応させることが特に好ましい。
以上の説明のとおり、本発明のランフラットタイヤ用ウレタン組成物は、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られる、末端に少なくとも2個のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)にポリオール(B)と鎖伸長剤(C)とを混合することにより得ることができる。
混合方法としては、公知の混合方法を用いることができ、例えば機械式攪拌、高圧攪拌等が挙げられる。
本発明のランフラットタイヤ用ウレタン組成物は、公知の添加剤および所望の特性を有するタイヤ支持体を製造するための公知の他の成分を含むことができる。
公知の添加剤としては、触媒、充填剤、難燃剤、顔料または染料などの着色剤、帯電防止剤、強化繊維、酸化防止剤等を挙げることができる。
触媒としては、例えばジメチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル硫化錫、オクタン酸亜鉛、トリエチレンジアミンおよびN―メチルホルマリン等が挙げられる。これらの触媒は、鎖伸長剤とイソシアネートとの間の反応またはポリオールとイソシアネートとの間の反応あるいはその両方を促進して、組成物から製造されるタイヤ支持体の硬化速度を高めることができる。
充填剤としては、例えばカーボンブラック、ガラス繊維、フレークなどが挙げられる。
難燃剤としては、例えばクロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素−燐化合物等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば2,6−ジーt−ブチルフェノール、3,5−ジーt−ブチルーヒドロキシ安息香酸エステル、ビス{3−(3−メチルー5―t−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}が挙げられる。
前記のウレタン組成物中のウレタンプレポリマー(A)、ポリオール(B)及び鎖伸張剤(C)を反応させて得られるポリウレタン樹脂は、分子中にハードセグメントを8〜20重量%有するものである。
ポリウレタン樹脂が、かかるハードセグメント量を有することにより、望ましい温度安定性等を有するランフラットタイヤ用支持体を得ることができる。
本発明でいうハードセグメントは、一般にポリイソシアネートと鎖伸長剤との間の反応により形成される結晶性の構造を有するものである。
本発明でいうハードセグメントの量とは、パルス核磁気共鳴装置(パルスNMR)を用いて測定される結晶部分の定量値を意味する。パルスNMRによりポリウレタン樹脂は非晶質部分、界面部分、結晶部分の三成分で分類でき、結晶部分がハードセグメントに相当し、結晶部分の量をパルスNMRを用いて測定することができる。
本発明のランフラットタイヤ用ウレタン組成物から形成されるポリウレタン樹脂は、50℃〜150℃の温度範囲で、実質的に引張弾性率の変化がなく、温度安定性を有するものである。
ここでいう「実質的に引張弾性率の変化がない」とは、50℃〜150℃の温度範囲で、引張弾性率の変化が15%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下であることを意味する。
また「温度安定性」は、一定温度範囲にわたり耐久性が安定であるという意味である。
本発明のランフラットタイヤ用支持体は、前記ランフラットタイヤ用ウレタン組成物を成形することにより得ることができる。
成形方法としては、ランフラットタイヤ用支持体に使用されるポリウレタン補強材を製造するための公知の成形方法を用いることができる。
公知の成形方法としては、例えば、キャスティング、射出成形法および反応射出成形法(以下RIMという)を挙げることができる。
これらの成形方法のうち、望ましい加工時間で成形することができる点で、RIMが好ましい。例えば、従来の一つの方法である遠心成形およびキャスティングは24時間ほどの成形時間を必要とするが、RIMは、0.5〜5.0分の時間で成形することができる。
本発明のランフラットタイヤ用支持体は、空気タイヤ用のシェル状リング体として形成される緊急走行支持体を車輪リム上に固定するための支持体であり、耐熱性および柔軟性を有するものである。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。実施例において、特記しない限り%は重量%を表す。
以下本発明のポリウレタン樹脂について、硬度、引っ張り強さ、伸び、引き裂き強さ、反発弾性、及び圧縮永久歪を測定し、評価した。
<測定方法及び評価基準>
「硬度」:後記実施例で得られたポリウレタンエラストマーを試料として、JIS A硬度計にて測定した。
「引っ張り強さ」:後記実施例で得られたポリウレタンエラストマーを試料として、JIS k―6301に準じて測定した。
「伸び」:後記実施例で得られたポリウレタンエラストマーを試料として、JIS k―6301に準じて測定した。
「引裂強さ」:後記実施例で得られたポリウレタンエラストマーを試料として、JIS k―6301に準じて測定した。
「反発弾性」:後記実施例で得られたポリウレタンエラストマーを試料として、JIS k―6301に準じて測定した。
「圧縮永久歪」:後記実施例で得られたポリウレタンエラストマーを試料として、JIS k―6301に準じて測定した。
実施例1
ポリイソシアネートとして、p,p‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(純度;98%)63%、p,p’−ジフェニルメタンジイソシアネート(純度;54%)及びo,p−ジフェニルメタンジイソシアネート(純度;46%)5%、ポリエーテルポリオールとして、プロポキシル化およびエトキシル化を行った(PO:EOの重量比=80:20)水酸基価が26.0のプロピレングリコール32%を用い、これらのポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとを80℃で2時間反応させ、透明かつ粘性を持ったイソシアネート基末端プレポリマーを得た。以後これをプレポリマーAという。このプレポリマーAのイソシアネート基の含有率は11.0%であった。
次に、かかるプレポリマーA液に、プロポキシル化およびエトキシル化を行った(PO:EOの重量比=80:20)水酸基価が26.0のプロピレングリコール91.5%、DETDA80 8.5%からなるポリオール配合物[以後ポリオール(B1)という]を、ポリオール(B1)の水酸基のモル数/プレポリマーA液のイソシアネート基のモル数が0.95となるように加え、充分に攪拌した。
プレポリマーA液とB1成分とを標準RIM加工条件を用いて、ポリウレタンエラストマーを成形した。かかるポリウレタンエラストマーのハードセグメントをパルスNMRを用いて測定した結果、ハードセグメントを15%含んでいた。その他の測定結果を表−1に示す。
実施例2
実施例1で得られたプレポリマーA液に、ポリエーテルポリオールとしてプロポキシル化およびエトキシル化を行った(PO:EOの重量比=80:20)水酸基が26.0のプロピレングリコール89.2%、DETDA80 8.5%、エチレングリコール2.2%からなるポリオール配合物[以後ポリオール(B2)という]を、ポリオール(B2)の水酸基のモル数/プレポリマーA液のイソシアネート基のモル数が0.95となるように加え、充分に攪拌した。
プレポリマーA液とB2成分とを標準RIM加工条件を用いて、ポリウレタンエラストマーを成形した。かかるポリウレタンエラストマーのハードセグメントをパルスMNRを用いて測定した結果、ハードセグメントを11%含んでいた。その他の測定結果を表−1に示す。
比較例1
実施例1で得られたプレポリマーA液に、ポリエーテルポリオールとしてプロポキシル化およびエトキシル化を行った(PO:EOの重量比=80:20)水酸基が26.0のプロピレングリコール55.0%、DETDA80 45.0%からなるポリオール配合物[以後ポリオール(B3)という]を、ポリオール(B3)の水酸基のモル数/プレポリマーA液のイソシアネート基のモル数が0.95となるように加え、充分に攪拌した。
プレポリマーA液とポリオール(B3)とを標準RIM加工条件を用いて、ポリウレタンエラストマーを成形した。かかるポリウレタンエラストマーのハードセグメントをパルスNMRを用いて測定した結果、ハードセグメントを36%含んでいた。その他の測定結果を表−1に示す。
Figure 2005306199
図1は−100℃〜150℃の温度範囲でのポリウレタンエラストマーの引張弾性率の変化を示している。50℃〜150℃温度範囲にわたる引張弾性率の変化は5%以下であり、本発明のポリウレタンエラストマーは温度安定性を有する。
本発明のポリウレタンエラストマーの−100℃〜150℃の温度範囲にわたる引張弾性率の変化を示している図である。

Claims (4)

  1. 末端に少なくとも2個のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)とポリオール(B)と鎖伸長剤(C)とを含んでなるランフラットタイヤ用ウレタン組成物において、前記ウレタンプレポリマー(A)、ポリオール(B)及び鎖伸長剤(C)のうちいずれか1つの成分が3官能以上のものを含み、前記ウレタン組成物から得られるポリウレタン樹脂中のハードセグメントの含有量が8〜20重量%であることを特徴とするランフラットタイヤ用ウレタン組成物。
  2. 前記ウレタンプレポリマー(A)とポリオール(B)と鎖伸長剤(C)との割合が、重量比で10〜25:75〜85:2〜5である請求項1に記載のランフラットタイヤ用ウレタン組成物。
  3. 前記ポリウレタン樹脂が、末端に少なくとも2個のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)とポリオール(B)と鎖伸長剤(C)とを、前記ポリオール(B)及び鎖伸長剤(C)が有する活性水素原子のモル数に対する前記ウレタンプレポリマー(A)が有するイソシアネート基のモル数(イソシアネート基のモル数/活性水素原子のモル数)が0.5〜1.5の割合で反応させて得られる請求項1又は2記載のランフラットタイヤ用ウレタン組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のランフラットタイヤ用ウレタン組成物を成形してなるランフラットタイヤ用支持体。

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