JP2005306003A - 液体吐出ヘッド用基板及び液体吐出ヘッド - Google Patents

液体吐出ヘッド用基板及び液体吐出ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】液体吐出ヘッドにおいて、ヒータによって発生した熱が拡散するのを低減し、有効発泡領域を確保しつつ、保護膜によるヒータの保護性能を向上させる。
【解決手段】基板1上に設けられた複数の発熱体を保護する金属保護膜65が白金族元素からなり、保護膜65が、複数の発熱体毎に分離して設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体が流れる流路に設けた発熱体で、液体に熱エネルギーを付与することで、液体に膜沸騰を起こさせ、該膜沸騰によって生じた気泡によって吐出口からインクなどの液体を吐出させるインクジェット方式の液体吐出ヘッド用基板及び液体吐出ヘッドに関する。
従来、液体吐出ヘッド、特にインクジェット方式の液体吐出ヘッドとしては、吐出口に通じるインク流路にヒータを設け、このヒータによってインク流路に充填した液体に熱エネルギーを付与することで生じた気泡によって吐出口からインクを吐出させる構成のものが知られている。このような構成の液体吐出ヘッドが特許文献1に開示されている。
特許文献1に記載の液体吐出ヘッドでは、Si基板である基板上に、ヒータを加熱した際に発生する熱が散逸しないようにするSiO2からなる下部層である蓄熱層が形成され、さらにその上にHfB2からなる発熱抵抗層であるヒータ膜が形成されている。このヒータ膜上に電力を供給するためのAlからなる配線が、所定のパターンで、所定の間隙を置いて形成されている。該所定の間隙の領域が、ヒータ膜に電流が流れることで発熱する発熱領域となっている。ヒータ膜と配線上には、ヒータ膜と配線をインクから絶縁する働きをする第1の上部保護層であるSiO2からなる絶縁膜と、インク中に膜沸騰によって生じた気泡の消泡時の衝撃からヒータ膜を保護する第3の保護層であるTaからなる保護膜と、発熱領域以外に設けられ、絶縁膜にインクが浸透することを防止する樹脂からなる第2の保護層である樹脂保護膜と、が形成されている。
特公平6−24855号公報
近年の高速化、高画質化の要望より、液体吐出ヘッドにおいては、従来よりも耐久性が重視されるようになってきた。気泡の消泡時の衝撃からヒータ膜を保護する働きをする保護膜を形成する材料においても、耐久性の観点からTaより化学的に安定なIr、Pt等の白金族元素を用いることが考えられる。
しかしながら、Ir、Pt等の白金族元素を、特許文献1に開示の構成に用いたところ、文字のかすれや色ムラ等の現象が見受けられた。この現象について、下記に説明する。
液体吐出ヘッドにおいて、ヒータの発熱領域の辺縁部に、熱伝導率の良い、Taからなる保護膜やAlからなる配線が存在している。このため、保護膜や配線を伝わって、ヒータの発熱領域で発生した熱の拡散が生じる。つまり、発熱領域の辺縁部付近では、辺縁に向かうにつれて、発熱領域の中心部よりも温度が低くなる。このため、発熱領域における温度分布は台形状になる。
発熱領域の中心部の温度が発泡温度(約300℃)に到達すると、液体に気泡が生成され、インクを吐出するための高い圧力が得られる。この際、発熱領域の、高温になる中央領域のみで、吐出に寄与する気泡が発生し、発熱領域の辺縁部では温度が十分に上がらないため吐出に寄与する気泡は発生しない。つまり、発熱領域全体のうち、実質的にインクの発泡に寄与するのは、中央の高温となる領域のみである。この高温領域、つまり、吐出に寄与する気泡が形成される領域を、以下、有効発泡領域と称する。
上述したようなIr、Pt等の白金族元素はTaよりも熱伝導率が高く、このため、これらの材料から保護膜を形成した場合には、熱が周辺に逃げてしまう。この結果、ヒータの発熱領域に対する、有効発泡領域の比率は格段に低下し、極端に有効発泡領域が小さくなり、これが、文字のかすれや色むらの原因であると考えられる。
そこで、本発明の目的は、液体吐出ヘッドにおいて、有効発泡領域を確保しつつ、保護膜によるヒータの保護性能を向上させることにある。
上述の目的を達成するため、本発明の液体吐出ヘッド用基板は、基板上に、液体を吐出するために用いられる熱エネルギーを発生する複数の発熱体と、発熱体を保護する金属保護膜と、が設けられ、金属保護膜は白金族元素からなり、複数の発熱体毎に分離して設けられていることを特徴とする。
上述の構成をとることで、ヒータによって発生した熱が金属保護膜を伝わって拡散するのを低減し、有効発泡領域を確保しつつ、保護膜によるヒータの保護性能を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1,2を用いて、本発明の第1の実施形態の液体吐出ヘッドを詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の液体吐出ヘッドの模式的な一部破断斜視図である。本実施形態における液体吐出ヘッド用基板は、長溝状の貫通口からなる、液体(インク)を供給する供給口9が開口するSi基板1に、複数の発熱体(ヒータ8)が設けられ、また、ヒータ8を保護する金属保護膜(不図示)がヒータ8毎に分離して設けられている。この液体吐出ヘッド用基板上に、液体が流れる流路70を形成する流路部材(ノズル壁67)と、発熱体に対応する吐出口10が設けられたプレートと、が形成されて液体吐出ヘッドを構成している。ヒータ8は、流路70に対応して、インク供給口9の両側にそれぞれ1列ずつ片側600dpiの配列ピッチで千鳥状に配列されている。インク供給口9から流路70に液体が供給されると、流路にそれぞれ設けられたヒータ8によって、熱エネルギーが液体に付与され、液体に発生した気泡によって吐出口10から液体が吐出される。
ヒータ8の発熱領域で発生した熱が保護膜や配線を伝わって拡散することによって生じる、ヒータ8の発熱領域の内の、発泡に寄与しない領域は、ヒータ8の大きさにそれほど関与しない為、ヒータ8が小型化された液体吐出ヘッドにおいては、有効発泡領域の減少による問題は顕著となる。さらに、小型化されたヒータ8においては、吐出される液滴が小さい為、ヒータ8の駆動回数が増加し、ヒータ8を保護する保護膜の耐久性が求められる。
本発明は、上述したような、小型化されたヒータを有するヘッドに特に有効であり、従来はエネルギー効率の観点から用いるのが困難であった、熱伝導率が高いが化学的に安定な材料を保護膜に用いることで、エネルギー効率を低下させることなく、発泡領域を確保しつつ、ヒータの耐久性を高めることができることを特徴とする。
図2(a)は、図1のヘッドのヒータ8近傍を示す平面模式図であり、図2(b)は、図2(a)のJ−J’線に沿って基板垂直方向に切断した際の部分断面模式図であり、図2(c)は、図2(a)のG−G’線に沿って基板垂直方向に切断した際の部分断面模式図である。なお、図2(a)では、絶縁膜5を透視して、配線4のパターンを示している。
図2(b)に示すように、Si基板からなる基板1上には、ヒータを加熱した際に発生する熱が散逸しないようにする働きをするSiO2からなる蓄熱層2が形成され、さらにその上に、通電によって発熱するTaSiNからなるヒータ膜3が形成されている。このヒータ膜3上に、電力を供給するためのAl配線4が所定のパターンで形成されており、この配線4とヒータ膜3によってヒータ8が形成されている。配線4のパターンは、所定の間隙を設けられており、該所定の間隙に対応するヒータ膜の領域に電流が流れることでヒータ膜3が発熱し、すなわちこの領域が発熱領域Hとなっている。ヒータ膜3と配線4上には、さらに、ヒータ膜3と配線4をインクから絶縁する働きをするSiNまたはSiOから形成される絶縁膜5が形成され、この絶縁膜5上に、インク中に膜沸騰によって生じた気泡の消泡時の衝撃からヒータ膜3を保護する働きをする金属保護膜65が形成されている。この金属保護膜65としては白金族元素が適用可能であり、本実施形態ではIrを用いている。本実施形態において、ヒータは26μm×26μmの大きさに対して、金属保護膜65は、27μm×27μmのパターンで形成されている。金属保護膜65の端部は、ヒータの発熱領域に対して0.5μm外側にある。そして、金属保護膜65は、ヒータ毎に、分離して個別に形成されている。
図2(a)において、ヒータ上の発熱領域Hのうち、実質的にインクの発泡に寄与する高温領域である有効発泡領域を図中に符号Heで示す。Irは熱伝導率が147[W/(m・K)]とTaの熱伝導率57.5[W/(m・K)]よりも大幅に高いが、本実施形態の構成によれば保護膜65が周囲と熱的に分離されている為、隣接する発熱領域まで、保護膜65を伝導して熱が拡散するのを防ぐことができる。その結果、本実施形態の構成では、熱伝導率の高いIr等の白金族元素を保護膜65に用いた場合でも発泡に寄与しない額縁領域(発熱領域Hから有効発泡領域Heを除いた領域)が極端に増えるのを防ぐことができ、Taを保護膜として用いた従来の有効発泡領域と同等に保つことが可能となる。
本実施形態のように26μm×26μmのサイズのヒータを用い、金属保護膜65の端部が、ヒータに対して0.5μm外側になるような大きさの保護膜65を用いた時に、有効発泡領域Heは発熱領域Hから約4μm内側の領域になる。つまり、有効発泡領域Heの面積は324μm2となり、これは、Ta保護膜を隣接する発熱部まで連続して形成した構成とほぼ同様の有効発泡領域である。
以上のことから、従来と同等以上の有効発泡領域を確保する為には、上述の保護膜サイズ(金属保護膜65の端部が、ヒータに対して0.5μm外側に位置する大きさ)以下の値であればよい。このようなサイズの金属保護膜65を用いることで、Taより化学的に安定なIr等の白金族元素を用いた場合でも、発泡効率を低下させずにインクを加熱、発泡させることが可能となり、かつ、白金族元素を用いることで保護膜65としての耐久性も向上し、ヒータの耐久性も向上する。
更に、本実施形態では図2(b)に示すように、液体吐出ヘッド用基板と、ノズル壁67とを密着させる密着層(ノズル密着層66)が、液体吐出ヘッド用基板とノズル壁67との間に、かつ、隣接する金属保護膜65の間に設けられている。このような構成をとることで、凹凸形状の絶縁膜5と保護膜65とが、密着層66によって平坦化される為、密着層66を介して接合されるノズル壁67と液体吐出ヘッド用基板との密着性が向上する。
また、ノズル密着層66に樹脂等の断熱材料、例えばポリエーテルアミド系の樹脂として、日立化成製のHIMAL樹脂等の有機樹脂を用いることで、保護膜65からの熱拡散を抑制する効果が得られる。さらに、図2(b)に示すように、分割して設けられた保護膜65の端部を密着層66の一部が被覆する形状をとることで、発熱領域H周囲への熱の拡散がさらに低減され、有効発泡領域の減少が抑制される。
このように、本実施形態の構成のような密着層66を用いることで、熱の拡散を更に抑制でき、更に高効率でインクを加熱、発泡させることが可能となり、ノズル壁67の密着性も十分に確保され、信頼性の高い液体吐出ヘッドの提供が可能となる。
なお、図2においては、保護膜65の3辺を密着層で囲んだ例を示したが、もちろん保護膜の4辺を囲むように密着層66を設けても構わない。
また、上述の実施形態においては、金属保護膜65としてIrを用いた例で示したが、本発明はこれに限られるものではなく、Pt等の、他の白金族元素を用いた場合でも同様に効果を奏するものである。
以上のように、本実施形態によれば、液体吐出ヘッドのヒータに対して、従来の有効発泡領域を確保しつつ、高い耐久性を得ることが可能となる。
(第1の比較例)
第1の比較例として、第1の実施形態と同様のヒータサイズ(26μm×26μm)で、Ir保護膜を従来のTa保護膜の構成のように隣接する発熱部まで連続して形成した例を示す。
比較例における有効発泡領域Heは、発熱領域Hから約6μm内側の領域(有効発泡領域面積196μm2)であった。一方、第1の実施形態の構成では、ヒータサイズが26μm×26μmのときに、有効発泡領域は、発熱領域から約4μm内側の領域であり、有効発泡領域面積は324μm2であった。発泡パワーは、一般的に有効発泡領域Heの面積に比例するため、従来のTa保護膜を単にIr保護膜に置き換えた場合には、本発明の第1の実施形態に比べて発泡パワーが40%減となることがわかる。
(第2の比較例)
第2の比較例として、Irを保護膜に用い、有効発泡領域Heが、第1の実施形態と同等の面積になるように、ヒータサイズそのものを30μm×30μmと、大きくした例を示す。
第1の実施形態の構成のヘッドと、第2の比較例の構成のヘッドと、を駆動させて性能を比較した。両者のヘッドで、それぞれ2色のインクを用い、A4サイズの用紙に対して、用紙全体を塗りつぶすように連続印字を行ったところ、第1の実施形態におけるヘッドでは顕著な画像濃度ムラは見受けられなかったのに対して、第2の比較例におけるのヘッドでは画像濃度ムラによる画質の劣化が確認された。
通常、液体吐出ヘッドでは、ヘッドが昇温しすぎると、不吐出が発生したり、ヘッドが異常をきたしたりする。その為、ヘッドの温度が一定温度以上(例えば50〜55℃)に達すると、印字を一時中断するシーケンス(以下、昇温検知)が設けられている。第2の比較例の場合はヘッドがたびたび昇温検知を作動させ、印字が中断し、第1の実施形態に比べてスループットの大幅な低下が見受けられた。これは、ヒータサイズを大きくしたことで、ヘッド全体で発生する熱量が増加した為と考えられる。
このように、本発明の構成によれば、保護膜にIr等の白金族元素を用いた場合でも、熱の拡散を抑えることができ、ヒータサイズを変えなくても従来と同様の有効発泡領域を確保することができる。その結果、高スループットを維持したまま、耐久性の向上を実現できる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、保護膜が形成される領域を、ヒータの大きさに対応する発熱領域H以下のサイズにする形態を示す。第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
図3に本発明の第2の実施形態の液体吐出ヘッドの構成を示す。図3(a)は本実施形態の液体吐出ヘッドのヒータ近傍の平面模式図、図3(b)は、図3(a)のA−A'線に沿って基板垂直方向に切断した際の部分断面図、図3(c)は、ヒータに電力を供給し、ヒータ中心領域の温度が発泡温度直前(図示の例では約300℃)にまで到達したときの、図3(a)のA−A'線に沿った温度分布を示すグラフである。なお、図3(a)では、絶縁膜5を透視して、配線4のパターンを示している。
液体に発生した気泡を、大気と連通させることで液体を吐出する方式など、消泡工程によるヒータに対する衝撃が少ない方式を用いた場合において、図3に示すように金属保護膜6として、白金属元素のIrが形成された保護膜領域W1を、ヒータの発熱領域Hよりも小さくしてもよい。このような構成により、有効発泡領域を、従来のようにTa保護膜を連続して形成していた時よりも広げることが可能となる形態を示す。
本実施形態においては、保護膜領域W1を発熱領域Hの内側2μmの領域に形成した。その他は実施形態1と同様の構成である。本構成における有効発泡領域He1は、金属保護膜6が形成された保護膜領域W1とほぼ同じ領域となることが観察された。このように、有効発泡領域He1と同程度の大きさとなるような金属保護膜を形成することで、従来構成より有効発泡領域を広げることが可能となる。
本実施形態において、有効発泡領域は金属保護膜6の形成領域を超えることがないため、必要以上に金属保護膜6の形成領域を小さくすると、かえって有効発泡領域が小さくなってしまう。
第1の実施形態で述べたように、従来のTa保護膜を隣接する発熱部まで連続して形成した構成における有効発泡領域はヒータから約4μm内側の領域である。つまり、本実施形態において、従来と同等以上の有効発泡領域を確保する為には、金属保護膜6の端部が、ヒータに対して4μm内側に位置するサイズ以上、発熱領域以下のサイズにすれば良い。従来よりも有効発泡領域を広げる観点からは、金属保護膜6の形成領域は、ヒータのサイズを規定するヒータの発熱領域から1μm〜3μm内側とすることがより好ましい。
また、有効発泡領域に対応する絶縁膜5の一部を薄くし、その部分に金属保護膜6を埋め込む構成であってもよい。本実施形態では、金属保護膜6にはIrを用いたが、白金族元素であれば、例えばPr等を用いても同様の効果が得られる。
(第3の実施形態)
上記第1、2の実施形態では、金属保護膜として白金族元素のみを用いた例を示したが、本発明では白金族元素と従来用いられていたTaとを組み合わせて保護膜を形成する形態について説明する。第2の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
図4に本発明の第3の実施形態の液体吐出ヘッドの模式図を示す。図4(a)は本実施形態の液体吐出ヘッドのヒータ近傍の平面略式図、図4(b)は、図4(a)のE−E'線に沿った断面模式図、図4(c)は、ヒータに電力を供給し、ヒータ中心領域の温度が発泡温度直前(図示の例では約300℃)にまで到達したときの、図4(a)のE−E'線に沿った温度分布を示すグラフである。なお、図4(a)では、絶縁膜5を透視して、配線4のパターンを示している。
本実施形態では、絶縁膜5上には、第1の保護膜46aが形成され、第1の保護膜46aより熱伝導率が高い第2の保護膜46bが第1の保護膜46a上に形成されている。例えば、第1の保護膜46aはTa等の金属から形成し、第2の保護膜46bは、PtやIr等の白金族元素から形成することができる。
本実施形態において、第1の保護膜46aはヒータの発熱領域H全域と配線5を覆っている。一方、第2の保護膜46bが形成された第2の保護膜領域W5は、保護膜にTaのみを用いたときの有効発泡領域He3とほぼ等しい領域に設定されている。すなわち、発熱領域の内側4μmの領域に第2の保護膜領域W5が形成されている。本実施形態においても、従来と同等以上の有効発泡領域を確保する為、金属保護膜46bは、その端部がヒータに対して4μm内側に位置するサイズ以上で、発熱領域以下のサイズにすれば良い。
本実施形態の構成では、有効発泡領域He3以外の領域でも、絶縁膜5上に第1の保護膜26aが形成されている。これにより、絶縁膜5に万一ピンホールが生じた場合でも、インクなどの液体が配線4に接触するのを防ぐことができ、液体吐出ヘッドの信頼性を向上させることができる。
また、化学的安定性の高いPtやIr等の白金族元素を、第2の保護膜46bに用いることで、従来に比べてヒータの耐久性を向上させることができる。この際、第2の保護膜46bを形成することによって、インクとヒータ膜3の間の熱抵抗は多少大きくなるものの、第2の保護膜46bの熱伝導率は比較的高く、また、第2の保護膜46bのために熱拡散が生じることもないので、エネルギー効率を大きく低下させることはない。特に、第2の保護膜46bの膜厚を薄く抑えることによって、熱抵抗を、第1の保護膜46aのみを形成した場合と実質的に同等にすることが可能であり、従来と同等のエネルギー効率を達成することができる。また、有効発泡領域He3に対応する第1の保護膜46aの一部を薄くし、その部分に第2の保護膜46bを埋め込む構成でもよい。また、有効発泡領域He3に対応する部分には第1の保護膜46aは形成せず、この部分には、絶縁膜5上に第2の保護膜46bのみを直接形成し、第2の保護膜46bが第1の保護膜46aで囲まれたような構成でも良い。
また、図5に示すように、有効発泡領域He3とほぼ等しい領域に設定されたIr等の白金族元素の第2の保護膜46bを形成し、第2の保護膜46bを覆うように、Ta等の金属からなる第1の保護膜46aを形成しても、上述と同様の効果が得られる。この場合には、発熱領域上のTa保護膜46aはキャビテーションにより徐々に削れてはいくが、PtやIr等の白金族元素保護膜界面付近でこの侵食は止まるため問題は生じない。
なお、上述の第1の金属保護膜46aと第2の金属保護膜46bの間には密着層を形成してもよく、それによって、第1の保護膜46aと第2の保護膜46bの密着性を高めることができる。この密着層の材料として、例えばTiがあげられる。
本発明に好適に用いられる液体吐出ヘッドの模式的な一部破断斜視図。 本発明の第1の実施形態の液体吐出ヘッドの模式図であり、(a)はヒータ近傍の平面模式図、(b)は、(a)のJ−J’線に沿った断面模試図、(c)は、(a)のG−G'線に沿った断面模試図。 本発明の第2の実施形態の液体吐出ヘッド模式図であり、(a)はヒータ近傍の平面模式図、(b)は、(a)のA−A'線に沿った断面模式図、(c)は、(a)のA−A'線に沿った温度分布を示すグラフ。 本発明の第3の実施形態の液体吐出ヘッドの模式図であり、(a)はヒータ近傍の平面略式図、(b)は、(a)のE−E'線に沿った断面模式図、(c)は、(a)のE−E'線に沿った温度分布を示すグラフ。 本発明の第3の実施形態の液体吐出ヘッドの模式図。
符号の説明
1 Si基板
2 蓄熱層
3 ヒータ膜
4 配線
5 絶縁膜
65 保護膜
46a 第1の保護膜
46b 第2の保護膜
H 発熱領域
He 有効発泡領域

Claims (9)

  1. 基板上に、液体を吐出するために用いられる熱エネルギーを発生する複数の発熱体と、前記発熱体を保護する金属保護膜と、が設けられ、
    前記金属保護膜は白金族元素からなり、複数の前記発熱体毎に分離して設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッド用基板。
  2. 前記金属保護膜の端部は、
    前記発熱体の端部から4μm内側と0.5μm外側との間の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  3. 前記金属保護膜より熱伝導率が低い保護膜をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  4. 熱伝導率が低い前記保護膜と前記金属保護膜とが前記基板側から順に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  5. 前記金属保護膜を覆うように、熱伝導率が低い前記保護膜が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  6. 熱伝導率の低い前記保護膜はTaからなることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド用基板と、
    前記液体吐出ヘッド用基板上に、前記発熱体に対応して設けられる吐出口を形成する部材と、前記吐出口に連通する流路を形成する流路部材と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  8. 前記液体吐出ヘッド用基板と前記流路部材とを密着させる密着層が、前記液体吐出ヘッド用基板と前記流路部材との間に、かつ、隣接する前記金属保護膜の間に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記金属保護膜の端部に、前記密着層の一部が重なっていることを特徴とする請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
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