JP2005305944A - 防眩性を有する帯電防止転写シート、及び防眩性を有する帯電防止処理された物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】
湿度依存性が少なく長期間にわたって帯電防止性が維持でき、また、成形品にも効率よく帯電防止性及び防眩性の付与を行うことできる防眩性を有する帯電防止転写シートが、さらに、該帯電防止層が転写された光学部材は高い透明性、適度なヘイズ、高いハードコート性、及び防眩性を有する防眩性を有する帯電防止処理された物品を提供する。
【解決手段】
離型性基材シート11の離型性面上に防眩性の微細な凹凸を形成し、該離型性面上に転写層として、少なくとも帯電防止層21、及び透明架橋硬化樹脂層23、を形成して成る転写シート。必要に応じて、更に、離型性基材シート11の転写層とは反対側の面に第2帯電防止層22、転写層としてプライマ層25、或いは接着層27を有していても良い。尚、前記帯電防止層が導電性有機高分子、好ましくはポリチオフェン系高分子であることを特徴とする。
【選択図】 図1
湿度依存性が少なく長期間にわたって帯電防止性が維持でき、また、成形品にも効率よく帯電防止性及び防眩性の付与を行うことできる防眩性を有する帯電防止転写シートが、さらに、該帯電防止層が転写された光学部材は高い透明性、適度なヘイズ、高いハードコート性、及び防眩性を有する防眩性を有する帯電防止処理された物品を提供する。
【解決手段】
離型性基材シート11の離型性面上に防眩性の微細な凹凸を形成し、該離型性面上に転写層として、少なくとも帯電防止層21、及び透明架橋硬化樹脂層23、を形成して成る転写シート。必要に応じて、更に、離型性基材シート11の転写層とは反対側の面に第2帯電防止層22、転写層としてプライマ層25、或いは接着層27を有していても良い。尚、前記帯電防止層が導電性有機高分子、好ましくはポリチオフェン系高分子であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、帯電防止層転写シートに関し、さらに詳しくは、直接に帯電防止性及び防眩性の付与が効率よく行えない物品に対しても転写法を用いる事で容易に防眩性及び帯電防止性を同時に付与できる防眩性を有する帯電防止性転写シート、及び防眩性を有する帯電防止処理された物品に関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。
また、「PDP」は「プラズマディスプレイパネル」、「TV」は「テレビジョン(受像機)」、「TAC」は「トリアセチルセルロース」、及び「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」、の略語、機能的表現、通称又は業界用語である。
また、「PDP」は「プラズマディスプレイパネル」、「TV」は「テレビジョン(受像機)」、「TAC」は「トリアセチルセルロース」、及び「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」、の略語、機能的表現、通称又は業界用語である。
(技術の背景)TV、パソコン、携帯電話などの電子電気製品には、製造、流通及び保管時に塵埃が付着しないように帯電防止処理がなされている。また、塵埃の付着による外観の悪さ以外にも、蓄積した電荷の放電による火災、放電電流による電子部品の故障の危険性があり、これを防止するために帯電防止処理がなされている。
そして、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、液晶テレビ、プラズマテレビなどの表示装置(ディスプレイ)は、導光板、レンズフィルム、光拡散フィルム、偏光フィフム、視野角調整フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、タッチパネル、表示窓材などの多くの光学部材から構成されている。これらの部材を表示装置へ組立てる際に、該加工時や組立時、及び表示装置として使用中に、切断屑や環境ゴミが光学部材へ付着して表示に悪影響する。しかしながら、導光板や表示窓などの成形品は、効率よく帯電防止性の付与を行うことが困難であり、さらに、光学部材のために、帯電防止性に加えて、高い透明性、適度なヘイズ、高いハードコート性(鉛筆硬度、スチールウール性等の耐擦傷性で代表される)が求められ、特に表示窓では、外光の写り込みの少ない防眩性が求められている。
また、従来の界面活性剤等の帯電防止層では、長期間の使用や、高温高湿度の環境では劣化しやすく、湿度依存性が少なく長期にわたって維持できる帯電防止性が求められている。
この様に、各種物品への帯電防止及び防眩処理は、湿度依存性が少なく長期にわたって性能が維持でき、また、成形品にも効率よく、帯電防止性及び防眩性を付与できることが求められている。さらに、帯電防止処理された物品は、高い透明性、適度なヘイズ、高いハードコート性、及び防眩性が求められている。
そして、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、液晶テレビ、プラズマテレビなどの表示装置(ディスプレイ)は、導光板、レンズフィルム、光拡散フィルム、偏光フィフム、視野角調整フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、タッチパネル、表示窓材などの多くの光学部材から構成されている。これらの部材を表示装置へ組立てる際に、該加工時や組立時、及び表示装置として使用中に、切断屑や環境ゴミが光学部材へ付着して表示に悪影響する。しかしながら、導光板や表示窓などの成形品は、効率よく帯電防止性の付与を行うことが困難であり、さらに、光学部材のために、帯電防止性に加えて、高い透明性、適度なヘイズ、高いハードコート性(鉛筆硬度、スチールウール性等の耐擦傷性で代表される)が求められ、特に表示窓では、外光の写り込みの少ない防眩性が求められている。
また、従来の界面活性剤等の帯電防止層では、長期間の使用や、高温高湿度の環境では劣化しやすく、湿度依存性が少なく長期にわたって維持できる帯電防止性が求められている。
この様に、各種物品への帯電防止及び防眩処理は、湿度依存性が少なく長期にわたって性能が維持でき、また、成形品にも効率よく、帯電防止性及び防眩性を付与できることが求められている。さらに、帯電防止処理された物品は、高い透明性、適度なヘイズ、高いハードコート性、及び防眩性が求められている。
(先行技術)従来、物品に帯電防止性を付与する方法は、直接物品表面に帯電防止剤を塗工したり、或いは、直接物品帯電防止剤を添加したりする方法が主流である。しかし、物品表面が凹凸面である等の理由で直接塗工が困難であったり、物品中に帯電防止剤の添加が困難な場合には、物品表面に帯電防止剤(を含む層)を転写転写することも行なわれていた。
また、かかる帯電防止剤としては、ニッケル、銀、銅等の金属や黒鉛等の導電性炭素などの導電性材料、又はアニオン型、カチオン型、或いはノニオン型の界面活性剤が知られている。しかしながら、導電性材料では帯電防止性能、及びその経時安定性は良好である反面、着色して透明性が悪化するという問題があった。また、界面活性剤では、透明性は良好である反面、経時で表面に移行し、布で拭き取られ又は水などで洗い流されて、効果が低下して経時安定性(持続性)に欠けるという欠点があり、透明性と帯電防止性の経時安定性を両立させる完璧なものがなかった。
また、透明性を維持しつつ長期間帯電防止性を保つための試みとして、良帯電防止性の比較的低分子量の材料を樹脂中にポリマーアロイ化することが知られている。(例えば、特許文献1〜2参照。)しかしながら、含有できる樹脂の種類に制限があり、相溶化剤の併用が必要であったり、また、かなり大量の含有量を必要とし、コスト的にも高いという問題点がある。
さらにまた、透明性を維持しつつ長期間帯電防止性を保つための試みとして、トリフルオロメタンスルフォン酸リチウムなどの含ハロゲン酸のアルカリ金属塩を含有させることが知られている。(例えば、特許文献3参照。)しかしながら、トリフルオロメタンスルフォン酸リチウムでは、その含有量が多いと表面への移行が多く外観が低下して商品価値が落ちる。また、高温高湿度下においても白化して外観不良となるという欠点がある。また、いずれの公報にも、ハードコート性の向上、及び防眩性を転写と同時に付与することについては、記載も示唆もされていない。
また、かかる帯電防止剤としては、ニッケル、銀、銅等の金属や黒鉛等の導電性炭素などの導電性材料、又はアニオン型、カチオン型、或いはノニオン型の界面活性剤が知られている。しかしながら、導電性材料では帯電防止性能、及びその経時安定性は良好である反面、着色して透明性が悪化するという問題があった。また、界面活性剤では、透明性は良好である反面、経時で表面に移行し、布で拭き取られ又は水などで洗い流されて、効果が低下して経時安定性(持続性)に欠けるという欠点があり、透明性と帯電防止性の経時安定性を両立させる完璧なものがなかった。
また、透明性を維持しつつ長期間帯電防止性を保つための試みとして、良帯電防止性の比較的低分子量の材料を樹脂中にポリマーアロイ化することが知られている。(例えば、特許文献1〜2参照。)しかしながら、含有できる樹脂の種類に制限があり、相溶化剤の併用が必要であったり、また、かなり大量の含有量を必要とし、コスト的にも高いという問題点がある。
さらにまた、透明性を維持しつつ長期間帯電防止性を保つための試みとして、トリフルオロメタンスルフォン酸リチウムなどの含ハロゲン酸のアルカリ金属塩を含有させることが知られている。(例えば、特許文献3参照。)しかしながら、トリフルオロメタンスルフォン酸リチウムでは、その含有量が多いと表面への移行が多く外観が低下して商品価値が落ちる。また、高温高湿度下においても白化して外観不良となるという欠点がある。また、いずれの公報にも、ハードコート性の向上、及び防眩性を転写と同時に付与することについては、記載も示唆もされていない。
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、導電性有機高分子を含む帯電防止層を転写法で付与することで、各種素材及び形状の物品に対して帯電防止性を付与でき、湿度依存性が少なく長期間にわたって帯電防止性が維持でき、持続性が良好で、且つ透明性も良好な帯電防止性及び防眩性の付与を行うことできる防眩性を有する帯電防止転写シートを提供することである。さらに、該帯電防止層が転写された物品は、帯電防止性と共に、高い透明性、適度なヘイズ、高いハードコート性、及び防眩性をも有する防眩性を有する帯電防止処理された物品を提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる防眩性を有する帯電防止転写シートは、離型性基材シートの離型性の面上に、転写層として少なくとも帯電防止層、及び透明架橋硬化樹脂層を此の順に有する帯電防止転写シートにおいて、前記基材の帯電防止層側が微細な凹凸を有し、かつ、前記帯電防止層が少なくとも導電性有機高分子を含有するように、したものである。
請求項2の発明に係わる防眩性を有する帯電防止転写シートは、上記導電性有機高分子が、ポリチオフェン系高分子であるように、したものである。
請求項3の発明に係わる防眩性を有する帯電防止転写シートは、上記離型性基材シートの他方の面に第2帯電防止層、及び/又は上記透明架橋硬化樹脂層の帯電防止層と反対側に接着層を有するように、したものである。
請求項4の発明に係わる防眩性を有する帯電防止転写シートは、上記透明架橋硬化樹脂層と上記接着層との間にプライマ層を有するように、したものである。
請求項5の発明に係る防眩性を有する帯電防止転写シートは、上記離型性基材シートが、基材層と、該基材層の転写層側に積層された離型層との積層体から成り、該離型層の転写層側表面が離型性面となり、微細な凹凸を有するように、したものである。
請求項6の発明に係わる防眩性を有する帯電防止処理された物品は、請求項1〜5のいずれかに記載の防眩性を有する帯電防止転写シートを用いて、少なくとも帯電防止層及び透明架橋硬化樹脂層が転写され、該転写表面に、上記基材の微細な凹凸に対応する微細な凹凸が転写を有してなるように、したものである。
請求項2の発明に係わる防眩性を有する帯電防止転写シートは、上記導電性有機高分子が、ポリチオフェン系高分子であるように、したものである。
請求項3の発明に係わる防眩性を有する帯電防止転写シートは、上記離型性基材シートの他方の面に第2帯電防止層、及び/又は上記透明架橋硬化樹脂層の帯電防止層と反対側に接着層を有するように、したものである。
請求項4の発明に係わる防眩性を有する帯電防止転写シートは、上記透明架橋硬化樹脂層と上記接着層との間にプライマ層を有するように、したものである。
請求項5の発明に係る防眩性を有する帯電防止転写シートは、上記離型性基材シートが、基材層と、該基材層の転写層側に積層された離型層との積層体から成り、該離型層の転写層側表面が離型性面となり、微細な凹凸を有するように、したものである。
請求項6の発明に係わる防眩性を有する帯電防止処理された物品は、請求項1〜5のいずれかに記載の防眩性を有する帯電防止転写シートを用いて、少なくとも帯電防止層及び透明架橋硬化樹脂層が転写され、該転写表面に、上記基材の微細な凹凸に対応する微細な凹凸が転写を有してなるように、したものである。
本発明者らは、鋭意、研究を進め、転写シートの転写層中に設けた防眩性を有した帯電防止層を物品に転写する方法とし、該帯電防止層へ導電性有機高分子を含ませることで、任意の材質、形状の物品に透明性の高い帯電防止処理が施せると共に、しかもこれに加えて、特異的なハードコート性、かつ、表面に微細な凹凸を有する基材を用いることで、防眩性をも発現せしめられることを見出して、本発明に至った。
請求項1の本発明によれば、任意の材質、形状の物品にも効率よく帯電防止性を付与することができ、また、湿度依存性が少なく長期間にわたって帯電防止性が維持でき、また、帯電防止性の持続性が良好であるとともに、高い透明性、低いヘイズ、高いハードコート性の帯電防止層を有し、しかも転写と同時に防眩性が付与できる防眩性を有する帯電防止転写シートが提供される。
請求項2の本発明によれば、湿度依存性が少なく長期間にわたって帯電防止性が維持できる帯電防止層を有し、しかも転写と同時に防眩性が付与できる防眩性を有する帯電防止転写シートが提供される。
請求項3の本発明の離型性基材シートの他方の面にも帯電防止層を形成すれば、帯電防止転写シートの製造時、及び転写時にも良好な帯電防止性を発揮してで塵埃が付着せず、また、透明架橋硬化樹脂層の帯電防止層と反対側に接着層を有すれば、被転写体へ接着層を設けたり、或いは、透明架橋効果樹脂層自体に接着性を持たせなくても、転写することができ、しかも転写と同時に防眩性が付与できる防眩性を有する帯電防止転写シートが提供される。
請求項4の本発明によれば、透明架橋硬化樹脂層と接着層とが密着がよいので、転写体から脱落しにくく、しかも転写と同時に防眩性が付与できる防眩性を有する帯電防止転写シートが提供される。
請求項5の発明によれば、離型性基材シートの帯電防止層と接する側には離型層を有する為、転写時の剥離力が安定して、容易に転写することができる防眩性を有する他電防止連射シートが提供される。
請求項6の本発明によれば、経時安定性に優れた帯電防止性と、高い透明性、低いヘイズ、高いハードコート性を有し、しかも転写と同時に防眩性が付与された防眩性を有する帯電防止処理された物品が提供される。
請求項2の本発明によれば、湿度依存性が少なく長期間にわたって帯電防止性が維持できる帯電防止層を有し、しかも転写と同時に防眩性が付与できる防眩性を有する帯電防止転写シートが提供される。
請求項3の本発明の離型性基材シートの他方の面にも帯電防止層を形成すれば、帯電防止転写シートの製造時、及び転写時にも良好な帯電防止性を発揮してで塵埃が付着せず、また、透明架橋硬化樹脂層の帯電防止層と反対側に接着層を有すれば、被転写体へ接着層を設けたり、或いは、透明架橋効果樹脂層自体に接着性を持たせなくても、転写することができ、しかも転写と同時に防眩性が付与できる防眩性を有する帯電防止転写シートが提供される。
請求項4の本発明によれば、透明架橋硬化樹脂層と接着層とが密着がよいので、転写体から脱落しにくく、しかも転写と同時に防眩性が付与できる防眩性を有する帯電防止転写シートが提供される。
請求項5の発明によれば、離型性基材シートの帯電防止層と接する側には離型層を有する為、転写時の剥離力が安定して、容易に転写することができる防眩性を有する他電防止連射シートが提供される。
請求項6の本発明によれば、経時安定性に優れた帯電防止性と、高い透明性、低いヘイズ、高いハードコート性を有し、しかも転写と同時に防眩性が付与された防眩性を有する帯電防止処理された物品が提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す帯電防止転写シートの断面図である。
図2は、本発明の1実施例を示す帯電防止転写シートの断面図である。
図1は、本発明の1実施例を示す帯電防止転写シートの断面図である。
図2は、本発明の1実施例を示す帯電防止転写シートの断面図である。
(物の発明)本発明の防眩性を有する帯電防止転写シートは、必要に応じて第2帯電防止層22を有し、帯電防止層側に微細な凹凸を有する離型性基材シート11(または基材層11´と離型層13とから成る離型性基材シート11)/帯電防止層21/透明架橋硬化樹脂層23/必要に応じてプライマ層25/必要に応じて接着層27からなる。必要に応じて設ける全層構成について説明するが、必要に応じて設ける項目は必須ではない。
本発明の防眩性を有する帯電防止転写シートに用いる材料及びその形成方法について、説明する。
(基材)離型性基材シート11としては、通常の転写シートに用いられるものの中から適宜選択すれば良い。離型性基材シート11の層構成は、図1に示す如く、それ自体転写層と十分な離型性を有する材料から成る単層のものでも良いし、あるいは図2に示す如く、基材層11´と離型層13との積層体であっても良い。離型性基材シート11は、さらにその転写層側の離型性表面に、帯電防止層側に転写されて防眩性を示す微細な凹凸と鏡像(雄雌)関係にある微細な凹凸を有する。該鏡像(雄雌)関係にある微細な凹凸(単に微細な凹凸ともいう)は、転写して防眩性を示すものであれば特に限定されるものではなく、公知のものでよく、外光を乱反射する微細な凹凸表面を有するものである。
(基材)離型性基材シート11としては、通常の転写シートに用いられるものの中から適宜選択すれば良い。離型性基材シート11の層構成は、図1に示す如く、それ自体転写層と十分な離型性を有する材料から成る単層のものでも良いし、あるいは図2に示す如く、基材層11´と離型層13との積層体であっても良い。離型性基材シート11は、さらにその転写層側の離型性表面に、帯電防止層側に転写されて防眩性を示す微細な凹凸と鏡像(雄雌)関係にある微細な凹凸を有する。該鏡像(雄雌)関係にある微細な凹凸(単に微細な凹凸ともいう)は、転写して防眩性を示すものであれば特に限定されるものではなく、公知のものでよく、外光を乱反射する微細な凹凸表面を有するものである。
(防眩性)本明細書に於いて謂う「防眩性」は、層表面の微細な凹凸によって、光を拡散(散乱)せしめることによって、ディスプレイ画像のギラツキやチラツキ感を防止するものを呼稱する。
防眩性の光学的性質は、ヘイズ値は、0%以上、好ましくは0.5〜30%、より好ましくは1〜20%である。ヘイズ値が30%を超えると透明性が悪くなり白濁が目立つ。60゜グロスは、100以下、より好ましくは。70以下、さらに好ましくは10〜70である。60°グロスが100を超えると反射による表面光沢により防眩性が不十分となる。全光線透過率は、70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80〜95%である。全光線透過率が70%未満では透明性が不足する。これらの範囲が防眩性、視認性、光線透過性、透明性などに総合的によい。
防眩性の光学的性質は、ヘイズ値は、0%以上、好ましくは0.5〜30%、より好ましくは1〜20%である。ヘイズ値が30%を超えると透明性が悪くなり白濁が目立つ。60゜グロスは、100以下、より好ましくは。70以下、さらに好ましくは10〜70である。60°グロスが100を超えると反射による表面光沢により防眩性が不十分となる。全光線透過率は、70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80〜95%である。全光線透過率が70%未満では透明性が不足する。これらの範囲が防眩性、視認性、光線透過性、透明性などに総合的によい。
微細な凹凸を有する離型基材シート11の材料としては、通常の転写シートに用いるものの中から適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、長尺帯状シートのロールを巻出して加工し、巻取って補完する、所謂ロールツーロール方式に使用できる可撓性を有するものが好ましい。離型性基材シート11が単層から構成される場合には、転写層と離型性の良い材料を選択する必要が有る。此の点から、離型性基材シート11の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、エチレングリコール−1,4ヘキサメチレンジメタノール−テレフタル酸協重合体、ポリエステル径熱化塑性エラストマー等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル等が使用できる。
一方、離型性基材シート11が基材層11´と離型層との積層体から成る場合に於いては、転写層の離型性は離型層13が担う為、基材層11´の材料には転写層との離型性は不必須付である。よって、基材層11´の材料としては、当然前記の単層の離型性基材シート11で例示した物も使用できるが、其他の可撓性と薄膜性膜性の有る各種樹脂も使用し得る。
一方、離型性基材シート11が基材層11´と離型層との積層体から成る場合に於いては、転写層の離型性は離型層13が担う為、基材層11´の材料には転写層との離型性は不必須付である。よって、基材層11´の材料としては、当然前記の単層の離型性基材シート11で例示した物も使用できるが、其他の可撓性と薄膜性膜性の有る各種樹脂も使用し得る。
このような、離型性基材シート11の離型性面側に微細な凹凸を形成する為の方法としては、例えば、
〔1〕前記の如き離型性基材シートの材料自身にフィラーなどを混合及び/又は混練させてから、。キャレンダー法、キャスティング法、熔融押出法、インフレーション法等の手法で成膜することで、表面が微細な凹凸を賦型する方法、
〔2〕表面に所望の微細な凹凸の鏡像関係に有る凹凸を形成した金属ロールを用い、製膜時に、該ロール上に熔融樹脂を押出して冷却したり、該ロールで圧延したり、或いは該ロール上に塗工した液状樹脂を固体化することにより微細な凹凸を賦型する手法、
〔3〕一旦、表面平滑に製膜したシートの離型製表面側に、エンボス加工、サンドブラスト加工、ケミカルエッチング加工等により、微細な凹凸を賦型する方法、
等により、所望の微細な凹凸を賦型された離型性基材シート11とする。マット形状としては、転写して防眩性を示す微細な凹凸の、鏡像(雄雌)関係にある微細な凹凸となるように、上記〔1〕の方法であれば、フィラーの種類、粒子径、及び含有量などを、適宜、選択し、上記〔2〕の方法であれば、金属ロールの表面凹凸を所望の形状に加工し、又上記〔3〕の方法であれば、加工条件を制御すればよい。
〔1〕前記の如き離型性基材シートの材料自身にフィラーなどを混合及び/又は混練させてから、。キャレンダー法、キャスティング法、熔融押出法、インフレーション法等の手法で成膜することで、表面が微細な凹凸を賦型する方法、
〔2〕表面に所望の微細な凹凸の鏡像関係に有る凹凸を形成した金属ロールを用い、製膜時に、該ロール上に熔融樹脂を押出して冷却したり、該ロールで圧延したり、或いは該ロール上に塗工した液状樹脂を固体化することにより微細な凹凸を賦型する手法、
〔3〕一旦、表面平滑に製膜したシートの離型製表面側に、エンボス加工、サンドブラスト加工、ケミカルエッチング加工等により、微細な凹凸を賦型する方法、
等により、所望の微細な凹凸を賦型された離型性基材シート11とする。マット形状としては、転写して防眩性を示す微細な凹凸の、鏡像(雄雌)関係にある微細な凹凸となるように、上記〔1〕の方法であれば、フィラーの種類、粒子径、及び含有量などを、適宜、選択し、上記〔2〕の方法であれば、金属ロールの表面凹凸を所望の形状に加工し、又上記〔3〕の方法であれば、加工条件を制御すればよい。
なかでも、一軸または二軸延伸ポリエステルフィルムが、耐熱性に優れていることからより好ましい。可撓性基材の厚みとしては、通常は6μm〜188μm程度のものが好ましい。なお、基材11は、可撓性を持つ限り着色されていてもよく、印刷などで模様や文字などが付与されていてもよい。
離型性基材シート11が基材層11´と離型層13との積層体から成る場合に於いて、離型性面を所望の微細な凹凸にする方法は、
〔1〕基材層11´を前記の如き単層の離型性基材シートと同様に、所望の微細な凹凸と鏡像関係の凹凸を賦型し、次いで該凹凸を埋め無い様に膜厚と塗工条件を制御しつつ、該凹凸面上に後述の如き離型層形成用材料を塗工して離型層13を形成し、以って離型層13の表面に基材層の凹凸が現出するようにする方法、
〔2〕基材層11´は平坦なシートとして製膜し、その上に離型層13を形成する際に、離型層形成用材料中にフィラーを添加して、離型層13表面に所望の凹凸を形成する方法、
〔3〕基材層11´は平坦なシートとして製膜し、その上に平坦な離型層13を形成し、而かる後に該離型層13上にエンボス加工により所望の凹凸を形成する方法、
〔4〕基材層11´は平坦なシートとして製膜し、その上に離型層13を塗工するに際して、離型層形成用材料を凹版印刷法等により所望の凹凸形状に形成する方法
等が適用出來る。
〔1〕基材層11´を前記の如き単層の離型性基材シートと同様に、所望の微細な凹凸と鏡像関係の凹凸を賦型し、次いで該凹凸を埋め無い様に膜厚と塗工条件を制御しつつ、該凹凸面上に後述の如き離型層形成用材料を塗工して離型層13を形成し、以って離型層13の表面に基材層の凹凸が現出するようにする方法、
〔2〕基材層11´は平坦なシートとして製膜し、その上に離型層13を形成する際に、離型層形成用材料中にフィラーを添加して、離型層13表面に所望の凹凸を形成する方法、
〔3〕基材層11´は平坦なシートとして製膜し、その上に平坦な離型層13を形成し、而かる後に該離型層13上にエンボス加工により所望の凹凸を形成する方法、
〔4〕基材層11´は平坦なシートとして製膜し、その上に離型層13を塗工するに際して、離型層形成用材料を凹版印刷法等により所望の凹凸形状に形成する方法
等が適用出來る。
(第2帯電防止層)離型性基材11の帯電防止層21と反対側へ、必要に応じて第2帯電防止層22を設ける。該第2帯電防止層は、帯電防止層転写シートの製造時、保管時及び転写時にも静電気の発生で塵埃が付着しないようにするためのもので、第2帯電防止層22の材料としては、特に限定されるものではなく、種々の帯電防止剤が適用できる。
第2帯電防止剤に用いる帯電防止剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等のポリエチレングリコール類、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体、ポリエチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド系、、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビットおよびソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪族アミド等の多価アルコール類、多価アルコールエステル類などの非イオン界面活性剤、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等のカルボン酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩類、高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩類、燐酸塩類、ホスホン酸塩類、ホスホン酸エステル塩類などのアニオン界面活性剤、高級アルキルアミン類、環状アミン、ヒダントイン誘導体、アミドアミン、エステルアミド、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩類、ピリジンそのほかの複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類などのカチオン界面活性剤、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のアルキルベタイン類などの両性界面活性剤などの界面活性剤、また、サポニン等の天然界面活性剤、カーボンブラック、グラファイト、変性グラファイト、カーボンブラックグラフトポリマー、酸化スズ−酸化インジウム、酸化スズ−酸化アンチモン、酸化スズ、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン等の導電性粉末なども適用できる。
また、界面活性剤のような低分子型帯電防止剤の導電性付与官能基を高分子に結合した高分子型帯電防止剤も適用できる。高分子型帯電防止剤も、非イオン系、アニオン系、カチオン系、両イオン系に分けられ、ポリエーテル系(ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド架橋体、ポリエチレンオキサイドと他樹脂の共重合体、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールと他樹脂の共重合体)などの非イオン系、第四級アンモニウム塩系(第四級アンモニウム塩基含有共重合体(第四級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体、第四級アンモニウム塩基含有マレイミド共重合体、第四級アンモニウム塩基含有メタクリルイミド共重合体)などのカチオン系、スルホン酸系(ポリスチレンスルホン酸ソーダ)、両イオン系のベタイン系(カルボベタイングラフト共重合体)などのアニオン系がある。
さらにまた、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンサルファイド、ポリ(1,6−ヘプタジイン)、ポリビフェニレン(ポリパラフェニレン)、ポリパラフィニレンスルフィド、ポリフェニルアセチレン、ポロ(2,5−チエニレン)、又はこれらの誘導体などの導電性高分子が適用できる。
これらの帯電防止剤は1種、又は複数を用いてもよく、単独又は他のバインダへ混入させて、塗布すればよい。これらの界面活性剤含有量は0.001〜10質量%程度である。また、必要に応じて、例えば、可塑剤、安定剤、硬化剤、分散剤キレート剤、pH調整剤、防腐剤、消泡剤などの添加剤を添加してもよい。
(離型層)離型性基材シート11として基材層11と離型層13の積層体を用いる場合は、基材層11´の帯電防止層21面側へ、離型層13を設ける。離型層13は、帯電防止層21と離型層13の界面にて剥離を起こす目的で設ける。基本的には離型層13は、転写時時に基材層11´と共に帯電防止層21等の転写層からは剥離除去される層である。又、前記の通り離型層13の離型性面、即ち転写層側の面には微細な凹凸を賦型する。尚、離型層13の1部が被転写体へ移行する場合もあるが、実質的に機能に影響´無い場合は、これも本発明の範囲内である。 離型層13の材料としては、転写層(の最表面の帯電防止層21)に対して離型性を持つ離型性樹脂、離型剤を含んだ樹脂、電離放射線で架橋する硬化性樹脂などが適用できる。例えば、離型性樹脂としては、選択する帯電防止剤にもよるが、通常、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、弗素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、電離放射線で架橋する電離放射線硬化性樹脂などである。これらの樹脂は1種単独、或いは2種以上混合して用いる。2樹以上混合する例としては、アクリル系樹脂とシリコーン樹脂との混合物、アクリル樹脂とメラミン樹脂との混合物等が挙げられる。離型剤を含んだ樹脂は、例えば、弗素系樹脂、シリコーン樹脂、又は各種のワックスなどの離型剤を、添加または共重合させたアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、繊維素系樹脂などである。電離放射線で架橋する硬化性樹脂は、例えば、紫外線(UV)、電子線(EB)などの電離放射線で重合(硬化)する官能基を有する、(メタ)アクリレート系、エポキシ系等のモノマー・オリゴマーなどを含有させた樹脂である。
また、前記の通り、該離型層として用いる樹脂塗工液中にフィラーなどを混合及び/または混練してなる塗工液で形成すると、防眩性を付与するための微細な凹凸を設けることができる。用いられるフィラーの種類、粒子径、及び含有量などは、必要な凹凸形状によって適宜、選択すればよい。本方法では、通常の転写シートに用いられるものをそのまま使用できるため、経済性の点で最も好適な方法である。
(離型層の形成)離型層13の形成は、該樹脂を溶媒へ分散または溶解して、ロールート、リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコ−ト、キスコート、ナイフコート、ダイコート、コンマコート、フローコート、スプレーコートなど公知のコーティング方法で塗布し乾燥して、溶剤を除去して形成させる。要すれば、温度30℃〜200℃で加熱乾燥、あるいはエージング、または、電離放射線硬化性樹脂の場合は、電離放射線を照射して架橋させる。
離型層13の厚さは、通常は0.01μm〜5.0μm程度、好ましくは0.5μm〜3.0μm程度である。該厚さは薄ければ薄い程良いが、0.1μm以上であればより良い成膜が得られて剥離力が安定する。
(帯電防止層)離型性基材シート11の離型性面(離型性基材シートが基材層11´と離型層13とで構成される場合は離型層13面)上へ、帯電防止層21を設ける。前述の第2帯電防止層22は、単に帯電防止性が得られればよいので、特に限定されるものではなく、種々の帯電防止剤適用できた。しかしながら、帯電防止層21は、湿度依存性が少なく長期間わたって帯電防止性が維持でき、また、高い透明性、低いヘイズ、高いハードコート性を付与するために、本発明に特有の帯電防止剤を適用する。
帯電防止層21に用いる帯電防止剤は、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンサルファイド、ポリ(1,6−ヘプタジイン)、ポリビフェニレン(ポリパラフェニレン)、ポリパラフィニレンスルフィド、ポリフェニルアセチレン、ポロ(2,5−チエニレン)、またはこれらの誘導体などの導電性高分子であり、好ましくはポリチオフェン系の導電性有機高分子である。
該導電性有機高分子を用いることで、湿度依存性が少なく長期間わたって帯電防止性が維持でき、また、高い透明性、低いヘイズを有し、さらに驚くべきことに、高いハードコート性、特に鉛筆硬度、スチールウール等に対する耐擦傷性が著しく向上できる。具体的には、実施例で後述する。
該導電性有機高分子を用いることで、湿度依存性が少なく長期間わたって帯電防止性が維持でき、また、高い透明性、低いヘイズを有し、さらに驚くべきことに、高いハードコート性、特に鉛筆硬度、スチールウール等に対する耐擦傷性が著しく向上できる。具体的には、実施例で後述する。
鉛筆硬度、スチールウール等に対する耐擦傷性が向上する理由は定かではないが、
低塗布量での低い皮膜強度及び表面の滑り性等から、耐擦傷性の向上は、下層の透明架橋硬化性樹脂23の耐擦傷性が帯電防止層21を越えて発現されるためと推測される。
低塗布量での低い皮膜強度及び表面の滑り性等から、耐擦傷性の向上は、下層の透明架橋硬化性樹脂23の耐擦傷性が帯電防止層21を越えて発現されるためと推測される。
これらの導電性有機高分子は1種または複数を用いてもよく、単独又は他のバインダへ混入させて、塗布すればよい。単独で塗布する場合は、溶媒へ適宜溶解又は分散させて、、ロールコート、グラビアコート、バーコート、スプレイコートなどの公知の塗布法で塗布し、乾燥して帯電防止層21を形成すればよい。この場合の帯電防止層21の厚さとしては、0より大きく5μm程度、好ましくは0.01〜1μm程度である。
また、バインダへ混入させる場合は、バインダへ0.01〜10質量%程度含有させて、単独と同様に塗布して帯電防止層21を形成すればよい。この場合の帯電防止層21の厚さとしては、0.1〜10μm程度、好ましくは0.1〜5μm程度である。
また、単独又は他のバインダへ混入させる場合でも、必要に応じて、例えば、可塑剤、安定剤、硬化剤、分散剤キレート剤、pH調整剤、防腐剤、消泡剤などの添加剤を添加してもよい。
また、バインダへ混入させる場合は、バインダへ0.01〜10質量%程度含有させて、単独と同様に塗布して帯電防止層21を形成すればよい。この場合の帯電防止層21の厚さとしては、0.1〜10μm程度、好ましくは0.1〜5μm程度である。
また、単独又は他のバインダへ混入させる場合でも、必要に応じて、例えば、可塑剤、安定剤、硬化剤、分散剤キレート剤、pH調整剤、防腐剤、消泡剤などの添加剤を添加してもよい。
該帯電防止層21のJIS−K−6911に準拠した表面固有抵抗は、1×1012Ω/□以下程度、好ましくは1×1010Ω/□以下、さらに好ましくは1×108Ω/□以下である。
1×1012Ω/□程度ではホコリ付着防止程度の帯電防止機能しかなく、1×1010Ω/□以下になると帯電防止機能が向上し、さらに1×108Ω/□以下では光学機能へ影響が厳しい光学部材へ使用できるようになる。また、1×1012Ω/□以上では、帯電防止性が乏しく、容易にホコリが付着して使用できない。
1×1012Ω/□程度ではホコリ付着防止程度の帯電防止機能しかなく、1×1010Ω/□以下になると帯電防止機能が向上し、さらに1×108Ω/□以下では光学機能へ影響が厳しい光学部材へ使用できるようになる。また、1×1012Ω/□以上では、帯電防止性が乏しく、容易にホコリが付着して使用できない。
(透明架橋硬化樹脂層)透明架橋硬化樹脂層23としては、室温での化学反応、熱又は電離放射線等で架橋硬化する樹脂組成物を硬化させた層が適用でき、好ましくは、電離放射線硬化樹脂である。透明架橋硬化樹脂層23の厚みは、通状1~10μmである。熱硬化性樹脂組成物としては、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂を例示できる。
ポリウレタン樹脂は、多価アルコ−ル(ポリオール)と多価イソシアネート(ポリイソシアネート)との反応により得られる樹脂である。多価アルコ−ルとしては、エチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどの多価アルコールと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、2,3−もしくは1,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、炭素数6〜18のα−オレフィンオキサイド、エピクロルヒドリンなどのアルキレンオキサイド(アルキレン基の炭素数2〜18)を付加した、ポリオキシアルキレンポリオール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどが用いられる。また、多価イソシアネートとしては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)などの脂環式ポリイソシアネート、などのポリイソシアネートが例示できる。
電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂組成物としては、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート(以下、本明細書ではアクリレートとメタアクリレートとを(メタ)アクリレートと記載する)等の分子中にラジカル重合型不飽和基を持つ化号物、エポキシ化合物等の分子中にカチオン重合型官能基を持つ化合物、或いは不飽和ポリエステルなどの化合物の単量体(モノマー)、或いはオリゴマー(乃至はプレポリマー)などからなる公知のものが適用できる。これら単量体、オリゴマー(乃至はプレポリマー)は、1種単独で用いても良いし、或いは異種の単量体同志、異種のオリゴマー(乃至はプレポリマー)同志、または単量体とオリゴマー(乃至はプレポリマー)とを混合して(その上で電離放射線架橋して)用いても良い。
該(メタ)アクリレートの単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が例示出來る。
該(メタ)アクリレートのオリゴマー(乃至はプレポリマー)としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート等が例示出來る。
該エポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が例示出來る。又、これら単量体、オリゴマー(乃至はプレポリマー)として通常用いられている形態のものは、未架橋状態では室温(常温)で液状であり、架橋後始めて固体となるものである。
該(メタ)アクリレートのオリゴマー(乃至はプレポリマー)としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート等が例示出來る。
該エポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が例示出來る。又、これら単量体、オリゴマー(乃至はプレポリマー)として通常用いられている形態のものは、未架橋状態では室温(常温)で液状であり、架橋後始めて固体となるものである。
しかし、転写シートを凹凸面に成形しながら転写する用途の場合には、未架橋段階でも固体状をなし、電離放射線照射で架橋状態の固体になる形態のものを用いることが好ましい。
該形態の電離放射線硬化性樹脂組成物の使用形態としては以下の通りである。先ず、該電離放射線硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解(或いは分散)して液状とした上で、離型性基材上の帯電防止層表面に塗工し、而かる後、溶剤を揮発乾燥させて未架橋の侭で非粘着固体化させ、未架橋状態の透明架橋硬化樹脂層とし、転写シートを作成する。尚、その際に必要に応じて、電離放射線を適量照射して、不完全(一部分)架橋状態として、凹凸面への成形追従性を損なわ無い範囲内で、乾燥性をより完全にしたり、或いは転写時の熱、応力による透明架橋硬化樹脂層の流動を防止しても良い。次いで、該転写シートを用いて、転写シートを凹凸面に追従させつつ物品上に転写する。此の際、該透明架橋硬化樹脂層は完全には架橋してい無い為、熱可塑性加組成を維持しており、十分凹凸面に追従する。而かる後に、電離放射線を照射することにより、該透明架橋硬化樹脂層を架橋、硬化せしめる。此の時点で該透明架橋硬化樹脂層は十分な耐擦傷性(ハードコート性)を発現する。
該形態の電離放射線硬化性樹脂組成物の使用形態としては以下の通りである。先ず、該電離放射線硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解(或いは分散)して液状とした上で、離型性基材上の帯電防止層表面に塗工し、而かる後、溶剤を揮発乾燥させて未架橋の侭で非粘着固体化させ、未架橋状態の透明架橋硬化樹脂層とし、転写シートを作成する。尚、その際に必要に応じて、電離放射線を適量照射して、不完全(一部分)架橋状態として、凹凸面への成形追従性を損なわ無い範囲内で、乾燥性をより完全にしたり、或いは転写時の熱、応力による透明架橋硬化樹脂層の流動を防止しても良い。次いで、該転写シートを用いて、転写シートを凹凸面に追従させつつ物品上に転写する。此の際、該透明架橋硬化樹脂層は完全には架橋してい無い為、熱可塑性加組成を維持しており、十分凹凸面に追従する。而かる後に、電離放射線を照射することにより、該透明架橋硬化樹脂層を架橋、硬化せしめる。此の時点で該透明架橋硬化樹脂層は十分な耐擦傷性(ハードコート性)を発現する。
斯かる未架橋段階でも固体状をなす電離放射線硬化性樹脂塑性物の例としては、(1)高分子量化して融点乃至は熔融温度が室温以上(通常80℃以上)とした(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂、或いは不飽和ポリエステル等のオリゴマー(乃至プレポリマー)、(2)室温で、未架橋状態では液状の(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂、或いは不飽和ポリエステル等の、単量体、オリゴマー(乃至はプレポリマー)に、室温で固体のアクリル樹脂、ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂を添加して、室温で非粘着固体化したもの、等が例示出來る。
更に、以上に列記した各種の電離放射線硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、反応性希釈剤、光重合開始剤、光増感剤、充填剤等の添加剤を添加して用いる。
更に、以上に列記した各種の電離放射線硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、反応性希釈剤、光重合開始剤、光増感剤、充填剤等の添加剤を添加して用いる。
上記反応性希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、並びに多官能モノマー、例えば、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等がある。
上記光重合開始剤は、電離放射線として、紫外線、可視光線等の光を用いる場合に添加が必要となるものである。光重合開始剤としては、分子中にラジカル重合型不飽和基を持つ化号物の場合には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類などがあり、分子中にカチオン重合型官能基を持つ化合物の場合には、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物等がある。光増感剤としてはn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィンなどがあり、混合して使用する。
上記光重合開始剤は、電離放射線として、紫外線、可視光線等の光を用いる場合に添加が必要となるものである。光重合開始剤としては、分子中にラジカル重合型不飽和基を持つ化号物の場合には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類などがあり、分子中にカチオン重合型官能基を持つ化合物の場合には、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物等がある。光増感剤としてはn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィンなどがあり、混合して使用する。
(フィラー)透明架橋硬化樹脂層23へは、フィラーを含有させてもよく、該フィラーとしては、有機微粒子及び/又は無機微粒子が適用できる。無機微粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、ガラス、珪藻土、雲母粉、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、二硫化モリブデンなどが適用できるが、好ましくはシリカである。
有機微粒子としては、ガラス転移温度が50℃以上の熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、WAX、ポリエチレン、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、メタアクリル系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリスチレン、スチレン及び/又はα−メチルスチレンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリロニトリル等)との共重合体(例えば、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等)などの微粒子が適用できる。
有機微粒子としては、ガラス転移温度が50℃以上の熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、WAX、ポリエチレン、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、メタアクリル系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリスチレン、スチレン及び/又はα−メチルスチレンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリロニトリル等)との共重合体(例えば、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等)などの微粒子が適用できる。
また、フィラーの粒子径は、平均粒子径で0.001〜30μm程度、好ましくは0.01〜20μm程度の範囲である。さらに好ましくは0.1〜5μm程度のシリカである。この範囲未満ではハードコート性の向上が少なく、これを超えるとヘイズが増加してしまう。さらに、フィラーの含有量としては、透明架橋硬化樹脂分100質量部に対して1〜100質量部程度、好ましくは2〜20質量部の範囲である。この範囲未満ではハードコート性の向上が少なく、これを超えるとヘイズが増加して光学部材としては支障がでる。微粒子の形状としては、特に限定されるものではなく、球状、直方状、板状、燐片状、針状など、また中空体であってもよい。
このように、透明架橋硬化樹脂層23へフィラーを含有させると、該フィラーが耐磨材として働くためか、著しくハードコート性を向上させることができる。
このように、透明架橋硬化樹脂層23へフィラーを含有させると、該フィラーが耐磨材として働くためか、著しくハードコート性を向上させることができる。
(プライマ層)透明架橋硬化樹脂層23は、他の層との密着性に欠ける場合があるので、必要に応じてプライマ層25を設ける。該プライマ層25によって、この面に形成する接着層27との密着性が向上して、透明架橋硬化樹脂層と接着層とが十分に密着することで、転写後の転写体から転写層が脱落しにくくできる。
プライマ層25としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンと酢酸ビニル或いはアクリル酸などとの共重合体、エポキシ樹脂などが適用できる。好ましくは、イソシアネート、又はイソシアネートと多価アルコールとからなるポリウレタン樹脂である。
これらの樹脂を、適宜溶剤に溶解または分散して塗布液とし、これを透明架橋硬化樹脂層23に公知のコーティング法で塗布し乾燥してプライマー層25とする。また、樹脂にモノマー、オリゴマー、プレポリマーなどと、反応開始剤、硬化剤、架橋剤などを適宜組み合わせたり、あるいは、主剤と硬化剤とを組み合わせる場合には、塗布し乾燥して、乾燥または乾燥した後のエージング処理によって反応させて、形成しても良い。該プライマ層23の厚さは、0.05〜10μm程度、好ましくは0.1〜5μmである。
(接着層)透明架橋硬化樹脂層23、又は必要に応じて設けたプライマー層25面へ、必要に応じて接着層27を設ける。該接着層27を設けることで、被転写体へ接着層を設けず、且つ透明架橋硬化樹脂層が完全架橋状態にある場合に於いても、転写することができる。また、接着層27を有しない形態の転写シート、例えば、〔(第2帯電防止層22)/離型性基材11/(離型層13)/帯電防止層21/透明架橋硬化樹脂層23/(プライマ層25)〕;尚、()内は、必要に応じて設ける層、からなる構成も、本発明の防眩性を有する帯電防止転写シート1の1形態に含まれる。この場合には、接着層を被転写体側へ設けるか、或いは、前記の如くの未架橋段階でも固体状をなす電離放射線硬化性樹脂組成物を用いて透明架強硬化樹脂層を形成し、該透明架橋硬化樹脂層が未架橋状態で〔ン〕熱可塑性(熱接着性)を有する状態で転写することで、被転写材(物品)側に転写することができる。
接着層27について説明する。粘着層27は、本発明の好ましい形態では、図1の如く、防眩性を有する帯電防止転写シート1上、転写層のうちの1層として構成されている。接着剤層は、〔帯電防止層21/透明架橋硬化樹脂層23/(プライマ層25)〕を、被転写材側に貼り付けるために用いられるもので、常温で粘着力を持つもの、加熱などの処理によって粘着又は接着力を発現するもの、のいずれでもよく、本明細書では、これらを合わせて接着層と総称する。
接着層27の材料としては、接着性及び/又は粘着性を持てばよく、所謂接着剤、粘着剤、ホットメルトと呼ばれるものも含み、特に規定されるものではない。例えば、アクリル系、エポキシ系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、イソシアネート系、シリコーン系、スチレンーブタジエン系、塩化ビニルー酢酸ビニル系、エチレンー酢酸ビニル系、ポリエステル系、塩化ゴム系、塩素化ポリプロピレン系、ポリウレタン系などの樹脂を単独で使用、またはこれらの混合物を主成分とするエマルジョン系樹脂や有機溶剤型樹脂、水溶性樹脂などが挙げられる。
(接着層の形成)接着層27の形成方法としては、上記の樹脂を水や有機溶剤で希釈させた塗布用液体を、通常、グラビア印刷、オフセット印刷、若しくはスクリーン印刷などの印刷方法、又は、ロールコート、バーコート、コンマコート、スプレイコート、若しくは押出しコートなどのコート法で、塗布しその後乾燥又は冷却して形成されればよい。接着層27の厚みは、特に制限は無いが、通常1〜10μm程度である。
(転写法)転写法としては、加熱ローラの加熱、加圧で転写する、当業者が所謂ホットスタンプ法と呼称する方法、射出成形型内に転写シートを挿入し、射出樹脂の熱と圧力を用いて転写する、所謂射出成形同時転写法と呼称される方法などの公知の方法でよく、特に限定されるものではない。該転写によって、帯電防止層21/透明架橋硬化樹脂層23/(プライマ層25)/(接着層27)〕が、被転写材側に転写され所望の層が形成される。該転写と同時に、基材表面の微細な凹凸形状も転写されて、被転写材側の最表面に微細な凹凸が形成されて、防眩性が発現する。従来、帯電防止機能と防眩機能とは、別々の工程で設けているので、本発明によれば、工程数が少なく、極めて効率よく、帯電防止機能と防眩機能とを被転写材へ設けることができる。
(被転写体)本発明の転写シートを用いて、帯電防止層を含む転写層を転写する対象となる物品、即ち被転写体としては、TV、パーソナルコンピュータ、携帯電話などの電子電気製品の筐体、窓材、計器盤などの種々のものでよく、特に限定されるものではないが、防眩性を効果的に発揮するため、最も外側になるように設けることが好ましい。
さらに好ましくは、直接帯電防止層を形成しにくく、かつ防眩性が必要な液晶やPDP等のディスプレイの表示窓などの成形品である。高い透明性や適度なヘイズが求められ、かつ、帯電防止性に湿度依存性が少なく長期間にわたって性能を維持できるので、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、液晶TVなどの液晶表示装置に用いる反射防止フィルム、防眩フィルム、タッチパネル、表示窓などである。
また、液晶表示装置に用いる面光源装置(バックライト)の導光板や表示窓などの成型品、或いはこれらに用いられる反射板、レンズフィルム、光拡散フィルム、偏光フィフム、視野角調整フィルム、タッチパネル、表示窓(液晶素子側)などに用いれば、ニュートンリング防止の効果もある。被転写体の転写する表面材料としては種々のものがあるが、接着層の材料を適宜選択することで、対応できる。例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン等の樹脂、ガラス等のセラミックスなどが挙げられる。
さらに好ましくは、直接帯電防止層を形成しにくく、かつ防眩性が必要な液晶やPDP等のディスプレイの表示窓などの成形品である。高い透明性や適度なヘイズが求められ、かつ、帯電防止性に湿度依存性が少なく長期間にわたって性能を維持できるので、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、液晶TVなどの液晶表示装置に用いる反射防止フィルム、防眩フィルム、タッチパネル、表示窓などである。
また、液晶表示装置に用いる面光源装置(バックライト)の導光板や表示窓などの成型品、或いはこれらに用いられる反射板、レンズフィルム、光拡散フィルム、偏光フィフム、視野角調整フィルム、タッチパネル、表示窓(液晶素子側)などに用いれば、ニュートンリング防止の効果もある。被転写体の転写する表面材料としては種々のものがあるが、接着層の材料を適宜選択することで、対応できる。例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン等の樹脂、ガラス等のセラミックスなどが挙げられる。
(帯電防止層転写体)防眩性を有する帯電防止転写シートを用いて、転写層が転写された防眩性を有する帯電防止処理された物品は、適度な透明性、ヘイズを示す防眩性に優れ視認性がよく、並びに高いハードコート性を有し、かつ、帯電防止性は湿度依存性が少ないので、長期間にわたって維持される。
防眩性を示す透明性(全光線透過率)、ヘイズとは、前述のヘイズ値は、0%以上、好ましくは0.5〜30%、より好ましくは1〜20%であり、60゜グロスは、100以下、より好ましくは70以下、さらに好ましくは10〜70であり、全光線透過率は、70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85〜95%である。また、用途で要求される防眩性が異なっても、要求される数値になるように、微細な凹凸形状を選択すればよい。
防眩性を示す透明性(全光線透過率)、ヘイズとは、前述のヘイズ値は、0%以上、好ましくは0.5〜30%、より好ましくは1〜20%であり、60゜グロスは、100以下、より好ましくは70以下、さらに好ましくは10〜70であり、全光線透過率は、70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85〜95%である。また、用途で要求される防眩性が異なっても、要求される数値になるように、微細な凹凸形状を選択すればよい。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
離型性基材シ−ト11として、無機質フィラーを練り込んだ光沢度約80%、厚さ26μmの2軸延伸PETフィルム:E−180(三菱化学ポリエステルフィルム社製、マットPET/商品名)を基材層11´として用いて、該基材11´上の一方の面へ、EX−114(大日精化工業社製、離型剤/商品名)を、厚さが1.0μm(乾燥後)になるように、ブラビアロールコート法で塗布し乾燥して、離型層13を形成し、該離型層13上へ、転写層として以下の層を順次積層した。デナトロン(長瀬産業社製、導電性有機高分子/商品名)を、厚さが0.5μm(乾燥後)になるように、グラビア印刷法で塗布し乾燥して帯電防止層21を形成した。
該帯電防止層層21上へ、透明架橋硬化樹脂層23を形成させる樹脂液(組成物)として、EXF(大日精化工業社製、電離放射線硬化性樹脂/商品名)を厚さが5.0μm(硬化後)になるように、スリットコート法で塗布し、高圧水銀灯(ウシオ電機社製、硬化装置/商品名)120W/cmを2灯用いて、走向速度20m/分で紫外線を照射して架橋、硬化させて、透明架橋硬化樹脂層を形成した。
該透明架橋硬化樹脂層23面へ、プライマとしてTM−AC(大日精化工業社製、2液硬化型プライマ層組成物/商品名)を、厚さが2.5μm(乾燥後)になるように、ブラビア印刷法で塗布し乾燥して、プライマ層25を形成した。
該プライマ層面へ、TM−HS(大日精化工業社製、接着層組成物/商品名)を、厚さが1.5μm(乾燥後)になるように、グラビア印刷法により塗布し、接着層27を形成して実施例1の防眩性を有する帯電防止転写シート1を得た。
該帯電防止層層21上へ、透明架橋硬化樹脂層23を形成させる樹脂液(組成物)として、EXF(大日精化工業社製、電離放射線硬化性樹脂/商品名)を厚さが5.0μm(硬化後)になるように、スリットコート法で塗布し、高圧水銀灯(ウシオ電機社製、硬化装置/商品名)120W/cmを2灯用いて、走向速度20m/分で紫外線を照射して架橋、硬化させて、透明架橋硬化樹脂層を形成した。
該透明架橋硬化樹脂層23面へ、プライマとしてTM−AC(大日精化工業社製、2液硬化型プライマ層組成物/商品名)を、厚さが2.5μm(乾燥後)になるように、ブラビア印刷法で塗布し乾燥して、プライマ層25を形成した。
該プライマ層面へ、TM−HS(大日精化工業社製、接着層組成物/商品名)を、厚さが1.5μm(乾燥後)になるように、グラビア印刷法により塗布し、接着層27を形成して実施例1の防眩性を有する帯電防止転写シート1を得た。
透明架橋硬化樹脂層を形成させる樹脂液(組成物)へ、透明架橋硬化樹脂100質量部に対して、平均粒径3μmのシリカ粒子5質量部を、含有させる以外は実施例1と同様にして、防眩性を有する帯電防止転写シート1を得た。
離型性基材11として、厚さ38μmの通常の表面平坦な2軸延伸PETフィルムを基材層11´として用い、該基材層11´の一方の面に、平均粒径4.5μmのシリカ粒子5質量部を添加した前記離型剤´の塗膜として離型層13を積層したものを用いる以外は実施例2と同様にして、´図2に示す如き構成の防眩性を有する帯電防止転写シート1を得た。
実施例1の防眩性を有する帯電防止転写シート1の接着層27面と厚さが1mmのアクリル樹脂板とを重ねて、加熱ロール加圧式の転写機を用い、シリコンゴム製ロールの表面温度200℃、加圧力300KPa、ライン速度50mm/秒の条件で加圧して、転写シートと被転写体とを一旦、接着積層した後に、離型性基材を剥離したところ、転写層(帯電防止層/透明架橋硬化樹脂層/プライマ層/接着層)のみが、アクリル樹脂板上へ転写、移行して、実施例4の防眩性を有する帯電防止処理された物品を得た。
実施例2の防眩性を有する帯電防止転写シートを用いる以外は、実施例4と同様にして、実施例5の防眩性を有する帯電防止処理された物品を得た。
実施例3の防眩性を有する帯電防止転写シートを用いる以外は、実施例4と同様にして、実施例6の防眩性を有する帯電防止処理された物品を得た。
(比較例1)実施例3で用いた離型性基材シート11の離型層13の表面に、シリカ粒子を添加しない通常の離型剤を用いる以外は実施例2と同様にして、比較例1の帯電防止転写シートを得た。
(比較例2)比較例1の帯電防止転写シートを用いる以外は、実施例6と同様にして、比較例2の帯電防止処理された物品を得た。
(評価)評価は、表面抵抗値、ヘイズ、全光線透過率、鉛筆硬度、スチールウール試験、防眩性、視認性などで行ない、ハードコート性を代表する尺度としては、鉛筆硬度並びにスチールウール試験について行った。
表面固有抵抗をJIS−K−6911に定められた方法により測定。転写直後、及び転写後
湿熱環境経時試験として、相対湿度95%、気温60℃雰囲気中で4日経過後測定して経時安定性を確認した。
ヘイズ及び全光線透過率(以降、Ttという)は、JIS−K7105に準拠して、ヘイズメーターHM150(村上色彩社製、商品名)を用いて測定した。
鉛筆硬度試験は、JIS−K−5400に準拠して測定した。
スチールウール試験は、トライボギアHEIDON往復摩耗試験機(新東科学社製)を用い、ホルダーにスチールウールを装着、3Nの荷重にて300mm/分の速度で転写済み物品を摩擦し、表面の傷付き状態を目視で観察し、傷のほとんどないものを合格とし○印で、傷が若干あるが実用上支障がないものも合格とし△印で、傷が著しくあるものを×印で示した。
防眩性、視認性は、輝度、コントラスト、黒表示での外光の反射及びギラツキを目視で観察した。それらの結果は、実用上支障がないものを合格とし○印で、支障のあるものを△〜×印で示した。
表面固有抵抗をJIS−K−6911に定められた方法により測定。転写直後、及び転写後
湿熱環境経時試験として、相対湿度95%、気温60℃雰囲気中で4日経過後測定して経時安定性を確認した。
ヘイズ及び全光線透過率(以降、Ttという)は、JIS−K7105に準拠して、ヘイズメーターHM150(村上色彩社製、商品名)を用いて測定した。
鉛筆硬度試験は、JIS−K−5400に準拠して測定した。
スチールウール試験は、トライボギアHEIDON往復摩耗試験機(新東科学社製)を用い、ホルダーにスチールウールを装着、3Nの荷重にて300mm/分の速度で転写済み物品を摩擦し、表面の傷付き状態を目視で観察し、傷のほとんどないものを合格とし○印で、傷が若干あるが実用上支障がないものも合格とし△印で、傷が著しくあるものを×印で示した。
防眩性、視認性は、輝度、コントラスト、黒表示での外光の反射及びギラツキを目視で観察した。それらの結果は、実用上支障がないものを合格とし○印で、支障のあるものを△〜×印で示した。
(評価の結果)評価の結果を「表1」に示す。
実施例5〜6、比較例2の表面抵抗、鉛筆硬度、スチールウール試験について、いずれも良好であった。しかしながら、実施例4では、スチールウール性で傷が若干あるが実用上支障がなく△印であった。防眩性、視認性については、実施例4〜6では良かったが、比較例2では悪かった。
実施例5〜6、比較例2の表面抵抗、鉛筆硬度、スチールウール試験について、いずれも良好であった。しかしながら、実施例4では、スチールウール性で傷が若干あるが実用上支障がなく△印であった。防眩性、視認性については、実施例4〜6では良かったが、比較例2では悪かった。
1:防眩性を有する帯電防止転写シート
11:離型性基材材シート、
11':基材層
13、13':離型層
21:帯電防止層
23:透明架橋硬化樹脂層
25:プライマ層
27:接着層
31:転写層
11:離型性基材材シート、
11':基材層
13、13':離型層
21:帯電防止層
23:透明架橋硬化樹脂層
25:プライマ層
27:接着層
31:転写層
Claims (6)
- 離型性基材シートの離型性の面上に、転写層として少なくとも帯電防止層、及び透明架橋硬化樹脂層を此の順に有する帯電防止転写シートにおいて、前記基材の帯電防止層側が微細な凹凸を有し、かつ、前記帯電防止層が少なくとも導電性有機高分子を含有することを特徴とする防眩性を有する帯電防止転写シート。
- 上記導電性有機高分子が、ポリチオフェン系高分子であることを特徴とする請求項1記載の防眩性を有する帯電防止層転写シート。
- 上記離型性基材シートの他方の面に第2帯電防止層、及び/又は上記透明架橋硬化樹脂層の帯電防止層と反対側に接着層を有することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の防眩性を有する帯電防止転写シート。
- 上記透明架橋硬化樹脂層と上記接着層との間にプライマ層を有することを特徴とする請求項3記載の防眩性を有する帯電防止転写シート。
- 上記離型性基材シートが、基材層と、該基材層の転写層側に積層された離型層との積層体から成り、該離型層の転写層側表面が離型性面となり、微細な凹凸を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防眩性を有する帯電防止転写シート。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の防眩性を有する帯電防止転写シートを用いて、帯電防止層及び透明架橋硬化樹脂層が転写され、該転写表面に、上記基材の微細な凹凸に対応する微細な凹凸が転写を有してなることを特徴とする防眩性を有する帯電防止処理された物品。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2004
- 2004-04-26 JP JP2004129192A patent/JP2005305944A/ja not_active Withdrawn
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