JP2005305768A - ビードコアの製造方法、ビードコア及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ビードコアの破壊強度を向上し、リムとの嵌合性やリム組み性に優れ、かつタイヤのユニフォミティーを向上し操縦安定性の改善するビードコアを提供する。
【解決手段】 ビードコア1は、ゴム被覆された1本のビードワイヤ10を縦積み状に巻回し環状のビードコア単位20を形成する工程と、複数の前記ビードコア単位20を該ビードワイヤ10の巻き始め端11と巻き終わり端12を該複数のビードコア単位20の相互間でその円周上においてほぼ均等に分散配置する工程と、前記複数のビードコア単位20を並置しその側面同士を圧着する工程とにより製造される。
【選択図】 図5
【解決手段】 ビードコア1は、ゴム被覆された1本のビードワイヤ10を縦積み状に巻回し環状のビードコア単位20を形成する工程と、複数の前記ビードコア単位20を該ビードワイヤ10の巻き始め端11と巻き終わり端12を該複数のビードコア単位20の相互間でその円周上においてほぼ均等に分散配置する工程と、前記複数のビードコア単位20を並置しその側面同士を圧着する工程とにより製造される。
【選択図】 図5
Description
本発明は、主として空気入りタイヤに使用されるビードコアの製造方法、その製造方法によるビードコア及びそのビードコアを使用した空気入りタイヤに関し、ビード部に起因するタイヤの破壊強度の低下を招くことなく、タイヤのユニフォミティーを向上し操縦安定性の改善を図るものである。
空気入りタイヤのビード部におけるビードコアは、カーカスプライを形成する有機繊維コードやスチールコードのコード端部を巻付け固定するとともに、タイヤ本体の内周寸法を規定し、リムとの嵌め合いを確保している。
このように、ビードコアは空気入りタイヤにおいて極めて重要な構成要素であり、従来より、種々のビードコア構造が使用されている。例えば、複数本のワイヤを並列に配してゴムで被覆しテープ状とし、このテープ状のゴム−ワイヤ複合体を所定外径のドラムに巻付けて多層に束ねてビードコアを得る、所謂グロメットタイプのビードコアや、1本のビードワイヤの周囲に一定の厚さでゴム被覆し、これを所定断面形状のコアに巻回し製造するシングルストランドタイプのビードコア等が知られている。
グロメットタイプのビードコアは、ワイヤの巻き始め端や巻き終わり端がビードコア周上の一箇所に集中し、この段差に応力集中しやすく破壊強度の低下を招き、特に巻き始め端が曲げ応力の支点となりビード損傷を起こすことがある。また、この巻き始め端や巻き終わり端がコア周上の重量バランスを低下させタイヤのユニフォミティーを悪化させるという問題がある。
これに対して、シングルストランドタイプのビードコアは、ワイヤの巻き始めや巻き終わりがコア周上に1箇所ずつしか存在しないため、ワイヤの強力利用率を高めて破壊強度を保ち、コア周上の重量バランスも良くユニフォミティーを良好にすることができる。しかし、1本のワイヤを径方向に順次巻回し形成するため、ビードコアの生産効率がグロメットタイプに比べ大幅に低下するという欠点がある。
そこで、ビードワイヤの断面が、タイヤ軸方向寸法よりも半径方向寸法の方が小さい横長形である断面切り欠き円状をなすビードワイヤを用いて形成したビードコアを使用した空気入りタイヤが提案されている(特許文献1)。
また、ビードコアが複数に区分形成したビードコア単位リングの複合になり、巻き始め端と巻き終わり端の位置をビードコア単位リングの相互間のリング円周上で等間隔に分散配置した空気入りタイヤが開示されている(特許文献2)。
特開平9−66712号公報
特開平6−8352号公報
特許文献1に記載のビードコアでは、グロメットタイプの場合の破壊強度を向上し、シングルストランドの場合の高剛性、軽量化を向上させるものであるが、グロメットタイプのコア周上の重量バランスの低下やシングルストランドの生産効率の低さは改善されるものではない。また、特許文献2に記載のビードコアは、2本以上の並列フィラメントのゴム引きストリップを巻回してビードコア単位リングを形成するもので、ビードコアの生産性の低下を抑え、ユニフォミティーの向上をある程度図ることはできるが、ワイヤの巻き始め端や巻き終わり端を分散配置したとしてもビードコアにかかる応力集中を緩和させる効果は十分とは言えずコアの破壊強度の向上には未だ改善の余地がある。
そこで本発明の目的は、かかる従来のビードコアによる問題点を解決し、ビードコアの破壊強度を向上しビード部の強度を確保し、リムとの嵌合性やリム組み性に優れ、かつタイヤのユニフォミティーを向上し操縦安定性を改善することのできるビードコアを、生産性を低下させずに提供することにある。
請求項1の発明は、ゴム被覆した1本のビードワイヤを縦積み状に巻回し環状のビードコア単位を形成する工程と、複数の前記ビードコア単位を該ビードワイヤの巻き始め端と巻き終わり端を該複数のビードコア単位の相互間でその円周上においてほぼ均等に分散配置する工程と、前記複数のビードコア単位を並置しその側面同士を圧着する工程とを含むことを特徴とするビードコアの製造方法である。
この場合、請求項2に記載のように、並列された複数本のビードワイヤをゴム被覆装置に供給し、該複数本のビードワイヤを並列状態でゴム中に埋設した後、該ビードワイヤ間のゴム部分をスリットし1本毎のゴム被覆ビードワイヤに分割し、それぞれのゴム被覆ビードワイヤを縦積み状に巻回し前記環状のビードコア単位を形成することが好ましい。
本発明のビードコアの製造方法によれば、ビードコアの列を形成するビードコア単位間で、ビードワイヤの巻き始め端と巻き終わり端とを列毎でコア周上に分散させることが容易であり、ビードコアの破壊強度とコア周上の重量バランスを向上するビードコアを生産性を大きく低下させることなく容易に製造することができる。
また、異径のワイヤをコアの列毎に用いたり、内径や外径の異なるビードコア単位を複合したビードコアを製造することが容易であり、空気入りタイヤの要求性能に適合するビードコア構造を提供することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のビードコアの製造方法により製造されたことを特徴とするビードコアであり、空気入りタイヤに適用して耐久性や安全性、ユニフォミティーを向上するものとなる。
請求項4に記載の発明は、前記ビードワイヤがトラック形状の偏平断面を有し、該トラック形状の短径D1と長径D2との比D1/D2が0.6以上であり、かつトラック形状の偏平面を該ビードコアの径方向に配してなることを特徴とする請求項3に記載のビードコアである。
これにより、前記ビードコア単位の形成時にワイヤの巻回性を安定させ縦積み精度を向上しコア内のワイヤの軸方向のずれを抑制するとともに、リム組み時やリム組み後のビードコア内のワイヤの移動を抑えてリムとの嵌合性を向上する。
本発明のビードコアにおいては、請求項5に記載のように、前記環状のビードコア単位内において、縦積み状に巻回された各々のビードワイヤの軸方向のズレ量が、該ビードワイヤの軸方向の径の2倍以内にあることが好ましく、コア内のビードワイヤの軸方向のずれを抑えてビードコア単位の巻回均一性を向上してコア断面をコンパクトな形状とし、ユニフォミティーを良好にするとともにタイヤのリム組み時及びリム組み後のコア内でのワイヤの移動を抑えてリムとの嵌合性を向上することができる。
本発明の空気入りタイヤは、ビードコアの破壊強度を向上してビード部の強度を高め、リム組み性や嵌合圧を向上しタイヤの耐久性と安全性に優れ、かつユニフォミティーを向上し操縦安定性を改善するものとなる。
本発明によれば、ビードコアの破壊強度やリムとの嵌合性を向上し、またコア周上の重量バランスを良好にするビードコアを生産性を大きく低下することなく容易に製造し、空気入りタイヤの耐久性や安全性、操縦安定性を向上することができる。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態にかかるビードコア1を備えた空気入りタイヤTの右半分を例示している。空気入りタイヤTは、幅方向一対のビードコア1間にわたりトロイド状をなしてまたがるラジアルプライからなる1枚のカーカス2を有し、該カーカス2から各ビードコア1及びこのビードコア1上に備えたビードフィラーゴム8の廻りにそれぞれ内側から外側へ巻き返して延びる上記プライ2の折り返し部4を有するビード部7と、該ビード部7の外周側に連なるサイドウォール部6と、該サイドウォール部7に連なるトレッド部5とを備え、該トレッド部5内には、2枚のベルト層3を備えている。
前記ビードコア1は、図2,3に示すように、鋼線よりなるビードワイヤ10にゴム被覆したゴム被覆ワイヤ13をコア1の径方向(縦方向)へ5層に巻回したビードコア単位20を、コア1の軸方向(横方向)にその5本を並列配置して圧着複合し、5層×5列をなすビードワイヤ10の集合体がゴム中に埋設された状態で構成されている。
このビードコア1の構成を更に詳しく説明すると、ゴム被覆された1本のゴム被覆ワイヤ13を所定内径上に縦積み状に巻回し環状のビードコア単位20を形成し、このビードコア単位20の5本をそれぞれのビードコア単位20におけるワイヤ10の巻き始め端11a〜eと巻き終わり端12a〜eをビードコア単位20の相互間でそのコア円周上においてほぼ均等に分散するように配置し、この5本のビードコア単位20をコア軸方向で重なるように側面同士を圧着し図4,5に示すビードコア1を形成したものである。
このようにビードワイヤ10の巻き始め端11a〜eと巻き終わり端12a〜eとをビードコア1の列毎の周上に均等に分散させることで、ビードコア1周上の応力集中を緩和してコア1の破壊強度を向上することでグロメットビードコアの場合の応力集中によるコア損傷の問題を解決し、かつシングルストランドの場合よりも生産性を向上するとともにワイヤ10の強力利用率を高めて使用量減による軽量化を可能とし、コア1の周上の重量バランスを均一化してユニフォミティーを向上するものとなる。
前記ビードコア単位10内においては、径方向に縦積み状に配置される各ビードワイヤ10の位置が、各々の位置においてビードワイヤ10の軸方向のズレ量Xが該ワイヤ10断面の軸方向の径(D)の2倍以内になるように制御され巻回されている。
このビードワイヤ10の軸方向のズレ量Xを2D内に抑えることで、ビードコア単位20の巻回均一性を向上することができコア断面をコンパクトな形状に保ってユニフォミティーを良好にするとともに、タイヤのリム組み時及びリム組み後のコア1内でのワイヤ10の移動を抑えてコア1の変形や偏心を抑制し、リム組み性を向上するとともにリムとの嵌合圧を高めてリム外れを防止することができる。もちろん、このズレ量Xは1D、すなわちワイヤずれがないことが望ましい。
また、ビードコア1を構成するビードワイヤ10は、図6に示すように、ワイヤ10断面がトラック形状の偏平断面であることが好ましく、上下に平面を有するトラック形状の扁平化による形状効果と短径D1方向と長径D2方向との剛性差が相乗効果を奏し、ビードコア単位20の巻回時のワイヤ位置を安定させ縦積み精度を向上しコア1内のワイヤ10のずれを抑えるとともに、リム組み時にビードコア1内のワイヤ10の径及び軸方向の移動を抑えてビードコア1断面の変形を抑制し、かつコア1の径方向の伸びを適度に許容してリム組み性、すなわちリムフィット性を高め、かつリム組み後はリムとの嵌合圧を向上しリム外れを防止するものとなる。
この効果は、図7に示すように、円形断面ワイヤでは縦方向の入力に対して円形曲面間でワイヤ同士が滑りによる移動が生じやすいのに対し、トラック形状扁平ワイヤではワイヤ積層時の安定性を向上しワイヤずれの発生やワイヤ間の滑りを防ぐことでリム組み性や嵌合圧を向上するものである。
この断面トラック形状の短径D1と長径D2との比D1/D2は、0.6以上であることが好ましく、D1/D2が0.6未満、すなわち偏平率が高くなるとワイヤ10の扁平化工程において強加工が必要となり、ワイヤに割れや微小クラックを生じやすく強度や耐疲労性の低下を生じやすくする。D1/D2の上限は、0.95、好ましくは0.90以下であり、0.95より大きくなるとワイヤ断面が真円状に近くなり、上記扁平化の効果が得られない。もちろん、ワイヤ10のトラック形状の偏平面をビードコア1の径方向に配して用いることで上記扁平ワイヤの効果は発現される。
このトラック形状の偏平断面ワイヤ10は、通常のビードワイヤの製造法に従い、硬鋼線材等のロッドを熱処理、伸線加工し最終径に仕上げた後、ブロンズ等のメッキが施された断面円形のワイヤWを用いて、図8に示すような2本の圧延ロールR1,R2間に円形断面のワイヤWを通して圧延加工することで製造され、ロールR1,R2間の間隔を調整することで扁平率D1/D2が決められる。また、この扁平ワイヤ10は、ロール圧延による扁平化以外に、ダイス穴がトラック形状の異形ダイスを用いて伸線加工するものなど、他の扁平化手段によるものであってももちろん使用することができる。
図9は本実施形態にかかるビードコア1の製造方法の1例を模式的に示す斜視図であり、ビードワイヤ10にゴム被覆するためのゴム用押出機30と、ゴム被覆されたビードワイヤ13を縦積み状に巻回し環状のビードコア単位20を形成する巻回装置40と、複数のビードコア単位20(図では5本)をそれぞれのビードコア単位20におけるワイヤ10の巻き始め端11a〜eと巻き終わり端12a〜eをビードコア単位20の相互間でその円周上においてほぼ均等に分散するように配置する分配装置50と、この5本のビードコア単位20をタイヤ幅方向で重なるように並置しその側面同士を圧着しビードコア1を形成する圧着装置60とから構成されている。
図9(a)に示すように、所定間隔をおいて並列された5本のビードワイヤ10が押出機30のヘッド31に供給され、5本のビードワイヤ10がヘッド31内で並列状態で同時にリボン状にゴム被覆される。このリボン状のゴム被覆ワイヤは、ヘッド出口32に設けたスリッタ装置(例えば、ヘッド出口に等間隔に立設したカッター刃など)により、ビードワイヤ10間のゴム部分をスリットし1本毎にゴム被覆されたビードワイヤ13に分割される。
また、上記ゴム用押出機30に代えて、並列された複数本のビードワイヤをゴム用カレンダー装置に供給し、並列ビードワイヤの両面からゴム被覆した後にビードワイヤ間のゴム部分をスリットしゴム被覆ワイヤ13を得る方法でもよい。
ゴム被覆ワイヤ13は、巻回装置40に送られ、それぞれが個別に回転ドラム41上に所定回数で縦積み状に巻回され、環状のビードコア単位20を形成する。図の場合は、5本のゴム被覆ワイヤ13が同一の回転ドラム41上に巻回される例を示すが、5本のゴム被覆ワイヤ13がそれぞれ個々の回転ドラム上に送られ縦積み状に巻回されるものであってもよい。また、回転ドラムには、ワイヤ13の縦積み安定性を良好にするためゴム被覆ワイヤ13の両側部にガイド板を設けてもよい。
次ぎに、5本のビードコア単位20のワイヤ10の巻き始め端11a〜eと巻き終わり端12a〜eを、それぞれのビードコア単位20の相互間でその円周上においてほぼ均等に分散するように配置する(図9(b))。この場合、その分散配置する方法は、特に限定されず、縮径した回転ドラム41上でビードコア単位20を周回させてもよいし、ドラム41から取り外した5本のビードコア単位20を手作業で分散配置するものでもよい。
そして、5本のビードコア単位20は、タイヤ幅方向で重なるように並置され、プレス装置などの圧着装置60によりその側面同士を圧着複合し(図9(c))ビードコア1を形成する。
これにより、ビードコア1の列を形成するビードコア単位20間で、ワイヤ10の巻き始め端11と巻き終わり端12とをコア1の列毎でコア周上に均等に分散させたビードコア1を製造することができ、ビードコア1の破壊強度とコア周上の重量バランスを均一化するビードコア1を生産性を大きく低下させることなく容易に製造することができる。
このようにして製造されるビードコア1は、空気入りタイヤに適用してビードコア1の破壊強度とリム組み性を向上しリム組み時やタイヤ走行時のビード部損傷を防止し、またリムとの嵌合圧を向上してタイヤのリム外れを防ぎ安全性に優れ、かつユニフォミティーを向上して操縦安定性を改善することができる。
また、本発明にかかるビードコアは、図10に示すように、異径のワイヤ15,16を巻回したビードコア単位21,22をコアの列に組み合わせて用いた異径ワイヤ複合コア1a(図10(a))、また内径や外径の異なるビードコア単位23,24,25を複合した異形断面ビードコア1b(図10(b))を形成することが容易であり、タイヤ性能や用途に適合するビードコアを容易に製造することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
直径0.96mmの円形断面ワイヤを圧延ロールを用いて扁平化した図6に示すトラック形状の扁平断面ビードワイヤと通常の円形断面ビードワイヤ(径0.96mm)を使用し、図9に示す実施形態で説明したビードコアの製造方法で製造した巻き始め端と巻き終わり端をコア周上で均等に分散した実施例、比較例2のビードコア、及び従来のグロメットタイプ或いはシングルストランドタイプの製法による比較例のビードコアを製造し、このビードコアを使用した空気入りラジアルタイヤ(サイズ205/60R15)について下記の評価を実施した。使用したリムは、サイズ15×16JJのアルミニウム製リムである。評価の結果を表1に示す。
なお、試験用の空気入りラジアルタイヤは実施例及び各比較例においてビード部以外は共通し、1プライのポリエステルカーカスと2プライのスチールベルトを有する一般的な内部構造のタイヤである。
[ユニフォミティー]
タイヤユニフォミティーマシンを用いて回転中のタイヤ半径方向の振れであるラジアルランナウト(RRO)、タイヤ回転軸に現れる上下方向の荷重変動力であるラジアルフォースバリエーション(RFV)の1次ピークと2次ピーク、及び前後方向の加振力であるタンジェンシャルフォースバリエーション(TFV)の1次ピークと2次ピークを測定した。測定条件は、RROについては回転数60rpm、内圧200kPa、縦荷重4.1kN、RFVとTFVについては速度120km/h、内圧200kPa、縦荷重2.9kNとした。いずれも数値の小さいものが良好である。
タイヤユニフォミティーマシンを用いて回転中のタイヤ半径方向の振れであるラジアルランナウト(RRO)、タイヤ回転軸に現れる上下方向の荷重変動力であるラジアルフォースバリエーション(RFV)の1次ピークと2次ピーク、及び前後方向の加振力であるタンジェンシャルフォースバリエーション(TFV)の1次ピークと2次ピークを測定した。測定条件は、RROについては回転数60rpm、内圧200kPa、縦荷重4.1kN、RFVとTFVについては速度120km/h、内圧200kPa、縦荷重2.9kNとした。いずれも数値の小さいものが良好である。
[リム嵌合性]
タイヤをリム組みし内圧200kPaを充填した時のタイヤのビード部シート面とリムシート面との嵌合圧をホフマン試験機により測定した。測定タイヤ4本の平均値を示す。数値の大きいものが良好である。
タイヤをリム組みし内圧200kPaを充填した時のタイヤのビード部シート面とリムシート面との嵌合圧をホフマン試験機により測定した。測定タイヤ4本の平均値を示す。数値の大きいものが良好である。
[破壊水圧テスト]
タイヤをリム組みし、バルブからタイヤ内腔に水を充填し、ビードコアが破断した時の破壊水圧を各タイヤ2本について測定し、その平均値を比較例1を100とする指数で示した。指数の大きいものが良好である。
タイヤをリム組みし、バルブからタイヤ内腔に水を充填し、ビードコアが破断した時の破壊水圧を各タイヤ2本について測定し、その平均値を比較例1を100とする指数で示した。指数の大きいものが良好である。
[操縦安定性]
テストドライバーによる実車走行での官能評価試験を行い、ハンドルの手応え、応答性を10点満点で評価した。
テストドライバーによる実車走行での官能評価試験を行い、ハンドルの手応え、応答性を10点満点で評価した。
[生産性]
ビードコアの単位時間当たりの生産本数を比較例1を基準にして、10%以上減少したものを×、生産本数の減少が10%未満であるものを○と評価した。
ビードコアの単位時間当たりの生産本数を比較例1を基準にして、10%以上減少したものを×、生産本数の減少が10%未満であるものを○と評価した。
表から明らかなように、本発明にかかる実施例は、ビードコアの生産性を大きく低下することがなく、空気入りタイヤのユニフォミティーや操縦安定性を向上し、リム組み時の破壊水圧を高めてリム組み安定性を改善し、かつリム嵌合圧を向上しリム外れを防止するものであることがわかる。
これに対して、コア中のビードワイヤのズレ量の大きい比較例2はリムとの嵌合性の改善が少なく、ワイヤずれのためユニフォミティー、操縦安定性の向上も実施例には及ばない。また、扁平断面ワイヤを用いてグロメットタイプでコアを形成した比較例3はコアにかかる応力が巻き始め端と巻き終わり端の1箇所に集中し、コア破壊強度の向上がわずかであり破壊水圧が実施例に劣る結果となった。
以上の通り、本発明はビードコアの生産性を低下することなく、ビード部の破壊強度とユニフォミティーを大幅に向上するもので、乗用車用タイヤを始めとして、トラック・バス用の大型タイヤ、産業車両用タイヤ、航空機用タイヤ、農耕用タイヤ、2輪車用タイヤなのに幅広く使用することができる。
1……ビードコア
10……ビードワイヤ
11……巻き始め端
12……巻き終わり端
20……ビードコア単位
10……ビードワイヤ
11……巻き始め端
12……巻き終わり端
20……ビードコア単位
Claims (6)
- ゴム被覆した1本のビードワイヤを縦積み状に巻回し環状のビードコア単位を形成する工程と、
複数の前記ビードコア単位を該ビードワイヤの巻き始め端と巻き終わり端を該複数のビードコア単位の相互間でその円周上においてほぼ均等に分散配置する工程と、
前記複数のビードコア単位を並置しその側面同士を圧着する工程とを含む
ことを特徴とするビードコアの製造方法。 - 並列された複数本のビードワイヤをゴム被覆装置に供給し、該複数本のビードワイヤを並列状態でゴム中に埋設した後、該ビードワイヤ間のゴム部分をスリットし1本毎のゴム被覆ビードワイヤに分割し、それぞれのゴム被覆ビードワイヤを縦積み状に巻回し前記環状のビードコア単位を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のビードコアの製造方法。 - 請求項1又は2に記載のビードコアの製造方法により製造された
ことを特徴とするビードコア。 - 前記ビードワイヤがトラック形状の偏平断面を有し、該トラック形状の短径D1と長径D2との比D1/D2が0.6以上であり、かつトラック形状の偏平面を該ビードコアの径方向に配してなる
ことを特徴とする請求項3に記載のビードコア。 - 前記環状のビードコア単位内において、縦積み状に巻回された各々のビードワイヤの軸方向のズレ量が、該ビードワイヤの軸方向の径の2倍以内にある
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のビードコア。 - 請求項3〜5のいずれかに記載のビードコアを使用した
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
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-
2004
- 2004-04-20 JP JP2004124530A patent/JP2005305768A/ja not_active Withdrawn
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