JP2005305483A - 押出し鍛造装置および押出し鍛造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 押出し鍛造において素材のバラツキによる自由端側の寸法調整を含む成形工程にかかる時間を短縮し、労力を軽減するとともに、成形を行うのに必要となる空間を減少させることを課題とする。
【解決手段】 ダイ2に素材1を挿入して、ダイ2の導入側に配設したポンチ5により、素材1の押出しを行う押出し鍛造装置において、ダイ2の押出し側に切削加工装置3を配設し、切削加工装置3をダイ2に取付け、ダイ2の押出し方向延長線上に配する。そして、切削具3に、ダイ2の押出し方向に開口した開口部3bを設け、切削具3を介して素材をノックピン4により取り出す。
【選択図】 図1
【解決手段】 ダイ2に素材1を挿入して、ダイ2の導入側に配設したポンチ5により、素材1の押出しを行う押出し鍛造装置において、ダイ2の押出し側に切削加工装置3を配設し、切削加工装置3をダイ2に取付け、ダイ2の押出し方向延長線上に配する。そして、切削具3に、ダイ2の押出し方向に開口した開口部3bを設け、切削具3を介して素材をノックピン4により取り出す。
【選択図】 図1
Description
本発明は、押出し鍛造に関するものであり、より詳しくは、長尺部品の絞り成形に関し、長さのバラツキが生じるものを、鍛造と端面切削とを用いて成形する技術に関する。
従来、鍛造などの塑性変形により成形品を加工する方法が知られている。
特に、鍛造は、高い能率で、素材から最終形状、またはそれに近い状態の加工品を作ることができるものとして知られるものである。
そして、鍛造による加工方法の一つである、前方押出しは、ダイの内部に素材を封入し、ポンチの進む方向に材料を流動させて、ダイの成形部または、ダイとカウンターパンチの隙間を通して素材の断面積の減少をはかる方法で、段付軸や底付円筒状の製品等の成形に用いられている。
特に、鍛造は、高い能率で、素材から最終形状、またはそれに近い状態の加工品を作ることができるものとして知られるものである。
そして、鍛造による加工方法の一つである、前方押出しは、ダイの内部に素材を封入し、ポンチの進む方向に材料を流動させて、ダイの成形部または、ダイとカウンターパンチの隙間を通して素材の断面積の減少をはかる方法で、段付軸や底付円筒状の製品等の成形に用いられている。
そして、押出し鍛造において、さらなる加工能率を向上するために、ダイをセラミックにより構成し、ダイの熱膨張率を素材の熱膨張率より小さくし、焼きつきを防止するもの(特許文献1を参照)が知られており、容易に加工できる金属材料により素材を被覆して押出し材を形成して、塑性加工する方法(特許文献2を参照)も知られている。
押出し鍛造は、高い能率で、高い加工精度を実現するものである。しかし、素材における材料のバラツキが製品に影響し、押出される自由端において非常に大きな寸法のバラツキが発生する。塑性加工においては、素材自体の重量が不同である場合が多く、製品の重量の不同は解消しきれない問題である。このため、塑性加工した成形物において、寸法のバラツキを除くべく、切削加工が行われる。
このように、高い精度で長尺物を製造する場合には、鍛造工程と切削加工工程の各1工程づつが必要であり、設備費用とそのサイクルタイムからコストが高くなる。また、加工のための工程数が多くなり、加工設備等による占有スペースが大きくなるものである。
このように、高い精度で長尺物を製造する場合には、鍛造工程と切削加工工程の各1工程づつが必要であり、設備費用とそのサイクルタイムからコストが高くなる。また、加工のための工程数が多くなり、加工設備等による占有スペースが大きくなるものである。
上述した特許文献1においても、切削加工が必要となるものであり、加工に時間がかかることとなる。特に大物中空体の押出し鍛造加工においては、素材である中空体の厚みにばらつきが発生しやすく、押出し鍛造加工において自由端側の位置にばらつきが特に生じ易すくなる。
また、特許文献2に記載の技術においては、押出し方向の成形精度に重みをおいたものではなく、鍛造加工の後に切削などによる加工を行う必要がある。さらに、特許文献2の加工方法では、中空体の押出し加工が困難である。
鍛造工程の後に、切削加工を行う場合には、押出し鍛造により成形されたものを切削加工装置に取付け、端面の切削を行うものである。このため、切削加工装置への取付けに掛かる時間が加味されることとなり、製品成形の能率が低下するものである。また、切削加工装置への取付けにおける精度誤差が潜在することとなり、成形精度が低下する可能性がある。
さらに、押出し鍛造装置と切削加工装置とを配設するための空間が必要であるとともに、この間において成形品を配送するための配送手段や、保管のための空間等も必要となるものである。すなわち、押出し鍛造から切削加工までの工程において、取付け時の精度や、搬送時の取り扱いや、保管状態など、成形誤差を生じる原因を多く潜在させるものであり、製品の成形精度を向上させるためには、各工程において製品の精度を向上させる取り扱いが必要となり、多くの労力が要求されるものである。
また、特許文献2に記載の技術においては、押出し方向の成形精度に重みをおいたものではなく、鍛造加工の後に切削などによる加工を行う必要がある。さらに、特許文献2の加工方法では、中空体の押出し加工が困難である。
鍛造工程の後に、切削加工を行う場合には、押出し鍛造により成形されたものを切削加工装置に取付け、端面の切削を行うものである。このため、切削加工装置への取付けに掛かる時間が加味されることとなり、製品成形の能率が低下するものである。また、切削加工装置への取付けにおける精度誤差が潜在することとなり、成形精度が低下する可能性がある。
さらに、押出し鍛造装置と切削加工装置とを配設するための空間が必要であるとともに、この間において成形品を配送するための配送手段や、保管のための空間等も必要となるものである。すなわち、押出し鍛造から切削加工までの工程において、取付け時の精度や、搬送時の取り扱いや、保管状態など、成形誤差を生じる原因を多く潜在させるものであり、製品の成形精度を向上させるためには、各工程において製品の精度を向上させる取り扱いが必要となり、多くの労力が要求されるものである。
上記の課題を解決すべく、本発明は次のような手段をとるものである。
すなわち、請求項1に記載のごとく、ダイに長尺物を挿入して、該ダイの導入側に配設したポンチにより、該長尺物の押出しを行う長尺物の押出し鍛造装置であって、該ダイの押出し側に切削加工装置を配設するとともに、該切削加工装置を前記ダイに取り付けた押出し鍛造装置を構成する。
すなわち、請求項1に記載のごとく、ダイに長尺物を挿入して、該ダイの導入側に配設したポンチにより、該長尺物の押出しを行う長尺物の押出し鍛造装置であって、該ダイの押出し側に切削加工装置を配設するとともに、該切削加工装置を前記ダイに取り付けた押出し鍛造装置を構成する。
請求項2に記載のごとく、切削加工装置が切削具を有し、該切削具をダイの押出し方向延長線上に配する。
請求項3に記載のごとく、切削加工装置が切削具を有し、該切削具に、ダイの押出し方向に開口した開口部を設け、該切削加工装置のダイの押出し方向延長線上であって、該切削加工装置を介してダイと対向する位置にダイの押出し方向に摺動可能なノックピンを配設する。
請求項4に記載のごとく、長尺物をダイに導入して、ポンチによりダイに押出して行う長尺物の押出し成形方法であって、ダイと該ダイより成形物を取り出すノックピンとの間に、切削加工装置を配設して、長尺物を前記ポンチにより押出しながら、該長尺物の自由端側を該切削加工装置により切削する。
請求項1に記載のごとく、ダイに長尺物を挿入して、該ダイの導入側に配設したポンチにより、該長尺物の押出しを行う長尺物の押出し鍛造装置であって、該ダイの押出し側に切削加工装置を配設するとともに、該切削加工装置を前記ダイに取り付けた押出し鍛造装置を構成するので、
長尺物の押出し鍛造を行うとともに、該長尺物の自由端側の切削加工を行うことができる。そして、1つの押出し鍛造装置により、押出し鍛造および切削加工を行うことができ、加工を行う設備が占有するスペースを減少できる。その上、押出し鍛造と切削加工を同時に行うので、加工時間を短縮できる。
また、ダイにより位置決めされた被成形物である長尺物に切削加工を行うので、切削加工までの労力を軽減できるとともに、切削加工までの作業に潜在する誤差発生要素を排除して安定的な製造管理を行うことができる。
長尺物の押出し鍛造を行うとともに、該長尺物の自由端側の切削加工を行うことができる。そして、1つの押出し鍛造装置により、押出し鍛造および切削加工を行うことができ、加工を行う設備が占有するスペースを減少できる。その上、押出し鍛造と切削加工を同時に行うので、加工時間を短縮できる。
また、ダイにより位置決めされた被成形物である長尺物に切削加工を行うので、切削加工までの労力を軽減できるとともに、切削加工までの作業に潜在する誤差発生要素を排除して安定的な製造管理を行うことができる。
請求項2に記載のごとく、切削加工装置が切削具を有し、該切削具をダイの押出し方向延長線上に配するので、
長尺物の押出し鍛造を行うとともに、該長尺物の自由端側の切削加工を行うことができるとともに、1つの押出し鍛造装置により、押出し鍛造および切削加工を行うことができ、加工にともなう設備が占有するスペースを減少できるとともに、押出し鍛造と切削加工を同時に行うので、加工時間を短縮できる。さらに、長尺物をダイより押出しながら切削加工が行えるので、ポンチにより長尺物の送りを行うことができ、装置の共通化により装置の省スペース化を実現できるものである。
長尺物の押出し鍛造を行うとともに、該長尺物の自由端側の切削加工を行うことができるとともに、1つの押出し鍛造装置により、押出し鍛造および切削加工を行うことができ、加工にともなう設備が占有するスペースを減少できるとともに、押出し鍛造と切削加工を同時に行うので、加工時間を短縮できる。さらに、長尺物をダイより押出しながら切削加工が行えるので、ポンチにより長尺物の送りを行うことができ、装置の共通化により装置の省スペース化を実現できるものである。
請求項3に記載のごとく、切削加工装置が切削具を有し、該切削具に、ダイの押出し方向に開口した開口部を設け、該切削加工装置のダイの押出し方向延長線上であって、該切削加工装置を介してダイと対向する位置にダイの押出し方向に摺動可能なノックピンを配設するので、
長尺物を効率的に押出し鍛造するとともに、切削加工し、容易に取り出すことができ、押出し鍛造および切削を行う装置全体をコンパクトに構成することができ、装置の省スペース化を実現できる。さらに、ダイとノックピンとの間に切削加工装置を配設することができ、押出し、切削加工、ダイからの取り出しを円滑に行うことができ、作業時間の短縮を実現できるものである。
長尺物を効率的に押出し鍛造するとともに、切削加工し、容易に取り出すことができ、押出し鍛造および切削を行う装置全体をコンパクトに構成することができ、装置の省スペース化を実現できる。さらに、ダイとノックピンとの間に切削加工装置を配設することができ、押出し、切削加工、ダイからの取り出しを円滑に行うことができ、作業時間の短縮を実現できるものである。
請求項4に記載のごとく、長尺物をダイに導入して、ポンチによりダイに押出して行う長尺物の押出し成形方法であって、ダイと該ダイより成形物を取り出すノックピンとの間に、切削加工装置を配設して、長尺物を前記ポンチにより押出しながら、該長尺物の自由端側を該切削加工装置により切削するので、
長尺物の押出し鍛造を行うとともに、切削加工を行うことができ、作業時間の短縮を実現できる。そして、1つの押出し鍛造装置により、押出し鍛造および切削加工を行うことができ、加工にともなう設備が占有するスペースを減少できる。押出し鍛造と切削加工を同時に行うので、加工時間を短縮できる。さらに、長尺物をダイより押出しながら切削加工が行えるので、ポンチにより長尺物の送りを行うことができ、装置の共通化により装置の省スペース化を実現できるものである。
ダイにより位置決めされた被成形物である長尺物に切削加工を行うことができ、切削加工までの労力を軽減できるとともに、切削加工までの作業に潜在する誤差発生要素を排除して安定的な製造管理を行うことができる。
長尺物の押出し鍛造を行うとともに、切削加工を行うことができ、作業時間の短縮を実現できる。そして、1つの押出し鍛造装置により、押出し鍛造および切削加工を行うことができ、加工にともなう設備が占有するスペースを減少できる。押出し鍛造と切削加工を同時に行うので、加工時間を短縮できる。さらに、長尺物をダイより押出しながら切削加工が行えるので、ポンチにより長尺物の送りを行うことができ、装置の共通化により装置の省スペース化を実現できるものである。
ダイにより位置決めされた被成形物である長尺物に切削加工を行うことができ、切削加工までの労力を軽減できるとともに、切削加工までの作業に潜在する誤差発生要素を排除して安定的な製造管理を行うことができる。
本発明は、押出し鍛造装置における被成形物の自由端延出側に、切削加工装置を配設して、被成形物の押出し鍛造とともに切削加工を行うものである。
次に、本発明の実施例について、図を用いて説明する。
図1は押出し鍛造装置の全体構成を示す側面一部断面図である。
押出し鍛造装置は、主に、ダイ2、ポンチ5、ベース部6、ノックピン4により構成されており、ダイ2の下方において回転式の切削具3を有する切削加工装置が配設されている。切削具3はビーム7上において回転自在に構成されており、この切削具3を駆動することにより切削加工を行うものである。
ベース部6は図1において、ダイ2の下部に取り付けられるものであり、ベース部6の中央部には空間が設けられ、この空間とダイ2の開口部とが一直線上に位置する構成となっている。ベース部6の中央部には、ビーム7が配設されており、このビーム7に切削具3が配設されている。ビーム7はベース部6に取り付けられるものである。ビーム7をベース部6に対して位置調節可能に構成し、切削具3による切削位置を調節することができる構成となっている。そして、切削具3の下方にはノックピン4が配設されており、このノックピン4によりダイ4に押し込まれた被成形物を取り出し可能に構成している。
図1は押出し鍛造装置の全体構成を示す側面一部断面図である。
押出し鍛造装置は、主に、ダイ2、ポンチ5、ベース部6、ノックピン4により構成されており、ダイ2の下方において回転式の切削具3を有する切削加工装置が配設されている。切削具3はビーム7上において回転自在に構成されており、この切削具3を駆動することにより切削加工を行うものである。
ベース部6は図1において、ダイ2の下部に取り付けられるものであり、ベース部6の中央部には空間が設けられ、この空間とダイ2の開口部とが一直線上に位置する構成となっている。ベース部6の中央部には、ビーム7が配設されており、このビーム7に切削具3が配設されている。ビーム7はベース部6に取り付けられるものである。ビーム7をベース部6に対して位置調節可能に構成し、切削具3による切削位置を調節することができる構成となっている。そして、切削具3の下方にはノックピン4が配設されており、このノックピン4によりダイ4に押し込まれた被成形物を取り出し可能に構成している。
ダイ2には素材が導入され、ポンチ5により前方押出しされる。ダイ2には素材を導入する導入口2aと、塑性変形した素材が押出される排出口2bとが設けられており、導入口2aと排出口2bとの間には、素材の塑性変形を行う絞り部2cが設けられている。導入口2aは素材の外径とほぼ一致している。そして、絞り部2cの付近において、導入口2aから絞り部2cへと滑らかにダイ4の内径が小さくなるように構成されている。絞り部2cより排出口2b側においては、ダイ4の内径は絞り部2cより大きく構成されており、ダイ4と絞り部2cを通過した素材とが接触しない構成となっている。
ポンチ5によりダイ4に導入される素材は、絞り部2cに押込まれることにより、絞りが行われ、その断面積が小さくなるものである。ポンチ5により素材がダイ2に押込まれると、ダイ2の内側形状に沿って素材が塑性加工される。これにより、素材が押出し鍛造加工によりダイ2の内部形状に沿って、段付形状に加工されるものである。
図1においてダイ2の下方に配設される切削具3は、回転によりダイ2より押出された素材の端部を切削加工するものである。切削具3は剛性の高いダイ2の下部に固定されたベース部6に取り付けられ、このベース部6により、ダイ2に対して位置決めされるものである。これにより、切削具3の支持体を高い剛性で実現できるので、ダイ2の形状に対して、高い精度で切削具3の位置決めを行うことができる。
ポンチ5によりダイ4に導入される素材は、絞り部2cに押込まれることにより、絞りが行われ、その断面積が小さくなるものである。ポンチ5により素材がダイ2に押込まれると、ダイ2の内側形状に沿って素材が塑性加工される。これにより、素材が押出し鍛造加工によりダイ2の内部形状に沿って、段付形状に加工されるものである。
図1においてダイ2の下方に配設される切削具3は、回転によりダイ2より押出された素材の端部を切削加工するものである。切削具3は剛性の高いダイ2の下部に固定されたベース部6に取り付けられ、このベース部6により、ダイ2に対して位置決めされるものである。これにより、切削具3の支持体を高い剛性で実現できるので、ダイ2の形状に対して、高い精度で切削具3の位置決めを行うことができる。
すなわち、ダイ2により位置決めされた被加工物に対して切削加工を行うので、ダイ2により成形される形状に対する加工精度を向上できるものである。例えば、本実施例においては、ダイ2により成形される段付部から被加工物の端までの距離を高い精度をもって成形することができる。ダイ2に保持された被加工物をポンチ5による押出し方向と対向する方向に切削を行うので、切削により被加工物にかかる力がダイ2およびポンチ5に分散され、被加工物が変形し難い状態で端部の切削加工を行うことができ、成形精度を向上できるものである。
なお、図1においては、切削装置として、正面切削を行う切削具を利用しているが、被成形物の端部に要求される成形精度によっては、被成形物の延出方向と直交方向にスライド可能な回転刃により、被成形物の側方より切断を行うことも可能である。
なお、図1においては、切削装置として、正面切削を行う切削具を利用しているが、被成形物の端部に要求される成形精度によっては、被成形物の延出方向と直交方向にスライド可能な回転刃により、被成形物の側方より切断を行うことも可能である。
切削具3の下方にはノックピン4が配設されており、押出し鍛造の後に切削加工された被成形物はこのノックピン4により取り出されるものである。ノックピン4は図1において上下方向に摺動可能に構成されており、被成形物の加工後に、ノックピン4を上方に移動させる。これにより、ノックピン4の上端を被成形物の下端に当接させて、ノックピン4により被成形物をダイ2より取り出すものである。
次に、図2から図5を用いて、押出し鍛造および切削加工の過程について説明する。
図2は被加工物をダイに押出す直前の状態を示す図であり、図3は押出し状態を示す図であり、図4は被加工物の切削加工状態を示す図であり、図5は被加工物の取り出し状態を示す図である。
まず、図2に示すごとく、ダイ2に素材1が導入される。そして、図2において、上方よりポンチ5が下方に向けて移動することにより素材1がダイ2に押込まれる。
ポンチ5がダイ2内を切削具3に向けて移動することにより、図3に示すごとく、素材1がダイ2の内側面の形状に沿って絞られ、塑性変形する。ダイ2の絞り部を通過した素材1の下部は自由端となり下方に延出する。個々の素材1において厚みにバラツキがある場合には、塑性変形による素材1の下端の位置においても、バラツキが生じる。特に、素材1が中空体である場合には、中空体の厚みの寸法精度を向上させることは困難であることから、押出しによる自由端位置のバラツキが大きいものである。そこで、この素材の下端(押出しにより塑性変形した自由端側)を切削具3により切削して、素材1を一定の長さに成形するものである。
図2は被加工物をダイに押出す直前の状態を示す図であり、図3は押出し状態を示す図であり、図4は被加工物の切削加工状態を示す図であり、図5は被加工物の取り出し状態を示す図である。
まず、図2に示すごとく、ダイ2に素材1が導入される。そして、図2において、上方よりポンチ5が下方に向けて移動することにより素材1がダイ2に押込まれる。
ポンチ5がダイ2内を切削具3に向けて移動することにより、図3に示すごとく、素材1がダイ2の内側面の形状に沿って絞られ、塑性変形する。ダイ2の絞り部を通過した素材1の下部は自由端となり下方に延出する。個々の素材1において厚みにバラツキがある場合には、塑性変形による素材1の下端の位置においても、バラツキが生じる。特に、素材1が中空体である場合には、中空体の厚みの寸法精度を向上させることは困難であることから、押出しによる自由端位置のバラツキが大きいものである。そこで、この素材の下端(押出しにより塑性変形した自由端側)を切削具3により切削して、素材1を一定の長さに成形するものである。
素材1の切削加工において、ポンチ5により素材1の押出しと、切削具3による素材1の切削とを同時に行う場合には、ポンチ5による素材1の押出し速度を切削具3による切削速度より十分に小さくして行うものである。この場合には、素材1の成形に掛かる時間を短くでき、効率的な素材1の加工を行うことができるものである。また、切削具3をダイ2に対して移動可能に構成し、ポンチ5の押出しによる素材1の加工が終了した後に、切削具3を移動させて切削を行うことも可能である。
押出しと同時に切削加工を行う場合には、素材1の下端が切削具3に近接すると、切削具3が回転をはじめる。そして、素材1の下端が切削具3に向けて押出されると、図4に示すごとく、切削具3により素材1の下端が切削されることとなる。切削具3はダイ2に対して位置決めされるものであり、ダイ2による塑性加工に形状に対して位置決めがなされるものである。このため、塑性加工を行う型に対して切削加工の位置決めを行うことができ、成形精度を向上できるものである。また、ポンチ5が素材1の切削における送り装置となるので、装置の共有部分が増え、装置自体をコンパクトに構成できる。
素材1への押出し鍛造および切削加工が行われた後には、図5に示すごとく、ポンチ5はダイ2より抜き出され、ポンチ5と素材1との接触が解除される。そして、ノックピン4が素材1に向けて移動し、ノックピン4の先端が素材1の塑性変形により押出された自由端側に当接して、素材1をダイ2より取り出すものである。
素材1への押出し鍛造および切削加工が行われた後には、図5に示すごとく、ポンチ5はダイ2より抜き出され、ポンチ5と素材1との接触が解除される。そして、ノックピン4が素材1に向けて移動し、ノックピン4の先端が素材1の塑性変形により押出された自由端側に当接して、素材1をダイ2より取り出すものである。
押出しを行った後に切削加工を行う場合には、ポンチ5による押出し成形を行った後に、切削具3を回転させながらダイ2に向けて移動させ、素材1の押出し加工された下端を切削加工することも可能である。この場合には、切削具3は延出される素材1の下端より十分下に位置しており、素材1の押出しが終了した後に切削具3を回転させながら、切削具3が配設されたビーム7をダイ2側に移動させるものである。そして、切削具3による切削が設定位置になった時点で、ビーム7の移動が停止する。このように、押出しの後に切削加工を行う場合には、ポンチ5が停止した状態で切削による反力を受けることが可能であり、切削加工を確実に行うことができるとともに、切削加工の精度をさらに向上させることができる。さらに、安定した切削条件を構成できるので、切削具3に過度に負担がかからず、切削具3の耐久性を向上できるものである。
切削具3には、開口部が設けられており、ノックピン4は切削具3の開口部を介して素材1に当接するものである。
図6は切削具を介したノックピンによる取り出し構成を示す図であり、図6(a)は切削具の構成を示す図であり、図6(b)は切削具を介した取り出し状態を示す図である。
切削具3には、ダイ2より押出される素材1の端部に向けて、開口部3b・3b・・が設けられている。この開口部3bはノックピン4が十分に通れる大きさとなっている。
ダイ2より素材1を取り出す場合には、切削具3の回転を停止させ、開口部3bとノックピン4との位置を合わせ、ノックピン4を素材1に向けて移動させる。これにより、ノックピン4が開口部3を通り抜けて、素材1の端部に当接し、ノックピン4により素材1をダイ2から取り出すことができるものである。
図6は切削具を介したノックピンによる取り出し構成を示す図であり、図6(a)は切削具の構成を示す図であり、図6(b)は切削具を介した取り出し状態を示す図である。
切削具3には、ダイ2より押出される素材1の端部に向けて、開口部3b・3b・・が設けられている。この開口部3bはノックピン4が十分に通れる大きさとなっている。
ダイ2より素材1を取り出す場合には、切削具3の回転を停止させ、開口部3bとノックピン4との位置を合わせ、ノックピン4を素材1に向けて移動させる。これにより、ノックピン4が開口部3を通り抜けて、素材1の端部に当接し、ノックピン4により素材1をダイ2から取り出すことができるものである。
すなわち、切削具3、ノックピン4を素材1の押出し方向に一致する直線上に配置し、切削具3に、ダイ2の押出し方向に開口した開口部3bを設け、切削具3を介してダイ2と対向する位置にダイ2の押出し方向に摺動可能なノックピン4を配設し、ノックン4が開口部3bを通過可能に構成するものである。
これにより、ダイ2とノックピン4との間に切削具3を配置しても、素材1の端部の切削加工を行った後に容易に素材1の取り出しを行うことができるものであり、押出し鍛造および切削加工を行う装置をコンパクトに構成できるものである。
また、ノックピン4において、従来の構成を利用可能であり、押出し鍛造装置を簡便に構成することができる。
これにより、ダイ2とノックピン4との間に切削具3を配置しても、素材1の端部の切削加工を行った後に容易に素材1の取り出しを行うことができるものであり、押出し鍛造および切削加工を行う装置をコンパクトに構成できるものである。
また、ノックピン4において、従来の構成を利用可能であり、押出し鍛造装置を簡便に構成することができる。
ダイ2の構成において、素材1の切削をより精度よく行うものとして、ダイ2に切削用の保持部を設けることも可能である。
図7は素材下端部の保持部を設けたダイの構成を示す模式図である。
ダイ2には、図7に示すごとく、保持部2dが設けられており、この保持部2dにより、素材1の自由端側である下端部を保持するものである。ダイ2の排出口2bの下部には、保持部2dが内周面に沿って設けられている。保持部2dは上部より下方に向けて内径が小さくなり、下部においてその内径が素材1の下端部の外径とほぼ等しくなるように構成されている。これにより、素材1が下方へと延出される場合に、円滑に保持部2dの内側に導入され、保持部2dにより保持可能となるものである。保持部2dは素材1下端の前後左右方向の移動を規制するものであり、切削具3による切削において素材1のビビリを抑制して、高い精度の切削を可能にするものである。
また、保持部2dの下面を斜めに構成し、ノックピン4による保持部のかじりを防止することも可能である。
図7は素材下端部の保持部を設けたダイの構成を示す模式図である。
ダイ2には、図7に示すごとく、保持部2dが設けられており、この保持部2dにより、素材1の自由端側である下端部を保持するものである。ダイ2の排出口2bの下部には、保持部2dが内周面に沿って設けられている。保持部2dは上部より下方に向けて内径が小さくなり、下部においてその内径が素材1の下端部の外径とほぼ等しくなるように構成されている。これにより、素材1が下方へと延出される場合に、円滑に保持部2dの内側に導入され、保持部2dにより保持可能となるものである。保持部2dは素材1下端の前後左右方向の移動を規制するものであり、切削具3による切削において素材1のビビリを抑制して、高い精度の切削を可能にするものである。
また、保持部2dの下面を斜めに構成し、ノックピン4による保持部のかじりを防止することも可能である。
本発明は、押出し鍛造と切削加工とを同時に行う装置に利用可能な技術であり、高い精度を要求される塑性加工および切削加工に利用できるものである。
1 素材
2 ダイ
3 切削具
4 ノックピン
6 ベース部
7 ビーム
2 ダイ
3 切削具
4 ノックピン
6 ベース部
7 ビーム
Claims (4)
- ダイに長尺物を挿入して、該ダイの導入側に配設したポンチにより、該長尺物の押出しを行う長尺物の押出し鍛造装置であって、
該ダイの押出し側に切削加工装置を配設するとともに、
該切削加工装置を前記ダイに取り付けたことを特徴とする押出し鍛造装置。 - 切削加工装置が切削具を有し、該切削具をダイの押出し方向延長線上に配することを特徴とする請求項1に記載の押出し鍛造装置。
- 切削加工装置が切削具を有し、該切削具に、ダイの押出し方向に開口した開口部を設け、該切削加工装置のダイの押出し方向延長線上であって、該切削加工装置を介してダイと対向する位置にダイの押出し方向に摺動可能なノックピンを配設したことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の押出し鍛造装置。
- 長尺物をダイに導入して、ポンチによりダイに押出して行う長尺物の押出し成形方法であって、ダイと該ダイより成形物を取り出すノックピンとの間に、切削加工装置を配設して、長尺物を前記ポンチにより押出しながら、該長尺物の自由端側を該切削加工装置により切削することを特徴とする押出し鍛造方法。
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---|---|---|---|
JP2004123852A JP2005305483A (ja) | 2004-04-20 | 2004-04-20 | 押出し鍛造装置および押出し鍛造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109551180A (zh) * | 2018-11-29 | 2019-04-02 | 上海鸿基金属制品有限公司 | 一种带螺纹长套管的加工工艺 |
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2004
- 2004-04-20 JP JP2004123852A patent/JP2005305483A/ja active Pending
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