JP2019098351A - 鍛造用金型、パーツフォーマ、および、鍛造方法 - Google Patents

鍛造用金型、パーツフォーマ、および、鍛造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019098351A
JP2019098351A JP2017229436A JP2017229436A JP2019098351A JP 2019098351 A JP2019098351 A JP 2019098351A JP 2017229436 A JP2017229436 A JP 2017229436A JP 2017229436 A JP2017229436 A JP 2017229436A JP 2019098351 A JP2019098351 A JP 2019098351A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
forging
die
mold
insertion portion
punch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017229436A
Other languages
English (en)
Inventor
庸 吉村
Yo Yoshimura
庸 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2017229436A priority Critical patent/JP2019098351A/ja
Publication of JP2019098351A publication Critical patent/JP2019098351A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mounting, Exchange, And Manufacturing Of Dies (AREA)
  • Forging (AREA)

Abstract

【課題】連続加工を行ってもパンチ側金型とダイ側金型との軸のズレが抑制される鍛造用金型を提供する。【解決手段】鍛造用金型50は、線材21を所定の長さにカットした被鍛造材21aを鍛造加工するための鍛造用金型50であって、被鍛造材21aが配置される凹部41aを有するダイ側金型40と、凹部41aに対応したパンチ31を有し、押圧方向に移動することでパンチ31が被鍛造材21aをダイ側金型40に押し付けて鍛造加工するパンチ側金型30と、パンチ側金型30およびダイ側金型40の一方に設けられる挿入部33、ならびに、パンチ側金型30およびダイ側金型40の他方に設けられ、挿入部33が挿入される被挿入部43を有するガイド部70と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、鍛造用金型、当該鍛造用金型を備えるパーツフォーマ、および、当該鍛造用金型を用いた鍛造方法に関する。
従来、鍛造加工によって金属材料を加工することが行われている。鍛造加工では、ダイ側金型に配置された被鍛造材をパンチ側金型が押圧することで加工が行われる。また、加工精度向上のため、パンチ側金型とダイ側金型とは、軸合わせが行われる。
特許文献1には、パンチを固定するパンチケースとダイを固定するダイケースとをはめ合わせることで、パンチとダイとの軸を合わせることが開示されている。
実用新案登録第3091821号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、剛体同士のはめ合わせなので、クリアランスがある程度必要であり、高精度の加工が難しい。また、初期的にパンチとダイとを高精度に軸合わせしたとしても、連続加工を行う中で、当該軸にズレが生じる場合がある。
そこで、本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、連続加工を行った場合でもパンチ側金型とダイ側金型との軸のズレを抑制することができる鍛造用金型、パーツフォーマ、および、鍛造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る鍛造用金型は、線材を所定の長さにカットした被鍛造材を鍛造加工するための鍛造用金型であって、前記被鍛造材が配置される凹部を有する第一の金型と、前記凹部に対応した凸部を有し、押圧方向に移動することで前記凸部が前記被鍛造材を前記第一の金型に押し付けて鍛造加工する第二の金型と、前記第一の金型および前記第二の金型の一方に設けられる挿入部、ならびに、前記第一の金型および前記第二の金型の他方に設けられ、前記挿入部が挿入される被挿入部を有するガイド部と、を備える。
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るパーツフォーマは、上記の鍛造用金型を少なくとも一つ備える。
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る鍛造方法は、線材を所定の長さにカットした被鍛造材を鍛造加工するための鍛造用金型を用いた鍛造方法であって、前記線材を所定の長さにカットして前記被鍛造材を作製するカット工程と、前記被鍛造材を所定の形状に成形するための凹部を有し、前記被鍛造材が配置される第一の金型に対して、前記被鍛造材を前記所定の形状に成形するための凸部を有する第二の金型が押圧方向に移動することで前記被鍛造材を前記第一の金型に押し付けて鍛造加工する鍛造工程とを含み、前記鍛造工程は、前記第一の金型および前記第二の金型の一方に設けられた挿入部が、前記第一の金型および前記第二の金型の他方に設けられた被挿入部に挿入される軸調整工程と、前記軸調整工程の後に、前記被鍛造材を鍛造加工する加工工程とを含む。
本発明によれば、連続加工を行ってもパンチ側金型とダイ側金型との軸のズレが抑制される鍛造用金型、パーツフォーマ、および、鍛造方法を提供することができる。
図1は、実施の形態に係る鍛造装置の構成を示す概略図である。 図2は、実施の形態に係る鍛造用金型の構成を示す斜視図である。 図3は、実施の形態に係る鍛造用金型の断面図である。 図4は、図3における破線領域の拡大断面図である。 図5は、実施の形態に係る鍛造方法の流れを示すフローチャートである。 図6Aは、比較例に係る鍛造用金型の加工時における様子を示す図である。 図6Bは、実施の形態に係る鍛造用金型の加工時における様子を示す図である。 図7は、変形例に係る鍛造用金型の断面図である。
以下では、本発明の実施の形態に係る鍛造用金型、パーツフォーマ、および、鍛造方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置、構成要素の接続形態、ステップ、および、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。
また、以下の実施の形態で説明に用いられる図面においては座標軸が示される場合がある。Z軸は、鍛造加工を行うときの押圧方向に平行な方向である。また、X軸方向およびY軸方向は、Z軸方向に垂直な平面上において、互いに直交する方向である。なお、Z軸の方向は、水平方向であってもよいし、鉛直方向であってもよいし、その他の方向であってもよい。
また、「略**」との記載は実質的に**と認められるものを含む意図であり、例えば「略円柱」を例に挙げて説明すると、完全な円柱はもとより、実質的に円柱と認められるものを含む意図である。
(実施の形態)
以下、図1〜図7を用いて、本実施の形態について説明する。
[1.鍛造装置]
まず、鍛造装置について、図1を参照しながら説明する。なお、図1では、複数の鍛造用金型を備える鍛造装置(例えば、多段式パーツフォーマ)について説明するが、鍛造装置が備える鍛造用金型の数は、作製する製品の形状などに応じて適宜決定される。例えば、鍛造装置は、1つの鍛造用金型を備えていてもよい。
図1は、本実施の形態に係る鍛造装置10の構成を示す概略図である。図1に示すように、本実施の形態に係る鍛造装置10は、5つの鍛造用金型50を備える。
鍛造装置10は、切断機20と、複数のパンチ側金型30と、複数のダイ側金型40と、複数のパンチ側金型30が固定されるラム60と、複数のダイ側金型40が固定されるダイブロック61とを備える。なお、切断機20は、ダイブロック61に固定されていてもよい。また、パンチ側金型30とダイ側金型40とは一対一に対応して設置されており、一対のパンチ側金型30およびダイ側金型40で鍛造用金型50が構成される。
切断機20は、金属材料から構成される線材21を所定の長さに切断する切断装置である。切断機20により所定の長さに切断された被鍛造材21aは、例えば、略円柱状の形状を有する。線材21は、例えば、黄銅から構成されてもよい。また、線材21は、鋼材から構成されてもよい。
なお、図1では切断機20から鍛造用金型50(具体的には、ダイ41)へ、および、鍛造用金型50から隣り合う鍛造用金型50へ被鍛造材21aを搬送する、つまり被鍛造材21aを次工程に搬送する搬送機は、図示を省略している。
鍛造用金型50は、被鍛造材21aを鍛造加工により所定の形状に形成する金型である。鍛造用金型50は、線材21から鍛造加工により製品を作製する線材用の金型である。例えば、鍛造用金型50は、ヘッダ加工用の金型である。
パンチ側金型30は、被鍛造材21aをダイ側金型40に押し付けて鍛造加工する金型である。パンチ側金型30は、パンチ31、パンチケース32、および、挿入部33を有する。なお、パンチ側金型30は、第二の金型の一例である。
パンチ31は、被鍛造材21aを所定の形状に成形するための突起である。パンチ31は、パンチ側金型30のダイ側金型40と対向する面から、ダイ側金型40側に突出している。パンチ31の形状は、例えば、略円柱状である。パンチ31は、パンチケース32に固定される。パンチ31は、例えば、パンチケース32に圧入されることによりパンチケース32に固定される。なお、パンチ31は、被鍛造材21aを所定の形状に成形するための凸部の一例である。
パンチケース32は、パンチ31および挿入部33をラム60に固定するための部材である。パンチケース32は、例えば、ラム60にネジなどにより固定される。
挿入部33は、パンチ31の中心軸およびダイ41の中心軸の軸合わせを行うための部材である。挿入部33と、当該挿入部33と対応する被挿入部43とにより、軸合わせが行われる。軸合わせの詳細は、後述する。なお、本実施の形態に係る鍛造用金型50は、パンチ側金型30に挿入部33を備え、かつ後述するダイ側金型40に被挿入部43を備える点に特徴を有する。
挿入部33は、パンチケース32に設けられ、当該パンチケース32のダイケース42と対向する面から突出する凸部である。挿入部33は、例えば、パンチケース32のパンチ31が設けられている面と同一の面に設けられる。
図1では、パンチ側金型30は、2つの挿入部33を備えている例について示しているが、これに限定されない。パンチ側金型30は、少なくとも1つの挿入部33を備えていればよい。
挿入部33は、例えばパンチケース32に圧入されることによりパンチケース32に固定される。
また、パンチ側金型30は、ラム60に固定されている。ラム60は、モータなどの駆動部(図示しない)と接続されており、Z軸方向に往復運動を行う。ラム60が当該駆動部により図中の矢印の方向(Z軸プラス方向)に移動することで、成形(鍛造加工)が行われる。なお、被鍛造材21aに荷重を加えるためにラム60が移動する方向、つまりZ軸プラス方向は、押圧方向の一例である。また、成形が終了すると、ラム60は、駆動部により押圧方向とは逆方向(Z軸マイナス側の方向)に移動する。上記のように、パンチ側金型30は、稼働側の金型である。
ダイ側金型40は、被鍛造材21aが配置され、パンチ側金型30が押圧方向に移動することで荷重を受ける金型である。ダイ側金型40は、ダイ41、ダイケース42、および、被挿入部43を有する。なお、ダイ側金型40は、第一の金型の一例である。
ダイ41は、被鍛造材21aを所定の形状に成形するための部材である。ダイ41は、例えば、被鍛造材21aを所定の形状に成形するための凹部41aが形成されている。被鍛造材21aは、パンチ31の形状(具体的には、パンチ31の押圧方向側の端部の形状)と、ダイ41の凹部41aの形状とにより、所定の形状に成形される。
なお、ダイ側金型40に被鍛造材21aが配置されるとは、被鍛造材21aの少なくとも一部が凹部41aに収容されること、および、凹部41aより被鍛造材21aの方が大きく、凹部41aを覆うように被鍛造材21aがダイケース42上に配置されることを含む。押圧方向から見たときに、被鍛造材21aは、少なくとも一部が凹部41aと重なるように配置される。つまり、ダイ側金型40は、被鍛造材21aが配置される凹部41aを有する。
ダイ41は、ダイケース42に固定される。なお、ダイ41をダイケース42に固定する方法は特に限定されないが、例えば、ダイ41は、ネジ(図示しない)などによりダイケース42に固定されてもよい。
ダイケース42は、ダイ41および被挿入部43をダイブロック61に固定するための部材である。ダイケース42は、例えば、ダイブロック61にネジ(図示しない)などにより固定される。
被挿入部43は、パンチ31の中心軸およびダイ41の中心軸の軸合わせを行うための部材である。例えば、被挿入部43と、当該被挿入部43と対応する挿入部33とにより、軸合わせが行われる。軸合わせの詳細は、後述する。
被挿入部43は、ダイケース42に設けられる、挿入部33の形状に対応した形状の凹みである。被挿入部43は、ダイケース42のパンチケース32と対向する面に設けられる。被挿入部43は、例えば、ダイケース42のダイ41が設けられている面と同一の面に設けられる。
図1では、ダイ側金型40は、2つの被挿入部43を備えている例について示しているが、これに限定されない。ダイ側金型40は、挿入部33と同数の被挿入部を備えていればよい。ダイ側金型40は、例えば、少なくとも1つの被挿入部43を備えていればよい。
ダイブロック61には、モータなどの駆動部(図示しない)が接続されておらず、移動しない。つまり、ダイ側金型40は、静止側の金型である。
また、図1では、5つの鍛造用金型50のそれぞれが上記の挿入部33および被挿入部43を備える例について示しているが、これに限定されない。図1に示すような複数の鍛造用金型からなる多段式パーツフォーマにおいては、複数の鍛造用金型のうち少なくとも1つに、上記の挿入部33および被挿入部43が設けられていてもよい。例えば、高い寸法精度が求められる工程に用いられる鍛造用金型にのみ、挿入部33および被挿入部43が設けられていてもよい。
本実施の形態では、所定の長さにカットされた被鍛造材21aを5つの工程(5つの鍛造用金型による成形)を経て所定の形状に成形する。5つの工程とは、例えば、所定の形状を有する製品を作製するための工程であり、据え込み加工、前方押し出し加工、後方押し出し加工、穴抜き加工、または、トリミング加工などである。
また、上記では、被鍛造材21aは、線材21がカットされたものである例について説明したが、これに限定されない。例えば、カットされた線材21に対して所定の加工が行われたものも、被鍛造材の一例である。
[2.鍛造用金型]
次に、本実施の形態に係る鍛造用金型50について、図2〜図4を参照しながらより詳細に説明する。
図2は、本実施の形態に係る鍛造用金型50の構成を示す斜視図である。具体的には、図2の(a)は、パンチ側金型30の構成を示す斜視図であり、図2の(b)は、ダイ側金型40の構成を示す斜視図である。図3は、本実施の形態に係る鍛造用金型50の断面図である。具体的には、図3の(a)は、図2の(a)のIIIa−IIIa線における、本実施の形態に係るパンチ側金型30の断面図であり、図3の(b)は、図2の(b)のIIIb−IIIb線における、本実施の形態に係るダイ側金型40の断面図である。
図2の(a)および(b)に示すように、挿入部33と被挿入部43とは、一対一に形成されている。本実施の形態では、2対の挿入部33と被挿入部43とが形成されている。
挿入部33は、ガイドピン34と当該ガイドピン34のダイ側金型40側の端部に固定されたボールリテーナ35とを備える。ガイドピン34は、略円柱状の部材である。また、ボールリテーナ35は、ガイドピン34を覆うように固定される円筒状の部材である。ボールリテーナ35は、中心軸J1およびJ2の軸合わせをより容易に行うために設置される。なお、ボールリテーナ35は、設置されなくてもよい。
被挿入部43は、ガイドピン34およびボールリテーナ35の大きさ(例えば、直径)に対応した大きさの凹部である。
図3の(a)に示すように、パンチ31および挿入部33は、例えば、パンチケース32に圧入により固定される。挿入部33は、ガイドピン34がパンチケース32に圧入されることにより、パンチケース32に固定される。なお、パンチ31および挿入部33のパンチケース32への固定方法は、これに限定されない。例えば、パンチ31および挿入部33の少なくとも一方は、金型用の接着剤などを用いてパンチケース32に固定されてもよいし、その他の方法で固定されてもよい。
パンチ31の延びる方向と挿入部33の延びる方向(長手方向)とは、略平行である。パンチ31の延びる方向と挿入部33の延びる方向とは、例えば、押圧方向(図中の破線矢印であり、Z軸に平行な方向)に略平行である。
また、中心軸J1は、パンチ31の中心を通り押圧方向に略平行な軸である。パンチ31の中心とは、パンチ31を押圧方向から見たときのパンチ31の重心の位置である。本実施の形態では、パンチ31が略円柱状の凸部であるので、パンチ31の中心は、パンチ31を押圧方向から見たときの円の中心となる。
挿入部33の押圧方向における長さ(図3の(a)に示す長さL2参照)は、例えば、パンチ31の押圧方向における長さ(図3の(a)に示す長さL1参照)より長い。なお、ここでいう長さとは、パンチケース32にパンチ31および挿入部33が固定された状態で、パンチ31および挿入部33の見える部分の長さをいう。
挿入部33は、例えば、中心軸J1を中心として同心円状に配置されてもよい。挿入部33は、例えば、中心軸J1を中心として同心円状に等間隔に配置されてもよい。本実施の形態では、挿入部33は、2つ設けられている。図2の(a)および図3の(a)に示すように、パンチ31と2つの挿入部33とが一直線上に配置されている。すなわち、パンチ側金型30を押圧方向から見たときに、2つの挿入部33を結ぶ直線上にパンチ31が配置されている。
図3の(b)に示すように、ダイ41は、ダイケース42に固定される。
また、中心軸J2は、ダイ41の中心を通り押圧方向に略平行な軸である。ダイ41の中心とは、ダイ41を押圧方向から見たときの凹部41aの重心の位置である。本実施の形態では、凹部41aが略円柱状の凹みであるので、凹部41aの中心は、ダイ41を押圧方向から見たときの円の中心となる。
被挿入部43の押圧方向の長さ(深さ)は、パンチ側金型30が押圧方向に鍛造加工を行うために所定の距離移動したときに挿入部33のZ軸プラス側の面がダイケース42と接触しない程度であればよい。被挿入部43の長さ(図3の(b)に示す長さL4参照)は、例えば、凹部41aの押圧方向の長さ(図3の(b)に示す長さL3参照)より長くてもよい。また、長さL4は、ボールリテーナ35の押圧方向の長さより長くてもよい。
なお、長さL4は、挿入部33とパンチ31との長さの差分より長くてもよい。長さL4は、例えば、挿入部33とパンチ31との長さの差(長さL1と長さL2との差)、および、長さL3を合計した長さであってもよい。なお、ここでいう被挿入部43の長さL4とは、パンチケース32と対向するダイケース42の面からの深さである。
被挿入部43は、例えば、中心軸J2を中心として同心円状に配置されてもよい。被挿入部43は、例えば、中心軸J2を中心として同心円状に等間隔に配置されてもよい。本実施の形態では、被挿入部43は、2つ設けられている。図2の(b)および図3の(b)に示すように、ダイ41と2つの被挿入部43とが一直線上に配置されている。すなわち、ダイ側金型40を押圧方向から見たときに、2つの被挿入部43を結ぶ直線上にダイ41が配置されている。
なお、図3に示すように、一対の挿入部33および被挿入部43は、ガイド部70を構成する。
ここで、ボールリテーナ35について、図4を参照しながら説明する。
図4は、図3の(a)における破線領域の拡大断面図である。なお、図4に示す破線は、挿入部33が被挿入部43に挿入された状態でのダイケース42の一部を示している。
図4に示すように、ボールリテーナ35は、略円筒状の本体部35aと、当該本体部35aに回転可能に取り付けられた複数のボール35bとを有する。
本体部35aは、ボール35bを回転可能に固定するための筒体であり、ボール35bが固定される貫通孔を有する。本体部35aは、樹脂材料により形成される。本体部35aは、例えば、ポリプロピレンなどにより形成される。
本体部35aの内面の少なくとも一部は、ガイドピン34の外面に接している。また、ボール35bは、本体部35aがガイドピン34に固定された状態で、ガイドピン34と接していてもよいし、接していなくてもよい。図4では、ボール35bは、ガイドピン34と接している例を示している。なお、本体部35aの内面とは、ガイドピン34の外面と対向する面である。
また、ボール35bは、本体部35aの外面から少なくとも一部が突出するように設置される。これにより、挿入部33を被挿入部43に挿入する際、ボール35bがダイケース42に接触するので、当該接触によりボール35bが回転するので挿入しやすくなる。なお、本体部35aの外面は、被挿入部43を形成するダイケース42の面(以降、被挿入部43の内面とも記載する)と対向する面である。
ボール35bは、少なくとも押圧方向および押圧方向と逆方向に回転可能な球状の部材である。すなわち、ボール35bは、少なくとも挿入部33の挿抜方向に回転可能である。挿入部33が被挿入部43に挿入される際、ボール35bは、ダイケース42に接触することで回転する。また、挿入部33が被挿入部43から抜去される際、ボール35bは回転する。これにより、挿入部33を被挿入部43に挿入するまたは抜去することが行いやすくなる。
ボールリテーナ35は、ガイドピン34の少なくとも一部を覆うように配置される。ボールリテーナ35は、例えば、少なくとも一部がガイドピン34よりダイ側金型40側に突出するようにガイドピン34に固定されてもよい。
ボール35bは、金属により形成される。ボール35bは、例えば、ステンレスなどの合金により形成されてもよい。また、ボール35bは、挿入部33が有する回転部材の一例である。
なお、ボールリテーナ35は、少なくとも1つのボール35bを有していればよい。また、回転部材は、ボール35bを有することに限定されない。回転部材は、挿入部33が被挿入部43に挿抜される際、回転可能な部材であればよい。例えば、回転部材として本体部35aの貫通孔に、ロール状の部材などが回転可能に取り付けられていてもよい。
なお、ボールリテーナ35は、ガイドピン34に固定されていることに限定されない。ボールリテーナ35は、例えば、被挿入部43の内面に固定されていてもよい。すなわち、ダイケース42に回転部材が回転可能に固定されていてもよい。この場合、ボールリテーナ35の外面は、被挿入部43の内面に接している状態で固定される。また、ボール35bは、本体部35aの内面から、少なくとも一部が突出するように設置される。
上記のように、ボール35bは、ガイドピン34の外面および被挿入部43の内面の少なくとも一方に露出して配置される。すなわち、ボール35bは、ガイドピン34の外面および被挿入部43の内面の少なくとも一方と接する。
上記のように、本実施の形態に係る鍛造用金型50は、線材用の鍛造用金型であって、被鍛造材21aが配置されるダイ側金型40と、押圧方向に移動することで被鍛造材21aをダイ側金型40に押し付けて鍛造加工するパンチ側金型30と、パンチ側金型30およびダイ側金型40の一方に設けられる挿入部33と、パンチ側金型30およびダイ側金型40の他方に設けられ、挿入部33が挿入される被挿入部43とを有するガイド部70と、を備える。
[3.鍛造方法]
次に、上記の鍛造用金型50を用いて製品を作製する製造方法について、図5〜図6Bを参照しながら説明する。
図5は、本実施の形態に係る鍛造方法の流れを示すフローチャートである。
まずは、切断機20により線材21を所定の長さにカットした被鍛造材21aを作製するカット工程が行われる(S10)。ステップS10では、線材21が作製される製品に応じた長さにカットされる。被鍛造材21aは、搬送機により切断機20からダイ41に搬送される。
そして、被鍛造材21aを所定の形状に成形する鍛造加工を行う鍛造工程が行われる。具体的には、鍛造工程では、挿入部33が、被挿入部43に挿入されることで、中心軸J1とJ2との軸合わせを行う軸調整工程(S20)と、軸調整工程の後に、被鍛造材21aを鍛造加工する加工工程(S30)とが行われる。本実施の形態では、被鍛造材21aを鍛造加工する前に、軸調整工程が行われる点に特徴を有する。なお、軸合わせとは、中心軸J1およびJ2を略平行とすることである。より詳しくは、軸合わせとは、中心軸J1およびJ2が略同一直線上に配置されるようにすることである。
上記のように、パンチ側金型30は、ラム60にネジなどにより固定される。パンチ側金型30は、中心軸J1とJ2とが略一直線上となるように軸合わせが行われてラム60に固定される。しかし、連続して加工すると装置の振動などによりネジが緩む場合がある。これにより、パンチ側金型30が傾き、所望の形状に加工が行えない場合がある。例えば、肉厚のバラつきが大きい製品が作製される場合がある。そこで、本実施の形態に係る鍛造用金型50を用いた軸合わせについて、図6Aおよび図6Bを参照しながら説明する。なお、図6Aおよび図6Bでは、加工の一例として後方押し出し加工を行う例について説明する。
図6Aは、比較例に係る鍛造用金型150の加工時における様子を示す図である。図6Aに示すように、比較例に係る鍛造用金型150は、パンチ側金型130とダイ側金型140とを有する。
図6Aの(a)は、比較例に係る鍛造用金型150において、連続加工が行われ、パンチ側金型130が傾いている例を示している。図6Aの(a)では、パンチ131の中心軸J11と凹部141aの中心軸J12とが交差している。すなわち、中心軸J1と押圧方向(図中の破線矢印を参照)とは、交差する。また、被鍛造材21aは、ダイ141の凹部141aに収容されている。
図6Aの(b)は、図6Aの(a)の状態からパンチ側金型130が押圧方向に移動して鍛造加工を行っている様子を示している。
図6Aの(b)に示すように、比較例に係る鍛造用金型150を用いた場合、パンチ側金型130の中心軸J11が凹部141aの中心軸J12に対して傾いたまま被鍛造材21aに対して鍛造加工が行われる。
図6Aの(c)は、図6Aの(b)に示すように中心軸J11が中心軸J12に対して傾いた状態で鍛造加工された製品180を示している。なお、製品180は、有底筒体である場合を示している。図6Aの(c)に示すように、開口部における肉厚が異なっていることがわかる。例えば、円筒度が、図6Bに示す場合に比べ大きくなる。
上記のように、比較例に係る鍛造用金型150では、連続加工を行った場合に、形状が安定した製品を作製することが困難である。
一方、本実施の形態に係る鍛造用金型50は、ガイド部70を備えており、連続加工を行った場合であっても、中心軸J1およびJの軸ずれが発生することを抑制することができる。以下、本実施の形態に係る鍛造用金型50の軸合わせについて、図6Bを参照しながら説明する。
図6Bは、本実施の形態に係る鍛造用金型50の加工時における様子を示す図である。図6Bは、鍛造用金型50の軸合わせを説明するための図である。
図6Bの(a)は、本実施の形態に係る鍛造用金型50において、連続加工が行われ、パンチ側金型30が傾いている例を示している。図6Bの(a)では、パンチ31の中心軸J1と凹部41aの中心軸J2とが交差している。これは、図6Aの(a)と同じ状態である。
図6Bの(b)は、図6Bの(a)の状態からパンチ側金型30が押圧方向に移動している途中の様子を示している。図6Bの(b)に示すように、鍛造用金型50が鍛造装置10に固定された状態で、挿入部33と被挿入部43との距離は、パンチ31と凹部41aとの距離より短い。本実施の形態では、被挿入部43がダイケース42に形成された凹みであるので、パンチ31の長さは、挿入部33の長さより長い。そのため、パンチ31が被鍛造材21aと接触する前に、挿入部33が被挿入部43に挿入される。つまり、パンチ31により被鍛造材21aが加工されるより前に、挿入部33が被挿入部43に挿入される。
なお、パンチ31と凹部41aとの距離とは、例えば、パンチ31のダイ側金型40側の端部からダイケース42のパンチ側金型30と対向する面までの距離である。また、挿入部33と被挿入部43との距離とは、挿入部33のダイ側金型40側の端部(本実施の形態では、ボールリテーナ35のダイ側金型40側の端部)からダイケース42のパンチ側金型30と対向する面までの距離である。
なお、押圧方向とは、例えば、被鍛造材21aがダイ側金型40に配置された状態における被鍛造材21aの軸方向と略平行な方向である。パンチ31は、例えば、被鍛造材21aを当該被鍛造材21aの軸方向に押圧する。
被挿入部43の形状は、挿入部33の形状に対応した形状である。本実施の形態では、挿入部33とボールリテーナ35との幅(図6Bの(b)では、X軸方向の長さ)と、被挿入部43の幅(図6Bの(b)では、X軸方向の長さ)とは略等しい。このため、挿入部33が被挿入部43に挿入される際、ボールリテーナ35の外面とダイケース42の内面とは、接触しながら挿入される。本実施の形態では、ボール35bと被挿入部43の内面とが接触し摺動ながら、挿入部33が被挿入部43に挿入される。挿入部33が被挿入部43に接触しながら挿入されることで、中心軸J1およびJ2の軸ズレが緩和される。すなわち、パンチ31により被鍛造材21aが加工される前に、中心軸J1およびJ2の軸調整工程が行われる。よって、被鍛造材21aに対して加工を行うときにおける中心軸J1およびJ2の軸ズレを抑制することができる。
なお、軸調整工程においては、中心軸J1と中心軸J2とが略一直線上となるように軸合わせが行われるとよいが、これに限定されない。加工後の製品が寸法公差内に納まる程度の軸ズレは、生じていてもよい。また、この時点で、パンチ31と被鍛造材21aとは、接触していない。
図6Bの(c)は、図6Bの(b)の状態から、パンチ側金型30がさらに押圧方向に移動して鍛造加工を行っている様子を示している。図6Bの(c)に示すように、本実施の形態に係る鍛造用金型50を用いた場合、パンチ側金型30の中心軸J1と凹部41aの中心軸J2とが略一直線上となる状態で鍛造加工が行え得る。
また、ガイド部70があることで、被鍛造材21aを加工しているときにパンチ側金型30がZ軸と直交する方向へ移動することを抑制する効果もある。すなわち、パンチ側金型30が被鍛造材21aを押圧しているときにパンチ側金型30が横ズレすることを抑制する効果がある。
図6Bの(d)は、図6Bの(d)に示すように中心軸J1と中心軸J2とが一直線上となる状態で鍛造加工された製品80を示している。なお、製品80は、有底筒体である場合を示している。図6Bの(d)に示すように、開口部における肉厚は、略等しい。例えば、製品80がダイ41に配置されている状態で、中心軸J1およびJ2と製品80の中心軸とは、略平行である。例えば、中心軸J1およびJ2と製品80の中心軸とは、一直線に配置される。
上記のように、本実施の形態に係る鍛造用金型50では、連続加工を行った場合でも、形状が安定した製品80を作製することができる。
なお、上記では、1回の加工のみを説明したが、連続して加工が行われるたびに、ガイド部70により、上記のような軸合わせが行われる。すなわち、パンチ側金型30が押圧方向に移動するたびに、中心軸J1と中心軸J2との軸合わせが行われる。よって、連続して加工を行った場合であっても、加工のそれぞれにおいて軸合わせが行われるので、本実施の形態に係る鍛造用金型50であれば、連続加工を行った場合であっても高精度の製品80を作製することが可能となる。
[4.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る鍛造用金型50は、線材21を所定の長さにカットした被鍛造材21aを鍛造加工するための鍛造用金型50であって、被鍛造材21aが配置される凹部41aを有するダイ側金型40(第一の金型の一例)と、凹部41aに対応したパンチ31(凸部の一例)を有し、押圧方向に移動することでパンチ31が被鍛造材21aをダイ側金型40に押し付けて鍛造加工するパンチ側金型30(第二の金型の一例)と、パンチ側金型30およびダイ側金型40の一方に設けられる挿入部33、ならびに、パンチ側金型30およびダイ側金型40の他方に設けられ、挿入部33が挿入される被挿入部43を有するガイド部70と、を備える。
これにより、パンチ側金型30の軸(例えば、パンチ31の軸)と、ダイ側金型40の軸(凹部41aの軸)とがズレている場合であっても、挿入部33と被挿入部43とにより、パンチ側金型30とダイ側金型40との軸合わせが行われる。例えば、パンチ側金型30の押圧方向への移動により挿入部33が被挿入部43に挿入される場合、パンチ側金型30が押圧方向に移動するたびに軸合わせが行われる。また、例えば、パンチ側金型30の押圧方向への移動に関わらず挿入部33が被挿入部43に挿入されている場合、パンチ側金型30の軸ズレの発生を抑制することができる。よって、連続加工を行った場合であっても、パンチ側金型30とダイ側金型40との軸ズレを抑制することができる。
また、挿入部33は、パンチ側金型30およびダイ側金型40の向かい合う面の一方の面に設けられ、被挿入部43は、パンチ側金型30およびダイ側金型40の向かい合う面の他方の面に設けられる。
これにより、パンチ側金型30およびダイ側金型40の互いに対向する面に配置された挿入部33および被挿入部43により、パンチ側金型30およびダイ側金型40の軸合わせを行うことができる。よって、より簡易な構造のガイド部70により、連続加工を行った場合のパンチ側金型30とダイ側金型40との軸ズレの抑制を実現することができる。
また、挿入部33は、押圧方向に延びる略柱状の突起であり、被挿入部43は、他方の面に形成された凹みである。
これにより、略柱状の突起と凹みといった簡易な構造で、ガイド部70を実現することができる。
また、挿入部33は、パンチ側金型30に設けられており、挿入部33の押圧方向における長さは、パンチ31の押圧方向における長さより長い。
これにより、パンチ側金型30が押圧方向に移動してパンチ31が被鍛造材21aに接触する前に、挿入部33が被挿入部43に挿入される。また、パンチ側金型30が押圧方向に移動するごとに挿入部33が被挿入部43に挿入されるので、加工のたびに軸合わせが行われる。よって、連続加工した場合であっても、パンチ側金型30とダイ側金型40との軸ズレをより精度よく抑制することができる。
また、挿入部33の外面または被挿入部43の内面の少なくとも一方は、押圧方向および押圧方向と逆方向に回転自在なボール35b(回転部材の一例)を有し、挿入部33が被挿入部43に挿入された状態で、挿入部33の外面と被挿入部43の内面とは離間しており、かつボール35bを介して接している。
これにより、挿入部33と被挿入部43との間に隙間がある場合に比べ、中心軸J1およびJ2の軸合わせをより精度よく行うことができる。つまり、中心軸J1およびJ2の軸ズレをより精度よく抑制することができる。また、ボール35bを有していることで、挿入部33が摺動しながら被挿入部43に挿入されるので、容易に軸合わせを行うことが可能となる。
また、挿入部33は、回転部材としてボール35bを有するボールリテーナ35を備える。
これにより、ボールリテーナ35といった汎用品を用いて、軸合わせを容易に行うことができる。
また、ダイ側金型40は、凹部41aを構成するダイ41およびダイ41を保持するダイケース42とから構成され、パンチ側金型30は、凸部を構成するパンチ31およびパンチ31を保持するパンチケース32とから構成される。また、挿入部33および被挿入部43の一方は、ダイケース42に設けられ、挿入部33および被挿入部43の他方は、パンチケース32に設けられる。
これにより、パンチケース32自体が傾くことで中心軸J1およびJ2に軸ズレが発生した場合であっても、軸ズレを抑制することができる。
また、ガイド部70は、2つ設けられる。例えば、パンチ側金型30を押圧方向から見たときに、2つの挿入部33または被挿入部43を結ぶ直線上にパンチ31が配置されていてもよい。
これにより、ガイド部70が1つのみ設けられている場合に比べ、より精度よく軸合わせを行うことができる。例えば、押圧方向から見たときに、ガイド部70が1つ設けられている場合に比べ、パンチ側金型30がガイド部70を中心に回転することを抑制することができる。
また、ガイド部70は、3つ以上設けられる。
これにより、さらに容易に軸合わせを行うことができる。
また、本実施の形態に係る鍛造装置10(パーツフォーマの一例)は、上記に記載の鍛造用金型50を少なくとも一つ備える。
これにより、連続加工を行った場合でも中心軸J1およびJ2の軸ズレが抑制される鍛造装置10を実現することができる。
また、本実施の形態に係る鍛造方法は、線材21を所定の長さにカットした被鍛造材21aを鍛造加工するための鍛造用金型50を用いた鍛造方法であって、線材21を所定の長さにカットして被鍛造材21aを作製するカット工程(S10)と、被鍛造材21aを所定の形状に成形するための凹部41aを有し被鍛造材21aが配置されるダイ側金型40に対して、被鍛造材21aを所定の形状に成形するためのパンチ31を有するパンチ側金型30が押圧方向に移動することで被鍛造材21aをダイ側金型40に押し付けて鍛造加工する鍛造工程とを含む。そして、鍛造工程は、パンチ側金型30およびダイ側金型40の一方に設けられた挿入部33が、パンチ側金型30およびダイ側金型40の他方に設けられた被挿入部43に挿入される軸調整工程(S20)と、軸調整工程の後に、被鍛造材21aを鍛造加工する加工工程(S30)とを含む。
これにより、上記の鍛造用金型50と同様の効果を奏する。
(実施の形態に係る変形例)
次に、実施の形態で説明したガイド部70の変形例について、図7を参照しながら説明する。なお、本変形例では実施の形態との相違点を中心に説明し、実施の形態と実質的に同一の構成に対しては、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する場合がある。
図7は、本変形例に係る鍛造用金型の断面図である。具体的には、図7は、ガイド部の他の例を示す図である。図7では、パンチ側金型が押圧方向に移動する前の状態を示している。なお、図7では、パンチ側金型がボールリテーナ35を備えていない例について示しているが、本変形例に係る鍛造用金型は、ボールリテーナ35を備えていてもよい。なお、パンチ側金型がボールリテーナ35を備えていない場合、ガイドピンは被挿入部に挿入される挿入部を構成する。
図7の(a)は、ガイド部の他の例を示す断面図である。鍛造用金型50aは、パンチ側金型30aとダイ側金型40aとから構成される。図7の(a)に示す鍛造用金型50aは、被挿入部43aの形状に特徴を有する。
図7の(a)に示すように、被挿入部43aのパンチ側金型30a側の端部において、被挿入部43aの幅(図7の(a)では、X軸方向の長さ)が広がっている。被挿入部43aのパンチ側金型30a側の端部は、パンチ側金型30aに向かうにつれ幅が広くなるテーパ状を有する。すなわち、ダイケース42aのパンチ側金型30a側の端部は、図7の(a)に示す断面において、パンチ側金型30aに向かうにつれ広がる傾斜部44aを有する。なお、図7の(a)では、傾斜部44aは、直線状に広がる例について示しているが、曲線状に広がっていてもよい。
なお、図7の(a)において、ガイドピン34(挿入部の一例)および被挿入部43aによりガイド部70aが構成される。
なお、例えば被挿入部43a全体がパンチ側金型30aに向かうにつれ広がるテーパ状であってもよい。また、ガイドピン34のダイ側金型40a側の端部が、ダイ側金型40aに向かうにつれ幅が狭くなるテーパ状であってもよい。また、ガイドピン34のダイ側金型40a側の端部は、曲率を有していてもよい。
図7の(b)は、ガイド部の他の例を示す断面図である。鍛造用金型50bは、パンチ側金型30bとダイ側金型40bとから構成される。図7の(b)に示す鍛造用金型50bは、ガイドピン34bの形状に特徴を有する。
図7の(b)に示すように、ガイドピン34bは、パンチ側金型30bが押圧方向に移動していない状態で、既にガイドピン34bの一部が被挿入部43bに挿入されている。つまり、ガイドピン34bは、パンチ側金型30bの押圧方向への移動の有無に関わらず、被挿入部43bに挿入されている。例えば、ガイドピン34bの長さは、鍛造装置10に鍛造用金型50bを設置したときのパンチ側金型30bとダイ側金型40bとの距離より長い。例えば、ガイドピン34bの長さは、パンチケース32およびダイケース42bの対向する面同士の距離より長くてもよい。例えば、ガイドピン34bの長さは、パンチ側金型30bが押圧方向に移動する距離より長くてもよい。
なお、図7の(b)において、ガイドピン34bおよび被挿入部43bにより、ガイド部70bが構成される。
(他の実施の形態)
以上、鍛造用金型、パーツフォーマ、および、鍛造方法について、実施の形態および変形例に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態および変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、および、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、パンチ側金型は、パンチとパンチケースとが別体である例について説明したが、これに限定されない。例えば、パンチとパンチケースとは、一体的に形成されていてもよい。また、ダイ側金型は、ダイとダイケースとが別体である例について説明したが、これに限定されない。例えば、ダイとダイケースとは、一体的に形成されていてもよい。
上記実施の形態では、被挿入部は、ダイケースに形成される凹みである例について説明したが、これに限定されない。被挿入部は、挿入部(例えば、ガイドピン)が挿入されれば、態様は特に限定されない。被挿入部は、例えば、ダイケースに形成される貫通孔であってもよい。また、被挿入部は、例えば、ダイケース上に配置された円筒状の部材であってもよい。
上記実施の形態では、パンチ側金型は、パンチケースとガイドピンとが別体である例について説明したが、これに限定されない。例えば、パンチケースとガイドピンとは、一体的に形成されていてもよい。つまり、パンチケースと挿入部とは、一体的に形成されていてもよい。
上記実施の形態では、パンチケースに挿入部が配置され、ダイケースに被挿入部が配置される例について説明したが、これに限定されない。パンチケースおよびダイケースの一方に挿入部が配置され、他方に被挿入部が配置されていればよい。例えば、2つの被挿入部がパンチケースに配置され、2つの挿入部がパンチケースに配置されていてもよい。また、パンチケースに挿入部および被挿入部が配置され、ダイケースに被挿入部と挿入部とが配置されてもよい。この場合、パンチケースの挿入部はダイケースの被挿入部に挿入され、かつダイケースの挿入部がパンチケースの被挿入部に挿入される。
上記実施の形態では、挿入部は、パンチケースのパンチが設けられている面と同一の面に形成されている例について説明したが、これに限定されない。挿入部は、パンチケースに設けられていればよい。
上記実施の形態では、挿入部に回転部材としてボールを有するボールリテーナが固定されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、ボールは、挿入部の外面または被挿入部の内面の少なくとも一方に、挿入部の挿抜方向に回転自在に取り付けられていてもよい。
10 鍛造装置(パーツフォーマ)
21 線材
21a 被鍛造材
30、30a、30b パンチ側金型(第二の金型)
31 パンチ(凸部)
32 パンチケース
33 挿入部
34、34b ガイドピン(挿入部)
35 ボールリテーナ
35b ボール(回転部材)
40、40a、40b ダイ側金型(第一の金型)
41 ダイ
41a 凹部
42、42a、42b ダイケース
43、43a、43b 被挿入部
50、50a、50b 鍛造用金型
70、70a、70b ガイド部

Claims (12)

  1. 線材を所定の長さにカットした被鍛造材を鍛造加工するための鍛造用金型であって、
    前記被鍛造材が配置される凹部を有する第一の金型と、
    前記凹部に対応した凸部を有し、押圧方向に移動することで前記凸部が前記被鍛造材を前記第一の金型に押し付けて鍛造加工する第二の金型と、
    前記第一の金型および前記第二の金型の一方に設けられる挿入部、ならびに、前記第一の金型および前記第二の金型の他方に設けられ、前記挿入部が挿入される被挿入部を有するガイド部と、を備える
    鍛造用金型。
  2. 前記挿入部は、前記第一の金型および前記第二の金型の向かい合う面の一方の面に設けられ、
    前記被挿入部は、前記第一の金型および前記第二の金型の向かい合う面の他方の面に設けられる
    請求項1に記載の鍛造用金型。
  3. 前記挿入部は、前記押圧方向に延びる略柱状の突起であり、
    前記被挿入部は、前記他方の面に形成された凹みである
    請求項1または2に記載の鍛造用金型。
  4. 前記挿入部は、前記第二の金型に設けられており、
    前記挿入部の前記押圧方向における長さは、前記凸部の前記押圧方向における長さより長い
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の鍛造用金型。
  5. 前記挿入部の外面または前記被挿入部の内面の少なくとも一方は、前記押圧方向および前記押圧方向と逆方向に回転自在な回転部材を有し、
    前記挿入部が前記被挿入部に挿入された状態で、前記挿入部の前記外面と前記被挿入部の前記内面とは離間しており、かつ前記回転部材を介して接している
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の鍛造用金型。
  6. 前記挿入部は、前記回転部材としてボールを有するボールリテーナを備える
    請求項5に記載の鍛造用金型。
  7. 前記第一の金型は、前記凹部を構成するダイおよび前記ダイを保持するダイケースとから構成され、
    前記第二の金型は、前記凸部を構成するパンチおよび前記パンチを保持するパンチケースとから構成され、
    前記挿入部および前記被挿入部の一方は、前記ダイケースに設けられ、
    前記挿入部および前記被挿入部の他方は、前記パンチケースに設けられる
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の鍛造用金型。
  8. 前記ガイド部は、2つ設けられる
    請求項7に記載の鍛造用金型。
  9. 前記第二の金型を前記押圧方向から見たときに、2つの前記挿入部または前記被挿入部を結ぶ直線上に前記凸部が配置される
    請求項8に記載の鍛造用金型。
  10. 前記ガイド部は、3つ以上設けられる
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の鍛造用金型。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の鍛造用金型を少なくとも一つ備える
    パーツフォーマ。
  12. 線材を所定の長さにカットした被鍛造材を鍛造加工するための鍛造用金型を用いた鍛造方法であって、
    前記線材を所定の長さにカットして前記被鍛造材を作製するカット工程と、
    前記被鍛造材を所定の形状に成形するための凹部を有し、前記被鍛造材が配置される第一の金型に対して、前記被鍛造材を前記所定の形状に成形するための凸部を有する第二の金型が押圧方向に移動することで前記被鍛造材を前記第一の金型に押し付けて鍛造加工する鍛造工程とを含み、
    前記鍛造工程は、
    前記第一の金型および前記第二の金型の一方に設けられた挿入部が、前記第一の金型および前記第二の金型の他方に設けられた被挿入部に挿入される軸調整工程と、
    前記軸調整工程の後に、前記被鍛造材を鍛造加工する加工工程とを含む
    鍛造方法。
JP2017229436A 2017-11-29 2017-11-29 鍛造用金型、パーツフォーマ、および、鍛造方法 Pending JP2019098351A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017229436A JP2019098351A (ja) 2017-11-29 2017-11-29 鍛造用金型、パーツフォーマ、および、鍛造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017229436A JP2019098351A (ja) 2017-11-29 2017-11-29 鍛造用金型、パーツフォーマ、および、鍛造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019098351A true JP2019098351A (ja) 2019-06-24

Family

ID=66975079

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017229436A Pending JP2019098351A (ja) 2017-11-29 2017-11-29 鍛造用金型、パーツフォーマ、および、鍛造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019098351A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5816401B2 (ja) 浮動状態で支持されるパンチ(スタンプ)を備えた打抜き工具
JP2007238390A (ja) 光学部品の成形型
JP2008055507A (ja) 成形作用と精密打抜作用により生産された立体的アタッチメントを製造する方法と装置
KR101704932B1 (ko) 코터핀 샤프트 제조 방법
US9669449B2 (en) Method for producing a through hole in a metallic body
JP2009125780A (ja) プレス成形品のプレス成形方法
KR101964041B1 (ko) 밴딩장치 및 이를 포함하는 포밍장치
JP2019098351A (ja) 鍛造用金型、パーツフォーマ、および、鍛造方法
CN108927450B (zh) 圆筒部的制造方法以及制造设备
JP2007009989A (ja) 円錐ころ軸受用保持器及びその製造方法
KR101411755B1 (ko) 반경단조용 금형 어셈블리 및 이를 이용한 반경단조 공법
KR101788480B1 (ko) 파이프 절단장치의 받침코어 고정장치
CN111069358B (zh) 冲压装置以及椭圆筒形部件的制造方法
JP4217913B2 (ja) 段付きギヤの製造方法
JP2012213783A (ja) パイプ状部材の曲げ成形装置
US9566641B2 (en) Forging apparatus
JP4225250B2 (ja) ころ軸受用ころの製造方法及び製造装置
CN215199022U (zh) 薄壁尾管弯曲成型装置
JP6252371B2 (ja) 鍛造金型および鍛造方法
KR102369612B1 (ko) 싸이드커팅단계를 구비한 정밀가공와셔 및 그의 연속 제조방법 및 장치
KR20200035913A (ko) 원기둥상 전동체 제조용의 금형 장치, 그리고, 원기둥상 전동체의 제조 방법, 구름 베어링의 제조 방법, 차량의 제조 방법, 및 기계 장치의 제조 방법
JP2005205498A (ja) 円筒状部品の製造方法
JP2791290B2 (ja) ロッカーアームの製造方法
JP3183486U (ja) フォーマーのカセット式金型
JP6283380B2 (ja) 金属塑性加工装置