JP2005305208A - スプリンクラー - Google Patents

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Abstract

【課題】 景観性に優れ、十分な安全性及び装置の保守性をも有するスプリンクラーを提供する。
【解決手段】 地下の水道管から多少地上に突出するまで延びる分岐管5の先端部に、ベース体11及びヘッド取付部材12を介してスプリンクラーヘッド7を回転可能に接続する。スプリンクラーヘッド7の回転のための駆動装置45をヘッド取付部材12に固定する。ベース体11に、駆動装置45を収容する、底部が開口している半球ケース状の基体67を固定しておく。放水用ノズル17の噴射口部21及び噴射小口部25が連なる開口部69を形成した、放水用ノズル17を覆う半球ケース状のカバー体71を基体67の上方に配してスプリンクラーヘッド7に固定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、学校の運動場や競技場あるいは公園や庭園等に設置されて、地面や樹木等への水撒きを行ったり、火災時の延焼を防止するために樹木や建物等に散水を行ったりするスプリンクラーに関する。
学校の運動場や競技場あるいは公園や庭園等への水撒き又は散水は、広範囲にわたる放水が可能なスプリンクラーを用いて行われる場合が多い。このようなスプリンクラーでは、通常、スプリンクラーヘッドが、地中に埋設された送水管あるいは水道管と連通して地面又はグラウンドから突出するように、かつ、駆動装置を介して回転できるように設けられている(例えば、特許文献1参照)。
実開昭59−115463号公報(第2図)
しかしながら、従来のスプリンクラーは、スプリンクラーヘッドが地上にむき出しであるため、周囲の景観を損ねる要因となったり、歩行者等が不注意でスプリンクラーヘッドの放水用ノズルに接触して怪我をしてしまう等の欠点があった。また、放水用ノズルは、雨風等にさらされるため、装置の保守性が悪いという欠点があった。
そこで本発明は、景観性に優れ、十分な安全性及び装置の保守性をも有するスプリンクラーの提供を目的とする。
この目的を達成するための本発明のスプリンクラーは、放水用ノズルを有する回転可能なスプリンクラーヘッドと、このスプリンクラーヘッドを回転させるモータが設けられた駆動装置と、を備え、前記放水用ノズルの噴射口部から放水を行うスプリンクラーであって、前記放水用ノズル又は前記スプリンクラーヘッドの先端側は、例えば、前記駆動装置又は前記駆動装置の一部とともに、前記噴射口部と連なる開口部又は前記噴射口部を外側に突出させるための開口部が形成されたカバー体により覆われていて、このカバー体は、前記放水用ノズルとともに回転し、かつ、オブジェ的外観を有しているものである。オブジェ的外観には置物的外観が含まれ、置物的外観としては、動物、運道具又は建物等を模したものが採用可能である。
また、本発明のスプリンクラーは、放水用ノズルを有する回転可能なスプリンクラーヘッドと、このスプリンクラーヘッドを回転させるモータが設けられた駆動装置と、を備え、前記放水用ノズルの噴射口部から放水を行うスプリンクラーであって、前記放水用ノズル及び前記モータは囲い体内に収容されていて、前記囲い体は、グラウンド(例えば、土やコンクリート等の地表又は地表部)に固定されて配置された基体と、前記放水用ノズルとともに回転するように、前記基体の上側に配置された、前記噴射口部と連なる開口部又は前記噴射口部を外側に突出させるための開口部が形成されているカバー体と、を有し、前記囲い体はオブジェ的外観を有しているものとして構成することができる。基体とカバー体との境界部分では、囲い体の内部にゴミ等が容易に侵入しない構造が構成されるのが好ましい。基体は、グラウンドに直接固定されて配置される場合と、グラウンドに設けられた支持体に支えられることにより、グラウンドに固定される場合とがある。ここでは、グラウンドに落ちているゴミや草、微粒土砂等に影響されずに、効率よくカバー体を回転させることができる。
スプリンクラーヘッドの回転角度は調節可能であること、例えば、自由に調節可能であることが好ましい。そこで、簡単な構成で容易にスプリンクラーヘッドの回転角度を設定できるように、駆動装置に、スプリンクラーヘッドの回転角度を設定するための角度設定機構又は角度調節機構を設けておくのが効果的である。角度設定機構としては、スプリンクラーヘッドに設けられた、検出体及び被検出体のうちの一方体と、スプリンクラーヘッドの外周に複数配置された、検出体及び被検出体のうちの他方体と、を有し、検出体及び被検出体のうちの他方体がそれぞれ、スプリンクラーヘッドの回転軸を中心として回転的に、すなわち、スプリンクラーヘッドの回転軸を中心とする円形状に沿って移動できるように配置されているといったものを用いることができる。ここでは、検出体及び被検出体のうちの一方体と他方体との接近により、すなわち、検出体による被検出体又は被検出体の接近の検出又は感知により、モータが逆方向に回転するように構成される。より具体的には、駆動装置が、スプリンクラーヘッドの外周に、スプリンクラーヘッドの回転軸を中心とする環状の取付部を有し、検出体及び被検出体のうちの他方体が、この取付部に、この取付部に沿ってスライド移動可能に取り付けられるように構成する。検出体及び被検出体のうちの一方体は、例えば1つだけ設けられる。
ここに記載された技術は、次の発明に包含される。
(1)駆動装置は、スプリンクラーヘッドの回転角度を設定するための角度設定機構を含み、
角度設定機構は、スプリンクラーヘッドに設けられた、検出体及び被検出体のうちの一方体と、スプリンクラーヘッドの外周に配置された、検出体及び被検出体のうちの他方体と、を有し、
前記一方体及び前記他方体のうちの一方は複数用いられていて、前記一方体及び前記他方体のうちのこの一方が、前記スプリンクラーヘッドの回転軸を中心として回転的に移動できるように構成されているスプリンクラー。
一方体及び他方体のうちの他方は例えば1つだけ用いられる。
放水用ノズルの噴射口部には、好ましくは、停止時(放水停止時)にノズル内にゴミ等が入らない構成が適用されていることが好ましい。具体的には、噴射口部を塞ぐようにカバー栓を設け、このカバー栓を、放水用ノズルの噴射口部又はカバー体の開口部に、例えば、ヒンジ機構を介して上方に又は開放方向に揺動可能な状態で取り付けておく。このように構成することによって、放水時には、例えば放水圧により、カバー栓を上方に揺動させて噴射口部を開放させるとともに、停止時には、例えば自重により、噴射口部を塞ぐことができる。
放水用ノズルからの放水量を調節するためには、モータの回転速度(スプリンクラーヘッドの回転速度)を調節可能にしておくことが好ましい。例えば、モータの回転速度を調節して、スプリンクラーヘッドをゆっくり回転させると、スプリンクラーヘッドを速く回転させた場合に比べて、少ない回転回数でグラウンドに十分な量の水を放水することができる。また、放水量を確認しながら速度調節できるように、モータの回転速度の調節を、遠隔操作するように構成することが好ましい。
放水後、放水用ノズルの位置が放水前の位置に戻ることが可能であること、すなわち、放水後にモータを回転させて、放水用ノズルの位置が放水前の位置に戻るようにスプリンクラーヘッドを回転させることができるように構成されていることが好ましい。
本発明にあっては、以下に示す効果が得られる。
本発明のスプリンクラーは、学校の運動場や競技場あるいは公園や庭園等に設置することによって、優れた放水機能を発揮するにとどまらす、安全に、景観性に富んだ空間を演出することができるものである。
また、モータを回転させると、放水用ノズル及びカバー体が一緒に回転するので、カバー体の開口部に遮られることなく、確実に放水用ノズルから放水することができる。
カバー体又は囲い体はオブジェ的に用いられて目立つので、歩行者等の視覚に容易に訴えることができる。したがって、歩行者等は容易に気付くことができるので、不注意で接触して怪我をしてしまう等の不具合がなく、安全に用いることができる。
放水用ノズルは、雨水やゴミ等の外的要因から効果的に防御される。したがって、保守性が良いので、長期間にわたり安定した放水状態を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図7に示す本発明に係るスプリンクラー1は、学校の運動場3(グラウンド)に設置されて運動場3に水撒きを行うものであり、地下に埋設された水道管(図示せず)から多少地上(運動場3の上方)に突出するまで延びる分岐管5の先端部(上端部)に、スプリンクラーヘッド7を回転可能に接続し、このスプリンクラーヘッド7を囲い体9で全体的に覆うことにより構成されている。
分岐管5の先端部には、円盤状のベース体11が取り付けられ、この円盤状のベース体11の上面には、筒状のヘッド取付部材12が固定されている。ベース体11の内周には雌ネジ(図示せず)が形成されていて、ベース体11は、この雌ネジを、分岐管5の先端部外周に形成された雄ネジ(図示せず)にねじ付けることにより、分岐管5の先端部に固定されている。なお、分岐管5の先端部を除く下方部外周には、セメント等で形成された、円柱状の基礎13が形成されている。また、分岐管5には、電磁弁6が介装されていて、この電磁弁6を遠隔操作の制御装置14によって開閉できるように構成している。
スプリンクラーヘッド7は、上方に延びる、金属パイプ等で形成された導水管15と、この導水管15の先端部に固定して接続された、斜め上方に向かって延びる放水用ノズル17と、を有し、導水管15は、下端部が分岐管5の先端部に回転可能に接続されるようにヘッド取付部材12内に通されて、このヘッド取付部材12により回転可能に支えられている。
放水用ノズル17は、大口径の噴射口部21が形成されたメインノズル23と、先端にかけて内壁面が先細となる小口径の噴射小口部25が形成されたサブノズル27と、を有し、メインノズル23は、導水管15から供給される水29を加圧状態にして遠方に放水させるように構成されているとともに、サブノズル27は、噴射小口部25に細溝31を形成し、導水管15から供給される水29を加圧状態にして比較的近くに飛散させるように構成されている。メインノズル23の先端側は、内壁面が先端手前まで先細となるように形成されている。
メインノズル23の基部の外周上面には、雌ネジが形成されている固定穴33を備えたカバー固定部35が一体的に設けられていて、このカバー固定部35の固定穴33、より具体的には、固定穴33の中心は、スプリンクラーヘッド7の回転中心と一致するように配置されている。
カバー固定部35の固定穴33には、先端部が放水用ノズル17の先端よりも高い位置まで延びるように、所定の長さ寸法で形成されたボルト37が、例えば、高さ調節可能に、ねじ付けられていて、このボルト37は、ナット39、39によってカバー固定部35に固定されている。
メインノズル23の噴射口部21の上端部には、ヒンジ機構41を介してメインノズル23の噴射口部21を覆うカバー栓43が取り付けられていて、このカバー栓43は、放水時に開放されるとともに、停止後は、自重によって噴射口部21を塞ぐように構成されている。なお、カバー栓43が上方に必要以上に揺動しないようにするために、ヒンジ機構41にはストッパー手段(例えば、ストッパー片)が備えられている。なお、カバー栓43を、メインノズル23及びサブノズル27の噴射口部21及び噴射小口部25を覆うように構成してもよい。
スプリンクラーヘッド7を回転させるための駆動装置45は、スプリンクラーヘッド7の導水管15にギアを介して接続され、この導水管15を回転させる電動モータ47と、このモータ47を収容してヘッド取付部材12に固定された、下部が開口し、上部に導水管15の先端部を挿通させる開口部49が形成されたケース体51と、を有して構成されている。モータ47は、制御装置14で制御されていて、この制御装置14により、放水時には、スプリンクラーヘッド7を、例えば、1分間に180度回転させるとともに、放水後(停止時)は、放水用ノズル17が放水前の位置に戻るように、前記スプリンクラーヘッド7を復帰回転させることができるように構成されている。
ケース体51の上面又は天井部上面には、スプリンクラーヘッド7の回転軸又は導水管15を中心として、環状の取付部53が一体的に形成され、この環状の取付部53には、複数個、本実施の形態では2個の検出体(センサー)55、55が、この取付部53に沿ってスライド移動可能に取り付けられている。
検出体55は、環状の取付部53に嵌め付けられるように下側に開口した弧状のガイド溝56が形成されているスライド基部59と、このスライド基部59に固定された、例えば、磁気検出型のセンサー本体61と、で構成されていて、ガイド溝56が環状の取付部53を収めた状態で、固定ビス57によって環状の取付部53に固定されている。固定ビス57を緩めることにより、検出体55を環状の取付部53上でスライド移動させることができるようになり、任意の位置に固定することが可能となる。なお、検出体55の移動は、環状の取付部53と、スライド基部59の弧状のガイド溝56とで行うものについて説明したが、上方に開口する環状のガイド溝を形成した環状の取付部53と、この環状の取付部53のガイド溝内にスライド移動可能に嵌り込む突起部が形成されているスライド基部59とで行うように構成してもよい。
一対の検出体55、55で検出される被検出体63は、例えば、金属製のビス材等で構成されていて、スプリンクラーヘッド7の導水管15と放水用ノズル17との境界付近に一個固定されている。被検出体63は、スプリンクラーヘッド7の回転とともに回転移動して、検出体55に接近することによって検出され、この検出体55による被検出体63の検出に基づいて、制御装置14でモータ47の回転方向、したがって回転角度を制御する(例えば、モータ47を逆回転させる)。
なお、本形態では、環状の取付部53に一対の検出体55、55を取り付け、スプリンクラーヘッド7に被検出体63を設けた角度設定機構65について説明したが、この角度設定機構65を、例えば、環状の取付部53に一対の被検出体63、63をスライド移動可能に取り付け、スプリンクラーヘッド7に検出体55を設けるように構成してもよい。
囲い体9は、アルミ、ステンレス合金等の金属板をプレス成型することによって得られ、ベース体11にビス固定された、駆動装置45を収容する又はほぼ収容する、底部が開口している半球ケース状の基体67と、この基体67の上方に配された、スプリンクラーヘッド7の放水用ノズル17の噴射口部21及び噴射小口部25が連なる開口部69が形成されて、放水用ノズル17を覆う半球ケース状のカバー体71と、を有して構成されていて、基体67及びカバー体71の全体が一つのオブジェ的外観を有する形状、例えば、球形状等に形成されている。なお、外面は、オブジェとしての装飾性をさらに付加するために、多彩な色彩や模様(例えば、図6に示すようなサッカーボール等を表した模様)、蛍光塗料等で装飾してもよい。なお、放水用ノズル17の噴射口部21及び噴射小口部25は、開口部69から外側にわずかに突出している。
基体67には、下端部にベース体11にビス固定するための固定用フランジ73が形成され、上方開口部の内周面には、金属板でリング状に形成され、上端部が上方開口部よりも上方に突出するように形成された枠部材75が溶接等によって固定されている。枠部材75の内周面には、高さ方向中央で、内側に向かって突出するフランジ76が一体形成されている。なお、基体67の下方には、ベース体11及びこのベース体11の下方に配された基礎13を覆うように筒状のベース用カバー体77が設けられている。
カバー体71の上部中央には、スプリンクラーヘッド7のボルト37が挿入されるボルト挿入孔79が形成された固定用凹部81が設けられていて、この固定用凹部81とカバー固定部35との間に筒状の支持体83が配置されている。また、カバー体71の下方開口部寄りの内周面には、内側に向かって突出するフランジ85を有するリング部材が溶接等によって固定されていて、基体67の枠部材75の上端部は、カバー体71の内側に入り込んでいるが、フランジ85の下面と枠部材75の上端部との間には、隙間が形成されている。また、カバー体71の下端と蓋体67の上端との間にもわずかな隙間が形成されている。このように構成されたカバー体71は、スプリンクラーヘッド7に固定されてスプリンクラーヘッド7とともに回転する。
基体67及びカバー体71には、カバー体71(スプリンクラーヘッド7)が所定の角度(例えば、180度)以上回転しないように安全装置86が設けられている。この安全装置86は、カバー体71に取り付けられたリング部材のフランジ85の1個所に、後端部がビス等によって固定された、先端部がフランジ85よりも内側に向かって突出しているブロック状の突出片87と、基体67に取り付けられた枠部材75のフランジ76の対向する2個所にボルト等によって固定された、突出片87を受け止めるためのブロック状の回り止め用片89、89と、この回り止め用片89、89に設けられた回り止めピン90、90と、を有して構成されている。すなわち、突出片87が回り止め用片89、89の回り止めピン90、90の間を往復できるように構成されている。なお、突出片87が回り止め用片89、89の回り止めピン90、90によって受け止められて、カバー体71(スプリンクラーヘッド7)の回転が阻止されると、モータ47に過負荷がかかるが、この過負荷を制御装置14で検出して、制御装置14によって、モータ47を逆方向に回転させたり、あるいはモータ47を非常停止させる。
このような安全装置86を設けることによって、モータ47が所定の回転角度以上に回転するように作動してしまっても、スプリンクラーヘッド7(カバー体71)の回転を確実に阻止することができる。なお、安全装置86は、カバー体71に取り付けられたリング部材のフランジ85の1個所に突出片87を設け、基体67に取り付けられた枠部材75のフランジ76の対向する2個所に回り止め用片89、89を設けたものについて説明したが、フランジ85の例えば2個所に突出片87を設け、フランジ76の1個所に回り止め用片89を設けてもよい。
制御装置14は、運動場3の隅部や屋内等に設置されたボックス体91と、このボックス体91に収容された、モータ47及び電磁弁6を制御する制御機構部93と、を有して構成されている。制御機構部93は、モータ47の回転速度を調整したり、例えば電磁弁6の開閉を操作するためのスイッチ類(図示せず)を備えている。この制御装置14によって、モータ47の回転速度等の調整を遠隔操作することができる。
上記構成のスプリンクラー1は、先ず、分岐管5の先端部にベース体11をねじ付けて、この状態でベース用カバー体77を配置する。次に、ベース体11に基体67とヘッド取付部材12とをボルト固定する。なお、ヘッド取付部材12の固定は、予めスプリンクラーヘッド7及び駆動装置45を取り付けた状態で行うと効率的である。
次に、ベース体11上に基体67、ヘッド取付部材12及びスプリンクラーヘッド7が配設された状態でカバー体71を取り付ける。具体的には、筒状体83をカバー固定部35上に載置してから、ボルト37の上端部がカバー体71のボルト挿入孔79より上方に突出するようにして、かつ、放水用ノズル17の先端部が開口部69より外方に多少突出するようにして、カバー体71を取り付け、固定用凹部81内でボルト37にナット87をねじ付けてカバー体71をスプリンクラーヘッド7に固定する。なお、放水用ノズル17の先端部を開口部69より外方に出す場合、放水用ノズル17の先端部には、予め、開口部69をカバー体71の内面側から覆うゴム製のカバーシート95を貫通させて取り付けておく。このカバーシート95によって、開口部69よりカバー体71内にゴミや水等が浸入するのを防止することができる。カバー体71をスプリンクラーヘッド7に固定した後は、固定用凹部81を、アルミ、ステンレス合金等の板材をプレス成型して得られたキャップ97を用いて複数のビスによって固定して塞ぐ。
この場合、基体67の上端(上方開口縁部)とカバー体71の下端(下方開口縁部)とが当接しないように、両者を若干の隙間を設けて設置することにより、カバー体71を効率よく回転させることができる。なお、キャップ97は、プラスチック材、ゴム材等で形成されたものを用いて固定用凹部81内に圧入状態で嵌合させるように構成してもよい。
このようにして運動場3(グラウンド)に設置されたスプリンクラー1は、停止時は、図2、図6に示すように、オブジェ的に用いられ、歩行者等の美感に訴えるとともに、カバー体71を回転させて放水する場合は、放水圧によってカバー栓43が上方に揺動して、メインノズル23の噴射口部21を開放する。この状態でスプリンクラーヘッド7及びカバー体71が回転することにより、図7に示すように、運動場3に広範囲に放水することができる。なお、放水の停止時には、上方に揺動した前記カバー栓43が自重によって下方に揺動し、メインノズル23の噴射口部21を閉塞する。メインノズル23及びサブノズル27からは水29を噴射させるが、液状の薬剤等を散布するように用いてもよい。
また、スプリンクラー1は、運動場3に固定されて配置された基体67の上側でカバー体71を回転させるように構成しているので、運動場3に落ちているゴミや草、微粒土砂等に影響されずに、効率よくカバー体71を回転させることができる。
なお、放水用ノズル17及び駆動装置45が、基体67及びカバー体71内に収容され、カバー体71を基体67の上側で回転させるように構成したものについて説明したが、放水用ノズル17及び駆動装置45を収容することができるカバー体を用いて(図示せず)、このカバー体を例えばベース用カバー体77の上部位置で回転させるように構成してもよい。なお、この場合、地面に落ちているゴミや草、微粒土砂等によってカバー体の回転が阻害されないようにするために、このカバー体の下部外周に、ゴミよけ等の枠材を設置すると効果的に用いることができる。
また、囲い体9は、アルミ、ステンレス合金等の金属板材をプレス成型することによって得られるものについて説明したが、例えば、強化プラスチック材を用いて、射出成型によって製造したり、木材を切削加工する等して製造してもよい。
さらに、カバー栓43は、メインノズル23の噴射口部21の上端部に取り付けられたものについて説明したが、カバー栓43を、カバー体71の開口部69の上部にヒンジ機構を介して取り付けるように構成してもよい。
また、本発明のスプリンクラー1は、運動場3の日向部分と日陰部分とで放水量を調節できるように構成してもよい。具体的には、例えば、運動場3に、湿度、温度、明るさ等を測定するセンサーあるいは太陽光の直接照射等を感知するセンサー、すなわち、日向及び日陰あるいは日向又は日陰を検出するセンサーを複数点在させて設置し、このセンサーによる日向又は日陰の検出結果に基づいて、制御装置14でモータ47の回転速度、すなわち、スプリンクラーヘッド7の回転速度を調節することができるように構成する。そして、センサーによる検出に基づいて、日向部分では、制御装置14でモータ47の回転速度を遅くして、日向部分に多くの水を撒くようにする。また、日陰部分では、制御装置14でモータ47の回転速度を速くして、又は元に戻して水を撒く量を抑える。ここでは、モータ47にステッピングモータを使用する。
本発明のスプリンクラーは、学校の運動場や競技場あるいは公園や庭園等に設置されて優れた機能を発揮する。
本発明のスプリンクラーの正面方向の断面図である。 本発明のスプリンクラーの斜視図である。 本発明のスプリンクラーの平面図である。 カバー体と基体との取り付け位置関係を示した要部拡大断面図である。 角度設定機構の説明図である。 囲い体の外面に模様を付した一例を示した斜視図である。 放水状態を示した斜視図である。
符号の説明
1 スプリンクラー
7 スプリンクラーヘッド
9 囲い体
14 制御装置
17 放水用ノズル
43 カバー栓
45 駆動装置
47 モータ
55 検出体
63 被検出体
65 角度設定機構
67 基体
71 カバー体

Claims (8)

  1. 放水用ノズルを有する回転可能なスプリンクラーヘッドと、このスプリンクラーヘッドを回転させるモータが設けられた駆動装置と、を備え、前記放水用ノズルの噴射口部から放水を行うスプリンクラーであって、
    前記放水用ノズルは、前記噴射口部と連なる開口部又は前記噴射口部を外側に突出させるための開口部が形成されたカバー体により覆われていて、
    このカバー体は、前記放水用ノズルとともに回転し、かつ、オブジェ的外観を有している、ことを特徴とするスプリンクラー。
  2. 放水用ノズルを有する回転可能なスプリンクラーヘッドと、このスプリンクラーヘッドを回転させるモータが設けられた駆動装置と、を備え、前記放水用ノズルの噴射口部から放水を行うスプリンクラーであって、
    前記放水用ノズル及び前記モータは囲い体内に収容されていて、
    前記囲い体は、グラウンドに固定されて配置された基体と、前記放水用ノズルとともに回転するように、前記基体の上側に配置された、前記噴射口部と連なる開口部又は前記噴射口部を外側に突出させるための開口部が形成されているカバー体と、を有し、
    前記囲い体はオブジェ的外観を有している、ことを特徴とするスプリンクラー。
  3. 前記駆動装置は、前記スプリンクラーヘッドの回転角度を設定するための角度設定機構を含んでいて、
    前記角度設定機構は、前記スプリンクラーヘッドに設けられた、検出体及び被検出体のうちの一方体と、前記スプリンクラーヘッドの外周に複数配置された、検出体及び被検出体のうちの他方体と、を有し、
    検出体及び被検出体のうちの前記他方体はそれぞれ、前記スプリンクラーヘッドの回転軸を中心として回転的に移動できるように配置され、
    検出体及び被検出体のうちの前記一方体と前記他方体との接近により、前記モータが逆方向に回転するように構成されている、ことを特徴とする請求項1又は2記載のスプリンクラー。
  4. 前記駆動装置は、前記スプリンクラーヘッドの外周に、このスプリンクラーヘッドの回転軸を中心とする環状の取付部を有していて、検出体及び被検出体のうちの前記他方体は、前記取付部にスライド移動可能に取り付けられることにより配置されている、ことを特徴とする請求項3記載のスプリンクラー。
  5. 前記放水用ノズルの前記噴射口部又は前記カバー体の前記開口部にはカバー栓が取り付けられていて、前記カバー栓は、放水時に前記噴射口部を開放するとともに、停止時に前記噴射口部を塞ぐように構成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のスプリンクラー。
  6. 前記カバー栓は、前記放水用ノズルの前記噴射口部又は前記カバー体の前記開口部にヒンジ機構を介して揺動可能に取り付けられていて、放水時には放水圧によって前記噴射口部を開放するとともに、停止時には自重によって前記噴射口部を塞ぐように構成されている、ことを特徴とする請求項5記載のスプリンクラー。
  7. 前記モータは、遠隔操作によって回転速度を調節することができるように構成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のスプリンクラー。
  8. 前記モータが、放水後、前記スプリンクラーヘッドを復帰回転させて、前記放水用ノズルを放水前の位置に戻すことができるように構成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のスプリンクラー。
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