JP2005303260A - 転写配線の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 転写配線の歩留まりを向上するとともに、転写配線を確実に転写することが可能な転写配線の製造方法を提供する。
【解決手段】 版基板の全面に酸化亜鉛層および金属銅層を順次積層し、前記版基板の一面上の前記金属銅層にレジスト層を積層し、前記レジスト層にマスクを重ねて露光、現像することにより前記レジスト層にレジスト除去部を設け、前記レジスト除去部の底面に露出した前記金属銅層上に配線パターンをメッキ形成し、形成された前記配線パターンを配線基板に転写することを特徴とする転写配線の製造方法を採用する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、転写配線の製造方法に関するものであり、特に、生産性に優れた転写配線の製造方法に関するものである。
フォトリソグラフィ技術等の半導体製造技術を用いて基板上に微細な配線パターンを形成し、この配線パターンを樹脂フィルム等の別の基板に転写させる所謂転写配線の製造方法が知られている。この方法によれば、樹脂フィルム等のように柔軟性の高い基板にも微細な配線パターンを形成できるため、基板の選択性が広がり、電子機器の小型軽量化が図れるという利点がある。
この転写配線の製造方法においては、基板に配線パターンを形成する手順として、まず予め基板に導電膜を成膜し、次にこの導電膜上に微細配線パターンの型となるメッキ用レジストをパターン形成し、次に微細配線パターンをメッキ法で形成している。先の導電膜は、配線パターンをメッキ形成する際の電極として利用している。このとき、基板と導電膜との接着性が低いと、配線パターンを均一に形成できなくなるので、基板と導電膜との接着性をできるだけ高める必要がある。
一方、形成済みの配線パターンを別の基板に転写する際には、導電膜および配線パターンが先の基板からきれいに剥離することが求められる。従って、基板と導電膜との剥離性も重要になる。
下記特許文献1および2には、転写配線の製造方法の要素技術である微細配線パターンの形成方法が開示されている。
特開2001―85358号公報 図1 特開平6―196840号公報 段落0010
上記特許文献1では、基板の一面上に酸化亜鉛層および酸化銅層を順次形成してから、酸化銅層を還元して金属銅層とし、この金属銅層上に電気メッキ法で銅配線を形成している。上記特許文献1においては酸化亜鉛層と金属銅層との接着性は比較的高いと思われるが、この特許文献1に記載の方法は転写配線の形成を目的としたものではないので、酸化亜鉛層および金属銅層と基板との剥離性は全く考慮されていない。したがって、特許文献1に記載の方法は、転写配線の製造方法の要素技術として適さないという問題がある。
また、上記特許文献2の段落0010には、上記特許文献1と同様な技術が開示されている。しかし、この特許文献2においても、基板に対する酸化亜鉛層の剥離性は全く考慮されていない。したがって、特許文献2に記載の方法についても、転写配線の製造方法の要素技術として適さないという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、転写配線の歩留まりを向上するとともに、転写配線を確実に転写することが可能な転写配線の製造方法を提供することを目的とする。
更に本発明においては、配線パターン上に電子部品を載置してから電子部品ごと配線パターンを配線基板に転写することにより、電子部品を備えた転写配線を形成することも目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の転写配線の製造方法は、版基板の全面に酸化亜鉛層および金属銅層を順次積層し、前記版基板の一面上の前記金属銅層にレジスト層を積層し、前記レジスト層にマスクを重ねて露光、現像することにより前記レジスト層にレジスト除去部を設け、前記レジスト除去部の底面に露出した前記金属銅層上に配線パターンをメッキ形成し、形成された前記配線パターンを配線基板に転写することを特徴とする。
上記の構成によれば、版基板の一面のみならず、この一面に接する側面と一面に対向する他面にも酸化亜鉛層および金属銅層を形成するので、酸化亜鉛層および金属銅層と版基板との密着性を高めることができる。また版基板の一面と酸化亜鉛層との剥離性も向上できる。密着性の向上により、配線パターンの形成を確実に行うことができ、配線パターンの歩留まりを高めることができる。また、剥離性の向上により、配線パターンの全部を配線基板に確実に転写できる。
また本発明の転写配線の製造方法は、先に記載の転写配線の製造方法において、前記配線パターンを前記配線基板内部に埋込んで転写することを特徴とする。
上記構成によれば、配線パターンが配線基板内部に埋込まれることで配線パターンの露出面積が小さくなるので、配線基板によって配線パターンを保護することができる。特に、後工程に酸化亜鉛層のエッチング工程が設けられた場合に、配線パターンがエッチングされることがなく、配線パターンの線幅の減少を防止することができる。
更に本発明の転写配線の製造方法は、先に記載の転写配線の製造方法において、前記配線パターンを転写してから前記版基板を前記配線基板から剥離し、前記配線パターンとともに前記配線基板上に転写された前記酸化亜鉛層および前記金属銅層をエッチングにより除去することを特徴とする。
上記構成によれば、前記版基板を前記配線基板から剥離する際に、版基板と酸化亜鉛層との境界面で剥離が起きるので、酸化亜鉛層を設けない場合と比べて配線パターンをきれいに転写することができる。
更にまた、本発明の転写配線の製造方法は、先に記載の転写配線の製造方法において、前記酸化亜鉛層の膜厚が50nm以上500nm以下の範囲であることを特徴とする。
酸化亜鉛層は本来、金属銅層の下地層として、版基板と金属銅層の密着性を向上させるものであるが、酸化亜鉛層の膜厚を前記の範囲に設定することで、版基板に対する剥離性を向上させることができる。すなわち、酸化亜鉛層の膜厚を前記の範囲に設定することで、酸化亜鉛層および金属銅層と版基板との密着性を高めると同時に剥離性を向上できる。すなわち、膜厚が50nm以上にすることで酸化亜鉛層および金属銅層と基板との密着性を高めることができる。また、膜厚を500nm以下にすることで酸化亜鉛層および金属銅層と版基板との剥離性を高めることができる。
また、本発明の転写配線の製造方法は、先に記載の転写配線の製造方法において、前記配線パターンが、複数の金属層を順次積層した積層構造であり、前記金属銅層に接する金属層がAu層であることを特徴とする。
金属銅層に接する金属層は、配線パターンが転写された際に配線パターンの最表面となる。従ってこの金属層をAu層で構成することにより、配線パターンの耐エッチング性能を向上することができる。
更にまた、本発明の転写配線の製造方法は、先に記載の転写配線の製造方法において、前記配線パターンを転写する前に、前記配線パターン上に電子部品を実装することを特徴とする。
上記構成によれば、配線パターンとともに電子部品を配線基板に同時に転写させることができる。
更に、本発明の転写配線の製造方法は、先に記載の転写配線の製造方法において、前記配線パターンを構成する金属層のうち、最後に積層する金属層がAu層であることを特徴とする。
配線パターンを形成する際の最後の層をAu層とすることにより、配線パターン上に電子部品を実装する際に電子部品の端子がこのAu層に接合することになる。これにより、電子部品と配線パターンとの接触抵抗を低減することができる。
更にまた、本発明の転写配線の製造方法は、先に記載の転写配線の製造方法において、前記配線パターンを前記転写基板に転写する際に、予め前記転写基板に凹部若しくは貫通孔を設け、前記凹部または前記貫通孔に前記電子部品が収納されるように前記版基板と前記配線基板を位置合わせしてから転写することを特徴とする。
上記構成によれば、転写の際に、転写基板に設けた凹部若しくは貫通孔に電子部品を挿入できるので、電子部品を配線基板に内蔵させることができる。これにより、電子部品を備えた配線基板の薄型化を図ることができる。
また、本発明の転写配線の製造方法は、先に記載の転写配線の製造方法において、前記版基板が硬質基板であることを特徴とする。この構成によれば、配線パターンの下地が硬質の基板になるので、電子部品を配線パターン上に装着した際に、版基板が撓むことがなく、これにより配線パターンが変形したり割れたりするおそれがない。
更に、本発明の転写配線の製造方法は、先に記載の転写配線の製造方法において、前記版基板の全面が酸化膜付きシリコンウエーハで形成されていることを特徴とする。この構成により、酸化亜鉛層を版基板表面に均一に形成することができる。また、配線パターンの転写終了後に、版基板に残存した酸化亜鉛層を酸もしくはアルカリで除去することができ、版基板を再利用することができる。
更にまた、本発明の転写配線の製造方法は、先に記載の転写配線の製造方法において、前記配線基板が熱可塑性樹脂またはガラスエポキシ樹脂からなることを特徴とする。この構成によれば、配線パターンを配線基板内に容易に埋込むことができる。また、配線基板が熱により変形しやすくなり、転写の際に電子部品と凹部または貫通孔との隙間を配線基板の構成材料で埋めることができる。特に、ガラスエポキシ樹脂の場合はエポキシ成分が隙間に滲み出されることにより、隙間を埋めることができる。
また、本発明の転写配線の製造方法においては、前記配線基板が誘電体からなることが好ましい。誘電体の具体例として、エポキシ樹脂、BT樹脂、アラミド樹脂を例示できる。
また、本発明の転写配線の製造方法においては、前記版基板が誘電体から構成されていても良い。
本発明の転写配線の製造方法によれば、基板との密着性に優れ、かつ基板との剥離性にも優れた酸化亜鉛層を配線パターンの下地層として用いるので、転写配線の歩留まりを向上できるとともに、転写配線を確実に転写することができる。また、配線パターン上に電子部品を載置してから電子部品ごと配線パターンを配線基板に転写することにより、電子部品を備えた転写配線を容易に形成することができる。
更に本発明の転写配線の製造方法によれば、配線パターンの線幅の減少を防止することが可能となり、これにより、従来の転写法では不可能であった10μm/10μmのラインアンドスペース(L/S)を実現することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。本実施形態の転写配線の製造方法は、版基板上に配線パターンを形成する工程と、配線パターンを配線基板に転写する工程から概略構成されている。
各工程の概略について説明すると、まず版基板上に配線パターンを形成する工程は、版基板の全面に酸化亜鉛層および金属銅層を順次積層し、前記版基板の一面上の前記金属銅層にレジスト層を積層し、前記レジスト層にマスクを重ねて露光、現像することにより前記レジスト層にレジスト除去部を設け、前記レジスト除去部の底面に露出した前記金属銅層上に配線パターンをメッキ形成する、という工程である。
また、配線パターンを配線基板に転写する工程は、形成された前記配線パターンを配線基板に転写する、という工程である。
以下、図面を参照して各工程の詳細について説明する。図1は、版基板上に配線パターンを形成する工程を示す工程図であり、図2は、配線パターンを配線基板に転写する工程を示す工程図である。尚、図1および図2は本実施形態の転写配線の製造方法を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の転写配線の寸法関係とは必ずしも一致するものではない。
版基板上に配線パターンを形成する工程では、まず図1Aに示すように、版基板1の全面に膜厚50nmないし500nmの酸化亜鉛層2を形成する。具体的には、版基板1の全面に脱脂処理を施してから、版基板1を酸化亜鉛を含むメッキ浴に投入することにより、酸化亜鉛層2を無電解メッキ法により形成する。
上記の操作によって、図1Aに示すように酸化亜鉛層2が版基板1の全面に均一に形成される。すなわち、版基板1において最も広い面積を有する一面1aと、この一面1aと対向する他面1bと、一面1aおよび他面1bにそれぞれ接する全ての側面1cに酸化亜鉛層2が形成される。酸化亜鉛層2の膜厚は50nmないし500nmの範囲が好ましく、100nmないし300nmの範囲がより好ましい。膜厚が50nm未満だとこの後に形成する金属銅層と版基板1との密着性が低下するので好ましくなく、膜厚が500nmを越えると金属銅層と版基板1との剥離性が低下するので好ましくない。酸化亜鉛層2の膜厚は、メッキ浴中に含まれる酸化亜鉛濃度もしくはメッキ時間を調整することにより制御することができる。
ここで使用する版基板1は、全面が酸化シリコンで形成されているものが、酸化亜鉛層2との密着性を向上でき、かつ版基板を再利用できる点で好ましい。版基板1の具体例としては、例えば、酸化ケイ素を主成分として含むガラス板、全面を熱酸化法もしくは熱CVD法により酸化ケイ素層を形成させたシリコン基板、スパッタリング法等で酸化ケイ素層を全面に被覆させた樹脂基板または誘電体基板、などを用いることができる。また、前記のシリコン基板としてB,P,As等のドーパントを添加したものを用いることもできる。更に前記の樹脂基板として柔軟性を有するものでもよく、この場合は長尺の樹脂基板をロール状に巻き取ることができるので、連続的な製造に適しており、生産性を向上できる。版基板1の厚みは特に制限はないが、例えば30μmないし3mmのものを使用できる。
次に、図1Bに示すように、酸化亜鉛層2の全面に膜厚が2μm程度の金属銅層3を形成する。具体的には、酸化亜鉛層2形成後の版基板1を銅のメッキ浴に投入することにより、無電解メッキ法により金属銅層3を形成する。
上記の操作によって、図1Bに示すように酸化亜鉛層2の全面に金属銅層3が均一に形成される。金属銅層3の膜厚は2μm程度でよい。膜厚がこれより小さいと金属銅層3の強度が低下し、配線パターンの転写の際の剥離性が低下するので好ましくない。金属銅層3の膜厚は、酸化亜鉛層1の場合と同様にメッキ浴中に含まれる銅の濃度もしくはメッキ時間を調整することにより制御することができる。
このようにして、酸化亜鉛層2および金属銅層3が版基板1の全面1a,1b、1cに形成されているため、特に、版基板1の一面1aと、この一面1a上の酸化亜鉛層2aおよび金属銅層3aとの密着性を高めることができる。
なお、本明細書において、符号2a、3aを付した酸化亜鉛層および金属銅層は、一面1a上に形成された酸化亜鉛層および金属銅層のみを指し、版基板のその他の面1b、1cに形成された酸化亜鉛層および金属銅層には符号2b,3bがそれぞれ付されて区別される。
次に図1Cに示すように、版基板1の一面1aに形成した金属銅層3a上に、複数のレジスト除去部4aを有するパターン化レジスト層4を形成する。具体的には、一面1a上の金属銅層3aの全面に例えば10μm程度の感光性樹脂膜またはドライフィルム(以下レジスト層と表記)を積層してから、マスクを重ねて露光、現像を行うことにより、マスクのパターンに対応するレジスト除去部4aを形成する。レジスト除去部4aは、図1Cの手前側から奥側に向けて延長形成された溝状に形成されている。このようにして溝状のレジスト除去部4aを有するパターン化レジスト層4が形成される。
なお、パターン化レジスト層4を形成した後のレジスト除去部4aには、感光性樹脂膜またはドライフィルムの残渣が残存する場合がある。この残渣が残存すると、この後に形成する配線パターンが断線したり、配線パターンと金属銅層との密着性が低下して後工程である転写工程において不具合が生じる可能性ある。そこで残渣の完全除去を目的として、パターンレジスト層4を形成した後に、レジスト除去部4aにアルゴンプラズマを照射するか、あるいはレジスト除去部4aに露出する金属銅層の表面を軽くエッチングすることにより、残渣を除去することが望ましい。アルゴンプラズマを照射する場合には、たとえば、プラズマパワー500W程度,雰囲気圧力10Pa以下、アルゴン流量50sccm、照射時間30秒とする条件で行うと良い。また、金属銅層の表面を軽くエッチングするには、10%酢酸水溶液からなるエッチャントで30秒間処理する条件で行うと良い。このような処理を行うことで、金属銅層と配線パターンとの密着強度を3N/cm以上にすることができる。
次に図1Dに示すように、レジスト除去部4aにCuからなる配線パターン5をメッキ法で形成する。具体的には例えば、硫酸銅等を含むメッキ液をレジスト除去部4a内の金属銅層3aに接触させてから、金属銅層3aに直流電流を印加してCuメッキを成長させる。配線パターン5の厚みはパターン化レジスト層4の厚みよりも薄くすることが好ましく、例えば5μm程度がよい。
次に図1Eに示すように、ウエットエッチングによりパターン化レジスト層4を除去する。このようにして、版基板1の全面1a、1b、1cに酸化亜鉛層2および金属銅層3が形成され、更に一面1a上の金属銅層3a上に、所定の形状にパターン化された配線パターン5が形成される。
次に、配線パターンを配線基板に転写する工程について図2を参照して説明する。
まず、図2Aに示すように、配線基板6の一面6a側および他面6b側に、先に形成した配線パターン5を有する版基板1、1を配置する。配線基板6には、厚さ50μm程度のエポキシ樹脂板もしくはポリエステル樹脂板を用いることができる。
次に図2Bに示すように、各版基板1をそれぞれ配線基板6に押し付けて熱プレスする。この熱プレスによって配線基板6が変形し、一面6aおよび他面6bにそれぞれ配線パターン5、5が埋込まれる。熱プレス時の温度は、配線基板6の材質にもよるが、140〜180℃の範囲が好ましい。また熱プレスの圧力は15〜25Pa程度が好ましい。さらにプレス時間は30〜50分程度が好ましい。このようにして、配線パターン5、5が配線基板6に転写される。
次に図2Cに示すように、各版基板1、1と配線基板6との間に応力を与えて配線基板6から版基板1、1を剥離させる。このとき、版基板1の一面1aとこの一面1a上に形成されていた酸化亜鉛層2aとの間で剥離が起きる。この結果、配線基板6の一面6aおよび他面6bにそれぞれ、版基板1の一面1a上に形成されていた金属銅層3aおよび酸化亜鉛層2aおよび配線パターン5、5が転写される。版基板の他面1bおよび側面1cに形成されていた残りの酸化亜鉛層2bおよび金属銅層3bはそのまま版基板1、1とともに配線基板6から取り除かれる。
このように、版基板1の一面1aとこの一面1a上に形成された酸化亜鉛層2aとの間で剥離が起きるのは次の理由によるものと考えられる。版基板1、1を配線基板6から剥離させる際には、一面1a上の酸化亜鉛層2aおよび金属銅層3aにおいて膜厚方向に引張応力が加えられると推定される。このとき、金属銅層3aにはメッキ法で形成された配線パターン5が接合され、この配線パターン5は配線基板6に埋込まれて配線基板6と強固に接合されていることから、配線基板6側への引張応力が勝ることになり、これにより、一面1a上の酸化亜鉛層2aおよび金属銅層3aが配線パターン5、5とともに配線基板6側に転写されるものと考えられる。また、金属銅層3aには、剥離の際に配線パターン5、5に引張られてせん断応力が加えられるが、金属銅層3aには酸化亜鉛層2aが下地層として裏打ちされているので、金属銅層3a自体が破れるおそれがなく、酸化亜鉛層2aとともに版基板1からきれいに剥離させることができる。また、酸化亜鉛層2a自体も50nmないし500nmの膜厚で形成されているため、酸化亜鉛層2aの膜強度が高くなっており、酸化亜鉛層2a自体も破れる虞がなく、版基板の一面1aからきれいに剥離させることができる。
次に、図2Dに示すように、配線基板6に転写された酸化亜鉛層2aおよび金属銅層3aをウエットエッチングにより除去する。エッチング液には例えば過硫酸水溶液を用いることができる。なお、このエッチングの際に配線パターン5も若干エッチングされるが、配線パターン5はその大部分が配線基板6に埋込まれているので、配線パターン5の露出部分が少なくなっている。これにより、配線基板6によって配線パターン5が保護され、エッチング液による配線パターン5の腐食が防止されて、配線パターン5の線幅の減少を防止することができる。これにより、従来の転写法では不可能であった10μm/10μmのラインアンドスペース(L/S)を実現することができる。
このようにして、配線基板6の一面6aおよび他面6bの両面に配線パターン5、5が埋込まれてなる転写配線10が形成される。
また、剥離後の版基板1については、残存する酸化亜鉛層2bおよび金属銅層3bを酸またはアルカリで除去することで、再利用することができる。
以上説明したように、本実施形態の転写配線の製造方法によれば、酸化亜鉛層2および金属銅層3が版基板1の全面1a,1b、1cに形成されているため、特に版基板1の一面1aと、この一面1a上の酸化亜鉛層2aおよび金属銅層3aとの密着性を高めることができる。
また、金属銅層3aには酸化亜鉛層2aが下地層として裏打ちされているので、金属銅層3a自体が破れるおそれがなく、酸化亜鉛層2aとともに版基板1からきれいに剥離させることができる。更に、酸化亜鉛層2a自体も50nmないし500nmの膜厚で形成されているため、酸化亜鉛層2aの膜強度が高くなっており、酸化亜鉛層2a自体も破れる虞がなく、版基板の一面1aからきれいに剥離させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図面を参照して説明する。本実施形態の転写配線の製造方法は、版基板上に配線パターンを形成する工程と、前記配線パターン上に電子部品を実装する工程と、電子部品と配線パターンを配線基板に転写する工程から概略構成されている。
各工程の概略について説明すると、まず版基板上に配線パターンを形成する工程は、版基板の全面に酸化亜鉛層および金属銅層を順次積層し、前記版基板の一面上の前記金属銅層にレジスト層を積層し、前記レジスト層にマスクを重ねて露光、現像することにより前記レジスト層にレジスト除去部を設け、前記レジスト除去部の底面に露出した前記金属銅層上に配線パターンをメッキ形成する、という工程である。
また、配線パターン上に電子部品を実装する工程は、配線パターン上に電子部品の端子部を接合させるともに、配線パターンと端子部の周囲に封止材を充填する、という工程である。
更に、配線パターンを配線基板に転写する工程は、あらかじめ凹部または貫通孔を設けた配線基板を用意し、この凹部または貫通孔に先の電子部品が収納されるように版基板と配線基板を位置合わせしてから配線パターンと電子部品とを転写する、という工程である。
以下、図面を参照して各工程の詳細について説明する。図3は、版基板上に配線パターンを形成するとともに、配線パターンに電子部品を取り付ける工程を示す工程図であり、図4は配線パターンの拡大断面図であり、図5は、配線パターンおよび電子部品を配線基板に転写する工程を示す工程図である。尚、図3ないし図5は本実施形態の転写配線の製造方法を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の転写配線の寸法関係とは必ずしも一致するものではない。また、図3ないし図5に示す基板、膜、その他の部材のうち、図1および図2で示したものと同一のものについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
版基板上に配線パターンを形成する工程では、まず図3Aに示すように、版基板1の全面に膜厚50nmないし500nmの酸化亜鉛層2を形成する。具体的には、版基板1の全面に脱脂処理を施してから、版基板1を酸化亜鉛を含むメッキ浴に投入することにより、酸化亜鉛層2を無電解メッキ法により形成する。上記の操作によって、図3Aに示すように酸化亜鉛層2が版基板1の全面に均一に形成される。すなわち、一面1aと、この一面1aに対向する他面1bと、側面1cとに酸化亜鉛層2が形成される。
次に、図3Bに示すように、酸化亜鉛層2の全面に膜厚2μm程度の金属銅層3を形成する。具体的には、酸化亜鉛層2の形成後の版基板1を銅のメッキ浴に投入することにより、無電解メッキ法により金属銅層3を形成する。上記の操作によって、図3Bに示すように酸化亜鉛層2の全面に金属銅層3が均一に形成される。金属銅層3の膜厚は2μm程度でよい。
このように、酸化亜鉛層2および金属銅層3が版基板1の全面1a,1b、1cに形成されることで、特に、版基板1の一面1aと、この一面1a上の酸化亜鉛層2aおよび金属銅層3aとの密着性を高めることができる。
次に図3Cに示すように、版基板1の一面1aに形成した金属銅層3a上に、複数のレジスト除去部4aを有するパターン化レジスト層4を形成する。レジスト除去部4aは、図3Cの手前側から奥側に向けて延長形成された溝状に形成されている。また、パターン化レジスト層4の形成後に、第1の実施形態と同様に、アルゴンプラズマの照射や金属銅層に対する軽いエッチングを行っても良い。
次に図3Dに示すように、レジスト除去部4aに複数の金属層からなる積層構造の配線パターン15を電気メッキ法で形成する。配線パターン15の一例の拡大断面図を図4Aに示す。図4Aに示すように、本実施形態の配線パターン15は、金属銅層3上に形成されたAu層21と、Au層21上に積層されたCu層22と、Cu層22上に積層されたNi層23と、Ni層23上に形成されたAu層24とから構成されている。このように本実施形態の配線パターン15は、Cu層22とNi層23の厚み方向両側にAu層21,24が形成されてなるものである。Au層21の膜厚は0.001μm−0.1μmの範囲が好ましく、Cu層22の膜厚は5μm−10μmの範囲が好ましく、Ni層23の膜厚は2μm−4μmの範囲が好ましく、Au層24の膜厚は0.1μm−0.5μmの範囲が好ましい。より具体的には、Au層21を0.03μmとし、Cu層22を10μmとし、Ni層23を2μmとし、Au層24を0.2μmとするとよい。これらの各層はいずれも電気メッキ法で形成される。
なお、配線パターンは図4Aに示した形態に限定されるものではない。例えば図4Bに示すように、Au層26、Ni層27,Cu層28、Ni層29およびAu層30からなる5層構造の配線パターン25を用いても良い。
次に図3Eに示すように、ウエットエッチングによりパターン化レジスト層4を除去する。このようにして、版基板1の全面1a、1b、1cに酸化亜鉛層2および金属銅層3が形成され、更に一面1a上の金属銅層3a上に、所定の形状にパターン化された配線パターン15が形成される。このとき、配線パターン15の最表面にはAu層24が位置することになる。
次に図3Fに示すように、配線パターン15上にICチップ31(電子部品)を実装する。ICチップ31は、チップ本体32と、チップ本体32の下側に備えられた例えば金からなるボールバンプ33(端子)とから概略構成されている。そして、ICチップ31のボールバンプ32を、配線パターン15の最後に積層されたAu層24に押し当てて接合する。ボールバンプ33とAu層24はいずれも材質が金であるため、ICチップ31を配線パターン15に押し当てるだけで両者は容易に接合する。ICチップ31を装着したら、配線パターン15とチップ本体32の間に封止材34を充填する。封止材34の材質としては例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂等を例示できる。
次に、配線パターンおよびICチップ(電子部品)を配線基板に転写する工程について図5を参照して説明する。
まず、図5Aに示すように、貫通孔17を有する配線基板16を用意する。貫通孔17の形成は、例えば金型を用いたパンチングやレーザー加工法を用いることができる。用意した配線基板16の一面16a側および他面16b側に、先に形成した配線パターン15を有する版基板1と、酸化亜鉛層2および金属銅層3のみを形成した版基板41を配置する。このとき、配線基板16の貫通孔17の位置とICチップ31の位置とが重なるように配線基板16と版基板1を位置合わせする。なお、配線基板16には、厚さ50μm程度のガラスエポキシ樹脂板もしくはポリエステル樹脂板などの熱可塑性樹脂板を用いることができる。
更に、配線基板16としてガラスエポキシ樹脂板を用いる場合は、配線基板16に貫通孔もしくは凹部を必ず設けることが好ましい。貫通孔等を設けずにICチップ31等の電子部品を配線基板16に埋め込もうとすると、ガラスエポキシ樹脂に含まれるガラス繊維によってICチップ31が破損するおそれがあるためである。
次に図5Bに示すように、版基板1、41をそれぞれ配線基板16に押し付けて熱プレスする。この熱プレスによって配線基板16が変形し、他面16bに配線パターン15が埋込まれる。同時に、ICチップ31が貫通孔17の内部に挿入される。配線基板16は、その厚み方向からプレスされることにより薄板状に変形する。この変形に伴って、図5Bに示すように、貫通孔17およびICチップ31の間の隙間に配線基板16の構成材料16cが押し出されてこの隙間に充填される。配線基板16がガラスエポキシ樹脂からなる場合は、基板からエポキシ樹脂のみが押し出されてこの隙間に充填される。このようにして、ICチップ31が配線基板16の内部に完全に埋め込まれる。熱プレス時の温度は、配線基板16の材質にもよるが、140〜180℃の範囲が好ましい。また熱プレスの圧力は15〜25Pa程度が好ましい。さらにプレス時間は30〜50分程度が好ましい。このようにして、配線パターン15およびICチップ31が配線基板16に転写される。
次に第1の実施形態の場合と同様にして、図5Cに示すように各版基板1、41と配線基板16との間に応力を与えて配線基板16から版基板1、41を剥離させ、その後、配線基板16に残存する酸化亜鉛層および金属銅層をウエットエッチングにより除去する。版基板1側の金属銅層には一部に配線パターン15が積層されており、金属銅層の除去に伴って配線パターン15にもエッチング液が接触することになるが、配線パターン15を構成する金属層の中で金属銅層に接しているのはAu層21なので、このAu層21によって配線パターン15のエッチングが防止される。本実施形態ではこのようにして配線パターン15が保護され、エッチング液による配線パターン15の腐食が防止されて、配線パターン15の線幅の減少を防止することができる。
以上のようにして、配線基板16の一面16aに配線パターン15が埋込まれて転写配線10が形成される。また、配線基板16の内部に、転写配線10に接続されたICチップ31が埋め込まれる。
本実施形態の転写配線の製造方法によれば、第1の実施形態における効果と同様の効果が得られるとともに、更に以下の効果が得られる。すなわち、本実施形態では、配線パターン15上にICチップ31を実装してから配線基板16に転写するので、配線基板16内にICチップ31を埋め込ませることができ、配線基板16の薄板化を図ることができる。また、配線パターン15を構成する金属層のうち、最後に積層する層をAu層24とすることで、配線パターン15とICチップ31との導通を容易に確保できる。特に、ボールバンプや金線ボンドといった導通確保の手段を容易に採用することができる。更に、配線パターン15を構成する金属層のうち、金属銅層に接する層をAu層21とすることによって、酸化亜鉛層および金属銅層のエッチング除去の際にこのAu層21が保護層となり、配線パターン15の線幅の減少を防止することができる。これにより、従来の転写法では不可能であった10μm/10μmのラインアンドスペース(L/S)を実現することができる。
また本実施形態の製造法において、硬質の版基板上に配線パターンを形成し、更に電子部品を配線パターンに接合させてから、これらを樹脂材料からなる転写基板に転写することにより、版基板が撓んで配線パターンが変形したり割れたりすることがない。これにより、従来の樹脂系基板では採用できなかったAu−Au接合による電子部品のフリップ実装を実現することができる。
なお本実施形態では、一方の版基板1のみに配線パターン15を形成した例について説明したが、本実施形態はこれに限るものではない。たとえば、図6に示すように、版基板1に配線パターン15とICチップ31(電子部品)を実装するともに、もう一方の版基板51にも配線パターン55を形成し(図6A)、各版基板1、51を配線基板16に熱プレスさせ(図6B)、続いて版基板1,51を剥離させるとともに金属銅層および酸化亜鉛層をエッチングすることにより、配線基板16内部にICチップ31が埋め込まれるとともに、配線基板16の一面16aおよび他面16bの両方に配線パターン15,55が埋め込まれてなる配線基板を得ることができる(図6C)。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
まず、厚さ700μmのガラス基板(版基板)を用意し、この版基板を脱脂処理してから酸化亜鉛のメッキ浴に浸積させて、ガラス基板の全面に膜厚20nmないし600nmの酸化亜鉛層2を形成した。次に、酸化亜鉛層を形成済みのガラス基板を、銅のメッキ浴に浸積させて、膜厚2μmの金属銅層を酸化亜鉛層の全面に形成した。
次に、版基板の一面側の金属銅層に対し、スピンコート法で膜厚10μmのレジスト層を積層した。このレジスト層にマスクを重ねて露光、現像することで、幅100μmの溝状のレジスト除去部を複数有するパターン化レジスト層とした。レジスト除去部同士の間隔は100μmとした。
次に、硫酸銅等を含むメッキ液をレジスト除去部内の金属銅層に接触させてから、金属銅層に直流電流を印加することによりCuメッキを行い、厚みが5μmの配線パターンを形成した。
次に、配線基板として厚さ50μmのエポキシ樹脂板を用意し、このエポキシ樹脂板の一面上に配線パターンを有するガラス基板を配置させた。そして、ガラス基板をエポキシ樹脂板に押し付けて、180℃、50分の条件で熱プレスを行い、エポキシ樹脂板の一面に配線パターンを埋込んだ。
次にガラス基板とエポキシ樹脂板との間に応力を与えてガラス基板とエポキシ樹脂板を剥離させた。このようにして、エポキシ樹脂板に配線パターンが埋込まれてなる転写配線を製造した。
ガラス基板の一面上に酸化亜鉛層および金属銅層が残存していないかを目視および光学顕微鏡で観察した。また、転写された配線パターンの状態も目視および光学顕微鏡で観察した。一面上に酸化亜鉛層および金属銅層が残存していない場合は酸化亜鉛層および金属銅層の剥離性が良好と評価した。また配線パターンに割れや欠けが見られない場合は酸化亜鉛層および金属銅層の接着性が良好と評価した。酸化亜鉛層の膜厚ごとの評価結果を下記表1に示す。
Figure 2005303260
表1に示すように、実験例2ないし7については、酸化亜鉛層の膜厚を50nmないし500nmの範囲に設定したため、配線パターンの形成時に酸化亜鉛層の割れによる配線パターンの損傷がみられず、版基板と酸化亜鉛層との接着性が良好であった。また、実験例2ないし7については、配線版基板への転写の際に、版基板の一面上に形成された酸化亜鉛層がほとんど全部配線版基板側に転写されており、基板と酸化亜鉛層との剥離性も良好であった。
一方、実験例1については、酸化亜鉛層の膜厚が20nmと薄いため、配線パターンの形成工程時に酸化亜鉛層が割れてしまい、配線基板への転写する前に配線パターンの一部が損傷してしまった。このように実験例1では、版基板と酸化亜鉛層との密着性が不良であった。
また、実験例8については、酸化亜鉛層の膜厚が600nmと厚すぎたため、配線基板から剥離させる際に、酸化亜鉛層が膜厚方向に分断されてしまい、版基板の一面にも酸化亜鉛層の一部が残存してしまった。このように実験例8では、版基板と酸化亜鉛層との剥離性が不良であった。
また、ガラス基板に代えて、膜厚が100μm程度の熱酸化膜(酸化ケイ素膜)を全面に備えたシリコン基板を用いた場合も、上記と同様な結果が得られた。
更に、ガラス基板に代えて、膜厚が100μm程度のスパッタ膜(酸化ケイ素膜)を全面に備えた樹脂基板を用いた場合も、上記と同様な結果が得られた。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本実施形態では配線基板の両面に配線パターンを転写させたが、配線基板の一面または他面のいずれか一方のみに配線パターンを転写させてもよい。また、レジスト除去部の形状は溝状に限らず、下地の金属銅層が露出される形状であれば、どのような形状でもよい。これに伴い、配線パターンの形状についても図1および図2において図示した形状に限定されるものではない。
図1は本発明の第1の実施形態である転写配線の製造方法を説明する工程図。 図2は本発明の第1の実施形態である転写配線の製造方法を説明する工程図。 図3は本発明の第2の実施形態である転写配線の製造方法を説明する工程図。 図4は本発明の第2の実施形態である転写配線の製造方法における配線パターンの断面模式図。 図5は本発明の第2の実施形態である転写配線の製造方法を説明する工程図。 図6は本発明の第2の実施形態の転写配線の製造方法の他の例を説明する工程図。
符号の説明
1…版基板、1a…一面、2…酸化亜鉛層、3…金属銅層、3a…一面上の金属銅層、4a…レジスト除去部、5、15…配線パターン、6、16…配線基板

Claims (13)

  1. 版基板の全面に酸化亜鉛層および金属銅層を順次積層し、前記版基板の一面上の前記金属銅層にレジスト層を積層し、前記レジスト層にマスクを重ねて露光、現像することにより前記レジスト層にレジスト除去部を設け、前記レジスト除去部の底面に露出した前記金属銅層上に配線パターンをメッキ形成し、形成された前記配線パターンを配線基板に転写することを特徴とする転写配線の製造方法。
  2. 前記配線パターンを前記配線基板内部に埋込んで転写することを特徴とする請求項1に記載の転写配線の製造方法。
  3. 前記配線パターンを転写してから前記版基板を前記配線基板から剥離し、前記配線パターンとともに前記配線基板上に転写された前記酸化亜鉛層および前記金属銅層をエッチングにより除去することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の転写配線の製造方法。
  4. 前記酸化亜鉛層の膜厚が50nm以上500nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の転写配線の製造方法。
  5. 前記配線パターンが、複数の金属層を順次積層した積層構造であり、前記金属銅層に接する金属層がAu層であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の転写配線の製造方法。
  6. 前記配線パターンを転写する前に、前記配線パターン上に電子部品を実装することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の転写配線の製造方法。
  7. 前記配線パターンを構成する金属層のうち、最後に積層する金属層がAu層であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の転写配線の製造方法。
  8. 前記配線パターンを前記転写基板に転写する際に、予め前記転写基板に凹部若しくは貫通孔を設け、前記凹部または前記貫通孔に前記電子部品が収納されるように前記版基板と前記配線基板を位置合わせしてから転写することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の転写配線の製造方法。
  9. 前記版基板が硬質基板であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の転写配線の製造方法。
  10. 前記版基板の全面が酸化膜付きシリコンウエーハで形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の転写配線の製造方法。
  11. 前記配線基板が熱可塑性樹脂またはガラスエポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の転写配線の製造方法。
  12. 前記配線基板が誘電体からなることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の転写配線の製造方法。
  13. 前記版基板が誘電体からなることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の転写配線の製造方法。

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