JP2005303084A - 露光装置、露光装置の製造方法、露光装置の調整方法及びマイクロデバイスの製造方法 - Google Patents

露光装置、露光装置の製造方法、露光装置の調整方法及びマイクロデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 感光性基板上における所定の方向の光学特性と所定の方向に直交する方向の光学特性との差を解消することができる露光装置を提供する。
【解決手段】 照明光学系を介して照明されたマスクMのパターンを感光性基板W上に露光する露光装置において、前記照明光学系は、極端紫外光を反射させて前記マスクMへ導く複数の反射部材6,8,10,12と、前記マスクM面または前記感光性基板W面での露光特性を改善するために、互いに交差する二方向に偏光する前記極端紫外光の二つの偏光成分の強度を調整する偏光調整手段4とを備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、半導体素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスをリソグラフィ工程で製造するための露光装置、該露光装置の製造方法、該露光装置の調整方法及び該露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法に関するものである。
マイクロデバイスの一つである液晶表示素子は、通常、ガラス基板(プレート)上に透明薄膜電極をフォトリソグラフィの手法で所望の形状にパターニングして、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子及び電極配線を形成して製造される。このフォトリソグラフィの手法を用いた製造工程では、マスク上に形成された原画となるパターンを、投影光学系を介してフォトレジスト等の感光剤が塗布された感光性基板上に投影露光する投影露光装置が用いられている。
近年、半導体集積回路の高集積化、高密度化を実現するために、回路の線幅を更に細く、又は、パターンを更に精細にする必要がある。そのため、投影露光装置において解像度の向上が要求されている。投影露光装置において解像度を上げるために、露光光源波長としては、これまでに水銀灯(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)等が実用化されており、より解像度を上げるために更なる短波長化が進んでいる。
ここで、露光光源として波長が157nmより短い光(例えば、EUV光)を用いてマスクのパターン像を感光性基板上に投影露光する場合、短波長の光に対して高い透過率を有する硝材が限定されていることから、投影露光装置は反射型の光学系により構成される。反射型の光学系としては、一般的に、多層膜間での干渉を利用した多層膜反射鏡(反射率約70%)、あるいはEUV光に対する物質の屈折率が1より小さいことを利用した斜入射型の反射ミラー(反射面としてルテニウム(Ru)またはモリブデン(Mo)を用いて光の斜入射角度を15度以下にした場合、反射率約80%)等が用いられる。
ところで、上述の多層膜反射鏡及び斜入射型の反射ミラーを用いた場合、光のS偏光成分の反射率とP偏光成分の反射率が異なるため、上述の多層膜反射鏡及び斜入射型の反射ミラーにより反射された露光光のS偏光成分の強度とP偏光成分の強度との間に差が発生する。従って、光源から射出された露光光のS偏光及びP偏光成分の強度が同一であっても、感光性基板上に到達する露光光のS偏光及びP偏光成分の強度に差が生じるため、感光性基板上における互いに直交した方向での光学特性(解像力やコントラスト等)に違いが発生するという問題があった。
従来、露光光のS偏光とP偏光成分との間の強度差により生じる感光性基板上における互いに直交した方向での光学特性(解像力やコントラスト等)の差を解消するために、複屈折部材を備え、この複屈折部材を回転させることにより露光光のS偏光とP偏光成分との間の強度差を打ち消すことができる露光装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、露光光のS偏光とP偏光成分との間の強度差により生じる感光性基板上における所定の方向の解像力と所定の方向と直交する方向の解像力との違いを解消するために、予めオフセットとして露光光のS偏光とP偏光成分との間に強度差を与える露光装置が提案されている。即ち、入射面に対して光が入射する入射角度により光のS偏光成分の反射率とP偏光成分の反射率が異なること(入射面に対して光が約45度で入射した場合にはP偏光成分の反射率は極小となること等)を利用して露光光のS偏光とP偏光成分との間の強度差を発生させていた。
特開2000−114157号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている露光装置においては、露光光のS偏光とP偏光成分との間の強度差を打ち消すために複屈折部材を用いているため、EUV光を露光光とする反射型の光学系により構成される露光装置に使用することができない。
また、上述の予めオフセットとして露光光のS偏光とP偏光成分との間に強度差を与える露光装置においては、露光光のS偏光とP偏光成分との間の強度差を発生させるためにS偏光またはP偏光成分の光量を制限するため、露光光の光量の減少が大きくなる。更に、露光光のS偏光とP偏光成分との間の強度差を発生させるために用いられる偏光素子は吸収した露光光により損傷を受けるため、その光学性能を長期間維持することができず、定期的に交換する必要がある。この露光光の光量のロス及び偏光素子の短寿命化は、投影露光装置のスループットの低下を招くと共にランニングコストが高くなる要因となる。
また、S偏光とP偏光成分との間の強度差だけでなく、照明光学系の瞳面での光強度分布及び瞳形状の変化等によっても、感光性基板上における所定の方向の解像力と所定の方向と直交する方向の解像力に違いが生じる。更には、S偏光とP偏光成分との間の強度差や照明光学系の瞳面での光強度分布及び瞳形状の変化等の光学的要因だけでなく、機械的な誤差などの非光学的要因によっても解像力に差が生じる。
この発明の課題は、感光性基板上における所定の方向の光学特性(解像力やコントラスト等)と所定の方向に直交する方向の光学特性(解像力やコントラスト等)との差を解消することができる露光装置、該露光装置の製造方法、該露光装置の調整方法及び該露光装置を用いた露光方法を提供することである。
請求項1記載の露光装置は、照明光学系を介して照明されたマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光装置において、前記照明光学系は、極端紫外光を反射させて前記マスクへ導く複数の反射部材と、前記マスク面または前記感光性基板面での露光特性を改善するために、互いに交差する二方向に偏光する前記極端紫外光の二つの偏光成分の強度を調整する偏光調整手段とを備えることを特徴とする。
この請求項1記載の露光装置によれば、マスク面または感光性基板面での露光特性を改善するために、互いに交差する二方向に偏光する極端紫外光の二つの偏光成分の強度を調整する偏光調整手段を備えているため、極端紫外光の二つの偏光成分の強度差を自由(任意)に設定することができる。即ち、反射部材に対して異なる反射率を有する極端紫外光の二つの偏光成分が複数の反射部材を介すことにより発生する二つの偏光成分の強度差を調整することができる。従って、反射部材を介すことにより発生する互いに異なる極端紫外光の二方向に偏光する二つの偏光成分の強度差を要因として生じる感光性基板上における所定の方向と所定の方向と交差する方向での光学特性(解像力やコントラスト等)の違いの発生を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項2記載の露光装置は、前記互いに交差する二方向に偏光する前記極端紫外光の二つの偏光成分の強度の少なくとも一方を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された検出結果に基づいて、前記偏光調整手段の調整量を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
この請求項2記載の露光装置によれば、互いに交差する二方向に偏光する極端紫外光の二つの偏光成分の強度の少なくとも一方を検出する検出手段及び検出手段により検出された検出結果に基づいて偏光調整手段の調整量を制御する制御手段を備えているため、複数の反射部材を介すことにより発生する互いに異なる二方向に偏光する極端紫外光の二つの偏光成分の強度差を確実に調整することができる。従って、感光性基板上における所定の方向と所定の方向と交差する方向での光学特性(解像力やコントラスト等)の違いの発生を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項3記載の露光装置は、前記偏光調整手段が少なくとも2つの調整用反射部材を含むことを特徴とする。
また、請求項4記載の露光装置は、前記少なくとも2つの調整用反射部材が互いに異なる反射偏光特性を有することを特徴とする。
この請求項3及び請求項4記載の露光装置によれば、偏光調整手段が互いに異なる反射偏光特性を有する少なくとも2つの調整用反射部材を備えているため、従来の露光装置が備える偏光調整手段と比較して極端紫外光の光量の減少を抑えることができ、照明光学系が備える複数の反射部材を介すことにより発生する互いに交差する二方向に偏光する極端紫外光の二つの偏光成分の強度差を良好に調整することができる。従って、感光性基板上における所定の方向と所定の方向と交差する方向での光学特性(解像力やコントラスト等)の違いの発生を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項5記載の露光装置は、前記偏光調整手段が前記互いに交差する二方向に偏光する前記極端紫外光の二つの偏光成分としてのP偏光及びS偏光のうちのP偏光の強度を相対的に強くするように設定されることを特徴とする。
この請求項5記載の露光装置によれば、偏光調整手段が互いに交差する二方向に偏光する極端紫外光のP偏光の強度をS偏光の強度に対して強くするように設定されるため、S偏光に対して反射部材に対する反射率が低いP偏光が複数の反射部材を介すことにより発生するS偏光との間の強度差を良好に調整することができる。従って、反射部材を介すことにより発生するS偏光とP偏光との間の強度差を要因として生じる感光性基板上における互いに交差する二方向での光学特性(解像力やコントラスト等)の違いの発生を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項6記載の露光装置は、前記マスクのパターン像を前記感光性基板上に投影する投影光学系を含み、前記投影光学系は、複数の結像用反射部材を含むことを特徴とする。この請求項6記載の露光装置によれば、複数の結像用反射部材を含む投影光学系を備えているため、透過屈折部材を透過しない極端紫外光を確実に感光性基板上に導くことができる。
また、請求項7記載の露光装置は、複数の反射部材を含む露光光学系を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光装置において、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整手段と、前記感光性基板面での前記露光光学系の光学特性を計測する第1計測手段と、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を計測する第2計測手段と、前記第1計測手段及び第2計測手段により計測された計測結果に基づいて、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整量を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記調整量に基づいて、前記調整手段を駆動する駆動手段とを備えることを特徴とする。
この請求項7記載の露光装置によれば、感光性基板面での露光光学系の光学特性、並びに露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の計測結果に基づいて、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整することができる。即ち、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の歪みを要因とする感光性基板面での露光光学系の光学特性の悪化を補正することができる。従って、感光性基板面での露光光学系の光学特性の悪化により生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項8記載の露光装置は、前記第1計測手段が前記感光性基板面における互いに交差する二方向での前記露光光学系の光学特性を計測することを特徴とする。この請求項8記載の露光装置によれば、感光性基板面における互いに交差する二方向での露光光学系の光学特性を計測する第1計測手段を備えているため、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の歪みを要因とする感光性基板面における互いに交差する二方向での露光光学系の光学特性の悪化を補正することができる。従って、感光性基板面における互いに交差する二方向での露光光学系の光学特性の悪化により生じる感光性基板上における所定の方向と所定の方向と交差する方向との解像力やコントラスト等の違いの発生を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項9記載の露光装置は、マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン像を感光性基板上に投影する投影光学系とを有する露光装置において、照明条件を変更するために、前記照明光学系の瞳面での光強度分布及び前記照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を変更する変更手段と、前記変更手段により変更された前記照明条件に応じて変化する前記投影光学系の結像性能を調整する調整手段とを備えることを特徴とする。
この請求項9記載の露光装置によれば、照明条件の変更に応じて変化する投影光学系の結像性能を調整する調整手段を備えているため、照明条件の変更による照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の変化を要因とする投影光学系の結像性能の悪化を補正することができる。従って、投影光学系の結像性能の悪化により生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項10記載の露光装置は、前記調整手段が前記照明光学系の瞳面での光強度分布及び前記照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に対して非対称成分を付与することを特徴とする。
この請求項10記載の露光装置によれば、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に対して非対称成分を付与することにより調整を行うため、照明条件の変更に伴う照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の非対称な変化を要因とする投影光学系の結像性能の悪化を補正することができる。従って、投影光学系の結像性能の悪化により生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項11記載の露光装置は、前記調整手段が前記照明光学系の瞳面での光強度分布及び前記照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に対して前記照明光学系の瞳面における互いに交差する二方向での比率を変化させることを特徴とする。例えば、前記調整手段が前記照明光学系の瞳面での光強度分布や前記照明光学系の瞳面での形状に関する大きさや径の比率を変化させることであり、一例としては、前記調整手段が前記照明光学系の瞳面での光強度分布や前記照明光学系の瞳面での形状のアスペクト比を変えて楕円状に変形させることである。
この請求項11記載の露光装置によれば、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に対して照明光学系の瞳面における互いに交差する二方向での比率を変化させることにより調整を行うため、照明条件の変更に伴う照明光学系の瞳面における互いに交差する二方向での比率の変化による照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の変化を要因とする投影光学系の結像性能の悪化を補正することができる。従って、投影光学系の結像性能の悪化により生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項12記載の露光装置は、露光光学系を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光装置において、照明条件を変更するために、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を変更する変更手段と、前記変更手段により変更された前記照明条件に応じて変化する前記露光光学系の前記感光性基板面での光学特性を調整する調整手段とを備えることを特徴とする。
この請求項12記載の露光装置によれば、照明条件の変更に応じて変化する露光光学系の感光性基板面での光学特性を調整する調整手段を備えているため、照明条件の変更による露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の変化を要因とする露光光学系の感光性基板面での光学特性の悪化を補正することができる。従って、露光光学系の光学特性の悪化により生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項13記載の露光装置は、前記照明条件に応じた前記露光光学系の前記感光性基板面での光学特性を記憶する第1記憶手段と、前記照明条件に応じた前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に関する情報を記憶する第2記憶手段と、前記第1記憶手段により記憶されている前記照明条件に応じた前記露光光学系の前記感光性基板面での光学特性及び前記第2記憶手段に記憶されている前記照明条件に応じた前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に関する情報に基づいて、前記変更手段により変更された前記照明条件に対応する前記露光光学系の前記感光性基板面での光学特性の調整量を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記調整量に基づいて、前記調整手段を駆動する駆動手段とを備えることを特徴とする。
この請求項13記載の露光装置によれば、各照明条件に応じた感光性基板面での光学特性並びに露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に関する情報に基づいて、露光光学系の感光性基板面での光学特性を調整する調整手段を備えている。従って、照明条件の変更による露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の変化を要因とする露光光学系の感光性基板面での光学特性の悪化を補正することができるため、露光光学系の光学特性の悪化により生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項14記載の露光装置は、露光光学系を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光装置において、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整手段と、前記露光光学系の光学的要因にて引き起こされる前記感光性基板面における互いに交差する2方向での前記露光光学系の光学性能の差の情報を記憶する第1記憶手段と、前記露光光学系の非光学的要因にて引き起こされる前記感光性基板面における互いに交差する2方向での前記露光光学系の光学性能の情報を記憶する第2記憶手段と、前記第1記憶手段に記憶されている前記露光光学系の前記光学的要因による前記露光光学系の光学性能の差の情報及び前記第2記憶手段に記憶されている前記露光光学系の前記非光学的要因による前記露光光学系の光学性能の差の情報に基づいて、前記露光光学系の前記光学性能の差を補正するための前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整量を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記調整量に基づいて、前記調整手段を駆動する駆動手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項15記載の露光装置は、前記算出手段が前記光学的要因による前記露光光学系の光学性能の差と前記非光学的要因による前記露光光学系の光学性能の差との重み付けを行い、前記調整量を算出することを特徴とする。
この請求項14及び請求項15記載の露光装置によれば、光学的要因による露光光学系の光学性能の差及び非光学的要因による露光光学系の光学性能の差に基づいて、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整手段を備えているため、光学的要因及び非光学的要因により生じる感光性基板上での所定の方向における露光光学系の光学性能と感光性基板上での所定の方向と交差する方向における露光光学系の光学性能との差を補正することができる。なお、非光学的要因として機械的誤差を示したが、その中には露光時に於けるスキャン(走査)の不具合に起因するものも当然の如く含まれ、さらには、露光光学系を構成する光学部品の熱的変形を引き起こす熱的要因によるものも含まれる。従って、感光性基板上での所定の方向における露光光学系の光学性能と感光性基板上での所定の方向と交差する方向における露光光学系の光学性能との差により生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の違いの発生を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項16記載の露光装置は、マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン像を感光性基板上に投影する投影光学系とを有する露光装置において、前記投影光学系の瞳面の状態を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された前記投影光学系の瞳面の状態に応じて前記照明光学系の瞳面での光強度分布及び前記照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整手段とを備えることを特徴とする。
この請求項16記載の露光装置によれば、投影光学系の瞳面の状態に応じて照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整手段を備えているため、投影光学系の瞳面の状態の変更を要因とする照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の歪みを補正することができる。従って、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の歪みにより生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の悪化を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項17記載の露光装置は、前記調整手段が少なくとも2つの調整用反射部材を含み、前記少なくとも2つの調整用反射部材は、相対的な間隔可変及び相対的な回転の少なくとも一方が可能であることを特徴とする。
この請求項17記載の露光装置によれば、相対的な間隔可変及び相対的な回転の少なくとも一方が可能である少なくとも2つの調整用反射部材を有する調整手段を備えているため、調整手段を交換することなく、露光光学系の光学特性、投影光学系の結像性能または照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整を容易に行うことができる。
また、請求項18記載の露光装置は、前記少なくとも2つの調整用反射部材が互いに直交した方向で異なる曲率を有することを特徴とする。
この請求項18記載の露光装置によれば、2つの調整用反射部材が互いに直交した方向で異なる曲率を有しているため、調整手段を交換することなく、露光光学系の光学特性、投影光学系の結像性能または照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整を容易に行うことができる。
また、請求項19記載の露光装置の製造方法は、複数の反射部材を含む露光光学系を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光装置の製造方法において、前記感光性基板面での前記露光光学系の光学特性を計測する第1計測工程と、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を計測する第2計測工程と、前記第1計測工程及び前記第2計測工程により計測された計測結果に基づいて、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整量を算出する算出工程と、前記算出工程により算出された前記調整量に基づいて、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整工程とを含むことを特徴とする。
この請求項19記載の露光装置の製造方法によれば、感光性基板面での露光光学系の光学特性、並びに露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の計測結果に基づいて、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整することができる。即ち、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の歪みを要因とする感光性基板面での露光光学系の光学特性の悪化を補正することができる。従って、この製造方法により製造された露光装置によれば、感光性基板面での露光光学系の光学特性の悪化により生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項20記載の露光装置の製造方法は、露光光学系を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光装置の製造方法において、前記露光光学系の光学的要因にて引き起こされる前記感光性基板面における互いに交差する2方向での前記露光光学系の光学性能の差の情報を取得する第1取得工程と、前記露光光学系の非光学的要因にて引き起こされる前記感光性基板面における互いに交差する2方向での前記露光光学系の光学性能の差の情報を取得する第2取得工程と、前記第1取得工程により取得された前記露光光学系の前記光学的要因による前記露光光学系の光学性能の差の情報及び前記第2取得工程により取得された前記露光光学系の前記非光学的要因による前記露光光学系の光学性能の差の情報に基づいて、前記露光光学系の前記光学性能の差を補正するための前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整量を算出する算出工程と、前記算出工程により算出された前記調整量に基づいて、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整工程とを含むことを特徴とする。
また、請求項21記載の露光装置の製造方法は、前記算出工程が前記光学的要因による前記露光光学系の光学性能の差と前記非光学的要因による前記露光光学系の光学性能の差との重み付けを行い、前記調整量を算出する工程を含むことを特徴とする。
この請求項20及び請求項21記載の露光装置の製造方法によれば、光学的要因による露光光学系の光学性能の差及び非光学的要因による露光光学系の光学性能の差に基づいて、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整工程を含むため、光学的要因及び非光学的要因により生じる感光性基板上での所定の方向における露光光学系の光学性能と感光性基板上での所定の方向と交差する方向における露光光学系の光学性能との差を補正することができる。従って、この製造方法により製造された露光装置によれば、感光性基板上での所定の方向における露光光学系の光学性能と感光性基板上での所定の方向と交差する方向における露光光学系の光学性能との差により生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の違いの発生を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項22記載の露光装置の製造方法は、前記調整工程が互いに直交した方向で異なる曲率を有すると共に、相対的な間隔可変及び相対的な回転が可能である少なくとも2つの調整用反射部材を用いて調整する工程を含むことを特徴とする。
この請求項22記載の露光装置の製造方法によれば、互いに直交した方向で異なる曲率を有すると共に、相対的な間隔可変及び相対的な回転の少なくとも一方が可能である少なくとも2つの調整用反射部材を用いて調整を行う。従って、調整工程に用いる調整用反射部材を交換することなく、露光光学系の結像性能または露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整を容易に行うことができる。
また、請求項23記載の露光装置の調整方法は、マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン像を感光性基板上に投影する投影光学系とを有する露光装置の調整方法において、照明条件を変更するために、前記照明光学系の瞳面での光強度分布及び前記照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を変更する変更工程と、前記変更工程により変更された前記照明条件に応じて変化する前記投影光学系の結像性能を調整する調整工程と
を含むことを特徴とする。
この請求項23記載の露光装置の調整方法によれば、照明条件の変更に応じて変化する投影光学系の結像性能を調整する調整工程を含むため、照明条件の変更による照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の変化を要因とする投影光学系の結像性能の悪化を補正することができる。従って、この調整方法により調整された露光装置によれば、投影光学系の結像性能の悪化により生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項24記載の露光装置の調整方法は、露光光学系を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光装置の調整方法において、照明条件を変更するために、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を変更する変更工程と、前記変更工程により変更された前記照明条件に応じて変化する前記露光光学系の前記感光性基板面での光学特性を調整する調整工程とを含むことを特徴とする。
この請求項24記載の露光装置の調整方法によれば、照明条件の変更に応じて変化する露光光学系の感光性基板面での光学特性を調整する調整工程を含むため、照明条件の変更による露光光学系の感光性基板面での光学特性の悪化を補正することができる。従って、この調整方法により調整された露光装置によれば、露光光学系の感光性基板面での光学特性の悪化により生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項25記載の露光装置の調整方法は、マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン像を感光性基板上に投影する投影光学系とを有する露光装置の調整方法において、前記投影光学系の瞳面の状態を設定する設定工程と、前記設定工程により設定された前記投影光学系の瞳面の状態に応じて前記照明光学系の瞳面での光強度分布及び前記照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整工程とを含むことを特徴とする。
この請求項25記載の露光装置の調整方法によれば、投影光学系の瞳面の状態に応じて照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整工程を含むため、投影光学系の瞳面の状態の変更を要因とする照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の歪みを補正することができる。従って、この調整方法により調整された露光装置によれば、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の歪みにより生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の悪化を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項26記載の露光装置の調整方法は、前記調整工程が互いに直交した方向で異なる曲率を有すると共に、相対的な間隔可変及び相対的な回転の少なくとも一方が可能である少なくとも2つの調整用反射部材を用いて調整する工程を含むことを特徴とする。
この請求項26記載の露光装置の調整方法によれば、互いに直交した方向で異なる曲率を有すると共に、相対的な間隔可変及び相対的な回転の少なくとも一方が可能である少なくとも2つの調整用反射部材を用いて調整を行う。従って、調整工程に用いる調整用反射部材を交換することなく、投影光学系の結像性能、露光光学系の感光性基板面での光学特性または照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整を容易に行うことができる。
また、請求項27記載のマイクロデバイスの製造方法は、請求項1乃至請求項18の何れか一項に記載の露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法であって、マスクのパターン像を感光性基板上に露光する露光工程と、前記露光工程により露光された感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とする。
この請求項27記載のマイクロデバイスの製造方法によれば、請求項1乃至請求項18の何れか一項に記載の露光装置を用いて露光を行うため、感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項28記載のマイクロデバイスの製造方法は、請求項19乃至請求項22の何れか一項に記載の露光装置の製造方法を用いて製造された露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法であって、感光性基板上にマスクのパターン像を露光する露光工程と、前記露光工程により露光された感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とする。
この請求項28記載のマイクロデバイスの製造方法によれば、請求項19乃至請求項22の何れか一項に記載の露光装置の製造方法により製造された露光装置を用いて露光を行うため、感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、請求項29記載のマイクロデバイスの製造方法は、請求項23乃至請求項26の何れか一項に記載の露光装置の調整方法を用いて調整された露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法であって、感光性基板上にマスクのパターン像を露光する露光工程と、前記露光工程により露光された感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とする。
この請求項29記載のマイクロデバイスの製造方法によれば、請求項23乃至請求項26の何れか一項に記載の露光装置の調整方法により調整された露光装置を用いて露光を行うため、感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
この発明の露光装置によれば、マスク面または感光性基板面での露光特性を改善するために、互いに交差する二方向に偏光する極端紫外光の二つの偏光成分の強度を調整する偏光調整手段を備えているため、極端紫外光の二つの偏光成分の強度差を所望の値に自由(任意)に設定することができる。即ち、反射部材に対して異なる反射率を有する極端紫外光の二つの偏光成分が複数の反射部材を介すことにより発生する二つの偏光成分の強度差を調整することができる。従って、反射部材を介すことにより発生する互いに異なる極端紫外光の二方向に偏光する二つの偏光成分の強度差を要因として生じる感光性基板上における所定の方向と所定の方向と交差する方向との光学特性(解像力やコントラスト等)の違いの発生を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、この発明の露光装置によれば、感光性基板面での露光光学系の光学特性、並びに露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の計測結果に基づいて、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整することができる。即ち、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の歪みを要因とする感光性基板面での露光光学系の光学特性の悪化を補正することができる。
また、照明条件の変更に応じて変化する投影光学系の結像性能または露光光学系の感光性基板面での光学特性を調整する調整手段を備えているため、照明条件の変更による露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の変化を要因とする投影光学系の結像性能の悪化を補正することができる。
また、各照明条件に応じた感光性基板面での光学特性、並びに露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に関する情報に基づいて、露光光学系の感光性基板面での光学特性を調整する調整手段を備えているため、照明条件の変更による露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の変化を要因とする露光光学系の感光性基板面での光学特性の悪化を補正することができる。
また、光学的要因による露光光学系の光学性能の差及び非光学的要因による露光光学系の光学性能の差に基づいて、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整手段を備えているため、光学的要因及び非光学的要因により生じる感光性基板上での所定の方向における露光光学系の光学性能と感光性基板上での所定の方向と交差する方向における露光光学系の光学性能との差を補正することができる。
また、投影光学系の瞳面の状態に応じて照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整手段を備えているため、投影光学系の瞳面の状態の設定の一例としての投影光学系の瞳面の変更等を要因とする照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の歪みを補正することができる。従って、感光性基板上における解像力やコントラスト等の悪化を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、この発明の露光装置の製造方法によれば、感光性基板面での露光光学系の光学特性並びに露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の計測結果に基づいて、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整することができる。従って、この発明の製造方法により製造された露光装置によれば、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の歪みを要因とする感光性基板面での露光光学系の光学特性の悪化を補正することができる。
また、光学的要因による露光光学系の光学性能の差及び非光学的要因による露光光学系の光学性能の差に基づいて、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整工程を含むため、光学的要因及び非光学的要因により生じる感光性基板上での所定の方向における露光光学系の光学性能と感光性基板上での所定の方向と交差する方向における露光光学系の光学性能との差を補正することができる。従って、この発明の製造方法により製造された露光装置によれば、感光性基板上における解像力やコントラスト等の違いの発生を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、この発明の露光装置の調整方法によれば、照明条件の変更に応じて変化する投影光学系の結像性能を調整する調整工程を含むため、照明条件の変更による照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の変化を要因とする投影光学系の結像性能の悪化を補正することができる。また、照明条件の変更に応じて変化する露光光学系の感光性基板面での光学特性を調整する調整工程を含むため、照明条件の変更による露光光学系の感光性基板面での光学特性の悪化を補正することができる。また、投影光学系の瞳面の状態に応じて照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整工程を含むため、投影光学系の瞳面の状態の設定の一例としての投影光学系の瞳面の変更等を要因とする照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の歪みを補正することができる。従って、この発明の調整方法により調整された露光装置によれば、感光性基板上における解像力やコントラスト等の悪化を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、この発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、この発明の露光装置、この発明の露光装置の製造方法により製造された露光装置またはこの発明の露光装置の調整方法により調整された露光装置を用いて露光を行うため、感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
以下、図面を参照して、この発明の第1の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図1は、この第1の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。この投影露光装置は、図1に示すように、約5〜40nmの波長のEUV(extreme ultra violet、極端紫外)光を射出する光源2を備えている。光源2から射出したEUV光は、図示しない放物面鏡等により反射されることにより略平行光束となり、照明光学系が備える偏光調整装置(偏光調整手段)4に入射する。
図2は、偏光調整装置4の概略構成を示す斜視図である。図2に示すように、偏光調整装置4は、マスクM面またはウエハ(感光性基板)W面での光学特性(露光特性)を改善するために、互いに交差する二方向に偏光するEUV光の二つの偏光成分(S偏光成分及びP偏光成分)の強度を調整する2つの斜入射ミラー(調整用反射部材)4a,4bを備えている。光源2から射出したEUV光は、斜入射ミラー4aにより全反射される角度で斜入射ミラー4aに入射する。斜入射ミラー4aにより反射されたEUV光は、斜入射ミラー4bにより全反射される角度で斜入射ミラー4bに入射し、斜入射ミラー4bにより反射される。
ここで、斜入射ミラー4a及び斜入射ミラー4bは、斜入射ミラー4aの反射面R1の法線C1と斜入射ミラー4bの反射面R2の法線C2とが直交する位置に配置されている。また、斜入射ミラー4a,4bは、例えば図3に示すように斜入射ミラー4aの反射面R1の法線C1と斜入射ミラー4bの反射面R2の法線C2とが直交する状態を維持して、斜入射ミラー4a,4bに入射するEUV光の入射角度が変化するように駆動可能に構成されている。また、斜入射ミラー4a,4bは、互いに異なる反射偏光特性を有している。即ち、斜入射ミラー4a及び4bのいずれか一方はEUV光に含まれるS偏光成分及びP偏光成分の反射率が同一である物質、例えば二ケイ化モリブデン(MoSi)により構成され、他方はEUV光に含まれるS偏光成分及びP偏光成分の反射率に差がある物質、例えばルテニウム(Ru)またはモリブデン(Mo)により構成されている。
図4は、斜入射ミラーが二ケイ化モリブデン(MoSi)により構成されている場合におけるEUV光の反射率を示すグラフである。実線はEUV光のS偏光成分の反射率、破線はEUV光のP偏光成分の反射率、一点鎖線はEUV光の非偏光成分の反射率を示している。図4に示すように、EUV光のS偏光成分の反射率、P偏光成分の反射率、非偏光成分の反射率は略同一である。
図5は、斜入射ミラーがルテニウム(Ru)により構成されている場合におけるEUV光の反射率を示すグラフである。実線はEUV光のS偏光成分の反射率、破線はEUV光のP偏光成分の反射率、一点鎖線はEUV光の非偏光成分の反射率を示している。図5に示すように、EUV光のS偏光成分の反射率、P偏光成分の反射率、非偏光成分の反射率は、斜入射角度が約10度から約45度までの間を比較した場合、異なっている。
図6は、斜入射ミラーがモリブデン(Mo)により構成されている場合におけるEUV光の反射率を示すグラフである。実線はEUV光のS偏光成分の反射率、破線はEUV光のP偏光成分の反射率、一点鎖線はEUV光の非偏光成分の反射率を示している。図6に示すように、EUV光のS偏光成分の反射率、P偏光成分の反射率、非偏光成分の反射率は、斜入射角度が約10度から約45度までの間を比較した場合、異なっている。
ここで、斜入射ミラー4aをルテニウムまたはモリブデンにより構成し、斜入射ミラー4bを二ケイ化モリブデン(MoSi)により構成した場合、斜入射ミラー4aに入射したEUV光は、偏光成分Aが反射面R1に対するS偏光成分、偏光成分Bが反射面R1に対するP偏光成分となり、斜入射ミラー4aにより反射される。斜入射ミラー4aがEUV光のS偏光成分の反射率がP偏光成分の反射率より高いルテニウムまたはモリブデンにより構成されているため、斜入射ミラー4aにより反射されたEUV光は、反射面R1に対するS偏光成分の強度がP偏光成分の強度より大きくなる。
斜入射ミラー4aにより反射されて斜入射ミラー4bに入射したEUV光は、偏光成分Aが反射面R2に対するP偏光成分、偏光成分Bが反射面R2に対するS偏光成分となり、EUV光のS偏光成分及びP偏光成分の強度が変化することなく、斜入射ミラー4bにより反射される。従って、光源2から射出されるEUV光のS偏光成分の強度とP偏光成分の強度が同一であって、斜入射ミラー4aの反射面R1に対するS偏光成分がウエハW面に対するS偏光成分となる場合、EUV光のウエハW面に対するS偏光成分の強度がウエハW面に対するP偏光成分の強度より大きくなるように調整することができる。また、光源2から射出されるEUV光のS偏光成分の強度とP偏光成分の強度が同一であって、斜入射ミラー4aの反射面R1に対するS偏光成分がウエハW面に対するP偏光成分となる場合、EUV光のウエハW面に対するP偏光成分の強度がウエハW面に対するS偏光成分の強度より大きくなるように調整することができる。
また、斜入射ミラー4aを二ケイ化モリブデン(MoSi)により構成し、斜入射ミラー4bをモリブデンまたはルテニウムにより構成した場合、斜入射ミラー4aに入射したEUV光は、偏光成分Aが反射面R1に対するS偏光成分、偏光成分Bが反射面R1に対するP偏光成分となり、EUV光のS偏光成分及びP偏光成分の強度が変化することなく、斜入射ミラー4aにより反射される。斜入射ミラー4aにより反射されて斜入射ミラー4bに入射したEUV光は、偏光成分Aが反射面R2に対するP偏光成分、偏光成分Bが反射面R2に対するS偏光成分となり、斜入射ミラー4bにより反射される。斜入射ミラー4bがEUV光のS偏光成分の反射率がP偏光成分の反射率より高いルテニウムまたはモリブデンにより構成されているため、斜入射ミラー4bにより反射されたEUV光は、反射面R2に対するS偏光成分の強度がP偏光成分の強度より大きくなり、斜入射ミラー4bにより反射される。
従って、光源2から射出されるEUV光のS偏光成分の強度とP偏光成分の強度が同一であって、斜入射ミラー4aの反射面R1に対するS偏光成分がウエハW面に対するS偏光成分となる場合、EUV光のウエハW面に対するP偏光成分の強度がウエハW面に対するS偏光成分の強度より大きくなるように調整することができる。また、光源2から射出されるEUV光のS偏光成分の強度とP偏光成分の強度が同一であって、斜入射ミラー4aの反射面R1に対するS偏光成分がウエハW面に対するP偏光成分となる場合、EUV光のウエハW面に対するS偏光成分の強度がウエハW面に対するP偏光成分の強度より大きくなるように調整することができる。
一般的にウエハWに到達するEUV光のウエハWに対するS偏光成分の強度がP偏光成分の強度より大きくなる傾向にあるため、この実施の形態においては、偏光調整装置4は、ウエハWに到達するEUV光のウエハW面に対するP偏光成分の強度を相対的に強くするように設定されている。
偏光調整装置4から射出したEUV光は、略平行光束の状態でオプィカルインテグレータを構成する反射型フライアイ光学系(マスクMへ導く反射部材)6、8へ導かれ、反射型フライアイ光学系6、8を構成する一方の入射側反射型フライアイ光学系(第1アレイ状光学部材)6に入射する。この入射側反射型フライアイ光学系6は、並列に配列された複数の反射素子により構成され、後述する被照射面または露光面としてのマスク(レチクル)Mや感光性基板(ウエハ)Wと光学的に共役な位置またはその近傍に配置されている。入射側反射型フライアイ光学系6に入射したEUV光は、入射側反射型フライアイ光学系6により反射され、反射型フライアイ光学系6、8を構成する他方の射出側反射型フライアイ光学系(第2アレイ状光学部材)8に入射する。この射出側反射型フライアイ光学系8は、並列に配列された複数の反射素子により構成され、照明光学系の瞳面またはその近傍に配置されている。射出側反射型フライアイ光学系8により反射されたEUV光は、コンデンサミラー(マスクMへ導く反射部材)10,12により順次反射されて、所定の回路パターンが形成されている反射型マスクM上を重畳的に均一照明する。
反射型マスクMにより反射されたEUV光は、図示しない複数の結像用反射部材を備える反射型投影光学系PLを介してレジストが塗布された感光性基板としてのウエハW上にマスクMに形成されたパターン像を投影露光する。なお、反射型投影光学系PLの瞳位置もしくはその近傍には、反射型投影光学系PLの開口数を規定する開口絞りASが設けられている。
このように、不図示ではあるが、入射側反射型フライアイ光学系(第1アレイ状光学部材)6に入射したほぼ平行なEUV光は入射側反射型フライアイ光学系6の集光作用により集光され、他方の射出側反射型フライアイ光学系(第2アレイ状光学部材)8の射出面もしくはその近傍には多数の光源像で構成させる2次光源が形成される。この2次光源からの光は後述する反射型投影光学系PLの瞳(又は瞳面)にて再結像して2次光源像が形成され、これにより、所謂、ケーラー照明が達成される。なお、照明光学系の瞳(又は瞳面)は、後述する反射型投影光学系PLの瞳(又は瞳面)と光学的に共役である。
また、ウエハWはウエハホルダ(図示せず)にて固定されており、ウエハステージ(図示せず)に載置されている。ウエハステージには、ウエハWに対するS偏光成分の強度を検出するS偏光強度検出装置(検出手段)14及びウエハWに対するP偏光成分の強度を検出するP偏光強度検出装置(検出手段)16が設けられている。偏光調整装置4による調整量を制御する制御装置(制御手段)18は、S偏光強度検出装置14から出力されるウエハWに対するS偏光成分の強度を示す検出信号及びP偏光強度検出装置16から出力されるウエハWに対するP偏光成分の強度を示す検出信号に基づいて、偏光調整装置4による調整量を算出する。次に、制御装置18は、算出された偏光調整装置4による調整量に基づいて、駆動装置20を介して偏光調整装置4を構成する斜入射ミラー4a,4bを駆動させる。即ち、例えば図3に示すように、斜入射ミラー4aの反射面R1の法線C1と斜入射ミラー4bの反射面R2の法線C2とが直交する状態を維持して、斜入射ミラー4a,4bに入射するEUV光の入射角度が変化するように駆動させ、EUV光のS偏光成分の強度とP偏光成分の強度の調整を行う。
ここで、互いに直交した2方向での光学特性(解像力やコントラスト等)の違いを補正するための偏光調整装置4の調整は、露光装置の製造時や露光装置の使用前の初期設定に用いることに限らず、露光装置の使用による時間の経過と共に、曇りや熱的要因による反射部材の光学特性の劣化によりS偏光とP偏光との反射率分布差が生じた場合にも、極めて有効である。
この第1の実施の形態にかかる露光装置によれば、ウエハ面での露光特性を改善するために、互いに交差する二方向に偏光するEUV光のS偏光成分とP偏光成分の強度を調整する偏光調整装置を備えているため、EUV光の二つの偏光成分の強度差を自由に設定することができる。即ち、照明光学系を構成するコンデンサレンズ等や投影光学系を構成する結像用反射部材等の反射部材に対して異なる反射率を有するEUV光のS偏光成分とP偏光成分がこれらの反射部材を介すことにより発生するS偏光成分とP偏光成分との強度差を調整することができる。
また、互いに異なる反射偏光特性を有する2つの斜入射ミラーを有する偏光調整装置を備えているため、従来の露光装置が備える偏光調整装置と比較してEUV光の光量の減少を抑えることができ、照明光学系が構成するコンデンサレンズ等や投影光学系を構成する結像用反射部材等の反射部材を介すことにより発生するS偏光成分とP偏光成分との強度差を良好に調整することができる。従って、EUV光のS偏光成分とP偏光成分との強度差の発生により生じるウエハ上における所定の方向と所定の方向と交差する方向との解像力やコントラスト等の違いの発生を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像をウエハ上に良好に露光することができる。
なお、この第1の実施の形態においては、2つの斜入射ミラー4a,4bに入射するEUV光の入射角度が変化するように、2つの斜入射ミラー4a,4bを図3に示すように駆動可能に構成しているが、図7に示すように2つの斜入射ミラー22a,22bを図中矢印方向に移動可能に構成してもよい。この場合には、斜入射ミラー22aは、EUV光に含まれるS偏光成分及びP偏光成分の反射率が同一である物質(例えば、二ケイ化モリブデン)またはEUV光に含まれるS偏光成分及びP偏光成分の反射率が異なる物質(例えば、ルテニウムやモリブデン)により構成され、EUV光の入射角度が異なる反射面R11,R12,R13,R14,R15を備えている。斜入射ミラー22aは、制御装置18により算出される調整量に基づく制御信号により駆動装置20によって駆動され、スライド移動する。
また、斜入射ミラー22bは、EUV光に含まれるS偏光成分及びP偏光成分の反射率が異なる物質またはEUV光に含まれるS偏光成分及びP偏光成分の反射率が同一である物質により構成され、EUV光の入射角度が異なる反射面R21,R22,R23,R24,R25を備えている。斜入射ミラー22bも、制御装置18により算出される調整量に基づく制御信号により駆動装置20によって駆動され、スライド移動する。ここで、斜入射ミラー22aをスライド移動させることにより選択された反射面と斜入射ミラー22bをスライド移動させることにより選択された反射面は、斜入射ミラー22aが備える反射面の法線と斜入射ミラー22bが備える反射面の法線とが直交する位置に配置されている。
なお、斜入射ミラー22a及び斜入射ミラー22bは、それぞれ5つの反射面を備えているが、EUV光に含まれるS偏光成分及びP偏光成分の反射率が異なる物質またはEUV光に含まれるS偏光成分及びP偏光成分の反射率が同一である物質により構成され、EUV光の入射角度が異なる反射面をそれぞれ少なくとも2つ備えるようにすればよい。この場合においても、EUV光の二つの偏光成分の強度差を変更することができる。即ち、照明光学系を構成するコンデンサレンズ等や投影光学系を構成する結像用反射部材等の反射部材に対して異なる反射率を有するEUV光のS偏光成分とP偏光成分がこれらの反射部材を介すことにより発生するS偏光成分とP偏光成分との強度差を調整することができる。
また、偏光調整装置は、図8に示すように、回転板24が図2に示す2つの斜入射ミラー4a,4bと同様な機能を有する2つの斜入射ミラーを一組にした斜入射ミラー対24a,24b,24c,24dを備え、回転板24が回転板24の中心を軸として回転可能に構成されるようにしてもよい。この場合には、斜入射ミラー対24a〜24dは、それぞれEUV光の入射角度が異なるように構成されている。また、斜入射ミラー対24a〜24dのそれぞれを構成する一方の斜入射ミラーはEUV光に含まれるS偏光成分及びP偏光成分の反射率が異なる物質により構成され、他方の斜入射ミラーはEUV光に含まれるS偏光成分及びP偏光成分の反射率が同一である物質により構成されている。
制御装置は、S偏光強度検出装置及びP偏光強度検出装置から出力される検出信号に基づいて偏光調整装置による調整量を算出し、斜入射ミラー24a〜24dのいずれか1つを選択する。次に、制御装置は、選択された斜入射ミラー対をEUV光の光路中に配置するために駆動装置を介して回転板24を回転駆動させ、EUV光のS偏光成分の強度とP偏光成分の強度の調整を行う。なお、回転板24は斜入射ミラー対を4つ備えているが、斜入射ミラー対を少なくとも2つ備えるようにすればよい。この場合においても、EUV光の二つの偏光成分の強度差を変更することができる。即ち、照明光学系を構成するコンデンサレンズ等や投影光学系を構成する結像用反射部材等の反射部材に対して異なる反射率を有するEUV光のS偏光成分とP偏光成分がこれらの反射部材を介すことにより発生するS偏光成分とP偏光成分との強度差を調整することができる。
また、偏光調整装置が図8に示すような回転板を2つ(第1回転板及び第2回転板)備え、第1回転板及び第2回転板が円周状に複数の斜入射ミラーを備えるようにしてもよい。この場合には、第1回転板が備える各斜入射ミラーは、それぞれEUV光に含まれるS偏光成分及びP偏光成分の反射率が同一である物質またはEUV光に含まれるS偏光成分及びP偏光成分の反射率が異なる物質により構成され、それぞれEUV光の入射角度が異なるように構成されている。また、第2回転板が備える各斜入射ミラーは、それぞれEUV光に含まれるS偏光成分及びP偏光成分の反射率が異なる物質またはEUV光に含まれるS偏光成分及びP偏光成分の反射率が同一である物質により構成され、それぞれEUV光の入射角度が異なるように構成されている。
第1回転板及び第2回転板は、制御装置により選択された斜入射ミラーがEUV光の光路中に配置されるように駆動装置によって回転駆動される。また、選択された第1回転板が備える斜入射ミラーの反射面と選択された第2回転板が備える斜入射ミラーの反射面は、第1回転板が備える斜入射ミラーの反射面の法線と第2回転板が備える斜入射ミラーの反射面の法線とが直交する位置に配置されている。この場合においても、EUV光の二つの偏光成分の強度差を自由に設定することができる。即ち、照明光学系を構成するコンデンサレンズ等や投影光学系を構成する結像用反射部材等の反射部材に対して異なる反射率を有するEUV光のS偏光成分とP偏光成分がこれらの反射部材を介すことにより発生するS偏光成分とP偏光成分との強度差を調整することができる。
また、この第1の実施の形態にかかる偏光調整装置においては、2つの斜入射ミラーを備えているが、この2つの斜入射ミラーを一組とした複数個の斜入射ミラー対を備えるようにしてもよい。この場合には、投影露光装置を構成する反射部材に対して異なる反射率を有するEUV光のS偏光成分とP偏光成分がこれらの反射部材を介すことにより発生するS偏光成分とP偏光成分との強度差をより精細に調整することができる。
また、この第1の実施の形態にかかる偏光調整装置においては、EUV光のS偏光成分の反射率とP偏光成分の反射率が異なる物質としてルテニウムまたはモリブデン等により斜入射ミラーを構成しているが、S偏光成分の反射率とP偏光成分の反射率が異なる多層膜を斜入射ミラーの反射面に成膜してもよい。この場合には、ルテニウムまたはモリブデンを斜入射ミラーに用いた場合と比較して、S偏光成分とP偏光成分の強度差をより大きく設定することができる。
次に、図面を参照して、この発明の第2の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。なお、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置の構成は、第1の実施の形態にかかる投影露光装置を構成する偏光調整装置4を図9に示す偏光調整装置30に変更したものである。従って、第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明は省略する。なお、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には第1の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行う。
図9は、偏光調整装置30の概略構成を示す斜視図である。図9に示すように、偏光調整装置30は、マスクM面またはウエハW(感光性基板)面での光学特性(露光特性)を改善するために、互いに交差する二方向に偏光するEUV光の二つの偏光成分(S偏光成分及びP偏光成分)の強度を調整する2つの多層膜ミラー(調整用反射部材)30a,30bを備えている。光源2から射出したEUV光は、多層膜ミラー30aにより全反射される角度で多層膜ミラー30aに入射する。多層膜ミラー30aにより反射されたEUV光は、多層膜ミラー30bにより全反射される角度で多層膜ミラー30bに入射し、多層膜ミラー30bにより反射される。
多層膜ミラー30a及び多層膜ミラー30bは、多層膜ミラー30aの反射面R3の法線C3と多層膜ミラー30bの反射面R4の法線C4とが直交する位置に配置されている。また、多層膜ミラー30a,30bは、互いに異なる反射偏光特性を有している。即ち、多層膜の分布状態が場所により異なるように各反射面R3,R4に成膜されている。また、多層膜ミラー30a,30bは、多層膜ミラー30aの反射面R3の法線C3と多層膜ミラー30bの反射面R4の法線C4とが直交する状態を維持して、多層膜ミラー30a,30bに入射するEUV光の入射位置が変化するように駆動可能に構成されている。
例えば、EUV光のS偏光成分の反射率がP偏光成分の反射率より高くなる反射面R3の場所においてEUV光が反射するように多層膜ミラー30aを駆動し、EUV光のS偏光成分の反射率とP偏光成分の反射率が同一となる反射面R4の場所においてEUV光が反射するように多層膜ミラー30bを駆動する。この場合、多層膜ミラー30aに入射したEUV光は、偏光成分Aが反射面R3に対するS偏光成分、偏光成分Bが反射面R3に対するP偏光成分となり、多層膜ミラー30aにより反射される。EUV光のS偏光成分の反射率がP偏光成分の反射率より高い反射面R3の多層膜分布を有する場所においてEUV光が反射するため、多層膜ミラー30aにより反射されたEUV光は、反射面R3に対するS偏光成分の強度がP偏光成分の強度より大きくなり、多層膜ミラー30aにより反射される。
多層膜ミラー30aにより反射されて多層膜ミラー30bに入射したEUV光は、偏光成分Aが反射面R4に対するP偏光成分、偏光成分Bが反射面R4に対するS偏光成分となり、EUV光のS偏光成分及びP偏光成分の強度が変化することなく、多層膜ミラー30bにより反射される。従って、光源2から射出されるEUV光のS偏光成分の強度とP偏光成分の強度が同一であって、多層膜ミラー30aの反射面R3に対するS偏光成分がウエハW面に対するS偏光成分となる場合、EUV光のウエハW面に対するS偏光成分の強度がウエハW面に対するP偏光成分の強度より大きくなるように調整することができる。また、光源2から射出されるEUV光のS偏光成分の強度とP偏光成分の強度が同一であって、多層膜ミラー30aの反射面R3に対するS偏光成分がウエハW面に対するP偏光成分となる場合、EUV光のウエハW面に対するP偏光成分の強度がウエハW面に対するS偏光成分の強度より大きくなるように調整することができる。
また、例えば、EUV光のS偏光成分の反射率とP偏光成分の反射率が同一となる反射面R3の場所においてEUV光が反射するように多層膜ミラー30aを駆動し、EUV光のS偏光成分の反射率がP偏光成分の反射率より高くなる反射面R4の場所においてEUV光が反射するように多層膜ミラー30bを駆動する。この場合、多層膜ミラー30aに入射したEUV光は、偏光成分Aが反射面R3に対するS偏光成分、偏光成分Bが反射面R3に対するP偏光成分となり、EUV光のS偏光成分及びP偏光成分の強度が変化することなく、多層膜ミラー30aにより反射される。
多層膜ミラー30aにより反射されて多層膜ミラー30bに入射したEUV光は、偏光成分Aが反射面R4に対するP偏光成分、偏光成分Bが反射面R4に対するS偏光成分となり、多層膜ミラー30bにより反射される。EUV光のS偏光成分の反射率がP偏光成分の反射率より高い反射面R4の多層膜分布を有する場所においてEUV光が反射するため、多層膜ミラー30bにより反射されたEUV光は、反射面R4に対するS偏光成分の強度がP偏光成分の強度より大きくなり、多層膜ミラー30bにより反射される。
従って、光源2から射出されるEUV光のS偏光成分の強度とP偏光成分の強度が同一であって、多層膜ミラー30aの反射面R3に対するS偏光成分がウエハW面に対するS偏光成分となる場合、EUV光のウエハW面に対するP偏光成分の強度がウエハW面に対するS偏光成分の強度より大きくなるように調整することができる。また、光源2から射出されるEUV光のS偏光成分の強度とP偏光成分の強度が同一であって、多層膜ミラー30aの反射面R3に対するS偏光成分がウエハW面に対するP偏光成分となる場合、EUV光のウエハW面に対するS偏光成分の強度がウエハW面に対するP偏光成分の強度より大きくなるように調整することができる。
一般的にウエハWに到達するEUV光のウエハWに対するS偏光成分の強度がP偏光成分の強度より大きくなる傾向にあるため、この実施の形態においては、偏光調整装置30は、ウエハWに到達するEUV光のウエハW面に対するP偏光成分の強度を相対的に強くするように設定されている。
偏光調整装置30による調整量を制御する制御装置18は、S偏光強度検出装置14から検出されるウエハWに対するS偏光成分の強度を示す検出信号及びP偏光強度検出装置16から検出されるウエハWに対するP偏光成分の強度を示す検出信号に基づいて、偏光調整装置4による調整量を算出する。次に、制御装置18は、算出された偏光調整装置30による調整量に基づいて、駆動装置20を介して偏光調整装置30を構成する多層膜ミラー30a,30bを駆動させる。即ち、多層膜ミラー30aの反射面R3の法線C3と多層膜ミラー30bの反射面R4の法線C4とが直交する状態を維持して、多層膜ミラー30a,30bに入射するEUV光の入射位置が変化するように多層膜ミラー30a,30bを駆動させ、EUV光のS偏光成分の強度とP偏光成分の強度の調整を行う。
ここで、互いに直交した2方向での光学特性(解像力やコントラスト等)の違いを補正するための偏光調整装置30の調整は、露光装置の製造時や露光装置の使用前の初期設定に用いることに限らず、露光装置の使用による時間の経過に従って、曇りや熱的要因による反射部材の光学特性の劣化によりS偏光とP偏光との反射率分布差が生じた場合にも、極めて有効である。
この第2の実施の形態にかかる露光装置によれば、ウエハ面での露光特性を改善するために、互いに交差する二方向に偏光するEUV光のS偏光成分とP偏光成分の強度を調整する偏光調整装置を備えているため、EUV光の二つの偏光成分の強度差を自由に設定することができる。即ち、照明光学系を構成するコンデンサレンズ等や投影光学系を構成する結像用反射部材等の反射部材に対して異なる反射率を有するEUV光のS偏光成分とP偏光成分がこれらの反射部材を介すことにより発生するS偏光成分とP偏光成分との強度差を調整することができる。
また、互いに異なる反射偏光特性を有する2つの多層膜ミラーを有する偏光調整装置を備えているため、従来の露光装置が備える偏光調整装置と比較してEUV光の光量の減少を抑えることができ、照明光学系が構成するコンデンサレンズ等や投影光学系を構成する結像用反射部材等の反射部材を介すことにより発生するS偏光成分とP偏光成分との強度差を良好に調整することができる。従って、EUV光のS偏光成分とP偏光成分との強度差の発生により生じるウエハ上における所定の方向と所定の方向と交差する方向との解像力やコントラスト等の違いの発生を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像をウエハ上に良好に露光することができる。
なお、この第2の実施の形態にかかる偏光調整装置においては、2つの多層膜ミラーを備えているが、この2つの多層膜ミラーを一組とした複数個の多層膜ミラー対を備えるようにしてもよい。この場合には、投影露光装置を構成する反射部材に対して異なる反射率を有するEUV光のS偏光成分とP偏光成分がこれらの反射部材を介すことにより発生するS偏光成分とP偏光成分との強度差をより精細に調整することができる。
また、この第2の実施の形態にかかる偏光調整装置においては、多層膜の分布状態が場所によって異なる多層膜ミラーを用いているが、互いに交差する二方向で曲率半径が異なるミラー、例えばトーリック面の反射面を有するミラーを用いてもよい。この場合には、ミラーに入射するEUV光の入射角度が変化するようにミラーを駆動させることにより、EUV光のS偏光成分とP偏光成分の強度差の調整を行う。
また、この第1及び第2の実施の形態においては、ウエハ面での光学特性を改善するために偏光調整装置によりEUV光のS偏光成分及びP偏光成分の強度の調整を行っているが、マスク面での光学特性を改善するために偏光調整装置によりEUV光のS偏光成分及びP偏光成分の強度の調整を行ってもよい。この場合には、マスクが載置されているマスクステージに、マスク面に対するS偏光成分の強度を検出するS偏光強度検出装置(検出手段)及びマスク面に対するP偏光成分の強度を検出するP偏光強度検出装置(検出手段)を設ける。制御装置(制御手段)は、S偏光強度検出装置から出力されるマスク面に対するS偏光成分の強度を示す検出信号及びP偏光強度検出装置から出力されるマスク面に対するP偏光成分の強度を示す検出信号に基づいて、偏光調整装置による調整量を算出する。次に、制御装置は、算出された偏光調整装置による調整量に基づいて、駆動装置を介して偏光調整装置を構成する斜入射ミラーを駆動させ、EUV光のS偏光成分とP偏光成分の調整を行う。
また、上述の各実施の形態においては、互いに直交した2方向に直線偏光するP偏光の光とS偏光の光について説明したが、直交した2方向に偏光する光は必ずしも直線偏光同士の光でなくても良く、互いに交差する2方向に偏光する光の組み合わせであれば何でも良い。従って、本発明で言う互いに交差する2方向で偏光する光とは、互いに直交又は交差した2方向に偏光する直線偏光の光の組み合わせ、互いに直交又は交差した2方向に長径(短径)を有する楕円偏光の光の組み合わせ、さらには右回り円偏光と左周りの円偏光との組み合わせを含むものである。このため、P偏光強度検出装置(第1偏光検出装置)14やS偏光強度検出装置(第2偏光検出装置)16は、互いに交差する2方向に偏光する直線偏光の光の他、互いに交差する2方向に偏光する楕円偏光の光、あるいは互いに交差する2方向に偏光する円偏光の光をそれぞれ検出するようにしても良い。
また、この第1の実施の形態にかかる偏光調整装置が備える斜入射ミラーと第2の実施の形態にかかる偏光調整装置が備える多層膜ミラーとを組み合わせた偏光調整装置を備えるようにしてもよい。この場合においても、投影露光装置を構成する反射部材に対して異なる反射率を有するEUV光のS偏光成分とP偏光成分がこれらの反射部材を介すことにより発生するS偏光成分とP偏光成分との強度差をより精細に調整することができる。
次に、図面を参照して、この発明の第3の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図10は、この第3の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。この第3の実施の形態にかかる投影露光装置の構成は、第1の実施の形態にかかる投影露光装置を構成する偏光調整装置4を図11に示す瞳面状態調整装置(調整手段)35に変更したものである。また、この第3の実施の形態にかかる投影露光装置は、ウエハWを載置するウエハステージ(図示せず)に設定されるS偏光強度検出装置14及びP偏光強度検出装置16を取り除き、ウエハW面での互いに直交した2方向での投影光学系PLの結像性能の差を計測する装置としてのVH差計測装置(第1計測手段)41及び瞳面状態計測装置(第2計測手段)43を備えている。なお、第3の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明は省略する。また、この第3の実施の形態にかかる投影露光装置の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には第1の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行う。
図11は、露光光学系(照明光学系及び投影光学系PL)の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状を調整する瞳面状態調整装置35の概略構成を示す斜視図である。なお、図11に示す瞳面状態調整装置35においては、図11中に示す座標軸を用いて説明を行う。瞳面状態調整装置35は、図11に示すように、第1シリンドリカルミラー対(調整用反射部材)37及び第2シリンドリカルミラー対(調整用反射部材)39を備えている。第1シリンドリカルミラー対37は、光源2側から順に、凸型シリンドリカルミラー37aと凹型シリンドリカルミラー37bとにより構成されている。また、第2シリンドリカルミラー対39は、光源2側から順に、凸型シリンドリカルミラー39aと凹型シリンドリカルミラー39bとにより構成されている。第1シリンドリカルミラー対37と第2シリンドリカルミラー対39とは、互いに直交した方向に配置され、互いに異なる曲率を有している。
即ち、凸型シリンドリカルミラー37aは、反射面R5のX方向に対して負の光学パワーを有し、反射面R5のY方向に対してノーパワーを有している。また、凹型シリンドリカルミラー37bは、反射面R6のX方向に対して正の光学パワーを有し、反射面R6のY方向に対してノーパワーを有している。また、凸型シリンドリカルミラー39aは、反射面R7のX方向に対してノーパワーを有し、反射面R7のY方向に対して負の光学パワーを有している。また、凹型シリンドリカルミラー39bは、反射面R8のX方向に対してノーパワーを有し、反射面R8のY方向に対して正の光学パワーを有している。
凸型シリンドリカルミラー37aと凹型シリンドリカルミラー37bとは、相対的に間隔可変に構成されており、相対的に回転可能に構成されている。同様に、凸型シリンドリカルミラー39aと凹型シリンドリカルミラー39bとは、相対的に間隔可変に構成されており、相対的に回転可能に構成されている。第1シリンドリカルミラー対37を構成する凸型シリンドリカルミラー37a及び凹型シリンドリカルミラー37bはX方向にパワーを有するビームエキスパンダとして機能するため、凸型シリンドリカルミラー37a及び凹型シリンドリカルミラー37bにより反射されたEUV光の光束は、X方向に拡大作用を受ける。
第1シリンドリカルミラー対37から射出したEUV光は、第2シリンドリカルミラー対39を構成する凸型シリンドリカルミラー39aに入射する。凸型シリンドリカルミラー39a及び凹型シリンドリカルミラー39bはY方向にパワーを有するビームエキスパンダとして機能するため、凸型シリンドリカルミラー39a及び凹型シリンドリカルミラー39bにより反射されたEUV光の光束は、Y方向に拡大作用を受ける。即ち、凸型シリンドリカルミラー37aと凹型シリンドリカルミラー37bの相対的な間隔を変化させ、または相対的に回転させると共に、凸型シリンドリカルミラー39aと凹型シリンドリカルミラー39bの相対的な間隔を変化させ、または相対的に回転させることにより、露光光学系(照明光学系及び投影光学系PL)の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状を調整することができる。
換言すれば、照明光学系の瞳(瞳面)の位置である射出側フライアイ光学系8の位置もしくはその近傍に形成される光強度分布または2次光源の形状を所望の状態に調整することができる。さらには、投影光学系PLの瞳(瞳面)の位置(射出瞳)もしくはその近傍、または投影光学系PL内に配置された開口絞りASの位置もしくはその近傍に形成される光強度分布または2次光源像の形状を所望の状態に調整することができる。なお、本発明で言う露光光学系の瞳面とは、照明光学系の瞳(瞳面)や投影光学系PLの瞳(瞳面)を含むものである。
この実施の形態では、第1シリンドリカルミラー対37、第2シリンドリカルミラー対39は光量の損失を防ぐため斜入射光学系とした例を説明したが、多層膜を設けて反射率を高めた直入射光学系とすることも可能である。また、各シリンドリカルミラーの移動に機構による調整の他、各シリンドリカルミラーを交換可能とする機構(リボルバ、スライダ等)を用意することで、各シリンドリカルミラーの移動量を極力減らし、コンパクト化できる。
また、この実施の形態においては、露光光学系の瞳の光強度分布または瞳形状に非対称成分を付与する瞳面状態調整装置(調整手段)35としてシリンドリカルミラーを用いた例を示したが、入射する光線に対して直交する2方向でパワーが異なっているものであれば他の手段を用いることは可能であり、例えば、トロイダルミラー、多項式で表現される非球面(回転非対称な非球面等)等を用いてもよく、さらには、収差補正のためシリンドリカルミラーに非球面成分を設けたものを用いてもよい。
また、VH差計測装置41は、ウエハW面での露光光学系(照明光学系及び投影光学系PL)の光学特性(結像特性)を計測する。即ち、ウエハW面における互いに交差する二方向での露光光学系の光学特性(結像特性)を計測する。具体的には、ウエハW面での所定の方向(以下、縦方向という)における結像特性(解像力またはコントラスト等)及び所定の方向と直交する方向(以下、横方向)における結像特性(解像力またはコントラスト等)との差を計測する。例えば、マスクM面上に設置したテストパターンを照明し、ウエハW面上に形成されるテストパターンの像の縦方向における幅及び横方向における幅を計測することにより、縦方向における結像特性(解像力またはコントラスト等)及び横方向における結像特性(解像力またはコントラスト等)との差を計測する。
また、瞳面状態計測装置43は、例えば、図示しないウエハステージに設けられたピンホール及び光電検出器等を有し、このピンホールを介して光電検出器にて検出することにより、投影光学系PLの瞳面での光強度分布及び投影光学系PLの瞳面での形状を計測する。瞳面状態調整装置35による調整量を制御する制御装置(算出手段)18は、VH差計測装置41から出力されるウエハW面での投影光学系PLの光学特性を示す計測信号及び瞳面状態計測装置43から出力される投影光学系PLの瞳面での光強度分布及び投影光学系PLの瞳面での形状を示す計測信号に基づいて、瞳面状態調整装置35が行う投影光学系PLの瞳面での光強度分布及び投影光学系PLの瞳面での形状の調整量を算出する。次に、制御装置18は、算出された瞳面状態調整装置35による調整量に基づいて、駆動装置(駆動手段)20を介して瞳面状態調整装置35を構成する第1シリンドリカルミラー対37及び第2シリンドリカルミラー対39を駆動させ、投影光学系PLの瞳面での光強度分布及び投影光学系PLの瞳面での形状の調整を行う。
次に、この第3の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法または調整方法について説明する。図12は、この第3の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法または調整方法を説明するためのフローチャートである。ここで、露光装置を製造するプロセスにおいて発生する光学特性の差を補正する場合には、図12に示す各工程は露光装置の製造方法を示すものであり、露光装置の使用に伴う時間の経過に従い、熱的要因や曇り等による光学部材の特性の劣化等にて変化する光学特性の差を補正する場合には、図12に示す各工程は露光装置の調整方法を示すものである。
まず、VH差計測装置41によりウエハW面での露光光学系(照明光学系及び投影光学系PL)の光学特性を計測する(ステップS10)。即ち、ウエハW面における互いに交差する二方向での露光光学系の光学特性を計測する。具体的には、ウエハW面での所定の方向(以下、縦方向という)における結像特性(解像力またはコントラスト等)及び所定の方向と直交する方向(以下、横方向)における結像特性(解像力またはコントラスト等)との差を計測する。例えば、マスクM面上に設置したテストレチクルのテストパターンを照明し、ウエハW面上に形成されるテストパターンの像の縦方向における幅及び横方向における幅を計測することにより、縦方向における結像特性(解像力またはコントラスト等)及び横方向における結像特性(解像力またはコントラスト等)との差を計測する(第1計測工程)。
次に、瞳面状態計測装置43により、投影光学系PLの瞳面での光強度分布及び投影光学系PLの瞳面での形状を計測する(ステップS11)。例えば、ウエハステージに設置されたピンホール等を介して投影光学系PLの瞳面での光強度分布及び投影光学系PLの瞳面での形状を計測する(第2計測工程)。
次に、制御装置18は、瞳面状態調整装置35が行う投影光学系PLの瞳面での光強度分布及び投影光学系PLの瞳面での形状の調整量を算出する(ステップS12)。即ち、ステップS10において計測されたウエハW面での投影光学系PLの光学特性及びステップS11において計測された投影光学系PLの瞳面での光強度分布及び投影光学系PLの瞳面での形状に基づいて、瞳面状態調整装置35が行う投影光学系PLの瞳面での光強度分布及び投影光学系PLの瞳面での形状の調整量を算出する(算出工程)。
次に、制御装置18は、投影光学系PLの瞳面での光強度分布及び投影光学系PLの瞳面での形状の調整を行う(ステップS13)。即ち、ステップS12において算出された瞳面状態調整装置35による調整量に基づいて、駆動装置20を介して瞳面状態調整装置35を構成する第1シリンドリカルミラー対37及び第2シリンドリカルミラー対39を相対的な間隔移動または相対的な回転させることにより調整を行う(調整工程)。
この第3の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、ウエハ面での露光光学系(照明光学系及び投影光学系)の光学特性、並びに投影光学系の瞳面での光強度分布及び投影光学系の瞳面での形状の計測結果に基づいて、投影光学系の瞳面での光強度分布及び投影光学系の瞳面での形状を調整することができる。即ち、投影光学系の瞳面での光強度分布及び投影光学系の瞳面での形状の歪みを要因とするウエハ面での露光光学系の光学特性の悪化を補正することができる。従って、ウエハ面での露光光学系の光学特性の悪化により生じるウエハ面上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像をウエハ面上に良好に露光することができる。
また、ウエハ面における縦方向及び横方向での露光光学系の光学特性を計測するため、投影光学系の瞳面での光強度分布及び投影光学系の瞳面での形状の歪みを要因とするウエハ面における縦方向及び横方向での露光光学系の光学特性の悪化を補正することができる。従って、ウエハ面における縦方向及び横方向での露光光学系の光学特性の悪化により生じるウエハ面上における縦方向及び横方向との解像力やコントラスト等の違いの発生を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像をウエハ面上に良好に露光することができる。
なお、この第3の実施の形態においては、投影光学系の瞳面での光強度分布及び投影光学系の瞳面での形状を計測しているが、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を計測してもよい。この場合には、瞳面状態計測装置43に代えてマスクMを載置する図示しないマスクステージに瞳面状態計測装置を設置し、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を計測する。この場合には、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の歪みを要因とするウエハ面における縦方向及び横方向での露光光学系(照明光学系及び投影光学系PL)の光学特性の悪化を補正することができる。従って、ウエハ面における縦方向及び横方向での露光光学系の光学特性の悪化により生じるウエハ面上における縦方向及び横方向との解像力やコントラスト等の違いの発生を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像をウエハ面上に良好に露光することができる。
また、この第3の実施の形態においては、投影光学系の瞳面での光強度分布及び投影光学系の瞳面での形状を計測しているが、投影光学系の瞳面での光強度分布及び投影光学系の瞳面での形状のいずれか一方を計測してもよい。この場合においても、ウエハ面における縦方向及び横方向での露光光学系の光学特性の悪化により生じるウエハ面上における縦方向及び横方向との解像力やコントラスト等の違いの発生を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像をウエハ面上に良好に露光することができる。
次に、図面を参照して、この発明の第4の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図13は、この第4の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。この第4の実施の形態にかかる投影露光装置の構成は第3の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と略同一であるが、この第4の実施の形態にかかる投影露光装置は瞳面状態調整装置(調整手段)35と入射側反射型フライアイ光学系6との間にアキシコンミラー50を備えている。なお、第4の実施の形態の説明においては、第3の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明は省略する。また、この第4の実施の形態にかかる投影露光装置の説明においては、第3の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には第1の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行う。
この投影露光装置は、図13に示すように、照明条件を変更するために照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を変更するアキシコンミラー(変更手段)50を備えている。アキシコンミラー50は、リング状の反射面を有する第1反射部材50a及び円錐状の反射面を有する第2反射部材50bとにより構成されている。瞳面状態調整装置35を射出したEUV光は、アキシコンミラー50を構成する第2反射部材50bにより反射され、第1反射部材50aにより反射されて、入射側反射型フライアイ光学系6に入射する。
ここで、アキシコンミラー50は、円形状の光束断面を有するEUV光を輪帯状の光束断面を有するEUV光に変更する機能を有し、照明光路に対して挿脱可能に設けられている。また、アキシコンミラー50を構成する第1反射部材50aと第2反射部材50bは、入射側反射型フライアイ光学系6に入射する輪帯の内径と輪帯の外径との比を可変とするために、照明光路に沿って相対的に移動可能に設けられている。なお、照明光路に対するアキシコンミラー50の挿脱及び照明光路に沿った第1反射部材50aと第2反射部材50bとの相対移動は、アキシコンミラー駆動装置52により行われる。
次に、この第4の実施の形態にかかる投影露光装置の調整方法について説明する。図14は、この第4の実施の形態にかかる投影露光装置の調整方法を説明するためのフローチャートである。
まず、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を変更することにより照明条件を変更する(ステップS20)。即ち、制御装置18は、アキシコンミラー駆動装置52に対して制御信号を出力してアキシコンミラー50を構成する第1反射部材50aと第2反射部材50bを照明光路に沿って相対移動させることにより、入射側反射型フライアイ光学系6に入射する輪帯の内径と輪帯の外径との比を変更する(変更工程)。
次に、VH差計測装置41によりウエハW面での投影光学系PLの結像性能を計測する(ステップS21)。即ち、ウエハW面における互いに交差する二方向での投影光学系PLの結像性能を計測する。具体的には、ウエハW面での所定の方向(以下、縦方向という)における結像特性(解像力またはコントラスト等)及び所定の方向と直交する方向(以下、横方向)における結像特性(解像力またはコントラスト等)との差を計測する。例えば、マスクM面上に設置したテストパターンを照明し、ウエハW面上に形成されるテストパターンの像の縦方向における幅及び横方向における幅を計測することにより、縦方向における結像特性(解像力またはコントラスト等)及び横方向における結像特性(解像力またはコントラスト等)との差を計測する。
次に、制御装置18は、瞳面状態調整装置35が行う投影光学系PLの結像性能の調整量を算出する(ステップS22)。即ち、ステップS21において計測されたウエハW面での投影光学系PLの結像性能に基づいて、瞳面状態調整装置35が行う照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整量を算出する。例えば、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に対して付与する回転非対称成分を算出する。
次に、制御装置18は、投影光学系PLの結像性能の調整を行う(ステップS23)。即ち、ステップS22において算出された瞳面状態調整装置35による調整量に基づいて、駆動装置20により瞳面状態調整装置35を構成する第1シリンドリカルミラー対37及び第2シリンドリカルミラー対39を駆動させることにより投影光学系PLの結像性能の調整を行う(調整工程)。例えば、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に対して非対称成分として例えば回転非対象成分を付与することにより投影光学系PLの結像性能の調整を行う。
この第4の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、照明条件の変更に応じて変化する投影光学系の結像性能を調整するため、照明条件の変更による照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の変化を要因とする投影光学系の結像性能の悪化を補正することができる。また、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に対して回転非対称成分を付与することにより調整を行うため、照明条件の変更に伴う照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の回転非対称な変化を要因とする投影光学系の結像性能の悪化を補正することができる。従って、投影光学系の結像性能の悪化により生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
なお、この第4の実施の形態においては、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に対して回転非対称成分を付与することにより調整を行っているが、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に対して照明光学系の瞳面における縦方向と横方向での比率を変化させることにより調整を行ってもよい。この場合には、照明条件の変更に伴う照明光学系の瞳面における縦方向と横方向との比率の変化による照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の変化を要因とする投影光学系の結像性能の悪化を補正することができる。従って、投影光学系の結像性能の悪化により生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
また、この第4の実施の形態においては、露光光をEUV光とする複数の反射部材から構成される投影露光装置に瞳面状態調整装置を使用しているが、露光光をArFエキシマレーザ光またはFレーザ光を供給する光源と、多数の屈折部材で構成される屈折型の露光光学系(照明光学系及び投影光学系)または多数の屈折部材と1つ以上の反射部材との組み合わせで構成される反射屈折型の露光光学系(照明光学系及び投影光学系)を備える投影露光装置に瞳面状態調整装置を使用してもよい。
次に、図面を参照して、この発明の第5の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図15は、この第5の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。この第5の実施の形態にかかる投影露光装置の構成は、第4の実施の形態にかかる投影露光装置を構成するVH差計測装置41を取り除き、光学特性記憶装置(第1記憶手段)57及び瞳面状態記憶装置(第2記憶手段)59を備えている。なお、第5の実施の形態の説明においては、第4の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明は省略する。また、この第5の実施の形態にかかる投影露光装置の調整方法の説明においては、第4の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には第4の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行う。
この投影露光装置は、図15に示すように、各照明条件に応じた露光光学系(照明光学系及び投影光学系PL)のウエハW面での光学特性を記憶する光学特性記憶装置57、及び各照明条件に応じた露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に関する情報を記憶する瞳面状態記憶装置59を備えている。制御装置(算出手段)18は、光学特性記憶装置57に記憶されている各照明条件に応じた露光光学系のウエハW面での光学特性、及び瞳面状態記憶装置59に記憶されている各照明条件に応じた露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に関する情報に基づいて、照明条件に対応する露光光学系のウエハW面上における光学特性の調整量を算出する。次に、制御装置(調整手段)18は、算出された調整量に基づいて、駆動装置(駆動手段)20により瞳面状態調整装置35を駆動させ、露光光学系のウエハ面上における光学特性の調整を行う。
次に、この第5の実施の形態にかかる投影露光装置の調整方法について説明する。図16は、この第5の実施の形態にかかる投影露光装置の調整方法を説明するためのフローチャートである。
まず、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を変更することにより照明条件を変更する(ステップS30)。即ち、制御装置18は、アキシコンミラー駆動装置52に対して制御信号を出力してアキシコンミラー50を構成する第1反射部材50aと第2反射部材50bを照明光路に沿って相対移動させることにより、入射側反射型フライアイ光学系6に入射する輪帯の内径と輪帯の外径との比を変更する(変更工程)。
次に、制御装置18は、光学特性記憶装置57に記憶されている各照明条件に応じた露光光学系のウエハW面での光学特性の中から、ステップS30において変更された照明条件に応じた露光光学系のウエハW面での光学特性を取得する(ステップS31)。
次に、制御装置18は、瞳面状態記憶装置59に記憶されている各照明条件に応じた露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に関する情報の中から、ステップS30において変更された照明条件に応じた露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に関する情報を取得する(ステップS32)。
次に、制御装置18は、ステップS31において取得した露光光学系のウエハW面での光学特性及びステップS32において取得した露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に関する情報に基づいて、瞳面状態調整装置35が行う露光光学系のウエハW面での光学特性の調整量を算出する(ステップS33)。
次に、制御装置18は、露光光学系のウエハW面上での光学特性の調整を行う(ステップS34)。即ち、ステップS33において算出された瞳面状態調整装置35による調整量に基づいて、駆動装置20により瞳面状態調整装置35を用いて露光光学系のウエハW面上での光学特性の調整を行う(調整工程)。
この第5の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、照明条件の変更に応じて変化する露光光学系(照明光学系及び投影光学系)のウエハ面での光学特性を調整するため、照明条件の変更による照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の変化を要因とする露光光学系のウエハ面での光学特性の悪化を補正することができる。従って、露光光学系の光学特性の悪化により生じるウエハ面上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像をウエハ面上に良好に露光することができる。
なお、この第5の実施の形態においては、露光光をEUV光とする複数の反射部材から構成される投影露光装置に瞳面状態調整装置を使用しているが、露光光をArFエキシマレーザ光またはFレーザ光を供給する光源と、多数の屈折部材で構成される屈折型の露光光学系(照明光学系及び投影光学系)または多数の屈折部材と1つ以上の反射部材との組み合わせで構成される反射屈折型の露光光学系(照明光学系及び投影光学系)を備える投影露光装置に瞳面状態調整装置を使用してもよい。
また、この第4及び第5の実施の形態においては、円錐形状を有する光学面を備えたアキシコンミラーを用いて輪帯照明を行っているが、角錐形状を有する光学面を備えたアキシコンミラーを用いて多極照明(例えば、4極照明)を行ってもよい。
また、この第4及び第5の実施の形態においては、輪帯状の光束断面を有するEUV光の輪帯の内径と輪帯の外径との比を変更することにより照明条件の変更を行っているが、多極状(例えば、4極状)の光束断面を有するEUV光の局所照明領域の形状を変更してもよい。また、円形状の光束断面を有するEUV光を輪帯状(多極状)の光束断面を有するEUV光に変更してもよく、輪帯状(多極状)の光束断面を有するEUV光を円形状の光束断面を有するEUV光に変更してもよい。
また、この第4及び第5の実施の形態においては、輪帯状の光束断面を有するEUV光の輪帯の内径と輪帯の外径との比をアキシコンミラーを用いて変更することにより照明条件の変更を行っているが、それぞれ開口部の形状が異なる複数の開口絞りを円周状に有するターレット板を備え、照明条件の変更を行ってもよい。即ち、ターレット板が有する複数の開口絞りの中から1つの開口絞りを選択し、ターレット板をターレット板の中心を軸として回転させ、選択された開口絞りを照明光路中に配置する。
また、この第4及び第5の実施の形態においては、光源とアキシコンミラーとの間に瞳面状態調整装置を配置しているが、アキシコンミラーと入射側反射型フライアイ光学系との間に瞳面状態調整装置を配置してもよい。
また、この第4及び第5の実施の形態においては、照明条件の変更は、アキシコンミラー50を構成する部材を可変またはアキシコンミラー50を照明光路からの挿脱により行っているが、投影光学系PLの瞳位置に配置された可変開口絞りASの開口径の大きさを可変にすることにより、照明条件の変更を行っても良いことは言うまでもない。
次に、図面を参照して、この発明の第6の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図17は、この第6の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。この第6の実施の形態にかかる投影露光装置の構成は、第3の実施の形態にかかる投影露光装置を構成するVH差計測装置41及び瞳面光強度検出装置43を取り除き、光学的要因記憶装置(第1記憶手段)60及び非光学的要因記憶装置(第2記憶手段)62を備えている。なお、第6の実施の形態の説明においては、第3の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明は省略する。また、この第6の実施の形態にかかる投影露光装置の調整方法の説明においては、第3の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には第3の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行う。
この投影露光装置は、図17に示すように、ウエハW上での所定の方向における露光光学系(投影光学系PL及び照明光学系)の結像性能と前記ウエハW上での所定の方向と交差する方向における露光光学系の結像性能との差の情報であって、露光光学系の光学的要因により生じる露光光学系の結像性能の差の情報を記憶する光学的要因記憶装置60を備えている。すなわち、光学的要因記憶装置60は、光学的要因にて引き起こされるウエハW面上での互いに交差(又は直交)する2方向での露光光学系の光学特性(結像特性)の差に関する情報を記憶している。ここで、光学的要因とは、反射型フライアイ光学系6,8を構成する複数の反射素子の製造誤差、露光装置を構成する複数の反射部材の反射率を向上させるために成膜される膜の反射率の誤差、露光装置を構成する複数の反射部材の曲率半径の誤差等が含まれる。
また、この投影露光装置は、ウエハW上での所定の方向における露光光学系の結像性能とウエハW上での所定の方向と交差する方向における露光光学系の結像性能との差の情報であって、露光光学系の非光学的要因により生じる露光光学系の結像性能の差の情報を記憶する非光学的要因記憶装置62を備えている。すなわち、非光学的要因記憶装置62は、非光学的要因にて引き起こされるウエハW面上での互いに交差(又は直交)する2方向での露光光学系の光学特性(結像特性)の差に関する情報を記憶している。ここで、非光学的要因とは、光学的要因以外の例えば機械的な誤差等が含まれる。機械的な誤差の一例としては、露光時において図17の紙面に沿った方向にマスクMとウエハWとを走査露光する走査型の投影露光装置においては、マスクMを保持する不図示のマスクステージやウエハWを保持する不図示のウエハステージの送り誤差等に起因する走査時等の誤差等が挙げられる。
制御装置(算出手段)18は、光学的要因記憶装置60にて記憶されている光学的要因にて引き起こされるウエハ面上での互いに交差(又は直交)する2方向での露光光学系の光学特性(結像特性)の差に関する情報、及び非光学的要因記憶装置62にて記憶されている非光学的要因にて引き起こされるウエハ面上での互いに交差(又は直交)する2方向での露光光学系の光学特性(結像特性)の差に関する情報に基づいて、照明条件に対応する露光光学系のウエハW面上における光学特性の調整量を算出する。ここで、光学的要因記憶装置60に記憶されている光学的要因による露光光学系の結像性能の差と非光学的要因記憶装置62に記憶されている非光学的要因による露光光学系の結像性能の差との重み付けを行い、瞳面状態調整装置35による調整量を算出する。次に、制御装置(調整手段)18は、算出された調整量に基づいて、駆動装置(駆動手段)20により光学特性調整装置55を駆動させることにより、露光光学系のウエハW面上における光学特性の調整を行う。
次に、この第6の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法について説明する。図18は、この第6の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。
まず、制御装置18は、光学的要因に関する情報を光学的要因記憶装置60に記憶させるために、ウエハW上での所定の方向における露光光学系の結像性能とウエハW上での所定の方向と交差する方向における露光光学系の結像性能との差の情報であって、露光光学系の光学的要因により生じる露光光学系の結像性能の差の情報を取得する(ステップS40)。
次に、制御装置18は、非光学的要因に関する情報を非光学的要因記憶装置62に記憶させるために、ウエハW上での所定の方向における露光光学系の結像性能とウエハW上での所定の方向と交差する方向における露光光学系の結像性能との差の情報であって、露光光学系の非光学的要因により生じる露光光学系の結像性能の差の情報を取得する(ステップS41)。
次に、制御装置18は、ステップS40にて取得した光学的要因にて引き起こされるウエハW面上での互いに交差(又は直交)する2方向での露光光学系の光学特性(結像特性)の差に関する情報、及びステップS41にて取得した非光学的要因にて引き起こされるウエハW面上での互いに交差(又は直交)する2方向での露光光学系の光学特性(結像特性)の差に関する情報に基づいて、瞳面状態調整装置35が行う露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整量を算出する(ステップS42)。ここで、ステップS40において取得した光学的要因による露光光学系の結像性能の差とステップS41において取得した非光学的要因による露光光学系の結像性能の差との重み付けを行い、瞳面状態調整装置35による調整量を算出する(算出工程)。
次に、制御装置18は、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の調整を行う(ステップS43)。即ち、ステップS42において算出された瞳面状態調整装置35による調整量に基づいて、駆動装置20を介して瞳面状態調整装置35を構成する第1シリンドリカルミラー対37及び第2シリンドリカルミラー対39を相対的な間隔移動または相対的な回転させることにより露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の調整を行う(調整工程)。
以上においては、図18を参照しながら、光学的要因と非光学的要因による露光光学系の光学特性(結像特性)を露光装置が自動制御できるように、露光装置を製造する際での初期設定に関する手法について説明したが、本発明は、光学的要因と非光学的要因による露光光学系の光学特性(結像特性)を自動制御できない露光装置に対して適切な初期設定する場合でも良いことは言うまでもない。
この場合における図17に示す露光装置は自動制御するための各手段(60、62、18、20)を搭載しておらず、このように自動制御をしない露光装置の製造方法を以下にて簡単に説明する。
まず、ステップ40では、テストマスクを用いて投影光学系PLの光学特性(結像性能)を図示しないウエハステージに設けられた計測装置にて計測し、これにより光学的要因により引き起こされる露光光学系の光学特性(結像特性)の差の情報を求める。または、テストマスクを用いて投影光学系PLによる実際パターン像をウエハWにテスト露光し、これにより光学的要因により引き起こされる露光光学系の光学特性(結像特性)の差の情報を求める。なお、ステップ40では、必要に応じて、シミュレーシュンによる計算結果により求められた光学的要因により引き起こされる露光光学系の光学特性(結像特性)の差の情報も求める。
ステップ41では、非光学的要因により引き起こされる露光光学系の光学特性(結像特性)の差の情報を求める一例として、マスクMを保持する図示しないマスクステージやウエハWを保持する図示しないウエハステージの走査方向での送り誤差等に起因する走査時等の誤差を実験やシミュレーシュンにより求める。
ステップ42では、ステップS40にて取得した光学的要因にて引き起こされる露光光学系の光学特性(結像特性)の差に関する情報、及びステップS41にて取得した非光学的要因にて引き起こされる露光光学系の光学特性(結像特性)の差に関する情報に基づき、露光光学系の光学特性(結像特性)の差を補正できるように、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整量をシミュレーシュンにより算出する。
ステップ43では、ステップ42による算出結果に基づき、図17に示す瞳面状態調整装置35を構成するシリンドリカルミラー対(37、39)の相対回転や相対移動による調整を行う。
この第6の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、光学的要因による露光光学系(照明光学系及び投影光学系)の結像性能の差及び非光学的要因による露光光学系の結像性能の差に基づいて、露光光学系の瞳面での光強度分布及び露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整するため、光学的要因及び非光学的要因により生じる感光性基板上での所定の方向における露光光学系の結像性能と感光性基板上での所定の方向と交差する方向における露光光学系の結像性能との差を補正することができる。従って、感光性基板上での所定の方向における露光光学系の結像性能と感光性基板上での所定の方向と交差する方向における露光光学系の結像性能との差により生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の違いの発生を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
なお、この第6の実施の形態においては、露光光をEUV光とする複数の反射部材から構成される投影露光装置に瞳面状態調整装置を使用しているが、露光光をArFエキシマレーザ光またはFレーザ光を供給する光源と、多数の屈折部材で構成される屈折型の露光光学系(照明光学系及び投影光学系)または多数の屈折部材と1つ以上の反射部材との組み合わせで構成される反射屈折型の露光光学系(照明光学系及び投影光学系)を備える投影露光装置に瞳面状態調整装置を使用してもよい。
次に、図面を参照して、この発明の第7の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図19は、この第7の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。この第7の実施の形態にかかる投影露光装置の構成は、第3の実施の形態にかかる投影露光装置を構成する瞳面状態計測装置43に代えて、瞳面状態設定手段(設定手段)として、投影光学系PLの瞳面またはその近傍にて口径が可変な可変開口絞りASと、この可変開口絞りASの開口径(開口の大きさ)を変化させる駆動装置64とを備えている。なお、第7の実施の形態の説明においては、第3の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明は省略する。また、この第7の実施の形態にかかる投影露光装置の調整方法の説明においては、第3の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には第3の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行う。
図19に示すように、例えば、マスクパターンや照明条件に応じて投影光学系の適切な開口数を設定するために、制御装置18は、駆動装置64を介して投影光学系PL内の可変開口絞りASの適切な開口径を設定する。これにより、投影光学系PLの瞳面での開口部を適切な所望状態に設定、換言すれば、投影光学系PLの瞳面の状態を設定することができる。次に、制御装置18は、設定された投影光学系PLの瞳面の状態に基づいて、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整量を算出する。次に、制御装置18は、算出された調整量に基づいて、駆動装置20により瞳面状態調整装置35を駆動させ、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する。
次に、この第7の実施の形態にかかる投影露光装置の調整方法について説明する。図20は、この第7の実施の形態にかかる投影露光装置の調整方法を説明するためのフローチャートである。
まず、マスクパターンや照明条件に応じて投影光学系PLの適切な開口数を設定するために、制御装置18は、駆動装置64を介して投影光学系PL内の可変開口絞りASの適切な開口径を設定する(ステップS50)。これにより、投影光学系PLの瞳面での開口部が適切な所望状態に設定され、その結果、投影光学系PLの瞳面の状態が設定される(設定工程)。
次に、制御装置18は、ステップS50において設定された投影光学系PLの瞳面の状態に基づいて、瞳面状態調整装置35が行う照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整量を算出する(ステップS51)。
次に、制御装置18は、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整を行う(ステップS52)。即ち、ステップS51において算出された瞳面状態調整装置35による調整量に基づいて、駆動装置20に対して制御信号の出力を行い、瞳面状態調整装置35を用いて照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整を行う(調整工程)。
この第7の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、投影光学系の瞳面の状態に応じて照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整するため、投影光学系の瞳面の状態の設定の一例としての投影光学系PLの瞳面の変更等を要因とする照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の歪みを補正することができる。従って、照明光学系の瞳面での光強度分布及び照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の歪みにより生じる感光性基板上における解像力やコントラスト等の悪化を防止することができ、マスクに形成された微細なパターン像を感光性基板上に良好に露光することができる。
なお、この第7の実施の形態においては、露光光をEUV光とする複数の反射部材から構成される投影露光装置に瞳面状態調整装置を使用しているが、露光光をArFエキシマレーザ光またはFレーザ光を供給する光源と、多数の屈折部材で構成される屈折型の露光光学系(照明光学系及び投影光学系)または多数の屈折部材と1つ以上の反射部材との組み合わせで構成される反射屈折型の露光光学系(照明光学系及び投影光学系)を備える投影露光装置に瞳面状態調整装置を使用してもよい。
また、本発明においては、上述の各実施の形態を組み合わせることも可能であることは言うまでもない。例えば、図1に示した偏光調整装置4を図10、図13、図15、図17及び図19に示す装置に設けることも可能であり、これにより、偏光の要因及び瞳面の変形等の要因による光学特性の悪化を補正することができる。さらに、図19に示す瞳面状態設定手段(64、AS)を図10、図13、図15、図17及び図19に示す装置に設けることも可能である。
上述の各実施の形態にかかる露光装置では、照明光学系によってレチクル(マスク)を照明し、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板(ウエハ)に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて感光性基板としてのウエハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図21のフローチャートを参照して説明する。
先ず、図21のステップS301において、1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステップS302において、そのlロットのウエハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS303において、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップS304において、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップS305において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述のマイクロデバイス製造方法によれば、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行うため、感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、極めて微細な回路パターンを有するマイクロデバイスを精度良く得ることができる。なお、ステップS301〜ステップS305では、ウエハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウエハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
また、上述のマイクロデバイスの製造方法においては、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行っているが、上述の各実施の形態にかかる露光装置の製造方法により製造された露光装置または露光装置の調整方法により調整された露光装置を用いて露光を行ってもよい。この場合においても、極めて微細な回路パターンを有するマイクロデバイスを精度良く得ることができる。
また、上述の各実施の形態にかかる露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図22のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図22において、パターン形成工程S401では、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程S402へ移行する。
次に、カラーフィルタ形成工程S402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程S402の後に、セル組み立て工程S403が実行される。セル組み立て工程S403では、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程S403では、例えば、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
その後、モジュール組み立て工程S404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行うため、感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスを精度良く得ることができる。
なお、上述の液晶表示素子の製造方法においては、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行っているが、上述の各実施の形態にかかる露光装置の製造方法により製造された露光装置または露光装置の調整方法により調整された露光装置を用いて露光を行ってもよい。この場合においても、極めて微細な回路パターンを有するマイクロデバイスを精度良く得ることができる。
また、上述の各実施の形態の露光装置の一例を図23に示す。図23にはステップ・アンド・スキャーン方式により走査露光動作を行う走査型露光装置の概略構成を示している。図23に示すように、照明光学系100からのEUV光は、マスクステージMSに保持された反射型マスクMに対して僅かながら斜め方向から照明し、マスクM上に所定形状の照明領域(例えば円弧形状)が形成される。照明光学系100により照明されたマスクパターンの像は、投影光学系PLにより所定の縮小倍率(1/4倍、1/6倍等)のもとで、ウエハステージ(基板ステージ)WSに保持されたウエハ(感光性基板)W上に形成される。露光に際して、マスクステージとウエハステージ(基板ステージ)とは紙面方向(走査方向)に移動することにより、マスクのパターンがウエハ上に転写される。
ここで、投影光学系PLは、4枚の反射部材(106〜109)で構成されると共に、像側がテレセントリックに構成されている。なお、投影光学系PLは、4枚の反射部材で構成されるものに限らず、2枚〜8枚の反射部材で構成することが可能である。
第1の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。 第1の実施の形態にかかる偏光調整装置の概略構成を示す図である。 第1の実施の形態にかかる偏光調整装置が備える斜入射ミラーの駆動状態を説明するための図である。 二ケイ化モリブデン(MoSi)の反射率と斜入射角度の関係を示すグラフである。 ルテニウム(Ru)の反射率と斜入射角度の関係を示すグラフである。 モリブデン(Mo)の反射率と斜入射角度の関係を示すグラフである。 第1の実施の形態にかかる偏光調整装置の概略構成を示す図である。 第1の実施の形態にかかる偏光調整装置の概略構成を示す図である。 第2の実施の形態にかかる偏光調整装置の概略構成を示す図である。 第3の実施の形態にかかる投影光学装置の概略構成を示す図である。 第3の実施の形態にかかる瞳面状態調整装置の概略構成を示す図である。 第3の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。 第4の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。 第4の実施の形態にかかる投影露光装置の調整方法を説明するためのフローチャートである。 第5の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。 第5の実施の形態にかかる投影露光装置の調整方法を説明するためのフローチャートである。 第6の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。 第6の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。 第7の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。 第7の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての半導体デバイスを製造する方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態にかかるステップ・アンド・スキャーン方式の走査型露光装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
2…光源、4,30…偏光調整装置、4a,4b,22a,22b…斜入射ミラー、6…入射側反射型フライアイ光学系、8…射出側反射型フライアイ光学系、10,12…コンデンサミラー、14…S偏光強度検出装置、16…P偏光強度検出装置、18…制御装置、20…駆動装置、30a,30b…多層膜ミラー、35…瞳面状態調整装置、37…第1シリンドリカルミラー対、39…第2シリンドリカルミラー対、41…VH差計測装置、43…瞳面状態計測装置、50…アキシコンミラー、52…アキシコンミラー駆動装置、57…光学特性記憶装置、59…瞳面状態記憶装置、60…光学的要因記憶装置、62…非光学的要因記憶装置、64…駆動装置、AS…開口絞り、M…マスク、PL…投影光学系、W…ウエハ。

Claims (29)

  1. 照明光学系を介して照明されたマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光装置において、
    前記照明光学系は、極端紫外光を反射させて前記マスクへ導く複数の反射部材と、
    前記マスク面または前記感光性基板面での露光特性を改善するために、互いに交差する二方向に偏光する前記極端紫外光の二つの偏光成分の強度を調整する偏光調整手段と
    を備えることを特徴とする露光装置。
  2. 前記互いに交差する二方向に偏光する前記極端紫外光の二つの偏光成分の強度の少なくとも一方を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された検出結果に基づいて、前記偏光調整手段の調整量を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 前記偏光調整手段は、少なくとも2つの調整用反射部材を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の露光装置。
  4. 前記少なくとも2つの調整用反射部材は、互いに異なる反射偏光特性を有することを特徴とする請求項3記載の露光装置。
  5. 前記偏光調整手段は、前記互いに交差する二方向に偏光する前記極端紫外光の二つの偏光成分としてのP偏光及びS偏光のうちのP偏光の強度を相対的に強くするように設定されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の露光装置。
  6. 前記マスクのパターン像を前記感光性基板上に投影する投影光学系を含み、
    前記投影光学系は、複数の結像用反射部材を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の露光装置。
  7. 複数の反射部材を含む露光光学系を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光装置において、
    前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整手段と、
    前記感光性基板面での前記露光光学系の光学特性を計測する第1計測手段と、
    前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を計測する第2計測手段と、
    前記第1計測手段及び第2計測手段により計測された計測結果に基づいて、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整量を算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された前記調整量に基づいて、前記調整手段を駆動する駆動手段と
    を備えることを特徴とする露光装置。
  8. 前記第1計測手段は、前記感光性基板面における互いに交差する二方向での前記露光光学系の光学特性を計測することを特徴とする請求項7記載の露光装置。
  9. マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン像を感光性基板上に投影する投影光学系とを有する露光装置において、
    照明条件を変更するために、前記照明光学系の瞳面での光強度分布及び前記照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を変更する変更手段と、
    前記変更手段により変更された前記照明条件に応じて変化する前記投影光学系の結像性能を調整する調整手段と
    を備えることを特徴とする露光装置。
  10. 前記調整手段は、前記照明光学系の瞳面での光強度分布及び前記照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に対して非対称成分を付与することを特徴とする請求項9記載の露光装置。
  11. 前記調整手段は、前記照明光学系の瞳面での光強度分布及び前記照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に対して前記照明光学系の瞳面における互いに交差する二方向での比率を変化させることを特徴とする請求項9記載の露光装置。
  12. 露光光学系を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光装置において、
    照明条件を変更するために、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を変更する変更手段と、
    前記変更手段により変更された前記照明条件に応じて変化する前記露光光学系の前記感光性基板面での光学特性を調整する調整手段と
    を備えることを特徴とする露光装置。
  13. 前記照明条件に応じた前記露光光学系の前記感光性基板面での光学特性を記憶する第1記憶手段と、
    前記照明条件に応じた前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に関する情報を記憶する第2記憶手段と、
    前記第1記憶手段により記憶されている前記照明条件に応じた前記露光光学系の前記感光性基板面での光学特性及び前記第2記憶手段に記憶されている前記照明条件に応じた前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方に関する情報に基づいて、前記変更手段により変更された前記照明条件に対応する前記露光光学系の前記感光性基板面での光学特性の調整量を算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された前記調整量に基づいて、前記調整手段を駆動する駆動手段と
    を備えることを特徴とする請求項12記載の露光装置。
  14. 露光光学系を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光装置において、
    前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整手段と、
    前記露光光学系の光学的要因にて引き起こされる前記感光性基板面における互いに交差する2方向での前記露光光学系の光学性能の差の情報を記憶する第1記憶手段と、
    前記露光光学系の非光学的要因にて引き起こされる前記感光性基板面における互いに交差する2方向での前記露光光学系の光学性能の差の情報を記憶する第2記憶手段と、
    前記第1記憶手段に記憶されている前記露光光学系の前記光学的要因による前記露光光学系の光学性能の差の情報及び前記第2記憶手段に記憶されている前記露光光学系の前記非光学的要因による前記露光光学系の光学性能の差の情報に基づいて、前記露光光学系の前記光学性能の差を補正するための前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整量を算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された前記調整量に基づいて、前記調整手段を駆動する駆動手段と
    を備えることを特徴とする露光装置。
  15. 前記算出手段は、前記光学的要因による前記露光光学系の光学性能の差と前記非光学的要因による前記露光光学系の光学性能の差との重み付けを行い、前記調整量を算出することを特徴とする請求項14記載の露光装置。
  16. マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン像を感光性基板上に投影する投影光学系とを有する露光装置において、
    前記投影光学系の瞳面の状態を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定された前記投影光学系の瞳面の状態に応じて前記照明光学系の瞳面での光強度分布及び前記照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整手段と
    を備えることを特徴とする露光装置。
  17. 前記調整手段は、少なくとも2つの調整用反射部材を含み、
    前記少なくとも2つの調整用反射部材は、相対的な間隔可変及び相対的な回転の少なくとも一方が可能であることを特徴とする請求項7乃至請求項16の何れか一項に記載の露光装置。
  18. 前記少なくとも2つの調整用反射部材は、互いに直交した方向で異なる曲率を有することを特徴とする請求項17記載の露光装置。
  19. 複数の反射部材を含む露光光学系を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光装置の製造方法において、
    前記感光性基板面での前記露光光学系の光学特性を計測する第1計測工程と、
    前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を計測する第2計測工程と、
    前記第1計測工程及び前記第2計測工程により計測された計測結果に基づいて、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整量を算出する算出工程と、
    前記算出工程により算出された前記調整量に基づいて、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整工程と
    を含むことを特徴とする露光装置の製造方法。
  20. 露光光学系を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光装置の製造方法において、
    前記露光光学系の光学的要因にて引き起こされる前記感光性基板面における互いに交差する2方向での前記露光光学系の光学性能の差を取得する第1取得工程と、
    前記露光光学系の非光学的要因にて引き起こされる前記感光性基板面における互いに交差する2方向での前記露光光学系の光学性能の差を取得する第2取得工程と、
    前記第1取得工程により取得された前記露光光学系の前記光学的要因による前記露光光学系の前記光学性能の差の情報及び前記第2取得工程により取得された前記露光光学系の前記非光学的要因による前記露光光学系の光学性能の差の情報に基づいて、前記露光光学系の前記光学性能の差を補正するための前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方の調整量を算出する算出工程と、
    前記算出工程により算出された前記調整量に基づいて、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整工程と
    を含むことを特徴とする露光装置の製造方法。
  21. 前記算出工程は、前記光学的要因による前記露光光学系の光学性能の差と前記非光学的要因による前記露光光学系の光学性能の差との重み付けを行い、前記調整量を算出する工程を含むことを特徴とする請求項20記載の露光装置の製造方法。
  22. 前記調整工程は、互いに直交した方向で異なる曲率を有すると共に、相対的な間隔可変及び相対的な回転が可能である少なくとも2つの調整用反射部材を用いて調整する工程を含むことを特徴とする請求項19乃至請求項21の何れか一項に記載の露光装置の製造方法。
  23. マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン像を感光性基板上に投影する投影光学系とを有する露光装置の調整方法において、
    照明条件を変更するために、前記照明光学系の瞳面での光強度分布及び前記照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を変更する変更工程と、
    前記変更工程により変更された前記照明条件に応じて変化する前記投影光学系の結像性能を調整する調整工程と
    を含むことを特徴とする露光装置の調整方法。
  24. 露光光学系を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光装置の調整方法において、
    照明条件を変更するために、前記露光光学系の瞳面での光強度分布及び前記露光光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を変更する変更工程と、
    前記変更工程により変更された前記照明条件に応じて変化する前記露光光学系の前記感光性基板面での光学特性を調整する調整工程と
    を含むことを特徴とする露光装置の調整方法。
  25. マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン像を感光性基板上に投影する投影光学系とを有する露光装置の調整方法において、
    前記投影光学系の瞳面の状態を設定する設定工程と、
    前記設定工程により設定された前記投影光学系の瞳面の状態に応じて前記照明光学系の瞳面での光強度分布及び前記照明光学系の瞳面での形状の少なくとも一方を調整する調整工程と
    を含むことを特徴とする露光装置の調整方法。
  26. 前記調整工程は、互いに直交した方向で異なる曲率を有すると共に、相対的な間隔可変及び相対的な回転の少なくとも一方が可能である少なくとも2つの調整用反射部材を用いて調整する工程を含むことを特徴とする請求項23乃至請求項25の何れか一項に記載の露光装置の調整方法。
  27. 請求項1乃至請求項18の何れか一項に記載の露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法であって、
    マスクのパターン像を感光性基板上に露光する露光工程と、
    前記露光工程により露光された感光性基板を現像する現像工程と
    を含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  28. 請求項19乃至請求項22の何れか一項に記載の露光装置の製造方法を用いて製造された露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法であって、
    感光性基板上にマスクのパターン像を露光する露光工程と、
    前記露光工程により露光された感光性基板を現像する現像工程と
    を含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  29. 請求項23乃至請求項26の何れか一項に記載の露光装置の調整方法を用いて調整された露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法であって、
    感光性基板上にマスクのパターン像を露光する露光工程と、
    前記露光工程により露光された感光性基板を現像する現像工程と
    を含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
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