JP2005300737A - ホトレジスト組成物の製造方法、ろ過装置、塗布装置及びホトレジスト組成物 - Google Patents

ホトレジスト組成物の製造方法、ろ過装置、塗布装置及びホトレジスト組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 ディフェクトの発生を抑制でき、異物特性、異物経時特性(保存安定性)に優れるホトレジスト組成物が得られる技術を提供する。
【解決手段】 下記(1)を満足する樹脂成分(A)と、酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を、下記(2)を満足する第1の膜を備えた第1のフィルタを通過させる。;(1)前記樹脂成分(A)が、下記一般式(I)で表される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)とを有する。
【化1】
Figure 2005300737

(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、mは1〜3の整数を表す。)
(2)前記第1の膜は、臨界表面張力が70dyne/cm以上であり、かつ荷電修飾されていない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ホトレジスト組成物の製造方法、ろ過装置、塗布装置及びホトレジスト組成物に関するものであって、特にKrFエキシマレーザー用のホトレジスト組成物の処理に適したものである。
一般にKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザ、EUV(極端紫外光)、EB(電子線)等を光源(放射線源)に用いる化学増幅型のホトレジスト組成物は、例えば、特開2002−296779号公報(特許文献1)に記載されている様に、樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、これらの成分を溶解可能な有機溶剤(C)とを含むものである。
そして、このような化学増幅型のホトレジスト組成物には、高解像性、高感度、および良好な形状のレジストバターンなどが要求される。
近年のように0.16ミクロン以下の高解像性のレジストパターンが要求されるようになってくると、これらの特性に加えて、従来以上に現像後のレジストパターンのディフェクト(表面欠陥)の改善がいっそう必要となってくる。
このディフェクトとは、例えば、KLAテンコール社の表面欠陥観察装置(商品名「KLA」)により、現像後のレジストパターンを真上から観察した際に検知される不具合全般のことである。この不具合とは、例えば現像後のスカム(主に溶け残り残さ等)、泡、ゴミ、レジストパターン間のブリッジ等である。特にブリッジ、スカムは高解像性の点から問題である。
このようなディフェクトを改善する為に、主にこれまで、レジスト組成物の樹脂成分や酸発生剤成分や溶剤成分などのレジスト組成を中心に、改善が試みられている[特開2001−56556号公報(特許文献2)]。
また、組成などを調整しても、最終的にレジスト組成物中に微粒子状等の異物が存在すると、ディフェクトの原因となる。本明細書では、便宜上、この様にレジスト組成物中に異物が存在することを異物特性と定義する。
また、保管中に、新たに微細な粒子が発生してくるレジスト溶液の異物経時特性(ホトレジスト組成物を保存しているうちに、当該ホトレジスト組成物中に固体状の異物が発生してくること;保存安定性)も問題となっており、その改善が望まれている。
この異物経時特性改善の為に、上記同様、レジスト組成を中心に改善が試みられている[特開2001−22072号公報(特許文献3)]。
特開2002−296779号公報 特開2001−56556号公報 特開2001−22072号公報 特開2002−62667号公報 特開2001−350266号公報
しかしながら、特許文献2、3に記載の技術は、その効果において未だ十分なものではない。
よって、製造直後のレジスト組成物中の微粒子を取り除くことや、異物経時特性の改善が強く望まれている。そして、これらが改善できればディフェクトの改善も期待できる。
しかしながら、これまでこの現象後のレジストパターンのディフェクト、異物特性、保存安定性を十分に改善する方法は知られていない。
ところで、特開2002−62667号公報(特許文献4)には、ホトレジスト組成物をフィルタを通過させることにより、ラインを循環させるホトレジスト組成物中の微粒子の量を低減したホトレジスト組成物の製造方法が提案されている。
この特許文献4に記載の様に、ホトレジスト組成物の製造において、ホトレジスト組成物をフィルタを通過させることは知られているが、従来の方法では、上述の様な現像後のレジストパターンのディフェクト、異物特性、保存安定性を十分に改善するには至らない。
また、特開平2001−350266号公報(特許文献5)には、正のゼータ電位を有するフィルタを通過させるホトレジスト組成物の製造方法が提案されている。しかしながら、この発明はレジスト塗膜におけるピンホール欠陥の抑制を効果としたものであり、本出願人の検討によれば、この方法では、ヒドロキシスチレン構成単位を含むヒドロキシスチレン樹脂をベースとするいわゆるKrFエキシマレーザー用のホトレジスト組成物について、現像後のスカム、レジストパターン間のブリッジ等のディフェクトを抑制する効果や、異物特性、異物経時特性を改善する効果、形成したレジストパターンサイズの安定性(パターンサイズがろ過前後において変動しにくい特性)が不充分である。
さらに近年、現象後のレジストパターンのディフェクトの中でも、特にKrFエキシマレーザー以降、すなわちKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザ、EUV、EB等を光源としたパターンサイズ160nm以下のレジストパターンのような微細なレジストパターンを形成する場合には、ディフェクトの解決の問題が厳しくなってきている。
最近では、光源の種類毎に要求される解像性のレベルがよりいっそう高くなりつつあり、かつデイフェクトの検出レベルが向上することにより、KrFエキシマレーザー用のホトレジスト組成物においても、ディフェクトの解決が厳しく求められる様になってきている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、ヒドロキシスチレン構成単位を含む、いわゆるヒドロキシスチレン樹脂をベースとするホトレジスト組成物において、現像後のレジストパターンのディフェクト、特に微細なスカムやマイクロブリッジの発生を抑制できるホトレジスト組成物が得られる技術を提供することを課題とする。
また、異物特性に優れるホトレジスト組成物が得られる技術を提供することを課題とする。
さらには、異物経時特性(保存安定性)に優れるホトレジスト組成物が得られる技術を提供することを目的とする。
さらに、形成したレジストパターンサイズの安定性に優れるホトレジスト組成物が得られる技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
第1の発明(態様)は、下記(1)を満足する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を、下記(2)を満足する第1の膜を備えた第1のフィルタを通過させる工程を有することを特徴とするホトレジスト組成物の製造方法である。
(1)前記樹脂成分(A)が、下記一般式(I)で表される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)とを有する。
Figure 2005300737
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、mは1〜3の整数を表す。)
(2)前記第1の膜は、その臨界表面張力が70dyne/cm以上であり、かつ荷電修飾されていない。
第2の発明(態様)は、樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を通過させる第1のろ過部を有するろ過装置であって、
下記(i)及び(ii)を満足することを特徴とするろ過装置。
(i)前記第1のろ過部が、第1の膜を備えた第1のフィルタを有し、当該第1の膜は、その臨界表面張力が70dyne/cm以上であり、かつ荷電修飾されていない。
(ii)当該ろ過装置は、前記樹脂成分(A)として、前記一般式(I)で表される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)とを有する樹脂成分を用いたホトレジスト組成物のろ過用である。
第3の発明(態様)は、上記ろ過装置を搭載したホトレジスト組成物の塗布装置である。
第4の発明(態様)は、上記ホトレジスト組成物の製造方法によって得られることを特徴とするホトレジスト組成物である。
第5の発明(態様)は、下記(3)を満足する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を、下記(4)を満足する第1の膜を備えた第1のフィルタを通過させる工程を有することを特徴とするホトレジスト組成物の製造方法である。
(3)前記樹脂成分(A)が、前記一般式(I)で表される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)とを有する。
(4)前記第1の膜は、孔径が0.04μm以下のナイロン膜からなる。
第6の発明(態様)は、樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を通過させる第1のろ過部を有するろ過装置であって、
下記(iii)及び(iv)を満足することを特徴とするろ過装置である。
(iii)前記第1のろ過部が、第1の膜を備えた第1のフィルタを有し、当該第1の膜は、孔径が0.04μm以下のナイロン膜からなる。
(iv)当該ろ過装置は、前記樹脂成分(A)として、前記一般式(I)で表される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)とを有する樹脂成分を用いたホトレジスト組成物のろ過用である。
第7の発明(態様)は、上記ろ過装置を搭載したホトレジスト組成物の塗布装置である。
なお、本特許請求の範囲及び明細書においては、便宜上、第1の発明(態様)〜第4の発明(態様)では、上記臨界表面張力の特定の数値範囲と、荷電修飾されていないという2つの条件を満足する膜を第1の膜とし、これを備えたフィルタを第1のフィルタと記す。また、これらの特定の2つの条件を満足しない膜を第2の膜とし、これを備えたフィルタを第2のフィルタと記す。
第5の発明(態様)〜第7の発明(態様)では、孔径が0.04以下のナイロン膜を第1の膜とし、これを備えたフィルタを第1のフィルタと記する。また、この膜以外の膜を第2の膜とし、これを備えたフィルタを第2のフィルタと記す。
また、本特許請求の範囲及び明細書において、ディフェクトとは、あくまで現像後のレジストパターンに表れるものであって、いわゆるパターン形成前のレジスト塗膜におけるピンホール欠陥とは異なる。
本特許請求の範囲及び明細書において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸の一方または両方を示す。
また、構成単位とは、重合体を構成するモノマーから誘導される単位を示す。
また、「(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリレート]から誘導される構成単位」とは、(メタ)アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
また、本発明において使用する「ろ過」という用語には、通常使用される化学的な「ろ過」(「多孔質性物質の膜や相を用いて流動体の相[気体もしくは液体]だけを透過させ、半固相もしくは固体を流動体の相から分離すること」化学大事典9昭和37年7月31日発行 共立出版株式会社)の意味に加えて、単に「フィルタを通過させる」場合、すなわち膜を通過させることによって当該膜によってトラップされた半固相もしくは固体が視覚的に確認できない場合等も含むものとする。
また、本発明において、フィルタを通過させるホトレジスト組成物は、製品と同様の濃度のホトレジスト組成物でもよいし、希釈前の固形分濃度8〜15質量%程度の、いわゆる原液も含む概念とする。また、本明細書においては、特に原液と製品と同様の濃度のものとを区別していない場合は、原液を含む概念として記載されているものとする。
また、本発明において塗布装置とは、いわゆるホトレジスト組成物の塗布装置のみならず、塗布及び現像装置の様に、現像装置等の他の装置と一体化された塗布装置も含む包括的な概念とする。
また、本明細書において、単に「ゼータ電位」という場合は、「pH7.0の蒸留水におけるゼータ電位」を意味するものとする。本発明におけるその数値は、フィルタのメーカーの公称値である。
本発明においては、ヒドロキシスチレン構成単位を含む、いわゆるヒドロキシスチレン樹脂をベースとするホトレジスト組成物において、現像後のレジストパターンのディフェクト、特に微細なスカムやマイクロブリッジの発生を抑制できるホトレジスト組成物が得られる技術を提供することができる。
また、異物特性に優れるホトレジスト組成物が得られる技術を提供できる。
さらには、異物経時特性(保存安定性)に優れるホトレジスト組成物が得られる技術を提供できる。
さらに、形成したレジストパターンサイズの安定性に優れるホトレジスト組成物が得られる。
第1の実施形態
第1の実施形態においては、上記第1の発明(態様)〜第4の発明(態様)の製造方法、ろ過装置、塗布装置、及びホトレジスト組成物について、あわせて説明する。
これらの構成により、ヒドロキシスチレン構成単位を含む、いわゆるヒドロキシスチレン樹脂をベースとするホトレジスト組成物において、現像後のレジストパターンのディフェクト、特に微細なスカムやマイクロブリッジの発生を抑制できるホトレジスト組成物が得られる技術を提供することができる。
また、異物特性に優れるホトレジスト組成物が得られる技術を提供することができる。
また、異物経時特性(保存安定性)に優れるホトレジスト組成物が得られる技術を提供することができる。
さらに、形成したレジストパターンサイズの安定性に優れるホトレジスト組成物が得られる。
[操作の手順及び装置]
以下、ホトレジスト組成物の製造方法およびろ過装置の一例について、手順にそって説明する。
まず、図1に示した様に、第1のろ過部2と、第2のろ過部4とを有するろ過装置を用意する。
第1のろ過部2は、第1の膜(ろ過膜)を備えた第1のフィルタ2aを有するものである。
前記第1の膜は、その臨界表面張力が70dyne/cm以上であり、かつ荷電修飾されていない。
第2のろ過部4は、前記第1の膜とは異なる従来の第2の膜(ろ過膜)を備えた第2のフィルタ4aを有するものである。
ここで、フィルタとは、例えば少なくともホトレジスト組成物を通過させる膜と、これを支持する支持部材とを備えたものである。具体的には、例えば日本ポール株式会社、アドバンテック東洋社、マイクロリス社、またはキッツ社などのフィルタメーカーから、超純水、高純度薬液、ファインケミカル等をろ過するためのものとして種種の材質、孔径のものが製造または販売されている。
本実施形態においては、前記第1のフィルタ2a、第2のフィルタ4aの形態は特に限定しないが、例えばいわゆるディスクタイプ、カートリッジタイプ等が一般的に用いられる。
・第1の膜
第1の膜として、臨界表面張力が70dyne/cm以上の膜を備え、かつ荷電修飾されていないフィルタを用いることにより、ディフェクトの低減、特に微細なスカムやマイクロブリッジの抑制や、異物特性の改善、異物経時特性の改善の効果が得られる。
その理由は定かではないが、臨界表面張力が70dyne/cm以上であることにより、膜表面がレジスト組成物に対して濡れやすくなるため、ディフェクトや異物特性の悪化や異物経時の悪化を引き起こす特定の粒子に対する選択的なろ過効率が向上するのではないかと推測される。
また、荷電修飾されていないことにより、電荷の偏りが少なくなり、特定の物質が膜表面に吸着することを抑制し、その結果ろ過効率が向上するのではないかと推測される。
また、第1の膜としてこの様な特性を有するものを用いることにより、フィルタを通過させる処理の前と後とで、ホトレジスト組成物の組成が変化しにくく、結果形成したレジストパターンサイズの安定性に優れるという効果も得られる。この効果も荷電修飾しない点に係る電荷の偏りの抑制等に起因するものと推測される。
・・臨界表面張力70dyne/cm以上である点について
臨界表面張力(critical surface tension)は、高分子の表面物性の『濡れ特性』として知られた物性であり、固体の表面張力(γc)である。このγcは液体のように直接評価できないため、次のようにYoung-Dupreの式と下記に説明するZisman Plotから求められる。
Young-Dupreの式:
γLVcosθ=γSV−γSL
式中のθ:接触角、S:固体、L:液体、V:飽和蒸気である。なお、液体として水を用いたときθが90°であり、θが90°以上のときその表面は疎水性であり、0°に近い表面を親水性という。
Zisman Plot(図2参照):
種種の表面張力γLVの液体を用いて接触角θを測定して、γLVとcosθをプロットする。γLVが固体表面のγSVに近づくとθは小さくなり、γLVのある値で接触角θは0°となる。このθ=0°となったときの液体のγLVが固体の表面張力、即ち臨界表面張力(γc)と定義される。
なお、フィルタに用いられている膜(フィルタ用に加工された膜)(Medium)とそのフィルタに用いられる前(フィルタ用に加工される前)のポリマー材料(Material)におけるγcは次のとおりである。
・フィルタに備えられたナイロン66(登録商標)の膜(Medium)の例:77dyne/cm(以下単位は略する)
・フィルタに備えられていない一般のナイロン66(登録商標)(Material):46
・フィルタに備えられたポリエチレン又はポリプロピレンの膜(Medium)の例:36
・フィルタに備えられたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の膜(Medium)の例:28
・フィルタに備えられていない一般のPTFE(Material):18.5等。
このようにポリマー材料(Material)と、これをフィルタとして機能する様に加工したフィルタに備えられた膜(Medium)において、γcは異なっている。
本発明において、臨界表面張力γcは、第1のフィルタに備えられた第1の膜の臨界表面張力が70dyne/cm以上の特性を有することを意味しており、そのポリマー材料(Material)の値ではない。
この様なポリマー材料と、フィルタに用いられる膜との臨界表面張力の値の差は、フィルタに用いられる様に、ポリマー材料(Material)が加工されることから生じるものである。
なお、同じ材料であっても加工の仕方が異なれば臨界表面張力の値も異なるので、フィルタの膜の臨界表面張力は、個々に公称値を確認したり、測定値を求めることが好ましい。
臨界表面張力が70dyne/cm以上であることにより、ディフェクト、特に微細なスカムやマイクロブリッジの低減の効果や、異物特性の劣化や異物経時特性の劣化を抑制する効果が得られる。
臨界表面張力の上限はディフェクト低減効果が劣ってくることから、95dyne/cm以下である。より好ましい範囲は、75dyne/cm以上、90dyne/cm以下、さらに好ましい範囲は75dyne/cm以上、80dyne/cm以下である。
臨界表面張力の値はフィルタのメーカーの公称値を用いることが簡便であるが、具体的には既知の表面張力の液体を複数準備して、対象とする膜に滴下し、自重で膜にしみこむものとしみこまないものの境界を見極めることにより、容易に求めることもできる。
・・荷電修飾されていない点について
荷電修飾とは、強制電位修飾という表現と同義である。
また、荷電修飾の有無はゼータ電位の値と相関があり、「荷電修飾されていない」とは、特定のpH7.0の蒸留水におけるゼータ電位を有すると言うことができる。
・・ゼータ電位
ゼータ電位とは、液体中に荷電した粒子の周囲に生じる拡散イオン層の電位である。
より詳しくは、液中で超微紛体が電荷を持つとき、この電荷を打ち消すために反対の電荷のイオンが静電力で微紛体にひきつけられ電気二重層ができる。この二重層の最も外側の面の電位がゼータ電位である。そして、ゼータ電位の測定は微紛体・微粒子の表面構造決定に有効であると言われている。
なお、上述の様に本明細書において単に「ゼータ電位」という場合は、「pH7.0の蒸留水におけるゼータ電位」を意味するものとする。本発明におけるその数値は、フィルタのメーカーの公称値である。
「荷電修飾されていない」膜は、−20mV超、15mV以下の範囲のゼータ電位を有する。本発明の効果の点から、好ましくは−20mV超、10mV以下の範囲;さらに好ましくは−20mV超、10mV未満の範囲;最も好ましくは負のゼータ電位(ただし−20mV超)である。
本発明において、負のゼータ電位としては、好ましくは−5mV以下(ただし−20mV超)、好ましくは−10〜−18mV、さらに好ましくは−12〜−16mVである。
この様に、ゼータ電位が−20mV超、15mV以下の範囲、特に負のゼータ電位を有する膜を用いることにより、ディフェクト、特に微細なスカムやマイクロブリッジの低減、異物特性の改善、異物経時特性の改善の効果が得られる。また、ホトレジスト組成物自体をろ過処理しても、その処理後でホトレジスト組成部物の組成が変化しにくく、感度やレジストパターンサイズの変化が起こりにくいレジストパターンサイズの安定性に優れるホトレジスト組成物が得られるので好ましい。
本実施形態においては、臨界表面張力の値を満足する点等から、荷電修飾されていないナイロン(ポリアミド)製の膜が好ましい。
なお、臨界表面張力の値を満足し、かつ荷電修飾されていないフィルタとしては、ナイロン66(登録商標)製のウルチプリーツ(登録商標:Ultipleat)P-Nylon Filter(製品名:日本ポール株式会社製、ゼータ電位は約−12〜−16mV、孔径0.04μm、臨界表面張力77dyne/cm)等を挙げることができる。
一方、臨界表面張力の値を満足しないフィルタとしては、これまで市販されているPTFE等のフッ素樹脂又はポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂からなる膜を備えた従来のフィルタを挙げることができる。
これらのフィルタにおける膜の臨界表面張力の値は約50dyne/cm以下である。
・・第1の膜の孔径
第1のフィルタに用いる膜の孔径は、フィルタのメーカーの公称値にて好ましい範囲を規定することができる。
そして、ろ過部の組合せ(フィルタの形態、膜の種類、膜を通過させる回数等の組合せ)によって、生産性と本発明の効果の観点から、例えば以下の様に適宜調整される。
(i)−1 例1:第1のフィルタのみを用いてろ過を行う場合
この例は、図1に示した第2のフィルタ4a等の第1のフィルタ以外のフィルタを用いたろ過を行わない場合である。
この場合、第1のフィルタの膜の孔径は0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは0.04μm以下の製品を使用すると、効果の点で好ましい。
ただし、あまり小さくなりすぎると生産性(レジスト組成物製造や塗布のスループット)は低下する傾向がある。下限値は0.01μm程度であるが、実用的には0.02μm以上とされる。
(ii)−2 例2:第1のフィルタと、第1のフィルタ以外のフィルタによるろ過とを組み合わせる場合
この場合、第1のフィルタの膜の孔径は、0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは0.04μm以下の製品を使用すると、効果の点で好ましい。下限値は0.01μm程度であるが、実用的には0.02μm以上とされる。
なお、上記例1、例2のいずれの場合であっても、第1のフィルタに用いる膜の孔径は、0.02μm以上、0.1μm以下、特に0.01〜0.04μm、さらに好ましくは0.02〜0.04μmの範囲を満足することが、ディフェクト低減効果、異物特性、異物経時特性の向上の効果の点と生産性から好ましい。
また、効果と生産性の両立の点から0.04μmが好ましい。
・第2の膜
第2の膜は、従来、ホトレジスト組成物のろ過用途等に用いられているものであれば特に限定せずに用いることができる。
例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;ナイロン6(登録商標)、ナイロン66(登録商標)等のポリアミド樹脂等が挙げられる。
中でも、ポリプロピレンまたはポリエチレン製の膜が、他のものと比較して、第1のフィルタと組み合わせるとディフェクト低減効果と異物経時の特性がともに優れており、好ましい。なお、ポリプロピレン製の膜には通常のポリプロピレンに加えて高密度ポリプロピレン(HDPE)膜や超高分子量ポリプロピレン(UPE)膜も含まれる。
・第2の膜の孔径
第2のフィルタの膜の孔径は0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは0.02μm以下とされる。なお、下限値は特に限定しないが、実用的には0.02μm以上とされる。
なお、第2のフィルタに用いる膜の孔径は、0.02〜0.1μmの範囲を満足することが、ディフェクト低減効果、異物特性、異物経時特性の向上の効果の点から好ましい。
ここでいう第2のフィルタの孔径も、前記同様フィルタのメーカーの公称値である。
この様なろ過装置を準備する一方、常法にしたがって、樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を調製する。
(A)成分としては、前記一般式(I)で表される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)とを有するものを用いる。(A)成分についての詳細は後述する。
ついで、図1に示す様に、当該ホトレジスト組成物を、貯留槽1(ホトレジスト組成物の貯留部)から第1のろ過部2に供給すると、かかるホトレジスト組成物は、第1のろ過部2内に備えられた第1のフィルタ2aにおいて、その第1の膜を通過して、ろ過され、ろ液は第1のろ液貯留槽3に供給される。
ついで、当該第1のろ液貯留槽3から、ろ液(ホトレジスト組成物)を第2のろ過部4に供給すると、かかるろ液は第2のろ過部4内に備えられた第2のフィルタ4aにおいて、その第2の膜を通過して、ろ過される。
そして、最後に、このろ液(ホトレジスト組成物)を容器5に入れて製品とする。
なお、第1のフィルタ2a、第2のフィルタ4aの表面積(ろ過面積)は、ホトレジスト組成物の処理量等によって適宜調整することが好ましく、特に限定するものではないく、例えば従来と同様の条件でよい。
また、第1のフィルタ2a、第2のフィルタ4aのろ過圧[耐差圧]も、特に限定するものではなく、例えば従来と同様の条件でよい。
また、第1のろ過部2、第2のろ過部4に供給するホトレジスト組成物の流速は、フィルタの特性や表面積等によって適宜調整され、例えば従来と同様の条件とされる。
本発明においては、少なくとも1回、前記第1のフィルタにてろ過を行うことが必須であり、それによりディフェクトの低減効果、異物特性、異物経時特性の点で優れた効果が得られる。そして、ひとつのフィルタを通過させる回数(ろ過の回数)、他の種類の膜を備えたフィルタの組合せ等は特に限定されず、目的に応じて適宜調整可能である。
よって、図1に示した様に、第1のフィルタ2aによるろ過以外のろ過の操作は必須ではない。しかし、上述の様に第2のフィルタ4aを用いて第1のフィルタ2aによるろ過以外のろ過を行うことにより、第1のフィルタ2aでのろ過の負担を減ずることができ、また、ディフェクト低減の効果、異物特性、異物経時特性の点もさらに良好となるため、好ましい。
本発明の実施態様として、第1のフィルタによるろ過と、他のフィルタによるろ過(第2のフィルタによるろ過)を組み合わせる手順としては、以下の様な例を挙げることができる。図1に示した手順とともに説明する。
なお、このとき、ろ過装置の構成は、ろ過を行うフィルタの組み合わせによって適宜選択可能である。例えばろ過装置は、1種または2種以上のフィルタ(ろ過部)の前後に、適宜貯留部等のろ過前後のホトレジスト組成物を貯留するための槽を設けることにより、種種の形態として、構成することができる。
また、同じフィルタによるろ過を2回以上行う場合には、常法によって、被処理液をフィルタに供給した後、得られたろ液を、再度同じフィルタに供給する装置構成を採用すすると容易に行うことができる。
(i)−1 例1の手順(後ろ過):第1のフィルタによるろ過の後、第1のフィルタ以外のフィルタによる後ろ過を行う。
この例1は、図1に示した手順を含む。
この例において、第1のフィルタによるろ過について、回数の制限はなく、例えば1〜2回程度である。
第1のフィルタ以外のフィルタによる後ろ過についても、回数の制限はなく、例えば1〜2回程度である。
後ろ過の工程で使用するフィルタの膜は、前記第2のフィルタの膜についての説明で例示したものが使用可能であり、好ましくは当該説明と同様にポリプロピレンまたはポリエチレン製である。
後ろ過は、例えばポリエチレンまたはポリプロピレン製の膜を備えたフィルタで1回目のろ過を行い、次いでPTFE製の膜を備えたフィルタにて2回目のろ過をすると好ましい。なお、このとき、ポリエチレンまたはポリプロピレン製の膜を備えたフィルタによるろ過だけでもよいが、PTFE製の膜を備えたフィルタで1回目のろ過を行うと、本発明の効果が向上するため好ましい。
(i)−2 例2の手順(前ろ過):1〜2回程度の、第1のフィルタ以外のフィルタによる前ろ過の後、第1のフィルタによるろ過を行う。
この例においても、第1のフィルタによるろ過について、回数の制限はなく、例えば1〜2回程度である。
第1のフィルタ以外のフィルタによる前ろ過についても、回数の制限はなく、例えば1〜2回程度である。
前ろ過の工程で使用するフィルタの膜は、前記第2の膜の説明で例示したものが使用可能であり、好ましくは当該説明と同様にポリプロピレン、ポリエチレン製である。
前ろ過は、例えばPTFE製の膜を備えたフィルタで1回目のろ過を行い、次いでポリエチレンまたはポリプロピレン製の膜を備えたフィルタにて2回目のろ過をすると好ましい。なお、このとき、ポリエチレンまたはポリプロピレン製の膜を備えたフィルタによるろ過だけでもよいが、PTFE製の膜を備えたフィルタを組み合わせてろ過を行うと、本発明の効果が向上するため好ましい。
(i)−3 例3の手順:
前記例1の後ろ過と、例2の前ろ過とを組み合わせることができる。
この際の好ましい態様については、前記例1、例2の説明と同様である。
これらのうち、効果の点から、ろ過の手順として特に好ましいものとしては、以下のものが挙げられる。
(ii)−1 好ましい態様:第1のフィルタによるろ過を1回または2回行った後、最後にポリエチレン製またはポリプロピレン製の第2のフィルタによるろ過を行う。
この操作を行うと、ディフェクトの低減効果、異物特性、及び異物経時特性に優れる。
・ろ過装置の態様
ろ過装置としては、種々の形態を採用することができる。
例えば、図1に示した様な通常のホトレジスト組成物の製造工程に用いられる装置であってもよいし、また、スピンナー、塗布及び現像装置(コーター・デベロッパー)などの塗布装置に搭載される装置などであってもよい。
すなわち、本発明において、本発明のろ過装置を搭載した塗布装置とは、いわゆるホトレジスト組成物の塗布装置のみならず、塗布及び現像装置の様に、現像装置等の他の装置と一体化された塗布装置も含む包括的な概念とする。
・塗布装置
この様な塗布装置は、ノズルを有しており、通常、当該ノズルからウェーハ(基板)上にホトレジスト組成物が供給され、当該ホトレジスト組成物がウェーハ上に塗布される仕組みとなっている。
よって、このノズルからウェーハ上に供給される前に、ホトレジスト組成物が、本発明のろ過装置の膜を通過する様に、上記塗布装置等に、本発明のろ過装置を組み込めば、これにより、ホトレジスト組成物がウェーハ上に供給される前に、このホトレジスト組成物中のディフェクト、異物特性の劣化、異物経時特性の劣化の原因となる様なものが除去される。その結果、ディフェクト、特に微細なスカムやマイクロブリッジの低減、レジストパターンサイズの安定性に優れるといった効果が得られる。
なお、この様に塗布装置を構成する場合、フィルタは塗布装置用に着脱可能とされていることが好ましい。すなわち、ろ過装置を搭載した塗布装置において、フィルタのみを取り外して取り替えることが可能な態様とされていることが好ましい。
・・塗布装置の具体例
図3は、塗布装置の一例を示した概略構成図である。
この装置において、ホトレジスト組成物7は、リザーバタンク10から、ポンプ11にて吸引され、導入管9を通り、第1のろ過部12を通過し、塗布装置のノズル13から、シリコンウエーハのような基板14に供給される。なお、第1のろ過部12内に備えられた第1の膜を備えた第1のフィルタ12aにて、該組成物はろ過される。
なお、貯留部8には、加圧用管6が設けられており、貯留部8内のホトレジスト組成物7を窒素などの不活性ガスで加圧することにより、当該ホトレジスト組成物7を、貯留部8からリザーバタンク10まで供給することができる様になっている。
ついで、ろ過された後の該組成物は、ノズル13から滴下される。その際、塗布装置の塗布部18内の回転軸17が回転することにより、回転軸17の先端に取り付けられた基板14の支持部15がその上に配置された基板14を回転させる。そして、その遠心力により、該基板14上に滴下されたホトレジスト組成物は広がり、当該基板14上に塗布される。
なお、ノズル13、基板14、及び支持部15の周囲には、これらを囲む様に有底筒状体16(防御壁)が設けられており、回転軸17はその底部を貫通している。そして、この有底筒状体16により、基板が回転してホトレジスト組成物が周囲に飛散することを防ぐ様になっている。
ここで、リザーバタンク10はあってもなくても良いし、ポンプ11はホトレジスト組成物をその貯留部8から塗布部18へ供給する機能を有するものであれば、限定されない。
また、第2のフィルタを備えた第2のろ過部を、第1のろ過部12の前後の一方あるいは両方に設けることもでき、フィルタの組み合わせは、種種の態様が選択し得る。
また、ここでは、塗布装置としてスピンナーの例を示したが、塗布方法は近年、スリットノズル法など回転塗布以外の様々なものが提案されており、それらの装置も提案されているので、これも限定されない。
また、塗布装置は、上述の様に、その後の現像工程を一貫して行えるいわゆる塗布・現像装置であってもよい。その様な例としては、東京エレクトロン社製の「クリーントラックACT−8」(製品名)等が挙げられる。
・ホトレジスト組成物
本実施形態のホトレジスト組成物は、本実施形態の製造方法によって得られるもので、レジストパターンにスカムやマイクロブリッジが生じにくく、異物特性、異物経時特性やレジストパターンサイズの安定性に優れる良好なものである。
ホトレジスト組成物の特性評価において、レジストパターンのディフェクトは、例えばKLAテンコール社製の表面欠陥観察装置 KLA2132(製品名)によって、いわゆる表面欠陥の数として評価することができる。また、デイフェクトの種類がスカムであるか、マイクロブリッジであるか等は、側長SEM(走査型電子顕微鏡)等によって観察することにより確認できる。
異物特性、異物経時特性はパーティクルカウンターを用いて異物の数を測定することにより、評価することができる。
異物特性は、例えば液中パーティクルカウンター(Rion社製、製品名:パーティクルセンサー KS−41やKL−20K)を用いて、ホトレジスト組成物のろ過処理直後の値を測定する。
異物経時特性は、冷凍、冷蔵、又は室温(25℃)で保存した後のホトレジスト組成物の異物経時特性を評価する。
かかる装置は、1cm当たりの粒径0.15μm〜0.3μm以上の粒子の数を数えるものである。測定限界は通常2万個/cm位以上である。具体的には、パーティクルセンサー KS−41は、粒径0.15μm以上の粒子の数を測定できる。
なお、通常、本発明によるろ過処理直後のホトレジスト組成物(ここでは原液は含まない)中の異物の測定値において、粒径0.15μm以上の粒子の合計数を80個/cm以下、さらには50個/cm以下とすることができる。
また、好ましくは半年経過後にも異物経時特性は、冷凍、冷蔵保存であっても室温保存であっても、ろ過処理直後と殆ど変わらない特性が得られる。
そして、スカムやマイクロブリッジ等のディフェクトも発生しにくい。
また、本発明のホトレジスト組成物の製造方法では、ろ過処理前後でホトレジスト組成物の組成が変化しにくい。
ホトレジスト組成物の組成が変化するか否かは、フィルタを通過する処理の前と後とにおいて、ホトレジスト組成物中の材料の濃度を分析して比較したり、ホトレジスト組成物を用いてレジストパターンを形成する際の感度(最適露光量)やレジストパターンサイズの変化を測定することにより、評価することができる。
第2の実施形態
第2の実施形態においては、前記第5の発明(態様)の製造方法、前記第6の発明(態様)のろ過装置、及び前記第7の発明(態様)の塗布装置について説明する。
[操作の手順及び装置]
第2の実施形態において、第1の実施形態と異なるのは、例えば、図1に示した第1のろ過部2として、孔径が0.04μm以下のナイロン膜を有する第1のフィルタ2aを備えたものを用いる点である。
孔径が0.04μm以下のナイロン膜からなる第1の膜を備えた第1のフィルタを用いることにより、ディフェクトの低減、特に微細なスカムやマイクロブリッジの抑制、異物特性の改善、異物経時特性の改善の効果が得られる。
その理由は定かではないが、ナイロン膜であることとその特定の孔径により、膜表面がディフェクトや異物の原因となる低分子量体を選択的に吸着でき、ろ過効率が向上するのではないかと推測される。
上記条件を満足する膜を有するフィルタとしては、ナイロン66(登録商標)製のウルチプリーツ(登録商標:Ultipleat)P-Nylon Filter(製品名:日本ポール株式会社製、ゼータ電位は約−12〜−16mV、孔径0.04μm、臨界表面張力77dyne/cm)等を挙げることができる。
なお、前記第1の実施形態においても説明したように、該フィルタに用いられるナイロン膜には、当然フィルタに備えられていない一般のナイロン66(Material)は当然含まれない。よって、臨界表面張力46dyne/cmのフィルタに備えられていないナイロン66(Material)は該フィルタにおけるナイロン膜に該当しない。
第1のフィルタ2aに用いる第1の膜の孔径は、フィルタのメーカーの公称値である。
本発明、特に本実施形態においては、一般的なろ過で考えられている様に、孔径が小さいほど、ディフェクト低減効果、異物特性の改善や異物経時特性の改善の効果が上がるという単純なものではない。そのため、膜のサイズと膜の材料との関係を考慮して選択することが好ましい。
例えば、第2のフィルタを用いず第1のフィルタのみによるろ過を行う場合でも、また第2のフィルタと組み合わせてろ過する場合でも、本実施形態においては、第1のフィルタの膜の孔径は0.04μm以下の製品を使用する。
孔径があまり小さくなりすぎると生産性(レジスト組成物製造や塗布のスループット)は低下する傾向がある。下限値は0.01μm程度であるが、実用的には0.02μm以上とされる。なお、0.04μm以下であることにより、ディフェクトの低減、特に微細なスカムやマイクロブリッジの低減、異物特性の改善、異物経時特性の改善の効果が得られる。
なお、この数値限定による効果は、上述の様に、ナイロン製の膜との組み合わせによって奏されるものである。
第2の実施形態において、第1の膜は、上記要件を満足しつ、かつ荷電修飾がなされていない膜が好ましい。
荷電修飾とは、第1の実施形態における説明と同様の意味であり、好ましい態様も同様である。
これにより、効果の向上が得られる。また、ホトレジスト組成物自体をろ過処理しても、その処理後で感度やレジストパターンサイズの変化が起こりにくいので好ましい。
なお、第2の実施形態において、第1の実施形態との変更点以外の好ましい態様は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態においては、前記第1の実施形態で得られるのと同等のホトレジスト組成物が得られる。
[本発明を適用するのに適したホトレジスト組成物の組成]
本発明は、樹脂成分と酸発生剤を必須とするいわゆる化学増幅型のホトレジスト組成物の製造に適したものである。すなわち、本発明の製造方法は、この様な組成のホトレジスト組成物の処理に適しており、本発明のろ過装置及び塗布装置は、この様な組成のホトレジスト組成物の処理用として適している。
前記(A)成分は、化学増幅型のホトレジスト組成物に使用されるものであれば特に限定するものではないが、KrFエキシマレーザー用のホトレジスト組成物の樹脂成分として好適に用いられる
そして、KrFエキシマレーザー用のレジストを用いたプロセスや装置に本発明を適用すると好ましい。
・(A)成分
(A)成分はホトレジスト組成物からなる塗膜形成のベースとなるものである。
(A)成分はいわゆる酸解離性溶解抑制基を有するアルカリ不溶性のものであり、露光により(B)成分から酸が発生すると、かかる酸が前記酸解離性溶解抑制基を解離させることにより、前記(A)成分がアルカリ可溶性となる。
本発明を適用するホトレジスト組成物の好ましい(A)成分について以下に説明する。
まず、(A)成分は前記構成単位(a1)、及び前記酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)を必須とする。
・・構成単位(a1)
構成単位(a1)は前記一般式(I)で表される。前記一般式(I)において、Rは、水素原子又はメチル基であり、水素原子であることが好ましい。水酸基の位置は、o−位、m−位、p−位のいずれでもよいが、容易に入手可能で低価格であることからp−位が好ましい。mは1〜3の整数であるが、1が好ましい。
構成単位(a1)は、(A)成分中に、40〜80モル%、好ましくは50〜75モル%とされる。40モル%以上とすることにより、アルカリ現像液に対する溶解性を向上させることができ、パターン形状の改善効果も得られる。80モル%以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a2)
構成単位(a2)としては、種種のものが提案されているので、これを任意に選択して用いることができる。
構成単位(a2)の主鎖は、(メタ)アクリル酸骨格、あるいは前記一般式(I)で表されるヒドロキシスチレン骨格等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸骨格の場合は、(メタ)アクリル酸のエチレン二重結合が解列し、かつカルボキシル基の水素原子にかえて、酸解離性溶解抑制基が結合した構造[−C(O)−O−R’; R’は酸解離性溶解抑制基]を有する構成単位[酸解離性溶解抑制基を有し、(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位]が用いられる。
ヒドロキシスチレン骨格の場合は、前記一般式(I)において、水酸基の水素原子が酸解離性溶解抑制基で置換された構成単位が用いられる。
酸解離性溶解抑制基としては、例えばアルコキシアルキル基、第三級アルコキシカルボニル基、第三級アルキル基、後述する一般式(2)で表される架橋基、環状アセタール基等を、任意に用いることができる。中でも、第三級アルキル基が好ましい。
前記主鎖の骨格は酸解離性溶解抑制基の種類等によって適宜選択される。
例えば(メタ)アクリル酸骨格の場合は第三級アルキル基や前記架橋基、環状アセタール基等が主に用いられる。前記一般式(I)で表されるヒドロキシスチレン骨格の場合はアルコキシアルキル基、第三級アルコキシカルボニル基、第三級アルキル基、前記架橋基、環状アセタール基等が用いられる。
構成単位(a2)のうち、主鎖が(メタ)アクリル酸骨格である構成単位は、下記一般式で表される。
Figure 2005300737
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Xは酸解離性溶解抑制基を示す。)
Rは水素原子またはメチル基であれば、特に限定されない。
酸解離性溶解抑制基Xは、例えば第三級炭素原子を有するアルキル基であって、当該第三級アルキル基の第三級炭素原子がエステル基(−C(O)O−)に結合している酸離性溶解抑制基(第三級アルキル基);テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基のような環状アセタール基等である。
この様な酸解離性溶解抑制基Xは、例えば化学増幅型のポジ型レジスト組成物において用いられているものの中から上記以外のものも任意に使用することができるが、好ましくは第三級アルキル基である。すなわち、酸解離性溶解抑制基が第三級アルキル基である(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位(a2−1)が好ましい。
構成単位(a2−1)として、例えば下記一般式(1)に記載のもの等が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2005300737
式中、Rは上記と同じであり、R11、R12、R13は、それぞれ独立に低級アルキル基(直鎖、分岐鎖のいずれでもよい。好ましくは炭素数は1〜5である。);または、これらR11、R12、R13のうちの二つが結合して、単環または多環の脂環式基(好ましくはシクロアルキル基)を形成していてもよい。脂環式基の炭素数は好ましくは5〜12とされる。R11、R12、R13のうちの二つが結合して環状となっている場合、残りのひとつは低級アルキル基(直鎖、分岐鎖のいずれでもよい。好ましくは炭素数は1〜5である。)である。
環式基を有しない場合には、例えばR11、R12、R13がいずれもメチル基であるtert−ブチル基[tert−ブチル−(メタ)アクリレートから誘導される構成単位]が好ましい。
脂環式基を有する場合において、単環の脂環式基を有する場合は、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基を有するもの等が好ましい。
また、多環の脂環式基を有するもののうち、好ましいものとして例えば下記一般式、で示されるものを挙げることができる。
Figure 2005300737
[式中、Rは上記と同じであり、R14は低級アルキル基(直鎖、分岐鎖のいずれでもよい。好ましくは炭素数は1〜5である。)を示す。]
Figure 2005300737
[式中、Rは上記と同じであり、R15、R16は、それぞれ独立に低級アルキル基(直鎖、分岐鎖のいずれでもよい。好ましくは炭素数は1〜5である。)を示す。]
構成単位(a2)が、酸解離性溶解抑制基を有し、かつヒドロキシスチレン骨格を有する構成単位である場合には、前記一般式(I)で表される構成単位において、そのヒドロキシ基の水素原子の少なくとも1つ以上、好ましくは全てが酸解離性溶解抑制基で置換されることによって、アルカリ不溶性となっているものが好ましい。
このヒドロキシスチレン骨格を有する構成単位としては、例えば下記一般式で示されるものが好ましい。
Figure 2005300737
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、X’は酸解離性溶解抑制基を示す。)
酸解離性溶解抑制基X’は、例えば化学増幅型のポジ型レジスト組成物において用いられているものの中から上記以外のものも任意に使用することができる。
例えば、酸解離性溶解抑制基X’は、tert−ブチルオキシカルボニル基、tert−アミルオキシカルボニル基のような第三級アルキルオキシカルボニル基;tert−ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチルオキシカルボニルエチル基のような第三級アルキルオキシカルボニルアルキル基;tert−ブチル基、tert−アミル基などの第三級アルキル基;テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基などの環状アセタール基;エトキシエチル基、メトキシプロピル基などのアルコキシアルキル基などである。
中でも、tert―ブチルオキシカルボニル基、tert―ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチル基、テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基が好ましい。ベンゼン環に結合している基(−OX’)の結合位置は特に限定するものではないがp位(4位)が好ましい。
構成単位(a2)は、その酸解離性溶解抑制基が、下記一般式(2)で表される架橋基であってもよい。
Figure 2005300737
(R及びRはそれぞれ独立に低級アルキル基、n’は1〜3の整数、Aは単結合又はn’+1の有機基を表す。)
架橋基は、カルボキシル基、水酸基等を有する、好ましくは2つまたは3つの構成単位の間を結合するものである。
前記R3及びR4の低級アルキル基(好ましくは炭素数5以下)の例としては、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、イソブチル基、tert‐ブチル基、n‐ペンチル基などを挙げることができる。
また、Aは単結合又(n’+1)個の結合手を有する有機基、好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基である。
n’が1の場合の炭化水素基の例としては、直鎖状若しくは枝分れ状アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基などがあり、n’が2の場合の炭化水素基の例としては、上記のアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基の中の水素原子の1個が脱離した三価の基を挙げることができる。
またn’が3の場合の炭化水素基の例としては、上記のアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基の中の水素原子の2個が脱離した四価の基を挙げることができる。
特に好ましいのはAが2〜10の直鎖状アルキレン基で、R3及びR4がメチル基のものである。
架橋基によって架橋される対象となる構成単位の主鎖の構造は特に限定されず、上述の構成単位(a1)と同様のヒドロキシスチレン構成単位や上述の(メタ)アクリル酸骨格が挙げられるが、(メタ)アクリル酸骨格が好ましい。
すなわち、以下の一般式で示される様な架橋構造を構成することが好ましい。
Figure 2005300737
(前記式中、R31はメチル基または水素原子であり、R、R、n’及びAは前記と同様の意味である。)
架橋構造としては、好ましくは、少なくとも2個のアクリル酸又はメタクリル酸第三級アルキルエステルが、それぞれの第三級炭素原子に結合している1個のアルキル基において、有機基を介して連結した架橋型単位であって、露光により発生する酸の作用により、エステル基がカルボキシル基に変化し、露光部の樹脂成分をアルカリ可溶性に変える。一方、未露光部においては、架橋基のまま残るので、樹脂成分はアルカリ不溶性を維持する。
このような架橋構造は、例えばアクリル酸若しくはメタクリル酸又はそれらの反応性官能的誘導体、例えば酸ハライド2ないし4分子を各末端に水酸基を結合した第三級炭素原子をもつジオール類、トリオール類又はテトロール類のような水酸基2ないし4個をもつアルコール類1分子と結合させて得られる2ないし4個のエチレン性不飽和結合をもつジエステル、トリエステル又はテトラエステルから誘導される。
上記のジオール類としては、例えば、2,3‐ジメチル‐2,3‐ブタンジオール、2,3‐ジエチル‐2,3‐ブタンジオール、2,3‐ジ‐n‐プロピル‐2,3‐ブタンジオール、2,4‐ジメチル‐2,4‐ペンタンジオール、2,4‐ジエチル‐2,4‐ペンタンジオール、2,4‐ジ‐n‐プロピル‐2,4‐ペンタンジオール、2,5‐ジメチル‐2,5‐ヘキサンジオール、2,5‐ジエチル‐2,5‐ヘキサンジオール、2,5‐ジ‐n‐プロピル‐2,5‐ヘキサンジオール、2,6‐ジメチル‐2,6‐ヘプタンジオール、2,6‐ジエチル‐2,6‐ヘプタンジオール、2,6‐ジ‐n‐プロピル‐2,6‐ヘプタンジオールのようなグリコール類を、トリオール類としては、例えば2,4‐ジメチル‐2,4‐ジヒドロキシ‐3‐(2‐ヒドロキシプロピル)ペンタン、2,4‐ジエチル‐2,4‐ジヒドロキシ‐3‐(2‐ヒドロキシプロピル)ペンタン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジヒドロキシ‐3‐(2‐ヒドロキシプロピル)ヘキサン、2,5‐ジエチル‐2,5‐ジヒドロキシ‐3‐(2‐ヒドロキシプロピル)ヘキサンのようなトリオール類、テトロール類としては、エリトリット、ペンタエリトリット、2,3,4,5‐ヘキサンテトロールのようなテトロール類をそれぞれ挙げることができる。
これらのジエステル又はトリエステルの中で特に好ましいのは、下記一般式
Figure 2005300737
(式中のR31は前記と同様の意味であり、pは0、1又は2である)で表わされるジエステル及び下記一般式
Figure 2005300737
又は下記一般式
Figure 2005300737
(式中のR31は前記と同じ意味をもつ)
で表わされるトリエステルである。
構成単位(a2)は(A)成分中1〜30モル%、好ましくは2〜10モル%含まれる。1モル%以上とすることによりアルカリ現像液への溶解特性を変化させることができる。30モル%以下とすることにより、他の構成単位とのバランスの点から好ましい。
(A)成分は必須とする構成単位(a1)、構成単位(a2)以外の任意の構成単位を含むものであってもよい。
その他任意の構成単位として、好ましいものとしては、例えば以下の構成単位(a3)が挙げられる。
・・構成単位(a3)
構成単位(a3)は、下記一般式(II)で表されるものである。
Figure 2005300737
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R11は低級アルキル基を表し、nは0または1〜3の整数を表す。)
前記R11の低級アルキル基は、直鎖または分岐鎖のいずれでもよく、炭素数は好ましくは1〜5とされる。nは0または1〜3の整数を示すが、0であることが好ましい。
構成単位(a3)を用いる場合、構成単位(a3)は(A)成分中、1〜40モル%、好ましくは5〜25モル%とされる。1モル%以上とすることにより、形状の改善(特に後述する膜減りの改善)の効果が高くなる傾向がある。40モル%以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A)成分の中では、構成単位(a1)と、前記構成単位(a2)として、酸解離性溶解抑制基が第三級アルキル基である(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位(a2−1)を有し、かつ、前記一般式(II)で表される構成単位(a3)を有するものが好ましい。これらの中でも、構成単位(a1)と、前記構成単位(a2)として、前記構成単位(a2−1)の酸解離性溶解抑制基がtert−ブチル基である構成単位を有し、かつ、前記一般式(II)で表される構成単位(a3)を有するものが好ましい。
(A)成分は、上記必須の構成単位(a1)、(a2)を含むものであればよい。例えば共重合体であってもよいし、複数種類の樹脂成分の混合樹脂であってもよいが、共重合体が好ましい。
(A)成分は1種または2種以上を混合して用いることができる。
(A)成分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)によるポリスチレン換算の質量平均分子量は2000より大きく、好ましくは3000〜30000、より好ましくは5000〜20000とされる。
・(B)露光により酸を発生する化合物
本発明において、(B)成分は、従来の化学増幅型レジスト組成物において使用されている公知の酸発生剤から特に限定せずに用いることができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ジアゾメタンニトロベンジルスルホネート類などのジアゾメタン系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロンメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネートなどが挙げられる。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。これらの中で、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリルが好ましい。
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
(B)成分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。上記範囲より少ないとパターン形成が十分に行われないおそれがあり、上記範囲を超えると均一な溶液が得られにくく、保存安定性が低下する原因となるおそれがある。
・(D)含窒素有機化合物
本発明のポジ型レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)を配合することができる。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、アミン、特に第2級低級脂肪族アミンや第三級低級脂肪族アミンが好ましい。
ここで、低級脂肪族アミンとは炭素数5以下のアルキルまたはアルキルアルコールのアミンを言い、この第2級や第三級アミンの例としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられるが、特にトリエタノールアミンのような第三級アルカノールアミンが好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
・(E)成分
また、前記(D)成分との配合による感度劣化を防ぎ、またレジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、さらに任意の成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(E)(以下、(E)成分という)を含有させることができる。なお、(D)成分と(E)成分は併用することもできるし、いずれか1種を用いることもできる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ‐n‐ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸‐ジ‐n‐ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
・有機溶剤(C)
本発明のポジ型レジスト組成物は、材料を(C)成分に溶解させて製造することができる。
(C)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、またはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類およびその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。
これらの(C)成分は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましいが、その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜8:2、より好ましくは2:8〜5:5の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比が好ましくは2:8〜5:5、より好ましくは3:7〜4:6であると好ましい。
また、(C)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(C)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内とされる。
・その他の任意成分
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜、添加含有させることができる。
[パターン形成方法]
本発明によって得られるホトレジスト組成物を用いたレジストパターンは、常法によって形成することができる。
例えば、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記ホトレジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(PAB処理)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えば露光装置などにより、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、またはFエキシマレーザ光、あるいはExtreme UV(極端紫外光)、EB(電子線)またはX線等を所望のマスクパターンを介して選択的に露光または描画した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)処理を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
なお、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
本発明においてはKrFエキシマレーザ光が有効である。
この様に本発明においては、ヒドロキシスチレン構成単位を含むヒドロキシスチレン樹脂をベースとするホトレジスト組成物において、現像後のレジストパターンのディフェクト、特に微細なスカムやマイクロブリッジの発生を抑制できるホトレジスト組成物が得られる技術を提供することができる。また、異物特性に優れるホトレジスト組成物が得られる技術を提供することができる。さらには、異物経時特性(保存安定性)に優れるホトレジスト組成物が得られる技術を提供することができる。
また、ホトレジスト組成物自体をろ過処理しても、その処理後に組成が変化しにくく、感度やレジストパターンサイズの変化が起こりにくいホトレジスト組成物が得られる。
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。
[評価方法]
後述する実施例または比較例のホトレジスト組成物の諸物性は次のようにして求めた。
(1)異物特性及び経時特性
液中パーティクルカウンター(Rion社製、製品名:KS−41)を用いて、ろ過処理直後及び製造後冷蔵、冷凍及び室温で保存した後(2ヶ月)のホトレジスト組成物の異物経時特性を評価した。測定限界は2万個/cm位以上である。
(2)ディフェクト
調整したホトレジスト組成物(ポジ型)を、スピンナーを用いてシリコンウェーハ(直径200mm)上に塗布し、ホットプレート上で110℃、90秒間プレベーク(PAB処理)し、乾燥することにより、膜厚350nmのレジスト層を形成した。
ついで、KrF露光装置NSR−S203B[ニコン社製NA(開口数)=0.60,σ=0.65]により、KrFエキシマレーザー(248nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。
そして、110℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で、60秒間パドル現像し、その後20秒間水洗して乾燥し、幅250nmのラインアンドスペースパターンを形成した。
そして、ディフェクトを、KLAテンコール社製の表面欠陥観察装置 KLA2132(製品名)を用いて測定し、ウェハ(直径8インチ)内の欠陥数を評価した。実施例、比較例において試験に用いたウェハはそれぞれ3枚であり、その平均値を求めた。
なお、全ての実施例、比較例において、ディフェクトはラインパターンの間が橋掛け状態になる、いわゆるブリッジタイプや、パターン底部付近に小さい粒子状のものが生じるスカムであることが側長SEM S−9220(製品名、日立製作所社製)により確認された。
[ろ過処理前のホトレジスト組成物の製造]
下記材料(A)、(B)、(D)、(E)及びその他成分を混合して(C)成分に溶解し、ろ過処理前のホトレジスト組成物を製造した。
(A)成分 下記構成単位からなる共重合体[質量平均分子量(Mw)10000、分散度2.20(Mw/Mn;Mnは数平均分子量)2.20]:100質量部
構成単位(a1)71モル%:前記一般式(I)において、R:水素原子、m=1のp−ヒドロキシスチレン構成単位
構成単位(a2)12モル%:前記一般式(1)において、R:水素原子、R11、R12、R13:全てメチル基である、tert−ブチル−アクリレートから誘導される構成単位
構成単位(a3)17モル%:前記一般式(II)において、R:水素原子、n=0のスチレン構成単位
(B)成分トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート:(A)成分100質量部に対して3質量部
(D)成分 トリエタノールアミン:(A)成分100質量部に対して0.35質量部
(E)成分 サリチル酸:(A)成分100質量部に対して0.32質量部
その他成分:フッ素系界面活性剤FC−171(製品名、スリーエム社製)1質量部
(C)成分 PGMEA:930質量部
[ろ過処理]
前記ろ過処理前のホトレジスト組成物を用いて、実施例、比較例のろ過処理をそれぞれ行った。
ろ過装置は、図1に示したものと同様の装置を用いて、第1のろ過部(第1のフィルタ)と、第2のろ過部(第2のフィルタ)をそれぞれ1回ずつ通過させるろ過処理を行った。
各実施例、比較例においては、それぞれろ過装置に取り付ける第1のフィルタと、第2のフィルタを、下記の様にした。
(実施例1)
第1のフィルタ:ナイロン66(登録商標)製のウルチプリーツ(登録商標:Ultipleat)P-Nylon Filter(製品名:日本ポール株式会社製、ゼータ電位は約−12〜−16mV、孔径0.04μm、臨界表面張力は77dyne/cm、荷電修飾されていない)
第2のフィルタ:ポリプロピレン製(製品名:ユニポア・ポリフィックス、キッツ社製)で、孔径は0.02μmであり、仕様はろ過圧[耐差圧(20℃)]は0.4MPa、表面積(ろ過面積)は3400cmであった。また、フィルタの形態は直径58mm×高さ148.6mmのディスポーザブルタイプであった。臨界表面張力は29dyne/cmであった。
ろ過した後、調整したホトレジスト組成物(ポジ型)を、スピンナーを用いてシリコンウェーハ(直径200mm)上に塗布し、ホットプレート上で110℃、90秒間プレベーク(PAB処理)し、乾燥することにより、膜厚350nmのレジスト層を形成した。
ついで、KrF露光装置NSR−S203B[ニコン社製NA(開口数)=0.60,σ=0.65]により、KrFエキシマレーザー(248nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。そして、110℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で、60秒間パドル現像し、その後20秒間水洗して乾燥し、幅200nmのラインアンドスペースパターンが良好な形状で形成できた。
(比較例1)
第1のフィルタ:ポリエチレン製 (製品名: マクロガードUPEフィルタ、 マイクロリス社製)、孔径0.05μm、臨界表面張力は31dyne/cm第2のフィルタ:ポリテトラフルオロエチレン製(製品名:エンフロン、ポール社製)、ゼータ電位は−20mV、孔径は0.05μmであった。仕様は、ろ過圧[耐差圧(38℃)]は3.5kgf/cm、表面積(ろ過面積)は0.13m、臨界表面張力は28dyne/cmであった。また、フィルタの形態は直径72mm×高さ114.5mmのディスポーザブルタイプであった。
(比較例2)
第1の膜:ポリエチレン製 (製品名: マクロガードUPEフィルタ、 マイクロリス社製)、孔径0.05μm、臨界表面張力は31dyne/cm
第2のフィルタ:ポリプロピレン製(製品名:ユニポア・ポリフィックス、キッツ社製)で、孔径は0.02μmであり、仕様はろ過圧[耐差圧(20℃)]は0.4MPa、表面積(ろ過面積)は3400cmであった。また、フィルタの形態は直径58mm×高さ148.6mmのディスポーザブルタイプであった。臨界表面張力は29dyne/cmであった。
(比較例3)
実施例1において、第1のフィルタをナイロン製N66 Posiddyne(製品名:ポール社製、ゼータ電位は18mV、臨界表面張力は77dyne/cm、荷電修飾されている)の孔径が0.1μmのフィルタとした以外は実施例1と同様にして、ろ過した後、実施例1と同様な条件でラインアンドスペースパターンを形成したところ、225nmのパターンとなっており、レジストパターンサイズの変化を実施例1と比較したところ、25nm変化していた。
結果を表1に示す。
Figure 2005300737
※1:「0.15/0.20/0.22/0.30μm(個/ml)」は、直径0.15μm以上、0.20μm未満の粒子の個数/直径0.20μm以上、0.22μm未満の粒子の個数/直径0.22μm以上、0.30μm未満の粒子の個数/直径0.30μm以上の粒子の個数を表している。
※2:異物経時特性OKとは、ろ過処理直後と製造後冷蔵(5℃)保管、冷凍(−15℃)保管及び室温保管のいずれを比較しても、ほとんど変化がなかったことを意味する。
なお、実施例1と比較例1、2では形成されたレジストパターンサイズの変化はなかったが、比較例3においては、該レジストパターンが25nm太く変化していた。
そのため、実施例1においてはろ過前後の特性の変化もなく、良好であることが確認できた。一方比較例3については、ろ過処理によって組成が変化していることが明らかとなった。
比較例1,2における異物経時特性は、ろ過処理後異物特性が不良なため、評価測定するまでもない。
(実施例2)
実施例1で用いたホトレジスト組成物を用いて、図3に符号12aで示した第1のフィルタとして、ナイロン66(登録商標)製の膜を備えたP−Nyron(製品名:日本ポール株式会社製、ゼータ電位は約−12〜−16mV、孔径0.04μm、臨界表面張力は77dyne/cm、荷電修飾されていない)を用い、図3に示した塗布装置により、ろ過し、上記(2)と同様にして、形成されたレジストパターン上のディフェクトを測定したところ、25個であり、非常に良好な結果であった。
上記実施例、比較例の結果より、本発明に係る実施例においては、フィルタの膜の種類を変更するのみで、異物特性が著しく向上することが明らかとなった。また、異物経時特性も良好であった。
そして、レジストパターン形成時の微細なスカムやマイクロブリッジも著しく低減できることが確認できた。
また、レジストパターンサイズの安定性に優れることが確認できた。
本発明のろ過装置の一例を示した概略構成図である。 Zisman Plotのグラフである。 本発明のろ過装置を搭載した塗布装置の一例を示した概略構成図である。
符号の説明
1・・・原液貯留槽、2・・・第1のろ過部、2a・・・第1のフィルタ、4・・・第2のろ過部、4a・・・第2のフィルタ、5・・・容器、6・・・加圧用管、7・・・ホトレジスト、8・・・ホトレジストの貯留部、9・・・ホトレジストの導入管、10・・・リザーバタンク、11・・・ポンプ、12・・・第1のフィルタ部、12a・・・膜、13・・・ホトレジスト滴下用ノズル、14・・・基板、15・・・基板の支持部、16・・・有底筒状体、17・・・回転軸、18・・・塗布装置の塗布部

Claims (23)

  1. 下記(1)を満足する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を、下記(2)を満足する第1の膜を備えた第1のフィルタを通過させる工程を有することを特徴とするホトレジスト組成物の製造方法。
    (1)前記樹脂成分(A)が、下記一般式(I)で表される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)とを有する。
    Figure 2005300737
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、mは1〜3の整数を表す。)
    (2)前記第1の膜は、その臨界表面張力が70dyne/cm以上であり、かつ荷電修飾されていない。
  2. 前記第1の膜として、pH7.0の蒸留水において−20mV超、15mV以下のゼータ電位を有する膜を用いる請求項1に記載のホトレジスト組成物の製造方法。
  3. 前記第1の膜として、pH7.0の蒸留水において負のゼータ電位を有する膜を用いる請求項2に記載のホトレジスト組成物の製造方法。
  4. 前記第1の膜として、ナイロン製の膜を用いる請求項1〜3のいずれか一項に記載のホトレジスト組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のホトレジスト組成物の製造方法において、前記第1のフィルタを通過させる工程の前後の一方又は両方に、さらに、該ホトレジスト組成物を、ポリエチレンまたはポリプロピレン製の第2の膜を備えた第2のフィルタを通過させる工程を有することを特徴とするホトレジスト組成物の製造方法。
  6. 前記第1の膜と、前記第2の膜の一方あるいは両方の孔径が0.02μm以上、0.1μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のホトレジスト組成物の製造方法。
  7. 前記第1の膜の孔径が0.02μm以上、0.04μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のホトレジスト組成物の製造方法。
  8. 前記第1の膜の孔径が0.04μmであることを特徴とする請求項7に記載のホトレジスト組成物の製造方法。
  9. 前記(A)成分は、前記構成単位(a2)として、酸解離性溶解抑制基が第三級アルキル基である(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位(a2−1)を有し、かつ、下記一般式(II)で表される構成単位(a3)を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のホトレジスト組成物の製造方法。
    Figure 2005300737
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R11は低級アルキル基を表し、nは0または1〜3の整数を表す。)
  10. 前記構成単位(a2−1)の酸解離性溶解抑制基がtert−ブチル基である請求項9に記載のホトレジスト組成物の製造方法。
  11. 樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を通過させる第1のろ過部を有するろ過装置であって、
    下記(i)及び(ii)を満足することを特徴とするろ過装置。
    (i)前記第1のろ過部が、第1の膜を備えた第1のフィルタを有し、当該第1の膜は、その臨界表面張力が70dyne/cm以上であり、かつ荷電修飾されていない。
    (ii)当該ろ過装置は、前記樹脂成分(A)として、下記一般式(I)で表される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)とを有する樹脂成分を用いたホトレジスト組成物のろ過用である。
    Figure 2005300737
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、mは1〜3の整数を表す。)
  12. 前記第1の膜は、pH7.0の蒸留水において−20mV超、15mV以下のゼータ電位を有する請求項11に記載のろ過装置。
  13. 前記第1の膜が、pH7.0の蒸留水において負のゼータ電位を有する請求項12に記載のろ過装置。
  14. 前記第1の膜は、ナイロン製の膜である請求項11〜13のいずれか一項に記載のろ過装置。
  15. 前記第1のろ過部の前後の一方又は両方に、さらに、ホトレジスト組成物を通過させるための、ポリエチレンまたはポリプロピレン製の第2の膜を備えた第2のフィルタを有する第2のろ過部を備えている請求項11〜14のいずれか一項に記載のろ過装置。
  16. 前記第1の膜と、前記第2の膜の一方あるいは両方において、孔径が0.02μm以上、0.1μm以下である請求項11〜15のいずれか一項に記載のろ過装置。
  17. 前記第1の膜の孔径が0.02μm以上、0.04μm以下である請求項11〜16のいずれか一項に記載のろ過装置。
  18. 前記第1の膜の孔径が0.04μmである請求項17に記載のろ過装置。
  19. 請求項11〜18のいずれかに記載のろ過装置を搭載したホトレジスト組成物の塗布装置。
  20. 請求項1〜10のいずれかに記載のホトレジスト組成物の製造方法によって得られるホトレジスト組成物。
  21. 下記(3)を満足する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を、下記(4)を満足する第1の膜を備えた第1のフィルタを通過させる工程を有することを特徴とするホトレジスト組成物の製造方法。
    (3)前記樹脂成分(A)が、下記一般式(I)で表される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)とを有する。
    Figure 2005300737
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、mは1〜3の整数を表す。)
    (4)前記第1の膜は、孔径が0.04μm以下のナイロン膜からなる。
  22. 樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を通過させる第1のろ過部を有するろ過装置であって、
    下記(iii)及び(iv)を満足することを特徴とするろ過装置。
    (iii)前記第1のろ過部が、第1の膜を備えた第1のフィルタを有し、当該第1の膜は、孔径が0.04μm以下のナイロン膜からなる。
    (iv)当該ろ過装置は、前記樹脂成分(A)として、下記一般式(I)で表される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)とを有する樹脂成分を用いたホトレジスト組成物のろ過用である。
    Figure 2005300737
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、mは1〜3の整数を表す。)
  23. 請求項22に記載のろ過装置を搭載したホトレジスト組成物の塗布装置。

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