JP4637967B2 - ホトレジスト組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ホトレジスト組成物の製造方法に関するものである。
一般にKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザ、EUV(極端紫外光)、EB(電子線)等を光源(放射線源)に用いる化学増幅型のホトレジスト組成物は、例えば、特開2002−296779号公報(特許文献1)に記載されている様に、樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、これらの成分を溶解可能な有機溶剤(C)とを含むものである。
そして、このような化学増幅型のホトレジスト組成物には、高解像性、高感度、および良好な形状のレジストバターンなどが要求される。
近年のように0.15ミクロン以下の高解像性のレジストパターンが要求されるようになってくると、これらの特性に加えて、従来以上に現像後のレジストパターンのディフェクト(表面欠陥)の改善がいっそう必要となってくる。
このディフェクトとは、例えば、KLAテンコール社の表面欠陥観察装置(商品名「KLA」)により、現像後のレジストパターンを真上から観察した際に検知される不具合全般のことである。この不具合とは、例えば現像後のスカム、泡、ゴミ、レジストパターン間のブリッジ等である。
このようなディフェクトを改善する為に、主にこれまで、レジスト組成物の樹脂成分や酸発生剤成分や溶剤成分などのレジスト組成を中心に、改善が試みられている[特開2001−56556号公報(特許文献2)]。
また、レジスト溶液(溶液状態のホトレジスト組成物)保管中に、微細な粒子が発生するレジスト溶液の異物経時特性(ホトレジスト組成物を保存しているうちに、当該ホトレジスト組成物中に固体状の異物が発生してくること;保存安定性)も問題となっており、その改善が望まれている。
この異物経時特性改善の為に、上記同様、レジスト組成を中心に改善が試みられている[特開2001−22072号公報(特許文献3)]。
特開2002−296779号公報 特開2001−56556号公報 特開2001−22072号公報 特開2002−62667号公報 特開2001−350266号公報
しかしながら、特許文献2、3に記載の技術は、その効果において未だ十分なものではない。
さらには、上記微細な微粒子が発生すると上記ディフェクトの原因になることもあり、ディフェクトの改善のためにも異物経時特性の改善が強く望まれている。
しかしながら、これまでこの現象後のレジストパターンのディフェクト、保存安定性を十分に改善する方法は知られていない。
ところで、特開2002−62667号公報(特許文献4)には、ホトレジスト組成物をフィルタを通過させることにより、ラインを循環させるホトレジスト組成物中の微粒子の量を低減したホトレジスト組成物の製造方法が提案されている。
この特許文献4に記載の様に、ホトレジスト組成物の製造において、ホトレジスト組成物を製造し、フィルタを通過させることは知られているが、このような方法においても、上述の様な現像後のレジストパターンのディフェクト、保存安定性を十分に改善するには至らない。
また、特開平2001−350266号公報(特許文献5)には、正のゼータ電位を有するフィルタを通過させるホトレジスト組成物の製造方法が提案されている。しかしながら、本出願人の検討によれば、特許文献5に記載の方法により、ホトレジスト組成物を処理すると、その組成が変化することがある。この組成の変化はホトレジスト組成物の感度やレジストパターンサイズの変化を引き起こすため不都合である。
さらに近年、現象後のレジストパターンのディフェクトの中でも、特にArFエキシマレーザー以降、すなわちArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザ、EUV、EB等を光源とした130nm以下のレジストパターンのような微細なレジストパターンを形成する場合には、ディフェクトの解決の問題がいっそう厳しくなってきている。
すなわち、KrFエキシマレーザー用レジストでは大きな問題にならなかった現像後の微細なスカムやマイクロブリッジといったディフェクトを抑制することが極めて重要な問題となってきている。しかしながら、上記の先行技術ではいずれも十分な解決がなされていない。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、現像後のレジストパターンのディフェクト、特に微細なスカムやマイクロブリッジの発生を抑制できるホトレジスト組成物が得られる技術を提供することを課題とする。
また、異物経時特性(保存安定性)に優れるホトレジスト組成物が得られる技術を提供することを目的とする。
そして、さらに好ましくは、処理前後で感度やレジストパターンサイズの変化が起こりにくいホトレジスト組成物が得られる技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明(第2の発明(態様))は、酸解離性溶解抑制基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)と、ラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を、臨界表面張力が70dyne/cm以上の第1の膜を備えた第1のフィルタを通過させる工程を有し、且つ前記第1のフィルタを通過させる工程の前後の一方又は両方に、さらに、該ホトレジスト組成物を、ポリオレフィン樹脂またはフッ素樹脂製の第2の膜を備えた第2のフィルタを通過させる工程を有することを特徴とするホトレジスト組成物の製造方法である。
なお、前記ディフェクトは、あくまでレジストパターンに表れるものであって、いわゆるパターン形成前のレジスト塗膜におけるピンホール欠陥とは異なる。
本明細書において(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸の一方または両方を示す。また、構成単位とは、重合体を構成するモノマーから誘導される単位を示す。
本発明によれば、現像後のレジストパターンのディフェクト、特に微細なスカムやマイクロブリッジの発生を抑制できるホトレジスト組成物が得られる技術を提供できる。
また、異物経時特性(保存安定性)に優れるホトレジスト組成物が得られる技術を提供できる。
そして、さらに好ましくは、処理前後で感度やレジストパターンサイズの変化が起こりにくいホトレジスト組成物が得られる技術を提供できる。
本発明のろ過装置の一例を示した概略構成図である。 本発明のろ過装置を搭載した塗布装置の一例を示した概略構成図である。 Zisman Plotのグラフである。
第1の実施形態
[操作の手順及び装置]
以下、本発明のホトレジスト組成物の製造方法およびろ過装置の一例について、手順にそって説明する。
まず、ろ過装置として、pH7.0の蒸留水において、−20mV超、15mV以下の範囲内のゼータ電位を有する第1の膜(ろ過膜)を有する第1のフィルタを備えた第1のろ過部と、ポリエチレンまたはポリプロピレン製の第2の膜(ろ過膜)を有する第2のフィルタを備えた第2のろ過部が設けられているものを用意する。
なお、ゼータ電位とは、液体中に荷電した粒子の周囲に生じる拡散イオン層の電位である。
より詳しくは、液中で超微紛体が電荷を持つとき、この電荷を打ち消すため反対の電荷のイオンが静電力で微紛体にひきつけられ電気二重層ができる。この二重層の最も外側の面の電位がゼータ電位である。
そして、ゼータ電位の測定は微紛体・微粒子の表面構造決定に有効であると言われている。なお、以下単に「ゼータ電位」という場合は、「pH7.0の蒸留水におけるゼータ電位」を意味するものとする。本発明におけるその数値は、フィルタのメーカーの公称値である。
そして、当該第1の実施形態では、この様なフィルタメーカーの公称値とするゼータ電位において、特定の範囲の膜を備えたフィルタを用いることを特徴とする。
かかる特定のゼータ電位を有する膜を用いることにより、ディフェクト、特に微細なスカムやマイクロブリッジの低減、異物経時の抑制の効果が得られる。
なお、本発明において、フィルタとは、例えば少なくともホトレジスト組成物を通過させる膜と、これを支持する支持部材とを備えたものであり、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋社、マイクロリス社、またはキッツ社などのフィルタメーカーから、超純水、高純度薬液、ファインケミカル等をろ過するためのものとして種種の材質、孔径のものが製造または販売されている。
なお、本発明において、フィルタを通過させるホトレジスト組成物は、製品と同様の濃度のホトレジスト組成物でもよいし、希釈前の固形分濃度8〜15質量%程度の、いわゆる原液も含む概念とする。
また、本発明において使用する「ろ過」という用語には、通常使用される化学的な「ろ過」(「多孔質性物質の膜や相を用いて流動体の相[気体もしくは液体]だけを透過させ、半固相もしくは固体を流動体の相から分離すること」化学大事典9昭和37年7月31日発行 共立出版株式会社)の意味に加えて、単に「フィルタを通過させる」場合、すなわち膜を通過させることによって当該膜によってトラップされた半固相もしくは固体が視覚的に確認できない場合等も含むものとする。
そして、常法にしたがって、樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を調製する。
その後、図1に示す様に、前記ホトレジスト組成物を、貯留槽1(ホトレジスト組成物の貯留部)から第1のろ過部2に供給すると、かかるホトレジスト組成物は、第1のろ過部2内に備えられた第1のフィルタ2aにおいて、その第1の膜を通過して、ろ過され、ろ液は第1のろ液貯留槽3に供給される。ついで、当該第1のろ液貯留槽3から、ろ液(ホトレジスト組成物)を第2のろ過部4に供給すると、かかるろ液は第2のろ過部4内に備えられた第2のフィルタ4aにおいて、その第2の膜を通過して、ろ過される。
そして、最後に、このろ液[ホトレジスト組成物]を容器5に入れて製品とする。
ここで、第2のろ過部4(第2のフィルタ4a)は必須ではないが、第2のフィルタ4を用いることによって、第1のろ過部2における第1のフィルタ2aでのろ過の負担を減ずることができ、また、ディフェクト低減の効果、異物経時特性の点もさらに良好となるため、好ましい。
前記第2のフィルタ4aの膜は、従来、ホトレジスト組成物のろ過用途等に用いられているものであれば特に限定せず、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;ナイロン6(登録商標)、ナイロン66(登録商標)等のポリアミド樹脂等等が挙げられる。
中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン製の膜から選ばれるものが、他のものと比較して、第1のフィルタと組み合わせるとディフェクト低減効果と異物経時の特性がともに優れており、好ましい。なお、ポリプロピレン製の膜には通常のポリプロピレンに加えて高密度ポリプロピレン(HDPE)膜や超高分子量ポリプロピレン(UPE)膜も含まれる。
具体的な本発明の第1の膜を備えた第1のフィルタ2aにてろ過する工程の後に、第2のフィルタ4aによるろ過を組み合わせる手順としては、本発明の第1のろ過部2内に備えられた第1のフィルタ2aで最初にろ過する、次いで第2のろ過部4に供給し、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン製の膜を備えた第2のフィルタ4aで第2回目のろ過を行う。そして、最後にPTFE製の膜を備えたフィルタでろ過する。この際、最後のPTFE製の膜を備えたフィルタでのろ過は行わなくとも良いが、行うことが好ましい
また、第1のフィルタ2aにてろ過する工程の前に、第2のフィルタ4aと同様のフィルタを用いて1〜2回程度ろ過する前ろ過の工程を設けることもできる。前ろ過の工程で使用するフィルタとしては、前記した第2のフィルタ4aの膜と同様であり、好ましい膜としてはポリプロピレン、ポリエチレン製の膜から選ばれる。
具体的な第2のフィルタ4aによる前ろ過と、前記第1の膜を備えた第1のフィルタ2aを通過させる工程を組み合わせる手順としては、例えば、PTFE製の膜を備えたフィルタで最初にろ過し、次いでポリエチレンまたはポリプロピレン製の膜を備えた第2のフィルタ4aにて第2回目のろ過をする、次いで、第1のろ過部2に供給し、当該第1のろ過部2内に備えられた第1のフィルタ2aにてろ過をする。この際、最初のPTFE製の膜を備えたフィルタでのろ過は行わなくとも良いが行うことが好ましい
また、本発明においては、第1のろ過部2内に備えられた第1のフィルタ2aのろ過の前後の両方において、前記第2のフィルタ4aにてろ過する操作を組み合わせて用いても良い。
なお、本発明においては、少なくとも1回、前記第1のフィルタ2aにてろ過を行うものであれば、ディフェクトの低減効果、異物経時特性の点で優れた効果が得られる。なお、膜を通過させる回数(ろ過の回数)、他の種類の膜を備えたフィルタの組合せ等は特に限定されず、目的に応じて適宜調整可能である。
特には前記第1のフィルタ2aを通過させるろ過を1回または2回行って、最後に第2のフィルタ4aを通過させるろ過を行うとディフェクトの低減効果と異物経時特性にともに優れるため、好ましい。第1のフィルタ2aによるろ過を2回以上行う場合は、常法により1度、第1のろ過部2を通過させ、ろ過されたろ液を、再び第1のろ過部2に供給する様な装置の構成とすればよい。
なお、ろ過装置の構成は、ろ過工程におけるフィルタの組み合わせによって適宜選択可能であり、1種または2種以上のフィルタ(ろ過部)の前後に、適宜貯留部等のろ過前後のホトレジスト組成物を貯留するための槽を設けることにより、種種の形態として、構成することができる。
また、本発明のろ過装置には、種々の形態を採用することができる。
例えば、上述の様なホトレジスト組成物の製造工程に用いられる装置であってもよいし、また、スピンナー、塗布及び現像装置(コーター・デベロッパー)などの塗布装置に搭載される装置などであってもよい。すなわち、本発明において塗布装置とは、いわゆるホトレジスト組成物の塗布装置のみならず、塗布及び現像装置の様に、現像装置等の他の装置と一体化された塗布装置も含む包括的な概念とする。これらの塗布装置は、ノズルを有しており、通常、当該ノズルからウェーハ(基板)上にホトレジスト組成物が供給され、当該ホトレジスト組成物がウェーハ上に塗布される仕組みとなっている。
よって、このノズルからウェーハ上に供給される前に、ホトレジスト組成物が、本発明のろ過装置の膜を通過する様に、上記塗布装置等に、本発明のろ過装置を組み込めばよい。これにより、ホトレジスト組成物がウェーハ上に供給される前に、このホトレジスト組成物中のディフェクトの原因となる様なものが除去されるので、ディフェクト、特に微細なスカムやマイクロブリッジの低減効果が得られる。
なお、前記第5又は第9の発明(態様)である前記第3、第4又は第8の発明(態様)のろ過装置を搭載した塗布装置の具体例については、後述する実施例4−1、比較例4−1で説明する。
前記第1のフィルタ2aに用いる膜としては、−20mV超、15mV以下の範囲;好ましくは−20mV超、10mV以下の範囲;さらに好ましくは−20mV超、10mV未満の範囲;最も好ましくは負のゼータ電位(ただし−20mV超)を有するものが、ディフェクト、特に微細なスカムやマイクロブリッジの低減効果および異物経時特性に優れるので好ましい。
負のゼータ電位としては、−5mV以下(ただし−20mV超)、好ましくは−10〜−18mV、さらに好ましくは−12〜−16mVである。第1のフィルタの膜として特に好ましいのはナイロン(ポリアミド)製の膜を備えたフィルタであり、特に当該負のゼータ電位の好ましい数値範囲を満足するナイロン製の膜付きのフィルタである。
この様な特定のゼータ電位を有する、前記第1のフィルタ2aに用いる膜のうち、正のゼータ電位を示す膜を備えたフィルタとしては、荷電修飾により変性したポリアミド製(例えばナイロン6(登録商標)、ナイロン66(登録商標)等)の膜を備えたフィルタが一般的である。
また、負のゼータ電位を示す膜を備えたフィルタとしては、例えば荷電修飾されてないナイロン66(登録商標)製のウルチポアN66(製品名:日本ポール株式会社製、ゼータ電位は約−12〜−16mV)、ナイロン66(登録商標)製のウルチプリーツ(登録商標:Ultipleat)P−Nylon Filter(製品名:日本ポール株式会社製、ゼータ電位は約−12〜−16mV、孔径0.04μm)等を挙げることができる。これらの内では、後者のウルチプリーツ(登録商標:Ultipleat)の方が好ましい。
また、これらの負のゼータ電位を示す膜を備えたフィルタは第1、第2又は第7の発明であるホトレジスト組成物の製造方法、第3、第4又は第8の発明のろ過装置に好適なフィルタである。
第5又は第9の発明である第3、第4又は第8の発明のろ過装置を搭載した塗布装置におけるフィルタとしては、着脱の形式が塗布装置用に変えられたナイロン66(登録商標)製の膜を備えたP−Nyron Filter(製品名:日本ポール株式会社製、ゼータ電位は約−12〜−16mV、孔径0.04μm)等を挙げることができる。なお、塗布装置における着脱形式としては、ろ過装置を搭載した塗布装置において、フィルタのみを取り外して取り替えることが可能な態様とされていることが好ましい。
本発明においては、この負のゼータ電位を有する膜付きフィルタがディフェクト、特に微細なスカムやマイクロブリッジの低減効果および異物経時特性に優れるので好ましい。 その理由は定かではないが、特定のゼータ電位を有する膜付きフィルタであることにより、ディフェクトや異物経時を引き起こす特定の粒子、特に後述する構成単位(a2)、(a3)の様なラクトン基や水酸基のような極性基を有する単位の含有量が多い樹脂等に対する選択的なろ過効率が向上するのではないかと推測される。また、負のゼータ電位を有する膜を用いると、ホトレジスト組成物自体をろ過処理しても、その処理後で感度やレジストパターンサイズの変化が起こりにくいホトレジスト組成物が得られるので好ましい。その理由は、組成物の組成が変化しにくく、例えば含窒素有機化合物や有機酸のようなクエンチャー等が吸着されにくいためと推測される。
第1のフィルタ2aに用いる膜の孔径は、フィルタのメーカーの公称値である。ろ過部の組合せ(フィルタの形態、膜の種類、膜を通過させる回数等の組合せ)によって、生産性と本発明の効果の観点から、適宜調整される。
例えば、第2のフィルタ4aを用いず、第1のフィルタ2aのみを用いる場合は、第1のフィルタ2aの膜の孔径は0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは0.04μm以下の製品を使用すると、効果の点で好ましい。ただし、あまり小さくなりすぎると生産性(レジスト組成物製造や塗布のスループット)は低下する傾向がある。下限値は0.01μm程度であるが、実用的には0.02μm以上とされる。
第2のフィルタ4aと組み合わせてろ過する場合も同様に、0.1μm以下、さらに好ましくは0.04μm以下の製品を使用すると、効果の点で好ましい。下限値は0.01μm程度であるが、実用的には0.02μm以上とされる。
なお、いずれの場合であっても、第1のフィルタ2aに用いる膜の孔径は、0.01〜0.04μm、好ましくは0.02〜0.04μmの範囲を満足することが、ディフェクト低減効果、異物経時特性の向上の効果の点と生産性から好ましい。また、効果と生産性の両立の点から0.04μmが好ましい。
第2のフィルタ4aの膜の孔径は0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは0.02μm以下とされる。なお、下限値は特に限定しないが、実用的には0.02μm以上とされる。
なお、第2のフィルタ4aに用いる膜の孔径は、0.02〜0.1μmの範囲を満足することが、ディフェクト低減効果、異物経時特性の向上の効果の点から好ましい。
ここでいう第2のフィルタの孔径も前記同様フィルタのメーカーの公称値である。
また、第1のフィルタ2a、第2のフィルタ4aの形状(形態)としては、いわゆるディスクタイプ、カートリッジタイプ等が一般的に用いられる。
第1のフィルタ2a、第2のフィルタ4aの表面積(ろ過面積)は、ホトレジスト組成物の処理量等によって適宜調整することが好ましく、特に限定するものではないく、例えば従来と同様の条件でよい。
また第1のフィルタ2a、第2のフィルタ4aのろ過圧[耐差圧]も、特に限定するものではなく、例えば従来と同様の条件でよい。
また、第1のろ過部2、第2のろ過部4に供給するホトレジスト組成物の流速は、フィルタの特性や表面積等によって適宜調整され、例えば従来と同様の条件とされる。
第1の実施形態においては、特定のゼータ電位を有する膜を用いることにより、ディフェクト、特に微細なスカムやマイクロブリッジの低減、異物経時の抑制の効果が得られる。また、特に負のゼータ電位を有する膜を用いると、感度やレジストパターンサイズの変化が起こりにくいホトレジスト組成物が得られるという効果も得られる。
なお、レジストパターンのスカムやディフェクトは、例えばKLAテンコール社製の表面欠陥観察装置 KLA2132(製品名)によって、いわゆる表面欠陥の数として評価することができる。また、マイクロブリッジは、側長SEM等によって観察することにより確認できる。
異物経時はパーティクルカウンターを用いて異物の数を測定することにより、評価することができる。
異物経時特性としては、例えば液中パーティクルカウンター(Rion社製、製品名:パーティクルセンサー KS−41やKL−20K)を用いて、製造後40℃、又は室温で保存した後のホトレジスト組成物の異物経時特性を評価する。かかる装置は、1cm当たりの粒径0.15〜0.3μm以上の粒子の数を数えるものである。測定限界は通常2万個/cm位以上である。
なお、通常、製造直後のホトレジスト組成物中の異物は0.3μm以上の粒子で約10〜30個/cm以下に、また0.15μm以上の粒子で約900個/cm以下に調整されている。そして、本発明を適用することにより、好ましくは半年経過後にも異物経時特性は製造直後と殆ど変わらない特性が得られる。
組成が変化するか否かは、フィルタを通過する処理の前と後とにおいて、ホトレジスト組成物中の材料の濃度を分析して比較したり、ホトレジスト組成物を用いてレジストパターンを形成する際の感度(最適露光量)やレジストパターンサイズの変化を測定することにより、評価することができる。
第2の実施形態
[操作の手順及び装置]
第2の実施形態は、樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を、臨界表面張力が70dyne/cm以上の第1の膜を備えた第1のフィルタを通過させる工程を有することを特徴とするホトレジスト組成物の製造方法と、樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を貯留する貯留部と、当該ホトレジスト組成物を通過させる第1のろ過部とを有するろ過装置であって、前記第1のろ過部が、臨界表面張力が70dyne/cm以上の第1の膜を備えた第1のフィルタを有することを特徴とするろ過装置である。
第2の実施形態において、第1の実施形態と異なるのは、図1に示した第1のろ過部2として、臨界表面張力が70dyne/cm以上の特性を満足する第1の膜を有する第1のフィルタ2aを備えたものを用いる点である。
該臨界表面張力(critical surface tension)は、高分子の表面物性の『濡れ特性』として知られた物性であり、固体の表面張力(γc)である。このγcは液体のように直接評価できないため、次のようにYoung−Dupreの式とZisman Plotから求められる。
Young−Dupreの式:
γLVcosθ=γSV−γSL
式中のθ:接触角、S:固体、L:液体、V:飽和蒸気である。なお、液体として水を用いたときθが90°であり、θが90°以上のときその表面は疎水性であり、0°に近い表面を親水性という。
Zisman Plot(図3参照):
種種の表面張力γLVの液体を用いて接触角θを測定して、γLVとcosθをプロットする。γLVが固体表面のγSVに近づくとθは小さくなり、γLVのある値で接触角θは0°となる。このθ=0°となったときの液体のγLVが固体の表面張力、即ち臨界表面張力(γc)と定義される。
なお、フィルタに用いられている膜(フィルタ用に加工された膜)(Medium)とそのフィルタに用いられる前(フィルタ用に加工される前)のポリマー材料(Material)におけるγcは次のとおりである。
・フィルタに備えられたナイロン66の膜(Medium)の例:77dyne/cm(以下単位は略する)
・フィルタに備えられていない一般のナイロン66(Material):46
・ フィルタに備えられたポリエチレン又はポリプロピレンの膜(Medium)の例:36
・ フィルタに備えられたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の膜(Medium)の例:28
・ フィルタに備えられていない一般のPTFE(Material):18.5等。
このようにポリマー材料(Material)と、これをフィルタとして機能する様に加工したフィルタに備えられた膜(Medium)において、γcは異なっている。
本第2の実施形態におけるγcは、第1のフィルタ2aに備えられた第1の膜の臨界表面張力が70dyne/cm以上の特性を有することを意味しており、そのポリマー材料(Material)の値ではない。この差はフィルタに備えられるようにポリマー材料(Material)が加工されることから生じるものである。なお、同じ材料であっても加工の仕方が異なれば臨界表面張力の値も異なるので、フィルタの膜の臨界表面張力は、個々に公称値を確認したり、測定値を求めることが好ましい。
臨界表面張力が70dyne/cm以上の膜を備えたフィルタを用いることにより、ディフェクト、特に微細なスカムやマイクロブリッジの低減、異物経時の抑制の効果が得られる。その上限はディフェクト低減効果が劣ってくることから、95dyne/cm以下である。より好ましい範囲は、75dyne/cm以上、90dyne/cm以下、さらに好ましい範囲は75dyne/cm以上、80dyne/cm以下である。
本発明における臨界表面張力の値はフィルタのメーカーの公称値であるが、具体的には既知の表面張力の液体を複数準備して、対象とする膜に滴下し、自重で膜にしみこむものとしみこまないものの境界を見極めることにより、容易に求めることもできる。
本発明における臨界表面張力の値を満足するフィルタとしては、前記したナイロン66(登録商標)製のウルチプリーツ(登録商標:Ultipleat)P−Nylon Filter(製品名:日本ポール株式会社製、ゼータ電位は約−12〜−16mV、孔径0.04μm、77dyne/cm)等を挙げることができる。
逆に、本発明における臨界表面張力の値を満足しないフィルタとしては、これまで市販されているPTFE等のフッ素樹脂又はポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂からなる膜を備えたフィルタを挙げることができる。
これらのフィルタにおける膜の臨界表面張力の値は上記のとおり約50dyne/cm以下である。
第2の実施形態においては、上記臨界表面張力の値を満足しつつ、荷電修飾がなされていない膜が好ましい。荷電修飾とは、強制電位修飾の表現と同義であり、このような荷電修飾がなされていない膜とは、前記第1の実施形態における第1のフィルタ2aと同様に特定のゼータ電位を有すると言うことができる。即ち、−20mV超、15mV以下の範囲;好ましくは−20mV超、10mV以下の範囲;さらに好ましくは−20mV超、10mV未満の範囲;最も好ましくは負のゼータ電位(ただし−20mV超)を有するものが、ホトレジスト組成物自体をろ過処理しても、その処理後で感度やレジストパターンサイズの変化が起こりにくいホトレジスト組成物が得られるので好ましい。負のゼータ電位としては、−5mV以下(ただし−20mV超)、好ましくは−10〜−18mV、さらに好ましくは−12〜−16mVである。
膜の孔径の好ましい態様については、第1の実施形態と同様である。特には、第1のフィルタ2aの膜の孔径が、0.04μm以下の製品を使用すると好ましい。但し、あまり小さくなりすぎると生産性(レジスト組成物製造や塗布のスループット)は低下する傾向がある。下限値は0.01μm程度であるが、実用的には0.02μm以上とされる。
第2の実施形態においては、臨界表面張力が70dyne/cm以上の膜を備えたフィルタを用いることにより、ディフェクトの低減、特に微細なスカムやマイクロブリッジ、異物経時の抑制の効果が得られる。
また、特に上記ゼータ電位を有する膜を用いることにより、ホトレジスト組成物自体をろ過処理しても、その処理後でその組成が変化しにくく、感度やレジストパターンサイズの変化が起こりにくいホトレジスト組成物が得られるので好ましい。
その理由は定かではないが、臨界表面張力が70dyne/cm以上であることにより、膜表面がレジスト組成物に対する濡れやすくなるため、ディフェクトや異物経時を引き起こす特定の粒子、特に後述する構成単位(a2)、(a3)の様なラクトン基や水酸基のような極性基を有する単位の含有量が多い樹脂等に対する選択的なろ過効率が向上するのではないかと推測される。
また、上記ゼータ電位を有することにより、電荷の偏りが少なくなり、特定の物質が膜表面に吸着することを抑制し、その結果ホトレジスト組成物の組成の変化を抑制できるのではないかと推測される。
第3の実施形態
[操作の手順及び装置]
第3のの態様としては、樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を、孔径が0.04μm以下のナイロン膜からなる第1の膜を備えた第1のフィルタを通過させる工程を有することを特徴とするホトレジスト組成物の製造方法と、樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を貯留する貯留部と、当該ホトレジスト組成物を通過させる第1のろ過部とを有するろ過装置であって、前記第1のろ過部が、0.04μm以下のナイロン膜からなる第1の膜を備えた第1のフィルタを有することを特徴とするろ過装置である。
第3の実施形態において、第1の実施形態と異なるのは、図1に示した第1のろ過部2として、孔径が0.04μm以下のナイロン膜を有する第1のフィルタ2aを備えたものを用いる点である。
そのような膜を有するフィルタとしては、前記したナイロン66(登録商標)製のウルチプリーツ(登録商標:Ultipleat)P−Nylon Filter(製品名:日本ポール株式会社製、ゼータ電位は約−12〜−16mV、孔径0.04μm、77dyne/cm)等を挙げることができる。
なお、第3の実施形態における孔径が0.04μm以下のナイロン膜からなる第1の膜を備えた第1のフィルタである以上、本第2の実施形態において説明したように、該フィルタにおけるナイロン膜には、フィルタに備えられていない一般のナイロン66(Material)は当然含まれない。従って、臨界表面張力46dyne/cmのフィルタに備えられていないナイロン66(Material)は該フィルタにおけるナイロン膜に該当しない。
その第1のフィルタ2aに用いる膜の孔径は、フィルタのメーカーの公称値である。本明細書に示した実施形態全体、特に本実施形態においては、特に孔径は小さいほど、ディフェクト低減効果、異物経時特性の向上の効果が上がるという単純なものではなく、そのサイズと膜の材料との関係を考慮して選択することが好ましい。
例えば、第2のフィルタ4aを用いず第1のフィルタ2aのみによるろ過を行う場合でも、また第2のフィルタ4aと組み合わせてろ過する場合でも、第1のフィルタ2aの膜の孔径は0.04μm以下の製品を使用する。あまり小さくなりすぎると生産性(レジスト組成物製造や塗布のスループット)は低下する傾向がある。下限値は0.01μm程度であるが、実用的には0.02μm以上とされる。なお、0.04μm以下であることにより、ディフェクトの低減、特に微細なスカムやマイクロブリッジ、異物経時の抑制の効果が得られる。なお、この数値限定による効果は、上述の様に、ナイロン製の膜との組み合わせによって奏されるものである。
なお、第2のフィルタ4aを用いるろ過を組み合わせて行う場合の好ましい態様は、第1の実施形態と同様である。
第3の実施形態においては、上記要件を満足しつつ、荷電修飾がなされていない膜が好ましい。荷電修飾とは、第2の実施形態で説明と同じであり、即ち、−20mV超、15mV以下の範囲;好ましくは−20mV超、10mV以下の範囲;さらに好ましくは−20mV超、10mV未満の範囲;最も好ましくは負のゼータ電位(ただし−20mV超)を有するものである。これにより、ホトレジスト組成物自体をろ過処理しても、その処理後で感度やレジストパターンサイズの変化が起こりにくいホトレジスト組成物が得られるので好ましい。負のゼータ電位としては、−5mV以下(ただし−20mV超)、好ましくは−10〜−18mV、さらに好ましくは−12〜−16mVである。
孔径が0.04μm以下のナイロン膜からなる第1の膜を備えた第1のフィルタを用いることにより、ディフェクトの低減、特に微細なスカムやマイクロブリッジ、異物経時の抑制の効果が得られる。
その理由は定かではないが、ナイロン膜であることとその特定の孔径により、膜表面がディフェクトや異物の原因となるもの、特に後述する構成単位(a2)、(a3)の様なラクトン基や水酸基のような極性基を有する単位の含有量が多い樹脂を選択的に吸着でき、ろ過効率が向上するのではないかと推測される。
[本発明を適用するのに適したホトレジスト組成物]
本発明は、樹脂成分(A)と酸発生剤(B)を必須とするいわゆる化学増幅型のホトレジスト組成物の製造に適したものである。すなわち、本発明の製造方法は、この様な組成のホトレジスト組成物の処理に適しており、本発明のろ過装置及び塗布装置は、この様な組成のホトレジスト組成物の処理用として適している。
前記(A)成分は、化学増幅型のホトレジスト組成物に使用されるものであれば特に限定するものではないが、ArFエキシマレーザー用のホトレジスト組成物の樹脂成分として好適に用いられる(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を有する樹脂等が挙げられる。
そして、上述の様に、特にArFエキシマレーザー以降、すなわちArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザ、EUV、EB等を光源とした場合に、KrFエキシマレーザー用レジストでは大きな問題にならなかった現像後の微細なスカムやマイクロブリッジが問題となるため、これらの光源用のレジストを用いたプロセスや装置に本発明を適用すると好ましい。
・(A)成分
(A)成分としては、通常、アルカリ可溶性樹脂またはアルカリ可溶性となり得る樹脂が使用される。前者の場合はいわゆるネガ型、後者の場合はいわゆるポジ型のホトレジスト組成物である。
ネガ型の場合、ホトレジスト組成物には、(B)成分とともに架橋剤が配合される。そして、レジストパターン形成時に、露光により(B)成分から酸が発生すると、かかる酸が架橋剤に作用し、前記(A)成分が架橋され、アルカリ不溶性となる。前記架橋剤としては、例えば、通常は、メチロール基またはアルコキシメチル基を有するメラミン、尿素またはグリコールウリルなどのアミノ系架橋剤などが用いられる。
ポジ型の場合は、(A)成分はいわゆる酸解離性溶解抑制基を有するアルカリ不溶性のものであり、露光により(B)成分から酸が発生すると、かかる酸が前記酸解離性溶解抑制基を解離させることにより、前記(A)成分がアルカリ可溶性となる。
本発明は、特に、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を有する樹脂を用いたホトレジスト組成物(特にポジ型)の製造に適用すると、第1のフィルタによってディフェクトや異物経時特性を劣化させる原因となる異物が取り除かれる効果が大きく、好ましい。(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を有する樹脂においては、好ましくはかかる構成単位が15モル%以上であることが望ましい。なお上限値は特に限定しないが100モル%であってもよい。
理由は明らかではないが、かかる樹脂は、第1のフィルタによって取り除かれる性質を有するモノマー、オリゴマー等を、ディフェクトの原因または異物の原因もしくは時間の経過に伴う異物の増加を誘因するものとして含んでいる傾向があるものと考えられる。
具体的には、例えば以下の構成単位(a1)を含む樹脂を用いたポジ型のホトレジスト組成物の製造に用いると好ましい。
(a1):酸解離性溶解抑制基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位。
この樹脂は、さらに、任意に下記構成単位(a2)、(a3)を含んでいてもよく、好ましくは構成単位(a1)及び(a2)、さらに好ましくは(a1)、(a2)及び(a3)を含むことが好ましい。
(a2):ラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位。
(a3):水酸基及び/又はシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位。
ArFエキシマレーザー用以降のポジ型ホトレジスト組成物においては、特に前記構成単位(a1)及び(a2)を両方含むものが主流となっている。この様に極性の異なるモノマーを重合させたものにおいては、種々のモノマー、オリゴマー、その他の副生物がディフェクトまたは時間経過後等の異物の原因となると予測される。なお、前記(a1)単位は極性が小さく(疎水性が大きく)、前記(a2)単位は極性が大きくなる傾向がある。
しかしながら、本発明の上記第1の実施形態、第2の実施形態または第3の実施形態を適用することにより、この様に極性の異なるモノマーを組合せて重合させた樹脂を用いたホトレジスト組成物においても、異物経時特性を向上させ、ディフェクトの発生を抑制することができる。特にArFエキシマレーザー用以降のポジ型ホトレジスト組成物においては、微細なスカムやマイクロブリッジ等のディフェクトが問題になりやすいので、本発明を適用すると効果的である。
また、構成単位(a1)〜(a3)又は、後述する(a1)〜(a4)を有する共重合体を、本発明によって処理することにより、第1の膜を備えたフィルタ(特に負のゼータ電位を備えたもの)には構成単位(a2)、(a3)の様な極性基を有する単位の含有量が多い樹脂が選択的にトラップされ、レジスト組成物から除去されることが確認されている。
なお、かかる樹脂は常法によって合成し得る。
・・構成単位(a1)
構成単位(a1)において、酸解離性溶解抑制基は、特に限定するものではない。一般的には(メタ)アクリル酸のカルボキシル基と、環状または鎖状の第3級アルキルエステルと形成するものが広く知られている。その中でも、脂肪族単環式又は多環式基含有酸解離性溶解抑制基が挙げられ、特に耐ドライエッチング性に優れ、レジストパターンの形成の点から、脂肪族多環式基含有酸解離性溶解抑制基が好ましく用いられる。
前記単環式基としては、シクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。
前記多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。
具体的には、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
この様な多環式基は、例えばArFエキシマレーザのレジスト組成物用の樹脂成分において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。
これらの中でもアダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が工業上好ましい。
より具体的には、構成単位(a1)が、下記一般式(I)、(II)又は(III)から選択される少なくとも1種であると好ましい。
Figure 0004637967
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは低級アルキル基である。)
Figure 0004637967
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R及びRはそれぞれ独立に低級アルキル基である。)
Figure 0004637967
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは第3級アルキル基である。)
式中、Rとしては、炭素数1〜5の低級の直鎖又は分岐状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。中でも、炭素数2以上、好ましくは2〜5のアルキル基が好ましく、この場合、メチル基の場合に比べて酸解離性が高くなる傾向がある。なお、工業的にはメチル基、エチル基が好ましい。
前記R及びRは、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1〜5の低級アルキル基であると好ましい。このような基は、2−メチル−2−アダマンチル基より酸解離性が高くなる傾向がある。
より具体的には、R、Rは、それぞれ独立して、上記Rと同様の低級の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましい。中でも、R、Rが共にメチル基である場合が工業的に好ましく、具体的には、2−(1−アダマンチル)−2−プロピル(メタ)アクリレートから誘導される構成単位を挙げることができる。
前記Rは、tert−ブチル基やtert−アミル基のような第3級アルキル基であり、tert−ブチル基である場合が工業的に好ましい。
また、基−COORは、式中に示したテトラシクロドデカニル基の3または4の位置に結合していてよいが、これらは異性体が混合していることから、結合位置を特定できない。また、(メタ)アクリレート構成単位のカルボキシル基残基も同様に式中に示した8または9の位置に結合するが、結合位置の特定はできない。
構成単位(a1)は、中でも、上記一般式(I)又は(II)、特には(I)が好ましい。
構成単位(a1)は、(A)成分の全構成単位の合計に対して、20〜60モル%、好ましくは30〜50モル%であることが望ましい。
・・構成単位(a2)
構成単位(a2)としては、(メタ)アクリル酸エステルのエステル側鎖部にラクトン環からなる単環式基またはラクトン環を有する多環式基が結合した構成単位が挙げられる。なお、このときラクトン環とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環を示し、これをひとつの目の環として数える。したがって、ここではラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
そして、構成単位(a2)としては、具体的には例えば、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた単環式基や、ラクトン環含有ポリシクロアルカンから水素原子を1つを除いた多環式基などが挙げられる。
具体的には、例えば以下の構造式(IV)〜(VII)で表される構成単位が好ましい。
Figure 0004637967
(式中、Rは水素原子又はメチル基、mは0又は1である。)
Figure 0004637967
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
Figure 0004637967
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
Figure 0004637967
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
構成単位(a2)は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、20〜60モル%、特には20〜50モル%含まれていると好ましい。
・・構成単位(a3)
構成単位(a3)としては、例えばArFエキシマレーザ用のホトレジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができ、例えば水酸基及び/又はシアノ基含有脂肪族多環式基を含むことが好ましく、水酸基又はシアノ基含有脂肪族多環式基を含むことがより好ましい。
前記多環式基としては、前記構成単位(a1)の説明において例示したものと同様の多数の多環式基から適宜選択して用いることができる。
具体的に、構成単位(a3)としては、水酸基含有アダマンチル基や、シアノ基含有アダマンチル基、カルボキシル基含有テトラシクロドデカニル基を有するものが好ましく用いられる。
さらに具体的には、下記一般式(VIII)で表される構成単位を挙げることができる。
Figure 0004637967
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
構成単位(a3)は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10〜50モル%、好ましくは20〜40モル%含まれていると好ましい。
(A)成分は、構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)を含むものであってもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではない。
例えば脂肪族多環式基を含み、かつ(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位などが好ましい。
前記多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザ用、KrFポジエキシマレーザ用(好ましくはArFエキシマレーザ用)等のホトレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記(IX)〜(XI)の構造のものを例示することができる。
Figure 0004637967
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
Figure 0004637967
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
Figure 0004637967
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
構成単位(a4)は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、1〜25モル%、好ましくは10〜20モル%含まれていると好ましい。
なお、(A)成分の樹脂の質量平均分子量(ゲルパーミネーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算基準)は、特に限定するものではないが5000〜30000、さらに好ましくは8000〜20000とされる。
また、(A)成分は、1種または2種以上の樹脂から構成することができ、例えば上述の様な(メタ)アクリルエステルから誘導される単位を有する樹脂を1種または2種以上用いてもよいし、さらに他の種類の樹脂を混合して用いることもできる。
・(B)成分
(B)成分としては、従来化学増幅型レジストにおける酸発生剤として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
例えば、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(p−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートなどのオニウム塩などを挙げることができる。これらのなかでもフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩が好ましい。
この(B)成分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、例えば(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部とされる。
・(C)成分
(C)成分は有機溶剤である。(C)成分としては、前記(A)成分と前記(B)成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。
具体的には、例えば、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)などが好ましい。さらに(C)成分中にγ−ブチロラクトンを5〜20質量%程度配合してもよい。
(C)成分の量はホトレジスト組成物として用いるのに適した、基板等に塗布可能な濃度とされる。
・その他の成分
ホトレジスト組成物には、さらに所望により他の成分を配合することができる。
例えば、レジストパターン形状、引き置き安定性等の向上のために、さらに任意の(D)成分として含窒素有機化合物、例えば公知のアミン類、好ましくは第2級低級脂肪族アミンや第3級低級脂肪族アミンを含有させることができる。
ここで低級脂肪族アミンとは炭素数5以下のアルキルまたはアルキルアルコールのアミンを言い、この第2級や第3級アミンの例としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられるが、特にトリエタノールアミンのような第3級アルカノールアミンが好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
また、前記(D)成分の添加による感度劣化の防止、引き置き安定性等の向上の目的で、さらに任意の(E)成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体を含有させることができる。なお、(D)成分と(E)成分は併用することもできるし、いずれか1種を用いることもできる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ‐n‐ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸‐ジ‐n‐ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
また、ホトレジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを添加含有させることができる。
また、かかるホトレジスト組成物を用いたレジストパターンは、常法によって形成することができる。
例えば、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記ホトレジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(PAB処理)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えば露光装置などにより、KrF、ArF、またはFエキシマレーザ光、あるいはExtreme UV(極端紫外光)、EB(電子線)またはX線等を所望のマスクパターンを介して選択的に露光または描画した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)処理を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
なお、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。
後述する実施例または比較例のホトレジスト組成物の諸物性は次のようにして求めた。
(1)異物経時特性
(実施例1−1)〜(比較例1−2)については、液中パーティクルカウンター(Rion社製、製品名:KS−41)を用いて、製造後40℃で保存した後(6ヶ月、1ヶ月または2週間)のホトレジスト組成物の異物経時特性を評価した。
測定限界は2万個/cm位以上である。
また、製造直後のホトレジスト組成物中の異物は0.3μm以上の粒子で10個/cm以下に調整した。
(実施例2−1)〜(比較例2−3)については、液中パーティクルカウンター(Rion社製、製品名:KS−41)を用いて、製造後室温で保存した後(1ヶ月)のホトレジスト組成物の異物経時特性を評価した。
測定限界は2万個/cm位以上である。
また、製造直後のホトレジスト組成物中の異物は0.15μm以上の粒子で900個/cm以下に調整した。
(2)ディフェクト
調整したホトレジスト組成物(ポジ型)を、スピンナーを用いてシリコンウェーハ(直径200mm)上に塗布し、ホットプレート上で130℃、90秒間プレベーク(PAB処理)し、乾燥することにより、膜厚350nmのレジスト層を形成した。
ついで、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製NA(開口数)=0.60,σ=0.75)により、ArFエキシマレーザ(193nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。
そして、120℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で、60秒間パドル現像し、その後20秒間水洗して乾燥し、250nmのラインアンドスペースパターンを形成した(実施例1−2〜比較例1−2)。実施例2−1〜比較例2−3においては、130nmのラインアンドスペースパターンを形成した。
そして、ディフェクトを、KLAテンコール社製の表面欠陥観察装置 KLA2132(製品名)を用いて測定し、ウェハ内の欠陥数を評価した。実施例、比較例において試験に用いたウェハはそれぞれ3枚であり、その平均値を求めた。
なお、全ての実施例、比較例において、ディフェクトはラインパターンの間が橋掛け状態になる、いわゆるブリッジタイプであることが側長SEM S−9220(日立製作所社製)により確認された。
(実施例1−1)
以下の(A)乃至(D)成分を混合、溶解してポジ型のホトレジスト組成物(ArFエキシマレーザ用)を製造した。
(A)成分:以下のモノマー
2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート 40モル%(構成単位(a1)に相当)
α−ガンマブチロラクトンメタクリレート 40モル%(構成単位(a2)に相当)、
3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート 20モル%(構成単位(a3)に相当)、
を共重合させた共重合体(質量平均分子量10000、分散度1.6) 100質量部
(B)成分:トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート 2.0質量部
(C)成分:PGMEAとELとの混合溶剤(質量比6:4) 750質量部
(D)成分:トリエタノールアミン 0.2質量部
このホトレジスト組成物4000mlを、その貯留部から、以下の第1のフィルタを備えた第1のろ過部、第2のフィルタを備えた第2のろ過部に供給し、順次ろ過して、ホトレジスト組成物を得た。なお、第1のろ過部、第2のろ過部に供給するホトレジスト組成物のろ過圧は0.4kgf/cmとした。
第1のフィルタ:ナイロン製 ウルチポアN66(製品名:ポール株式会社製)
なお、第1のフィルタのゼータ電位は−15mV、孔径は0.04μmであり、仕様はろ過圧[耐差圧(38℃)]は4.2kgf/cm、表面積(ろ過面積)は0.09mであった。また、フィルタの形態は直径72mm×高さ114.5mmのディスポーザブルタイプであった。臨界表面張力は77dyne/cmであった。
第2のフィルタ:ポリプロピレン製(製品名:ユニポア・ポリフィックス、キッツ社製)
なお、第2のフィルタの孔径は0.02μmであり、仕様はろ過圧[耐差圧(20℃)]は0.4MPa、表面積(ろ過面積)は3400cmであった。また、フィルタの形態は直径58mm×高さ148.6mmのディスポーザブルタイプであった。臨界表面張力は29dyne/cmであった。
40℃、6ヶ月後保存後のホトレジスト組成物の異物経時特性は、製造直後と殆ど変化がなかった。
ディフェクトは、ウェハ1枚につき平均10個以下であった。
なお、第1のフィルタに吸着したものを分析したところ、上記(a1)〜(a3)]のうち、上記α−ガンマブチロラクトンメタクリレート単位と上記3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート単位のモル比率が、ホトレジスト組成物中の当初の共重合体のモル比率よりも多い不溶性の樹脂であることがわかった。
(実施例1−2)
実施例1−1において、第1のフィルタをナイロン製ウルチポアN66(製品名:ポール社製)の孔径が0.02μmのものに変えた以外は同様なフィルタを用い、実施例1−1と同様にして、異物経時特性とディフェクトを評価した。なおろ過圧はフィルタに応じて調製した。
その結果、異物経時特性は40℃で1ヶ月経過後は製造直後と殆ど変化はなかった。ディフェクトは、ウエーハ1枚に付平均10個以下であった。
(実施例1−3)
実施例1−1において、第1のフィルタは同じものを用い、第2のフィルタにおいて、同孔径のポリエチレン製 (製品名: マクロガードUPEフィルタ、 マイクロリス社製)のフィルタを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、異物経時特性とディフェクトを評価した。なおろ過圧はフィルタに応じて調製した。なお、第2のフィルタの膜の臨界表面張力は31dyne/cmであった。 その結果、異物経時特性は40℃で1ヶ月経過後は製造直後と殆ど変化はなかった。ディフェクトは、ウエーハ1枚に付平均10個以下であった。
(実施例1−4)(参考例)
実施例1−1において、第1のフィルタは同じものを用い、さらに第2のフィルタを用いなかった点以外は実施例1−1と同様にして、異物経時特性とディフェクトを評価した。
その結果、異物経時特性は40℃で1ヶ月経過後は製造直後と殆ど変化はなかった。ディフェクトは、ウエーハ1枚に付平均10個以下であったが、40℃で1ヶ月経過後同様なディフェクトを測定したところ、ウエーハ1枚に付平均20〜30個であった。
(比較例1−1)
第1のフィルタを以下のものに変更した以外は、実施例1−1と同様にしてホトレジスト組成物を調整し、異物経時特性、ディフェクトを評価した。
第1のフィルタ:ポリテトラフルオロエチレン製(製品名:エンフロン、ポール社製)
なお、この第1のフィルタのゼータ電位は−20mV、孔径は0.05μmであり、仕様はろ過圧[耐差圧(38℃)]は3.5kgf/cm、表面積(ろ過面積)は0.13m、臨界表面張力は28dyne/cmであった。また、フィルタの形態は直径72mm×高さ114.5mmのディスポーザブルタイプであった。
その結果、40℃、2週間後の異物経時特性は、測定限界を超えており、測定できなかった。
ディフェクトは、ウェーハ1枚につき平均5000個であった。なお、ディフェクトはラインパターンの間が橋掛け状態になる、いわゆるブリッジタイプであることが、前記測長SEM装置により確認された。
(比較例1−2)
実施例1−1において、第1のフィルタをナイロン製N66 Posiddyne(製品名:ポール社製、ゼータ電位は18mV)の孔径が0.1μmのフィルタとした以外は実施例1−1と同様にして、異物経時特性を評価した。なお、ろ過圧はフィルタに応じて調製した。
その結果、異物経時特性は40℃で2週間経過後測定限界を超えており、測定できなかった。ディフェクトは測定するまでもなかった。
(実施例2−1)
以下の(A)乃至(D)成分を混合、溶解してポジ型のホトレジスト組成物(ArFエキシマレーザ用)を製造した。
(A)成分:以下のモノマー
2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート 35モル%(構成単位(a1)に相当:一般式(I)において、RとRが共にメチル基である)、
α−ガンマブチロラクトンメタクリレート 35モル%(構成単位(a2)に相当:一般式(VII)において、Rがメチル基である)、
3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート 15モル%(構成単位(a3)に相当:一般式(VIII)において、Rがメチル基である)、
トリシクロデカニルメタクリレート 15モル%(構成単位(a4)に相当:一般式(IX)において、Rがメチル基である)
を共重合させた共重合体(質量平均分子量11000、分散度2.5) 100質量部
(B)成分:トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート 2.0質量部
(C)成分:PGMEA 733質量部(組成物における固形分濃度が12%都となるよう調製)
(D)成分:トリエタノールアミン 0.2質量部
このホトレジスト組成物4000mlを、比較例1−1で用いたポリテトラフルオロエチレン製のフィルタを通過させ、次いで、実施例1−1と同様の第2のフィルタを通過させる前ろ過を行った。
次いで、第1のフィルタとして、ナイロン66(登録商標)製のウルチプリーツ(登録商標:Ultipleat)P−Nylon Filter(製品名:日本ポール株式会社製、ゼータ電位は約−12〜−16mV、孔径0.04μm、臨界表面張力は77dyne/cm)を用いて通過させた。
かかるホトレジスト組成物について評価を行った。
ディフェクトは14個であった。
1ヶ月保存後の異物経時は粒子径0.15μm以上の粒子が982個であった。
なお、第1のフィルタに吸着したものを分析したところ、上記4元単位[(a1)〜(a4)]のうち、上記α−ガンマブチロラクトンメタクリレート単位と上記3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート単位のモル比率が、ホトレジスト組成物中の当初の共重合体のモル比率よりも多い質量平均分子量約40000の不溶性の樹脂であることがわかった。
(比較例2−1)
実施例2−1と同様の前ろ過の後、さらに比較例1−1で用いたポリテトラフルオロエチレン製のフィルタを通過させてホトレジスト組成物を調整した。そして、実施例2−1と同様にして評価した。
ディフェクトは4100個であった。
1ヶ月保存後の異物経時は粒子径0.15μm以上の粒子が6509個であった。
(比較例2−2)
実施例2−1と同様の前ろ過の後、さらに実施例1−1で用いた第2のフィルタと同様のポリプロピレン製のフィルタを通過させてホトレジスト組成物を調整した。そして、実施例2−1と同様にして評価した。
ディフェクトは34個であった。
1ヶ月保存後の異物経時は粒子径0.15μm以上の粒子が1070個であった。
(比較例2−3)
前ろ過の後、比較例2−2で用いたポリプロピレン製のフィルタの孔径を0.02μmから0.05μmに変更した以外は、比較例2−2と同様にポジ型ホトレジスト組成物を調整し、評価した。臨界表面張力は比較例2−2で用いたものと同様であった。
ディフェクトは244個であった。
1ヶ月保存後の異物経時は粒子径0.15μm以上の粒子が1030個であった。
(比較例2−4)
実施例2−1と同様の前ろ過の後、さらに実施例1−1で用いた第2のフィルタであって、孔径を0.05ミクロンに変えたポリエチレン製 (製品名: マクロガードUPEフィルタ、 マイクロリス社製)のフィルタを通過させてホトレジスト組成物を調整した。そして、実施例2−1と同様にして評価した。
ディフェクトは897個であった。
1ヶ月保存後の異物経時は粒子径0.15μm以上の粒子が1819個であった。
(実施例3−1)
実施例2−1のポジ型のホトレジスト組成物に(E)成分として、サリチル酸 0.2質量部を加えた以外は同様な組成の製造した。次いで実施例2−1と同様に前ろ過と第1のフィルタを通過させた。
かかるホトレジスト組成物について評価を行った。
ディフェクトは約20個であった。
1ヶ月保存後の異物経時は粒子径0.20μm未満の粒子が7個以下であった。
また、このホトレジスト組成物をスピンナーを用いてシリコンウェーハ(直径200mm)上に塗布し、ホットプレート上で130℃、90秒間プレベーク(PAB処理)し、乾燥することにより、膜厚400nmのレジスト層を形成した。
ついで、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製NA(開口数)=0.60,σ=0.75)により、ArFエキシマレーザ(193nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。
そして、120℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で、60秒間パドル現像し、その後20秒間水洗して乾燥し、レジストパターンを形成した。
そして、第1のフィルタにてろ過する前と後のものについてレジストパターンサイズの変化を比較したところ、160nmのパターンサイズに大きな変化はなかった。
(比較例3−1)
実施例3−1において、第1のフィルタを比較例1−2で用いたナイロン製N66 Posiddyne(製品名:ポール社製、ゼータ電位は18mV、臨界表面張力は77dyne/cm)の孔径が0.1μmのフィルタとした以外は実施例3−1と同様にして、異物経時特性を評価した。
その結果、異物経時特性は40℃で2週間経過後測定限界を超えており、測定できなかった。
ディフェクトは測定するまでもなかった。
また、本比較例の第1のフィルタにてろ過する前と後のものについてレジストパターンサイズの変化を比較したところ、160nmのパターンサイズが約15nm変化していた。
(実施例4−1)(参考例)
図2は、実施例4−1で用いた、ろ過装置を搭載したホトレジスト組成物の塗布装置の構造を示したものである。
本実施例においては、実施例2−1のポジ型のホトレジスト組成物を用いた。以下、当該装置について、操作手順に沿って説明する。
ホトレジスト組成物7は、そのリザーバタンク10から、ポンプ11にて吸引され、導入管9をとおり、第1のろ過部12を通過し、塗布装置のノズル13から、シリコンウエーハのような基板14に供給される。なお、第1のろ過部12内に備えられた第1の膜を備えた第1のフィルタ12aにて、該組成物はろ過される。
ろ過された後の該組成物は、ノズル13から滴下される。その際、塗布装置の塗布部18内の回転軸17が回転することにより、回転軸17の先端に取り付けられた基板14の支持部15がその上に配置された基板14を回転させる。そして、その遠心力により、該基板14上に滴下されたホトレジスト組成物は広がり、当該基板14上に塗布される。なお、ノズル13、基板14、及び支持部15の周囲には、これらを囲む様に有底筒状体(防御壁)が設けられており、回転軸17はその底部を貫通している。この有底筒状体16により基板が回転してホトレジスト組成物が周囲に飛散することを防ぐ様になっている。なお、貯留部8には、加圧用管6が設けられており、貯留部8からリザーバタンク10までホトレジスト組成物7を窒素などの不活性ガスで加圧することにより供給することができる様になっている。
リザーバタンク10はあってもなくても良いし、ポンプ11はホトレジストをその貯留部8から塗布部18へ供給する機能を有するものであれば、限定されない。
なお、第2のフィルタを備えた第2のろ過部を第1のろ過部12の前後の一方あるいは両方に設けることもでき、フィルタの組み合わせは、ろ過装置について説明した上述の様に、種種の態様が選択し得る。
塗布装置は、スピンナーの例を示したが、塗布方法は近年、スリットノズル法など回転塗布以外の様々なものが提案されており、その装置も提案されているので、これも限定されない。
また、塗布装置は、上述の様に、その後の現像工程を一貫して行えるいわゆる塗布・現像装置であってもよい。例えば、東京エレクトロン社製の「クリーントラックACT−8」等を用いることができ、本実施例においてはそれを用いた。
第1のろ過部12は、本第3の発明におけるpH7.0の蒸留水において−20mV超、15mV以下のゼータ電位を有する第1の膜を備えた第1のフィルタ、又は第4の発明における臨界表面張力が70dyne/cm以上の第1の膜を備えた第1のフィルタ、又は
第8の発明における0.04μm以下のナイロン膜からなる第1の膜を備えた第1のフィルタを有する部分である。なお、このフィルタとしては、例えば、ナイロン66(登録商標)製の膜を備えたP−Nyron(製品名:日本ポール株式会社製、ゼータ電位は約−12〜−16mV、孔径0.04μm、臨界表面張力は77dyne/cm)等を用いることができ、本実施例においてはそれを用いた。
この装置によれば、実施例2−1ポジ型のホトレジスト組成物を用いて、上記した一連の処理により、基板14の上に、ポジ型レジスト層が形成される。以後は、通常のリソグラフィ工程に沿って、プレベーク、選択的露光、PEB、現像、リンスによってレジストパターンを形成する。そして、形成された後のレジストパターンを、KLAテンコール社製の表面欠陥観察装置KLA2132(製品名)などを用いて測定し、ウェハ内のディフェクトを評価する。
なお、必要に応じて本第1、第2、第3、第4、第7及び第8の発明で説明した第2のフィルタを用いても良い。
本実施例においては、リソグラフィー工程は次のようにして行った。
実施例2−1ポジ型のホトレジスト組成物をスピンナーを用いてシリコンウェーハ(直径200mm)上に塗布し、ホットプレート上で130℃、90秒間プレベーク(PAB処理)し、乾燥することにより、膜厚350nmのレジスト層を形成した。ついで、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製NA(開口数)=0.60,σ=0.75)により、ArFエキシマレーザ(193nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。そして、120℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で、60秒間パドル現像し、その後20秒間水洗して乾燥し、130nmのラインアンドスペースパターンを形成した。
そして、上記KLA2132でそのパターン上のディフェクトを測定したところ、14個であり、非常に良好な結果であった。
(比較例4−1)
実施例4−1において、第1のフィルタを比較例1−1で用いたポリテトラフルオロエチレン製のもの(製品名:エンフロン、ポール社製)に変更した以外は、実施例4−1と同様にしてホトレジスト組成物を調整し、ディフェクトを評価した。
その結果、そのパターン上のディフェクトを測定したところ、4100個であり、不良な結果であった。
(比較例4−2)
実施例4−1において、第1のフィルタを実施例1−1の第2のフィルタでとして用いたポリプロピレン製のもの(製品名:ユニポア・ポリフィックス、キッツ社製、孔径は0.02μm)に変更した以外は、実施例4−1と同様にしてホトレジスト組成物を調整し、ディフェクトを評価した。
その結果、そのパターン上のディフェクトを測定したところ、34個であり、不良な結果であった。
(比較例4−3)
実施例4−1において、第1のフィルタを、比較例2−3で用いたのと同様のポリプロピレン製であって、ただしフィルタの孔径が0.05μmであるものに変更した以外は、実施例4−1と同様にしてホトレジスト組成物を調整し、ディフェクトを評価した。
その結果、そのパターン上のディフェクトを測定したところ、244個であり、不良な結果であった。
(比較例4−4)
実施例4−1において、第1のフィルタを実施例1−3で第2のフィルタとして用いたものと同一の材料からなり、ただし孔径を0.05μに変更した、最も汎用的に塗布装置へ搭載されているポリエチレン製 のフィルタ(製品名: マクロガードUPEフィルタ、 マイクロリス社製)を用いた以外は、実施例4−1と同様にしてホトレジスト組成物を調整し、ディフェクトを評価した。
その結果、そのパターン上のディフェクトを測定したところ、897個であり、不良な結果であった。
上記実施例、比較例の結果より、本発明に係る実施例においては、フィルタの膜の種類
を変更するのみで、異物経時特性が著しく向上することが明らかとなった。
そして、レジストパターン形成時の微細なスカムやマイクロブリッジも著しく低減できることが確認できた。また、ろ過前後の特性の変化もなく、良好であった。
1・・・原液貯留槽、2・・・第1のろ過部、2a・・・第1のフィルタ、4・・・第2のろ過部、4a・・・第2のフィルタ、5・・・容器、6・・・加圧用管、7・・・ホトレジスト、8・・・ホトレジストの貯留部、9・・・ホトレジストの導入管、10・・・リザーバタンク、11・・・ポンプ、12・・・第1のフィルタ部、12a・・・膜、13・・・ホトレジスト滴下用ノズル、14・・・・シリコンウエーハなどの基板、15・・・基板の支持部、16・・・有底筒状体、17・・・回転軸、18・・・塗布装置の塗布部

Claims (7)

  1. 酸解離性溶解抑制基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)と、ラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)とを含むホトレジスト組成物を、臨界表面張力が70dyne/cm以上の第1の膜を備えた第1のフィルタを通過させる工程を有し、且つ前記第1のフィルタを通過させる工程の前後の一方又は両方に、さらに、該ホトレジスト組成物を、ポリオレフィン樹脂またはフッ素樹脂製の第2の膜を備えた第2のフィルタを通過させる工程を有することを特徴とするホトレジスト組成物の製造方法。
  2. 前記第2の膜がポリエチレン若しくはポリプロピレンまたはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製であることを特徴とする請求項1に記載のホトレジスト組成物の製造方法。
  3. 前記第1の膜として、ナイロン製の膜を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のホトレジスト組成物の製造方法。
  4. 前記第1の膜と、前記第2の膜の一方あるいは両方の孔径が0.02μm以上、0.1μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のホトレジスト組成物の製造方法。
  5. 前記第1の膜の孔径が0.02μm以上、0.04μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のホトレジスト組成物の製造方法。
  6. 前記(A)成分が、酸解離性溶解抑制基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)と、ラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)と、水酸基及び/又はシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のホトレジスト組成物の製造方法。
  7. 前記(A)成分が、酸解離性溶解抑制基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)と、ラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)と、水酸基及び/又はシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)と、当該構成単位(a1)〜(a3)ではない脂肪族多環式基含有(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a4)を有することを特徴とする、請求項に記載のホトレジスト組成物の製造方法。
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