JP2005300675A - 樹脂ローラ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ゴム弾性体層端部の欠陥の除去と表面層の長寿命化を目的とした樹脂ローラとその製造方法を提供すること。
【解決手段】 樹脂ローラを金型から離型後に、ゴム弾性体層端部に設けた突起部分を切断し除去した後、ゴム弾性体層の表面に表面層を被覆することを特徴とした樹脂ローラとその製造方法。
【選択図】 図3
【解決手段】 樹脂ローラを金型から離型後に、ゴム弾性体層端部に設けた突起部分を切断し除去した後、ゴム弾性体層の表面に表面層を被覆することを特徴とした樹脂ローラとその製造方法。
【選択図】 図3
Description
本発明は、レーザプリンターや複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式を採用した各種装置に組み込まれる現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ等の樹脂ローラに関する。
レーザプリンターや複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式を採用した各種装置には現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ等のローラが組み込まれている。ローラの使用方法について、現像工程に用いられる樹脂ローラを例として図7を参照して以下に説明する。電子写真方式の各種装置には、静電潜像を保持する感光体50などの像担持体51上に非磁性一成分現像剤55を供給し、像担持体51表面の静電潜像に該現像剤を付着させ、静電潜像を可視化する現像方法として、現像樹脂ローラ10を像担持体51と接触させる方式が知られている。この方式では、非磁性一成分現像剤55を使用するため、従来の磁気ローラを用いての磁性現像剤を供給する方式と比較して安価であり、また磁性二成分現像剤を用いた場合には、キャリア自体に寿命があり、例えば1万コピーないし2万コピー毎に定期的に交換をする必要があり、その交換作業が手間のかかる煩わしいものであるのに対し、上記方式ではそのような欠点がない。さらに、磁性二成分現像剤を用いた場合には、磁性現像剤自身に異色に近い磁性体を内添することから、磁性現像剤のカラートナー化には技術的に困難であったが、本発明の樹脂ローラは非磁性の現像剤を使用する非磁性現像方式に採用されるため、このような問題がない。上記樹脂ローラの代表的な形状を図1、及び図2に示す。樹脂ローラ10は、芯体11と、該芯体11の周囲に樹脂にて形成される円筒状のゴム弾性体層12と、該ゴム弾性体層12周囲を被覆した表面層13とを有する。この樹脂ローラ10が非磁性一成分の現像剤を搬送する方法は、電気的吸引力による搬送方法で、現像ローラとしての必要な特性は現像ローラ表面への現像剤の堆積厚を規制する規制ブレード52と現像剤表面との間で現像剤を摩擦帯電させるために、加圧力により現像剤が割れやすく、このために現像剤の割れを防止すべく柔軟なゴム弾性体層12を芯体11に被覆した樹脂ローラ10が用いられている。ゴム弾性体層12は、そのまま表面露出させることもあるが、現像剤の帯電や搬送性を制御する目的で表面に薄い表面層13を設けることが多い。次に、この樹脂ローラ10の製造方法を説明する。まず、このような樹脂ローラ10のゴム弾性体層12を成形するための金型20は、例えば、図5に示すように、筒状金型22と、この筒状金型22の両端に位置し、前記筒状金型22に内挿された芯体11を保持するとともに筒状金型22の両端を封止する芯体保持部材21、26とを有する。図4に示すように芯体に設けられたoリング溝には0リング16が装着されている。芯体の両端部は図5に示すように芯体保持部材21、26に挿入される。芯体に装着されたoリング16によって芯体11と芯体保持部材21,26に設けられた芯体挿入孔との間隙が塞がれる。そして一方の芯体保持部材21には筒状金型22内に形成されるローラ成形空間25に液状樹脂を注入するための樹脂注入口23が設けられ、この樹脂注入口23の金型外側に設けられた半球状のノズルタッチ部45に成形機の樹脂注入ノズル40を圧接してローラ成形空間25に液状樹脂が注入される。そして、ローラ成形空間25内に樹脂の注入が完了した後、弁体35をスライドして閉じてローラ成形空間25内に注入された液状樹脂を密閉する。その後、金型20全体を加熱して、ローラ成形空間25内の樹脂を加熱硬化させる。樹脂の硬化が完了した後、芯体保持部材21、26を筒状金型22から抜き去る。次いで、筒状金型22に対して芯体11を押し出すなどして、筒状金型22内に保持されている成形体を取り出す。その後、上記成形法で得たローラ本体のゴム弾性体層の周囲表面に、樹脂材料で調合した塗布液を、スプレー法やディッピング法、ロールコータ法などで塗布し、乾燥させて表面層13を形成する。
上記成形方法で得たローラ本体は、金型から離型した際には、ゴム弾性体層12の端部に気泡、欠け、バリなどの欠陥を有している。該樹脂ローラ10は、図7に示す感光体50及び規制ブレード52に圧接された状態で込みこまれて使用される。該樹脂ローラ10及び感光体50の回転によって該樹脂ローラ10の表面に繰り返し摩擦が加えられる。そのため、前記の欠陥を有したゴム弾性体層12の上に表面層13を形成した場合、ゴム弾性体層端部の欠陥が起点となり、表面層13が剥離する問題があった。
本発明は、図3に示す芯体11の周囲に円筒状のゴム弾性体層12を設けてローラ本体が形成され、該ローラ本体のゴム弾性体層端部に設けられた突起部分14が切断加工された後、図2に示すようにゴム弾性体層の表面に表面層13が形成されていることを特徴とする。前記ゴム弾性層の突起部分14の寸法は厚み、長さ共に1mm以上としている。本発明の樹脂ローラの製造方法は、成形金型内に芯体を配置して該金型内に熱硬化性液状樹脂を注入し加熱硬化させて、芯体の周囲に円筒状の樹脂層が設けられたローラ本体を形成する工程と、該ローラ本体を金型から離型した後、該樹脂層の端部の突起部分を切断して除去する工程と、樹脂層の周囲に表面層を形成する工程と、を包含する。前記熱硬化性液状樹脂は(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシプロピレン系重合体と、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む化合物と、(C)ヒドロシリル化触媒と、(D)導電性付与剤とを主成分とする。
本発明によれば、成形金型内に熱硬化性液状樹脂を注入し加熱硬化させてゴム弾性体層を形成し、このゴム弾性体層の端部に設けた突起部分を切断、除去した後、ゴム弾性体層の表面に表面層を形成するので、端部に欠陥点が存在しない。その結果、表面層がゴム弾性体層から剥離したり摩耗することが抑制されて樹脂ローラの耐久性が向上する。結果的に該樹脂ローラを用いたレーザプリンターや複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式を採用した各種装置のローラを交換することなく、長時間使用することができる。
本発明の樹脂ローラ及びその製造方法の実施例を説明する。樹脂ローラ10は、図6に示す金型20を使用して製造することができる。図6に示すように、この金型20内には、あらかじめ芯体11が配置され、成形機の樹脂注入ノズル40から樹脂注入口23を通じて、ローラ成形空間25内に熱硬化性液状樹脂が注入される。ローラ成形空間25の両端部に端部突起部の成形空間27が設けられている。そして、ローラ成形空間25内に液状樹脂の注入完了後に、弁体35を閉じて注入された液状樹脂を密閉した後、金型20全体を加熱してローラ成形空間25内に充填された液状樹脂を加熱硬化させる。樹脂の硬化が完了した後、芯体保持部材21、26を筒状金型22から抜き去る。次いで、筒状金型22に対して芯体11を押し出す等して、筒状金型22内に保持されているローラ本体を取り出す。該ローラ本体は、芯体11の周囲に円筒状のゴム弾性体層12が形成されている。本発明の成形方法に使用可能な樹脂材料としては、公知の熱硬化性液状樹脂が用いられる。例えば、ポリウレタン、エチレン・プロピレン・ジエン・メチレン共重合体(EPDM)、シリコーンなどが使用できるが、ゴム弾性体層が、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシプロピレン系重合体、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、及び(D)導電性付与剤、を必須成分として含有する硬化性組成物を硬化させて得られることが好ましい。また本発明においては、前記(A)成分の有機重合体中のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基が該重合体の末端に存在すること、前記(B)成分が、平均して1分子中に少なくとも2個以上のヒドロシリル基を含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンであること、前記(D)成分がカーボンブラックであることが好ましい。
ここで、上記(A)成分におけるアルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基であれば特に制限されるものではなく、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基、メタクリル基等が挙げられる。オキシプロピレン系重合体のアルケニル基の数は、硬化剤である(B)成分とヒドロシリル化反応するために少なくとも1個必要であるが、良好なゴム弾性を得る観点からは、直鎖上分子の場合は、分子の両末端に2個のアルケニル基を有し、分岐のある分子の場合は、分子末端に2個以上のアルケニル基を有することが好ましい。本発明における(A)成分は、上記ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を重合体末端に有するものであることが望ましい。
前記(A)成分のオキシプロピレン系重合体とは、主鎖を構成する繰り返し単位のうち50%を超える単位がオキシプロピレン単位からなる重合体をいい、オキシプロピレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位やエチレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる共重合性単位であってもよい。 本発明における(B)成分は、硬化剤として使用されるものであり、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンが好ましいものの一つとして挙げられる。ここで言うポリオルガノハイドロジェンシロキサンとは、ケイ素原子上に炭化水素基あるいは水素原子を有するシロキサン化合物を指す。
本発明の(C)成分であるヒドロシリル化触媒については、特に制限はなく、任意のものが使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、カ−ボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;白金ービニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt〔(MeViSiO)4〕m};白金ーホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4};白金ーホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)3〕4、Pt〔P(OBu)3〕4}(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)2、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。本発明の(D)成分の導電性付与剤としては、カーボンブラックや金属酸化物、金属微粉末、さらには、第4級アンモニウム塩、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基などを有する有機化合物もしくは重合体、エーテルエステルイミド、もしくはエーテルイミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する化合物、または高分子化合物などの帯電防止剤といった化合物などがあげられる。本発明における(D)成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記カーボンブラックの例としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、オイルブラックなどがあげられる。これらカーボンブラックの種類、粒径等に制限はない。
(D)成分の添加量は、所望の導電特性に応じて調整して添加され、(A)成分の重合体100重量部に対し、0.01〜100重量部、さらには0.1〜50重量部用いることが好ましい。また、本発明における熱硬化性樹脂には、各種充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料などを適宜添加してよい。また、粘度や硬度を調整する目的で軟化剤、可塑剤を添加してもよい。また、本発明における熱硬化性樹脂には、貯蔵安定性を改良する目的で、貯蔵安定性改良剤を使用することができる。この貯蔵安定性改良剤としては、本発明の(B)成分の保存安定剤として知られている通常の安定剤であり、所期の目的を達成するものであればよく、特に限定されるものではない。具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等を好適に用いることができる。さらに具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシレート、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、エチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メチル−1−ブチル−3−オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。前記熱硬化性樹脂には、その他の各種添加剤を添加することができる。例えば、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、硬化遅延剤などの、熱硬化反応を調整する材料が添加される。また、必要に応じて、有機または無機の充填剤を添加できる。更に、必要に応じて有機または無機の各種顔料、増粘剤、離型剤などを添加することができる。
前記成形方法で得たローラ本体は、金型20から離型した際には、図3のようにゴム弾性体層12の端部に突起部分14が形成されている。端部突起部分14内には液状樹脂を注入時に排出されずにローラ成形空間25内に残った空気に起因する気泡、欠けが存在している。筒状金型22と芯体保持部材21、26の組み付け間隙に樹脂が流入して硬化した所謂バリも発生している。次に前記端部突起部分14を刃物で切断し欠陥を取り除く。端部突起部分の切断方法については、公知の刃物による切断が採用できるが、ローラ本体を回転させながら、端部突起部分14に刃物を侵入させて切断し端部突起部分14を取り除く方法がより好ましい。ローラの回転数は500回転/毎分とした。端部突起部分14の寸法は気泡、欠けの欠陥寸法から決定される。少なくとも厚み、長さ共1mm以上とすることが必要である。より好ましくは厚み、長さとも2〜4mmが望ましい。前記の切断時に切断面及び刃物に切削屑が付着し樹脂ローラを汚染するので掃除が必要となり生産性を低下させる。こうした課題は、切断個所に潤滑液を注ぎながら切断することで切削屑の発生と付着が防止される。使用される潤滑液は特に限定されないが、取り扱いが容易で安価である事から常温の水が好ましい。以上、前述したようにローラ本体を金型20から離型した後、欠陥を内在する端部突起部分を切断、除去後にローラ本体のゴム弾性体層12周囲に表面層13を塗布して樹脂ローラ10を製造する。表面層13を形成する材料には特に制限はないが、導電特性と耐摩耗性の観点からはウレタン結合を含有し、また柔軟性等の観点からはポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート骨格を有する樹脂を主な組成とするウレタン樹脂組成物からなっていればよく、ウレタン樹脂と、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートとのブレンド樹脂、1分子中にウレタン結合とポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシロキサンからなる群において選ばれる少なくとも1つの骨格を含有するウレタン樹脂組成物であってもよい。また、表面層を構成する樹脂組成物には抵抗調整、表面形状の調整あるいは導電性弾性層に対する接着性等の観点から、導電性付与剤、各種フィラー等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。表面層の形成方法としては特に制限はないが、プライマーによって表面処理されたゴム弾性体層の上から、表面層を構成する樹脂組成物をスプレー塗布、ディップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥、硬化させることにより、表面層を形成することができる。具体的には、上記の表面層として使用される樹脂を溶剤に溶かして固形分を5〜20%にしてスプレーあるいはディッピング塗布する方法が簡便である。使用する溶剤としては用いる表面層の主成分である樹脂が相溶すれば特に制限はなく、具体的には、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン等が例示される。表面層の厚さは、用いる材料、組成および用途などにより適切な値に設定するものであり、とくに限定されないが、通常1〜100μmが好ましい。1μmより薄くなると耐磨耗性が低下し、長期間の耐久性が低下する傾向がある。また、100μmより厚いと、弾性層との線膨張率の差に起因して皺が発生しやすくなる。または圧縮歪みが大きくなるなどの問題が発生する傾向がある。本発明においては、表面層溶液の被膜性を改善するために、レベリング剤等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。本発明における導電性ローラは、必要に応じて、ゴム弾性体層の外側に1層以上の表面層を設けてもよい。この場合、本発明の表面層は、同一又は類似の組成を有する樹脂組成物を用いて、複数回重ね塗りすることにより形成される。
以下に、本発明の非限定的な実施例について説明する。
(実施例1)
熱硬化性液状樹脂材料として、下記表1に示す(A)アリル基末端オキシプロピレン系重合体に(B)ポリシロキサン系硬化剤、(C)白金錯体触媒、(D)カーボンブラックを配合した樹脂原料を使用した。液状樹脂用射出成形機において、図6に示す金型20を使い、芯体外径が8mm、ローラ(樹脂層12)外径が16mmで、樹脂層12の長さが250mmのローラ本体を成形した。配合された注入樹脂の粘度は、600ポイズで、注入時の注入圧力は1MPaであった。金型20の芯体保持部材21に設けられた樹脂注入口23の径は、1.5mmで、注入時の金型20の向きは、金型20の長手方向を垂直に立て、芯体保持部材21の下部から樹脂を注入した。金型20の加熱は、ファンが設けられた加熱炉内で加熱し、加熱炉内の雰囲気温度は140℃に設定され、20分間加熱後に加熱炉から取り出して、金型20から離型し、成形品(ローラ本体)を得た。両端部の突起部分14の寸法は厚み2.5mm、長さ3.5mmであった。前記突起部分には直径1mm以下の気泡、欠け、長さ2mm以下のバリが発生していた。こうした欠陥は突起部分を切断、除去することにより取り除いた。切断の方法は、ローラ本体を500回転/毎分で回転させ常温の水を注ぎながら刃物で突起部分を切断し取り除いた。その後、下記表2に示す配合物をDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)で10%に希釈した溶液を作り、該表面層形成用の樹脂を該ローラ本体のゴム弾性体層周囲に塗布し乾燥して表面層を形成した。このようにして得られた樹脂ローラを感光体ドラム30mmに接触幅2mmで接触するよう設置し、樹脂ローラの回転数は100rpmで、連続回転させ耐久試験をおこなったところ、20時間まで表面層が剥離しなかった。
熱硬化性液状樹脂材料として、下記表1に示す(A)アリル基末端オキシプロピレン系重合体に(B)ポリシロキサン系硬化剤、(C)白金錯体触媒、(D)カーボンブラックを配合した樹脂原料を使用した。液状樹脂用射出成形機において、図6に示す金型20を使い、芯体外径が8mm、ローラ(樹脂層12)外径が16mmで、樹脂層12の長さが250mmのローラ本体を成形した。配合された注入樹脂の粘度は、600ポイズで、注入時の注入圧力は1MPaであった。金型20の芯体保持部材21に設けられた樹脂注入口23の径は、1.5mmで、注入時の金型20の向きは、金型20の長手方向を垂直に立て、芯体保持部材21の下部から樹脂を注入した。金型20の加熱は、ファンが設けられた加熱炉内で加熱し、加熱炉内の雰囲気温度は140℃に設定され、20分間加熱後に加熱炉から取り出して、金型20から離型し、成形品(ローラ本体)を得た。両端部の突起部分14の寸法は厚み2.5mm、長さ3.5mmであった。前記突起部分には直径1mm以下の気泡、欠け、長さ2mm以下のバリが発生していた。こうした欠陥は突起部分を切断、除去することにより取り除いた。切断の方法は、ローラ本体を500回転/毎分で回転させ常温の水を注ぎながら刃物で突起部分を切断し取り除いた。その後、下記表2に示す配合物をDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)で10%に希釈した溶液を作り、該表面層形成用の樹脂を該ローラ本体のゴム弾性体層周囲に塗布し乾燥して表面層を形成した。このようにして得られた樹脂ローラを感光体ドラム30mmに接触幅2mmで接触するよう設置し、樹脂ローラの回転数は100rpmで、連続回転させ耐久試験をおこなったところ、20時間まで表面層が剥離しなかった。
(比較例1)
図5に示す金型を使用して図4に示すように端部に突起部分が存在しない成形体を成形し、表面層を前記同様に塗布、乾燥して樹脂ローラを得た。樹脂ローラ端部には直径1mm以下の気泡、欠けが存在していた。得られた樹脂ローラを前記と同様の条件で耐久試験した結果、3.5時間経過後、樹脂ローラ端部の表面層が欠陥点を起点として剥離し始め、試験開始4時間後、端部から中央部に向かって表面層の剥離が広がった。
図5に示す金型を使用して図4に示すように端部に突起部分が存在しない成形体を成形し、表面層を前記同様に塗布、乾燥して樹脂ローラを得た。樹脂ローラ端部には直径1mm以下の気泡、欠けが存在していた。得られた樹脂ローラを前記と同様の条件で耐久試験した結果、3.5時間経過後、樹脂ローラ端部の表面層が欠陥点を起点として剥離し始め、試験開始4時間後、端部から中央部に向かって表面層の剥離が広がった。
(比較例2)
端部の突起部分の寸法が厚み、長さとも1mmとして成形体を成形し、突起部分を切断、除去後に表面層を前記同様に塗布、乾燥して樹脂ローラを得た。樹脂ローラ端部には直径1mm以下の欠けが存在していた。得られた樹脂ローラを前記と同様の条件で耐久試験した結果、5時間経過後、樹脂ローラ端部の表面層が欠陥点を起点として剥離し始め、試験開始6時間後、端部から中央部に向かって表面層の剥離が広がった。
端部の突起部分の寸法が厚み、長さとも1mmとして成形体を成形し、突起部分を切断、除去後に表面層を前記同様に塗布、乾燥して樹脂ローラを得た。樹脂ローラ端部には直径1mm以下の欠けが存在していた。得られた樹脂ローラを前記と同様の条件で耐久試験した結果、5時間経過後、樹脂ローラ端部の表面層が欠陥点を起点として剥離し始め、試験開始6時間後、端部から中央部に向かって表面層の剥離が広がった。
10 樹脂ローラ
11 芯体
12 ゴム弾性体層
13 表面層
14 端部突起部分
15 端部切断部分
16 oリング
20 金型
21 芯体保持部材
22 筒状金型
23 樹脂注入口
24 樹脂排出口
25 ローラ成形空間
26 芯体保持部材
27 端部突起部分の成形空間
35 弁体
38 ヘルール式クランプ
40 樹脂注入ノズル
45 ノズルタッチ部
50 感光体
51 像担持体
5 規制ブレード
55 非磁性一成分現像剤
11 芯体
12 ゴム弾性体層
13 表面層
14 端部突起部分
15 端部切断部分
16 oリング
20 金型
21 芯体保持部材
22 筒状金型
23 樹脂注入口
24 樹脂排出口
25 ローラ成形空間
26 芯体保持部材
27 端部突起部分の成形空間
35 弁体
38 ヘルール式クランプ
40 樹脂注入ノズル
45 ノズルタッチ部
50 感光体
51 像担持体
5 規制ブレード
55 非磁性一成分現像剤
Claims (4)
- 芯体の周囲に円筒状のゴム弾性体層を設けてローラ本体が形成され、該ローラ本体のゴム弾性体層端部の突起部分が切断加工されていることを特徴とする樹脂ローラ。
- 前記芯体にoリングを取り付ける溝が設けられ、該溝にoリングが取り付けられ、該芯体が金型内に配設された際に、該oリングと前記芯体保持部材の端面にそれぞれ接するよう前記oリングが芯体に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の樹脂ローラ。
- 前記ゴム弾性体層端部の突起部分の寸法が厚み、長さ共に1mm以上であることを特徴とする請求項1記載の樹脂ローラ。
- 前記ゴム弾性体層の表面に保護層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂ローラ。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070226 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090630 |
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A02 | Decision of refusal |
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