JP2005300501A - マルチプローブの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数のプローブを対象物に十分に接触させることができ、製造が比較的容易であるマルチプローブの製造方法を提供すること。
【解決手段】 支持基板の一方の表面と略平行に、支持基板の少なくとも一部と一体に、且つ加熱によって塑性変形する材料で形成される複数のカンチレバー(4)を備えたマルチプローブ(1)に対して、複数のカンチレバー(4)の配置に対応して2次元平面上に配置された複数のピン(18)を備えたマイクロピラーアレイ(19)を使用し、ピン(18)によってカンチレバー(4)の基板層側の面に力を加え、カンチレバー(4)を支持基板の表面に対して傾斜させ、加熱させてカンチレバー(4)を塑性変形させることを特徴とする。
【選択図】 図7

Description

本発明は、微小領域での対象物との接触が可能な複数のカンチレバーを備えたマルチプローブの製造方法に関する。
ナノメートル程度の形状の観測や、ナノメートル程度の微小領域での接触(以下、ナノコンタクトと記す)を実現するために、種々の分野において微小プローブが使用されている。例えば、原子間力顕微鏡やIC検査用プローブカードにおいて、カンチレバー型や、ピン型のプローブが使用されており、種々のタイプのものが知られている。
下記特許文献1〜3には、ピン型プローブが開示されており、下記特許文献4〜10には、カンチレバー型プローブが開示されている。これらのうち、特許文献4〜6には、半導体製造プロセスを使用してカンチレバーを製造する方法が開示されている。また、特許文献7〜10には、検査対象との接触を保証するために、階段形状に形成されたカンチレバーや、傾斜したカンチレバーが開示されている。
一方、下記特許文献11及び非特許文献1には、アレイ状にカンチレバーを配置した構造が開示されている。さらに、非特許文献1には、アレイ状に配置されたカンチレバーを使用したメモリ装置が開示されている。
特開2000−292439号公報 特開平11−344510号公報 特開平11−142438号公報 特開平6−213930号公報 特開2003−35723号公報 特開2003−121469号公報 特開2002−151557号公報 特開2002−71719号公報 特開2001−159642号公報 特開2000−249722号公報 特開2000−241455号公報 P.ベティガー、G.ビニッヒ、"ナノマシンで実現する超高密度メモリー"、日経サイエンス、2003年4月号、p.22−31
上記特許文献1〜3に開示されているようなピン型プローブを使用したIC検査用プローブカードでは、ピンの先端と目標点との接触を確保するために、ピンに対してバネなどによって力を加える手段を備えており、構造が複雑である。従って、製造工程が複雑で、高価になる上に、微細化も困難である問題がある。
また、特許文献4、特許文献11及び非特許文献1では、カンチレバーが支持板と平行になっており、カンチレバーの先端部に形成された突起部の高さしか接触部の変位可能な範囲(以下、ストロークと記す)が稼げず、接触面の凹凸の程度によっては、複数のカンチレバー全体の接触を保証できないという問題がある。
また、特許文献5〜8に開示されたプローブは、各々のカンチレバーを個別に製造した後に、支持基板に取り付けることが必要であり、製造工程が複雑である。特許文献7、8に開示されたプローブは、カンチレバーの形状が複雑であり、製造工程がさらに複雑である。
特許文献9、10に開示されたプローブは、複数のカンチレバーが一列に配列した形状を半導体プロセスで製造した後、導電部を傾斜させて支持基板に取り付けるために、支持基板に溝を形成して接着固定することが必要であり、製造工程が複雑である。また、支持基板に溝を形成せずに取り付けるには、プローブの支持部に新たな傾斜面を設けることが必要であり、この場合にも製造工程が複雑になるという問題がある。
本発明の目的は、上記の課題を解決すべく、複数のプローブを対象物に十分に接触させることができ、製造が比較的容易であるマルチプローブの製造方法を提供することにある。
本発明の目的は、以下の手段によって達成される。
即ち、本発明に係るマルチプローブの製造方法(1)は、支持基板の一方の表面と略平行に、前記支持基板の少なくとも一部と一体に、且つ加熱によって塑性変形する材料で形成される複数のカンチレバーを備えたマルチプローブに対して、前記カンチレバーの一方の面に力を加え、前記カンチレバーを前記支持基板の表面に対して傾斜させ、加熱させて前記カンチレバーを塑性変形させることを特徴としている。
本発明に係るマルチプローブの製造方法(2)は、活性層及び基板層が積層された基板を加工し、前記活性層の前記基板層側の表面が露出した複数のカンチレバーを形成する第1ステップと、前記カンチレバーの前記基板層側の表面に力を加え、前記カンチレバーを前記活性層の表面に対して傾斜させ、加熱して前記カンチレバーを塑性変形させる第2ステップとを含むことを特徴としている。
本発明に係るマルチプローブの製造方法(3)は、上記のマルチプローブの製造方法(2)において、前記第1ステップの前に、前記カンチレバーの自由端部が形成される位置に対応する、前記活性層の表面上の位置に、所定の大きさの複数のエッチングマスクを形成し、該エッチングマスクを利用して、異方性エッチングを行う第3ステップをさらに含むことを特徴としている。
本発明に係るマルチプローブの製造方法(4)は、上記のマルチプローブの製造方法(2)又は(3)において、前記第2ステップの後に、前記カンチレバーの表面に導電膜を形成する第4ステップをさらに含むことを特徴としている。
本発明に係るマルチプローブの製造方法(5)は、上記のマルチプローブの製造方法(2)〜(4)の何れかにおいて、前記第2ステップにおいて、複数の前記カンチレバーの配置に対応して2次元平面上に配置された複数のピンを備えたマイクロピラーアレイを使用し、前記ピンによって前記カンチレバーの前記基板層側の面に力を加え、前記マイクロピラーアレイが、少なくとも前記ピンの先端部分の表面に、前記第2ステップでの加熱によって前記カンチレバーと結合しない絶縁膜を備えていることを特徴としている。
本発明に係るマルチプローブの製造方法(6)は、上記のマルチプローブの製造方法(2)〜(4)の何れかにおいて、前記第1ステップの後、前記第2ステップの前に、前記カンチレバーの前記基板層側の面に絶縁膜を形成する第5ステップを含み、前記第2ステップにおいて、複数の前記カンチレバーの配置に対応して2次元平面上に配置された複数のピンを備えたマイクロピラーアレイを使用し、前記ピンによって前記カンチレバーの前記基板層側の面に力を加え、前記絶縁膜が、前記第2ステップでの加熱によって前記マイクロピラーアレイと結合しないことを特徴としている。
また、本発明に係るマルチプローブ(1)は、支持基板と、該支持基板に形成された複数の開口部の各々に対応するカンチレバーとを備えたマルチプローブであって、前記カンチレバーは、前記支持基板の一方の表面と所定の角度を成して前記開口部の側壁から突出し、前記カンチレバーと前記支持基板の少なくとも一部とが、弾性材料で一体に形成されていることを特徴としている。
本発明に係るマルチプローブ(2)は、上記のマルチプローブ(1)において、前記カンチレバーの自由端付近の、前記所定の角度が増大する方向に位置する前記カンチレバーの表面上に、凸部を備え、前記カンチレバー及び前記支持基板が一体を成しており、前記カンチレバーが、略直方体であり、格子状に配列していることを特徴としている。
本発明に係るマルチプローブ(3)は、上記のマルチプローブ(2)において、前記凸部の表面上、及び前記所定の角度が増大する方向に位置する前記カンチレバーの表面上に、導電膜を備えていることを特徴としている。
本発明に係るマルチプローブ(4)は、上記のマルチプローブ(1)〜(3)の何れかにおいて、前記所定の角度が減少する方向に位置する前記カンチレバーの表面上と、前記カンチレバーが突出している前記開口部の前記側壁とに跨って、又は、前記所定の角度が増大する方向に位置する前記カンチレバーの表面上と、前記支持基板の前記一方の表面とに跨って、通電によって形状が変化するアクチュエータを備え、前記カンチレバーの自由端の位置が、前記アクチュエータへの通電によって、前記所定の角度が増加又は減少する方向に変化することを特徴としている。
本発明に係るマルチプローブの製造方法によれば、接触部のストロークが比較的大きいマルチプローブを容易に製造することができる。
また、カンチレバーの大きさ、塑性変形工程での加熱温度、及び加熱時のカンチレバーの押し出し量を調節することによって、カンチレバーの傾斜角度を調節することができ、種々の用途に応じたストロークを有するマルチプローブを容易に製造することができる。
また、既存の半導体プロセスを使用した比較的簡単な製造方法であるので、マルチプローブを比較的安価に製造することができる。また、微細化にも容易に対応することができる。
また、本発明に係るマルチプローブによれば、接触部のストロークが比較的大きいので、ICチップ表面などの対象物の表面に微小な凹凸がある場合にも、比較的広範囲にわたって、複数の点で対象物と十分な接触を実現することができる。従って、IC検査用プローブ、ナノ加工用プローブなどのナノコンタクトを必要とする種々の分野に適用することができる。
また、プローブに例えばアクチュエータを備えることによって、マルチプローブの所望のプローブのみを対象物と接触させることができる。従って、汎用性の高いマルチプローブを実現することができ、1つのマルチプローブを種々の対象物に使用することや、記録装置などに適用することができる。
以下、本発明に係る実施の形態を、添付した図面に基づいて説明する。図1は、マルチプローブ1の概略を示す斜視図である。図1に示したように、本マルチプローブ1は、支持基板2に複数のプローブ3が2次元配列されて形成されている。
図2は、図1に示したマルチプローブ1の1つのプローブ3を拡大して示す斜視図であり、図3は、図2に示したプローブ3の垂直断面図である。図2、3に示したように、各々のプローブ3は、カンチレバー4と、カンチレバー4の自由端付近に形成された先鋭に突出したチップ5と、カンチレバー4及びチップ5の上に形成された導電膜6とを備えている。各々のカンチレバー4は、厚さが支持基板2全体の厚さよりも薄く、所定の角度θ(以下、傾斜角度と記す)で支持基板2の表面に対して傾斜し、支持基板2に形成された開口部の側壁から突出して、支持基板2の一部と一体に形成されている。
カンチレバー4は、例えばIC検査用プローブカードに用いる場合には、長さL、幅W及び厚さtがそれぞれ10mm以下の微小寸法である。好ましくは1mm以下、より好ましくは、長さLが約10〜500μm、幅Wが約5〜20μm、厚さが約1〜20μmである。チップ5の高さHは、例えば約2〜20μmである。また、傾斜角度θは、0度より大きく45度以下、より望ましくは、約10〜20度の範囲である。
マルチプローブ1は、後述するように、単結晶シリコンを半導体リソグラフィ技術にて加工し、さらに塑性成形加工を施して形成することができる。その場合、図3に示したように、支持基板2は複数の層構造に形成され、カンチレバー4、支持基板2の最上位層21及びベース層23は、例えば単結晶シリコンで形成され、中間層22は酸化物、例えばSiO2で形成される。
導電膜6は、金などの金属から形成されており、チップ5の先端が対象物に接触した状態で、電気信号を測定装置に伝送することを可能とする。
本マルチプローブ1をIC検査用プローブカードに適用する場合、各々のプローブ3上に形成された導電膜6の一端を電気配線を介してIC検査装置に接続し、対象面を上向きにして配置した検査対象のICチップの上に、本マルチプローブ1を、チップ5が検査対象のICチップ表面と接触するようにチップ5を下向きにして載置する。尚、本マルチプローブ1を、チップ5を上向きにして配置し、その上に検査対象のICチップを、対象面を下向きにして載置してもよい。ここで、実際の検査においてどのプローブ3を使用するかは、検査対象のICの配線パターン及び検査する部位に応じて決定される。各々のカンチレバー4が、弾性材料(例えば、単結晶シリコン)で形成され、支持基板2の表面に対して所定の角度θを成しているので、検査用ICチップ表面と接触したカンチレバー4は、支持基板2自体による力、若しくは僅かな外力を付加することによって、傾斜角度θが小さくなるように変形する。材料としては、シリコン系、金属系又は複合材料系の何れをも使い得るが、単結晶シリコンが最も好ましい。何故ならば、塑性変形させるための力の方向に対する結晶の滑り方向が限定されるため、塑性変形(歪み)量を制御し易くなるためである。従って、検査用ICチップの表面が十分に平坦でなく、僅かに凹凸があり、対象のICチップ表面とマルチプローブ1の各々のチップ5との距離が一定でない場合にも、略全てのチップ5を、検査用ICチップの表面に容易に接触させることが可能となる。
カンチレバー4の形状、寸法及び傾斜角度θは、上記の値に限定されず、用途や、カンチレバーの材質に応じて適切に設計すればよい。また、カンチレバー4周囲の開口部の形状も、上記のように角のある略U字形状に限定されず、カンチレバー4が、一方の端部が自由端であり、他方の端部が固定端である片持梁として機能する形状であればよい。
また、カンチレバー4にチップ5が形成されていなくてもよい。例えば、傾斜角度θが十分に大きい場合、カンチレバー4の自由端を対象物と接触させればよい。
また、以上では、カンチレバー4が単結晶シリコンで形成された場合を説明したが、これに限定されず、弾性を有する材料であればよい。例えば、多結晶シリコン、SiO2、Si34などのシリコン系材料や金属薄膜材料であってもよい。
また、支持基板2の中間層22は、後述する半導体プロセスによって本実施の形態に係るマルチプローブ1を製造する場合に、エッチングストップ層として必要なものであるが、その他の製造方法で本発明に係るマルチプローブ1を製造する場合には、なくてもよい。同様に、支持基板2は図3に示した3層構造である必要はなく、例えば、支持基板2全体がカンチレバー4と同じ材質で、1層に形成されていてもよい。
また、マルチプローブ1中の各プローブ3の配置は、図1に示したように、直交する格子状の配置に限定されない。例えば、偶数列及び奇数列の位置、又は偶数行及び奇数行の位置が所定の距離だけずれた斜格子状の配置や、その他の配置であってもよい。
また、用途によっては、カンチレバー4表面の導電膜6はなくてもよく、代わりに強度を増大させるための保護膜などを形成してもよい。
また、各々のカンチレバー4にPZTなどの圧電材料や形状記憶合金を備えて、各々のカンチレバー4の使用の有無に応じて、接触しているチップ5を対象から離すことができる。例えば、図4に示したように、チップ5が形成されていない側のカンチレバー4の表面上の、支持基板2の近傍領域と、支持基板2に形成された開口部の側壁とに跨るように、圧電材料からなるアクチュエータ7を備えて、各々のプローブを構成する。アクチュエータ7が、両端に接続された配線(図示せず)を介して通電されて長さが短くなるようにひずむ場合、カンチレバー4は傾斜角度θが減少する方向に変形し、チップ5が、接触していた対象物から離れる。従って、例えば、IC検査用プローブカードに適用する場合、ICチップの配線パターン及び検査対象部位に応じて、不要なチップ5を接触させないようにすることができ、汎用性の高いプローブカードを実現することができる。ここで、圧電材料の代わりに、形状記憶合金を用いたアクチュエータを使用してもよい。
また、用途によっては、図4のアクチュエータと反対の位置、即ち、チップ5が形成されている側のカンチレバー4表面の支持基板2の近傍領域と、支持基板2の表面とに跨るように、アクチュエータを形成し、傾斜角度θが増大する方向にカンチレバーを変形させてもよい。
次に、本実施の形態に係るマルチプローブの製造方法を図5に従って説明する。図5の(a)〜(g)は、マルチプローブ製造工程における断面図であり、1つのプローブのみを代表的に示している。
第1ステップにおいて、(a)に示したように、SOI(Silicon On Insulator)基板の活性層12及び基板層10の表面を酸化し、フォトリソグラフィによってカンチレバー4のチップ5を形成する領域にシリコン酸化膜の正方形のマスク13を形成し、KOH、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)などのアルカリ系エッチング液に浸漬し、活性層12を異方性エッチングする。SOI基板は、単結晶シリコンの基板層10の上に、酸化膜(SiO2)のボックス層11及び単結晶シリコンの活性層12が形成されている。例えば、ボックス層11の厚さは約1μm、活性層12の厚さは約1〜100μmである。ここで、基板層10及び活性層12の単結晶シリコンの結晶方位は、それぞれの表面に平行な面が(100)結晶面であり、図5の左右方向に垂直な面が(110)結晶面であるとする。結晶方位が上記のように設定されていることから、活性層12のシリコンは異方性エッチングされ、活性層12の表面に垂直な方向に侵食が速く進み、マスク13の下部では、(111)結晶面が露出するように水平方向にも侵食が進む。これによって、(b)に示したように、先鋭な凸形状にシリコンが残り、チップ5が形成される。
第2ステップにおいて、(c)に示したように、活性層12の表面のマスク13を除去し、金属膜を形成し、これをカンチレバーとする領域及びそれを支持する領域を残すようにパターニングして所定のマスク15を形成し、再び第1ステップと同様にエッチングを行う。これによって、(d)に示したように、一部の活性層12が除去される。図6は、活性層12が略U字形状に除去されて、ボックス層11が露出している状態を示す平面図である。
第3ステップにおいて、マスク15を除去した後、(e)に示したように、活性層12にシリコン酸化膜16を形成し、裏面にエッチングの保護マスク17を形成し、フォトリソグラフィによって基板層10を薄膜化する領域(上記のU字形状領域及びカンチレバー領域に対応する略凸形状領域)の保護マスク17を除去し、ボックス層11をエッチングストップ層として異方性ウエットエッチングを行う。これによって、基板層10が除去された部分のボックス層11が露出する。
第4ステップにおいて、第3ステップの処理によって露出したボックス層11の所定部分(上記のU字形状領域及びカンチレバー領域に対応する略凸形状領域)を、フッ酸で除去する。これによって、(f)に示したように、カンチレバー4が形成される。ここで、カンチレバー4の周囲は、略U字形状に貫通されている。
第5ステップにおいて、(g)に示したように、複数の微小ピン18を備えた押し込み治具(以下、マイクロピラーアレイと記す)19を使用し、各々のカンチレバー4に、チップ5が形成されていない側から力を加えて変形させた状態で、所定の時間、高温槽に投入する。これによって、外力により弾性変形していたシリコンが塑性変形し、マイクロピラーアレイ19を取り外した後も、カンチレバー4が所定の角度だけ傾いた状態になる。ここで、高温槽での加熱は、窒素ガスなどの不活性ガス中で行うことが望ましい。また、マイクロピラーアレイ19は、図7に示したように、各々のカンチレバー4に対応する位置に微小ピン18が配置されている。図7では、カンチレバー4と微小ピン18の位置合わせが容易となるように、マルチプローブ1及びマイクロピラーアレイ19の四隅に、それぞれガイド孔及びガイドピンが形成されている。
第6ステップにおいて、チップ5及びカンチレバー4の表面の所定領域に金属をコーティングする。
以上によって、図1に示したようなマルチプローブを形成することができる。
第5ステップにおいて、カンチレバー4をマイクロピラーアレイ19で押し出す量、及び処理温度は、カンチレバーの寸法及び所望の傾斜角度θに応じて、適切に設定すればよい。例えば、シリコンでは、寸法が小さいほど破壊強度が増大し、蓄えられるひずみエネルギーが増大し、僅かの熱を加えることによって転移が発生する。従って、カンチレバーの寸法によっては、例えば1000℃以上の加熱が必要である場合もあるが、カンチレバーの寸法が比較的小さければ、比較的低い温度(例えば約100℃)でも塑性加工が可能となる。
第5ステップで使用するマイクロピラーアレイ19は、公知の半導体プロセスを用いて、例えば、CVDを用いたシリコンの深堀エッチングによって製造できる。
また、カンチレバー4及びマイクロピラーアレイ19がシリコンを使用して形成されており、接触したシリコンが結合するほどの高温で塑性形成加工する場合には、微小ピン18とカンチレバー4との接触部での結合を避けるために、少なくとも微小ピン18の先端部分、又はカンチレバー4の裏面に、例えば窒化膜が形成されていることが望ましい。また、窒化膜に限定されず、塑性形成加工の加熱によって結合が生じなければ、カンチレバー4及びマイクロピラーアレイ19の材質に応じて、酸化膜やそれ以外の絶縁膜であってもよい。
また、第6ステップにおいて、十分な傾斜角度θを生成する場合、チップ5を形成する第2ステップはなくとも、カンチレバーの自由端で接触を保証することができる。
また、上記の第1〜第4ステップ以外の方法で、シリコン系材料を使用して支持基板の表面と平行にカンチレバーを形成し、これに対して上記の第5ステップを実行し、カンチレバーを傾斜させてもよい。
本発明の実施の形態に係るマルチプローブの概略を示す斜視図である。 図1に示したマルチプローブの1つのプローブを示す斜視図である。 図2に示したプローブの垂直断面図である。 本発明の実施の形態に係る可動なプローブを示す断面図である。 本発明の実施の形態に係るマルチプローブの製造方法を示す断面図である。 活性層が略U字形状に除去された状態を示す平面図である。 マイクロピラーアレイによる押し出し工程を示す斜視図である。
符号の説明
1 マルチプローブ
2 支持基板
3 プローブ
4 カンチレバー
5 チップ
6 導電膜

Claims (6)

  1. 支持基板の一方の表面と略平行に、前記支持基板の少なくとも一部と一体に、且つ加熱によって塑性変形する材料で形成される複数のカンチレバーを備えたマルチプローブに対して、
    前記カンチレバーの一方の面に力を加え、前記カンチレバーを前記支持基板の表面に対して傾斜させ、加熱させて前記カンチレバーを塑性変形させることを特徴とするマルチプローブの製造方法。
  2. 活性層及び基板層が積層された基板を加工し、前記活性層の前記基板層側の表面が露出した複数のカンチレバーを形成する第1ステップと、
    前記カンチレバーの前記基板層側の表面に力を加え、前記カンチレバーを前記活性層の表面に対して傾斜させ、加熱して前記カンチレバーを塑性変形させる第2ステップとを含むことを特徴とするマルチプローブの製造方法。
  3. 前記第1ステップの前に、前記カンチレバーの自由端部が形成される位置に対応する、前記活性層の表面上の位置に、所定の大きさの複数のエッチングマスクを形成し、該エッチングマスクを利用して、異方性エッチングを行う第3ステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のマルチプローブの製造方法。
  4. 前記第2ステップの後に、前記カンチレバーの表面に導電膜を形成する第4ステップをさらに含むことを特徴とする請求項2又は3に記載のマルチプローブの製造方法。
  5. 前記第2ステップにおいて、複数の前記カンチレバーの配置に対応して2次元平面上に配置された複数のピンを備えたマイクロピラーアレイを使用し、前記ピンによって前記カンチレバーの前記基板層側の面に力を加え、
    前記マイクロピラーアレイが、少なくとも前記ピンの先端部分の表面に、前記第2ステップでの加熱によって前記カンチレバーと結合しない絶縁膜を備えていることを特徴とする請求項2〜4の何れかの項に記載のマルチプローブの製造方法。
  6. 前記第1ステップの後、前記第2ステップの前に、前記カンチレバーの前記基板層側の面に絶縁膜を形成する第5ステップを含み、
    前記第2ステップにおいて、複数の前記カンチレバーの配置に対応して2次元平面上に配置された複数のピンを備えたマイクロピラーアレイを使用し、前記ピンによって前記カンチレバーの前記基板層側の面に力を加え、
    前記絶縁膜が、前記第2ステップでの加熱によって前記マイクロピラーアレイと結合しないことを特徴とする請求項2〜4の何れかの項に記載のマルチプローブの製造方法。
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