JP2005299542A - エンジン - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、主燃料MFからなる混合気MGを圧縮した燃焼室1において、燃料噴射弁25から副燃料SFを噴射して自己着火燃焼させることで混合気MGを着火させる噴射着火運転を行うように構成され、燃焼室1への混合気MGの吸気量を調整してエンジン回転数を目標回転数範囲内に設定するエンジン回転数設定手段41を備えたエンジン100に関し、その目的は、簡単な構成によりエンジン回転数の許容範囲を超える一時的な増加を抑制することができる技術を提供する点にある。
【解決手段】 エンジン回転数が目標回転数範囲を超える高回転数状態を判定する判定手段42と、判定手段42で高回転数状態を判定したときに、燃料噴射弁25による副燃料SFの噴射量を低下若しくは停止させる回転数上昇回避処理を行う処理手段43とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】 エンジン回転数が目標回転数範囲を超える高回転数状態を判定する判定手段42と、判定手段42で高回転数状態を判定したときに、燃料噴射弁25による副燃料SFの噴射量を低下若しくは停止させる回転数上昇回避処理を行う処理手段43とを備えた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、主燃料と酸素含有ガスとの混合気を圧縮した燃焼室において、燃料噴射弁から副燃料を噴射して自己着火燃焼させることで前記混合気を着火させる噴射着火運転を行うように構成され、前記燃焼室への混合気の吸気量を調整してエンジン回転数を目標回転数範囲内に設定するエンジン回転数設定手段を備えたエンジンに関する。
天然ガスなどの主燃料と空気(酸素含有ガス)との混合気を圧縮した燃焼室において、燃料噴射弁から軽油や灯油などの副燃料を噴射して自己着火燃焼させることで該混合気を着火させる噴射着火運転を行うエンジン(上記副燃料を着火用パイロット燃料と呼ぶ場合があることから、このようなエンジンをパイロット着火エンジンと呼ぶ場合がある。)が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、このようなエンジンは、上記噴射着火運転において、主燃料からなる混合気の着火のために燃料噴射弁により副燃料を噴射して自己着火させるので、副燃料の噴射量の総熱量に対する熱量比が数%と微量である点でディーゼルエンジンとは異なる。
また、このようなエンジンは、上記噴射着火運転において、主燃料からなる混合気の着火のために燃料噴射弁により副燃料を噴射して自己着火させるので、副燃料の噴射量の総熱量に対する熱量比が数%と微量である点でディーゼルエンジンとは異なる。
上記のようなエンジンでは、主燃料からなる混合気を副燃料の自己着火燃焼により発生する熱エネルギにより安定して着火させることができるので、燃焼室における平均有効圧を高めて高効率化を図ることができ、更には、上記主燃料からなる混合気を比較的低当量比で安定して希薄燃焼させることができるので、低NOx化を図ることができる。
また、従来のコージェネレーションシステムやヒートポンプシステム等の駆動源として用いられるエンジンでは、エンジン・コントロール・ユニット(以下、ECUと呼ぶ)が機能するエンジン回転数設定手段により、燃焼室への混合気の吸気量を吸気路に設けられたスロットルバルブの開度調整により調整してエンジン回転数を所定の目標回転数範囲内に設定するように構成されている場合がある。
上記特許文献1に記載のエンジンにおいて、ECUが機能するエンジン回転数設定手段によりエンジン回転数を所定の目標回転数範囲内に設定するように構成した場合に、急激な負荷変動等により、エンジン回転数が目標回転数範囲外に変動する場合がある。
そして、上記エンジン回転数設定手段は、その変動したエンジン回転数を目標回転数範囲内に収めるために、エンジン回転数の変動に追従して燃焼室への混合気の吸気量を変動させるのであるが、上記エンジン回転数の変動が急激な場合には、吸気路に設けられたスロットルバルブの開度を変動させてから燃焼室への混合気の吸気量が変化するまでの遅れ時間が存在することから、エンジン回転数が一時的に大幅に変動してしまう場合がある。
そして、上記エンジン回転数設定手段は、その変動したエンジン回転数を目標回転数範囲内に収めるために、エンジン回転数の変動に追従して燃焼室への混合気の吸気量を変動させるのであるが、上記エンジン回転数の変動が急激な場合には、吸気路に設けられたスロットルバルブの開度を変動させてから燃焼室への混合気の吸気量が変化するまでの遅れ時間が存在することから、エンジン回転数が一時的に大幅に変動してしまう場合がある。
特に、急激な負荷低下によりエンジンの回転数が一時的に許容範囲を超えて増加した場合には、エンジンの損傷を防止するための安全装置が働いてエンジンが停止されてしまい、エンジンの点検及び再起動等の煩雑な作業が必要となる。
従って、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、所謂パイロット着火エンジンにおいて、簡単な構成によりエンジン回転数の許容範囲を超える一時的な増加を抑制することができる技術を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係るエンジンは、主燃料と酸素含有ガスとの混合気を圧縮した燃焼室において、燃料噴射弁から副燃料を噴射して自己着火燃焼させることで前記混合気を着火させる噴射着火運転を行うように構成され、前記燃焼室への混合気の吸気量を調整してエンジン回転数を目標回転数範囲内に設定するエンジン回転数設定手段を備えたエンジンであって、その第1特徴構成は、エンジン回転数が前記目標回転数範囲を超える高回転数状態を判定する判定手段と、
前記判定手段で前記高回転数状態を判定したときに、前記燃料噴射弁による副燃料の噴射量を低下若しくは停止させる回転数上昇回避処理を行う処理手段とを備えた点にある。
前記判定手段で前記高回転数状態を判定したときに、前記燃料噴射弁による副燃料の噴射量を低下若しくは停止させる回転数上昇回避処理を行う処理手段とを備えた点にある。
上記第1特徴構成によれば、上記判定手段によりエンジン回転数が目標回転数範囲を超える高回転数状態となったことを判定し、エンジン回転数がそれ以上増加するとエンジンの損傷等の恐れがある場合には、上記処理手段により上記回転数上昇回避処理を行うことで、瞬時に副燃料の自己着火燃焼により発生する熱エネルギを低下若しくは無くすことができ、燃焼室において燃焼を抑制できる。よって、エンジン回転数がそれ以上増加してエンジンが損傷することを抑制して、エンジン回転数を低下させて目標回転数範囲内に戻すことができる。
本発明に係るエンジンの第2特徴構成は、エンジン負荷の低下速度が許容速度を超える負荷急低下状態を判定する判定手段と、
前記判定手段で前記負荷急低下状態を判定したときに、前記燃料噴射弁による副燃料の噴射量を低下若しくは停止させる回転数上昇回避処理を行う処理手段とを備えた点にある。
前記判定手段で前記負荷急低下状態を判定したときに、前記燃料噴射弁による副燃料の噴射量を低下若しくは停止させる回転数上昇回避処理を行う処理手段とを備えた点にある。
上記第2特徴構成によれば、上記判定手段によりエンジン負荷の低下速度が許容速度を超えて負荷急低下状態となったことを判定し、エンジン負荷の急低下によりエンジン回転数が目標回転数範囲を超えてエンジンの損傷等の恐れがある場合には、上記処理手段により上記回転数上昇回避処理を行うことで、上記第1特徴構成と同様に、エンジン回転数がそれ以上増加してエンジンが損傷することを抑制して、エンジン回転数を低下させて目標回転数範囲内に戻すことができる。
上記目的を達成するための本発明に係るエンジンの第3特徴構成は、前記燃焼室として、シリンダ内に形成された主室と、シリンダヘッド内に形成され前記主室に連通する副室とを備え、
前記燃料噴射弁が前記副室に配置されている点にある。
前記燃料噴射弁が前記副室に配置されている点にある。
上記第3特徴構成によれば、燃焼室として上記主室と上記副室とを設け、その副室に燃料噴射弁を配置することで、副室に噴射された副燃料を燃焼室全体に拡散することを抑制しながら副室において良好に自己着火燃焼させることができ、その自己着火燃焼により発生する火炎ジェットを主室に噴出させることで主室の例えば低当量比の混合気を良好に着火させることができる。
そして、このようなエンジンにおいても、判定手段と処理手段を備えることで、エンジン回転数の許容範囲を超える一時的な上昇を抑制することができる。
そして、このようなエンジンにおいても、判定手段と処理手段を備えることで、エンジン回転数の許容範囲を超える一時的な上昇を抑制することができる。
本発明に係るエンジンの第4特徴構成は、前記複数の燃焼室を備えて多気筒式に構成され、
前記処理手段が、一部の前記燃焼室に対してのみ前記回転数上昇回避処理を行うように構成されている点にある。
前記処理手段が、一部の前記燃焼室に対してのみ前記回転数上昇回避処理を行うように構成されている点にある。
複数の燃焼室を備えて多気筒式に構成されたエンジンにおいては、処理手段により全ての燃焼室に対して上述した回転数上昇回避処理を行うと、全ての燃焼室において副燃料の自己着火燃焼により発生する熱エネルギが低下若しくは無くなって燃焼を抑制し、エンジン回転数の過剰低下を招く場合がある。そこで、上記第4特徴構成によれば、上記処理手段により、複数の燃焼室のうちの一部の燃焼室に対してのみ上記回転数上昇回避処理を行うことで、上記のようなエンジン回転数の過剰低下を回避することができる。
本発明の実施の形態について、図1〜図3に基づいて説明する。
エンジン100は、ピストン2と、ピストン2を収容するシリンダ3とを備え、ピストン2をシリンダ3内で往復運動させると共に、吸気弁4及び排気弁5を開閉動作させて、シリンダ3内に形成された燃焼室1において吸気、圧縮、燃焼・膨張、排気の諸行程を行い、ピストン2の往復動をクランク軸17の回転運動として出力されるものであり、このような構成は、通常の4ストローク内燃機関と変わるところはない。
エンジン100は、ピストン2と、ピストン2を収容するシリンダ3とを備え、ピストン2をシリンダ3内で往復運動させると共に、吸気弁4及び排気弁5を開閉動作させて、シリンダ3内に形成された燃焼室1において吸気、圧縮、燃焼・膨張、排気の諸行程を行い、ピストン2の往復動をクランク軸17の回転運動として出力されるものであり、このような構成は、通常の4ストローク内燃機関と変わるところはない。
このエンジン100は、メタンを主成分とする天然ガスである主燃料MFと空気との混合気MGを吸気路6に形成し、吸気行程において吸気弁4を開状態として吸気路6からその混合気MGを燃焼室1に吸気して、圧縮行程において排気弁5を閉状態としてその吸気した混合気MGを圧縮し、燃焼・膨張行程においてその圧縮した混合気を着火して燃焼させ、排気行程において排気弁5を開状態として燃焼後の排ガスを排気路7に排出する。
尚、混合気MGの当量比は、1未満、好ましくは0.5以上0.7以下の範囲内程度に設定される。
尚、混合気MGの当量比は、1未満、好ましくは0.5以上0.7以下の範囲内程度に設定される。
燃焼室1には、上記吸気路6から吸気される主燃料MFとは異なり、主燃料MFよりも着火性に優れた液体燃料である軽油や灯油などの副燃料SFを、圧縮行程終了時に燃焼室1に高圧噴射して自己着火させる燃料噴射弁25が設けられている。
この燃料噴射弁25は、一般的なディーゼルエンジンなどで用いられている例えばコモンレール方式の燃料噴射機構と同様の構成を採用することができ、高圧縮された状態で供給された副燃料SFを燃焼室1に噴射するように構成される。
しかし、そのディーゼルエンジン用の燃料噴射機構は高圧噴射した液体燃料を拡散燃焼させることによりピストンを押し下げるために比較的多くの液体燃料を噴射する点と比較して、この燃料噴射弁25は、副燃料SFの噴射量が微量である点で相違する。
即ち、本実施形態のエンジン100では、圧縮行程終了時において、燃料噴射弁25から燃焼室1に微量の副燃料SFを高圧噴射して自己着火燃焼させることにより、燃焼・膨張行程において、その副燃料MFの自己着火燃焼により発生した熱エネルギによって吸気路6から吸気された混合気MGが安定して着火されて燃焼し、その燃焼によりピストン2が押し下げられて、運転が継続されるのである。
尚、燃料噴射弁25による副燃料SFの噴射量は、主燃料MFと副燃料SFとの熱量の合計に対する熱量比で0.2%以上5%以下の範囲内好ましくは1%以下の範囲内とされる。
即ち、副燃料SFの噴射量の総熱量に対する熱量比を0.2%よりも小さくすると、その自己着火燃焼により発生する熱量が小さすぎて混合気MGを安定して着火させることができずに失火が発生する場合があり、一方5%よりも大きくすると、その自己着火燃焼により発生する熱量が大きすぎて燃焼室1の最高圧力が過剰に大きくなりノッキング等が発生する場合があり、更に、主燃料MFに対する副燃料SFの消費量が大きくなるから、副燃料SFを貯留しておくタンクなどの大型化により装置の大型化を招いてしまう。
また、副燃料SFの噴射量の総熱量に対する熱量比を1%未満とすることで、上記のような失火及びノッキングを回避しながら、一層の小型化を図ることができる。
即ち、副燃料SFの噴射量の総熱量に対する熱量比を0.2%よりも小さくすると、その自己着火燃焼により発生する熱量が小さすぎて混合気MGを安定して着火させることができずに失火が発生する場合があり、一方5%よりも大きくすると、その自己着火燃焼により発生する熱量が大きすぎて燃焼室1の最高圧力が過剰に大きくなりノッキング等が発生する場合があり、更に、主燃料MFに対する副燃料SFの消費量が大きくなるから、副燃料SFを貯留しておくタンクなどの大型化により装置の大型化を招いてしまう。
また、副燃料SFの噴射量の総熱量に対する熱量比を1%未満とすることで、上記のような失火及びノッキングを回避しながら、一層の小型化を図ることができる。
そして、エンジン100は、上記のような構成を採用することにより、主燃料MFとして天然ガス等を用いた当量比0.5〜0.7の混合気MGを、燃料噴射弁25から高圧噴射された微量の副燃料MFの自己着火燃焼により安定して着火させることができるので、燃焼室1における図示平均有効圧力を高くして、高出力且つ高効率化を図ることができる。
また、燃料噴射弁25への副燃料SFを供給する副燃料供給手段50について説明を加えると、副燃料SFは、副燃料タンク53に貯留されており、その副燃料SFが、副燃料供給路54において、クランク軸17の回転動力を利用して駆動する燃料ポンプ51により高圧縮され、燃料噴射弁25に供給される。
また、燃料噴射弁25による副燃料SFの噴射量は、燃料噴射弁25自身の作動を調整することにより調整される。尚、この燃料噴射弁25における噴射量は、副燃料供給路54に設けたガバナを調整して、燃料噴射弁25へ供給される副燃料SFの圧力を調整することでも調整することができる。
また、副燃料供給路54には、副燃料SFの流量を計測する流量計52が設けられている。
また、燃料噴射弁25による副燃料SFの噴射量は、燃料噴射弁25自身の作動を調整することにより調整される。尚、この燃料噴射弁25における噴射量は、副燃料供給路54に設けたガバナを調整して、燃料噴射弁25へ供給される副燃料SFの圧力を調整することでも調整することができる。
また、副燃料供給路54には、副燃料SFの流量を計測する流量計52が設けられている。
また、本実施形態のエンジン100は、燃焼室1として、シリンダ3の内面とピストン2の頂面とシリンダヘッド9の下面とで規定される主室11と、シリンダヘッド9の中央部(シリンダ3の軸心に沿った部分)に設けられた副室口金20内に形成された副室21とが設けられ、この主室11と副室21とは、上記副室口金20の主室11への突出部に形成された連通孔22を介して連通する。尚、上記副室21の容積比は、燃焼室1全体の2%以上20%以下程度が好ましい。
更に、ピストン2の頂面の中央部には、ピストン2が上死点に位置するときに、主室11に突出する上記副室口金20を囲う形態で凹部2aが形成されており、凹部2aにより、圧縮行程においてピストン2が上昇するときに、ピストン2の頂面外周部から凹部2aの中心部に流れるスキッシュが発生する。
更に、燃料噴射弁25は、上記副室口金20の上方に設けられて、副室21に副燃料SFを高圧噴射するように構成されている。
即ち、このエンジン100は、上記のような構成を採用することにより、主室11に吸気された混合気MGをピストン2の上昇により圧縮して、圧縮された混合気MGを主室11に開口する連通孔22を介して副室21に流入させ、副室21において圧縮された混合気MGに燃料噴射弁25により副燃料SFを噴射して自己着火燃焼させることで火炎を形成し、その火炎を副室21から連通孔22を介して主室11に火炎ジェットFJとして噴射して、この火炎ジェットFJにより主室11の混合気MGを着火させて燃焼させる所謂噴射着火運転を行うように構成されている。
エンジン100には、コンピュータからなるエンジン・コントロール・ユニット(以下、ECUと呼ぶ。)40が設けられ、このECU40は、クランク軸17の回転角度を測定するクランク角センサ16の検出結果によりエンジン回転数を監視しながら、そのエンジン回転数が所望の目標回転数範囲内に設定するように、吸気路6に設けられたスロットルバルブ15の開度調整により燃焼室1への混合気MGの吸気量を調整するエンジン回転数設定手段41として機能するように構成されている。
エンジン100は、図2に示すように、燃料噴射弁25が燃焼室1の中央部に配置され、複数具体的には2個の点火プラグ30が燃焼室1の中央部を中心に対称配置されており、更に、燃料噴射弁25は副室21に配置され、複数の点火プラグ30は主室11に配置されている。また、これら点火プラグ30は、例えば起動運転時や無負荷運転時等の燃焼室1において副燃料SFの自己着火や混合気MGの着火が安定していないときに、ECU40により作動されて、主室11に吸気された混合気MGを安定して火花点火して燃焼させるものである。
エンジン回転数設定手段41によりエンジン回転数を所定の目標回転数範囲内に設定するように構成しても、急激な負荷変動等により、エンジン回転数が目標回転数範囲外に変動する場合があるが、エンジン100においては、そのようなエンジン回転数の過剰な変動を回避するように構成されている。以下、その詳細構成について説明を加える。
ECU40は、エンジン負荷36の低下速度が許容速度を超える負荷急低下状態若しくはその負荷急低下状態等に起因してクランク角センサ16の検出結果から認識されるエンジン回転数が目標回転数範囲を超える高回転数状態、又は、エンジン負荷36の上昇速度が許容速度を超える負荷急上昇状態若しくはその負荷急上昇状態等に起因してエンジン回転数が目標回転数範囲を下回る低回転数状態を判定する判定手段42として機能するように構成されている。更に、ECU40は、上記判定手段42により負荷急低下状態若しくは高回転数状態を判定したときにエンジン回転数の過剰な上昇を回避するための回転数上昇回避処理を行い、一方、上記判定手段42により負荷急上昇状態若しくは低回転数状態を判定したときにエンジン回転数の過剰な低下を回避するための回転数低下回避処理を行う処理手段43として機能するように構成されている。
即ち、処理手段43は、上記判定手段42により負荷急低下状態若しくは高回転数状態を判定したときに、燃料噴射弁25による副燃料SFの噴射量を瞬時に低下若しくは停止させるように上記回転数上昇回避処理を行って、副燃料の自己着火燃焼により発生する熱エネルギを低下若しくは無くして、エンジン回転数がそれ以上増加してエンジンが損傷することを抑制して、エンジン回転数を目標回転数範囲内に低下させる。
一方、処理手段43は、上記判定手段42により負荷急上昇状態若しくは低回転数状態を判定したときに、主燃料MFの供給量を増加させることで燃焼室1に吸気される混合気MGの当量比を増加させると共に、燃料噴射弁25からの副燃料SFの噴射量を低下させるように上記回転数低下回避処理を行って、燃焼室1の燃焼を活性化し、エンジン回転数がそれ以上低下してエンジンが停止することを抑制して、エンジン回転数を目標回転数範囲内に上昇させる。
また、上記回転数低下処理において、上記副燃料SFの噴射量を低下させるので、混合気MGの当量比の増加に起因する副室口金20等の熱損傷が抑制される。
尚、本実施形態では、上記回転数低下回避処理において、混合気MGの当量比を当初0.5程度であったものを0.7程度に増加させ、副燃料SFの噴射量は、その総熱量に対する熱量比で、当初1%程度であったものを0.5%程度に低下させる。
また、上記回転数低下処理において、上記副燃料SFの噴射量を低下させるので、混合気MGの当量比の増加に起因する副室口金20等の熱損傷が抑制される。
尚、本実施形態では、上記回転数低下回避処理において、混合気MGの当量比を当初0.5程度であったものを0.7程度に増加させ、副燃料SFの噴射量は、その総熱量に対する熱量比で、当初1%程度であったものを0.5%程度に低下させる。
また、上記処理手段43は、エンジン100が、燃焼室1を複数備えた多気筒式に構成されている場合には、全ての燃焼室1に対して上記回転数上昇回避処理又は上記回転数低下回避処理を行うことでエンジン回転数の過剰な低下又は上昇等が発生することを抑制するために、複数の燃焼室1の内の予め決定してある一部の燃焼室1に対して上記回転数上昇回避処理又は上記回転数低下回避処理を行うように構成される。
また、処理手段43は、回転数低下回避処理において、燃料噴射弁25からの副燃料SFの噴射量を低下させることで混合気MGに対する着火性が低下することを防止するために、点火プラグ30を作動させるように構成されている。
〔別実施形態〕
(1)上記実施の形態では、回転数上昇回避処理における副燃料SFの噴射量の低下幅は、エンジン回転数の過剰の上昇を回避できる範囲内で適宜設定可能である。
(1)上記実施の形態では、回転数上昇回避処理における副燃料SFの噴射量の低下幅は、エンジン回転数の過剰の上昇を回避できる範囲内で適宜設定可能である。
(2)上記実施の形態では、燃料噴射弁25を燃焼室1の中央部に配置された副室21に配置し、更に、点火プラグ30を燃焼室1としての主室11の中央部を中心に対称配置したが、上記燃料噴射弁25及び点火プラグ30の配置は適宜改変可能である。
また、点火プラグ30は設けなくても構わない。
また、点火プラグ30は設けなくても構わない。
(3)上記実施の形態では、燃焼室1として主室11及び副室21を設けたが、別に、副室21を設けることなく、主室11のみで燃焼室1を構成しても構わない。
(4)上記実施の形態では、主燃料MFとして天然ガスを、副燃料SFとして軽油や灯油を用いたが、別に、主燃料MF及び副燃料SFは適宜改変可能である。尚、特に、副燃料SFについては、燃焼室1に高圧状態で噴射して自己着火させるので、着火性に優れた液体燃料を利用することが好ましい。
1:燃焼室
11:主室(燃焼室)
15:スロットルバルブ
16:クランク角センサ
21:副室(燃焼室)
22:連通孔
25:燃料噴射弁
30:点火プラグ
36:エンジン負荷
40:エンジン・コントロール・ユニット(ECU)
41:エンジン回転数設定手段
42:判定手段
43:処理手段
50:副燃料供給手段
100:エンジン
MF:主燃料
SF:副燃料
MG:混合気
11:主室(燃焼室)
15:スロットルバルブ
16:クランク角センサ
21:副室(燃焼室)
22:連通孔
25:燃料噴射弁
30:点火プラグ
36:エンジン負荷
40:エンジン・コントロール・ユニット(ECU)
41:エンジン回転数設定手段
42:判定手段
43:処理手段
50:副燃料供給手段
100:エンジン
MF:主燃料
SF:副燃料
MG:混合気
Claims (4)
- 主燃料と酸素含有ガスとの混合気を圧縮した燃焼室において、燃料噴射弁から副燃料を噴射して自己着火燃焼させることで前記混合気を着火させる噴射着火運転を行うように構成され、前記燃焼室への混合気の吸気量を調整してエンジン回転数を目標回転数範囲内に設定するエンジン回転数設定手段を備えたエンジンであって、
エンジン回転数が前記目標回転数範囲を超える高回転数状態を判定する判定手段と、
前記判定手段で前記高回転数状態を判定したときに、前記燃料噴射弁による副燃料の噴射量を低下若しくは停止させる回転数上昇回避処理を行う処理手段とを備えたエンジン。 - 主燃料と酸素含有ガスとの混合気を圧縮した燃焼室において、燃料噴射弁から副燃料を噴射して自己着火燃焼させることで前記混合気を着火させる噴射着火運転を行うように構成され、前記燃焼室への混合気の吸気量を調整してエンジン回転数を目標回転数範囲内に設定するエンジン回転数設定手段を備えたエンジンであって、
エンジン負荷の低下速度が許容速度を超える負荷急低下状態を判定する判定手段と、
前記判定手段で前記負荷急低下状態を判定したときに、前記燃料噴射弁による副燃料の噴射量を低下若しくは停止させる回転数上昇回避処理を行う処理手段とを備えたエンジン。 - 前記燃焼室として、シリンダ内に形成された主室と、シリンダヘッド内に形成され前記主室に連通する副室とを備え、
前記燃料噴射弁が前記副室に配置されている請求項1又は2に記載のエンジン。 - 前記複数の燃焼室を備えて多気筒式に構成され、
前記処理手段が、一部の前記燃焼室に対してのみ前記回転数上昇回避処理を行うように構成されている請求項1から3の何れか1項に記載のエンジン。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004118013A JP2005299542A (ja) | 2004-04-13 | 2004-04-13 | エンジン |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004118013A JP2005299542A (ja) | 2004-04-13 | 2004-04-13 | エンジン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005299542A true JP2005299542A (ja) | 2005-10-27 |
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JP2004118013A Pending JP2005299542A (ja) | 2004-04-13 | 2004-04-13 | エンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005299542A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015232280A (ja) * | 2014-06-09 | 2015-12-24 | マツダ株式会社 | 多種燃料エンジンの燃料噴射制御装置 |
JP2017510745A (ja) * | 2014-03-17 | 2017-04-13 | ウッドワード, インコーポレーテッドWoodward, Inc. | デュアルフューエルエンジン用プレチャンバの使用 |
-
2004
- 2004-04-13 JP JP2004118013A patent/JP2005299542A/ja active Pending
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