JP2005299430A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、排気通路に上流触媒SCと下流触媒UFとを備え、更に、SC上流にメインA/Fセンサを、SC下流およびUF下流にそれぞれSC後酸素センサおよびUF後酸素センサを備える内燃機関の空燃比制御装置に関し、良好なエミッション特性を実現することを目的とする。
【解決手段】 UF後酸素センサの出力(図4(B))に基づいて後段サブフィードバック補正量sfbuf(図4(C))を設定し、その補正量sfbufを用いて、メインフィードバック制御を修正するためのサブフィードバック制御を実行する。後段サブフィードバック補正量sfbufは、UF後酸素センサの出力が反転した直後のみ、通常値(sfbrまたはsfbl)に比して絶対値の大きな値(sfbrrまたはsfbll)とする。
【選択図】 図4

Description

この発明は、内燃機関の空燃比制御装置に係り、特に、直列に配置された2つの触媒と、それらの触媒の前後および間に配置された3つの排気センサとを備える内燃機関の空燃比制御装置に関する。
従来、例えば特開2002−180875号公報に開示されるように、直列に配置された2つの触媒を備える内燃機関が知られている。この内燃機関において、上流側触媒の上流には、その位置での排気空燃比に対応する出力を発する第1センサが配置されている。また、上流側触媒と下流側触媒との間、および下流側触媒の更に下流には、それぞれの位置で排気空燃比に応じた出力を発する第2および第3センサが配置されている。
上記従来の内燃機関では、第1センサの出力に基づいて、上流側触媒の上流における排気空燃比を目標空燃比に一致させるためのメインフィードバック制御が実行される。また、ここでは、第2センサの出力と、その出力の目標値との偏差に基づいて、メインフィードバック制御における目標空燃比を修正する処理(第1サブフィードバック制御)、および、第2センサの出力、その出力の目標値との偏差に基づいて、第2センサの出力の目標値を修正する処理(第2サブフィードバック制御)が実行される。
メインフィードバック制御によれば、上流側触媒の上流における排気空燃比を目標空燃比に制御することができる。また、第1サブフィードバック制御によれば、上流側触媒の下流において目標の排気空燃比が実現できるようにメインフィードバック制御の内容を修正することができる。更に、第2サブフィードバック制御によれば、下流側触媒の下流における排気空燃比が目標値となるように、第1サブフィードバック制御の内容を修正し、引いては、メインフィードバック制御の内容を修正することができる。このため、上記従来の内燃機関によれば、上流側触媒の上流、上流側触媒と下流側触媒の間、および下流側触媒の下流のそれぞれにおいて、排気空燃比を目標値に一致させることができ、その結果、良好なエミッション特性を実現することができる。
特開2002−180875号公報 特開2002−276432号公報 特開2000−297679号公報 特開2002−235584号公報
内燃機関の運転中には、意図的な燃料増量が行われることがある。このような燃料増量が実行されると、リッチに偏った排気ガスを浄化するため、触媒内の吸蔵酸素が脱離され、やがてはその中の酸素吸蔵量がゼロとなる状態に至る。一方、内燃機関においてフューエルカットが行われたような場合には、触媒に多量の酸素が流れ込み、その結果、触媒内に一杯に酸素が吸蔵された状態が作り出される。このように、内燃機関の運転中は、その運転の状態に応じて、触媒内の酸素吸蔵量に大きな変化が生ずる。
触媒内の酸素吸蔵量が少ない場合は、リッチな排気ガスを十分に浄化することができない。このため、この場合は、排気空燃比のリッチずれに伴って、エミッション特性が悪化し易い。一方、触媒内の酸素吸蔵量が過剰である場合は、逆の理由により、排気空燃比のリーンずれに伴って、エミッション特性が悪化し易い。従って、それらの場合には、触媒内の酸素吸蔵量を、早期に適正量に回復させることが望ましい。
上記従来の内燃機関において、上流側触媒の酸素吸蔵量に過不足が生じている場合、および下流側触媒の酸素吸蔵量に過不足が生じている場合は、それぞれ、その過不足の影響が第2センサの出力、および第3センサの出力に表れる。そして、それらの出力に基づいて第1サブフィードバック制御および第2サブフィードバック制御が行われることにより、それぞれの触媒における酸素吸蔵量が適正量に回復するように、メインフィードバック制御の内容が修正される。このため、上記従来の内燃機関においては、上流触媒の酸素吸蔵量、および下流触媒の酸素吸蔵量に過不足が生じても、その後、最終的にはそれらの吸蔵量は適正量に回復する。
しかしながら、上述した従来の第2サブフィードバック制御によれば、第3センサの出力は、触媒の酸素吸蔵状態によらず、常に同じ規則でメインフィードバック制御に反映される。より具体的には、上記従来の内燃機関においては、上流側触媒が酸素を過剰に吸蔵している場合でも、酸素を殆ど吸蔵していない場合でも、第3センサの出力は、同じゲインでメインフィードバック制御の修正に用いられる。
第3センサの出力をメインフィードバック制御に反映させる際のゲインは、酸素吸蔵量の早期回復のために大きな空燃比変更が必要となる場合には大きく、また、そのような大きな変更が不要な場合には小さくすることが妥当である。そして、酸素吸蔵量を回復させるために必要な空燃比の変更程度は、触媒の酸素吸蔵状態に応じて異なったものとなる。従って、酸素吸蔵量の早期回復を図って空燃比変動に対する耐性を高めるうえでは、第3センサの出力をメインフィードバック制御に反映させる際のゲインは、触媒の酸素吸蔵状態に応じて適宜設定されることが望ましい。この点、上記従来の内燃機関において実行されている制御は、良好なエミッション特性を実現するうえで、必ずしも最適なものではなかった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、下流側触媒の下流に配置される後段排気センサの出力を燃料噴射量にフィードバックするための補正量に、触媒の酸素吸蔵状態を反映させることにより、良好なエミッション特性を実現する内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の空燃比制御装置であって、
内燃機関の排気通路に配置された上流触媒と、
前記上流触媒の下流に配置される下流触媒と、
前記上流触媒に上流に配置される前段排気センサと、
前記上流触媒と前記下流触媒の間に配置される中段排気センサと、
前記下流触媒の下流に配置される後段排気センサと、
前記前段排気センサの出力を燃料噴射量に反映させるメインフィードバック手段と、
前記中段排気センサの出力および前記後段排気センサの出力を燃料噴射量に反映させるサブフィードバック手段と、
前記上流触媒の酸素吸蔵状態を検知する上流状態検知手段とを備え、
前記サブフィードバック手段は、前記後段排気センサの出力に基づいて、その出力を燃料噴射量に反映させるための後段サブフィードバック補正量を算出する補正量算出手段を含み、
当該補正量算出手段は、前記後段サブフィードバック補正量に、前記上流触媒の酸素吸蔵状態を反映させる上流状態反映手段を含むことを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記上流状態検知手段は、前記中段排気センサの出力がリッチ出力であるかリーン出力であるかを判断する中段出力判断手段を含み、
前記上流状態反映手段は、前記中段排気センサの出力と前記後段排気センサの出力とが揃っている場合に、前記後段サブフィードバック補正量を、通常値に比して絶対値の大きな値に変更する後段補正量増大手段を含むことを特徴とする。
また、第3の発明は、第1の発明において、
前記上流状態検知手段は、前記上流触媒の酸素吸蔵量を検知する酸素吸蔵量検知手段を含み、
前記上流状態反映手段は、前記後段排気センサがリッチ出力を発しており、かつ、前記上流触媒の酸素吸蔵量がリッチ判定量を下回る場合、並びに、前記後段排気センサがリーン出力を発しており、かつ、前記上流触媒の酸素吸蔵量がリーン判定値を上回る場合に、前記後段サブフィードバック補正量を、通常値に比して絶対値の大きな値に変更する後段補正量増大手段を含むことを特徴とする。
また、第4の発明は、第1の発明において、
前記下流触媒の酸素吸蔵状態を検知する下流状態検知手段を備え、
前記補正量算出手段は、前記後段サブフィードバック補正量に、前記下流触媒の酸素吸蔵状態を反映させる下流状態反映手段を含むことを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、
前記下流状態検知手段は、前記後段排気センサの出力がリッチ出力とリーン出力との間で反転した後の所定期間を反転直後期間として検知する反転直後期間検知手段を含み、
前記下流状態反映手段は、前記反転直後期間に限り、前記後段サブフィードバック補正量の増大を要求する補正量増大要求手段を含み、
前記上流状態検知手段は、前記中段排気センサの出力がリッチ出力であるかリーン出力であるかを判断する中段出力判断手段を含み
前記上流状態反映手段は、前記後段サブフィードバック補正量の増大が要求されており、かつ、前記中段排気センサの出力と前記後段排気センサの出力とが揃っている場合に、前記後段サブフィードバック補正量を、通常値に比して絶対値の大きな値に変更する後段補正量増大手段を含むことを特徴とする。
また、第6の発明は、第4の発明において、
前記下流状態検知手段は、前記後段排気センサの出力がリッチ出力とリーン出力との間で反転した後の所定期間を反転直後期間として検知する反転直後期間検知手段を含み、
前記下流状態反映手段は、前記反転直後期間に限り、前記後段サブフィードバック補正量の増大を要求する補正量増大要求手段を含み、
前記上流状態検知手段は、前記上流触媒の酸素吸蔵量を検知する酸素吸蔵量検知手段を含み
前記上流状態反映手段は、前記後段サブフィードバック補正量の増大が要求されている状況下に限り、前記後段排気センサがリッチ出力を発しており、かつ、前記上流触媒の酸素吸蔵量がリッチ判定量を下回る場合、並びに、前記後段排気センサがリーン出力を発しており、かつ、前記上流触媒の酸素吸蔵量がリーン判定値を上回る場合に、前記後段サブフィードバック補正量を、通常値に比して絶対値の大きな値に変更する後段補正量増大手段を含むことを特徴とする。
また、第7の発明は、第5または第6の発明において、前記反転直後期間は、前記後段排気センサの出力がリッチ出力とリーン出力との間で反転した後、前記中段排気センサの出力と前記後段排気センサの出力とが揃う期間が、複数回完了するまでの期間であることを特徴とする。
また、第8の発明は、第5乃至第7の発明の何れかにおいて、前記後段補正量増大手段は、前記反転直後期間の経過と共に、変更時における前記後段サブフィードバック補正量の絶対値を、前記通常値のそれに近づける増大比減少手段を含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、前段排気センサの出力を燃料噴射量に反映させるメインフィードバック制御と、中段排気センサの出力および後段排気センサの出力を燃料噴射量に反映させるサブフィードバック制御とを実行することで、精度の良い空燃比制御を実現することができる。そのうえで、本発明によれば、後段排気センサの出力を燃料噴射量に反映させるための後段サブフィードバック補正量に、上流触媒の酸素吸蔵状態を反映させることができる。このため、本発明によれば、触媒の酸素吸蔵量を迅速に回復するうえで必要とされる空燃比の修正量と、後段サブフィードバック補正量の大きさとを対応させることができ、その結果として、良好なエミッション特性を実現することができる。
第2の発明によれば、中段排気センサの出力と後段排気センサの出力とが揃っている場合に、後段サブフィードバック補正量を通常値に比して絶対値の大きな値に変更することができる。後段補正量増大手段を含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置。中段排気センサの出力と後段排気センサの出力とが揃っている場合は、上流触媒と下流触媒の双方に、酸素吸蔵量の過不足が同様に生じていると推定できる。このような状況下で後段サブフィードバック補正量を、絶対値の大きな値とすると、大きな空燃比修正を生じさせることができ、触媒の酸素吸蔵状態を迅速に適正状態に回復させることができる。
第3の発明によれば、上流触媒の酸素吸蔵量と後段排気センサの出力に基づいて、上流触媒と下流触媒の双方に酸素吸蔵量の過不足が同様に生じていると推定できる状況下で、後段サブフィードバック補正量を絶対値の大きな値とすることができる。このため、本発明によれば、それらの状況下で、大きな空燃比修正を生じさせることができ、触媒の酸素吸蔵状態を迅速に適正状態に回復させることができる。
第4の発明によれば、後段サブフィードバック補正量に、上流触媒の酸素吸蔵状態に加えて、下流触媒の酸素吸蔵状態をも反映させることができる。このため、本発明によれば、触媒の酸素吸蔵量を迅速に回復するうえで必要とされる空燃比の修正量と、後段サブフィードバック補正量の大きさとの相関を、更に強めることができ、その結果として、内燃機関のエミッション特性を更に改善することができる。
第5の発明によれば、後段排気センサの出力がリッチ出力とリーン出力との間で反転した後、所定の反転直後期間が経過するまでの間に限り、後段サブフィードバック補正量の増大を要求することができる。そして、その要求が生じている場合に限り、中段排気センサの出力と後段排気センサの出力とが揃っていることを条件に、後段サブフィードバック補正量を、絶対値の大きな値に変更することができる。このため、本発明によれば、下流触媒の酸素吸蔵状態を、後段サブフィードバック補正量に適切に反映させることができる。
第6の発明によれば、後段排気センサの出力がリッチ出力とリーン出力との間で反転した後、所定の反転直後期間が経過するまでの間に限り、上流触媒と下流触媒の双方に酸素吸蔵量の過不足が同様に生じていると推定できることを条件に、後段サブフィードバック補正量を、絶対値の大きな値に変更することができる。このため、本発明によれば、下流触媒の酸素吸蔵状態を、後段サブフィードバック補正量に適切に反映させることができる。
第7の発明によれば、後段排気センサの出力がリッチ出力とリーン出力との間で反転した後、中段排気センサの出力と後段排気センサの出力とが揃う期間が複数回完了するまでは、反転直後期間が継続しているものとして、後段サブフィードバック補正量の増大を要求することができる。このため、本発明によれば、下流触媒の酸素吸蔵状態を、更に適切に後段サブフィードバック補正量に反映させることができる。
第8の発明によれば、反転直後期間の経過に伴って、変更時における後段サブフィードバック補正量の絶対値を通常値のそれに近づけることができる。触媒の酸素吸蔵状態は、反転直後期間の経過に伴って適正状態に向かって回復する。このため、本発明によれば、後段サブフィードバック補正量を、触媒の酸素吸蔵状態の変化に応じて、適切に変化させることができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の空燃比制御装置の構成を説明するための図である。図1に示す通り、本実施形態の装置は、内燃機関の排気通路10に配置された上流触媒(S/C)12および下流触媒(U/F)14を備えている。上流触媒12および下流触媒14は、何れも、CO、HCおよびNoxを同時に浄化することのできる三元触媒である。
上流触媒12の上流には、メイン空燃比センサ16が配置されている。メイン空燃比センサ16は、上流触媒12に流入する排気ガスの空燃比A/Fに対してほぼリニアな出力を発するセンサである。上流触媒12と下流触媒14の間、および下流触媒14の下流には、それぞれSC後酸素センサ18およびUF後酸素センサ20が配置されている。SC後酸素センサ18およびUF後酸素センサ20は、それぞれ、その周辺を流れる排気ガスが理論空燃比に対してリッチであるか、或いはリーンであるかに応じて出力を急変させるセンサである。
メイン空燃比センサ16の出力、SC後酸素センサ18の出力、およびUF後酸素センサ20の出力は、それぞれECU(Electronic Control Unit)30に供給されている。ECU30には、更に、エアフロメータ32、回転数センサ34、および燃料噴射弁36などが接続されている。エアフロメータ32は、内燃機関の吸入空気量Gaを検出するセンサである。回転数センサ34は機関回転数Neに応じた出力を発するセンサである。また、燃料噴射弁36は、内燃機関の吸気ポートに燃料を噴射するための電磁弁である。
[実施の形態1における空燃比制御]
図2は、本実施形態の空燃比制御装置において実行される空燃比制御の内容を説明するための制御ブロック図である。尚、図2において、Cat12およびCat14は、それぞれ図1に示す上流触媒12および下流触媒14に対応している。また、図2におけるA/Fs16、02s18およびO2s20は、それぞれ図1に示すメインA/Fセンサ16、SC後酸素センサ18およびUF後酸素センサ20に対応している。また、図2におけるEng40は、図1に示すシステムが組み込まれる内燃機関の本体を意味するものとする。
本実施形態のシステムにおいて、メインA/Fセンサ16は、内燃機関40から流出し、上流触媒14へ流入する排気ガスの空燃比に対応する出力A/Fs[v]を発生する。この出力A/Fsは、具体的には、上流触媒14に流入する排気ガスの空燃比が大きいほど、つまり、その空燃比がリーンであるほど大きな値となる。
SC後酸素センサ18は、上流触媒12から下流触媒14へ向かって流通する排気ガス中の酸素濃度に応じた出力O2s[v]を発生する。SC後酸素センサ18の出力O2s[v]は、差分器42に供給される。差分器42では、その出力O2sとサブフィードバックの目標値SFBTとの差sfb=SFBT−O2sが算出される。そして、第1サブフィードバックコントローラ44は、上記の差sfbに対する比例項Gpsfb、微分項Gdsfb・s、および積分項Gisfb・1/sを算出し、それらの和「Gpsfb+Gdsfb・s+Gisfb・1/s」を前段サブフィードバック補正量sfbscとして算出する。
UF後酸素センサ20は、下流触媒14から流出してくる排気ガス中の酸素濃度に応じた出力O2s[v]を発生する。UF後酸素センサ20の出力O2s[v]は、第2サブフィードバックコントローラ46に供給される。第2サブフィードバックコントローラ46には、UF後酸素センサ20の出力O2sに加えて、SC後酸素センサ18の出力O2sも供給されている。第2サブフィードバックコントローラ46は、それら2つの出力O2sに基づいて、後段サブフィードバック補正量sfbufを算出する。
本実施形態の装置は、第2サブフィードバックコントローラ46が、後段サブフィードバック補正量sfbufを算出する際の手法に特徴を有している。この手法については、後に図3乃至図5を参照して詳細に説明する。
メインA/Fセンサ16の出力A/Fsは、加算器48において、前段サブフィードバック補正量sfbscおよび後段サブフィードバック補正量sfbufと加算される。その結果、補正電圧値Vfb=A/Fs+sfbsc+sfbufが算出される。尚、以下の記載においては、補正電圧値Vfbを算出するにあたってA/Fsに前段サブフィードバック補正量sfbscを加えることを「第1サブフィードバック制御」と称し、また、A/Fsに後段サブフィードバック補正量sfbufを加えることを「第2サブフィードバック制御」と称することとする。
補正電圧値Vfbは、電圧−空燃比変換器50に供給される。電圧−空燃比変換器50は、電圧−空燃比変換マップを記憶しており、そのマップに従って、補正電圧値Vfbに対応する補正空燃比eabyfを決定する。電圧−空燃比変換器50の処理によれば、補正電圧値Vfbが大きな値であるほど、補正空燃比eabyfは大きな値、つまり、リーンな値に決定される。
ECU30は、上記の如く決定された補正空燃比eabyfを基礎としてメインフィードバック制御を実行する。メインフィードバック制御によれば、具体的には、上述した補正空燃比eabyfと目標空燃比(理論空燃比)との偏差が消滅するように、ベースの燃料噴射量に増減補正が施される。その結果、最終的な燃料噴射量は、補正空燃比eabyfが理論空燃比に変化するように決定されることになる。尚、メインフィードバック制御の内容は、本発明の主要部ではなく、また、既に公知の事項であるため、ここでは、これ以上の説明は省略することとする。
[第1サブフィードバック制御による動作]
次に、第1サブフィードバック制御により実現される動作について説明する。補正電圧値Vfbは、上述した通り、メインA/Fセンサ16の出力A/Fsに、前段サブフィードバック補正量sfbscと、後段サブフィードバック補正量sfbufとを加えたものである。ここでは、説明の便宜上、先ず、その補正電圧値Vfbが、実現するべき空燃比、すなわち、理論空燃比に比して過大な値であった場合を想定する。
電圧−空燃比変換器50は、既述した通り、補正電圧値Vfbに基づいて補正空燃比eabyfを決定する。そして、補正電圧値Vfbが理論空燃比に対して過大な値である場合は、補正空燃比eabyfが理論空燃比に比してリーンな値に決定される。この場合、メインフィードバック制御では、その補正空燃比eabyfを理論空燃比とするための燃料噴射量補正が行われる。その結果、上流触媒12に流れ込む排気ガスの空燃比は、理論空燃比に比してリッチ側に偏った値に制御されることになる。
上流触媒12に流れ込む排気ガスの空燃比がリッチ側に偏っている場合は、上流触媒12の下流に流出する排気ガスの空燃比もリッチ側に偏ったものとなる。SC後酸素センサ18は、上流触媒12から流出してくる排気ガスの空燃比が理論空燃比の近傍で変化する場合に、0.8[v]程度のリッチ側上限値と、0.2[v]程度のリーン側下限値との間で、その出力O2sを敏感に変化させる。このため、上流触媒12に流れ込む排気ガスの空燃比がリッチ側にずれていれば、SC後酸素センサ18の出力O2sは、そのずれの影響を検知した時点で、リッチ側上限値(0.8[v])に向かって急変する。
差分器42では、上述したリッチ側上限値(0.8[v])とリーン側下限値(0.2[v])の中央値(0.5[v])がサブフィードバックの目標値SFBTとして用いられる。このため、差分器42により算出される偏差(SFBT−O2s)は、SC後酸素センサ18の出力O2sがリッチ側(0.8[v]側)にずれている場合は、負の符号を有する値となる。そして、この場合は、前段サブフィードバック補正量sfbscに含まれる比例項Gpsfbおよび微分項Gdsfb・sが負の符号を有する大きな値となる。
このため、上流触媒12に流れ込む排気ガスの空燃比がリッチ側に偏っている場合は、その影響が上流触媒12の下流に表れた時点で、前段サブフィードバック補正量sfbscは負の値となる。つまり、補正電圧値Vfbが理論空燃比に対して過大な値であり、その結果として上流触媒12の下流にリッチに偏った排気ガスが流出してきた場合は、前段サブフィードバック補正量sfbscは、その偏りを打ち消すように負の値とされる。
前段サブフィードバック補正量sfbscが負の値であれば、補正電圧値Vfbは小さな値に修正される。補正電圧値Vfbが小さな値に修正されると、補正空燃比eabyfは、その減量分だけ小さな値とされ、その結果、理論空燃比に近づけられる。そして、その変更後の補正空燃比eabyfに基づいてメインフィードバック制御が実行されると、上流触媒12に流入する排気ガスの空燃比がリーン化され、その結果、上流触媒12の下流における排気空燃比が理論空燃比に向けて修正される。
上述した説明は、補正電圧値Vfbが、理論空燃比に比して過大であった場合を前提としているが、前段サブフィードバック補正量sfbscが排気空燃比を理論空燃比の近傍値に修正する機能は、補正電圧値Vfbが理論空燃比に比して過小である場合にも同様に生ずる。すなわち、この場合は、先ず、上流触媒12の下流における排気空燃比がリーン側に制御される。その影響が上流触媒12の下流に表れると、前段サブフィードバック補正量sfbscは、そのリーンずれを打ち消すように正の符号を有する値となる。
前段サブフィードバック補正量sfbscが正の値であれば、補正電圧値Vfbは、より大きな値に修正される。補正電圧値Vfbが大きな値に修正されると、補正空燃比eabyfも大きな値に変更される。そして、その変更後の補正空燃比eabyfに基づいてメインフィードバック制御が実行されると、上流触媒12に流入する排気ガスの空燃比がリッチ化され、その結果、上流触媒12の下流における排気空燃比が理論空燃比に向けて修正される。
以上説明した通り、前段サブフィードバック補正量sfbscを用いた第1サブフィードバック制御によれば、上流触媒12の下流における排気空燃比を理論空燃比に一致させることができる。このため、本実施形態のシステムによれば、メインフィードバック制御の実行中において、上流触媒12の下流における空燃比を、精度良く理論空燃比の近傍値に維持することができる。
[第2サブフィードバック制御による動作]
次に、第2サブフィードバック制御により実現される動作について説明する。第2サブフィードバック制御において用いられる後段サブフィードバック補正量sfbufは、主としてUF後酸素センサ20の出力O2sに基づいてその値が決定される。UF後酸素センサ20は、下流触媒14から流出してくる排気ガスの空燃比が理論空燃比の近傍で変化する場合に、0.8[v]程度のリッチ側上限値と、0.2[v]程度のリーン側下限値との間で、その出力O2sを敏感に変化させる。
内燃機関40から排出される排気ガスの空燃比がリッチ或いはリーンに偏った状態で制御されている場合は、やがては、その偏りの影響が下流触媒14の下流に現れる。このため、排気ガスの空燃比がリッチに偏っていた場合は、UF後酸素センサ20の出力O2sがやがてはリッチ側(0.8[v]側)に偏った値となり、一方、その空燃比がリーンに偏っている場合は、その出力O2sがやがてはリーン側(0.2[v]側)に偏った値となる。
第2サブフィードバックコントローラ46は、UF後酸素センサ20がリッチ出力を発している場合は、後段サブフィードバック補正量sfbufを負の値とする。後段サブフィードバック補正量sfbufが負の値であると、補正電圧値Vfbが小さな値に修正され、その結果、補正空燃比eabyfも減少方向に修正される(リッチ化される)。そして、その変更後の補正空燃比eabyfに基づいてメインフィードバック制御が実行されると、上流触媒12に流入する排気ガスの空燃比がリーン方向に修正されて、排気空燃比のリッチ側への偏りが縮小される。
また、第2サブフィードバックコントローラ46は、UF後酸素センサ20がリーン出力を発している場合は、後段サブフィードバック補正量sfbufを正の値とする。後段サブフィードバック補正量sfbufが正の値であると、補正電圧値Vfbが大きな値に修正され、その結果、補正空燃比eabyfも増大方向に修正される(リーン化される)。そして、その変更後の補正空燃比eabyfに基づいてメインフィードバック制御が実行されると、上流触媒12に流入する排気ガスの空燃比がリッチ方向に修正されて、排気空燃比のリーン側への偏りが縮小される。
以上説明した通り、後段サブフィードバック補正量sfbufを用いた第2サブフィードバック制御によれば、下流触媒14の下流における排気空燃比が理論空燃比に一致するように、つまり、排気空燃比の制御中心が理論空燃比となるように、燃料噴射量に適正な補正を施すことができる。このため、本実施形態のシステムによれば、メインフィードバック制御の実行中において、下流触媒14の下流における空燃比を、精度良く理論空燃比の近傍値に維持することができる。
[後段サブフィードバック補正量sfbufの算出手法]
既述した通り、後段サブフィードバック補正量sfbufは、UF後酸素センサ20がリッチ出力を発している場合は負の値とされ、また、UF後酸素センサ20がリーン出力を発している場合は正の値とされる。ところで、UF後酸素センサ20の出力O2sは、下流触媒14に流入する排気ガスの空燃比がリッチに維持された結果、そこに吸蔵されていたほぼ全ての酸素が消費された時点でリッチ出力に反転する。反対に、その出力O2sは、下流触媒14に流入する排気ガスの空燃比がリーンに維持された結果、下流触媒14に能力一杯の酸素が吸蔵された時点でリーン出力に反転する。
従って、UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチ出力に反転した直後は、下流触媒14の酸素吸蔵量OSAがゼロ近傍であると推測することができる。また、その出力O2sがリーン出力に反転した直後は、下流触媒14の酸素吸蔵量OSAが、ほぼ酸素の吸蔵能力一杯の値(酸素吸蔵容量OSC近傍の値)であると推測することができる。
第2サブフィードバック制御の機能によれば、UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチ出力に反転した後は、空燃比の制御中心がリーン側に修正される。このため、その反転が生じた後は、ほぼゼロにまで減少していた下流触媒14の酸素吸蔵量OSAは、時間の経過と共に適正量に向かって上昇する。
一方、第2サブフィードバック制御の機能によれば、UF後酸素センサ20の出力O2sがリーン出力に反転した後は、空燃比の制御中心がリッチ側に修正される。このため、その反転が生じた後は、過剰であった酸素吸蔵量OSAが、時間の経過と共に適正量に向かって減少する。
排気空燃比には、内燃機関40の運転状態に応じて、リッチずれやリーンずれが生ずることがある。これらの空燃比ずれの影響を吸収してエミッション特性を良好に維持するためには、下流触媒14が、酸素を十分に放出することができ、かつ、酸素を十分に吸蔵することができる状態にあること、つまり、下流触媒14の酸素吸蔵量OSAが適量(例えば、酸素吸蔵容量OSCの半分程度)であることが望ましい。
下流触媒14に酸素が殆ど吸蔵されていない場合は、上述した望ましい状態を迅速に作り出すために、空燃比を大きくリーン化することが適切である。同様に、下流触媒14にほぼ能力一杯に酸素が吸蔵されている場合は、望ましい状態を迅速に作り出すために、空燃比を大きくリッチ化することが適切である。従って、UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチ出力或いはリーン出力に反転した直後は、第2サブフィードバック制御による空燃比の修正が大きく行われるべきである。換言すると、このような状況下では、後段サブフィードバック補正量sfbufが絶対値の大きな値に算出されるべきである。
これに対して、UF後酸素センサ20の出力O2sが反転した後、ある程度の時間が経過した段階では、つまり、下流触媒14の酸素吸蔵量OSAが適正量に向けてある程度修正された段階では、酸素吸蔵量OSAを急激に増加または減少させる必要がない。むしろ、この段階では、空燃比の安定化を図るべく、第2サブフィードバック制御による空燃比の修正は、微調整として行われるべきである。従って、後段サブフィードバック補正量sfbufは、UF後酸素センサ20の出力O2sそのものの他、下流触媒14がどのような酸素吸蔵状態にあるかを考慮して適宜決定されるのが望ましい。
更に望ましくは、後段サブフィードバック補正量sfbufは、上流触媒12の酸素吸蔵状態をも考慮したうえで決定されるべきものである。すなわち、本実施形態のシステムにおいては、UF後酸素センサ20の出力O2sは、上流触媒12に十分に酸素が吸蔵されている状況下でも、また、上流触媒12に殆ど酸素が吸蔵されていない状況下でもリッチ出力に、またはリーン出力に反転することがある。
上流触媒12に酸素が十分に吸蔵されている状況下でUF後酸素センサ20の出力O2sがリッチ反転した場合は、下流触媒14の酸素吸蔵量は殆どゼロであるが、上流触媒12と下流触媒14の全体を見れば、酸素吸蔵量OSAはある程度確保されていると判断できる。従って、この場合は、酸素吸蔵量OSAを急激に増加させる必要性は低く、後段サブフィードバック補正量sfbufの絶対値は、比較的小さな値としておくことが適切である。
反対に、上流触媒12に酸素が殆ど吸蔵されていない状況下でUF後酸素センサ20の出力O2sがリッチ反転した場合は、上流触媒12と下流触媒14の全体を見ても、酸素吸蔵量OSAは殆どゼロであると判断できる。従って、この場合は、酸素吸蔵量OSAを急激に増加させる必要性が高く、後段サブフィードバック補正量sfbufは、絶対値の大きな値とすることが妥当である。
以上説明した通り、第2サブフィードバック制御による空燃比の修正幅、つまり、後段サブフィードバック補正量sfbufの絶対値は、UF後酸素センサ20の出力O2sのみに基づいて決定するべきものではなく、上流触媒12の酸素吸蔵状態や、下流触媒14の酸素吸蔵状態をも考慮したうえで決定するべきものである。そこで、本実施形態では、図3に示すような規則に従って、後段サブフィードバック補正量sfbufを決定することとした。
図3は、SC後酸素センサ18の出力O2sとUF後酸素センサ20の出力O2sとから把握される各種の状況と、それらの状況下で選択される後段サブフィードバック補正量sfbufとの関係を表している。図3中に記載されている「UF後O2センサ反転直後」とは、「UF後酸素センサ20の出力O2sに反転が生じた後、SC後酸素センサ18の出力O2sに反転が生ずるまでの期間」、つまり、下流触媒14が殆ど酸素を吸蔵していないか、或いは、ほぼ能力一杯に酸素を吸蔵している期間を意味している。そして、「上記以外」とは、下流触媒14が吸蔵酸素と酸素吸蔵余力とを共にある程度有している期間を意味している。
図3に示すように、「UF後O2センサ反転直後」においては、UF後酸素センサ20の出力O2sと、SC後酸素センサ18の出力O2sとに基づいて、後段サブフィードバック補正量sfbufが、4つの値sfbrr、sfbr、sfbllおよびsfblの何れかに決定される。具体的には、UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチであり、かつ、SC後酸素センサ18の出力がリッチである場合(以下、「リッチリッチ状態」と称す)は、後段サブフィードバック補正量sfbufが、負の符号を有し、かつ、大きな絶対値を有するリッチリッチ補正量sfbrrに決定される。一方、UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチであっても、SC後酸素センサ18の出力がリーンである場合(以下、「リーンリッチ状態」と称す)では、後段サブフィードバック補正量sfbufが、負の符号を有し、かつ、小さな絶対値を有するリッチ補正量sfbrに決定される。
リッチリッチ状態が検知された場合は、下流触媒14に酸素は殆ど吸蔵されておらず、かつ、上流触媒12にも十分な酸素が吸蔵されていないと判断できる。この場合は、酸素吸蔵量OSAを急増させる必要があるため、空燃比は大きくリーン側に修正されるべきである。リッチリッチ補正量sfbrrは、大きな絶対値を有しているため、空燃比を大きくリーン側に修正することができる。このため、上述したsfbufの決定の手法によれば、リッチリッチ状態が生じている場合に、空燃比荒れに対する触媒の耐性を迅速に回復させることができる。
リーンリッチ状態が検知された場合は、下流触媒14には酸素が殆ど吸蔵されていないが、上流触媒12にはある程度十分な量の酸素が吸蔵されていると判断できる。この場合は、酸素吸蔵量OSAを急増させる必要性が低いため、空燃比は小さくリーン側に修正されれば足りる。リッチ補正量sfbrは、小さな絶対値を有しているため、その要求を満たすことができる。このため、上述したsfbufの決定の手法によれば、リーン・リッチ状態が生じている場合に、空燃比荒れを発生させることなく、空燃比の制御中心を適正に修正することができる。
図3に示す規則によれば、また、UF後酸素センサ20の出力O2sがリーンであり、かつ、SC後酸素センサ18の出力がリッチである場合(以下、「リッチリーン状態」と称す)には、正の符号を有し、かつ、小さな絶対値を有するリーン補正量sfblが後段サブフィードバック補正量sfbufとされる。更に、UF後酸素センサ20の出力O2sがリーンであり、かつ、SC後酸素センサ18の出力もリーンである場合(以下、「リーンリーン状態」と称す)は、正の符号を有し、かつ、大きな絶対値を有するリーンリーン補正量sfbllが後段サブフィードバック補正量sfbufとされる。
リッチリーン状態が検知された場合は、下流触媒14には酸素が過剰に吸蔵されているが、上流触媒12には十分な酸素吸蔵余力が残されている判断できる。この場合は、酸素吸蔵量OSAを急減させる必要性が低いため、空燃比は小さくリッチ側に修正されれば足りる。リーン補正量sfblは、小さな絶対値を有しているため、その要求を満たすことができる。このため、上述したsfbufの決定の手法によれば、リッチリーン状態が生じている場合に、空燃比荒れを発生させることなく、空燃比の制御中心を適正に修正することができる。
リーンリーン状態が検知された場合は、下流触媒14に酸素が過剰に吸蔵されており、かつ、上流触媒12に十分な酸素吸蔵余力が残されていないと判断することができる。この場合は、酸素吸蔵量OSAを急減させる必要があるため、空燃比は大きくリッチ側に修正されるべきである。リーンリーン補正量sfbllは、大きな絶対値を有しているため、空燃比を大きくリッチ側に修正することができる。このため、上述したsfbufの決定の手法によれば、リーンリーン状態が生じている場合に、空燃比荒れに対する触媒の耐性を迅速に回復させることができる。
図3に示す規則によれば、「UF後O2センサ反転直後」でない期間中は、つまり、下流触媒14がある程度酸素を吸蔵していると予測できる期間中は、SC後酸素センサ18の出力O2sに関わらず、UF後酸素センサ20の出力O2sのみに基づいて、後段サブフィードバック補正量sfbufがリッチ補正量sfbrまたはリーン補正量sfblに決定される。この期間中は、空燃比の荒れに対して下流触媒14がある程度の耐性を示し得るため、酸素吸蔵量OSAを急激に増減させる必要がない。
リッチ補正量sfbrおよびリーン補正量sfblは、何れも小さな絶対値を有している。このため、それらが後段サブフィードバック補正量sfbufとされれば、酸素吸蔵量OSAを緩やかに適正量に回復させながら、大きな空燃比荒れを生じさせることなく、空燃比の制御中心を適正に修正することができる。このため、図3に示す規則に従って後段サブフィードバック補正量sfbufを決定することによれば、全ての状況下で、適正な空燃比制御を実現することができる。
[実施の形態1における動作の具体例]
図4は、本実施形態の装置において実現される動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。より具体的には、図4(A)はSC後酸素センサ18の出力波形、図4(B)はUF後酸素センサ20の出力波形、図4(C)は後段サブフィードバック補正量sfbufの変化、また、図4(D)は下流触媒14の酸素吸蔵量OSAUFの変化をそれぞれ示している。
図4に示す例では、時刻t1以前において、空燃比の制御中心がリッチ側に偏っている。このため、時刻t1以前における下流触媒14の酸素吸蔵量OSAは、時間の経過に伴って減少し、時刻t1においてほぼゼロとなっている(図4(D)参照)。下流触媒14の酸素吸蔵量OSAがゼロになると、その後、下流触媒14からリッチな排気ガスが流出し始めるのに伴い、UF後酸素センサ20の出力O2sはリッチ出力に反転する(図4(B)参照)。
図4に示す例では、その反転の際に、SC後酸素センサ18の出力がリッチ出力を発している(図4(A)参照)。この場合、リッチリッチ状態の成立が認識され、後段サブフィードバック補正量sfbufが絶対値の大きなリッチリッチ補正量sfbrrに設定される(図4(C)参照)。その結果、第2サブフィードバック制御により比較的大きな空燃比修正が行われ、上流触媒12および下流触媒14の酸素吸蔵量OSAが迅速に適正量に向けて修正される。
時刻t2においてSC後酸素センサ18の出力O2sがリーン出力に反転すると、「UF後O2センサ反転直後」の終了が認識され、その結果、後段サブフィードバック補正量sfbufがリッチ補正量sfbrに変更される。後段サブフィードバック補正量sfbufがリッチ補正量sfbrに設定された後は、空燃比の制御中心が比較的小さくリーン方向に変更される。このため、時刻t2の後は、大きな空燃比変動を伴うことなく、下流触媒14の酸素吸蔵量OSAが緩やかな上昇傾向を示す。
後段サブフィードバック補正量sfbufは、以後、下流触媒14が酸素を一杯に吸蔵した状態となり、その結果、UF後酸素センサ20の出力O2sがリーン出力に反転するまでは、リッチ補正量sfbrのまま維持される。そして、時刻t3において、UF後酸素センサ20の出力がリーン出力に反転し、その時点でリーンリーン状態の成立が認められると、後段サブリードバック補正量sfbufが絶対値の大きなリーンリーン補正量sfbllに設定される(図4(C)参照)。
更に、その後時刻t4においてSC後酸素センサ18の出力O2sがリッチ出力に反転すると、「UF後O2センサ反転直後」の終了が認識され、後段サブフィードバック補正量sfbufがリーン補正量sfblに変更される。後段サブフィードバック補正量sfbufが、上記の如くリーンリーン補正量sfbllに設定され、次いでリーン補正量sfblに設定されると、上流触媒12および下流触媒14の酸素吸蔵量OSAを迅速に適正量に向けて減少させることができ、また、大きな空燃比荒れを生じさせることなく、空燃比の制御中心を適正に修正することが可能である。
[実施の形態1における具体的処理]
図5は、上記の規則に従って後段サブフィードバック補正量sfbufを算出するためにECU30が実行するルーチンのフローチャートである。図5に示すルーチンでは、先ず、SC後酸素センサ18の出力O2s、およびUF後酸素センサ20の出力O2sが読み込まれる(ステップ100)。
次に、それらの出力O2sに反転が生じているか否かが判別される(ステップ102)。その判別の結果より、UF後酸素センサ20の出力O2sが、前回の処理サイクルから今回の処理サイクルにかけて反転したか否かが判断される(ステップ104)。反転が認められる場合は、UF反転フラグがセットされる(ステップ106)。一方、反転が認められない場合は、ステップ106の処理がジャンプされる。
次に、UF反転フラグがONであるか否かが判別される(ステップ108)。その結果、UF反転フラグがONであると認められた場合は、更に、前回の処理サイクルから今回の処理サイクルにかけてSC後酸素センサ18の出力O2sが反転したか否かが判別される(ステップ110)。そして、その反転が認められた場合は、UF反転フラグがクリアされる(ステップ112)。
以上の処理によれば、UF反転フラグは、UF後酸素センサ20の出力O2sに反転が生じた後、SC後酸素センサ18の出力O2sに反転が生ずるまでの期間だけONとされる。つまり、UF反転フラグは、上述した「UF後O2センサ反転直後」(図3参照)の期間のみ、ONとされる。従って、ECU30は、UF反転フラグがONであるか否かを見ることにより、現在のタイミングが「UF後O2センサ反転直後」であるのか、或いは「上記以外」であるのかを判断することができる。
上記ステップ108においてUF反転フラグがONでないと判別された場合、および上記ステップ112においてUF反転フラグがクリアされた場合は、現在のタイミングが「上記以外」であると判断できる。この場合は、次に、UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチ出力であるか否かが判別される(ステップ114)。
その結果、UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチ出力でないと判別された場合は、後段サブフィードバック補正量sfbufがリーン補正量sfblに決定される(ステップ116)。一方、その出力O2sがリッチ出力であると判別された場合は、後段サブフィードバック補正量sfbufがリッチ補正量sfbrに決定される(ステップ118)。
上述したステップ110の処理により、SC後酸素センサ18の出力O2sに反転が認められないと判別された場合は、現在のタイミングが「UF後O2センサ反転直後」であると判断できる。この場合は、先ず、UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチ出力であるかが判別され(ステップ120)、次いで、SC後酸素センサ18の出力O2sがリッチ出力であるかが判別される(ステップ122,124)。
UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチ出力であると判別された場合は、SC後酸素センサ18の出力がリッチ出力であればリッチリッチ補正量sfbrrが後段サブフィードバック補正量sfbufとされる(ステップ126)。一方、SC後酸素センサ18の出力がリッチ出力でなければ、後段サブフィードバック補正量sfbufは、リッチ補正量sfbrrに決定される(ステップ128)。
また、UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチ出力でないと判別された場合は、SC後酸素センサ18の出力がリッチ出力であればリーン補正量sfblが後段サブフィードバック補正量sfbufとされる(ステップ130)。そして、SC後酸素センサ18の出力がリッチ出力でなければ、後段サブフィードバック補正量sfbufは、リーンリーン補正量sfbllに決定される(ステップ132)。
以上説明した通り、図5に示すルーチンによれば、UF後酸素センサ20の出力O2sと、SC後酸素センサ18の出力O2sとに基づいて、図3に示す規則に従うように後段サブフィードバック補正量sfbufを決定することができる。つまり、上流触媒12および下流触媒14の酸素吸蔵量OSAが不当に少ない場合、およびその酸素吸蔵量OSAが不当に多い場合に、後段サブフィードバック補正量sfbufを絶対値の大きな値に決定し、また、それら以外の場合には、後段サブフィードバック補正量sfbufを絶対値の小さな値に設定することができる。
後段サブフィードバック補正量sfbufがこのように設定されると、上流触媒12の酸素吸蔵状態および下流触媒14の酸素吸蔵状態が、それぞれ好ましい状態となるように第2サブフィードバック制御の制御ゲインを変えることができる。このため、本実施形態の装置によれば、上流触媒12および下流触媒14を空燃比荒れに対して高い耐性を示す状態に制御しつつ、空燃比荒れの発生を有効に抑制することができ、その結果として、優れたエミッション特性を実現することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、上流触媒12の上流に配置するセンサをA/Fセンサとし、その他の2つのセンサを酸素センサとしているが、本発明において用い得るセンサの種類は、これに限定されるものではない。すなわち、それらのセンサは、何れも、A/Fセンサ、酸素センサ、HCセンサ、NOxセンサなど、排気ガスの特性に応じた出力を発するものであればよい。
尚、上述した実施の形態1においては、メインA/Fセンサ16が前記第1の発明における「前段排気センサ」に、SC後酸素センサ18が前記第1の発明における「中段排気センサ」に、UF後酸素センサ20が前記第2の発明における「後段排気センサ」に、それぞれ相当している。また、ECU30が、メインA/Fセンサ16の出力A/Fsに基づいてメインフィードバック制御を実行することにより前記第1の発明における「メインフィードバック手段」が、前段サブフィードバック補正量sfbscおよび後段サブフィードバック補正量sfbufに基づいてサブフィードバック制御を行うことにより前記第1の発明における「サブフィードバック手段」が、それぞれ実現されている。更に、ECU30が、上記ステップ100においてSC後酸素センサ18の出力O2sを読み取ることにより前記第1の発明における「上流状態検知手段」が、上記ステップ108〜132の処理を実行することにより前記第1の発明における「補正量算出手段」が、上記ステップ122〜132の処理を実行することにより前記第1の発明における「上流状態反映手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU30が、上記ステップ100においてSC後酸素センサ18の出力O2sを読み取ることにより前記第2の発明における「中段出力判断手段」が、上記ステップ126および132の処理を実行することにより前記第2の発明における「後段補正量増大手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU30が、上記ステップ104〜114および120の処理を実行することにより前記第4の発明における「下流状態検知手段」が、上記ステップ116,118,126〜132の処理を実行することにより前記第4の発明における「下流状態反映手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU30が、上記ステップ108および110の処理を実行することにより前記第5の発明における「反転直後期間検知手段」が、上記ステップ110の条件が成立しない場合にのみステップ120以降の処理を実行することにより前記第5の発明における「補正量増大要求手段」が、上記ステップ100においてSC後酸素センサ18の出力O2sを読み取ることにより前記第5の発明における「中段出力判断手段」が、上記ステップ126および132の処理を実行することにより前記第5の発明における「後段補正量増大手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図6乃至図8を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態の空燃比制御装置は、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU30に、後述する図8に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
[実施の形態2の特徴]
上述した実施の形態1の装置は、UF後酸素センサ20の出力O2sが反転した際に、SC後酸素センサ18の出力O2sに基づいて、後段サブフィードバック補正量sfbufを絶対値の大きな値にするか否かを決めることとしている(図5、ステップ122〜132参照)。つまり、実施の形態1においては、UF後酸素センサ20の出力O2sが反転した際に、SC後酸素センサ18の出力O2sに基づいて、上流触媒12の酸素吸蔵状態を判定することとしている。
ところで、上流触媒12の酸素吸蔵量状態は、上流触媒12の酸素吸蔵容量OSCと酸素吸蔵量OSAとが判れば、それらの値から判断することができる。そして、酸素吸蔵容量OSCおよび酸素吸蔵量OSAは、何れも公知の手法により検知することができる。(酸素吸蔵容量OSCは、例えば、SC後酸素センサ18の出力O2sが反転した後、その出力O2sが再度反転するまでの期間中、上流触媒12に流入した排気ガス中の酸素過剰量或いは酸素不足量を積算することにより検知することができる。また、酸素吸蔵量OSAは、SC後酸素センサ20の出力が反転した後、上流触媒12に流入した排気ガス中の酸素過剰量を積算することにより、或いは、酸素不足量の積算値をOSCから減ずることにより、検知することができる。)
そこで、本実施形態の装置は、上流触媒12の酸素吸蔵状態を計算により検知し、その検知の結果を、後段サブフィードバック補正量sfbufに反映させることとした。より具体的には、本実施形態の装置は、「UF後O2センサ反転直後」において、後段サブフィードバック補正量sfbufを絶対値の大きなもの(sfbrr、sfbll)にするか、或いは絶対値の小さなもの(sfbr、sfbl)にするかを、上流触媒12の酸素吸蔵量OSASCの計算値に基づいて判断することとした。
[実施の形態2で用いられる後段サブフィードバック補正量sfbufの決定規則]
図6は、本実施形態において、後段サブフィードバック補正量sfbufを決定する際に用いられる規則を示す。図6に示す規則によれば、「UF後O2センサ反転直後」において、UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチであり、かつ、上流触媒12の酸素吸蔵量OSASCがリッチ判定量OSArに満たない場合に「リッチリッチ状態」の成立が認められる。この場合、後段サブフィードバック補正量sfbufは、負の符号を有し、かつ、大きな絶対値を有するリッチリッチ補正量sfbrrとされる。
リッチ判定値OSArは、上流触媒12の酸素吸蔵容量OSCより所定量だけ小さな値、つまり、上流触媒12中に、所定量の酸素吸蔵余力を残存させ得る値である。ECU30は、例えば、公知の手法で検知した酸素吸蔵容量OSCに、所定の比率を掛け合わせることにより、リッチ判定値OSArを算出することができる。
UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチであっても、上流触媒12の酸素吸蔵量OSASCがリッチ判定量OSArを超えている場合は、「リーンリッチ状態」の成立が認められる。この場合は、後段サブフィードバック補正量sfbufが、負の符号を有し、かつ、小さな絶対値を有するリッチ補正量sfbrに決定される。
上記の規則によれば、リッチリッチ状態は、下流触媒14に酸素は殆ど吸蔵されておらず、かつ、上流触媒12にも十分な酸素が吸蔵されていない状況下でその成立が認められる。このような状況下でリッチリッチ補正量sfbrrが後段サブフィードバック補正量sfbufとされると、空燃比を大きくリーン側に修正することができ、触媒全体の酸素吸蔵量OSAを急増させることができる。このため、上述したsfbufの決定の手法によれば、リッチリッチ状態が生じている場合に、空燃比荒れに対する触媒の耐性を迅速に回復させることができる。
リーンリッチ状態は、下流触媒14には酸素が殆ど吸蔵されていないが、上流触媒12にはある程度酸素が吸蔵されている状況下でその成立が認められる。このような状況下でリッチ補正量sfbrが後段サブフィードバック補正量sfbufとされると、空燃比を小さくリーン側に修正することができる。このため、上述したsfbufの決定の手法によれば、リーンリッチ状態が生じている場合に、大きな空燃比荒れを発生させることなく、空燃比の制御中心を適正に修正することができる。
図6に示す規則によれば、また、「UF後O2センサ反転直後」において、UF後酸素センサ20の出力O2sがリーンであり、かつ、上流触媒12の酸素吸蔵量OSASCがリーン判定量OSAlに満たない状況下では、「リッチリーン状態」の成立が認められる。この場合、後段サブフィードバック補正量sfbufは、正の符号を有し、かつ、小さな絶対値を有するリーン補正量sfblとされる。
リーン判定値OSAlは、上流触媒12の酸素吸蔵容量OSCより小さく、かつ、ゼロより大きな適当な値である。ECU30は、リッチ判定値OSArの場合と同様に、例えば、公知の手法で検知した酸素吸蔵容量OSCに所定の比率を掛け合わせることにより、リーン判定値OSAlを算出することができる。
図6に示す規則によれば、更に、UF後酸素センサ20の出力O2sがリーンであり、かつ、上流触媒12の酸素吸蔵量OSASCがリーン判定量OSAlを超えている場合は、「リーンリーン状態」の成立が認められる。この場合は、後段サブフィードバック補正量sfbufが、正の符号を有し、かつ、大きな絶対値を有するリーンリーン補正量sfbllに決定される。
上記の規則によれば、リッチリーン状態は、下流触媒14には酸素吸蔵余力が殆ど残されていないが、上流触媒12にはその余力が十分に残されている状況下でその成立が認められる。このような状況下でリーン補正量sfblが後段サブフィードバック補正量sfbufとされると、空燃比を小さくリッチ側に修正することができる。このため、上述したsfbufの決定の手法によれば、リッチリーン状態が生じている場合に、大きな空燃比荒れを発生させることなく、空燃比の制御中心を適正に修正することができる。
リーンリーン状態は、下流触媒14に酸素吸蔵余力が殆ど残されておらず、かつ、上流触媒12にもその余力が十分に残されていない状況下でその成立が認められる。このような状況下でリーンリーン補正量sfbllが後段サブフィードバック補正量sfbufとされると、空燃比を大きくリッチ側に修正することができ、触媒全体の酸素吸蔵量OSAを急減させることができる。このため、上述したsfbufの決定の手法によれば、リーンリーン状態が生じている場合に、空燃比荒れに対する触媒の耐性を迅速に回復させることができる。
図6に示す規則によれば、「UF後O2センサ反転直後」でない期間中は、図3に示す規則による場合と同様に、UF後酸素センサ20の出力O2sのみに基づいて後段サブフィードバック補正量sfbufが決定される。ここでは、何れの場合においても、絶対値の小さなリッチ補正量sfbrまたはリーン補正量sfblが後段サブフィードバック補正量sfbufとされる。このため、図6に示す規則によれば、実施の形態1の場合と同様に、「UF後O2センサ反転直後」でない期間中において、大きな空燃比荒れが生ずるのを有効に阻止することができる。
[実施の形態2における動作の具体例]
図7は、本実施形態の装置において実現される動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。より具体的には、図7(A)はSC後酸素センサ18の出力波形、図7(B)はUF後酸素センサ20の出力波形、図7(C)は後段サブフィードバック補正量sfbufの変化、また、図7(D)は上流触媒14の酸素吸蔵量OSASCの変化をそれぞれ示している。
図7に示す例では、時刻t1において、UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチ出力に反転している(図4(B)参照)。この際、上流触媒12の酸素吸蔵量OSASCは、リッチ判定量OSArに比して十分に小さな値となっている(図4(D)参照)。この場合、リッチリッチ状態の成立が認識され、後段サブフィードバック補正量sfbufは、絶対値の大きなリッチリッチ補正量sfbrrに設定される(図4(C)参照)。
リッチリッチ補正量sfbrrが後段サブフィードバック補正量sfbufとされると、その後、第2サブフィードバック制御の機能によって、空燃比が比較的大きくリーン側に修正される。その結果、上流触媒12および下流触媒14の酸素吸蔵量OSAは、急速に適正量に向けて増量される。
図7において、時刻t2は、上流触媒12の酸素吸蔵量OSASCがリッチ判定値OSArに達した時刻である。OSASCがOSArに達すると、リーンリッチ状態の成立が認められ、後段サブフィードバック補正量sfbufが、絶対値の小さなリッチ補正量sfbrに変更される。この変更の後は、空燃比の制御中心が比較的小さくリーン方向に変更される。このため、時刻t2の後は、大きな空燃比変動を伴うことなく、上流触媒12および下流触媒14の酸素吸蔵量OSAが緩やかな上昇傾向を示す。
後段サブフィードバック補正量sfbufは、以後、下流触媒14が酸素を一杯に吸蔵した状態となり、その結果、UF後酸素センサ20の出力O2sがリーン出力に反転するまでは、リッチ補正量sfbrのまま維持される。そして、時刻t3において、UF後酸素センサ20の出力がリーン出力に反転し、その時点でリーンリーン状態の成立が認められると、後段サブリードバック補正量sfbufが絶対値の大きなリーンリーン補正量sfbllに設定される(図7(C)参照)。
更に、その後時刻t4において上流触媒12の酸素吸蔵量OSASCがリーン判定量OSAlを下回ると、リッチリーン状態の成立が認識され、後段サブフィードバック補正量sfbufが、絶対値の小さなリーン補正量sfblに変更される。後段サブフィードバック補正量sfbufが、上記の如くリーンリーン補正量sfbllに設定され、次いでリーン補正量sfblに設定されると、上流触媒12および下流触媒14の酸素吸蔵量OSAを迅速に適正量に向けて減少させることができ、また、大きな空燃比荒れを生じさせることなく、空燃比の制御中心を適正に修正することが可能である。
[実施の形態2における具体的処理]
図8は、上記の規則に従って後段サブフィードバック補正量sfbufを算出するためにECU30が実行するルーチンのフローチャートである。尚、図8に示すステップのうち、図5に示すステップと同一のものについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図8に示すルーチンは、ステップ122および124の処理が、それぞれステップ140および142に置き換えられている点を除き、図5に示すルーチンと同様である。すなわち、図8に示すルーチンによれば、「UF後O2センサ反転直後」の期間中に、UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチ出力であるか否かの判別(ステップ120)に次いで、上流触媒12の酸素吸蔵量OSASCがリッチ判定値OSArを下回っているか(ステップ140)、或いは、その酸素吸蔵量OSASCがリーン判定値OSAlを下回っているか(ステップ142)が判別される。
その結果、UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチ出力であり、かつ、OSASCがOSArを下回っていると判別された場合は、リッチリッチ状態の成立が認められ、ステップ126の処理が行われる。一方、ここでOSASCがOSArを下回っていないと判別された場合は、リーンリッチ状態の成立が認められ、ステップ128の処理が実行される。
また、UF後酸素センサ20の出力O2sがリッチ出力ではなく、かつ、OSASCがOSAlを下回っていると判別された場合は、リッチリーン状態の成立が認められ、ステップ130の処理が行われる。一方、ここでOSASCがOSAlを下回っていないと判別された場合は、リーンリーン状態の成立が認められ、ステップ132の処理が実行される。
上記図8に示すルーチンによれば、UF後酸素センサ20の出力O2s、SC後酸素センサ18の出力O2s、および上流触媒12の酸素吸蔵量OSASCに基づいて、後段サブフィードバック補正量sfbufを図6に示す規則に従うように決定することができる。つまり、上流触媒12および下流触媒14の酸素吸蔵量OSAが不当に少ない場合、およびその酸素吸蔵量OSAが不当に多い場合に、後段サブフィードバック補正量sfbufを絶対値の大きな値に決定し、また、それら以外の場合には、後段サブフィードバック補正量sfbufを絶対値の小さな値に設定することができる。
実施の形態1の装置は、SC後酸素センサ18がリッチ出力を発しているか、或いはリーン出力を発しているかに基づいて上流触媒12の酸素吸蔵状態を推定し、その推定の結果を後段サブフィードバック補正量sfbufに反映させることとしている。しかしながら、SC後酸素センサ18の出力O2sは、必ずしも、上流触媒12の酸素吸蔵状態を正確に表すものではない。
これに対して、本実施形態において参照される酸素吸蔵量OSASCは、上流触媒12の酸素吸蔵状態と正確に対応する値である。このため、本実施形態の装置によれば、上流触媒12の酸素吸蔵状態を、より正しく後段サブフィードバック補正量sfbufに反映させることができ、その結果、実施の形態1の場合に比して更に良好なエミッション特性を実現することができる。
ところで、上述した実施の形態2においては、「UF後O2センサ反転直後」の期間中に、後段サブフィードバック補正量sfbufを絶対値の大きな補正量(sfbrr、sfbll)とするか、絶対値の小さな補正量(sfbr、sfbl)とするかを、上流触媒12の酸素吸蔵量OSASCに基づいて判断することとしているが、その判断の手法はこれに限定されるものではない。すなわち、上記の判断は、上流触媒12と下流触媒14の双方における酸素吸蔵量OSAに基づいて行うこととしてもよい。
尚、上述した実施の形態2においては、ECU30が、図8に示すステップ108〜120、140および142、並びに126〜132の処理を実行することにより前記第1の発明における「補正量算出手段」が、図8に示すステップ140、142、および126〜132の処理を実行することにより前記第1の発明における「上流状態反映手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU30が、上流触媒12の酸素吸蔵量OSASCを検知することにより前記第3の発明における「酸素吸蔵量検知手段」が、上記ステップ120、140および142、並びに126〜132の処理を実行することにより前記第3の発明における「後段補正量増大手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU30が、上記ステップ108および110の処理を実行することにより前記第6の発明における「反転直後期間検知手段」が、上記ステップ110の条件が成立しない場合にのみステップ120以降の処理を実行することにより前記第6の発明における「補正量増大要求手段」が、上流触媒12の酸素吸蔵量OSASCを検知することにより前記第6の発明における「酸素吸蔵量検知手段」が、上記ステップ126および132の処理を実行することにより前記第6の発明における「後段補正量増大手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
次に、図9および図10を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施形態の空燃比制御装置は、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU30に、後述する図10に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
[実施の形態3の特徴]
上述した実施の形態1の装置は、UF後酸素センサ20の出力O2sが反転した後、SC後酸素センサ18の出力O2sが反転するまでの期間を「UF後O2センサ反転直後」の期間と認識する。つまり、実施の形態1においては、UF後酸素センサ20の出力O2sが反転した後、SC後酸素センサ18の出力O2sが始めて反転するまでの期間だけが、下流触媒14が不当な酸素過剰状態、或いは不当な酸素不足状態となる期間と扱われている。
しかしながら、下流触媒14の酸素吸蔵状態は、UF後酸素センサ20の出力O2sが反転した後、SC後酸素センサ18の出力O2sが始めて反転するまでの期間だけでは、十分には改善されないことがある。そこで、本実施形態では、下流触媒14の酸素吸蔵状態を早期に適正な状態に回復させるために、「UF後O2センサ反転直後」の期間を、実施の形態1の場合に比して長くすることとした。
[実施の形態3における動作の具体例]
図9は、本実施形態の装置において実現される動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。図9に示すように、本実施形態の装置は、UF後酸素センサ20の出力O2sに反転が生じた後、リッチリッチ状態、或いはリーンリーン状態がn回完了するまで(図9では2回完了するまで)は、「UF後O2センサ反転直後」の期間が継続しているものとして処理を進める。
つまり、本実施形態では、UF後酸素センサ20の出力O2sに反転が生じ、その結果、リッチリッチ状態或いはリーンリーン状態が形成された場合は、その後、n回目のリッチリッチ状態或いはリーンリーン状態が完了するまでは、それらの状態が成立する毎に絶対値の大きな補正量sfbrrまたはsfbllが後段サブフィードバック補正量sfbufとして用いられる。
このような処理によれば、下流触媒14の酸素吸蔵量OSAUFが不当に少量或いは多量となった後に、その酸素吸蔵量OSAUFが適正量に回復するまでの期間を実施の形態1の場合に比して短縮することができる。このため、本実施形態の装置によれば、実施の形態1の場合に比して、空燃比の荒れに対する耐性を更に高めることができ、その結果、内燃機関40のエミッション特性を更に改善することができる。
[実施の形態3における具体的処理]
図10は、上記の機能を実現するために、本実施形態においてECU30が実行するルーチンのフローチャートである。尚、図10に示すステップのうち、図5に示すステップと同一のものについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図10に示すルーチンは、ステップ126および132の後に、それぞれステップ150および152が挿入されている点、およびステップ110とステップ112との間に、ステップ154〜162が挿入されている点を除いて、図5に示すルーチンと同様である。
すなわち、図10に示すルーチンによれば、UF後酸素センサ20の出力O2sに反転が生じた後、ステップ120以降の処理が実行される場合に、リッチリッチ状態の成立、或いはリーンリーン状態の成立が認められた場合に限り、大補正フラグがONとされる(ステップ150,152)。
また、図10に示すルーチンによれば、ステップ110においてSC後酸素センサ18の出力反転が認められた場合に、先ず、反転回数Nがカウントされる(ステップ154)。図9に示す例によれば、ここでは、時刻t2において反転回数Nに1がカウントされ、以後、時刻t3およびt4において、それぞれ反転回数Nが2,3とカウントされる。
次に、反転回数Nが、判定値2n−1に達しているかが判別される(ステップ156)。但し、上記の「n」は、「UF後O2センサ反転直後」の期間を維持するべきリッチリッチ状態或いはリーンリーン状態の繰り返し回数である。従って、図9に示す例の場合は、そのnが「2」とされ、その結果、判定値は「3」となる。
上記ステップ156において、N≧2n−1の成立が認められた場合は、大補正フラグがOFFとされる(ステップ158)。一方、その条件の成立が認められない場合は、ステップ158の処理がジャンプされる。以上の処理によれば、大補正フラグは、UF後酸素センサ20の出力O2sに反転が生じた時点でリッチリッチ状態、或いはリーンリーン状態が成立した場合に、その後、N≧2n−1が成立するまでの間に限りONとされることになる。従って、図9に示す例の場合は、時刻t1〜t4の間、および時刻t5〜t8の間に限り、大補正フラグがONとなる。
図10に示すルーチンでは、次に、大補正フラグがONであるか否かが判別される(ステップ160)。UF後酸素センサ20の出力O2sに反転が生じた時点で、リッチリッチ状態、或いはリーンリーン状態が形成されなかった場合、および上記ステップ158の処理により大補正フラグがOFFとされた後は、本ステップ160において、大補正フラグがON出ないとの判断がなされる。
この場合は、「UF後O2センサ反転直後」の期間が終了したものとして、先ず、反転回数Nがクリアされ(ステップ162)、次いで、UF反転フラグがクリアされる(ステップ112)。そして、この場合は、以後、UF後酸素センサ20の出力O2sのみに基づいて後段サブフィードバック補正量sfbufがリーン補正量sfblまたはリッチ補正量sfbrの何れかに決定される(ステップ114〜118)。
UF後酸素センサ20の出力反転時に、大補正フラグがONとされた場合は(ステップ150,152参照)、その後、n回目のリッチリッチ状態、或いはn回目のリーンリーン状態が完了するまでは、上記ステップ160において、大補正フラグがONであると判断される。この場合は、以後、再びステップ120以降の処理が実行される。その結果、UF後酸素センサ20の出力O2sと、SC後酸素センサ18の出力O2sが揃っていれば、後段サブフィードバック補正量sfbufが絶対値の大きな補正量(sfbrrまたはsfbll)に決定される。また、それらの出力O2sが揃っていなければ、絶対値の小さな補正量(sfbrまたはsfbl)が後段サブフィードバック補正量sfbufとされる。
以上説明した通り、図10に示すルーチンによれば、UF後酸素センサ20の出力O2sが反転した時点でリッチリッチ状態、或いはリーンリーン状態が形成された場合には、その後、それらの状態がn回繰り返される間は、リッチリッチ状態、或いはリーンリーン状態が成立する毎に、後段サブフィードバック補正量sfbufを絶対値の大きな値とすることができる。このため、本実施形態の装置によれば、実施の形態1の場合に比して、下流触媒14の酸素吸蔵量OSAの過不足を短時間で解消することができ、その結果、内燃機関40のエミッション特性を更に改善することができる。
ところで、上述した実施の形態3においては、実施の形態1において用いられた制御に、「UF後O2センサ反転直後」の期間を延長する制御を組み合わせることとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、「UF後O2センサ反転直後」の期間を延長する制御は、実施の形態2において用いられた制御、つまり、後段サブフィードバック補正量sfbufを酸素吸蔵量OSASCを基礎として決定する制御に組み合わせることとしてもよい。
実施の形態4.
次に、図11および図12を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。本実施形態の空燃比制御装置は、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU30に、後述する図12に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
[実施の形態4の特徴]
上述した実施の形態3の装置は、「UF後O2センサ反転直後」の期間中に、リッチリッチ状態、或いはリーンリーン状態が繰り返される毎に、同じ大きさの補正量を後段サブフィードバック補正量sfbufに設定することとしている。しかしながら、下流触媒14の酸素吸蔵状態は、「UF後O2センサ反転直後」の期間が開始された後、時間の経過に伴って適正な状態に向けて徐々に回復する。
このため、第2サブフィードバック制御によって大きな空燃比修正を行うべき要求は、その時間の経過に伴って徐々に小さくなる。そこで、本実施形態では、リッチリッチ状態、或いはリーンリーン状態が成立する毎に設定される後段サブフィードバック補正量sfbufの絶対値を、時間の経過に伴って徐々に小さくすることとした。
[実施の形態4における動作の具体例]
図11は、本実施形態の装置において実現される動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。ここには、UF後酸素センサ20の出力O2sに反転が生じた後、リッチリッチ状態、或いはリーンリーン状態が2回完了するまでは、それらの状態が成立する毎に、後段サブフィードバック制御量sfbufが通常値(リッチ補正量sfbr或いはリーン補正量sfbl)より絶対値の大きな値とされる例を示す。そして、この例では、リッチリッチ状態、或いはリーンリーン状態が繰り返される毎に、それらの状態の下で用いられる後段サブフィードバック補正量sfbufを、徐々に絶対値の小さな値に変化させることとしている。
後段サブフィードバック補正量sfbufの絶対値を、上記の如く徐々に減少させることとすれば、第2サブフィードバック制御により実現される空燃比の修正幅を、下流触媒14における現実の酸素吸蔵状態とその理想の状態との乖離の程度に対応させることができる。このため、本実施形態の装置によれば、無駄な空燃比荒れを生じさせることなく、下流触媒14の酸素吸蔵状態を、迅速かつ適切に回復させることができる。
[実施の形態4における具体的処理]
図12は、上記の機能を実現するために、本実施形態においてECU30が実行するルーチンのフローチャートである。尚、図12に示すステップのうち、図10に示すステップと同一のものについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図12に示すルーチンは、ステップ126および132が、それぞれステップ170および172に置き換えられている点を除き、図10に示すルーチンと同様である。ステップ170では、反転回数Nの関数としてリッチリッチ補正量sfbrr(N)が算出され、その算出値が後段サブフィードバック補正量sfbufとして設定される。同様に、ステップ172では、反転回数Nの関数としてリーンリーン補正量sfbll(N)が算出され、その算出値が後段サブフィードバック補正量sfbufとして設定される。
リッチリッチ補正量sfbrr(N)、およびリーンリーン補正量sfbll(N)は、何れも、反転回数Nが増えるに連れて、その絶対値が小さくなるように算出される。このため、上記ステップ170および172の処理によれば、リッチリッチ状態、或いはリーンリーン状態が繰り返されるに連れて、後段サブフィードバック補正量sfbufの絶対値を小さな値とすることができる。従って、上記図12に示すルーチンによれば、図11に示すような動作を実現することができる。
以上説明した通り、図12に示すルーチンによれば、「UF後O2センサ反転直後」の期間中に、下流触媒14の酸素吸蔵状態が回復するのに合わせて、リッチリッチ状態、或いはリーンリーン状態の下で用いられる後段サブフィードバック補正量sfbufを、徐々に絶対値の小さな値とすることができる。このため、本実施形態の装置によれば、実施の形態3の場合に比して、下流触媒14の酸素吸蔵状態を、更に適正に回復させることができ、その結果、より優れたエミッション特性を実現することができる。
ところで、上述した実施の形態4においては、「UF後O2センサ反転直後」の期間中に、後段サブフィードバック補正量sfbufの絶対値を、リッチリッチ状態、或いはリーンリーン状態が形成される毎に段階的に小さくすることとしているが、その縮小の手法はこれに限定されるものではない。すなわち、「UF後O2センサ反転直後」の期間中における後段サブフィードバック補正量sfbufは、時間の経過に対して比例的に減少させることとしてもよい。
尚、上述した実施の形態4においては、ECU30が、上記ステップ170および172の処理を実行することにより、前記第8の発明における「増大比減少手段」が実現されている。
本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行される空燃比制御の内容を説明するための制御ブロック図である。 本発明の実施の形態1において、後段サブフィードバック補正量sfbufを決定する際に用いられる規則を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実現される動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、後段サブフィードバック補正量sfbufを決定する際に用いられる規則を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において実現される動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において実現される動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4において実現される動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態4において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
12 上流触媒(SC)
14 下流触媒(UF)
16 メインA/Fセンサ
18 SC後酸素センサ
20 UF後酸素センサ
30 ECU(Electronic Control Unit)
40 内燃機関
46 第2サブフィードバックコントローラ
sfbsc 前段サブフィードバック補正量
sfbuf 後段サブフィードバック補正量
sfbrr リッチリッチ補正量
sfbr リッチ補正量
sfbll リーンリーン補正量
sfbl リーン補正量
OSASC 上流触媒の酸素吸蔵量
OSAUF 下流触媒の酸素吸蔵量
OSAr リッチ判定量
OSAl リーン判定量

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気通路に配置された上流触媒と、
    前記上流触媒の下流に配置される下流触媒と、
    前記上流触媒に上流に配置される前段排気センサと、
    前記上流触媒と前記下流触媒の間に配置される中段排気センサと、
    前記下流触媒の下流に配置される後段排気センサと、
    前記前段排気センサの出力を燃料噴射量に反映させるメインフィードバック手段と、
    前記中段排気センサの出力および前記後段排気センサの出力を燃料噴射量に反映させるサブフィードバック手段と、
    前記上流触媒の酸素吸蔵状態を検知する上流状態検知手段とを備え、
    前記サブフィードバック手段は、前記後段排気センサの出力に基づいて、その出力を燃料噴射量に反映させるための後段サブフィードバック補正量を算出する補正量算出手段を含み、
    当該補正量算出手段は、前記後段サブフィードバック補正量に、前記上流触媒の酸素吸蔵状態を反映させる上流状態反映手段を含むことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 前記上流状態検知手段は、前記中段排気センサの出力がリッチ出力であるかリーン出力であるかを判断する中段出力判断手段を含み、
    前記上流状態反映手段は、前記中段排気センサの出力と前記後段排気センサの出力とが揃っている場合に、前記後段サブフィードバック補正量を、通常値に比して絶対値の大きな値に変更する後段補正量増大手段を含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 前記上流状態検知手段は、前記上流触媒の酸素吸蔵量を検知する酸素吸蔵量検知手段を含み、
    前記上流状態反映手段は、前記後段排気センサがリッチ出力を発しており、かつ、前記上流触媒の酸素吸蔵量がリッチ判定量を下回る場合、並びに、前記後段排気センサがリーン出力を発しており、かつ、前記上流触媒の酸素吸蔵量がリーン判定値を上回る場合に、前記後段サブフィードバック補正量を、通常値に比して絶対値の大きな値に変更する後段補正量増大手段を含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 前記下流触媒の酸素吸蔵状態を検知する下流状態検知手段を備え、
    前記補正量算出手段は、前記後段サブフィードバック補正量に、前記下流触媒の酸素吸蔵状態を反映させる下流状態反映手段を含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 前記下流状態検知手段は、前記後段排気センサの出力がリッチ出力とリーン出力との間で反転した後の所定期間を反転直後期間として検知する反転直後期間検知手段を含み、
    前記下流状態反映手段は、前記反転直後期間に限り、前記後段サブフィードバック補正量の増大を要求する補正量増大要求手段を含み、
    前記上流状態検知手段は、前記中段排気センサの出力がリッチ出力であるかリーン出力であるかを判断する中段出力判断手段を含み
    前記上流状態反映手段は、前記後段サブフィードバック補正量の増大が要求されており、かつ、前記中段排気センサの出力と前記後段排気センサの出力とが揃っている場合に、前記後段サブフィードバック補正量を、通常値に比して絶対値の大きな値に変更する後段補正量増大手段を含むことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  6. 前記下流状態検知手段は、前記後段排気センサの出力がリッチ出力とリーン出力との間で反転した後の所定期間を反転直後期間として検知する反転直後期間検知手段を含み、
    前記下流状態反映手段は、前記反転直後期間に限り、前記後段サブフィードバック補正量の増大を要求する補正量増大要求手段を含み、
    前記上流状態検知手段は、前記上流触媒の酸素吸蔵量を検知する酸素吸蔵量検知手段を含み
    前記上流状態反映手段は、前記後段サブフィードバック補正量の増大が要求されている状況下に限り、前記後段排気センサがリッチ出力を発しており、かつ、前記上流触媒の酸素吸蔵量がリッチ判定量を下回る場合、並びに、前記後段排気センサがリーン出力を発しており、かつ、前記上流触媒の酸素吸蔵量がリーン判定値を上回る場合に、前記後段サブフィードバック補正量を、通常値に比して絶対値の大きな値に変更する後段補正量増大手段を含むことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  7. 前記反転直後期間は、前記後段排気センサの出力がリッチ出力とリーン出力との間で反転した後、前記中段排気センサの出力と前記後段排気センサの出力とが揃う期間が、複数回完了するまでの期間であることを特徴とする請求項5または6記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  8. 前記後段補正量増大手段は、前記反転直後期間の経過と共に、変更時における前記後段サブフィードバック補正量の絶対値を、前記通常値のそれに近づける増大比減少手段を含むことを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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