JP2005298311A - セラミックス複合材 - Google Patents

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Abstract

【課題】セラミックス複合材の焼成後、セラミックス複合材の表面に形成される付着物を容易に除去できるとともに、得られたセラミックス複合材の表面欠陥を防止することができるセラミックス複合材を提供する。
【解決手段】実質的に炭化珪素と金属珪素から構成され、外表面全てのRaが3μm以上の粗面、又は外表面のうち、表面及び/又は裏面のRaが1μm以下の平坦面と、その周縁部のRaが3μm以上の粗面との組合せからなり、粗面の表層に、Al、Ti、B及びZrから選ばれる1種以上の元素と、N及び/又はOの元素を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、セラミックス複合材に関する。
従来、セラミックス複合材である炭化珪素(SiC)質焼結体は、その優れた耐熱性及び耐火性から工業上重要な位置を占めており、例えば碍子、衛生陶器、食器、額縁及び陶管等の陶磁器やタイル等の焼成用棚板として多用されている。かかるSiC質焼結体のうち、SiCとSiを構成成分として含むSi−SiC複合材料が知られており、このSi−SiC複合材料は、主として半導体焼成用炉芯管、ローラーハースキルン用ローラー・熱交換体用チューブ等に用いられるだけでなく、近年では、半導体素子において発生した熱を効率良く排出し、半導体素子の性能、信頼性の低下を防止する放熱材としてのニーズが非常に高まっている。
特に、半導体素子用の放熱材は、効率的な熱排出のため素子と放熱材との接着を高精度に行うことが必要不可欠であり、更に、ICチップが大型化すると、半導体基体(シリコン基板やGaAs基板)と放熱材との熱膨張の差によって生じる応力が大きくなり、ICチップと放熱材との接着精度の低下、剥離現象や機械的破壊が生じるおそれがあった。
このような用途で用いるSi−SiC複合材料(製品)は、例えば、原料粉末を鋳込み成形又はプレス成形で成形し、得られた成形体を、1800〜2500℃で1〜5時間熱処理(再結晶化)した基材に、焼成容器内で1450〜1800℃の減圧雰囲気下で金属シリコン(Si)を加熱含浸させた後、冷却移行時に、アルゴン(Ar)を大気圧まで導入し冷却した後、得られた焼成品を焼成用治具から取り出し、焼成品(半製品)の両面をサンドブラストし、更に研磨することが行われている。
このとき、Si含浸後の焼成品表面は、Siとの濡れ性が良いので、不要なSi付着物が大量にこびりついており、このSi付着物は焼成品に対して接触角が鋭角(例えば、55゜)であるため、焼成品表面からSi付着物をサンドブラストで除去する場合に、Siと共に焼成品の角部分が欠ける問題があった。さらには、Si付着物と焼成品の接触面積が大きいため完全に除去するためには多大な労力を必要としていた。
また、シリコンは冷却過程で液相から固相に変化するとき体積膨張を伴うことから、このSi付着物は、Si含浸後の冷却過程で固化する時点で焼成品表面で体積膨張すると、焼成品表面の基本構造(炭化珪素の結晶がお互いに結合し合ってできた空隙に金属シリコンが含浸された構造)に影響を与えてしまい表面欠陥を生じてしまうこととなる。このため、焼成品(半製品)の両面をサンドブラストし、更に研磨しても製品の表面欠陥が解消されないという問題点があった。
更に、焼成品を焼成用冶具から取り出す時に、焼成品と焼成用冶具との接触部分にSiがこびりつき、焼成品を焼成用治具から引き剥がすのが困難であり、無理に引き剥がそうとすると、焼成品が欠けてしまうという問題点があった。尚、以上の現象は、再結晶化された基材のみならず、成形体として基材を用いた場合であっても同様であった。
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、セラミックス複合材の焼成後、セラミックス複合材の表面に形成される付着物を容易に除去できるとともに、得られたセラミックス複合材の表面欠陥を防止することができるセラミックス複合材を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明は、以下のセラミックス複合材を提供するものである。
[1] 実質的に炭化珪素と金属珪素から構成され、前記外表面全てのRaが3μm以上の粗面、又は前記外表面のうち、表面及び/又は裏面のRaが1μm以下の平坦面と、その周縁部のRaが3μm以上の粗面との組合せからなり、前記粗面の表層に、Al、Ti、B及びZrから選ばれる1種以上の元素と、N及び/又はOの元素を含有するセラミックス複合材。
[2] 粗面の表層に、Al元素が0.01〜10質量%と、N元素が0.2〜30質量%存在する[1]に記載のセラミックス複合材。
[3] 炭化珪素が60〜98質量%、金属珪素が2〜40質量%である[1]又は[2]に記載のセラミックス複合材。
[4] 炭化珪素の結晶が、お互いに結合し合ってできた空隙に金属珪素が含浸されている[1]〜[3]のいずれかに記載のセラミックス複合材。
[5] 粗面が、サンドブラストにより形成される[1]〜[4]のいずれかに記載のセラミックス複合材。
[6] 平坦面が、研削及び/又は研磨により形成される[1]〜[5]のいずれかに記載のセラミックス複合材。
本発明のセラミックス複合材は、セラミックス複合材の焼成後、セラミックス複合材の表面に形成される付着物を容易に除去できるとともに、得られたセラミックス複合材の表面欠陥を防止することができる。
以下、本発明のセラミックス複合材について詳細に説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
本発明に係るセラミックス複合材は、実質的に炭化珪素と金属珪素から構成され、外表面全てのRaが3μm以上の粗面、又は外表面のうち、表面及び/又は裏面のRaが1μm以下の平坦面と、その周縁部のRaが3μm以上の粗面との組合せからなり、粗面の表層に、Al、Ti、B及びZrから選ばれる1種以上の元素と、N及び/又はOの元素を含有するものである。尚、Raとは、JISによって規定されている表面パラメータであり、表面粗さを示しており、この中で算術平均高さをRaと表している。この算術平均高さはJIS B 0601−2001に準じたものである。
尚、本発明のセラミックス複合材は、炭化珪素が60〜98質量%、金属珪素が2〜40質量%であることが好ましく、また、炭化珪素の結晶が、お互いに結合し合ってできた空隙に金属珪素が含浸されていることが好ましい。これにより、本発明のセラミックス複合材は、例えば、実際の電子部品(半導体装置を含む)等で求められる熱膨張率と熱伝導率とのバランスに適合した特性を有するとともに、高い熱伝導性を有する。
ここで、本発明のセラミック複合材料の主な特徴は、炭化珪素の結晶がお互いに結合し合ってできた空隙に金属珪素が含浸された金属含浸層の表面に、更に、含浸された金属(特に、Si)に対する濡れ性を抑制する層(粗面)を外表面の全体又は一部に形成することにある。
これにより、本発明のセラミックス複合材は、金属含浸層に対して付着物との接触角を90°以上の鈍角にすることができる、即ち、金属含浸層と付着物との接触面を最小限にすることができるため、金属含浸層から付着物を容易に除去することができるとともに、付着物の体積膨脹による金属含浸層に影響を与えることもないため、研削及び/又は研磨後に、セラミックス複合材の表面欠陥を防止することができる。
また、本発明のセラミックス複合材は、例えば、セラミックス複合材(焼成品)を焼成用治具から取り出す時に、焼成品と焼成用治具との接触部に付着物があってもこびりつくことがないため、焼成品を焼成容器(サヤ)から取り出すことを容易にすることができる。
以上のような効果を得るため、本発明のセラミックス複合材は、粗面の表層に、Al元素が0.01〜10質量%(より好ましくは、0.1〜6質量%)と、N元素が0.2〜30質量%(より好ましくは、2〜25質量%)存在することが好ましい。
これは、セラミックス複合材の金属含浸層の表面に、Siに対する濡れ性が抑制されたAlNが微量に存在するため、金属含浸層に対して付着物であるSiとの接触角を大きくしているものと推測される。
尚、本発明のセラミックス複合材は、外表面全てのRaが3μm以上の粗面であってもよく、また、外表面の内、表面及び/又は裏面のRaが1μm以下の平坦面と、その周縁部のRaが3μm以上の粗面との組合せであってもよい。
本発明のセラミックス複合材は、その優れた耐熱性から熱に関係した状態で使用されることが多い。この場合、粗面のRaが3μm未満では表面の熱輻射率が低いが、Raを3μm以上にすることで熱輻射率を上昇させることができる。熱輻射率が上昇すると、高温で使用される場合に均熱性が良くなり、放熱材として使用する場合には放熱特性が良化する。また、平坦面については、ICチップや他の機器と接合時の接着面とする場合が多い。Raが1μm以下の場合、この接着特性が良いが、1μmを超過する場合、接着後に剥がれが生じてしまうため好ましくない。
また、本発明のセラミックス複合材は、粗面がサンドブラストにより形成されることが好ましい。これは、Raが3μm以上の粗面を形成させる場合、研磨加工及び/又は研削加工による方法では表面に生じる微細な凹凸に方向性が生じ、熱輻射率に影響を及ぼす可能性が生じるが、サンドブラストによる処理を実施することにより、表面に形成される微細な凹凸が比較的均一に形成されるだけでなく、処理にかかるコストを比較的安価にすることができるからである。
更に、本発明のセラミックス複合材は、平坦面が研削及び/又は研磨により形成されることが好ましい。これは、Raが1μm以下の平坦面を達成する場合、表面の微細な凹凸の形状を研磨及び/又は研削で処理することにより、密着性が良好であるとともに、処理に掛る時間や費用の面で有効な手段であるからである。
尚、本発明のセラミックス複合材は、気孔率が2〜60%の3次元構造の気孔を有するセラミックス多孔体の空隙部分に、金属を充填したセラミックスと金属とから構成されるセラミックス複合材である。セラミックス多孔体の空隙部に溶融金属を加熱含浸する工程と、溶融金属の含浸後に、溶融金属が融点以下に冷却固化するまでに、加熱含浸工程により得られた金属含浸層に対して接触角が90°以上の付着物を形成させる工程を経たものに、サンドブラストすることにより、外表面全てのRaが3μm以上の粗面からなるセラミックス複合材を得ることができる。更に、表面と裏面を研削及び/又は研磨することにより、Raが1μm以下の平坦面と、その周縁部のRaが3μm以上の粗面との組合せからなるセラミックス複合材を得ることができる。
金属含浸層に対して接触角が90°以上の付着物を形成させる工程は、気体状物質を用いて化学反応を伴うものであることが好ましい。
このとき、気体状物質は、Al、Si、O、Fe、N、C、B、Zr、Tiからなる群から選ばれる1種又は2類以上の元素を含むものであることが好ましい。
また、セラミックス多孔体は、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、マグネシア、ムライト、コージライト、シリカ、ジルコニアからなる群から選ばれる少なくとも1種で構成されることが好ましく、特に、炭化珪素を好適に用いることができる。
更に、溶融金属は、単一金属及び/または合金であることが好ましい。更に詳細には、溶融金属は、Al、Si、Mg、Fe、Cu、Ag、Ti、Moからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、Siを好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜6)
炭化珪素粉末(平均粒径が100μmのSiC粗粒を48質量%、平均粒径が30μmの第一の中間粒を3質量%、平均粒径が2μmの第二の中間粒を2質量%、平均粒径が2μmのSiC微粒を47質量%からなる組成)にアクリル系有機バインダーおよびポリカルボン酸系分散剤を添加し、スラリーを作成後、スプレードライヤーにて造粒粉末を得た。得られた造粒粉末はプレス成形にて成形体を得た(実施例1〜5)。また、同様に得られたスラリーにて鋳込み成形にて成形体を得た(実施例6)。
それぞれ得られた成形体を2300℃で3時間熱処理(再結晶化)し、再結晶SiC製のセラミックス多孔体の基材を得た。焼成容器内に、再結晶SiC製のセラミックス多孔体の基材と同時に、製膜物質として金属アルミニウム又はアルミナとムライトを表1に示す比率で変化させたペレットを設置し、減圧雰囲気下1500℃で金属シリコンを毛細現象を利用して含浸させた後、冷却過程移行時に窒素(N2)を大気圧まで導入し冷却し、Si−SiC複合材料を得た。得られたSi−SiC複合材料の特性を表2に示す。
(実施例7及び実施例8)
炭化珪素粉末(平均粒径が100μmのSiC粗粒を48質量%、平均粒径が30μmの第一の中間粒を3質量%、平均粒径が2μmの第二の中間粒を2質量%、平均粒径が2μmのSiC微粒を47質量%からなる組成)にアクリル系有機バインダーおよびポリカルボン酸系分散剤を添加しスラリーを作成後スプレードライヤーにて造粒粉末を得た。得られた造粒粉末はプレス成形にて成形体(多孔質セラミックス基材)を得た(実施例7)。また、同様に得られたスラリーにて鋳込み成形にて成形体(セラミックス多孔体の基材)を得た(実施例8)。焼成容器内に、セラミックス多孔体の基材と同時に製膜物質として金属アルミニウム又はアルミナとムライトを表1に示す比率で変化させたペレットを設置し、減圧雰囲気下1500℃で金属シリコンを毛細現象を利用して含浸させた後、冷却過程移行時に窒素を大気圧まで導入し冷却してSi−SiC複合材料を得た。得られたSi−SiC複合材料の特性を表2に示す。
(比較例1〜4)
実施例1、実施例6〜8にて得られたセラミックス多孔体の基材をそれぞれ焼成容器内に設置し、減圧雰囲気下1500℃で金属シリコンを毛細現象を利用して含浸させた後、冷却過程移行時にアルゴンを大気圧まで導入し冷却してSi−SiC複合材料を得た。得られたSi−SiC複合材料の特性を表2に示す。
このとき、Si−SiC複合材料の焼成方法は、例えば、図1に示すように、金属シリコン3を下部の容器4に配置し、金属シリコン3の液面より所定の位置になるように配置したセラミックス多孔体の基材(被焼成体1)に毛細管引力で金属シリコン3を含浸させる。尚、金属シリコン3の配置は、被焼成物1の上部でも内部でも良い。実施例1〜8では、焼成容器(サヤ)10内に金属アルミニウム又はアルミナとムライトを表1に示す比率で変化させたペレット20が設置焼成されている。
(考察)
表2に示すように、実施例1〜8では、金属含浸層に残存するSiの濡れ性を抑制するため、金属含浸層に対して接触角が90°以上の球状の付着物(主にSi)を形成されていることを確認した(図2参照)。また、焼成容器(サヤ)に配置されたペレットのアルミナとムライトとの比率は、アルミナの比率が90質量%以上の時と金属アルミニウムを配置した時、金属含浸層に対する接触角が大きく(130〜140゜)なることを確認した。更に、セラミックス多孔体の基材は、成形方法の違いや成形体又は再結晶SiC製のものであっても、本発明のSi−SiC複合材料を好適に製造することができた。
ブラスト所要時間については、含浸金属層に対する接触角が大きくなったことで、Siの除去作業が容易になり、比較例に比べ半減している。また欠損(欠け)割合と含浸層欠陥についても大幅に減少させることができた(表2参照)。
一方、比較例1〜4では、金属含浸層に残存するSiの濡れ性が良いため、金属含浸層に対して接触角が60°以下のこびりついた付着物(主にSi)が形成されることを確認した(図3参照)。
本発明のセラミックス複合材は、例えば、焼成用棚板、半導体焼成用炉芯管、ローラーハースキルン用ローラー、熱交換体用チューブ、特に、半導体素子用の放熱材として好適に用いることができる。
実施例におけるSi−SiC複合材料の焼成方法を示す断面説明図である。 金属含浸層に対して接触角が90°以上の球状の付着物(主にSi)が形成された状態を示す写真である。 金属含浸層に対して接触角が60°以下のこびりついた付着物(主にSi)が形成された状態を示す写真である。
符号の説明
1…被焼成体(セラミックス多孔体の基材)、3…金属シリコン、4…容器、10…焼成容器(サヤ)、20…ペレット。

Claims (6)

  1. 実質的に炭化珪素と金属珪素から構成され、前記外表面全てのRaが3μm以上の粗面、又は前記外表面のうち、表面及び/又は裏面のRaが1μm以下の平坦面と、その周縁部のRaが3μm以上の粗面との組合せからなり、前記粗面の表層に、Al、Ti、B及びZrから選ばれる1種以上の元素と、N及び/又はOの元素を含有するセラミックス複合材。
  2. 前記粗面の表層に、Al元素が0.01〜10質量%と、N元素が0.2〜30質量%存在する請求項1に記載のセラミックス複合材。
  3. 前記炭化珪素が、60〜98質量%、金属珪素が2〜40質量%である請求項1又は2に記載のセラミックス複合材。
  4. 前記炭化珪素の結晶が、お互いに結合し合ってできた空隙に前記金属珪素が含浸されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミックス複合材。
  5. 前記粗面が、サンドブラストにより形成される請求項1〜4のいずれか1項に記載のセラミックス複合材。
  6. 前記平坦面が、研削及び/又は研磨により形成される請求項1〜5のいずれか1項に記載のセラミックス複合材。
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