JP2005298108A - ホイール式作業車 - Google Patents
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Abstract
【課題】平行リンク機構の揺動範囲を最適に設定することにより、下置きブームを備えたホイール式作業車の走行時の前方視界を改善する。
【解決手段】平行リンク式キャブ移動機構20の平行リンク機構は、移動枢支点24,29が固定枢支点22,27より後方となる作業時位置と、前記移動枢支点24,29が固定枢支点22,27の垂直上方を越えた前方であって前記作業時位置よりも上方となる走行時位置と、を取りうるようその揺動範囲を設定する。
【選択図】 図2
【解決手段】平行リンク式キャブ移動機構20の平行リンク機構は、移動枢支点24,29が固定枢支点22,27より後方となる作業時位置と、前記移動枢支点24,29が固定枢支点22,27の垂直上方を越えた前方であって前記作業時位置よりも上方となる走行時位置と、を取りうるようその揺動範囲を設定する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、旋回フレームの一側に走行並びにクレーン操作兼用のキャブを配置し、旋回フレームに起伏自在に枢支され走行時にはキャブのアイポイントよりも下方に位置して格納される伸縮ブームを備えるホイール式作業車に関する。
ホイールクレーン等のホイール式作業車は、車両フレーム上に旋回自在に搭載された旋回フレームの一側に走行並びにクレーン操作兼用のキャブを備えている。このようなホイールクレーンにおいて、キャブと旋回台との間に平行リンクを設け、前側の走行時位置と、後ろ側のクレーン作業時位置にキャブを移動させる移動機構(以下、「平行リンク式キャブ移動機構」という。)を備えたホイールクレーンが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
従来のホイールクレーンの基本構成が特許文献1及び2に記載されているように、伸縮ブームが一番上方に配置され、キャブはそれよりも低い位置にあるものであったため、キャブを単に前後に移動させることによっても、走行時には前方視界が良くなり、ブームの前方突出量が小さくなると共に、クレーン作業時にはクレーン作業時の視界が良くなるという効果が得られていた。
一方、近年になって、走行時にはキャブのアイポイントよりも下方に位置して格納される伸縮ブーム(以下、「下置きブーム」という。)を備えるホイールクレーンが多く使用されるようになってきた(例えば、特許文献3参照。)。
実開昭62−144889号公報(第4−9頁、第1図、第2図)
特開2001−187689号公報(第2−4頁、第4図、第5図)
特開平3-249095号公報(第5−9頁、第1図)
ところが、下置きブームを備えたホイールクレーンに従来の平行リンク式キャブ移動機構を適用した場合、走行時の前方視界が十分改善されないという問題があった。すなわち、単にキャブを前後に移動させた場合には、キャブのアイポイントと伸縮ブーム上面との高さ関係が変わらないため、伸縮ブームによって遮られる下方の視界が改善されなかった。
そこで、本発明は、平行リンクには前後の移動のみならず、上下方向の移動も同時に発生させる特性を有することに着目して、その揺動範囲を最適に設定することにより、下置きブームを備えたホイール式作業車の走行時の前方視界を改善することを目的とする。
また、従来の平行リンク式キャブ移動機構を用いたホイールクレーンでは、キャブをいきなり平行リンクで支持し前後に移動させるものであり、キャブ全体が薄板で構成されており十分な強度・剛性を備えたものでないため、キャブ本体の損傷、振動等が発生しやすいという問題があった。
そこで、本発明はさらに、平行リンク式キャブ移動機構を備えたホイール式作業車のキャブが十分な強度・剛性を持つことを目的とする。
本願の請求項1に記載されたホイール式作業車は、車両フレーム上に旋回自在に搭載された旋回フレームと、当該旋回フレームの一側に配置された走行並びにクレーン操作兼用のキャブと、前記旋回フレームに起伏自在に枢支され走行時には前記キャブのアイポイントよりも下方に位置して格納される伸縮ブームと、を備えたホイール式作業車を対象としている。そして、前記キャブとは移動枢支点により枢着連結され、前記旋回フレームとは固定枢支点により枢着連結された平行リンク機構と、当該平行リンク機構を揺動駆動する平行リンク駆動手段とを備え、前記平行リンク機構は、前記移動枢支点が固定枢支点より後方となる作業時位置と、前記移動枢支点が固定枢支点の垂直上方を越えた前方であって前記作業時位置よりも上方となる走行時位置と、を取りうるようその揺動範囲が設定されている。
さらに、本願の請求項2に記載されたホイール式作業車は、請求項1のホイール式作業車の構成に加えて、前記キャブ下面の前後左右に配置されたキャブマウントゴムを介してキャブと連結され、キャブ下面の前後に渡る長さを有するキャブ支持フレームを備え、当該キャブ支持フレームと前記旋回フレームとの間に前記平行リンク機構を配置している。
請求項1記載のホイール式作業車では、前記平行リンク機構の作業時位置では移動枢支点が固定枢支点より後方となるので、キャブが旋回フレームの旋回中心付近に位置することとなって旋回時のキャブ最外端旋回半径が小さくなり、車両フレーム側のエンジンカバー等との干渉の心配が無くなる。また、移動枢支点と固定枢支点の高さを同程度とすると、走行時位置に比べて旋回フレームに対するキャブの高さが相対的に低い位置となるので、クレーン作業時のオペレータの乗り降りがしやすくなる。
さらに、前記平行リンク機構の走行時位置では、移動枢支点が固定枢支点の垂直上方を越えた前方であって前記作業時位置よりも上方となるので、キャブが伸縮ブームに対して作業時位置よりも上方に位置することとなる。したがって、伸縮ブームに対するキャブのアイポイントが高くなり、伸縮ブームの反対側下方の前方視界が良くなる。
請求項2記載のホイール式作業車では、十分な強度・剛性を有するキャブ支持フレームを介してキャブを支持するようにしたので、平行リンク機構により移動可能なキャブであっても十分な強度・剛性を持つこととなり、損傷、振動等の発生の恐れが無くなる。
図1に、本発明を実施するための最良の形態に係るホイール式作業車1を示す。ホイール式作業車1の車両部2は、車両フレーム3にタイヤ4、アウトリガ5、エンジンカバー6等を備えている。車両フレーム3には、旋回フレーム10が旋回自在に搭載されている。旋回フレーム10の一側には走行並びにクレーン操作兼用のキャブ11が配置されている。旋回フレーム10には起伏自在に伸縮ブーム12が枢支されており、走行時には当該伸縮ブーム12はキャブのアイポイント13よりも下方に位置して格納されるようになっている。
前記旋回フレーム10とキャブ11との間には、平行リンク式キャブ移動機構20が配置されている。図2は平行リンク式キャブ移動機構20の詳細図である。また、図3は、図2のA矢視図である。以下、図2と図3に基づき、本願発明のホイール式作業車の平行リンク式キャブ移動機構を説明する。なお、図2と図3には、キャブが作業時位置にある状態が示されている。
旋回フレーム10の一部を構成する部材14から側方に向かって、前側サポート21が張り出している。前側サポート21には、前側固定枢支点22を介して前側リンク23の一端が揺動自在に枢着されている。前側リンク23の他端は、前側移動枢支点24を介してキャブ支持フレーム25と枢着されている。
旋回フレーム10から側方に向かって、後側サポート26が張り出している。後側サポート26には、後側固定枢支点27を介して後側リンク28の一端が揺動自在に枢着されている。後側リンク28の他端は、後側移動枢支点29を介して前記キャブ支持フレーム25と枢着されている
上述した前側リンク23と後側リンク28とにより平行リンク機構が構成されている。図2と図3では、前側移動枢支点24及び後側移動枢支点29は共に、前側固定枢支点22及び後側固定枢支点27に対して、後方であってほぼ同じ高さとなる作業時位置に位置している。
上述した前側リンク23と後側リンク28とにより平行リンク機構が構成されている。図2と図3では、前側移動枢支点24及び後側移動枢支点29は共に、前側固定枢支点22及び後側固定枢支点27に対して、後方であってほぼ同じ高さとなる作業時位置に位置している。
キャブ支持フレーム25は、キャブ下面15の前後左右に配置された4個のキャブマウントゴム30を介してキャブ11と連結されている。キャブ支持フレーム25は、全体としてキャブ下面15の前後に渡る長さを有している。キャブ支持フレーム25は、主ビーム部31、主ビーム部31の前部に一体となって設けられた前部ビーム部32、及び主ビーム部31の後部に一体となって設けられた後部ビーム部33とから構成されている。主ビーム部31、前部ビーム部32及び後部ビーム部33はそれぞれ十分な断面の大きさを持っており、キャブ支持フレーム25は全体として十分な強度と剛性を備えている。
したがって、キャブ11自体はその全体が非常に薄い鋼板から構成されており、かつ前記平行リンク式キャブ移動機構20により移動可能となっているにも関わらず、十分な強度と剛性を備えたキャブ支持フレーム25上にキャブマウントゴム30を介して支持されていることにより、キャブ11に振動・損傷といった問題が起きないものとなっている。
平行リンク駆動手段を構成する油圧シリンダ34は、そのシリンダ側が前記後側サポート26に固定枢支点35を介して枢着されており、そのロッド側は、前記前側リンク23の移動枢支点24に同軸上に枢着されている。油圧シリンダ34にはダブルパイロットチェック弁36を介して作動油圧が供給されるようになっているため、油圧シリンダ34は前記平行リンクが作業時位置及び走行時位置となる時に、油圧的にロック可能になっている。図2及び図3に示したキャブ11が作業時位置にあるときには、油圧シリンダ34は縮小状態となっている。
キャブ支持フレーム25には、キャブ移動固定手段40が設けられている。キャブ移動固定手段40は、前記旋回フレーム10の部材14に向けて突出可能とされた固定ピン41及びその駆動用エアシリンダ42から構成されている。前記旋回フレーム10の部材14には、作業時位置と走行時位置における固定ピン41に対応する位置に固定用穴が設けられている。固定ピン41を駆動用エアシリンダ42により固定用穴に挿入することで、キャブ支持フレーム25を旋回フレーム10に対してしっかりと固定することができる。
図4は図2のB矢視図であって、作業時位置にある時のキャブ支持フレーム25を旋回フレーム10が受ける構造を示したものである。43は旋回フレーム25側の部材であり、後方に向けてテーパ形状部材44が取付けられている。
一方、旋回フレーム10側から部材45がテーパ形状部材44と同じ高さで張り出してきており、当該部材45にはテーパ形状部材44のテーパ面と係合する面を有する一対の受け部材46が取付けられている。図4に示したように、キャブ支持フレーム側のテーパ部材44はそのテーパ面が旋回フレーム側の一対の部材46により支持されるようになっているので、キャブ支持フレーム25は作業時位置において、ガタ等が発生することなくしっかりと旋回フレーム10に固定されることとなる。なお、上述したようなキャブ支持フレーム25を旋回フレーム10が受ける構造は複数箇所設けられているため、非常にしっかりとキャブ支持フレーム25が旋回フレーム10に固定される。
図5は上述した構成を有する平行リンク式キャブ移動機構20の油圧シリンダ34を伸長させ、走行時位置にキャブ11を移動した時の状態を示している。
この時、前側リンク23の前側移動枢支点24は前側固定枢支点22の垂直上方を越えた前方であって前記作業時位置よりも上方となる走行時位置となっている。また、後側リンク28の後側枢支点29も後側固定枢支点27に対して同様の関係となっている。
このように、平行リンク機構の揺動範囲を設定したので、走行時位置においてはキャブ11が伸縮ブーム12に対して作業時位置よりも上方に位置することとなる。したがって、伸縮ブーム12に対するキャブのアイポイント13が高くなり、伸縮ブーム12と反対側下方の前方視界が良くなる。
図6は図5のC矢視図であって、走行時位置にある時のキャブ支持フレーム25を旋回フレーム10が受ける構造を示したものである。50は前側リンク23と一体になったテーパ形状部材である。
一方、旋回フレーム10側から部材51がテーパ形状部材50と同じ高さとなるよう立設されており、当該部材51にはテーパ形状部材50のテーパ面と係合する面を有する一対の受け部材52が取付けられている。図6に示したように、キャブ支持フレーム側(前側リンク23側)のテーパ部材50はそのテーパ面が旋回フレーム側の一対の部材52により支持されるようになっているので、キャブ支持フレーム25は走行時位置において、ガタ等が発生することなくしっかりと旋回フレーム10に固定されることとなる。なお、上述したようなキャブ支持フレーム25を旋回フレーム10が受ける構造は後側リンク28その他にも設けられているため、全体としても非常にしっかりとキャブ支持フレーム25が旋回フレーム10に固定される。
1:ホイール式作業車
2:車両部
3:車両フレーム
10:旋回フレーム
11:キャブ
12:伸縮ブーム
13:アイポイント
20:平行リンク式キャブ移動機構
22:前側固定枢支点
23:前側リンク
24:前側移動枢支点
25:キャブ支持フレーム
27:後側固定枢支点
28:後側リンク
29:後側移動枢支点
30:キャブマウントゴム
34:油圧シリンダ(平行リンク駆動手段)
2:車両部
3:車両フレーム
10:旋回フレーム
11:キャブ
12:伸縮ブーム
13:アイポイント
20:平行リンク式キャブ移動機構
22:前側固定枢支点
23:前側リンク
24:前側移動枢支点
25:キャブ支持フレーム
27:後側固定枢支点
28:後側リンク
29:後側移動枢支点
30:キャブマウントゴム
34:油圧シリンダ(平行リンク駆動手段)
Claims (2)
- 車両フレーム上に旋回自在に搭載された旋回フレームと、当該旋回フレームの一側に配置された走行並びにクレーン操作兼用のキャブと、前記旋回フレームに起伏自在に枢支され走行時には前記キャブのアイポイントよりも下方に位置して格納される伸縮ブームと、を備えたホイール式作業車において、
前記キャブとは移動枢支点により枢着連結され、前記旋回フレームとは固定枢支点により枢着連結された平行リンク機構と、
当該平行リンク機構を揺動駆動する平行リンク駆動手段と、を備え、
前記平行リンク機構は、前記移動枢支点が固定枢支点より後方となる作業時位置と、前記移動枢支点が固定枢支点の垂直上方を越えた前方であって前記作業時位置よりも上方となる走行時位置と、を取りうるようその揺動範囲が設定されたことを特徴とするホイール式作業車。 - 請求項1のホイール式作業車において、
前記キャブ下面の前後左右に配置されたキャブマウントゴムを介してキャブと連結され、キャブ下面の前後に渡る長さを有するキャブ支持フレームを備え、当該キャブ支持フレームと前記旋回フレームとの間に前記平行リンク機構を配置したことを特徴とするホイール式作業車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004115059A JP2005298108A (ja) | 2004-04-09 | 2004-04-09 | ホイール式作業車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004115059A JP2005298108A (ja) | 2004-04-09 | 2004-04-09 | ホイール式作業車 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005298108A true JP2005298108A (ja) | 2005-10-27 |
Family
ID=35330125
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004115059A Pending JP2005298108A (ja) | 2004-04-09 | 2004-04-09 | ホイール式作業車 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005298108A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11970375B2 (en) | 2021-10-04 | 2024-04-30 | Caterpillar Inc. | Pipelayer machine with forward towing winch configuration |
US11970374B2 (en) | 2021-10-04 | 2024-04-30 | Caterpillar Inc. | Pipelayer machine with rear engine configuration |
-
2004
- 2004-04-09 JP JP2004115059A patent/JP2005298108A/ja active Pending
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US11970374B2 (en) | 2021-10-04 | 2024-04-30 | Caterpillar Inc. | Pipelayer machine with rear engine configuration |
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