JP2005298053A - タンクローリ車の荷卸し制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 タンクローリ車に収容される石油製品の液位を簡便かつ正確に検出し、荷卸し作業の安全性の確保および作業効率の改善を図ることが可能なタンクローリ車の荷卸し制御装置を提供する。
【解決手段】 タンクローリ車のタンク10は複数のハッチR1〜R9に区画形成されており、それぞれのハッチR1〜R9内には複数の液位検出体22が吐出単位量の液位に対応させて上下方向にずらして配置されている。液位検出体22には石油製品が接触しているときには光源23aからの検出光を透過し、空気が接触しているときには受光部に検出光を反射させる液位検出面21が設けられている。受光部が受光した検出光に基づいてハッチR1〜R9内の液位を検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明はタンクローリ車により運ばれる石油製品などの液状製品を給油所などの荷卸し場所に荷卸しする際に使用して好適なタンクローリ車の荷卸し制御装置に関する。
石油製品を運ぶタンクローリ車は、一度に複数種類の石油製品を運べるように、タンク内を数キロリットル(kL)単位で複数のハッチに区画形成し、それぞれのハッチ毎に、ハイオクタンガソリン、レギュラーガソリン、灯油、軽油など異なる種類の液状製品を収容している。給油所に運ばれた石油製品は、給油所毎の荷卸情報に基づいて石油製品の種類毎に荷卸しが行なわれる。
石油製品の荷卸しのため、タンクの底面には底弁により開閉される流出口がそれぞれのハッチに対応して設けられている。それぞれの流出口には吐出管が接続されるが、この吐出管の配管系統には、複数の流出口に接続され共通の吐出口を備える共通配管を用いるものと、流出口毎に接続され個別に吐出口を備える独立配管を用いるものがある。石油製品の荷卸しは、一端部が地下タンク内に挿入されたホースを吐出口に接続した後、荷卸情報に基づいて数キロリットル単位で貯留槽としての地下タンク内に吐出されることにより行なわれるため、荷卸量を厳重に管理しないと相当量の石油製品がオーバーフローすることなる。
ハッチ内に収容された石油製品の減少量を検出すれば荷卸量が測定されることから、従来、タンク室の天井部に乗り込んでハッチ内に検尺棒を差し込んだり、磁石が埋め込まれたフロートを油面上に浮かべ磁力変化をリードスイッチで検出したり、液面に照射した超音波のはね返りを検出したりしてハッチ内の液位を検出し荷卸量を管理していた。
検尺棒をハッチ内に差し込んで目視により液位を検出する方法は誤差が生じ易いうえ面倒であり、フロートを浮かべる方法は空になったタンク室内でフロートが内壁面に衝突して騒音を生じる上、耐久性の面で問題があり、超音波を照射する方法は石油製品の種類により音波の反射特性が変化しタンク室内を区画形成する仕切り板に反射して誤差が生じ易いという問題があった。その他、電気を用いる静電容量式や磁歪式の検出方法も存在するが、電気スパークなどの危険を防止するため高度の防爆仕様を採用する必要がありコストの面で問題があった。
荷卸情報に基づく目標値に荷卸量が到達したらオーバーフローを避けるためにも底弁を閉じる必要があるが、従来、底弁を閉じる作業はマニュアル操作により行なわれており煩雑であった。また、配管系統として共通配管を用いる場合、底弁の開閉操作を確実に行なわなければ共通配管内部で異なる油種が混在してしまうことになる。
本発明の目的は、タンクローリ車に収容される石油製品の液位を簡便かつ正確に検出することができ、荷卸し作業の安全性の確保を図ることが可能なタンクローリ車の荷卸し制御装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、荷卸し作業の自動化を図ることにより作業効率の向上を図ることが可能なタンクローリ車の荷卸し制御装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、荷卸し時の混油を防止することが可能なタンクローリ車の荷卸し制御装置を提供することにある。
本発明のタンクローリ車の荷卸し制御装置は、それぞれ石油製品を収容する複数のハッチが設けられたタンクと、前記タンクの底面にそれぞれの前記ハッチに対応して設けられた流出口に連通して取り付けられる吐出管と、それぞれの前記流出口を開閉する底弁とを備えるタンクローリ車の荷卸し制御装置であって、前記流出口を前記吐出管に連通させる吐出位置と連通を遮断する吐出停止位置とに前記底弁を切り換える駆動手段と、石油製品が接触しているときには光源からの検出光を透過し、空気が接触しているときには受光部に検出光を反射させる液位検出面が設けられ、それぞれの前記ハッチ内に吐出単位量の液位に対応させて上下方向にずらして配置される複数の液位検出体と、荷卸し時に前記液位検出面に石油製品が接触しない液位まで液位が低下したときに前記受光部が受光した検出光に基づいて前記駆動手段に閉弁信号を送り前記底弁を吐出停止位置に駆動する制御手段とを有することを特徴とする。
本発明のタンクローリ車の荷卸し制御装置は、それぞれの前記ハッチ内の最底面側に設けられた前記液位検出体の前記受光部が検出光を受光したときは、最底面側の前記液位検出体よりも上方に配置された前記液位検出体の前記受光部が検出光を受光したときよりも長い時間が経過したときに前記駆動手段に閉弁信号を送ることを特徴とする。
本発明のタンクローリ車の荷卸し制御装置は、石油製品が接触しているときには光源からの光を透過し、空気が接触しているときには受光部に検出光を反射させる液体検出面が設けられた液体検出体を前記吐出管に設けることを特徴とする。
本発明のタンクローリ車の荷卸し制御装置は、それぞれ石油製品を収容する複数のハッチが設けられたタンクと、前記タンクの底面にそれぞれの前記ハッチに対応して設けられた流出口に連通して取り付けられる吐出管と、それぞれの前記流出口を開閉する底弁とを備えるタンクローリ車の荷卸し制御装置であって、前記流出口を前記吐出管に連通させる吐出位置と連通を遮断する吐出停止位置とに前記底弁を切り換える駆動手段と、石油製品が接触しているときには光源からの検出光を透過し、空気が接触しているときには受光部に検出光を反射させる液体検出面が設けられ、前記吐出管に取り付けられる液体検出体とを有し、荷卸し時に前記液体検出面に石油製品が接触しない状態となったときに前記受光部が受光した検出光に基づいて石油製品の吐出が終了したことを検出することを特徴とする。
本発明によれば、検出光の屈折を利用してタンクローリ車に収容される石油製品の液位を簡便かつ正確に検出することができ、石油製品のオーバーフローを防止することができ安全である。光を利用することから電気スパークなどの危険はなく安全面に優れ、高度な防爆仕様を採用する必要がなくコスト面にも優れ、誤作動の可能性も少なく安定しており検出精度にも優れている。
本発明によれば、液位を検出するための検出光に基づいて自動で底弁を閉じることができ、作業者は尺割荷卸操作盤で荷卸情報及び荷卸状況を確認しながら荷卸作業を行なえるので人為的なミスを減らすことができ、作業効率の向上を図ることができる。
本発明によれば、最低面側に設けられた液位検出体の受光部が検出光を受光したときは、それよりも上方に配置された液位検出体の受光部が検出光を受光したときよりも長い時間が経過したときに駆動手段に閉弁信号を送ることにより、ハッチ内の石油製品が確実に空となった後に底弁を閉じることができる。最低面側に設けられた液位検出体はタンクの底面より所定量だけ高い位置に配置されているので、走行時の車両の振動により底面に衝突して破損することがない。
本発明によれば、検出光の屈折を利用して吐出管内の石油製品の流れを検出することができるので、底弁の開閉状態を確実に検出することができ、底弁の開閉が不確実である場合に生じる共通配管内部での混油を確実に防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はタンクローリ車の一例を示す概略図である。タンクローリ車のタンク10内には、仕切り板を配して9つの石油製品収容槽つまりハッチR1〜R9が区画形成されている。それぞれのハッチR1〜R9には、ハイオクタンガソリン、レギュラーガソリン、灯油、及び軽油などの石油製品が油種毎に収容されるようになっている。なお、図示する場合にあっては、9つのハッチR1〜R9が設けられているが、これに限られることなく任意の数とすることができる。
それぞれのハッチR1〜R9にはキロリットル単位で石油製品が収容されるようになっている。図示される場合にあっては、ハッチR1,R2,R8,R9は最大容積が4kLの収容槽であり、ハッチR3〜R7は最大容積が2kLの収容槽である。石油製品の荷卸しのため、それぞれのハッチR1〜R9の底面には流出口11が設けられており、この流出口11を開閉するためにそれぞれの流出口11には底弁12が設けられている。なお、ハッチR1〜R9の容積は、これに限られることなく任意の容積とすることができる。
図1に示されるタンクローリ車は、吐出管13の配管系統として、複数の流出口11に接続され共通の吐出口を備える共通配管を用いている。図2は図1に示すタンクローリ車の吐出管の配管系統の一例を示す概略図である。車両前側の5つの流出口11に連通させて前側の共通配管13aが接続され、後側の4つの流出口11に連通させて後側の共通配管13bが接続されており、それぞれの共通配管13a,13bにはタンクローリ車の両側面に開口する吐出口14a,14bが設けられている。さらに、遮断弁15を介して共通配管13a,13bのそれぞれに連通するとともに車両後方に向けて延びる後部配管13cが設けられており、後部配管13cの後端部には吐出口14cが開口している。これより、ハッチR1〜R9内の石油製品は、給油所における地下タンクの配置に基づいて、荷卸しし易い吐出口14a〜14cのいずれかにホースを接続して地下タンク内に吐出されることになる。それぞれの吐出口14a〜14cには、ハッチR1〜R9に収容された石油製品を荷卸しする際に操作される開閉レバー16a〜16cが設けられており、図示省略した電磁弁の開閉にともなうエアーコンプレッサからの圧縮空気を補助力として手動操作により開閉できるようになっている。
それぞれのハッチR1〜R9内には下端部が底弁12に取り付けられ、上端部がタンク10の天壁から突出した底弁駆動軸17が取り付けられており、底弁駆動軸17の上端部には回転体18がねじ結合されている。この回転体18を回転駆動するために、タンク10の天壁にはエアモータ19が装着されており、エアーコンプレッサからの圧縮空気を図示省略した電磁弁を介してエアモータ19に供給することによって、回転体18の回転運動を底弁駆動軸17の軸方向運動に変換し、流出口11を吐出管13に連通させる吐出位置と連通を遮断する吐出停止位置とに底弁を切り換えることができる。このように、底弁駆動軸17、回転体18、エアモータ19、及びエアーコンプレッサにより底弁12の駆動手段が形成されている。
それぞれのハッチR1〜R9内には石油製品の積載量を検出するための液位検出器20が複数組み込まれている。図3は液位検出器の基本構成を一部省略して示す概略構成図である。液位検出器20は、空気と石油製品の屈折率の差を利用して石油製品の液位を検出する光センサの一種であり、石油製品又は空気と接触する液位検出面21が形成された液位検出体22と、液位検出面21に向けて検出光を照射させる投光部23と、液位検出面21で反射した検出光を受光する受光部24とにより構成されている。
液位検出体22はガラスなどの耐蝕性に優れた膨張係数の小さい透光性部材で形成されており、全体として柱状の外形を有し先端部にはテーパ状に液位検出面21が加工されている。液位検出面21は中心軸に対して約45°の角度で図面上左右対称に形成される第1の反射面21aと第2の反射面21bとを有しており、液位検出面21が屈折率差の大きな流動性物質に接触している場合には、第1の反射面21aに向けて入射した検出光は第1の反射面21aで反射した後、第2の反射面21bで反射して検出光の入射方向と平行な反対方向に反射されるようになっている。なお、このような液位検出面21を備えている限り、先端部の外形は三角錐や四角錐などの角錐状であっても良く、円錐状であっても良い。
投光部23は検出光を発光する光源23aと検出光を液位検出体22に案内する投光用光ファイバ23bとにより構成されている。光源23aにはLED素子などの発光素子が用いられ投光用光ファイバ23bの一端部に設けられている。投光用光ファイバ23bは透明なガラスやプラスチックにより形成されており、その他端部は第1の反射面21aに向けて液位検出面21の反対面上に装着されており、光源23aで発光された検出光を第1の反射面21aに向けて照射できるようになっている。なお、光源23aは荷卸し中常時発光させるようにしても良く、所定の間隔で発光させるようにしても良い。
受光部24は検出光を電気信号に変換する光電変換器24aと検出光を液位検出体22に案内する受光用光ファイバ24bとにより構成されている。光電変換器24aにはフォトダイオードやフォトトランジスタなどが用いられ受光用光ファイバ24bの一端部に設けられており、受光量に比例した大きさの電気信号を出力しうるようになっている。受光用光ファイバ24bも投光用光ファイバ23bと同様の部材により形成されており、その他端部は液位検出面21で反射された検出光を受光するように第2の反射面21bに向けて液位検出面21の反対面上に装着されている。
投光用光ファイバ23bから照射された検出光は液位検出体22の中心軸に沿って透過し、液位検出面21で反射又は透過する。液位検出面21に照射された光の反射率は、液位検出体22を形成する部材の屈折率と液位検出面21に接触する流動性物質の屈折率との差により決定され、屈折率差の大きい空気が接触するとき液位検出面21の反射率は増加し、屈折率差の小さい石油製品が接触するとき液位検出面21の反射率は低下して光の大半は液位検出面21に接触する石油製品側に透過するようになっている。
投光用光ファイバ23b及び受光用光ファイバ24bのそれぞれはロープ状に束ねられており、その外周は耐蝕性に優れたフッ素樹脂(テフロン(登録商標))製の保護膜25によりコーティングされている。電気を用いる光源23aや光電変換器24aはタンク10の上部に防爆部として設けられた固定台10a上に配置されており、液位検出体22は投光部23及び受光部24を介して光学的に接続されており、相互の連結関係も簡潔であることから、電気スパークなどの危険はなく安全面に優れ、高度な防爆仕様を採用する必要がなくコスト面にも優れ、誤作動の可能性も少なく安定しており検出精度にも優れている。
タンク10の天壁には上方に突出する円筒状の取付け口10bが設けられ、取付け口10bの外周面には取付け部材26が着脱自在にねじ止めされるねじ部が形成されている。さらに、鉛直下方に向けて突出する支持筒10cが設けられており、投光部23及び受光部24が支持筒10cの内周面に当接して挿入されている。取付け部材26をねじ部に装着することによって、タンク10に対して所定の高さで液位検出体22を支持固定できるとともに、ハッチ内の気密性が確保され内部に収容された石油製品が外部に漏出しないようになっている。
図1に示される場合にあっては、タンク10の天壁の所定の位置にはハッチR1〜R9の内外を連通する複数の取付け口10bが開口しており、取付け口10bから挿入された液位検出体22の液位検出面21がハッチR1〜R9の底面から所定の高さで支持固定されるようになっている。なお、タンク10の天壁にはそれぞれのハッチR1〜R9に配置される液位検出体22と同数の取付け口10bがハッチR1〜R9のそれぞれに形成されているが、大径の取付け口を1つ設け、そこに複数の液位検出体22を組み込むようにしても良い。
図1に示されるように、最大容積が2kLのハッチR3〜R7には吐出単位量(kL)の液位に対応させて約1kLのときの液位とほぼ同じ高さと、ハッチR3〜R7の底面より所定量だけ高い位置とに液位検出面21が位置するように2台の液位検出体22が上下方向にずらして配置されている。一方、最大容積が4kLのハッチR1,R2,R8,R9には吐出単位量の液位に対応させて約3kL,2kL,及び1kLのときの液位とほぼ同じ高さと、ハッチR1,R2,R8,R9の底面より所定量だけ高い位置とに液位検出面21が位置するように4台の液位検出体22が配置されている。
それぞれのハッチR1〜R9内に配置された複数の液位検出器20のうち、ハッチR1〜R9内の石油製品が空になったことを検出するための最底面側の液位検出器20は、図3に示されるように、その液位検出体22の先端をタンク10の底面に当接させないようにしている。その理由は、走行時の車両の振動により液位検出体22が底面に衝突して破損したり、液位検出面21を透過しタンク10の底面で反射した検出光を受光部24が誤って検出したりすることを防止するためである。
このような液位検出体22の液位検出面21は、ハッチR1〜R9内部に収容される石油製品の積載量に応じて下方に配置されるものから順次石油製品に浸されることになる。図3に示されるように、液位検出体22の液位検出面21に石油製品が接触しない液位まで液位が低下したとき、つまり、液位検出面21が空気と接触しているときには、屈折率の差が大きくなって投光用光ファイバ23bから照射された検出光の大半が液位検出面21で反射して、その反射光を受光部24が受光することになる。一方、ハッチR1〜R9の最底面側に配置された液位検出体22の液位検出面21は石油製品と接触しており、屈折率の差は小さいことから検出光の大半は石油製品側に透過し、受光部24は検出光をほとんど受光しなくなる。
上述の通り、光電変換器24aでは受光量に応じた電気信号を出力しうるので、受光量にしきい値を設けて当該しきい値以上の光量が受光されたとき電気信号を出力するようにすれば、液位の低下を吐出量単位で検出することができる。くわえて、この出力された電気信号に基づいて底弁12の駆動手段を制御すれば、各ハッチR1〜R9に収容された石油製品の荷卸量を正確に管理することができる。図4は荷卸し制御装置の内部構成を示すシステム概要図であり、図5(A)は図4に示す操作盤の一例であり、図5(B)は図4に示すスイッチが配置されるスイッチ盤の一例である。
荷卸量の制御手段としての荷卸し制御装置は、荷卸し作業に関する種々の情報を表示する尺割荷卸操作盤27と、尺割荷卸操作盤27を介して入力される電気信号に基づいてエアモータ19への圧縮空気の供給を行なう電磁弁29aを開閉する電磁弁ボックス29とを有している。
尺割荷卸操作盤27は荷卸情報や荷卸状況を表示するための表示部27aを有しており、各給油所に備え付けられている混油防止調節計28により入力される給油所毎の荷卸情報や光電変換器24aから入力されるハッチR1〜R9毎の石油製品の積載量に関する情報などの種々の情報が点灯表示されるようになっている。図5(A)に示される横一列に配置された数字表示は各ハッチR1〜R9の室番号を示しており、縦一列に配置された数字表示は石油製品の積載量を示しており、格子状に区画形成された各マス目に配置されたLEDの点灯により各ハッチR1〜R9毎の積載量が表示されるようになっている。たとえば、0kL〜3kLの表示が点灯しているハッチR9には3kL以上の石油製品が積載されていることを示し、0kL〜1kLの表示が点灯しているハッチR1,R7には1kL以上2kL未満の石油製品が積載されていることを示し、0kLの表示が点灯しているハッチR3には0kL以上1kL未満の石油製品が積載されていることを示している。
表示部27aの1つとして、横一列に配置された室番号の上部には荷卸しの対象となるハッチを点灯して表示する荷卸ランプ27bが、下部には荷卸しを実行するハッチを点灯して表示する尺割ランプ27cがハッチR1〜R9の数に対応して横一列に配置されている。尺割荷卸操作盤27の下部には、前側の5つのハッチR1〜R5を対象とし荷卸し開始を指令するパネルスイッチ27dと、後側の4つのハッチR6〜R9を対象とし荷卸し開始を指令するパネルスイッチ27dが配置されている。このような尺割荷卸操作盤27は、例えば、車両の両側下部及び後側下部にそれぞれ配置される。なお、図示する場合にあっては、白抜きは非点灯を、ハッチングは点灯を意味している。
尺割荷卸操作盤27には、図5(B)に示されるようなスイッチ盤30が付設される。スイッチ盤30には、荷卸しを開始するハッチを選択するための荷卸選択スイッチ30aと、一回の荷卸量を1kL又は2kLから選択するための尺割選択スイッチ30bとがハッチR1〜R9の数に対応して横一列に配置されている。荷卸選択スイッチ30aにより選択されたハッチに対応する尺割ランプ27cは点灯されるようになっており、図5(A)に示される場合にあっては、ハッチR1に係る尺割ランプ27cが点灯している。底弁12の駆動手段は、尺割選択スイッチ30bにより1kLが選択されたハッチの底弁12は約1kLの石油製品が吐出された後に閉じられ、2kLが選択されたハッチの底弁12は約2kLの石油製品が吐出された後に閉じられるように制御される。
電磁弁ボックス29にはエアモータ19に対して選択的にエアーコンプレッサの圧縮空気を供給するための電磁弁29aがエアモータ19の数に対応して配置されている。これらの電磁弁29aには、中央演算処理装置(CPU)や記憶装置(ROMやRAM)を備える制御部29bから開閉信号が伝達され開閉制御されるようになっており、制御部29bから開弁信号が入力されると吐出位置に駆動し、閉弁信号が入力されると吐出停止位置に駆動するようになっている。
つぎに、荷卸し制御装置の作動について説明する。まず、作業者は、タンクローリ車が給油所に到着した後に荷卸し制御装置を起動させるとともに、混油防止調節計28を用いて荷卸しを希望する油種とその油量などの荷卸情報を尺割荷卸操作盤27に入力する。荷卸し制御装置を起動させると、上述の液位検出器20により検出されたハッチR1〜R9毎の液位が光電変換器24aを介して尺割荷卸操作盤27に入力表示されるので、作業者は、荷卸ランプ27bの点灯するハッチR1,R9内の石油製品の積載量を確認したうえで、荷卸ランプ27bの点灯するハッチR1,R9に対応する荷卸選択スイッチ30aおよび尺割選択スイッチ30bを操作しパネルスイッチ27dを押して荷卸しの開始を指令する。
この指令信号が入力される制御部29bは、荷卸選択スイッチ30aで選択されたハッチに対応して配置される電磁弁29aに開弁信号を送り底弁12を吐出位置に切り換える。底弁12が吐出位置に切り換えられたハッチに収容されていた石油製品は、作業者が吐出口14a〜14cに設けられた開閉レバー16a〜16cを操作することにより地下タンクへ卸される。
荷卸しにともなってハッチの液位は低下する。尺割選択スイッチ30bにより選択された荷卸量に対応する位置に配置される液位検出体22の液位検出面21が石油製品に接触しない液位まで液位が低下すると、受光部24が受光した検出光に基づいて尺割荷卸操作盤27に液位の低下が消灯表示されるとともに、制御部29bから電磁弁29aに閉弁信号が自動的に送られ底弁12を吐出停止位置に切り換える。このように、タンクローリ車に収容される石油製品の液位を簡便かつ正確に検出することにより荷卸し作業の安全性の確保を図ることができるとともに、荷卸し作業の自動化を図ることにより作業効率の向上を図ることが可能となる。
電磁弁29aに対する閉弁信号の送信は、必要に応じて、ハッチR1〜R9毎や液位検出器20毎に異ならせることができる。たとえば、ハッチR1〜R9内の最底面側に配置される液位検出体22はハッチR1〜R9の底面から所定量だけ高い位置に配置されていることから、最底面側に設けられた液位検出器20の受光部24が検出光を受光したときでもハッチ内部には石油製品が残った状態となっているため、受光部24が検出光を受光したタイミングで底弁12を自動的に閉じるようにすると、単位吐出量である1kLが荷卸しされていない状態のもとで底弁12を閉じることになる。そこで、最底部側の液位検出体22の受光部24が検出光を受光したときには、それよりも上方に配置された液位検出器20の液位検出体22の受光部24が検出光を受光したときよりも長い時間が経過したときに電磁弁29aに閉弁信号を送り底弁12を閉じるようにしている。これにより、ハッチ内の石油製品が確実に空となった後に底弁12を閉じることができる。
図6は液体検出器の基本構成を一部省略して示す概略構成図である。図示する場合にあっては、液位検出器20と同様の構造および機能を有する液体検出器31が吐出管13に取り付けられている。なお、図6において、図3に示される液位検出器20と同一の部材には同一の符号が付されている。
液体検出器31には液位検出体22と同様の液体検出体32が設けられている。つまり、液体検出体32には、石油製品が接触しているときには光源23aからの検出光を透過し、空気が接触しているときには受光部24に検出光を反射させる液体検出面33が設けられており、この液体検出体32は吐出管13の内部に所定の深さで配置されている。図2に示される場合にあっては、前側の共通配管13a、後側の共通配管13b、および後部配管13cのそれぞれに液体検出体32が配置されている。
このように吐出管13に配置された液体検出器31の受光部24が反射光を受光した場合には、吐出管13に石油製品が流れていないことが検出される。これより、例えば、荷卸し作業を終えた後に各ハッチR1〜R9に設けられた底弁12が確実に吐出停止位置に切り換えられているか確認することができる。底弁12の開閉を確実にすることで荷卸し時の混油を防止することができる。また、上述の通り、最底面側に配置された液位検出器20の受光部24が検出光を受光したときは、石油製品の残留を防止するため閉弁信号の送信を遅延させることができるが、その間に液体検出器31の受光部24が検出光を受光したときには既にハッチ内は空になっていることが検出されることから、直ちに閉弁信号を送信するようにすることもできる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々変更可能である。たとえば、ハッチR1〜R9内に配置される液位検出器20を1台としても良く、前記実施の形態においては、液位検出器20は1kL毎に配置されているが、吐出単位量が0.5kLである場合には0.5kL単位で配置するというように、任意に変更しても良い。尺割荷卸操作盤27にスピーカを設け、荷卸状況を警告音や警告メッセージで知らせることにより、荷卸しの際の人為的なミスをより確実に防止することもできる。吐出管13の配管系統として流出口11毎に接続され個別に吐出口を備える独立配管を採用する場合には、独立配管のそれぞれに液体検出体32を設けることができる。
タンクローリ車の一例を示す概略図である。 図1に示すタンクローリ車の吐出管の配管系統の一例を示す概略図である。 液位検出器の基本構成を一部省略して示す概略構成図である。 荷卸し制御装置の内部構成を示すシステム概要図である。 (A)は図4に示す操作盤の一例であり、(B)は図4に示すスイッチが配置されるスイッチ盤の一例である。 液体検出器の基本構成を一部省略して示す概略構成図である。
符号の説明
10 タンク
10a 固定台
10b 取付け口
10c 支持筒
11 流出口
12 底弁
13 吐出管
13a,13b 共通配管
13c 後部配管
14a〜14c 吐出口
15 遮断弁
16a〜16c 開閉レバー
17 底弁駆動軸
18 回転体
19 エアモータ
20 液位検出器
21 液位検出面
21a 第1の反射面
21b 第2の反射面
22 液位検出体
23 投光部
23a 光源
23b 投光用光ファイバ
24 受光部
24a 光電変換器
24b 受光用光ファイバ
25 保護膜
26 取付け部材
27 尺割荷卸操作盤
27a 表示部
27b 荷卸ランプ
27c 尺割ランプ
27d パネルスイッチ
28 混油防止調節計
29 電磁弁ボックス
29a 電磁弁
29b 制御部
30 スイッチ盤
30a 荷卸選択スイッチ
30b 尺割選択スイッチ
31 液体検出器
32 液体検出体
33 液体検出面
R1〜R9 ハッチ

Claims (4)

  1. それぞれ石油製品を収容する複数のハッチが設けられたタンクと、前記タンクの底面にそれぞれの前記ハッチに対応して設けられた流出口に連通して取り付けられる吐出管と、それぞれの前記流出口を開閉する底弁とを備えるタンクローリ車の荷卸し制御装置であって、
    前記流出口を前記吐出管に連通させる吐出位置と連通を遮断する吐出停止位置とに前記底弁を切り換える駆動手段と、
    石油製品が接触しているときには光源からの検出光を透過し、空気が接触しているときには受光部に検出光を反射させる液位検出面が設けられ、それぞれの前記ハッチ内に吐出単位量の液位に対応させて上下方向にずらして配置される複数の液位検出体と、
    荷卸し時に前記液位検出面に石油製品が接触しない液位まで液位が低下したときに前記受光部が受光した検出光に基づいて前記駆動手段に閉弁信号を送り前記底弁を吐出停止位置に駆動する制御手段とを有することを特徴とするタンクローリ車の荷卸し制御装置。
  2. 請求項1記載のタンクローリ車の荷卸し制御装置において、それぞれの前記ハッチ内の最底面側に設けられた前記液位検出体の前記受光部が検出光を受光したときは、最底面側の前記液位検出体よりも上方に配置された前記液位検出体の前記受光部が検出光を受光したときよりも長い時間が経過したときに前記駆動手段に閉弁信号を送ることを特徴とするタンクローリ車の荷卸し制御装置。
  3. 請求項1または2記載のタンクローリ車の荷卸し制御装置において、石油製品が接触しているときには光源からの光を透過し、空気が接触しているときには受光部に検出光を反射させる液体検出面が設けられた液体検出体を前記吐出管に設けることを特徴とするタンクローリ車の荷卸し制御装置。
  4. それぞれ石油製品を収容する複数のハッチが設けられたタンクと、前記タンクの底面にそれぞれの前記ハッチに対応して設けられた流出口に連通して取り付けられる吐出管と、それぞれの前記流出口を開閉する底弁とを備えるタンクローリ車の荷卸し制御装置であって、
    前記流出口を前記吐出管に連通させる吐出位置と連通を遮断する吐出停止位置とに前記底弁を切り換える駆動手段と、
    石油製品が接触しているときには光源からの検出光を透過し、空気が接触しているときには受光部に検出光を反射させる液体検出面が設けられ、前記吐出管に取り付けられる液体検出体とを有し、
    荷卸し時に前記液体検出面に石油製品が接触しない状態となったときに前記受光部が受光した検出光に基づいて石油製品の吐出が終了したことを検出することを特徴とするタンクローリ車の荷卸し制御装置。

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JP2008222235A (ja) * 2007-03-08 2008-09-25 Tatsuno Corp 油量計測システム
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